EMANの物理学 過去ログ No.9336 〜

 ● 2物体の衝突について

  投稿者:サンマヤ - 2010/05/14(Fri) 09:03  No.9336  <Home>
はじめまして。サンマヤと申します。
いちおう物理学科卒となっています。
このページはいろいろと楽しく読ませていただきながら、
じぶんでも理解の浅いところを考え直すきっかけとなってよい勉強になっています。

表題のページで、

>この条件式 (5) とエネルギー保存則からの条件式 (2) とは形が全く違うのにどうして同じ解が得られる事になるのか、
>なるほどと一目で納得できるようなエレガントな証明が出来なくてちょっと胸につかえている。

とありますが、これについて、もう誰かが書いているかな、と思ったのですが、
過去ログを検索しても出てこなかったので書き込みます。

2物体の運動を、重心運動と相対運動に分離する、という方法は、よく知られているものだと思います。
ここで、物体をAとBと名前をつけることにして、二つの量を導入します。

一つは、重心<tex>x_{G}</tex>、もう一つは相対位置<tex>x_{R}</tex>です。
二つの物体の総質量<tex>M=m_{A} + m_{B}</tex>とおくと、

<tex>x _{G} =  \frac{m _{A} x _{A} +m _{B} x _{B} }{M} </tex>

<tex>x_{R} = x_{A} - x_{B}</tex>

そうすると、重心速度<tex>v_{G}</tex>と相対速度<tex>v_{R}</tex>が以下のように定義できます。

<tex>v_{G} = \frac{m_{A}  v_{A} + m_{B} * v_{B}} {M}</tex>

<tex>v_{R} = v_{A} - v_{B}</tex>

衝突の問題は、外力の働かない系ですから、
運動量保存則により、重心速度<tex>v_{G}</tex>は不変です。
(式の分子は、そのまま運動量の和であることに注意です)

さて、換算質量mを
<tex>m = \frac{m_{A}  m_{B}} { m_{A} + m_{B}}</tex>
と定義します。すると、2物体の運動エネルギーの和
<tex>K = \frac{1}{2}  m_{A}  v_{A}^2 + \frac{1}{2} m_{B} v_{B}^2</tex>
は、総質量M,重心速度<tex>v_{G}</tex>,換算質量m,相対速度<tex>v_{R}</tex>を用いて、
<tex>K = \frac{1}{2}  M  v_{G}^2 + \frac{1}{2}  m  v_{R}^2</tex>
と書くことができ、重心運動エネルギーと相対運動エネルギーの和へと書き換えることが可能です。
この計算はちょっとめんどくさいですが、ここにかくと長くなりすぎるので、
各自でやってみていただきたいです。

よって、運動量保存則のもと、重心運動エネルギーは変わりませんから、
エネルギー保存則のもとでは、相対運動エネルギーは変わらないことになりますので、表題ページの(5)式にいきつきます。

余談ですが、非弾性衝突(衝突係数e<1)のもと、エネルギーの損失は、
<tex> \frac{1}{2}( 1 - e^2)  m v_{R}^2</tex>
となることもすぐに分かります。

長文失礼しました。
既出でしたらすいません。

  投稿者:hirota - 2010/05/14(Fri) 11:35  No.9350 
ふーむ、色んな見方があるもんだ。
僕の場合は、
(1)  $m_A v_A+m_B v_B=m_A v'_A+m_B v'_B$ 
(2)  $\frac{1}{2}m_A v_A^2+\frac{1}{2}m_B v_B^2=\frac{1}{2}m_A{v'_A}^2+\frac{1}{2}m_B{v'_B}^2$ 
から変形して
(1')  $m_A(v_A-v'_A)=m_B(v'_B-v_B)$ 
(2')  $\frac{1}{2}m_A(v_A-v'_A)(v_A+v'_A)=\frac{1}{2}m_B(v'_B-v_B)(v'_B+v_B)$ 


(I)  $m_A(v_A-v'_A)=m_B(v'_B-v_B)=0$ 
または
(II)  $m_A(v_A-v'_A)=m_B(v'_B-v_B)\neq0,\,v_A+v'_A=v'_B+v_B$ 
を出しちゃう。

