EMANの物理学 過去ログ No.10189 〜

 ● 光子の位置演算子!!

  投稿者:kafuka - 2010/12/21(Tue) 00:55  No.10189 
光子の第一量子化ができたそうです。
(ご存知でしたら無視して下さい)
またKafukaのトンデモが、、、と思われる方は、
以下の4.2.2以降を見て下さい。
工藤知草 博士論文:
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/3014/3/Honbun-4042.pdf

で、1個の光子の位置演算子は、(4.24) で、
ψは、exp(ikx)の形みたいです。(4.25)(4.36)
もちろん、多数の光子の生成・消滅の平均は、実関数(波動)と思いますが。

尚、この論文は、「とね日記」のとねさんとT_Nakaさんのやりとりを拝見して
発見しました。
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/0f47de5854daf4eb38339a73791544a8?st=0

  投稿者:hirota - 2010/12/21(Tue) 16:05  No.10190 
読んでみたけど、光の第一量子化は11年前にできてたんだね。
この論文は、確率過程量子化でも出来たという事だ。

しかし、光の場合は第二量子化から第一量子化を出したというのが面白い。
光は光子数不定の波が普通で光子1個を扱えるのは後になってから、なんて理由よりもややこしそうだ。

  投稿者:とね - 2010/12/21(Tue) 18:19  No.10191  <Home>
kafukaさん

論文を見つけていただきありがとうございました。
僕にはこの論文はレベルが高すぎて、内容が正しいのかどうか判断することができませんが、正しいのだとするとファインマン先生の「光と物質のふしぎな理論」で説明に使われている「光に付随する高速回転する矢印」の根拠は、この論文で述べている第一量子化した光子の複素数の波動関数によるものと考えてよいとkafukaさんはお考えでしょうか?

  投稿者:ASA - 2010/12/21(Tue) 18:57  No.10192 
hirota さん
>しかし、光の場合は第二量子化から第一量子化を出したというのが面白い。
 ん。論文見ると
"Oppenheimer[42],Bialynicki-Birula[43, 44, 45] は,独立に,光子に対する1 階微分演算子型波動方程式を提案した.1994 年にBialynicki-Birula により提案された6 成分波動関数[43] に関する規格化は,1995 年にSipe[50] により示された.1998 年にBialynicki-Birula[46] が光子波動関数の規格化を第二量子化から示した.この規格化は,“位置r からr + dr の間に光子のエネルギーを見出す確率” と定義された.それ故に,この光子の規格化は,物理的に意味のある定義と考えられた.光子の位置演算子の定義は,光子の波動関数の確率解釈に必要である.Bialynicki-Birula の6 成分波動関数に関連した位置演算子が定義されたので[48, 49],"
とあります。
本文中にSipe[50]の規格化(運動量空間での方程式ベース)を(4.11)〜(4.19)で述べており、これは、第二量子化と関係ありません。
 Bialynicki-Birula[46]の方法だと第二量子化から第一量子化を出せたという話ですね。
 歴史的には、
"Landau とPeierls は1930 年に,位置表示での光子波動関数を導入した[36].Riemann-Silberstein 波動関数は,1907 年に,Maxwell 方程式の複素形式においてはじめて導入され[40, 41],Oppenheimer が,これを用いて位置座標での4 成分波動関数に関する,“拡張されたスピン-1 行列” をもつ1 階微分演算子型光子波動方程式を導入した[42](1931年*追加).発散が0 になる条件がこの波動方程式に内包されている."
 だそうです。

論文中の下記の文が特に興味深いです。
"本研究で予言された「光子の通過時間と位相速度との差」の検証がおこなわれることが望まれる."
(ストカスティックな記述だと、単一光子は量子揺らぎのため、移動速度(通過距離/通過時間)は光速cを超えることもありえますからね。光情報の伝達速度という工学応用面で特に重要と考えます)

