EMANの物理学 過去ログ No.11246 〜

 ● 屈折理由

  投稿者:MONAKA - 2011/10/01(Sat) 14:51  No.11246 
中学1年生のMONAKAです。屈折理由が、よく分かりません。中1でも、分かるような、説明をお願いします。

  投稿者:明男 - 2011/10/01(Sat) 23:33  No.11247 
MONAKAさん、初めまして。
中学1年生ですか。分かるように・・・なかなか難問ですね(笑)。

屈折というのは”波”の性質であるというのは知っていますね。”波”はある物質の振動が伝わる”現象”ですが、その物質を媒体と言います。例えば音(波)は空気中を伝わりますが水中や金属中なども伝わり、その伝わる速度(音速)が異なります。この媒体が異なる面(境界)に斜めに波があたると、音の進む向きが変わることを屈折と言います(つまり垂直にあたると変わりません)。ここで大事なことは、波は伝わる媒体によって速度が変ると言うことです。
さて、波を作る方法と言われたら、何を思い浮かべますか。例えば、池に小石をぽちゃんと落とすと、何重にも円ができて(同心円)拡がります。でも、この隣り合う円は遠くにいくほど次第に平行に近づいていきます。このように平行な線を並べたような波を平面波と言います。ここで大事なことは、最初は円の中心のような点から波が出来ると言うことです。

イメージしやすいように、空中から水中へ光の波(平面波)が斜めにあたった図を思い浮かべます。光はあるていど幅を持っていると考えて下さい。また、空中の方が水中より光の速度は大きいです。
波の一番前(波面と言います)は直線なので、水面には斜めにあたり、”ひとつの波面”で水面にあたる時間が少しずつ遅れます。つまり最初にあたる点と最後にあたる点まで無数の点が並びます。このそれぞれの点が水中を進む光の波の元となります(これを素元波と言います)。このままでは上記のような同心円の波ですが、無数の点がそれぞれ次々に同心円を描き、それらが波のもう一つの重要な性質、”干渉”によって重ね合わされ、結局先頭は直線になり、水中での新しい波面になります。この波の速度は空中のときの速度より遅いので、空中の波の形が元のまま進むことが出来ず、遅れたように手前に折れます。これが屈折です。これをホイヘンスの原理と言います。

まとめると、”波は点からできる素元波の重なりである”、”波が速度の異なる媒体をまたぐとき、速度の差により境界で折れる(ただし斜め入射の場合)”、”素元波の重なりが、干渉によって新しい波面を作る”、これが波の屈折として見える。
となります。
分かり難いかも知れませんが、別の説明をして下さる方も要るかもしれません。疑問があれば質問してください。

  投稿者:EMAN - 2011/10/02(Sun) 00:18  No.11248 
誰か図を描いてあげた方がいいかも知れませんね。

私はもう少し別の説明をやってみましょう。

ただし、光が波だという本当のことを無視した「たとえ」的な説明です。

棒の両端に大きさの同じ車輪をつけまして、転がします。
まっすぐ進みます。

これがぬかるみの中へまっすぐ進みますと、スピードが落ちます。
それだけです。 進路が曲がったりはしません。

しかしもしぬかるみの中へ斜めにつっこんで行ったら、
まず、片方の車輪だけぬかるみに入ってスピードが落ちまして、
もう片方は相変わらず同じ勢いで進みますので、
二つの車輪の進む距離が違ってきます。
すると、遅い方に引きずられるような方向に進路が曲がります。
やがて両方ともの車輪がぬかるみに入れば、
そこからはまっすぐ進むことになります。

光も水の中に入ると遅くなるので、ぬかるみの中を進むようなものです。
だから似たようなことが起きます。

まぁ、たとえはたとえです。
こんな考え方もできますが、本当に起きてることではありませんので
注意してください。

これでどうかなぁ?

  投稿者:ASA - 2011/10/02(Sun) 05:52  No.11249 
MONAKAさん

難問ですね。
屈折は、光の進行速度が物(空気,水,ガラス,等々)で異なることに起因します。
 "何故曲がるか"について、いくつか異なる種類の説明が出来ます。
 明男さんが示したのは、波の性質に基づいた素元波という考え(ホイヘンスの原理)での説明です。

 EMANさんが示したのは、粒子的な考えですね。
>本当に起きてることではありませんので注意してください。
 とありますが、対応がちゃんとしていれば、本当に起きてると看做してよいです。
 この説明でのポイントは、右車輪と左車輪をつなぐ"シャフトの長さが一定"という条件です。
 (波の伝播として説明する際での、制約条件に相当してます。局在化した光子という粒子モデルでいえば、光子そのものの制約条件"横幅が変らない"などに相当するでしょう)

 他の説明としては、光は2点を最短時間で移動するという性質を持つという考えに基づいた説明があります。この考え(原理)によると、"進行速度が遅い物の中を光が通過するとき、その通過距離を短くするということがいえます。それ故に、光の進路が境界で屈折するわけです。"
とこのような説明も可能です。

 物理現象の説明では、採用する物理モデルとか物理的原理によっていろんな説明が可能であることがわかればよいと思います。

余談:(MONAKAさん以外の方へ)
1. 個人的な好みでは、EMANさんのような粒子的モデルによる説明が好きです(量子論的描像によりマクロまで一貫性があるため)。
2. 円偏光の屈折の際に、円偏光という角運動量相当の量の方向が変るので、トルクが媒質に対して働くはずですよね。このような現象についての記述をあまり見かけないのですけど、どなたかご存知でありませんか?

