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目標と方針

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とにかく始める

 いつかは素粒子論の解説記事を書きたいと思い続けていた。  もちろん考えてるだけじゃ、いつまで経っても実現しないだろう。  思い切って何かを書き始める必要があるが、取っ掛かりが見付からない。

 いや、これまでに何度か、記事を準備し始めたことはあるのだ。  そうするとすぐに、解析力学や量子力学や相対論のページの中で予め準備しておいた方がいいと思えることが出てくる。  今でもその繰り返しから抜け出せないでいるのだが、頻度は減ってきた。  そろそろ踏み出してもいい時期だろう。

 色々とかっこいいことを書こうとしていたのだが、 実は方針など未だ定まっておらず、ふらふらとしているのである。  目標についても「できるところまで進みたい」というだけである。  ある程度進んでから、「目標と方針」を書き直してもいいじゃないか。  後で間違いに気付いたら、最初から書き直せばいいかとも思っている。

 やり始めてみないことには先がまったく分からないように思う。  以前にも何度か学ぼうとしてみたが、その度に挫折して、未だにわけが分からない分野である。  少しくらいは分かっているふりをしてみたいのだが、 少しは分かっていると思うのも多分気のせいだろうと思う。


毎度の身の上話

 高校時代にブルーバックスなどの啓蒙書を読んでクォークについて知った。  高校の物理の授業では決して教えてもらえない深遠な世界。

 実際に何度か尋ねに出かけてみたのだが、高校の物理の先生は受験の範囲外のことには疎かった。  実験を良く見せてくれる好きな先生だったのだが。  おそらくあの有名な物理サークルに所属してみえたのではなかろうか。  後から気付いたが、思い当たるふしがある。

 そういうものに憧れて大学に入ったのだが、何年待ってみてもクォークなんて言葉は出てこない。

 ある教科の初めの授業で、いきなり「ベータ崩壊の式を書いてみろ」と言われ、 誰一人答えることが出来なかったということがあった。  それで「物理学科に来ていながらそんなことも知らないとは情けない」とお説教を食らったのだった。

 今思えば確かに情けない話ではあるが、当時の私たちは皆一様に反感を持ったものだ。  そういうことを知るために大学に来たつもりだった。  そういうものはこれから手取り足取り親切に教えてもらえるものだと思っていたからだ。

 まだインターネットが噂でしか知られておらず、限られた人にしか触れなかった時代。  私たちはまったくの無知で、自ら勉強する方法があることすら知らなかった。  与えられた教材を使って、受験の為に勉強する術だけを身に付けていたのだった。

 この世に「物理の専門書」というものがあることさえ、大学に入るまでは知らなかった。  もちろん、ちょっと遠くの町の大きな書店に足を運べば専門書が置いてあるのは目に入ったが、 「土木設計」だったり「シーケンス制御」だったり「回路設計」だったり、 専門書というのはそういうものだと思っていた。

 そして結局のところ、学部に在籍中はクォークについて学ぶ機会はなかった。  群論も学ばなかった。  ちょっとショックを受けたのは、 「クォーク理論はまだ本当だかどうだか分からない怪しげな理論だ」として授業では軽く流されたことだ。  科学雑誌や啓蒙書であんなに紹介されている話なのに、現場ではそういう扱いなのか?

 代わりに「たとえクォーク理論がうまく行かなかったとしても役に立つ話」として、 アイソスピンなどによる粒子の分類などの、面倒くさくて、古臭くて、興味も沸かない、 私にとっては高度に過ぎる話を延々と聞かされたものだ。  しかし今思えば、あれは良いものだったかも知れない。  ああ、惜しいことをした・・・全く憶えていない!!

 最近ネットで知ったのだが、 湯川秀樹先生は「電荷が 1/3 とか 2/3 とか、そんな中途半端なものが存在する訳が無い」と言っておられたそうだ。  あれ? 同じセリフを聞いたことがあるぞ!  そういえば、あの教授は湯川先生のお弟子さんだったという話を聞いた気もする。  そういう繋がりなのか。

 ま、そういう、色々と中途半端な時代だった。


まずは基礎的な物語でも

 それで、ここでは何がしたいかというと、まずは基礎的なことを書いてしまいたい。  「ベータ崩壊はどんな式か」という質問を向けられて、高校生でもスラスラと答えられるようになるような。

 いきなり抽象度の高い理論の説明から入っても訳が分からないと思うので、 まずは簡単な読み物のようなものを書くところから始めようと思う。  そう言えば、現代に至るまでの歴史的なつながりを大学の講義では聞いた覚えがない。

 歴史を語るふりをしながら、様々な物理用語の紹介もしておこう。  本当はざっと流すだけにとどめたいのだが、 史実というのは思った以上に入り組んでいて、 単純にまとめようとしても簡単には書けないという罠もある。

 どんなことになるのか、その辺りへの挑戦も楽しんでみよう。


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