1 リピーター 2017/08/23 (水) 04:12:17 ID:Utjkuz.Osc [修正] [削除]
高校の時によくこのサイトにお世話になりました。大学生になって、改めて細かなところが気になり、ぜひ、アドバイスが欲しく、立ち寄らせていただきました。
さて、本題です。経路によって仕事が変わらない、つまり位置エネルギーが定義できる条件としてhttp://firestorage.jp/photo/79631cf0599500add1b0629aa48793b2f2a7ee42 があります。(画像でごめんなさい) この条件がある時(x₀,y₀)から(x₁,y₁)まで積分する時に(x₀,y₀)→(x₁,y₀)→(x₁,y₁)としても、(x₀,y₀)→(x₀,y₁)→(x₁,y₁)としても値は変わらないことは理解できました。しかしながら斜めに積分、また任意の経路に従った積分でも同じ値になることが理解できません。(x₀,y₀)→(x₁,y₀)→(x₁,y₁)としても、(x₀,y₀)→(x₀,y₁)→(x₁,y₁)としても値は変わらないのならば、それを利用し、任意の経路も細かく分けて(x₀,y₀)→(x₁,y₀)→(x₁,y₁)のようなものの積み重ねと考えれば済むと以前までは思っていたのですが、そのような近似を入れずに説明はできないものかと悩んでいます。
また、上記の画像の条件を、電流が作る磁場は満たすのですが、電流の右に回って積分をするか左に回って積分するかで仕事が変わります。これについては参考書にはx=0、y=0では上記の画像の条件を満たさないから。と書いてありました。たしかに、x=0、y =0では微分が不可能で、条件を満たしません。しかし、そのことが右周りなら積分した値が変わらず、逆回りだと変わる事とどのような関係にあるのかがわかりません。
ご教授や助言をいただけることをお待ちしています。
2 不識庵 2017/08/23 (水) 05:25:00 ID:Zwp4rt4wek [修正] [削除]
こちら等はご参考になるでしょうか?

http://eman-physics.net/electromag/stokes.html

「ストークスの定理」がキーワードになりそうな気がします。
3 黄昏に帰る 2017/08/23 (水) 08:38:35 ID:NTutyxmtEU 修正アリ: 13:48 [修正] [削除]
>>2 の方のとおりです。

>>これについては参考書にはx=0、y=0では上記の画像の条件を満たさないから。と書いてありました。<<
この言い方は問題があります。「存在しないものの条件」は無意味です。

たとえば、クーロンポテンシャル Φ=-Q/(4πε₀r) も原点で微分不可能ですが、保存力であり、
ポテンシャルが存在します。


この部分は物理学の曖昧さを体現した部分なので「物理」では、まず解決できません。これを理解する
には数学のベクトル解析以上を学ばねばなりません。これはポアンカレの定理とか補題といって、微分

条件だけではなく領域の位相(幾何)条件も必要になります。それによると、ポテンシャルが存在する
には微分条件だけでなく、領域が単連結領域あるいは星形領域であることが必要があります。

ここは私の知識を超えますが、R³-{0}の領域(クーロンポテンシャルの場合)では、任意の2点間を結
ぶ、曲線は移動によって、他の曲線に重ね合わせられますが、R²-{0} の領域(無限直線電流の場)で
は、{0}の直線に妨げられて、任意の曲線の移動はできません。

私はこの部分のいい加減さのため、調べましたが参考になる書籍はあまりありませんでした(素人です
が)。唯一、最低限の理解のために、「解析入門U(ベクトル解析)、杉浦」が必要になると思います。


【追加】
これは十分条件でないことも注意します。無限直線の電荷分布や同軸管内の電界はポテンシャル φ=A/r
が存在ます。

【追加2】
領域の位相も大事だという例で、無限直線電流の場合、R²-{x≦0,y=0} の領域を取ると磁界のポテンシャ
ルが存在します。
4 hirota 2017/08/23 (水) 12:26:44 ID:mxZWPl0EEs [修正] [削除]
微分可能・不可能は本質と関係ないから別にした方が良いですね。
1点や線に集中した電荷・電流じゃなく有限範囲に有限な電荷密度・電流密度がある状況では
電荷密度があってもrot=0だし、電流密度があれば微分可能でもrot≠0です。
なので、密度∞の極限でもクーロンポテンシャルは存在し、線電流では存在しません。

