EMANの物理学 過去ログ No.9314 〜

 ● クライン・ゴルドン方程式の解と光円錐の関係が?

  投稿者:kafuka - 2010/05/12(Wed) 18:13  No.9314 
クライン・ゴルドン方程式の自由粒子の解
ψ=Aexp±i(kx-wt)     k=√E2-m2c4/ch' 、w=E/h'
ですが、光円錐の外では、確率密度ρが0でないといけないように思います。
どういう条件で解けば光円錐の外で、確率密度ρを0 にできるのでしょうか?

4元確率流密度jμ=h'/2mi(ψ*∂μψ - ψ∂μψ*)
確率密度ρ=j0/c
     =E/m0c^2 |A|^2=一定値
なので、xの値にかかわらず=光円錐の外でも、確率密度は、全く同じ一定値になってしまいます。

尚、論点は (x,t)=(X0,0) にあった、粒子の存在確率が光円錐の外で≠0になるか というのではありません。
こっちは、かつて議論されていて、光円錐の外では0というのが結論と覚えています。

追伸:
0でないといけないように思うのは、単なる思い込みのようです。
よく考えると、<ψ|ψ>=∫<ψ|x><x|ψ>dx=∫ψ*(x)ψ(x)dx
=1
ですから、xは−∞から+∞ でないといけない(空間領域のxも含まないといけない)と思います。
それで、合ってますでしょうか?

恐縮ですが、トンデモさんが飛びつきそうな話題ですので、
Resは、方程式で議論できる方に限らせて頂きます。
(僕の方が、できなかったりして ^^;

  投稿者:のま - 2010/05/13(Thu) 06:41  No.9317  <Home>
kafuka さん

クラインゴルドン方程式は時間に関して2階ですから、クラインゴルドン場自体を確率振幅(波動関数)と解釈することはできないです。あくまで場の量子論として意味を持つ理論です。ですから、

> <ψ|ψ>=∫<ψ|x><x|ψ>dx=∫ψ*(x)ψ(x)dx=1

これは何を言っておられるのか不明です。場の量子論では真空における2点相関 <0|ψ(x)ψ^*(0)|0> が光円錐外で0になる事実が、kafuka さんの主旨に近い内容になります。

  投稿者:T_NAKA - 2010/05/13(Thu) 10:52  No.9319  <Home>
>kafuka さん

のま さん の仰ることで間違いないと思います。
ただ、いきなりの結論では kafuka さんもなかなか腑に落ちないのではないかと思い、場の量子論初心者の私が少し補足させていただきます。
(なにぶん、初心者の言うことで間違いがある可能性が大なので、ご自分で再度確認していただけると幸いですが、、)

まず、クライン・ゴルドン方程式の解を量子力学の状態関数と考えて、確率密度を計算すると、 kafuka さんも計算されたとおり

ρ∝ E

で、エネルギーに比例することがお分かりと思います。ここで相対論的量子論ではエネルギーはマイナスにもなりますから、負の確率が出てきてしまいます。
(これは「弱い測定」などの場合ではなく、本当の意味での「負の確率」です。)
よって、歴史的にはこの方程式は一時放棄されていたようです。
(これは科学史でディラックが彼の方程式を導出する経緯で良く述べられているので、ご存知かも知れませんね。)

さて、ここで「シュレーディンガー描像」と「ハイゼンベルク描像」というのをご存知だと思います。
(詳細は EMAN さんの記事「ハイゼンベルク描像 _ 一つの見方に縛られるな!」をお読みいただけると幸いです。)
簡単に言ってしまえば、

 シュレーディンガー描像:時間経過に合わせて状態関数が変化するというイメージ
 ハイゼンベルク描像:状態の方は全く変化せず、代わりに演算子の側が変化するというイメージ

ということです。
(「波動関数」という言葉は誤解を生じさせる可能性があるので「状態関数」と言い替えています。)
量子論では 「物理量 → 演算子」という対応付け行なう訳ですが、場の量子論はハイゼンベルク描像で構築されているので、φとかψとかは「状態関数」ではなく、演算子なのです。
(間違いを恐れずに言ってしまえば、φとかψとかは生成・消滅演算子の和で表されます。)
さらに、φとかψとかが演算子なら、それを作用させる「状態関数」が存在するはずで、真空状態なら |0> などという粒子数で表すことが多いですね。
(これは「波動を示す」とは言い難いので、あえて「状態関数」と言っています。)

そういう、場の量子論においてクライン・ゴルドン方程式が復活したわけです。
よって、空間的距離にある事象の演算子は交換しないという「微視的因果律(micro causality)」というのが kafuka さんの問題設定に関する回答ということなのかも知れません。
http://teenaka.at.webry.info/200903/article_20.html
また、それの発展形としての「T−積」というのがあり、プロパゲータ・伝播関数に繋がります。
http://teenaka.at.webry.info/201004/article_29.html

いろいろ述べてしまいましたが、あくまで場の量子論初心者の誤解があると思いますので、再度ご自分で確認して下さいね。

  投稿者:TOSHI - 2010/05/13(Thu) 17:57  No.9321 
 >kafukaさん。TOSHIです。

 光円錐という概念は1つの事象(x,t)だけでは定義できません。

 2事象(x,t),(x',t')以上あればc^2(t−t')^2=(x−x')^2という円錐が想定できます。

 1つの事象(x,t)だけなら光円錐内外領域が定義できないので場にもその期待値にもそうした制約はありません。

                        TOSHI

  投稿者:kafuka - 2010/05/13(Thu) 18:35  No.9323 
のまさん、T_NAKAさん

ありがとうございます。
クラインゴルドン方程式の帰結:
確率密度ρ0=j0/c は、マイナスにもなりますから、確率密度として解釈できない
ということですね。
場の理論の、クラインゴルドン場(演算子)については、今後の勉強とします。
当然、
> <ψ|ψ>=∫<ψ|x><x|ψ>dx=∫ψ*(x)ψ(x)dx=1
これは、相対論的量子力学でさえありません。取り違えてました。
そもそも、確率密度を ψ*ψ と定義できないので、
    4元確率流密度jμ=h'/2mi(ψ*∂μψ - ψ∂μψ*) の第0成分:
    確率密度j0=h'/2mi(ψ*∂/∂t ψ - ψ∂/∂t ψ*)
を用いるわけですから。

プロパゲータについては、非相対論的量子力学の方のでは、
JJ桜井「現代の量子力学」に載ってますので、
なんとなくは、わかります。

ありがとうございました。

  投稿者:kafuka - 2010/05/13(Thu) 18:50  No.9324 
TOSHIさん

そいうことですか!!
僕も、(t0、x1) だけなら、それを光円錐の頂点としたら、
はなから、(t0,x1+Δx)は、もう光円錐の外だから、、、
この辺が、もやもやしていたのです。
TOSHIさんのお答えで、すっきりしました。

ありがとうございました。