EMANの物理学 過去ログ No.11732 〜

 ● ファラデーの法則

  投稿者:bon - 2011/12/01(Thu) 12:45  No.11732 
こんにちは。久しぶりに失礼します。

z軸上方向に一様な磁場があり、それが一様に変化するとします。すると、xy平面内の閉回路で起電力が発生しますよね。ファラデーの法則です。
これをミクロな視点で見れば、導体内の電子が力を受けたということですよね。
そこで今度は一つの荷電粒子がこの磁場中に置かれたとすると、力を受けるのでしょうか?私はNoだと思います。
z軸方向には力が発生する訳もなく、xy平面内については対称性があるので特定の方向にだけ力が発生することもあり得ないと思います。
このように矛盾すると思うのですがどうでしょうか?

疑問点を理解していただけたでしょうか?モデル化して考えたことも説明します。
摩擦のない中空のチューブ状の円を用意して、そのなかに径とぴったりの大きさの荷電粒子をたくさん詰めます。(粒子同士は反発して、等間隔にならんだところで落ち着き、それぞれの粒子について対称性から反発力は向心方向のみで、チューブからの垂直抗力のみでつり合います。)
ここに上述の磁場をかけると、ファラデーの法則から考えれば誘導電場により粒子は運動し、個々の粒子の受ける力から考えれば何の力も働きません。

別にファラデーの法則を疑っているわけではありません。たぶん粒子は運動するのが正しいと思うのですが、そうであるとすると単体の粒子の場合でも何らかの方向に運動することになるのでは?と思ったのが疑問の始まりでした。
まとまりのない説明ですが、どなたか納得のいく解説をお願いします。

  投稿者:hirota - 2011/12/01(Thu) 15:09  No.11733 
まず、z方向を向いた一様磁場が大きさだけ一様変化することがありえません。
磁力線は1点の微小ループから広がるのでなければ外から出入りする必要がありますから、どこかの方向から移動してくることになります。
xy面内の併進対称性はありません。

  投稿者:kafuka - 2011/12/01(Thu) 22:40  No.11735 
お畏れながら、、、

z軸方向に向いた十分大きなコイルを想定すれば、どうでしょうか?
(その中心軸が、注目する荷電粒子付近にあるとする)
で、I=a+bt の電流を流し、電流が流れ得る間だけを考える。

もちろん、xy平面に±∞の巾の併進対称性はありませんが、
注目する荷電粒子の付近では、近似的に併進対称性が成り立つと思います。

固体物理でも、無限の大きさの結晶はありえませんが、近似的に併進対称性が成り立っている
としますから、、、

  投稿者:bon - 2011/12/01(Thu) 22:51  No.11736 
hirotaさん。回答ありがとうございます。

>>まず、z方向を向いた一様磁場が大きさだけ一様変化することがありえません。
とのことですが、つまり現実では対称でないからその非対称性に基づいて方向が決定される、ということでよろしいのでしょうか?
だとすると、円電流を用意してその中心に荷電粒子を置き、電流を変化させた場合などはどの方向へ運動するのでしょうか?(中心での磁場は垂直向きで、強さは電流に比例して変化します)完全に対称性があるように思います。

>>磁力線は1点の微小ループから広がるのでなければ外から出入りする必要がありますから、どこかの方向から移動してくることになります。
の部分ですが、こちらの不勉強のせいで申し訳ないのですがもう少し詳しくご教授お願い出来ないでしょうか。

kafukaさん。回答ありがとうございます。入れ違いになってしまいました。

結局の所、変化する磁場の中の静止している荷電粒子がどのような力をうけるのかという問題に帰着されると思います。
力を受けるのなら対称性が壁になり、受けないのならファラデーの法則と矛盾するということです。

  投稿者:ASA - 2011/12/02(Fri) 07:07  No.11739 
bon さん
hirotaさんが回答しているように、無限に広い一様磁場は存在しません。
なので、併進対称性はありません。
>(中心での磁場は垂直向きで、強さは電流に比例して変化します)完全に対称性があるように思います。
 併進対称性はないですが、回転対称性が存在します。したがって回転運動をします。電荷が中心にあるならトルクを受けます。
 (磁場で考えるより、ベクトルポテンシャルで考えた方が理解しやすいですね。ベクトルポテンシャルは渦を巻いてます。)


