1 TMO 2016/03/27 (日) 18:08:48 ID:zBrXh2kDzw [修正] [削除]
1916年にアインシュタインが一般相対性理論を発表して以来、
重力に関わる現象は一般相対性理論によって扱われるようになった。
水星の近日点移動やGPS衛星で観測される時間の遅れ、遠方の天体による重力レンズ効果
といった実測可能な現象を定量的に説明できることから、
こんにちこの一般相対性理論の正しさ、正確さは広く受け入れられている。
それにとどまらず、ビックバンや宇宙の膨張、ブラックホールの存在など
私たちにとって非日常的な宇宙規模の現象の存在をも予言し、
それらの存在を裏付けるような観測事実も多く報告されている。

ところがこの中で、ブラックホールだけはその存在を示す直接的な観測事実がない。
こんにちその証拠とされているのは、強いX線の放出などの巨大な質量による現象である。
しかしそれは大質量の中性子星にも見られる現象であり、
ブラックホールに特有の現象ではない。
ブラックホールの存在を直接的に証明するためには、
天体の質量とその大きさを特定する以外にないだろう。
理論的にも、シュバルツシルト面上において計量の時間成分が消失し、
有限時間でその境界を越えることができないなど、いくつかの問題が指摘されている。
もしかするとブラックホールは理論的に存在し得ないのではないか?
その可能性を強く示唆する事実が一般相対性理論の内部に発見された。
本研究発表にてその発見の詳細を報告する。
2 TMO 2016/03/27 (日) 18:09:59 ID:zBrXh2kDzw [修正] [削除]
質量mの質点のエネルギー・運動量テンソルは
<tex> T^{\mu\nu} = mc^2u^{\mu}u^{\nu} \tag{1}</tex>
という形で表される2階の反変テンソルである。ここで $u^{\mu}$ は特殊相対論的速度で、
 ${\gamma}$ および相対速度 $v^{\mu}$ ( $ = {\partial}x^{\mu}/{\partial}x^0$ )を使って
 ${\gamma}v^{\mu}$ で表される(ただし $v^0=1$ )。
アインシュタイン方程式を導出する際に用いられるエネルギーおよび運動量の保存則は、
演算子 ${\partial}$ ( $ = {\partial}/{\partial}x^{\mu}$ )を用いて
<tex> {\partial}_{\mu}T^{\mu\nu} = 0 \tag{2}</tex>
と表される。 ${\nu}=0$ の式がエネルギー保存則を、
 ${\nu}=1,2,3$ の式が運動量のそれぞれの成分の保存則を表す。
一般化された計量での保存則は、演算子 ${\partial}$ をリーマン幾何学的に一般化した
共変微分演算子 ${\nabla}$ に置き換えた形で表されるが、
意味するところは本質的には変わらない。
<tex> {\nabla}_{\mu}T^{\mu\nu} = 0 \tag{3}</tex>
ミンコフスキー空間中の質点について具体的に考えると、
 ${\nu}=0$ の場合は、ある座標点におけるエネルギーの変化が
移動速度による近隣からの質点の流入(出)であることを表す。
 ${\nu}=1,2,3$ の場合も同様で、ある座標点における運動量各成分の変化が
運動量を持った質点の近隣からの流入(出)によりもたらされることを表す。

考える主体を質点から質量を持たない電磁波に置き換えても、
式(1)とは異なる形ではあるがやはりエネルギー・運動量テンソルが定義でき、
同じく式(2)(あるいは共変微分演算子を用いた一般形)でその保存則が記述できる。
厳密には質量成分と電磁波成分の和でエネルギー・運動量テンソルを記述すべきである
(さらに厳密には、重力波についてもまた異なる形のエネルギー・運動量テンソルが
定義され、保存則の中に加えられるべきである)。
なお、両者は特定の規則によって変換可能であることが特殊相対性理論の中で導かれる。
3 TMO 2016/03/27 (日) 18:11:14 ID:zBrXh2kDzw [修正] [削除]
前節で式(2)の形で示された4元形式におけるエネルギー・運動量保存則は、
時空間座標パラメータの微分によって表されている。実はこれは、
一般的に考えられているエネルギー・運動量保存則よりも厳しい条件を表している。
なぜなら、離れた位置にある物体同士の遠隔相互作用による
エネルギー・運動量のやり取りまでも禁じてしまうからである。
そのようなエネルギー・運動量の変化は空間的に不連続となり、
連続な変化を前提とする微分で記述することはできない。
非相対論的な物理、たとえばニュートン力学においては、
遠隔相互作用による仕事の蓄積は主体のポテンシャル・エネルギーとして記述される。
地球の重力により落下する物体を例に考えると、落下により運動エネルギーが増大する一方、
ポテンシャル・エネルギーが減少することでエネルギーの保存を成立させている。

