EMANの物理学 過去ログ No.9724 〜

 ● トリチェリの定理の導出

  投稿者:bonbon - 2010/07/18(Sun) 23:53  No.9724 
トリチェリの定理をベルヌーイの定理から導出する議論の中で、腑に落ちない点があるので教えてください。

容器に水が入っていて水面からhだけ下の一点の穴から水が流出する状況を考えます。
水面での圧力をp1、水面の降下速度をv1として、流出点での圧力をp2、流出速度をv2とします。
水の密度をρとすれば、ベルヌーイの定理より
ρv1^2/2 + p1 + ρgh = ρv2^2/2 + p2
が成立しますよね。
ここで大気圧をp0とすると、水面も流出点も大気に接しているので、p1=p2=p0であり、v1≒0と近似することで、v2=root(2gh)が成立する、という説明を見たのですがp1=p2=p0とする点が納得いきません。

水面の圧力がp1で高さがhなのだから普通に水圧を考えて、p2=p1+ρghとするべきではないでしょうか?
仮に自分の考えを式に当てはめると、v2=v1となり明らかにおかしいことは十分に承知しているのですが、どうしてもp2=p0となるのが納得いきません。
というのも、大気->水の方向で考えればp2=p0というのはわかるのですが、水(水面)->流出点->大気という方向に辿っていったとき、p2=p1+ρghとなるように思え、矛盾してしまいます。
どのように理解すればよいのでしょうか?

  投稿者:甘泉法師 - 2010/07/19(Mon) 10:17  No.9725 
こんにちは。

>水面の圧力がp1で高さがhなのだから普通に水圧を考えて、p2=p1+ρghとするべきではないでしょうか?
 
 水面の圧力がp1で高さがhなのだから普通に大気圧を考えて、p2=p1+ρ_air gh とするべきではないでしょうか?
 水面では水圧と空気圧が同じですが下の出口では内の水圧>外の大気圧。 だから圧力の小さい側に水が噴出する。噴出した水は圧力が大気圧と同じになる。圧力の下がっただけ運動にかわると考えてはどうでしょう。なお問題の解説ではρ_air << ρ_water なので ρ_air=0 としているようです。
=甘泉法師=

  投稿者:bonbon - 2010/07/19(Mon) 11:05  No.9726 
甘泉法師さん。こんにちは。さっそくありがとうございます。

>>水面の圧力がp1で高さがhなのだから普通に大気圧を考えて、p2=p1+ρ_air gh とするべきではないでしょうか?
という発想は水面->(そこから容器の外側の大気中を辿って流出点まで)->流出点というように考えた時で、そのときたらρ_air=0として、p2=p1というのは納得できるのですが、水面->(容器の内側の水中を辿って流出点まで)->流出点というように考えたときはやっぱり水圧を加味して、p2=p1+ρghではないでしょうか?
ようするに、導出において外から圧力を考えなければいけないというのは、そうすればうまい結果がでるから、という都合上のものなのでしょうか?

>>水面では水圧と空気圧が同じですが下の出口では内の水圧>外の大気圧。 だから圧力の小さい側に水が噴出すと考えてはどうでしょう。
左右の圧力が違うからおっしゃるようになるというのはわかります。ですが、同じことの繰り返しになりますが、導出においてなぜ、内側からの水圧でなく、外側からの大気圧を使用しなければいけないのでしょうか?ベルヌーイの定理で使用するべきは、水圧ですよね?水面ではつり合い(近似的ではあるが)よりp1=p0ですが、流出点ではそうはいきませんよね?

追記:
v2=root(2gh)が経験的にわかっているとして、p2を未知のものとしてベルヌーイの定理を考えると、p2=p1=p0になりますよね。もしそうなら、流出点での左右の圧力がつり合っているので流出が起こらないことになりませんか?かといって上記のように内側から水圧を考えるとv2=v1となってまたおかしいことになります。
ここらへんの矛盾のうまい説明ができないでしょうか?流体力学自体いろいろと込み入ったことがありそうなので、近似を含んだ初歩的な式では厳密な議論はむずかしのでしょうか。。。

  投稿者:甘泉法師 - 2010/07/19(Mon) 12:04  No.9727 
こんにちは。

>、そのときたらρ_air=0として、p2=p1というのは納得できるのですが、水面->(容器の内側の水中を辿>流出点まで)->流出点というように考えたときはやっぱり水圧を加味して、 p2=p1+ρghではないでしょ>うか?

そうですね、流出口に栓がしてあれば。栓の内側ではp2=p1+ρ_water gh 外側ではp2=p1+ρ_air gh。内外の圧力差は栓が支えています。
で、現実には栓がないわけで水に 1 静止していられない 2 出口を出ると圧力が周囲の大気圧と同じになる(自分より上に重なった水の枷を離れ自由になるので)の両方が起きるわけです。1と2の量的関係がベルヌーイの定理で与えられます。 

>導出においてなぜ、内側からの水圧でなく、外側からの大気圧を使用しなければいけないのでしょうか?