  投稿者:hirota - 2011/12/02(Fri) 10:11  No.11740 
No.11736>磁力線は・・
磁場を発生させる状況を考えてください。
磁石を使うなら、他所から磁石を持ってくることになりますから、磁力線も他所から移動してきます。
電流を使う場合は、電流0から流し始めれば、最初は微小な電流により電線近傍だけの磁場が電流増加とともに広がることになります。
つまり、磁力線の輪は一点から広がって空間に存在するようになります。
磁場の変化は磁力線の追加ですから、同様にどこかから移動してくることになります。
こういう理解は勉強・不勉強の問題ではなく、言葉だけ覚えてるだけかイメージが伴ってるかの違いです。
対称性についても、イメージがないため併進対称性と回転対称性の区別が付かないようですね。

  投稿者:bon - 2011/12/02(Fri) 14:16  No.11741 
ASAさん。hirotaさん。回答ありがとうございます。

おおかた納得しました。おかげさまでイメージがつかめましたが、hirotaさんの説明は直接に一様磁場が不可能であることをいっているわけではないと思います。
例えば無限長ソレノイドの内部は一様な磁場が発生してますよね。ここで電流を変化させれば一様変化も可能です。無限長という仮定にかなり無理があるとも思いますが、電流をどのように配置しても一様磁場が不可能であると証明できるのでしょうか?
まあ確かに私もhirotaさんのおっしゃるように考えると、現実的な条件では一様磁場は不可能であるように思いますが、多少アバウトでもきっちりした説明はあるのでしょうか?

またそもそもの疑問の答えとしては、現実的な条件ではxy面内の対称性がないので、空間内の電子は不都合なくどっかしらの方向の力を受けて、その寄せ集めはファラデーの法則に一致するという理解でよろしいでしょうか?
よく入試問題などで見かけるような、一様に変化する磁場を与えたときのコイルの起電力をファラデーの法則で考えることは本来はよろしくないということですよね?(ファラデーの法則は磁場が一様であり得ないことに起因するから)

またASAさんの説明については、粒子の大きさを考慮に入れる必要があり、厳密な一点の電荷というのを想定すべきでないという理解で正しいでしょうか?
粒子が電子や陽子だとするとどうなるのでしょうか(たぶん同じように回転すると思いますが)。そういうことを考えると内部構造においてどこら辺が電荷の原因になってるかといった話になるので、そもそも古典電磁気で考えるべきではないですかね。

  投稿者:hirota - 2011/12/02(Fri) 18:13  No.11742 
ソレノイドの一様磁場というのはソレノイドの中だけで一様と言うことです。
ソレノイドが有限の半径である限り、磁場に垂直面で移動すれば外に出てしまって全平面の併進対称性はありません。
磁場が増える場合はソレノイドの壁から中に磁力線が入ってきますから、回転対称であっても併進対称ではありません。
やはりイメージできてませんね。
ファラデーの法則は電線の近傍で一様なら充分ですから、併進対称性の意味ではありません。
「一様」という言葉だけで同じと思っちゃいけません。

  投稿者:bon - 2011/12/02(Fri) 18:50  No.11743 
hirotaさん。回答ありがとうございます。

>>ソレノイドの一様磁場というのはソレノイドの中だけで一様と言うことです。
>>ソレノイドが有限の半径である限り、磁場に垂直面で移動すれば外に出てしまって全平面の併進対称性はありません。
その通りです。そのつもりで一様と書きましたし、ソレノイドの外側まで一様だとはもちろん考えておりません。
(とりあえず無限長と考えて)ソレノイドを用意し、その中に全部収まる大きさの単コイルやモデルのチューブを置き、電流を(たとえ0からでも)増やしていけば磁場も強くなり問題の状況になると思います。この場合の矛盾はどのように解消されるのでしょうか?
なにも空間全体で一様でなくとも、着目部分と周辺だけで一様(併進対称?)であればよいのではないですか?
無限長がありえないという主張であれば納得できますが、内部の磁場一様性を認めるのであれば電子や粒子は自転しかし得ないのではないですか?