現実世界においてこの点の対応を考えてみると、まず核力相互作用については、
ポテンシャル・エネルギーとして記述される仕事の蓄積は
主体の質量変化として“実在のエネルギー”に組み込まれている。
これは観測的な事実であり、核分裂反応や核融合反応において確認されている。
電磁気相互作用においてそのポテンシャル・エネルギーは核力相互作用のそれと比べて
非常に小さいため、観測による確認は相当に困難であろう。
とはいえ現実世界では、エネルギーの保存を表すために導入されたポテンシャル・エネルギーが
実在のエネルギー形態である質量の変化によって実現されているように見える。
そしてこの事実は一般相対性理論にとって好都合である。なぜなら、
式(1)の形で記述されるエネルギーにはポテンシャル・エネルギーは含まれておらず、
含めるには運動エネルギーのように何らかの形で質量に組み込むしかないからである。
4 TMO 2016/03/27 (日) 18:12:26 ID:zBrXh2kDzw [修正] [削除]
では重力相互作用についてはどうか?
重力相互作用については、このように「ポテンシャル・エネルギーが主体の質量に変換される」
という命題は現在一般的には想定されていない。重力相互作用が
電磁気相互作用と比べても桁外れに小さいという事実が背景にあるのかもしれないが、
天体の運動や宇宙の挙動を考える上でそれを“小さい”として無視することはできない。
そして重力相互作用によるポテンシャル・エネルギーを主体の質量に組み込まないのであれば、
式(1)の形で示される(空間的に連続な)エネルギー・運動量保存則は成立せず、
ここにアインシュタイン方程式の不備があることになる。
なぜなら、式(4)のように表されるアインシュタイン方程式は
エネルギー・運動量保存則(3)が成立することを前提として、
同じ形で表されるアインシュタインテンソルと等号でつないだものだからである。
<tex> R^{\mu\nu} - \frac{1}{2} g^{\mu\nu} R - \lambda g^{\mu\nu} =  kT^{\mu\nu} \tag{4}</tex>
ここで $R^{\mu\nu}$ はリッチテンソル、 $g^{\mu\nu}$ は計量テンソル、
 $R$ はスカラー曲率、 $\lambda$ は宇宙定数、 $k$ はアインシュタインの重力定数である。
5 TMO 2016/03/27 (日) 18:13:48 ID:zBrXh2kDzw [修正] [削除]
この不備の修正はそれほど難しくなく、エネルギー・運動量テンソルの00成分(一般的な
エネルギー)に質量を持つ全ての物体の重力ポテンシャル・エネルギーを加えればよい。
ある物体が重力により加速するとき、エネルギー・運動量テンソルの00成分である
エネルギーは運動エネルギーの増大により増大する。
しかしその分重力ポテンシャル・エネルギーが減少してその増大を打ち消すので、
エネルギーはここの主体のみに限定しても保存されることになる。
このように重力ポテンシャル・エネルギーを含めたエネルギー保存則は、
<tex> {\nabla}_{\mu}T^{\mu\nu} (x) + m(x)\phi(x)\delta_{0}^{\ \nu} = 0 \tag{5}</tex>
このように修正される。ここで $m(x)$ は点 $x$ における質量分布、
 $\phi(x)$ は(周囲の質量分布が作る)重力ポテンシャル分布である。
 $\delta_{0}^{\ \nu}$ は $\nu=0$ のときのみ1となるクロネッカーのデルタである。