四角の辺に限らず任意の経路に従った積分でも同じになる事は
http://hooktail.sub.jp/vectoranalysis/GreensTheorem/
の証明が有ります。
5 リピーター 2017/08/24 (木) 03:46:23 ID:Utjkuz.Osc [修正] [削除]
不識庵さんありがとうございます。

http://firestorage.jp/photo/ed0d9af47f64d5cab3ff4f35f436b2578b01d448
この近似はテイラー展開ができる時のみだと思います。なのでx=0、y=0の時はストークスの定理は成り立たないことになりますか?
6 リピーター 2017/08/24 (木) 03:53:24 ID:Utjkuz.Osc [修正] [削除]
黄昏に帰るさん、ありがとうございます。
ベクトル解析もより深く学んでいきます。
どうして経路によって仕事が変わらないのか、についても助言がほしいです。
7 黄昏に帰る 2017/08/24 (木) 06:25:49 ID:NTutyxmtEU [修正] [削除]
>>6 保存力であれば F=grad Φとなる、Φが存在します。
点 A,Bを結ぶを任意の曲線C のパラメータ表示を (x(t),y(t),z(t))、a≦t≦b とします。
すると、

∫F・ds=∫grad Φ・ds=∫[a→b]grad Φ・(ds/dt)dt=∫[a→b](dΦ/dt)dt=Φ(B)-Φ(A)
となって、積分路によらず、ポテンシャルの値だけで決まります。

上は略記ですが、まともな書籍には書かれていると思います。
8 不識庵 2017/08/24 (木) 08:27:11 ID:Zwp4rt4wek [修正] [削除]
>>5

その件に関しましては、>4で既にhirotaさんがご回答されているかと思いますが・・・。
9 不識庵 2017/08/24 (木) 21:44:30 ID:Zwp4rt4wek [修正] [削除]
もう少しだけ申し上げたく。

太さの無い線状の電流は難しいので、まずは有限の太さがある場合を考えてみては如何でしょう?
現実の電線は大抵有限の太さがあるので、それほど不自然ではないと思います。
で、磁場 $\mathbf{H}$ に対してストークスの定理を考えます。

<tex>\int \mathbf{H}\cdot d\mathbf{s}=\int rot\mathbf{H}\cdot \mathbf{n}dS</tex>

ここで、電磁場は時間的に変動しないと仮定して、Maxwell方程式

<tex>rot \mathbf{H}=\mathbf{\rho}</tex>

を用いてストークスの定理の式の右辺を書き換えます。

<tex>\int \mathbf{H}\cdot d\mathbf{s}=\int \mathbf{\rho}\cdot \mathbf{n}dS</tex>

電流密度 $\rho$ はある有限の領域(例えばある半径rの内側)でだけ有限の値になるものとすれば、上式右辺の積分も収束するかと思います。
(この仮定もそれほど不自然なものではないと思います。)
上式右辺の積分値は当該領域を通過する電流を表しており、これがゼロでない場合は左辺もゼロにはなりません。
つまり、領域の境界上に適当な2点を取り、その2点間で境界に沿って磁場の線積分を行った場合、時計回りの経路と反時計回りの経路で値が異なるという事です。

上式右辺の積分値(通過する電流)を一定に保ったまま、電流を細くする極限を考えれば、太さの無い線状の電流でも同じ関係が成り立つものと考えても良い気がします。
10 リピーター 2017/08/25 (金) 04:53:37 ID:Utjkuz.Osc [修正] [削除]
hirotaさん、ありがとうございます。また、返事が大変遅くなり申し訳ありません。