>>磁場が増える場合はソレノイドの壁から中に磁力線が入ってきますから、回転対称であっても併進対称ではありません。
磁力線が壁から入ってくるというイメージがよくつかめません。
例えば一本の無限の直線電流のまわりに同心円状に磁力線が発生してますよね。ここから電流を増やしたときに磁場が強くなる、つまり磁力線がより密に集まるということですよね。これはどこからともなく磁力線が「濃く」なっていくことで、さっきまで近くにあった磁力線が今では遠く(近く)にあるということではないですよね?
>>磁場が電流増加とともに広がることになります。
というのはどういう意味で「広がる」とおっしゃっているのでしょうか。磁場の変化が有限速度でしか伝達しないって意味ではないですよね。

以上二点それぞれお答えいただけないでしょうか。

  投稿者:ghsobo - 2011/12/02(Fri) 20:18  No.11744 
bonさん、はじめまして、自分も初学です。
コイルの電流が時間変化すればコイルの軸方向と平行に回転方向の電場が生じるのでは?微分で考えるとコイル内のある軸の点の輪っかを考えると磁束の変化に際して磁力線の集まり具合で輪っかに電場が生じる話です。そうするとXY平面で中心軸とその周辺では電場は一様ではない気がします。自分のブログでも考えてみます。
磁力線の供給先がコイルの導線以外であればdivB=0を満たさなくなるのでは?

  投稿者:fnbo - 2011/12/02(Fri) 21:49  No.11745 
 こんにちはbonさん、bonさんが書いたように。。
>一様に変化する磁場を与えたときのコイルの起電力をファラデーの法則で考えることは本来はよろしくないということですよね?(ファラデーの法則は磁場が一様であり得ないことに起因するから)
 そのとおりでここでの一様という言葉はZ軸を向いている事だけを示している局所的な表現だと思います。ですので「一様」という言葉に固執する必要はないのでは?

  投稿者:不識庵 - 2011/12/02(Fri) 22:12  No.11746 
なかなかの難問です。

私としても解けた気は全くしませんが、何かのヒントにはなるかもしれません。
現時点での私の考えを申し上げたいと思います。

磁束密度Bは、divB=0、を満たしますので、xy平面のどこかでz方向成分が正だとしたら、別のどこかで負にならなければなりません。
つまり並進対称性は無い、という事になると思います。
これはhirotaさん、ASAさんがご指摘されている通りと思います。

また、∂B/∂t≠0、とすれば、電場をEとして、rotE≠0、ですから、当該領域のある1点で、E=0、となったとしても、ある有限の領域全体で、E=0、とはなり得ないと思います。

ただ、kafukaさん、bonさんご指摘の通り、非常に大きなコイルを考え、その中の非常に小さな領域だけを考えれば、近似的に並進対称性のようなものを考える事ができるのかもしれません。
この場合対称性(のようなもの)は、「rotEがある領域で(近似的に)一定」という形になり、「Eがある領域で一定」という形にはならないようです。

この点について少し考えてみました。
おそらく、「電磁気的現象において基本的な量は、電磁場でなくベクトルポテンシャルである。」、という事のような気がします。(気がするだけです。)
一様な磁場を印加したにせよ、ベクトルポテンシャルは全く一様ではありません。
磁場を印加した時点で、例えそれがある領域で一定であったにせよ、局所的な近似並進対称性(のようなもの)すら無くなってしまう、という事のような気がしています。

長々と申し上げましたが、私の考えに自信がある訳では全くありません。

bonさんだけでなく、私にも種々ご教示頂ければ幸いです。

  投稿者:bon - 2011/12/02(Fri) 23:15  No.11747 
皆さん回答ありがとうございます。

>>磁束密度Bは、divB=0、を満たしますので、xy平面のどこかでz方向成分が正だとしたら、別のどこかで負にならなければなりません。
例えばB=constはdivB=0を満たしますよね。全く単に数学的な結果に過ぎませんがdivB=0は別に一様磁場の存在と矛盾しませんよね?
どこかで正ならどこかで負になっているというのは、磁場を作るにはアンペールの法則によるしかない、つまり電流の周りの閉曲線の積み重ねでしか作れないということによるもので、まあ結局空間全体についてであればみなさんのおっしゃる通りだと思います。
しかし、例えば挙げたソレノイドのように有限領域(微小ではない)であればなんとか一様にできるのでは?というのが前述したように少々ひっかかるのです。(ソレノイドのように無限長にしなくとも、うまく組み合わせられないかということです)

同じ事の繰り返しになりますが私の現在の考えとしては、たとえ有限でも一様磁場は存在し得ず対称性があり得なく、対称性を作ろうとするとどうしても近似や微小・無限大が必要になってしまうので、そうした仮定によって矛盾が発生しているのだろうと考えています。だから有限で近似を使わない場合に一様磁場を作り得ない証明がどうしても譲れないのです。

>>一様な磁場を印加したにせよ、ベクトルポテンシャルは全く一様ではありません。
ここについて信じがたいのですが。。。対称じゃないものから対称なものが導かれること(およびその逆)ってあるんですが?