この修正はアインシュタイン方程式にも影響を及ぼし、アインシュタイン方程式の右辺にある
エネルギー・運動量テンソルに同様の重力ポテンシャル項が加えられることになる。
この新規項は00成分のみが $m\phi$ という値を持ちそれ以外の項はすべて0となる
4元テンソルである。
ここで、重力ポテンシャル項にテンソルとしての性質を付与する必要がある。
新たに加えられる項は00成分のみなので、この成分が光速 $c$ の二乗に比例していれば、
新たな項も従来のエネルギー・運動量テンソルと同様に反変テンソルの性質を備える
ことになる。この点を考慮し、従来用いられてきた重力ポテンシャル・エネルギーの
表記を以下のように変更する。
これにより、重力ポテンシャル・エネルギーが座標変換に対して不変量となる。
<tex> m(x)\phi(x) = m(x)c^2\tilde{\phi}(x) \tag{6}</tex>
6 TMO 2016/03/27 (日) 18:15:15 ID:zBrXh2kDzw [修正] [削除]
さらに、特殊相対論への対応を考える。
特殊相対論によれば、観測者から見て速度 $v$ で移動する物体の質量は
係数 $\gamma$ ( $=(1-c/v)^{-1/2}$ )を用いて $\gamma m$ となる。
物体が持つエネルギーの変化は物体になされた仕事と等しく、
仕事の量を定めるそれ以外の量(移動距離など)は物体の速度に依存しないため、
重力ポテンシャル・エネルギーもまたそのときの に比例する。
ゆえに、式(6)は物体の静止時の質量 $m_0$ で
<tex> m(x,\dif{x}{t})\phi(x,\dif{x}{t}) = \gamma m_0(x)c^2\tilde{\phi}(x,\dif{x}{t}) \tag{7}</tex>
と表される。物体の移動がどのような時間的経緯をたどっても、
重力ポテンシャル・エネルギーの推移は運動エネルギーを含む質量エネルギーと連動する。
微小距離を移動する前後での重力ポテンシャル・エネルギーの変化は
運動エネルギーを含む質量エネルギーについて一定の比率となる。
ゆえに重力ポテンシャル は物体の速度の推移とは無関係な量となり、
式(7)はさらに以下のように表される。
<tex> m(x,\dif{x}{t})\phi(x) = \gamma m_0(x)c^2\tilde{\phi}(x) \tag{7'}</tex>
この表式を見れば、重力ポテンシャル・エネルギーもまた核力相互作用などの
ポテンシャル・エネルギーと同様に“質量の変化”として扱ってよいことが分かる。

しかし、式(7')では重力ポテンシャルが(重力ポテンシャル・エネルギー)/(そのときの質量)
という形で定義されているので、上のように重力ポテンシャル・エネルギーを
質量変化に組み込むと計算上不便が生じることになる。
これを回避するために、重力ポテンシャルの定義を以下のように変更する。
<tex> m(x_0,\dif{x}{t})\phi(x) = \gamma m_0(x_0)c^2\tilde{\phi}(x) \tag{8}</tex>
ここで $x_0$ は重力ポテンシャルを規定する基準点である。式(8)右辺のポテンシャルを
以下では「規格化重力ポテンシャル」と呼び、改めて $\phi(x)$ で表すことにする。
7 TMO 2016/03/27 (日) 18:16:28 ID:zBrXh2kDzw [修正] [削除]
重力ポテンシャルの効果が質量の増減をもたらすとして、次にその程度を見積もる。
地球の重力程度で物質の質量に検出可能な変化が生じないことは明白だが、
いわゆるブラックホールの表面近くではどうだろうか?
見積もる系として、十分大きな質量Mを持つ“質点”のみからなる空間を考える。
その周囲に形成される重力場はシュバルツシルトの解によって記述される。
無限遠方ではミンコフスキー計量、すなわち平坦であるとし、
そこでの重力ポテンシャルを0と定める。

この空間中に置かれた小質量 $m$ の物体の重力ポテンシャルは式(8)で記述され、
それは無限遠方から現在の位置まで重力源 $M$ による重力のみを受けながら移動する際の
距離積分である。ただし質量 $m$ は重力源の質量 $M$ と比べて十分小さく、
重力源は終始静止しているとみなせるものとする。
座標系は質量源である質点の位置を原点とし、その質点が静止しているものを採用する。
重力ポテンシャルを計算する際の距離積分では、
ミンコフスキー計量ではなくシュバルツシルト計量を用いなければならない。
重力に関しては、ミンコフスキー計量における表記でよい。
なぜならアインシュタイン方程式はポアソン方程式と同じくストークスの定理に基づいており、
重力場を決める上で重要なのは重力場を考える閉多様体の表面積だからである。
シュバルツシルト計量では $\theta$ 、 $\varphi$ 方向の要素がミンコフスキー計量と変わらないため、
重力源を中心とする球体の表面積はシュバルツシルト計量でも変化しない。
8 TMO 2016/03/27 (日) 18:17:31 ID:zBrXh2kDzw [修正] [削除]
以上の考察の結果から、重力ポテンシャル・エネルギーは以下のように表される。
<tex> \gamma m_0(\infty) c^2 \phi(r) = \int_{\infty}^r \frac{GM\gamma m_0(r')}{r'^2}  \frac{\D r'}{1-a/r'} \tag{9}</tex>
ここで $a$ は質量源 $M$ のシュバルツシルト半径である。
前節の議論から、両辺に含まれる $\gamma$ は点 $r$ における値であることに注意。
同じく右辺の $m_0(r')$ は
<tex> m_0(r') = m_0(\infty)(1+\phi(r')) \tag{10}</tex>
である。
式(9)の両辺を $r$ で微分すると規格化重力ポテンシャル $\phi(r)$ の微分方程式となり、
これは解析的に解くことができる。その結果は以下のようになる。
<tex> 1+\phi(r) = \sqrt{1-a/r} \tag{11}</tex>
これから明らかなように、 $1+\phi(a)=0$ 、ゆえに $m_0(a)=0$ となる。
9 TMO 2016/03/27 (日) 18:18:37 ID:zBrXh2kDzw [修正] [削除]
この結果が意味することを考える。最も簡単な解釈は、
重力場を落ちていく物体はシュバルツシルト面においてすべてのエネルギーを失う
というものである。