  投稿者:kafuka - 2010/12/21(Tue) 18:59  No.10193 
>とねさん

ごめんなさい。その本、持っていないので、、、
その図が、光子の角運動量か、偏光面を意味する可能性もあるかも知れません。
ただ、僕は、ファインマンが、そのうち1個の光子も量子化されるだろうと見込んで、
書いたと、思っています。
そう考えれば、つじつまが合います。
その図の説明が、http://homepage2.nifty.com/eman/quantum/oscillator.html
の一番の図と同じようなら
1個の光子の波動関数によるものでしょう。
工藤知草博士の論文にあるように、
1個の光子のψは、exp(ikx)の形ですから。

  投稿者:とね - 2010/12/21(Tue) 19:28  No.10194  <Home>
kafukaさん

はい、
http://homepage2.nifty.com/eman/quantum/oscillator.html
の一番下の図と同じことです。
あと、この光に付随する矢印の説明は「虚数の情緒」という本にも掲載されていて、その内容を以下の記事で紹介したことがあります。(きたない手書きの絵ですみません!)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/3de82981c21df98ddb1521c1da452227

ファインマン先生の本では「光子」ではなく「光」と表現されていました。一般読者向けの本なので「光子」という専門用語の使用を避けただけだと思いますが。それでも矢印のことを専門的には「確率振幅」と呼ぶのだということは書いてありました。

ファインマン先生がこの本の元になった講義をしたのは1981年であることを考えれば、今回見つけていただいた論文のことはもちろんご存知ないわけなので、光子について波動関数をどのようにお考えになっていたかは知るすべもありません。(もしかすると先生の残したどこかの論文に書いてあるかもしれませんが、「量子力学と経路積分」の本にはその手がかりは見つかりませんでした。

僕は今回の件については今も慎重です。というのも「光子のように電荷をもった粒子の波動関数は複素数の関数で記述され、光子のように荷電していないものの波動関数は実数で記述される。これは場の量子論にいけば分かる規則である。」とお考えになっている方がいるからです。(僕自身は場の量子論まで学習が進んでいないので何とも言えません。)また、ランダウ=リフシッツの「相対論的量子力学(1971年出版?」では「光子の波動関数と言うとき、光子の空間的局所化の確率振幅として考えるのではけっしてない」と言い切っていますし。

今回見つけていただいた論文はしっかり読みました。詳しい内容や計算式には理解がついていけませんでしたが、論文の話の大筋は理解できています。

ですので、もう少し僕よりこの分野に詳しい方々のお考えを聞きたいと思っている次第です。




  投稿者:hirota - 2010/12/21(Tue) 20:27  No.10195 
第一量子化の対象となる波動関数は、交換関係が虚数を含んでる以上は複素関数にならざるを得ないでしょう。

証明:
実関数に複素数を掛けただけのようなものは実質的に実関数なので、複素ヒルベルト空間で実質的に実関数で充分な場合を考えると、固有値が実数の物理量作用素の固有関数も実関数。
実関数を基底とした実関数の展開を考えると、線形結合の係数の虚数部分だけに注目すれば、和の虚数部がゼロだから基底の独立性により係数の虚数部もゼロ。
つまり、実関数の展開係数は実数。
実関数に実固有値の作用素を掛けることは展開各項を固有値倍することだから、結果も実関数。
したがって、実関数の波動関数に物理量作用素をいくら掛けても実関数にしかならず、交換関係に虚数が出る事はない。

というわけで、実数の波動関数は別物。

  投稿者:kafuka - 2010/12/21(Tue) 21:03  No.10196 
>とねさん
ほぼ再掲ですが、

光子の個数は、生成演算子をa 消滅演算子をa† とすると、
真空中の光子の個数の分布f=光の波動
ですから、
fは、|0> にa†やaを何個も掛けていった平均です。
したがって、f=光の波動は、実数波 です。
(生成・消滅の平均というのがミソです。電子のように個数が保存されればψ*ψで十分)

で、仮に1個の光子の存在確率が一定の場合、
ψ=Aexp(ikx) としないといけません。
例えば、Asin(kx) では、一定値になりません。

fとψの両者は、何ら矛盾するものではないです。
そもそも、普通の量子力学では、ψ自体は観測できない とします。

あっ、光子を調和振動子の集合として記述するとxについては何も言えないから、
fが波動というのは無理がありますね ^^;

