1 TimeComm 2013/10/10 (木) 08:18:09 ID:/YASHCpL22 修正アリ: 11/09 (土) 10:39 [修正] [削除]
1.はじめに

このスレッドは、親スレッド「様相解釈※(あるいは実存物理学)」から派生した子スレッドです。

量子力学の様相解釈は、相対論的因果律に反しない範囲で時間逆行通信を許容します。
したがって、量子力学並びに相対論的因果律と無矛盾な時間逆行通信の思考実験ができれば様相解釈を検証することができます。
そこで、「時間逆行通信の思考実験」に特化したスレッドを立て、集中的に議論することにしました。
(※このスレッドで考察する様相解釈は、親スレッドで提案した私流の様相解釈です。)

従来、時間逆行通信は実現不可能だと考えられてきました。
その根拠は、時間逆行通信が因果律に反するという根強い常識に求められます。
しかし、送信が受信より未来に為されたとしても、送信の原因事象が受信より過去に生起していれば、時間逆行通信は因果律に反しません。
より正確にいえば、受信事象が「送信の原因事象を頂点とする未来光円錐」の内側にあれば、時間逆行通信は相対論的因果律に反しません。

エーベルハルト(P.H.Eberhard)のNo-Go定理は、量子もつれを時間逆行通信(超光速通信)に利用する可能性を否定しています。
その定理の論証は、測定前の測定対象の状態が「何を測定するか(測定軸)」に依存しない純粋状態だという前提に立ってなされています。
しかし、様相解釈によれば、測定前の測定対象の状態は、「測定軸」に関する混合状態だと考えられます。
したがって、エーベルハルトの論証には疑義の余地があります。
とはいえ、量子もつれを時間逆行通信(超光速通信)に利用しようとする従来の試みがことごとく挫折したという歴史的事実は、
時間逆行通信不可能原理の存在を示唆しているようにもみえます。
だがしかし、2粒子系の量子もつれだけが遠隔量子相関ではありません。
たとえば、「ホイーラーの遅延選択実験」に代表される「1粒子系の遅延選択効果」の時間逆行通信への応用は、
最初から諦められていたためか、まだ誰も試みていないようです。

要約
・ 時間逆行通信の思考実験は、様相解釈の検証に資する。
・ 時間逆行通信は、因果律に必ずしも反しない。
・ エーベルハルトの超光速通信不可能定理の論証には疑義の余地がある。
・ 「1粒子系の遅延選択効果」を利用した時間逆行通信は未検討である。
2 愚暗 2013/10/16 (水) 01:53:34 ID:ZyhhMjr7ss [修正] [削除]
以前、何度かそちらのホームページの掲示板に書き込んだ愚暗です。私は物理に疎く自分で愚かと思っているので愚暗というペンネームを10年以上使っています。様相解釈なるものはどんなものか知りません。ウィラーの遅延選択を使った情報の送信は未検討なのかなと?思います。個人的には遅延選択で情報を送信はできるとは思いますが確率的で効果が少なく感じています。遅延選択についてはポールディビスの時間についてという本に書いてありましたよ。hom干渉を使った方法で。掲示板て゛意見を聞くのはいいですが文書だけでどんな
考えを貴方が持っているか分かりづらいので貴方のホームページのどこに詳しく書いているか書いてください。量子力学の解釈については個人的にはあんまり立ち入りたくないです。それと、個人的には時間遡行通信という名称よりも
量子タイムマシンを使いたいですね。一般的なタイムマシンの認識と違うと思いますが。
3 愚暗 2013/10/16 (水) 02:06:37 ID:ZyhhMjr7ss [修正] [削除]
物理に疎く愚かな私ですが大衆向けの科学雑誌は読みます。量子の絡みつきの記事を読むと、物理学者は因果律を壊しているように見えるものや、光の速さを越えることはタブーになっていると感じます。物理の基本的前提なので仕方ないですね。ジョン、アンチボルト、ウィラーならそういった意見にどう対応したか知りたくもあります。後、光円錐の中で時間遡行通信は因果律を反しないとあります。確かにそのとおりですが、特殊相対性理論を絡めると因果律は
反する場合も出てくると思います。そういった点で物理学者はそういったことは嫌うと思います。ただ、タイムパラドックスを避ける考え方もキップソンのタイムマシンの以後、色々、考えられているので、因果律に反する場合でも考えることをストップするのはおかしく思います。理論的に可能なら、宇宙はそれを邪魔する仕組みや、許容する仕組みを持っていると考えられますので。
4 TimeComm 2013/10/16 (水) 09:18:36 ID:/YASHCpL22 修正アリ: 10:20 [修正] [削除]
愚暗さん、こんにちは。

