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同時であるとはどういうことか

時刻合わせも光が基準だ。

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遠くの時計の時間合わせ

 どんな速度で運動している人から見ても光の速度が変わらないという 非常識な事を認めるならば、今まで普通に使っていた「同時」という 概念は大きく変更を迫られることになる。  しかし、アインシュタインの主張は、 「同時」という今まで私たちが何も考えないで使っていた概念の方が間違っていたのであって、 この際、光を基準にして、同時に関する概念を見直すべきではないのか、というものである。

 アインシュタインはこう考える。  A 地点で静止している自分の時計と、遠くの B 地点でやはり静止している友人の時計が 合っているかどうかを確かめたい。  そのためにはこうすればいい。  0 時に A 地点から B 地点に向かって光を発射する。  B 地点では A から来た光を受けたら A に向かってすぐに反射させる。  光は 10 時に A 地点に返ってきたとしよう。  B 地点にいた人が、光が来たのは 5 時だった、と言えば 二つの時計は合っていることになる。  もしずれていたらその分だけ直してもらえばいい。

 このような調子で、お互いに静止しているあらゆる地点の時計を 「同時刻」に合わせることが出来るであろう。  どんなに距離が離れていても、お互いに静止している限り、 同じ時間が流れているのである。  同じ時を共有できるのである。  この安心感!

 ところが、お互いに運動する相手とは同じ時を共有できなくなってしまう。  私たちが通常使っている、同時という概念が崩れてしまうのだ。

 これからはアインシュタインの原論文とは違う解説をしようと思うので注意してほしいのだが、 なるべく分かりやすくアレンジしてみたつもりである。


同時の相対性

 A 地点と C 地点のど真ん中に B 地点があり、自分は B 地点にいるとする。  ここで A 地点に置いてある時計と C 地点に置いてある時計の 時刻合わせをすることを考えよう。

 そのために B 地点から A と C に向かって同時に光を発射する。  この二つの光は「同時に」それぞれの地点につくはずだ。  この瞬間、二つの時計を 0 に合わせれば二つの時計は同じ時を刻み始める。

 ところがこの時刻合わせの光景を、宇宙船で通り過ぎる人が見たらどう見えるだろうか。  ちょうど B 地点から光を発射する瞬間、宇宙船は B 地点にいた。  そして宇宙船は C 地点に向かってまっすぐに飛んでいる。

 宇宙船に乗っている人から見ても、B 地点から両方向に発射された光は同じ速度で 宇宙船から遠ざかってゆく。  つまり、光の見え方については B 地点にいる人と同じなのだ。  ところがロケットはぐんぐん C 地点に近づいている。  ロケットから見れば C 地点がどんどん近づいてくる。  逆に A 地点はどんどん遠ざかってゆく。  当然、光は先に C 地点にたどり着くだろう。

 ところが地上のやつらと来たら、 C 地点に光がたどり着いた時刻と、A 地点に遅れて光がたどり着いた時刻を 「同時だ」と言って時計を合わせたのだ!  けしからん!

 ・・・とは言っても光はめちゃめちゃ早いから、 よっぽど速いロケットでない限りほんのちょっとの差が出るだけだけどね。


ちょっとだけ速度が違ったらどうなるか

 お互いに静止している者どうしは、同じ時を共有できるのであった。  では「ほんの少しだけ」互いに運動している場合はどうであろうか?

 近くで起こる現象については問題ない。  しかし、遥か彼方の遠方で起こることについて話し合うと双方の意見に食い違いが出る。  距離が長くなればなるほど、時間に誤差が出るのだ。

 しかしそれは例えば、何億光年も離れたところで起きた超新星爆発が観測された時、 それが何億年前に起きたのか、それとも それプラス1時間だったかどうか程度の食い違いである。  それくらいならほとんど問題にはならないだろう。

 まあ、それでも気になるのなら動いている人とはあまり遠くの話をしない方がいい。


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