  投稿者:とね - 2010/12/21(Tue) 21:57  No.10198  <Home>
kafukaさん

ありがとうございます。ご説明いただいた内容は理解しました。

揚げ足をとるような質問で恐縮ですが、最終理解に至る前にひとつだけ確認させてください。
「真空中の光子の個数の分布f=光の波動」ということですが、
「たった1つの光子の(個数の)分布fでも光の波動」でも実数と考えてよろしいですか?
つまり、1の光子の波動=複素数波、かつ1つの光子の分布f=実数波
という考え方でよろしいでしょうか?そうすれば複素数波と実数波が両立できるのが納得できます。

しつこくて、すみません。

  投稿者:kafuka - 2010/12/21(Tue) 23:05  No.10199  <Home>
とねさん

まず、量子力学の枠組みなんですが、
これは、始めから終わりまで粒子の個数がかわらない=生成も消滅もない として扱うのが前提です。
場の理論は、粒子の個数が変わってもいいように出来ています。

したがって「始めから終わりまで、たった1つの光子」という理論は、光子では個数は保存されませんから、
量子力学は、光子については、正しいが仮想的な理論ということになります。

つまり、1つの光子の分布を計算しても 現実には生成・消滅を繰り返すので
現実と一致しない
と、僕は思っています。
実際、1つの光子がpの固有状態であるとすると、ψ〜exp(ikx) で、
このψ*ψはxによらず一定値で、sinとかの波にはなりえません。
でも、現実には、sinとかの実関数です。

xによらず一定というのが誤りかと言うとそうではなく、生成・消滅しなければ検出確率が一定という意味で正しいです。
また、1つの光子のψは、ファインマンの本の説明で、もちろんあってます。

以上、僕なりの理解なので、皆様からのコメントをお待ちします。
(とねさんが、朝起きたら、Kafukaの説明は誤りだったということになるかも)

  投稿者:とね - 2010/12/21(Tue) 23:29  No.10200  <Home>
kafukaさん
なるほど。よくわかりました!今夜はすっきり眠れそうです。

  投稿者:とね - 2010/12/22(Wed) 21:26  No.10201  <Home>
12月21日に投稿した文章の一部に入力ミスを見つけたので、訂正させていただきます。

誤:僕は今回の件については今も慎重です。というのも「光子のように電荷をもった粒子の波動関数は複素数の関数で記述され...

正:僕は今回の件については今も慎重です。というのも「電子のように電荷をもった粒子の波動関数は複素数の関数で記述され...

  投稿者:hirota - 2010/12/23(Thu) 18:33  No.10202 
場の量子論では波動関数は演算子なのに、実数で記述されるとはどういう意味なんだろう?
波動関数を生成消滅演算子の線形結合で表して係数が実関数ということかな?
生成消滅演算子は複素ヒルベルト空間の演算子で、実固有値でもないんだが。

  投稿者:kafuka - 2010/12/23(Thu) 20:01  No.10203 
>Hirotaさん

光子の個数演算子nは、生成演算子をa 消滅演算子をa†とすると、n=a†a ですが、
nは、実固有値と思っていました。
もしそうなら、波動関数(演算子)を nの線形結合で表すと 係数は実関数
と思います。
しかし、量子化された電磁場の平面波展開の式Ψを、nで表してみると、、、

Ψの形だけを書けば A^1(x)=∫dk{a(k)exp(-ikx) + a†(k)exp(ikx) }
なので、a†a A^1(x)=∫dk{n a(k)exp(-ikx) + n a†(k)exp(ikx) }
nの固有値をNとすると、na†=n(N-1) na=n(N+1)なので、
nA^1(x)=∫dk{n(N+1) exp(-ikx) + n(N-1)exp(ikx) }
=n∫dk{(Ncos(kx) - i sin(kx) }    (N=1,2,3,、、)
   (N=0では、nA^1(x)=n∫dk exp(-ikx)      零点振動でしょうか?