>遅延選択についてはポールディビスの時間についてという本に書いてありましたよ。hom干渉を使った方法で。

それは知りませんでした。
多分、ポール・デイヴィスも時間逆行通信を肯定的には捉えていないでしょう。
彼ほどの著名人が肯定的だったら大変なことになります!(^^)
5 愚暗 2013/10/16 (水) 20:59:02 ID:ZyhhMjr7ss [修正] [削除]
えーと、すいません、ポールディビスの早川書房の時間についてで書かれているhom干渉はカルフォルニアバークレイ校でで行われた実験について書かれていると思います。量子消しゴム実験ですが片方の経路に偏光板をおいて、どちらの経路を通ったかわかるようにし、hom干渉の2つの光子の検出器の前に偏光板を置くことで経路の情報を消せるようになっているもののようです。だから、光子が検出器に検出される前に偏光版が置かれている状態ですので遅延選択ではありませんね。ディビスは量子力学に固有の不確定性だ。というのが事実である。(5分5分の勝ち目でかける以外には)どの検出器が触発されるか実験者が前もって知らないために、彼女、彼氏は光子ごとに詳しく制御できない。時間を後ろ向きに送るためにメッセージを暗号に書き直そうとどんなに試みても、それは崩されて白色ノイズになってしまうだろう。とあります。
ディビスと時間について懐疑的な人との対話という設定で書かれており、懐疑者は人間が過去の実在を変形できるように聞こえる。もし、完全に自動化したらどうなるのかと聞いています。それに対して、バークレイのグループは経路を判別するためにつけられた偏光を消却する装置を偏光ビームスプリッターに換えて上、下の検出器に向かうように設計してどの光子が下の検出器に向かったか知ることで自動的に経路を知り、コンピューターに蓄える。後ほど2つの下の検出器のデーターを合算して、経路の情報を消すか、どの経路を通ったか
選択することで光子がどちらの経路を通ったか、二つの経路が寄与した結果を選択できると書いてあるように思います。私の理解力が悪くてすいません。
個人的感想ですがディビスは人間が過去を選択はできるけど量子の確率的な
振る舞いのため情報が送れないと考えているみたいな感じがします。私は個人的に良く分かりません。違う検出器が別々に光子を検出して、反応するのと
どちらか一方の検出器が光子を検出して反応すると考えれば区別できますし、反応が全然違うので情報が送れると思います。あと、自動化については装置の図がないので理解しづらいです。ただ、どちらの経路を通ったかをマクロのコンピューターに記録して、ゆっくりと後から選択できると考えている当事者の科学者がいたという記述があり、この経路をコンピューターに記録する実験が
その後、行われたか知りたいと思いました。マクロの形で安定して記録して後で、ゆっくり選択できればかなり前の過去に影響が与えられますので。ペンネームとごとく愚暗ですいません。
6 愚暗 2013/10/16 (水) 21:13:15 ID:ZyhhMjr7ss [修正] [削除]
申し訳ありませんが、前に書いたようにTIME COMMさんの考えているダブルHOMを含めて、時間遡行通信について、考えていることをさしあたりのない形で分かりやすくお知らせください。個人的には経路を通ったか示すデーターを光子で未来で選択する方式は何らかの改良がなければごく短い時間しか過去に影響は与えられないと思います。それを補うために2台の装置を使って、何度も繰り返す方法もありますが過去に与える影響が必ず100パーセントでない限回数をこなす限り、過去に送る情報の正確さが下がります。失礼ながら、貴殿のホームページは普通の一般の方には分かりづらいと思いますので日経サイエンスやニュートンのレベルで教えてほしいです。
7 愚暗 2013/10/16 (水) 21:16:16 ID:ZyhhMjr7ss [修正] [削除]
後、自分は頭が悪いので返事を書いてもらっても休みの日しか目を通すことができませんので、いろいろ教えてもらってもお礼の返事や質問はできませんので申し訳ないです。
8 TimeComm 2013/11/22 (金) 23:48:22 ID:/YASHCpL22 [修正] [削除]
2. Dragonの正体