もしシュバルツシルト面の周辺に大気圏などが形成されていて、
落ちていく物体の運動エネルギーが大気粒子に奪われ、
さらに輻射によって遠方に放出される条件であれば、
落ちていく物体の全エネルギーは失われ、
物体が落ち込んでもシュバルツシルト面を形成する質量は増大し得ないことになる。
一方シュバルツシルト面の外部に何らの物質も存在しない場合、
落ちていく物体は重力ポテンシャル・エネルギーとして失ったエネルギーを
自らの運動エネルギーとして蓄えているため、
落ちていく間中エネルギーは保存されている。
そして、シュバルツシルト面に到達した時点で
エネルギーを保持したまま質量のみ失った存在になるだろう。
10 TMO 2016/03/27 (日) 18:19:46 ID:zBrXh2kDzw [修正] [削除]
ところで、シュバルツシルト面にはもう一つ、
計量の時間成分が失われ、時間が全く進行しないという際立った性質がある。
この性質のため、物体や電磁波などの主体は普通の方法では
有限時間でシュバルツシルト面を通過することができない。
通過できる唯一の可能性は、波動関数の広がりがシュバルツシルト面の先まで伸び、
トンネル効果で波動関数の“主”がその内部に収縮する場合であろう。
波動関数の広がりを完全に断ち切ることのできるものは
高さが無限大のポテンシャル障壁のみであり、
外側から見たシュバルツシルト面はポテンシャル障壁ではない。
しかし内側から見たそれは“高さが無限大のポテンシャル障壁”のように振る舞うことになる。

しかし、電磁波や重力波のような質量を持たない主体の“波”は確率波ではないため、
このようなプロセスによってシュバルツシルト面を越えることはできない。
シュバルツシルト面に到達して質量を失った"元物体"も同様であると考えられる。

以上の考察から、「シュバルツシルト面の内側」すなわちブラックホールは、
 仮に今存在しているとしても、今以上に大きく成長することはあり得ない
という結論が得られた。
11 TMO 2016/03/27 (日) 18:21:13 ID:zBrXh2kDzw [修正] [削除]
http://www.sankei.com/life/news/160229/lif1602290013-n1.html
> 2016.2.29 12:56更新 (産経ニュース)
> 重力波と同時刻に『ガンマ線バースト』現象
> 別チーム観測「ブラックホールの合体では生じないはず」

> 米国のチームが宇宙からの重力波を観測したのとほぼ同時刻に、
> 爆発的にガンマ線が放出される「ガンマ線バースト」とみられる現象を
> 天文衛星で観測したとの研究速報を、別の国際チームがまとめた。
> (中略)
> 重力波は、2つのブラックホールが合体したときに放たれたとされる。
> ガンマ線バーストは、(中略)が一生の最後に起こす超新星爆発や、
> 高密度の2つの中性子星の合体などで発生し、
> 2つのブラックホールの合体では生じないと考えられている。

重力波が検出できるようになったことで、
ブラックホールに関する理論的な考察が今後さらに進められていくでしょう。
遠からず、私と同じ結論に至る専門家が出てくるのかもしれません。
12 ひゃま 2016/03/27 (日) 20:37:10 ID:3lIzcPo45k [修正] [削除]
おひゃまします。

ひゃま論的には、自由落下で発生した重力ポテンシャルエネルギーの内、摩擦により運動エネルギーのみを失うんですが、どの観測者からみたお話なんでしょうか?





趣味の物理学書店