いずれにせよ nの係数は複素関数でした。ごめんなさい。

ただし、nの固有値Nが非常に大きい状態では、
A^1(x)=∫dk cos(kx)
つまり、実関数です。

あっ、とねさんへの質問だったのでしょうか、、、

  投稿者:hirota - 2010/12/24(Fri) 05:33  No.10204 
いや、「実数で記述される」と言ってる人がどういう理由で言ってるのか教えてくれるなら誰でも良いんです。
なぜかというと、平面波展開で複素関数 exp(ikx) を使ってますが、これは便利だからそうするので必ずしも複素関数にする必要はないはずです。
量子化は物理量を演算子に置き換える事なので、粒子の位置と運動量しか自由度がない場合は「位置と運動量を演算子に置き換える」が第一量子化、場の値が全空間で色々な値を取る自由度がある場合は「場の値の全組み合せ (これを一般化座標とする) およびそれと共役な一般化運動量を演算子に置き換える」が第二量子化、ただし場の値の全組み合せは任意じゃなく場の方程式で拘束されてますから、方程式が線形なら解は基本解の線形結合で表せて、解の自由度は線形結合の係数。
そこで自由度すなわち係数を演算子に置き換えて第二量子化ができます。
その際、観測可能な場であれば基本解は実関数でも表せますから、exp(ikx) の代わりに実関数を使うこともできるはずです。
で、もしこれが「実数で記述される」の理由なら、前提は線形で観測可能な場ですから、場の粒子に電荷があると自分と相互作用して非線形になってしまうから電荷はダメということになります。
でも電荷なしで観測可能な場であっても、重力場みたいに非線形だとやっぱりダメということになる?
というような疑問を持ったので教えてもらいたかったわけです。

  投稿者:ASA - 2010/12/24(Fri) 07:39  No.10205 
hirota さん No.10204

自分は実数であれ複素数であれその他の数であれ、物理を記述できていればOKという立場なので、
>「実数で記述される」と言ってる人がどういう理由で言ってるのか教えてくれるなら誰でも良いんです。
 上のような疑問は、あまり気にしない性質です。

>場の粒子に電荷があると自分と相互作用して非線形になってしまうから電荷はダメということになります。
 現象的には、非線形現象が圧倒的に多いので、これはこれでOKでは?
 (普通、強力な相互作用は仮定しないで、摂動扱いできるものを想定するような気がします。前提条件を大きく崩さなければOKという考えを採用する)

>これは便利だからそうするので必ずしも複素関数にする必要はないはずです。
 これはそうですよね。
wikiからの四元数の引用ですが
"有名なところではマクスウェルが電磁方程式の四元数を用いた定式化を行っている"
"複素数 α = x + yi を、四元数 x + yi + zj + wk で z = w = 0 とおいたものと思うと、H は複素数の全体 C を部分体として含み、加群として H = C + Cj と分解されて、H は C 上の 2 次のベクトル空間になっている。複素数を H の元と見てつくった共軛四元数は、ちょうど共軛複素数に一致するので、四元数の共軛は複素共軛の拡張である。"
 より便利な、数を使って表現すればよいという話なんですよね。
ちなみにkafuka さんが紹介された文献にも、(4.38)(4.39)でMaxwell 方程式の複素数形式が記載されてます。よく見られる{E~,H~}によるベクトル表記より簡潔に記述できてますよ。

  投稿者:hirota - 2010/12/24(Fri) 11:08  No.10206 
僕も便利で簡潔ならOKですが、上の疑問は自分の理解が正しいかどうか確認したいのが理由です。
(なにしろ、まだ初歩なもんで)

  投稿者:ASA - 2010/12/25(Sat) 10:17  No.10207 
hirota さん
>(なにしろ、まだ初歩なもんで)
ご謙遜なさらなくてもよろしいとかと、疑問はごもっともなものと思います。

話の元は、とねさん No.10194
>「光子のように電荷をもった粒子の波動関数は複素数の関数で記述され、光子のように荷電していないものの波動関数は実数で記述される。これは場の量子論にいけば分かる規則である。」とお考えになっている方がいるからです。
ですよね(冒頭の光子は、電子は書き間違いでしょう)。
 波動関数自体が、量子力学(第一量子化)での話であるにもかかわらず、異なる枠組みである場の量子論(第二量子化)で分かる規則というのがそもそも変ですな。与太の類と思いスルーしてました。