コペンハーゲン解釈と多世界解釈のどちらにも精通していたジョン・ホイーラーは、
彼の有名な思考実験「遅延選択実験」を通じて、
従来解釈では説明できない状態遷移「Great Smoky Dragon」への注意を喚起しました。

図1 http://timecomm.img.jugem.jp/20131122_574222.png

図1(a)に示したようにマッハツェンダー干渉計(以下MZ干渉計という)に光子1個を入力した場合、
干渉によって検出器D1が光子を検出する確率をゼロにできます。
一方、図1(b)に示したように、ビームスプリッタBS2を光路から外し、
かつ、検出器D1が光子を検出した場合、光子は下光路を通ってきたと推測できます。
他方、図1(c)に示したように、ビームスプリッタBS2を経路から外し、
かつ、検出器D2が光子を検出た場合、光子は上光路を通ってきたと推測できます。
そこで、もしMZ干渉計に光子を入力した後でビームスプリッタBS2の抜き差しを選択したら、
過去の光子が上光路状態と下光路状態との重ね合わせとしての純粋状態であったのか、
それとも上光路状態か下光路状態かの確率的混合としての混合状態であったのかが、
事後的な選択(遅延選択)に対応しているということになります。
以上の見解は、一見因果律に反するようにみえます。
また、測定前の測定対象の状態が測定装置の設定に対応しているという事態は、
従来解釈では説明不可能です。
ホイーラーはP.C.W.デイヴィスのインタビューに応えてつぎのように述べています。

(引用開始)
はっきり思い描くことのできることは、実際、「霧中の竜王(Great Smoky Dragon)」のようなものです。
竜の尾は鋭くはっきりしています。それは光子が器具の中に入って半透明鏡を通過するときです。
竜の口はきわめて明白です。それは光子が一方あるいは他方の検出器に達したときです。
しかしその間は、それが存在するという権利はありません。
(引用終了)P.C.W.デイヴィス他編、出口修至訳「量子と混沌」より

様相解釈は、dragonを覆ったsmokeを吹き払い、その正体を明らかにすることができます。

図2 http://timecomm.img.jugem.jp/20131122_574223.png

ホイーラーの遅延選択実験では、対象光子の光路状態を測定しましたが、
対象光子の偏光状態を測定すれば、もっと簡単に遅延選択実験ができます。
それは、図2に示したように特定の偏光状態(ここでは、水平偏光状態|H>とする)にある
1光子を実験系に投入し、可動式の偏光板Paに通したあと検出器Daで検出する実験です。
図2(a)に示したように、偏光板Paを垂直偏光状態|V>の光子だけを通す設定Pa(V)にしておけば、
検出器Daが光子を検出する確率はゼロになります。
一方、図2(b)に示したように、偏光板Paを+45°偏光状態(以下偏光状態|D>という)の
光子だけを通す設定Pa(D)にしておけば、検出器Daが光子を検出する確率は50%になります。
他方、検出器Daが到達予定時刻に光子を検出しなかったという事実から、
設定Pa(D)の偏光板が-45°偏光状態(以下偏光状態|X>という)の光子を吸収したと
断定できる確率も50%になります。
したがって、光子を実験系に投入した後に偏光板Paの設定を選択することにより、
ホイーラーのオリジナル版における光路測定を偏光測定に置き換えた遅延選択実験ができます。