  投稿者:yuya - 2010/05/14(Fri) 12:45  No.9353  <Home>
過去ログ見つけるのに苦労してしまった。

http://eman.hobby-site.com/bbs/past/log06052.html

ここではサンマヤさんと同じ発想が話題にのぼっていて、
既出と言えばまぁ既出なのですが、
きちんと書いていただいたものを見ることができて勉強になってます。

自分の書いた[6071]を今読むとチャランポラン過ぎて笑ってしまった(汗)。

  投稿者:hirota - 2010/05/14(Fri) 13:04  No.9354 
そういえば、
http://homepage2.nifty.com/eman/dynamics/collision.html
の「エレガントな証明が出来なくてちょっと胸につかえている」は解消されたと思ったら、まだそのまんまだね。

  投稿者:EMAN - 2010/05/14(Fri) 15:36  No.9355 
> 解消されたと思ったら、まだそのまんまだね。

 いや、申し訳ないです。
 そろそろまとめて書き直しておかないとな・・・
と以前にも書いたりは・・・してないよな。 ホッ。

  投稿者:サンマヤ - 2010/05/15(Sat) 14:24  No.9365  <Home>
たしかに、似たような発想のことは書いてありますね。
しかも、表題ほとんど同じだし・・・見逃してました。

自分としては、物理の式変形や計算がただの数式操作にとどまらず、
それ自体が物理的に意味のある変形になってるとき、
数学と物理学の奥深さに感動してしまうので、紹介させていただきました。
まあ、趣味の問題かもしれませんがw

これの重要なところは、たとえば万有引力のような、
2質点間の距離(位置関係)だけで決まるような力のもとでの2体問題ならば、
<tex> E = \frac{1}{2} M v^2_{G} + \frac{1}{2} m v^2_{R} + U(r_{R})</tex>

とエネルギーを書き直すことができ、ほかに外部からの影響がなければ、
第1項は定数ですから、2体問題を1体問題に帰着できる、
ということでしょうか。

ちょっと数式の元を当たれないのですが、
たとえば、積分形のマクスウェル方程式に、
部分積分(これ自体は積の導関数公式の変形)をほどして出てくる2つの項が、
それぞれ異なる物理現象をあらわしている、とかいうのをみると、
数学の奥深さと、異なる現象を簡潔な一つの式に統合しているマクスウェル方程式のすごさを実感したりします。

ちょっと余談でした。

P.S.
TeXで数式が打てるこの掲示板にも感動しました。

  投稿者:yuya - 2010/05/15(Sat) 22:29  No.9373  <Home>
>自分としては、物理の式変形や計算がただの数式操作にとどまらず、
>それ自体が物理的に意味のある変形になってるとき、
>数学と物理学の奥深さに感動してしまうので、紹介させていただきました。
>まあ、趣味の問題かもしれませんがw

同じ趣味です(笑)。

歴史的には、とりあえずよく意味も分からずゴリゴリ計算した結果
めざましい発見がなされることも多いと思いますが、
その後に数学的にエレガントにする努力の過程で
本質がえぐり出されることがありますよね。

とはいえ、具体例をたくさん想定して言っているわけではないので、

>ちょっと数式の元を当たれないのですが、
>たとえば、積分形のマクスウェル方程式に、
>部分積分(これ自体は積の導関数公式の変形)をほどして出てくる2つの項が、
>それぞれ異なる物理現象をあらわしている、

こういう事例があるのであれば、ぜひ具体的に知りたいですね。
お心当たりのある方はご教示ください。

  投稿者:サンマヤ - 2010/05/16(Sun) 08:02  No.9384  <Home>
>>ちょっと数式の元を当たれないのですが、
>>たとえば、積分形のマクスウェル方程式に、
>>部分積分(これ自体は積の導関数公式の変形)をほどして出てくる2つの項が、
>>それぞれ異なる物理現象をあらわしている、

>こういう事例があるのであれば、ぜひ具体的に知りたいですね。
>お心当たりのある方はご教示ください。

たしか、清水忠雄「電磁波の物理」に出てくる数式だったと思うのですが、
(あるいは、講義で教官が使った補足のプリントか・・・)
どちらにせよ、手元に残ってないので、
正確な話ができないのが心苦しいです。
自分でも思い出したら書きますが、
どなたか知らないかな、と思って話題を投入してたりもします・・・