とねさん 
>ランダウ=リフシッツの「相対論的量子力学(1971年出版?」では「光子の波動関数と言うとき、光子の空間的局所化の確率振幅として考えるのではけっしてない」と言い切っていますし。
 第二量子化による定式化での光子は、演算子化されてるので波動関数というのが、そもそも適切でないですから、演算子化されたときは確率振幅として考えてないのは当然です。
 紹介論文では、既定事項としての第二量子化による光子{by Bialynicki-Birula[46]}と第一量子化での光子波動関数{by Sipe[50]} が矛盾するものでないことを示し(普通異なる定式化が一致するとは限らないので、念のため一致することを検証し)、更に、Hawton位置演算子が交換関係(正準量子化手法での基本)を満たすので、第一量子化による定式化が光子に関連して構築できると論じてます。(もちろん、粒子のシュレディンガー方程式相当の第一量子化光子が満たすべき方程式もちゃんと記載されてます。文献(4.42)(4.43))

  投稿者:とね - 2010/12/25(Sat) 10:46  No.10208  <Home>
ASAさんへ
はじめまして。

> (冒頭の光子は、電子は書き間違いでしょう)。
はい、書き間違えていました。すみません。正しくは「電子のように電荷をもった粒子の波動関数は複素数の関数で記述され...」ですね。

ランダウ=リフシッツにおける記述は光子の第二量子化、演算子化によるものだから確率振幅(複素数)とは考えない、という意味だったのですね。僕はランダウ=リフシッツの教科書の引用を読んでいるとき第二量子化(場の量子論)と第一量子化(量子力学)の区別が意識から抜け落ちていました。その後に続くご説明も理解できました。

ご説明いただきありがとうございました。

  投稿者:kafuka - 2010/12/25(Sat) 17:24  No.10209 
>波動関数自体が、量子力学(第一量子化)での話であるにもかかわらず、
>異なる枠組みである場の量子論(第二量子化)で分かる規則というのがそもそも変
>第二量子化による定式化での光子は、演算子化されてるので波動関数というのが、そもそも適切でない
的確なご説明、よくわかりました。

尚、
>光子のように、、、波動関数は実数で記述される
と主張したのは、僕ではありません。 − 念のため
でも、すぐ信じ込んでしまい、とねさんを惑わせたことを お詫びします。

Hirotaさんのコメを読んで、自分で、光子の平面波を個数演算子で展開して、
係数が複素関数になることで、呪縛がとけました。
(No.10203の計算、個数演算子で展開したことになってますか? 自信ないです)

このスレッドと関係ないですが、、、
係数が定数でないということは、光子の平面波は、個数演算子の固有状態でない
つまり、波として観測される時は、粒子性は現れない
という当たり前のことを表しているようです。

  投稿者:hirota - 2010/12/25(Sat) 20:28  No.10210 
個数演算子は生成, 消滅演算子から作れますが、個数演算子から生成, 消滅演算子を作ることはできないので、生成と消滅の2種類の演算子で構成された任意の演算子を個数演算子だけで展開することはできません。(個数演算子の定義を変えたら知らんけど)
普通に見る生成, 消滅演算子展開は演算子に掛かってる関数が exp(ikx) で平面波ですから、個数演算子の固有状態は平面波です。

  投稿者:kafuka - 2010/12/25(Sat) 21:24  No.10211 
>Hirotaさん
ありがとうございます。
http://homepage2.nifty.com/eman/quantum/creat_op.html
を参考に、計算して確認します。

ただ、
>普通に見る生成, 消滅演算子展開は演算子に掛かってる関数が exp(ikx) で平面波ですから、
>個数演算子の固有状態は平面波です。
ですが、Aの平面波の第一成分:
A^1(x)=∫dk{a(k)exp(-ikx) + a†(k)exp(ikx) }
が正しいとすると、
これは、生成と消滅の2種類の演算子で構成された演算子ですから、
平面波が個数演算子の固有状態とは思えないのです。
計算してみますと、、、

http://blogs.yahoo.co.jp/kafukanoochan/64016630.html
nA^1(x)=∫dk{(N−1) a exp(-ikx) + (N+1)a†exp(ikx) }
=NA^1(x)+∫dk{−a exp(-ikx) + a†exp(ikx) }
≠定数A^1(x) つまり 連続固有値