  投稿者:甘泉法師 - 2011/10/02(Sun) 11:43  No.11250 
こんにちは。

 MONAKAさん

ref.
>誰か図を描いてあげた方がいいかも知れませんね。

 理科ねっとわーくのホイヘンスの原理のアニメーションです。
http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0090g/contents/inf_huygens-sim.swf 明男さん EMANさんのご説明を理解する参考にしてください。

=甘泉法師=

PS 諸先輩の皆さま
1 ホイヘンスの原理の素元波は、媒質中では原子による吸収再放出が起きてそこが素元波の中心になるのだろうと考えまあわかります。 
 しかし吸収再放出する原子がない真空中でも考えられるものかはおぼつかない感じがします。

2 Wiki ホイヘンス=フレネルの原理 から
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 またあくまで直感的なものであったので、「波の進行方向の後ろの素元波の包絡線に、なぜ次の波面(後進波)ができないのか?」などのホイヘンス自身にも説明できない問題点があった。
この問題点は後にオーギュスタン・ジャン・フレネルが二次波の干渉(重ね合わせ)を考慮することで解決した。
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 フレネルはどう考えたのだろう?

  投稿者:kafuka - 2011/10/02(Sun) 15:46  No.11251 
>甘泉法師さん

>「波の進行方向の後ろの素元波の包絡線に、なぜ次の波面(後進波)ができないのか?」
これは、学生時代、教師に同じことを言われて、僕も悩みました。

僕の考えは、
後ろの波動=「その前の包絡線」+「前の前の包絡線」+「前の前の前の包絡線」+ 、、、、
=Σsin(kx-wt+θn)  で、n→∞ なら
=∫sin(kx-wt+θ)dθ
=0
というものです。

  投稿者:甘泉法師 - 2011/10/02(Sun) 21:41  No.11252 
こんにちは。 

kafkaさん いっしょにお考えいただきありがとうございます。

cf. http://homepage3.nifty.com/skomo/f17/hp17_12.htm
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フレネルはこの問題を解決するために2次球面波の発生方向によって値が変わる傾斜係数K(θ)を導入した。図12-2の回折の基礎理論説明図に示すように開口σ上の位置Sにある微小面積dσでの入射光の波動振幅をU(S)で表し、位置Sから観測点Pまでの距離をrとして、2次球面波を次のように表した。
 K(θ)が傾斜係数で微小面積dσの法線ベクトルnに対する観測点Pの方向を角度θで表した。 θ=0のとき値1、θ= πのとき値0をもつ傾斜係数を用いることで、後進波の発生を抑制できる。2次球面波は開口のあらゆる点から発生し、その重ね合わせとして回折が記述できる。
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「傾斜係数K(θ)」はどこからでてくるのだろう?

cf http://www.keirinkan.com/kori/kori_physics/kori_physics_1_kaitei/contents/ph-1/4-bu/4-1-4.htm
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後にキルヒホッフ(G.R.Kirchhoff,1824-1887)は,波動の満足する微分方程式の立場からフレネルの議論に数学的基礎を与え修正した。それによると
    K(c)∝1+cos c
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 キルヒホッフの数学的基礎のおおよそはどういうものだろう?

  投稿者:kafuka - 2011/10/02(Sun) 23:56  No.11253 
>2次球面波の発生方向によって値が変わる傾斜係数K(θ)を導入した。
すいません、もう少しお教え下さい。
傾斜係数が、平面波の場合、θ=0のとき値1、θ= πのとき値0
になる理由が、わかりません。

そもそも、平面波の場合、傾くからトータルすると0になる
という理屈は通らないような気がするのですが、、、

  投稿者:甘泉法師 - 2011/10/03(Mon) 16:00  No.11254 
こんにちは。kafkaさん

>すいません、もう少しお教え下さい。
 私もわからず勉強中です。

http://www.sp.u-tokai.ac.jp/~yagi/kougaku/第5章 フレネル・キルヒホッフの回折理論.pdf から(5.23)の積分方程式 について
−−−−−
これをヘルムホルツ・キルヒホッフの積分定理という。この結果は、(5.15)で与えられる要素波が閉曲面から発生したとして、観測点に到達する波を合成することで波動場を与えるものであり、(5.23)式はホイヘンスの原理を数学的に表したものである。
−−−−−
この積分方程式から出ているようです。理屈はなんとかわかっても使いこなすのは難しいです。

=甘泉法師=

  投稿者:kafuka - 2011/10/07(Fri) 10:45  No.11255 
>甘泉法師さん

TOSHIさんの記事にありました。
http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/huygens_8c9a.html
>これは「ホイヘンスの原理」=過去の波面の包絡面の進行した結果が現在の包絡面になる。
>球面波の進行は外向きにのみ起こり内向き波の包絡面の寄与は打ち消されてゼロになることを示しています。

とのことです。
ご参考になれば、、、

Lim r→∞ でも成り立つとは、思いますが、
よく考えると、rを、どんどん大きくし、r=∞ を、通って、逆向きの球面波 になる場合の「結果の連続性」を考えると、
r=∞ では、右にも左にも進まない ことになると思います。
r=∞ は、特異点 のようなので、
別あつかいしないと、いけないのではないでしょうか?
屁理屈かもしれませんが、球面は、双曲面の一種とも言えます。