また話が脱線しますが、静電荷に変化する磁場をかけるという状況ってインターネット等の資料で全くみかけませんね。そもそもこの場合力は発生するのですよね?その方向を考えたときに対称性と矛盾するってのがそもそもの始まりですし。

  投稿者:ASA - 2011/12/03(Sat) 07:25  No.11748 
ファラデーの法則は、磁束で考えます。磁場では無いことに注意すべきです。また、さきに述べたようにベクトルポテンシャルで考えるのがベストです。
 無限長ソレノイドの例がでてますが、その内部は、一定磁場で、外側は磁場0です。今、無限長ソレノイドの外側に電荷を置き、ソレノイドの電流を変化させたとき電荷に働く力は、どうなるかを考えます。
 磁束で考えると、電荷に力が働きます。しかし、近傍磁場の変化で考えると電荷に力が働かないことになってしまいます(これは、間違い)。
 場というものが、近接的な作用の主体と見るべきものなので、電磁誘導現象一般を考える時、磁場に着目するのは、不適切です。
 ということでベクトルポテンシャルA~の出番になるわけです。
>>>一様な磁場を印加したにせよ、ベクトルポテンシャルは全く一様ではありません。
>ここについて信じがたいのですが。。。対称じゃないものから対称なものが導かれること(およびその逆)ってあるんですが?
磁場B~は、B~=rotA~です。
 rotというのが、回転量を取り出す演算子なので、B~が一様なら、A~は回転対称とするのが自然です(rotgradf=0との不定性がつきますので)。
 B~が一様なときの回転対称なA~の具体的表現は、(-y,x,0)b/2があります(ここでbは、等価電流i(t)を通じて時間tの関数と考える。)。
 ちなみにA~(-yr^-2,xr^-2,0)bR^2/2、r^2=x^2+y^2だとB~=0(半径Rの無限長ソレノイド外部に相当)
 E~=-∂tA~なのでベクトルポテンシャルが時間的に変化すると電場が生じ、この電場によって荷電粒子に力が働きます(ソレノイドの内外にかかわらず)。
 等価電流素片i~が、(i~/r)のベクトルポテンシャルを作るので、これを空間積分することで全域でのベクトルポテンシャルA~=∫(i~/r)dVが得られます。

 無限長ソレノイドの磁束φを考えると、トータル磁束φ=b*πR^2であります。ファラデーの法則では、閉曲線の内部を通る磁束の変化に注目します。
 ソレノイド内部のリングループを考えると、φ=b*πr^2です(r<R)。
 ベクトルポテンシャルとの関係は、φ=∫A~ds(閉曲線に沿った線積分)が成立してます。
 物理次元を考察すると。B~=rotA~→[B~]=[A~]/[L],[φ] =[B~][L^2]=[A~][L]→∫A~dsで一致してます。
∂tφが基本的であり、したがって、∂t∫A~dsがファラデーの法則を満たす基本量です。∂tB~ではありません。以上の考察から-∂tB~=rotE~を"ファラデーの法則"というのは、違うと考えます(ある条件を限定すれば成立しているが、一般的には成立しない)。つまりE~=-∂tA~こそがファラデーの法則を表現しているといえます。
 
余談;
 オリジナルのマクスウェル方程式は、A~を用いて表現されてます。ファラデーの実験結果をうまく説明するための場として必然的に導入されたものです。
 A~の実在がアラハノフ・ボーム効果の検証で確認されたという説明を見ることがありますが、これも間違いです(電子位相を見るまでもなく、古典的な空芯磁気回路の実験から明らか)。

  投稿者:甘泉法師 - 2011/12/03(Sat) 08:33  No.11749 
 こんにちは。 面白い話題ですね。

投稿者:bonさん - 2011/12/01(Thu) 12:45 No.11732
> そこで今度は一つの荷電粒子がこの磁場中に置かれたとすると、力を受けるのでしょうか?私はNoだと思います。

 私も、Noです。  

> z軸上方向に一様な磁場があり、それが一様に変化するとします。すると、xy平面内の閉回路で起電力が発生しますよね。

 発生しません。吟味してみましょう。
 
 xy平面内の閉回路は内部の磁束を束ねる境界であるとともに、外部の磁束を束ねる境界でもあります。

 前者による起電力と後者による起電力はキャンセルします。

 
 系の図 http://folomy.jp/heart/img.php?filename=tc_248732_1_1322964165.jpg
http://folomy.jp/heart/img.php?filename=t_24758_1_1322868630.jpg