以下、図2の実験系における光子の状態遷移を考察します。

相対論的因果律によって次の命題1が保証されています。

命題1: 設定Pa(D)の原因事象を頂点とする未来光円錐の内側では、
DX測定が為され測定値Dまたは測定値Xが得られる

上記命題1に帰納法を適用すると次の命題2が導かれます。

命題2: 設定Pa(D)の原因事象を頂点とする未来光円錐の内側では、
測定対象は純粋状態|D>と純粋状態|X>とに一意に分解できる混合状態である

光子を実験系に投入した時点においてほぼ1の確率でHV測定が決まっていれば、
測定対象の初期状態はほぼ純粋状態|H>だといえます。
ところが、一たび設定Pa(D)の原因事象が生起すれば確率1でDX測定が行われ
測定値Dまたは測定値Xが得られます。
そこで、次の命題3が成立します。

命題3: 光子を実験系に投入した時点においてほぼ1の確率でHV測定が決まっている場合、
測定対象の状態は、設定Pa(D)の原因事象を頂点とする未来光円錐面において
「ほぼ純粋状態|H>」からDX混合状態へと非力学的に遷移する

結局、光子を実験系に投入する前から設定Pa(D)が決まっていたなら、
光子は実験系に投入する前からDX混合状態だといえます。
一方、光子を実験系に投入した後に設定Pa(D)を決めた場合は、
光子の状態は設定Pa(D)の原因事象を頂点とする未来光円錐面で
設定Pa(D)と対応するDX混合状態へと非力学的に遷移したといえます。

以上の解釈は、必然性(因果律)や偶然性(波束の収縮)や現実世界や可能世界といった
様相概念を基本概念として展開される解釈です。
そこで、筆者はそれを様相解釈※と名付けました。
また、純粋状態から「測定装置の設定に関する混合状態」への非力学的遷移を、
力学的遷移と区別するために、様相遷移と呼んでいます。

(※ ファン・フラーセンが提唱している「コペンハーゲン的様相解釈」に対して、
上述の解釈を「実存主義的様相解釈」と呼ぶこともできます。)
9 TimeComm 2013/12/09 (月) 16:42:25 ID:/YASHCpL22 [修正] [削除]
3.Back in Time

時間逆行通信の思考実験を提案します。

図3 http://img-cdn.jg.jugem.jp/ae8/2114200/20131202_590396.png

図3は、図2の実験系に新たにビームスプリッタBSと偏光板Pbと検出器Dbとを加えた実験系です。
ただし、偏光板Pbの設定は、V偏光光子だけを通す設定Pb(V)に固定してあるものとします。
図3(a)のように偏光板Pbと同様に偏光板PaもV偏光光子だけを通す設定Pa(V)にした場合は、
従来解釈であれ、様相解釈であれ、検出器Dbが光子を検出する確率はゼロになります。
では、図3(b)のように、偏光板PaをD偏光光子だけを通す設定Pa(D)にした場合はどうでしょうか。
従来解釈によれば、
光子が偏光板Pbを透過する確率は、偏光板Paの設定と無関係だと考えられるので、ゼロのままです。
一方、様相解釈(実存主義的様相解釈)によれば、
設定Pa(D)に対応してDX混合状態の光子がビームスプリッタBSを透過する可能性があるので、
DX混合状態の光子がビームスプリッタBSで反射される可能性もあるといえます。
したがって、光子が偏光板Pbを透過し検出器Dbで検出される確率は一般にゼロにはなりません。
このように、従来解釈にもとづく常識的見解と様相解釈にもとづく推測とは矛盾するので精査が必要です。

