EMANの物理学 過去ログ No.10690 〜

 ● ポインティングベクトルによる運動量の流れ

  投稿者:甘泉法師 - 2011/03/09(Wed) 22:59  No.10690 
ポインティングベクトルによる運動量の流れ

こんにちは。 
ポインティングベクトルによる運動量のやりとりを以下の例で考えてみました。

コイン型乾電池と同軸ケーブルとコイン型抵抗で回路をつくる。 同軸ケーブルとコインは径が同じで、図のようにケーブル端とコインがぴったり重なり電流が流れる。

    ケーブル断面
コ●■■■■■■■■■■●コ  エネルギーの流れ = EXH
イ●⇒□□□□□□□□⇒●イ  エネルギー密度への動パートの寄与 = 1/c * EXH
ン●⇒□□□□□□□□⇒●ン
型●−−−−−−−−−−●型  
乾●⇒□□□□□□□□⇒●抵  運動量の流れ = 1/c * EXH
電●⇒□□□□□□□□⇒●抗  運動量密度 = 1/c^2 * EXH 
池●■■■■■■■■■■●

ポインティングベクトルは電池から出て同軸ケーブル内を通り抵抗に入る(図の⇒)。

単位時間あたり電池はエネルギーと運動量を失い、抵抗はエネルギーと運動量を得る。
ポインティングベクトルと電池の作用反作用の法則から電池は左向きの力を受けつづける。
抵抗はポインティングベクトルを吸収しつづけて右向きの力を受けつづける。
力の大きさは IV/c。 

途中でケーブルが曲がっていれば、水が流れるホースと同じように、ケーブルを持つ手は力を受ける。

=甘泉法師=

  投稿者:長尾晴景 - 2011/03/10(Thu) 22:52  No.10694 
No.10690で甘泉法師さんが提案された系を摩擦の無い所に置き、一点時間だけ電流を流します。

コイン型電池はEだけエネルギーを失い、コイン型抵抗はEだけエネルギーを得ます。
つまり、コイン型電池はE/c^2だけ質量が減少し、コイン型抵抗はE/c^2だけ質量が増加します。(コイン型抵抗の熱は逃げないとして)
(但し、cは真空中の光速度)

単純に考えると重心が移動してしまいますが、重心は移動しないはずと考えると、系全体がコイン型乾電池の方へ移動する事になります。
これらから、電磁場のエネルギーの流れと運動量は比例しなければならない、というような考察が、ファインマン物理学の訳書第W巻第6章6-6場の運動量、に載っているようです。

ご参考まで。

(ファインマン物理学では考察している系が少し違っていますが・・・。)

  投稿者:甘泉法師 - 2011/03/16(Wed) 17:25  No.10713 
こんにちは。

マクスウェルの応力テンソルで電池、抵抗にかかる力を計算してみます。

電池または抵抗をぴったり包む閉局面の表裏での積分でちがいがあるのは、
ケーブル側には磁場があるが外には磁場がないこと。
よって働く力は外向きで大きさは
F=μ/2 ∫H^2 dS
=μ/2 ∫[a,b]dr (I/2πr)^2 ・ 2πr
 =μ/4π I^2 ln b/a
同軸ケーブルの単位長さあたりの静電容量C(ファラッド/m)が
C=2πε/ ln b/a であることはすぐわかりこれをつかって
F=1/c^2 ・ I^2/2C=1/2c ・ I^2 Z0
ここで aは芯線(簡単のため筒とした)の半径、bは周線の半径。
    Z0=1 / cC はケーブルの特性インピーダンス。

F=1/c ・IVと予想したので V/I=1/2 Z0 だと都合がよいのですが...。単位はあうようですが。 電気工学に詳しい方に教えていただけると助かります。

=甘泉法師= 

  投稿者:甘泉法師 - 2011/03/16(Wed) 23:36  No.10718 
こんにちは。

>単純に考えると重心が移動してしまいますが、重心は移動しないはずと考えると、系全体がコイン型乾電池の方へ移動する事になります。

こんなふうに考えました。同軸ケーブル内部の電磁場のもつ運動量はポインティングベクトルの体積積分/c^2の体積積分で求められPとする。運動量保存則から、電池-ケーブル-抵抗の物体系(質量M)は−Pの運動量を持つ。物体系は一定速度 −P/Mで運動する。
回路のスイッチをきると電磁場の運動量はゼロになり運動量保存則から物体系の運動量もゼロになる。

またこんなふうに考えました。スイッチオンのあと電池を発するポインティングベクトルは、電池に反作用−Fを与える。ポインティングベクトルが電池につくまでの時間をΔtとすると、電池には力積 FΔtが与えられる。その後は電池に働く力と抵抗に働く力が打ち消しあうため物体系がえる力積はゼロ。物体系は一定速度 −FΔt/Mで運動する。 
回路のスイッチをきると最後のポインティングベクトルが電池を発して抵抗に吸収される時間Δtの間に都合FΔt/Mの力積が抵抗にはたらき、物体系は停止する。

こうして

>系全体がコイン型乾電池の方へ移動する事になります。

=甘泉法師=