 網目を使った説明図
 http://folomy.jp/heart/img.php?filename=tc_248711_1_1322924357.jpg

 =甘泉法師=

  投稿者:ASA - 2011/12/03(Sat) 08:52  No.11750 
甘泉法師 さん

 ちゃんと電磁気学を学びなおされた方がよろしいですね。

  投稿者:ghsobo - 2011/12/03(Sat) 09:05  No.11751 
>>No.11748
ASAさんはじめまして、ファラデーの電磁誘導の法則
<tex>rotE=- \frac{ \partial B}{ \partial t} </tex>
は違うのですか、たいていの教科書ではそう書いていますが、そのへんの事情をもうすこし解説よろしくお願いします。

  投稿者:不識庵 - 2011/12/03(Sat) 09:20  No.11752 
>また話が脱線しますが、静電荷に変化する磁場をかけるという状況ってインターネット等の資料で全くみかけませんね。
>そもそもこの場合力は発生するのですよね?その方向を考えたときに対称性と矛盾するってのがそもそもの始まりですし。

さて、粒子加速器の中で荷電粒子を加速する原理などはこれに対応するでしょうか?

  投稿者:ASA - 2011/12/03(Sat) 09:25  No.11753 
ghsoboさん
>そのへんの事情をもうすこし解説よろしくお願いします。
 A~=B~ → ∫A~dS=∫B~dS :成立
しかし
 ∫A~dS=∫B~dS → A~=B~ :必ずしも成立しない

 電磁気を学んだ時、まず、ここで躓きました。
http://hpcgi2.nifty.com/eman/bbs090406/yybbs.cgi?mode=res&no=11732
にあるような"面積分の中身を比較して,ファラデーの法則の微分形が得られます。"こういった説明は、論理的でないです。

 当サイトでも似たような説明をしてますね。http://homepage2.nifty.com/eman/electromag/induction.html
 しかし、今の問題でB~=0なのでrotE~=0を導出し、E~=0と結論しなければOKです。しかしE(t)が具体的にどうなるかを磁場ソースである等価電流i~と結びつけることが出来なければ、結果としてNGになります。
正しい解答例:
http://maildbs.c.u-tokyo.ac.jp/~kuniba/atsuo/faraday.pdf
 上記では、一旦、微分形の式から離れて、磁束密度φを直接考察することで正解を得ています(近接的な視点でない解法)。
 場(近接的な視点)で考察するなら、先に述べたようにベクトルポテンシャルA~の具体的形に基づくことで、正解が得られます。
 マックスウェル方程式系で考えるなら、例の式の両辺にrotを作用させます。これに、rotB~=μ0i~を使用して、rotrotE~=-μ0∂ti~を得ます。これをさらに変形し、divE~=0を使用することで、
最終的な式
△E~=μ0∂ti(t)~
を得ます。
これを解くことによって、正解が得られますが、大変です。
(ちなみに純静的な式として△A~=-μ0i(t)~が成立してます。)

余談:
E~=-∂tA~の両辺に、rotを作用させると例の式が得られます。微分すると情報が失われるので初期条件に対応する条件式がないと決定できません。

  投稿者:bon - 2011/12/03(Sat) 21:15  No.11755 
ああ、やっと理解できた気がします。
一様磁場の一様変化は単にrotEが一様であることをいっているだけであって、各点の電場はその積分形(?)のE=-∂tAによって表されて、これは一様ではあり得ないですね。(B=rotA=0で磁場が存在しなくなる)
そう考えると、ソレノイド外部のような場所でも電荷が力を受けるというのも自然に受け入れられますね。(Aは存在しているがrotA=0になるため磁場は見えない)

世間でまかり通っている微分形のマクスウェル方程式(divB=0、rotE=-∂tB)はそれを元に積分していくのには都合がいいと思いますが、原著の方程式(E=-gradφ-∂tA、B=rotA)の方が各点について電磁場が直接に見えるので今回の問題では都合がいいですね。

問題の答えとしてまとめると、「一様な磁場をかける=実は一様でないベクトルポテンシャルをかける」ということで、それにより各点で不都合なく方向が決定され、ぐるっと一周するとうまくかみあっておなじみのファラデーの法則になるということでしょうか。磁場の併進対称性はベクトルポテンシャルの回転対称性に変化していることに気づかず、磁場の対称性をそのまま力の対称性に結びつけたのが誤解の原因でしょうか。