様相解釈の立場から、図3(b)の実験系に1光子を投入した場合に検出器Dbが光子を検出する確率を計算してみます。
図3(b)は、図2(a)と図2(b)を折衷させた実験系だといえます。
すると、図3(b)の測定装置(ビームスプリッタBS以降の光学系全体)によって光子を測定することが確定した世界、
すなわち、設定Pa(D)の原因事象を頂点とする未来光円錐の内側では、測定対象の光子は
純粋状態|H>とDX混合状態とが按分された状態にあると考えられます。
そこで、ビームスプリッタBSの透過率:反射率を適当に調整すれば、
ビームスプリッタBS直前における純粋状態|H>とDX混合状態との割合を50%ずつにできるでしょう。
直観的には、ビームスプリッタBSの透過率:反射率を50:50にすれば、
純粋状態|H>とDX混合状態の割合も50%ずつにできると思われます。
その場合、50%の割合を占めるDX混合状態は、ビームスプリッタBSの反射側の出力ポートから25%の確率で出力され、
さらに、偏光板Pbを12.5%の確率で純粋状態|V>として透過することになります。
ゆえに、検出器Dbが光子を検出する確率は12.5%になります。

以上の思考実験が正しいとすれば、図3の実験系は時間逆行通信に利用できます。
すなわち、Alice側の偏光板Paの透過軸切り替えを送信事象とし、
Bob側の光子検出頻度の変化を受信事象とする確率的な時間逆行通信が成立します。
なお、この時間逆行通信は、受信事象が送信の原因事象を頂点とする未来光円錐の内側にあるので、相対論的因果律に反しません。

次のような反論が予想されます。

反論: もし、図3(b)において12.5%の確率で検出器DbがV偏光光子を検出するなら、
すでに同様の効果が発見されていてしかるべきである。
そのような報告はないから、上記の思考実験は間違いである。

これは尤もな反論です。しかし、下記のような理由から、上記の思考実験が間違いだとは言い切れません。
図3(b)の実験系に、集群した多数のH偏光光子を投入した場合、
投入光子数に比べて検出器Dbが検出するV偏光光子の数は極端に少なくなると考えられます。
なぜなら、その場合、偏光板PaのX偏光光子吸収と、検出器DaのD偏光光子検出とが高い確率で同時的に起こるので、
測定前の多くの光子の状態は|D>である可能性と|X>である可能性とが共存した純粋状態|H>のままだと推測されるからです。
つまり、図3(b)の実験系に集群した多数のH偏光光子を投入した場合、
|H>であった光子の状態がビームスプリッタBSの手前で|D>か|X>かの混合状態に様相遷移する割合が極端に小さくなります。
そのため、投入光子数に比べて検出器Dbが検出する光子数は極端に少なくなります。
たとえば、波長600nm,強度0.1mW,コヒーレンス長1mm のレーザビームでは、
コヒーレンス長内の平均光子数が約1000個にも上るので、
そのような光源を用いて時間逆行通信効果をノイズと見誤ることなく偶然に発見することは困難だと考えられます。
10 愚暗 2013/12/12 (木) 01:37:46 ID:ZyhhMjr7ss [修正] [削除]
私はペンネームのとおり科学に疎いので貴方の量子解釈や時間逆行通信について理解しかねます。以前のダブルhomの時も完全には分かりませんでしたが今回の時間逆行通信の思考実験は少しも理解しかねます。絡み合った二つの光子を使用せず、1つの光子で遅延選択の実験を行う事が理解できません。この思考実験を構成するボブとアリスに光子を分配するピームスプリッターは偏光ピームスプリッターじゃないですかね?
この実験を理解できない私が聞くのも問題かと思いますがこの思考実験で具体的にアリスがボブに情報を送るときの正しい情報の送信できる確率を表してほしいです。アリスがさいころの入っている箱を振り、箱を開けて、偶数か奇数かボブに結果を送るなどの具体的な例でこの思考実験の予想される精度を教えてほしいです。もちろん、アリスが箱を振ってさいころの状態を確定するのは
ボブが結果を受信する以前ですけど
11 TimeComm 2013/12/12 (木) 17:03:45 ID:/YASHCpL22 [修正] [削除]
愚暗さん
>偏光ピームスプリッターじゃないですかね?