したがって、平面波のA^1(x)は、個数演算子n の固有状態ではない
と思うのですが

  投稿者:hirota - 2010/12/26(Sun) 01:13  No.10213 
A^1(x) は演算子であり、状態ではありません。
場の演算子展開に a†(k) exp(ikx) が使われてる場合、特定の k に対して a†(k) は運動量 k の粒子を生成する演算子なので、真空を |0> とすると a†(k) |0> が運動量 k の粒子が1つある状態です。
運動量が k に確定してる状態は平面波です。
なお、個数演算子も各 k ごとに別々にあります。

  投稿者:ASA - 2010/12/27(Mon) 16:10  No.10217 
とねさん,kafukaさんへ
>第二量子化による定式化での光子は、演算子化されてるので波動関数というのが、そもそも適切でないですから、演算子化されたときは確率振幅として考えてないのは当然です。
 こう述べましたが、用語としての波動関数が気になって調べてみると、
http://aries.phys.cst.nihon-u.ac.jp/~fuji-3/FieldTheory10.pdf
で、"光子一個の状態を表す波動関数は、(5.23)で与えられる。"
と第2量子化の理論でも使われることがあるのですね。でも、(5.23)では、運動量kをもつ1光子状態の確率振幅(=波動関数)にe^(-ikx) の因子があるので明らかに複素数ですね(また、1/ω(k)という因子により赤外(k=0)で発散してるので、確率振幅という物理的解釈も適切でない気きがしますけど)。
 なんにせよ、"電子のように電荷をもった粒子の波動関数は複素数の関数で記述され、光子のように荷電していないものの波動関数は実数で記述される。"が、おかしなものであることには変わりがないと考えます。
(やってやれないことはないが、整合性が取れない。同じ数体で記述するのがノーマルと思う)
 

  投稿者:hirota - 2010/12/27(Mon) 23:27  No.10219 
ASAさんに紹介していただいた
http://aries.phys.cst.nihon-u.ac.jp/~fuji-3/FieldTheory10.pdf
には他の本に書いてない事が色々書いてあって分かり易いですね。
特に(3.22)の下に実の場の定義があって、場の演算子が共役操作で不変な事だと書いてある。
すると、a†(k) exp(ikx) の共役は a(k) exp(−ikx) だから、両方使って展開した場の演算子は実の場だ。おまけに「実の場でも一粒子の波動関数は複素数になることは重要である」なんて書いてある。
これを読んで、自分がNo.10204に書いた電子と光の違いは無意味だと分かりました。
(相互作用なしの自由場で展開するから電荷があって非線形になっても関係ない。複素場を実部と虚部に分けて量子化する事も出来るけど複素数の方が便利だ。など)
(5.23) は運動量が k に確定した無限に広がる平面波だから規格化なんて不可能で、確率にはならないですね。

  投稿者:とね - 2010/12/28(Tue) 01:31  No.10222  <Home>
ASAさん
いろいろ調べてくださり、ありがとうございました。見つけていただいたPDFは大学(または大学院)で使われる教材ですね。
こちらのスレッドでの皆さんのご意見はまとまってきたように思いました。
電子と光子ではここまで波動関数についての考え方が違うとは予想だにしていませんでした。奥が深いです。

hirotaさん、kafukaさん
お考えをお聞かせいただき、ありがとうございました。
kafukaさん、僕は惑わされてしまったところもあったのかもしれませんが、考察の過程の途中経過のことだと思いますので気にしていませんよ。ご安心を!

  投稿者:ASA - 2010/12/28(Tue) 07:20  No.10223 
hirota さん No.10219
>(5.23) は運動量が k に確定した無限に広がる平面波だから規格化なんて不可能で、確率にはならないですね。
フリーな場合、平面波故に規格化不能というのは、とりあえずおいておきます((3.22)でも同様に平面波なので)
 注目するのは、平面波に係る因子です。(3.22)では、1/{ω(k)V}となってます。非相対論的分散関係だとω∝k^2(シュレディンガー方程式から)です。また、k∝1/L,V=L^3ですからω(k)V∝Lとなり、k→0(つまりL→∞)の極限で平面波に係る因子は0に収束します。なので、確率振幅との解釈が可能(粒子の場合は、実によくできてます)。
 光子の場合は、そのまま対応させると不都合なので、工藤論文にあるように1光子状態を定義しなおすことで、光子の波動関数(確率振幅と解釈できるもの)を提案してるわけですね。