皆さん本当にありがとうございます。大変勉強になりました。

  投稿者:ASA - 2011/12/04(Sun) 07:51  No.11758 
bonさん
>ああ、やっと理解できた気がします。
 よかったですね。説明の甲斐がありました。
 あまり、積分形式で考えることは無いのですが、今回の問題で磁束φ=∬B~dS~(閉曲面積分)が∫A~ds~(閉曲線積分)と等しいことが判ったのが当方としても収穫でした。
 ちなみに、∫A~ds~の次元解析をすると、電荷を掛ける事で[仕事*時間]の次元をもちます。これは、プランク定数hと同じ作用の次元をもちます。磁束というのは、磁場に関係した量と見るより(古典的見方)、量子力学的には電磁的作用量と看做すべきものと考えます(電磁的作用量と看做すなら、ループでなく単なる始点と終点で定まる線積分∫A~ds~の方が適切ですな。このときは、束という概念は消失します。)

  投稿者:甘泉法師 - 2011/12/04(Sun) 12:23  No.11760 
こんにちは bonさん

ファラデーの法則 bon - 2011/12/01(Thu) 12:45 No.11732
>これをミクロな視点で見れば、導体内の電子が力を受けたということですよね。
>そこで今度は一つの荷電粒子がこの磁場中に置かれたとすると、力を受けるのでしょうか?私はNoだと思います。

についてのお答えは、

Re: ファラデーの法則 bon - 2011/12/03(Sat) 21:15 No.11755
>問題の答えとしてまとめると、「一様な磁場をかける=実は一様でないベクトルポテンシャルをかける」ということで、それにより各点で不都合なく方向が決定され、ぐるっと一周するとうまくかみあっておなじみのファラデーの法則になるということでしょうか。磁場の併進対称性はベクトルポテンシャルの(任意の点周りの)回転対称性に変化していることに気づかず、磁場の対称性をそのまま力の対称性に結びつけたのが誤解の原因でしょうか。

とのことですが、

・Bx=By=0,Bz=B(t) という設定が成り立たないのか。
・設定が成り立つなら電子は力を受けるのか受けないのか
・受けるならどんな力か

総括していただけるとありがたく存じます。

PS 参考図 http://folomy.jp/heart/img.php?filename=tc_248745_1_1322969297.jpg
=甘泉法師=

  投稿者:bon - 2011/12/04(Sun) 16:12  No.11762 
甘泉法師さん。ご指摘ありがとうございます。
私なんかが総括することはためらわれるのですが。。。
同じ疑問にぶつかった方々の参考となれば幸いです。

>>・Bx=By=0,Bz=B(t) という設定が成り立たないのか。
現実的に厳密にそういう磁場を作り出せるかどうかはわかりませんが、そういう磁場が存在したとしても、今回の問題は解決するといったところでしょうか。
もしこのような磁場が存在すれば、それは裏ではrotA=Bを満たすようなベクトルポテンシャルが存在していることになります。

という訳でこれをうけて、
>>・設定が成り立つなら電子は力を受けるのか受けないのか
>>・受けるならどんな力か
については、電子は力を受けその(電場の)大きさや方向はE=-∂tAによって決定されます。「力を受けない=電場が存在しない=Aが(時間に対して)定数」を意味していて、B=rotAにより時間変化しない磁場になってしまいます。
問題であった対称性の矛盾は、併進対称なBが存在するという条件がつまり、併進対称でないAが存在することを意味していて、E=-gradφ-∂tAを見るとわかりやすいように力の直接の原因はAなので、Bの併進対称性を力に結びつけるのが間違いです。電荷を動かすのはスカラーポテンシャルの勾配かベクトルポテンシャルの時間変化であって、磁場の時間変化ではありません。
私としては微分操作によって対称性は変化するというのが教訓になりました。

前回の発言ではつい議論過程を引きずってAの非一様性に言及してしまいましたが、直接は関係ないですね。Aが一様で一様に変化したとしても力は発生します。その場合B=rotA=0に見えるので電場も磁場(の変化)も無いように見えるのに力を受けるという、面白い結果になると思います。ASAさんの指摘したようなソレノイドの外部がその例でしょうか。(Aは一様ではないですが。)