理解するのに時間はかかりましたが、納得できました。とても感謝しています!ありがとうございました。

追加
C が 区分的に滑らか であれば(つまり,尖がった点がせいぜい有限個くらいしか無い形ならば),平面のグリーンの定理を適用することが可能です
とあるのですが電流が作る磁場による仕事はなぜ、面積分は0なのに、経路積分をすると0出ないという場合が存在するのですか。
11 リピーター 2017/08/25 (金) 05:00:46 ID:Utjkuz.Osc [修正] [削除]
黄泉に帰るさん,有り難うございます。
解決いたしました。お付き合いくださりありがとう御座きました!助かりました。
12 黄昏に帰る 2017/08/25 (金) 06:29:20 ID:NTutyxmtEU [修正] [削除]
まとめてみます。

f(x)=1/x は早くから慣れ親しんでいるので、この定義域が A=R-{0} であることが意識されていません。
この Aにおいて、f(x)は連続・微分可能であり、様々な議論が成り立ちます。x=0 の議論などありませ
ん。


話を戻して、ベクトル場 Fがポテンシャルを持つためには rot F=0 が必要ですが、これを満たしても、
ポテンシャルの存在の有無は判定できません。これに加え、領域(定義域)が単連結であれば、必ず
ポテンシャルが存在するというのがポアンカレの定理です。

たとえば、3次元のクーロン場のときは A=R³-{0} で rot E=0であり、Aが単連結なのでポテン
シャルの存在が保証されています。ただ、無限直線電荷の分布の電界E の場合、 A=R²-{0} で、
rot E=0 であり、単連結領域でないのですが、ポテンシャルは存在します。

これに対して、無限直線電流の磁界H の場合は A=R²-{0} でrot H=i=0 ですが、上と同じように
ポテンシャルの存在は保証されず、滴・ds≠0 の計算から明らかなように、実際にも存在しません。
ところが、領域をA=R²-{x≦0,y=0} にとり、単連結にすると、Hのポテンシャルも存在します。

なお、単連結領域というのは私には難しいのですが、領域内の2点を結ぶ任意の曲線は「移動」に
よって(領域の境界に邪魔されず)他方の曲線に重ね合わせられると理解しています。
13 hirota 2017/08/25 (金) 14:15:40 ID:mxZWPl0EEs [修正] [削除]
z軸に沿った半径 $r_0$ の電線に一様電流 $I$ があるとすると電流密度は
<tex>J=\!\begin{pmatrix}0\\0\\1\end{pmatrix}\!\!\frac{I}{\pi r_0^2}\quad(r\le r_0)</tex>
Gauss単位系の磁場は
<tex>\nabla\times H=\frac{4\pi}{c}J</tex>
より
<tex>H=\!\begin{pmatrix}-y\\x\\0\end{pmatrix}\!\!\frac{2I}{cr_0^2}\quad(r\le r_0)\ ,\quad H=\!\begin{pmatrix}-y\\x\\0\end{pmatrix}\!\!\frac{2I}{cr^2}\quad(r\ge r_0)</tex>
xy面内の電線断面 $r\le r_0$ で $\nabla\times H$ を面積分すると
<tex>\int_{r\le r_0}\!\!\!\!\!(\nabla\times H)\cdot\Vec{e}_zrdrd\theta=\!\int_{r\le r_0}\!\frac{4I}{cr_0^2}rdrd\theta=\!\int_{r\le r_0}\!\frac{8\pi I}{cr_0^2}rdr=\frac{4\pi I}{c}</tex>
円周 $r=r_0$ で $H$ を線積分すると
<tex>\int_{r=r_0}\!\!\!\!H\cdot\!\begin{pmatrix}-r_0\sin\theta\\r_0\cos\theta\\0\end{pmatrix}\!\!d\theta=\!\int_{r=r_0}\!\frac{2I}{c}d\theta=\frac{4\pi I}{c}</tex>
14 リピーター 2017/08/26 (土) 17:14:57 ID:Utjkuz.Osc [修正] [削除]
黄泉に帰るさん、hirotaさん、ありがとうございました。
返事が遅れてごめんなさい。納得できました。お世話になりました。





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