  投稿者:hirota - 2010/12/28(Tue) 11:29  No.10224 
あら、そうか!
有限体積で周期境界条件だから、無限に広がってませんね。

  投稿者:sym - 2010/12/28(Tue) 22:33  No.10227 
>「光子のように電荷をもった粒子の波動関数は複素数の関数で記述され、光子のように荷電していないものの波動関数は実数で記述される。これは場の量子論にいけば分かる規則である。」とお考えになっている方がいるからです。

どこかで聞いたような話だなと思って探したらすぐ見つかりました。

http://www7.ocn.ne.jp/~miyazaw1/papers/QA.htm
>Q5 電子が複素数の場で表されるのが何となく神秘的であるが、何故複素場なのか。
 
>A 本稿3節の終わりあたりからちらちら書いたことだが、複素場ならそれから容易に保存する電荷、電流密度を作ることが出来る。複素場でなくてもよい。2成分でその間に平面回転不変性(SO(2)対称)があればよいのだが、それは複素数の言葉で言うのが言い回しも式も簡単になる。電子場が複素である理由についてDiracはじめ何人かが意見を述べているが、保存電流を定義すること以外に神秘的な理由はないと思う。


 証明がわからず気になっていた文でした。とねさんがおっしゃっていたことは、こういう意味なのかなと思い掲載させていただきました。

  投稿者:ASA - 2011/01/03(Mon) 08:21  No.10236 
symさん
>探したらすぐ見つかりました。
Emanさんのリンクにある方の"存在論的、光子論"での(注)がオリジナルでしょう。

>とねさんがおっしゃっていたことは、こういう意味なのかなと思い掲載させていただきました。
量子場(演算子)と波動関数(確率状態)をごっちゃにしてはいかんと思います。
確率状態を表わす波動関数とは、量子場とは別物です。自分が紹介した文献にあるように"「実の場でも一粒子の波動関数は複素数になることは重要である」"です(電磁場を実数4元ポテンシャルAで記述することがよくありますけども)。
なぜなら、測定量は、オブザーバブルを波動関数に演算させから、複素共役で挟み込んで足し合わせることで求められます(期待値)。オブザーバブルが微分演算子で表せる時、波動関数が実数だとその期待値は常に0となります(証明は容易)。運動量演算子は微分演算子で表わせるので、光子の波動関数が実数だとすると光の運動量は常に0となり、ポインティングベクトルに比例する運動量をもつという古典的電磁場の帰結と矛盾します。
 複素電磁場F=E+iH(係数省略)を考えます。|F|^2=E^2+H^2で、エネルギー密度分布を示してます。
 光の特徴は、進行ベクトルkと強度ベクトルE,Hがそれぞれ直交していることです。
 平面波がz方向に進行する場合を考え、x方向のみ取り上げて、Ex=Acos(ωt-kz) Hx=Asin(ωt-kz)を考えます(Fxのみ)。運動量期待値P=<Fx|p|Fx>=(h/i)∫{(Ex∂Ex+Hx∂Hx),i(Ex∂Hx-Hx∂Ex)}dx、偶奇性からEx∂Hx-Hx∂Exが残り
cos(ωt-kz)^2+sin(ωt-kz)^2=1でFが規格化されていれば、P=hkとなります。三角関数を微分すると位相が変ります、これはちょうど、x軸→y軸に対応していて、∂Hx→Hy,∂Ex→Eyですから、Ex∂Hx-Hx∂ExがポインティングベクトルE×Hと対応してます(これもまたうまく出来てます)。自由度はE+iH,E−iHで2つの自由度、Fが3次元ベクトルなので掛けて6自由度(光の自由度に一致)。4元電磁ポテンシャルAだとゲージ条件つけで1つの自由度を消していますが、工藤論文にあるように古典場との対応が見やすいのは複素電磁場Fを用いた方6自由度形式が見やすいですね。