甘泉法師さんの図の考え方に反論するとすれば、ファラデーの法則は閉回路一周した時の全体でプラスマイナスで電場がどのくらいの大きさになるかを示しているもので、回路の一点の電場についてはなにも言及できません。
回路全体での電場の方向と大きさがわかるからといってそれが各部分で均分されてるわけではありません。逆方向を向く点があればその分だけ順方向を向く点が多かったりその電場が大きかったりするのでしょう。
私のチューブモデルで考えると、個々の粒子はばらばらな動きをすることになるでしょう(高速道路を車が走るようにはならない)。だから電線の中の電子はスムーズに動いている訳では無いでしょう。各地点で全然違う力を受けそれを衝突(イメージとして)などで交換しながら全体としてスムーズな電流に見えているに過ぎないってことでしょうか。

  投稿者:甘泉法師 - 2011/12/04(Sun) 18:51  No.11763 
 こんにちは bonさん

>で、Bの併進対称性を力に結びつけるのが間違いです。電荷を動かすのはスカラーポテンシャルの勾配かベクトルポテンシャルの時間変化であって、磁場の時間変化ではありません。

 Bx=By=0,Bz=B(t) の系の対称性、自由度を考えてみます。 rotE=-B を解き議論の簡単のためEz=Ey=0の解は Ex= a y+ b, a=-B'(t) 定数。 原点、座標軸のとりかたは自由なので xy平面上の好きな点を原点に選び、好きな方向をx軸に選び、好きなExの値を与えることができる。 この自由を行使した後は、全空間の電場がきまる。 これにあわせて境界を用意する、ふつうと逆の順番ですが。


>甘泉法師さんの図の考え方に反論するとすれば、ファラデーの法則は閉回路一周した時の全体でプラスマイナスで電場がどのくらいの大きさになるかを示しているもので、回路の一点の電場についてはなにも言及できません。

 拝承。 これまでの発言での誤りを理解しました。 ありがとうございます。

参考 系の図 http://folomy.jp/heart/img.php?filename=tc_248770_1_1322998019.jpg

=甘泉法師=

  投稿者:ghsobo - 2011/12/04(Sun) 23:06  No.11766 
>>No.11762
bonさん 私のほうが理解が遅れています。
>磁場の時間変化ではありません
ソレノイドの内側で中心より壁に近いところで磁束が時間的に増加することは壁から磁力線が中心に向かって集合しつつあるイメージがあります。中心より左側に電荷があるなら中心に向いつつある磁力線から見ると電荷は反対方向に動いているのでローレンツ力が働いて-v×Bzなので電荷にかかる力は前から奥へ。の起電力が生じるのではと思います。どうなんでしょうか?
>ファラデーの法則は閉回路一周した時の全体で
積分系ならたしかにそうなんですけど微分形は一点では?rotではだめなんですか?
長いソレノイドの外部ではAは一周で一定でB=0のようです。ファインマン電磁気学178ページ。

  投稿者:kafuka - 2011/12/04(Sun) 23:56  No.11767 
>積分系ならたしかにそうなんですけど微分形は一点では?rotではだめなんですか?
関係ないかも知れませんが、ストークスの定理より、
場が、閉曲線C、Cを張る曲面全体で正則であれば、rotでも同じこと
と思います。

尚、rotA(x,y,z)=∇×A(x,y,z) で、点(x,y,z)におけるAの微分(の差)で、
値は、ベクトルです。

  投稿者:bon - 2011/12/05(Mon) 00:18  No.11768 
>>ソレノイドの内側で中心より壁に近いところで磁束が時間的に増加することは壁から磁力線が中心に向かって集合しつつあるイメージがあります。
無限長ソレノイドの内部はどこも厳密に同じ磁場(つまり磁束)です。
また、磁力線が移動しているようなイメージというのもわかりません。磁力線というのは磁場の強さをあらわす補助線のようなもので、実在を持ってうねうねと動くものだとは思っていません。

>>中心より左側に電荷があるなら中心に向いつつある磁力線から見ると電荷は反対方向に動いているのでローレンツ力が働いて-v×Bzなので電荷にかかる力は前から奥へ。の起電力が生じるのではと思います。どうなんでしょうか?
単純のため、一様磁場中の静止電荷を考えます。これを静止系から観察するともちろん力は働きませんね。
しかし運動系から観察すると、電荷は動いて見えるのでローレンツ力を受けるはずです。
力を受ける受けないで矛盾するように見えるのですが、観察者を変えるときに電磁場自体がローレンツ変換を受けて、運動系では電場があるように見えてローレンツ力とつり合うんだったかな?(すいませんがはっきり答えるだけの能力はありません)有名な話なので情報はあると思います。
とにかく、今回の問題でもたぶん打ち消す力が働くと思いますよ。
ghsoboさんの理屈だと、10m/sで観察したときと100m/sで観察したときとで起電力が異なるってことになりませんか?磁力線の移動速度で観察するようですが、磁力線の移動速度ってどうやって定義できますか?(繰り返しですが、磁力線が実在をもって動くようなイメージは承服できません)