両方とも使っている、圧力差をみるために。と考えてはどうでしょう。

=甘泉法師=


  投稿者:サンマヤ - 2010/07/19(Mon) 12:19  No.9728 
はじめまして。

甘泉法師さんの解答で終わってる気がしますが、
まだ納得されていないようなので、説明をしてみます。

まず、容器に穴を開けた瞬間、水圧>大気圧ですから水は外へ向かって加速されます。
これは、圧力(水分子の内部運動エネルギー)が流体の運動エネルギーに変わる、と解釈できます。
このときのエネルギー保存則が、ベルヌーイの定理、
<tex> p + \rho gh + \frac{1}{2}\rho v^2 = \it{const.}</tex>
です。
この加速は、水圧=大気圧になるまで続きます。
ですから、最終的な速度 $v$ をもった流体の圧力はあくまで大気圧とつりあっているはずで、
 $p_2=p_1$ になっていなければなりません。
中の流体が動いてないと近似すれば、たしかに $p_2=p_1 + \rho gh$ ですが、
飛び出した部分は大気圧とつりあうまで加速されて圧力が下がるわけです。

こんな感じの説明でどうでしょうか。

##甘泉法師さんの投稿とかぶりました・・・

  投稿者:甘泉法師 - 2010/07/19(Mon) 13:45  No.9729 
こんにちは。

bonbonさんの追記: について

>水の密度をρとすれば、ベルヌーイの定理より
>ρv1^2/2 + p1 + ρgh = ρv2^2/2 + p2
>が成立しますよね。
>ここで大気圧をp0とすると、水面も流出点も大気に接しているので、p1=p2=p0であり、

ベルヌーイの定理で考えている量は外に出る水の流線の出口の内側でp2。出口は狭く体積の大きい内側の流れは0なので。水鉄砲の小さな穴から速い水がでますがピストンの動きはそれよりずっとゆっくりですよね。

外に出る水の流線の出口のすぐ外側で
ρv1^2/2 + p0

p2は水の柱の圧力を考えると 
p2 = ρgh + p0

これからv2=root(2gh).

>v2=root(2gh)が経験的にわかっているとして、p2を未知のものとしてベルヌーイの定理を考えると、p2=p1=p0になりますよね。

p1=p0 ですが、「出口は狭く体積の大きい内側の流れは0とした。」ことからp2 = ρgh + p0 です。

トリチェリの定理は、流出口が小さいなど容器内部の液体の動きがないものとした単純な場合についてのものです。

Wikipedia トリチェリ から
『トリチェリの定理は、周囲の大気圧が一定で、液面の降下速度を無視できると仮定した場合におけるベルヌーイの定理の変形である。』

=甘泉法師=

  投稿者:bonbon - 2010/07/19(Mon) 18:40  No.9730 
こんにちは。お二人の解説を参考にしてまとめました。

まず本題についてですが、流出点のすぐ内側では水圧(=p0+ρgh)となっているが、静止していられず飛び出して大気圧と同じになるまで減圧を続け、そのときに開放されたエネルギーが速度となって表れている。ゆえに、ベルヌーイの定理を用いて速度を考えるときは、外側ですでに運動している水の圧力(=p0)を用いなければいけない、というように理解しました。納得しました、ありがとうございました。

次に追記についてですが、上記の通りに考えればroot(2gh)を代入したときにp2=p1=p0となるのも、すでに流出して大気中を動いている水の圧力なので当然のことであると理解できました。
また、p2=p0+ρghを代入すると、v2=v1となり、これは流出点のすぐ内側の速度を表していて、
>「出口は狭く体積の大きい内側の流れは0とした。」
とおっしゃっていることとも矛盾しないと思いました。

以上、自分なりに納得できました。おかしいところがあれば指摘してください。おつきあいいただきありがとうございました。

  投稿者:甘泉法師 - 2010/07/19(Mon) 20:47  No.9731 
こんにちは。

>次に追記についてですが、上記の通りに考えればroot(2gh)を代入したときにp2=p1=p0となるのも、

p2というのは出口のすぐ内側の圧力でしたよね。p2=p0...ですか?

=甘泉法師=
  
●      p0=   
●ーーーーーー-ーーーーーー●
●◯◯◯◯◯p1◯◯静止◯◯●
●◯◯◯◯◯↓◯◯◯◯◯◯●
●◯◯◯◯◯↓◯◯◯◯◯◯●
●◯◯◯◯◯↓◯◯◯◯◯◯●
●◯◯◯◯◯↓◯◯◯◯◯◯●
●◯◯◯◯◯↓◯◯◯◯◯◯●
●◯◯◯◯◯↓◯◯◯◯◯◯●
●◯◯◯◯◯↓◯◯◯◯◯◯●
●◯◯◯◯◯↓◯◯◯◯◯◯●
●◯◯◯◯◯↓◯◯◯◯◯◯●
●◯◯◯◯◯↓◯◯◯◯◯◯●
●◯◯◯◯◯↓◯◯◯◯◯◯● 大気圧の高低差は無視 ρ_water >>ρ_air して
●◯◯◯◯◯↓◯◯静止◯◯● p0   流出
●◯◯◯◯◯p2→→→→→→⇒⇒⇒⇒⇒  
●●●●●●●●●●●●●● v
流線に沿って上から(静止しているのに流線?!ちょろちょろゆっくり流れて入るとみて勘弁ください。)、
p1+ρgh+0(静止)=p0+ρgh  最上部
=p2+0(静止) 流出孔の内側 
=p0+1/2ρv^2 流出孔を出て