違います。この思考実験で使っているビームスプリッタは、
通常の無偏光ビームスプリッタ(偏光成分による分割比の変動が無いビームスプリッタ)です。

>アリスがさいころの入っている箱を振り、箱を開けて、偶数か奇数かボブに結果を送る…

その設定には問題があります。もしそのサイコロが非決定論的な量子サイコロであった場合は、
受信事象がその量子サイコロ投げ(波束の収縮)を頂点とする未来光円錐の内側に入っていなければ通信は成立しません。
これは、相対論的因果律が要請する条件です。

>この思考実験の予想される精度を教えてほしいです。

アリス側の偏光板の設定Pa(V)を信号0に対応させ、設定Pa(D)を信号1に対応させた場合、
1光子による1回の通信において、ボブ側の検出器Dbに信号1(設定Pa(D)に対応)の光子が到達する確率は12.5%です。

しかし、1光子による通信を連続的あるいは同時並行的に行えば、ボブが信号1を受信する確率は100%に近づけられます。
例として、波長600nm,強度1nW,コヒーレンス長3mmのCWレーザ(連続波)を実験系に投入した場合について考えます。
初期状態では、コヒーレンス長内に平均0.03個の光子が存在します。コヒーレンス時間は10^-11秒すなわち10ピコ秒です。

なお、アリス側に光子が同時(コヒーレンス時間内)に2個以上到達する確率は1/10000程度なので無視することができます。
つまり、この実験系は1光子系とみなせるということです。

アリス側の偏光板の設定を設定Pa(V)からPa(D)へ切り替え、その設定を1マイクロ秒維持したとすると、
その間に平均3000個の光子が実験系に投入されることになります。
そして、平均375個の光子がボブ側の検出器Dbに到達することになります。
特定時間内に平均375回発生する事象が、同時間内に250回以上発生する確率をポアソン分布の式から求めると、
小数点以下に9が11個も並ぶ100%に近い確率になります。
そこで、検出器Dbが、検出時間1μs,到達光子数250個という条件で確実に検出信号を出力するとすれば、
ボブはほぼ100%の確率で信号1を受信できることになります。
たとえば、光路差(アリス側光路長からボブ側光路長を引いた長さ)を3kmに設定すれば、
アリスは9マイクロ秒前の過去のボブへ向けて、ほぼ100%の確率で信号1を送ることができます。
12 TimeComm 2013/12/17 (火) 10:10:06 ID:/YASHCpL22 [修正] [削除]
4. 可能性と現実の境界

図4は、図3の実験系を発展させたものです。この実験系では、量子サイコロ投げ(波束の収縮)を原因として、
偏光板Paの設定がPa(V)からPa(D)に切り替わるように工夫してあります。
このようにすれば、量子サイコロ投げを行う時空点(設定Pa(D)の原因事象)を徐々にずらしながら
時間逆行通信が成立しなくなる時空点を特定することにより、様相遷移を検証できます。

図4 http://img-cdn.jg.jugem.jp/ae8/2114200/20131216_611007.png

量子サイコロ投げ(原因事象)と、設定Pa(V)から設定Pa(D)への切り替え(結果事象)との
時空上の位置関係を確定するために、パラメトリック・ダウンコンバータPDCにより光子対を生成し、
一方の光子を量子サイコロに導入し、他方の光子を時間逆行通信系に導入します。
ただし、量子サイコロは透過率1%の減光フィルタNDと検出器Dqdによって構成されているものとます。
また、初期設定では、偏光板PaはV偏光のみを透過する設定Pa(V)にしてあるものとします。
そして、検出器Dqdが光子を検出したら、偏光板Paの設定をD偏光のみを透過する設定Pa(D)に切り替えるものとします。
(現実の実験では、高速切り替えが可能な電気光学的な偏光子を使用します。)
そうすると、図5のミンコフスキー時空図に示すように、量子サイコロ投げQDEを行う時空点を
徐々にずらしながら時間逆行通信が成立しなくなる時空点を特定することにより、様相遷移を検証できます。