>>積分系ならたしかにそうなんですけど微分形は一点では?rotではだめなんですか?
すごくおおざっぱなイメージとしてですが、一周の円があって右側は全部+1で左側は全部-1が割り振られているとして、一周では0ですよね。この一周分というのがrotのことで、問題になっているのは各点のことなのです。ある点が+1か-1かが知りたいのでrotだとダメなのです。
微分系は一点ということですが、rotというのはある一点周りの微小な円周りでの積分みたいなもので、ある一点のベクトルとはことなるのです。

  投稿者:ASA - 2011/12/05(Mon) 07:47  No.11769 
>>>ソレノイドの内側で中心より壁に近いところで磁束が時間的に増加することは壁から磁力線が中心に向かって集合しつつあるイメージがあります。
>無限長ソレノイドの内部はどこも厳密に同じ磁場(つまり磁束)です。
 モデルの違いですね。 遅延時間の関係がありますから、
 もし、真電流が壁にのみ流れているモデルなら磁力線が中心に向かって集合するというイメージを抱いても変じゃありません。
 しかし、等価電流が壁に流れているモデル、つまり、微小ソレノイドの集合体が壁の中にぎっしり詰まっているというモデルでは、そのイメージは駄目ですね。
 ソレノイドの壁が数光年も離れている時は、遅延時間の影響がでますが、日常スケールでは、無視して構わないです。

>磁力線の移動速度ってどうやって定義できますか?
 電磁ポテンシャルの伝播速度は、光速ですね。

  投稿者:hirota - 2011/12/06(Tue) 14:21  No.11771 
磁力線の移動とは次のようなイメージです。
紙面に下から上に向かう磁力線がある状況で紙の表から裏に向かう電流を考えると、電流による磁場は紙面内で右回りの回転をしてますから、合成された磁場は下から上に向かう磁力線が電流の左側に避けるような形になります。
この状況を「電流によって磁力線が左に移動した」と考えます。
これは「電流の右側の磁場が減って左側の磁場が増えた」と同じ意味です。
ソレノイドで電流を増やして磁場が増加する場合も「電流で磁力線が入ってきた」というイメージになります。
もちろん、そんなイメージは持てないと言うのも自由ですし、その場合は相手に通じないイメージで説明してしまっただけのことです。
なお、どんなイメージを使おうと自由ですが、イメージなしで考えると局所的な意味だけが通って全体的には矛盾した考えになる危険があります。
また、一つのイメージにこだわりすぎると、そのイメージが通用しない状況に出くわしても気付かない危険があります。

  投稿者:bon - 2011/12/06(Tue) 17:28  No.11773 
hirotaさん。ありがとうございます。何となくわかりました。

確かに提示していただいた例では移動したようにも感じますが、ソレノイドの場合だと外側には磁力線は無いのですから(有限長でも逆向きですし)、内側の磁力線が増えるというのはせめて「電流から湧いてきた」くらいの感覚ではないでしょうか?
それにこの移動イメージで壁際の磁力線の方が多くて、それが中心に向かっていくと結論するのは、いくら場の変化の伝達速度が有限であるからといってあまり実際的ではないと思います。

まあ結局はおっしゃるとおりどんなイメージを持とうと自由ってことですか。
参考になりました。やはり私は、さっきまで右にあった磁力線が今は左側にあるというような、磁力線それぞれが区別できるように考えるのは好きではありません。

  投稿者:ghsobo - 2011/12/06(Tue) 20:00  No.11775 
ソレノイドの中で磁束が増加するときに磁力線が途中の空間から定常宇宙論のように染み出すのも変。そうした場合divB=0を満たさないのでは。一本線で電流が増加している時、磁束の輪は一瞬に生成されないとdivB=0を満たさなくなる。消去法で移動するしかないと思いました。磁束密度だけ観測しても移動は不明です。移動することで、なにか物理的に有効なことはあるのかなと思います。自分はローレンツ力を逆に考えました。