  投稿者:ASA - 2011/01/03(Mon) 08:38  No.10237 
symさん
 ご紹介のページはなかなか興味深いです(Q4,Q6,Q7)。大家ラムの名言"光子を持ち出すやからは、光を解ってない"を思い出しました。場の量子化における光子は、平面波なので位置が不明(ついでに位相も不明,kのみ確定)で、タイムスパンは無限大です。電子の軌道遷移からこのような平面波が出るわけがありません(光電効果の簡易説明でよく見られますけど)。しかし、波動関数に基づく量子化光子なら、局在化した波束で扱えるのでラムも考えを変えるかもしれませんね(単純なモデルでよいから、軌道遷移に伴い発生する光子の波動関数を具体的計算で示された後だと思いますが)。

  投稿者:sym - 2011/01/03(Mon) 15:35  No.10240 
ASAさん

 ASAさんの仰るとおりだと思います。量子場が作用する状態ベクトルは複素数値をもつ何らかのものだろうことがわかったと思います。

 少しNo.10227を補足?させて頂きたいと思います。
>「電子のように電荷をもった粒子の波動関数は複素数の関数で記述され、光子のように荷電していないものの波動関数は実数で記述される。これは場の量子論にいけば分かる規則である。」

 光の場合は普通、波動関数といえば古典的な3成分の光の場を思う、と思いますが、どうでしょうか?複素電磁場や6成分波動関数は不思議なほど良くできてて面白いですが、用途が特殊なように感じました。
 もうひとつ「場の量子論にいけば…」を場の量子論の周辺の知識として、場の解析力学を学べば、と言い換えれば意味の通る文になると思います。
 
 複素場において保存する電荷を定義するのは以下の5.3ラグランジアン形式における対称性と保存則 に見つけました。

http://osksn2.hep.sci.osaka-u.ac.jp/~naga/kogi/konan-class04/ch5-sym.pdf

 私には難しく理解できない部分も多いですが、このスレッドのおかげで勉強になりました。

  投稿者:ASA - 2011/01/03(Mon) 17:42  No.10241 
symさん
>光の場合は普通、波動関数といえば古典的な3成分の光の場を思う、と思いますが、どうでしょうか?
 何が普通かはよく解りません。古典電磁場といえば、古典的な3成分の光の場を思い浮かべますね。量子電磁場なら、演算子化された4元場Aμを思い浮かべます。波動関数といえば、量子論でオブザーバブルによって観測量が導出される状態確率密度関数(複素数)を思い浮かべます。なので、光の波動関数といえば、複素電磁場の重ね合わせを思い浮かべます(工藤論文で光子波動関数を見た後ならなおさら)。

>用途が特殊なように感じました。
 この枠組みは、未来技術の要と考える量子制御(量子情報処理)技術で、必須になるように思えます(単一量子ドットでの光の吸収放出についてなど)、紹介論文でもあったように光子に対する位置演算子が提案されているので光子の位置検出やら移動時間などの測定による検証により、理論実験双方がより深化発展するというフィードバックがかかるはずです(大統一理論のように実験との乖離はすくない)。工藤論文で提案された位相速度と通過速度の差の検証による今後の展開に期待してます(余談ですが、確率過程が量子論の本質との思いが強くなりました)。

  投稿者:kafua - 2011/01/30(Sun) 11:22  No.10286 
遅Resで恐縮ですが、、、

ASAさん: No.10241
>余談ですが、確率過程が量子論の本質との思いが強くなりました
早とちりかもしれませんが、
森藤正人「量子波のダイナミクス」では、
ファインマン核を導くのに、
「ブラウン運動」→「熱核」→「確率振幅」という順序で記述されています。
最初 読んだ時は、何故?って思ったのですが、
今回の議論で納得しました。

(ただ以降は削除)

TOSHIさんが Folomyで書かれていた記事を、読み違えていました。
http://folomy.jp/heart/?m=pc&a=page_c_topic_detail&target_c_commu_topic_id=17476&all=1
>hというような物理定数が数学的な確率過程だけから天下り的演繹的に得られることは決してない
これを、
天下り的にも導入できない(理論に付加できない)という意味だと思いましたので。
「得られない」だけで、数学上 矛盾が生じなければ「導入はできる」でしょう。