図5 http://img-cdn.jg.jugem.jp/ae8/2114200/20131214_607977.png

まず、図5(a)に示すようにBob側検出器Dbへの光子の到達・非到達事象DbEが
量子サイコロ投げQDEを頂点とする未来光円錐の内側にある状況では、
Bob側の光子の状態はAlice側の偏光板設定切り替え事象PaEに相関して、
「ぼぼ純粋状態|H>」から「純粋状態|H>とDX混合状態とが按分された状態」になります。
したがって、この状況では時間逆行通信が成立します。
ただし、ここでBob側検出器Dbへの光子の到達・非到達事象DbEとは、
Bob側検出器Dbへの光子の到達想定時刻における光子の到達事象あるいは非到達事象のことであり、
その想定時刻は量子サイコロの検出器Dqdが光子を検出した時刻から割り出されます。
つぎに、図5(b)に示すようにBob側検出器Dbへの光子の到達・非到達事象DbEが量子サイコロ投げQDEを頂点とする
未来光円錐の外側にある状況では、Bob側の光子の状態はAlice側の偏光板設定切替事象PaEと相関関係がなく、
ほぼ純粋状態|H>のまま変化しません。したがって、この状況では、時間逆行通信は成立しません。

このように、様相遷移は特定の未来光円錐面で起こります。
このことは、様相遷移の法則が「すべての座標系において同じ形式で記述できる」ということを意味しています。
つまり、様相遷移は一般共変性原理に適っているので、相対論と整合しているということです。
一方、コペンハーゲン解釈や多世界解釈などの従来解釈は、Great Smoky Dragonのパラドックスを抱えており、
測定対象の状態の時間発展を相対論と整合した形で記述できません。


5. むすび

測定過程に因果律と帰納法を素直に適用すると、実存主義的様相解釈が導かれます。
また、測定対象の状態変化を相対論(一般共変性原理)に整合する形で記述できる解釈は、
実存主義的様相解釈以外に見当たりません。
一方、実存主義的様相解釈は、時間逆行通信という著しく非常識な効果を予想します。

必然性(因果律)や偶然性(波束の収縮)や現実世界や可能世界といった様相概念を適切に取り扱うために、
我々は、本稿で提案したような思考実験、あるいは現実の実験を手がかりとして、
物理学をいまここの観測者(実存)を中心に据えた形に発展させていく必要があります。


【参考文献】
1. P.C.W.デイヴィス 他編(1986)『量子と混沌』地人選書「4 ジョン・ホイーラー」pp.87-103.
2. 吉田 伸夫 website「科学と技術の諸相/Q&A/EberhardのNo-Go定理に関する応答」
http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/qa_a60.htm
3. ロジャー・ペンローズ(1997)『心は量子で語れるか』講談社「第2章 量子力学の神秘」 pp.83-137.
4. 井上 恭(2008)『工学系のための量子光学』森北出版 185pp.
5. 白井 仁人 他著(2012)『量子という謎(量子力学の哲学入門)』勁草書房 256pp.
13 愚暗 2014/01/19 (日) 11:51:11 ID:ZyhhMjr7ss [修正] [削除]
丁寧に質問に答えてくれてありがとうございます。この新しい時間遡行の方法が理解しかねますので、ただ、やはり、量子を使って情報を送る場合は、確率的になるため、複数回、実験をして、統計的に実験データーを処理して情報を判断するのですね。個人的に思うのですが最近は科学者と一般の方のコミニケーションをもっととろうとサイエンスカフェなど交流の場が設けられているのでそういった場で物理学者に質問したほうが良いと感じました。理解はできませんでしたが貴方の方法では量子力学的な確率的なノイズがないようなのでよい感じがしました。





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