EMANの物理学 過去ログ No.8455 〜

 ● 地震による自転短縮

  投稿者:M.W - 2010/03/10(Wed) 09:07  No.8455 
初めて投稿します。
今年高校を卒業したものです。つい最近のチリ地震に関してのニュースについて、疑問があります。そのニュースとは、以下のようなものです。

地震によって一日の長さが<tex>1.26[\mu \mathrm{s}]</tex>だけ変化した。

角運動量保存からの説明がされていて、もちろんそれは理解しているのですが、どうやって算出したのでしょうか?

僕が見積もったら<tex>0.334[\mu \mathrm{s}]</tex>となります。計算方法は、マグニチュードと地震エネルギーの関係

<tex>\ \log J=4.8+1.5M</tex>

において、Jが回転運動エネルギーの変化

<tex>\ J=\frac{1}{2}LI_{\mathrm{before}}-\frac{1}{2}LI_{\mathrm{after}}</tex>

だというものです。

これをどう修正したら、正しくなるんでしょうか?よろしくお願いします。
(引越しなどで忙しくなるかもしれないので、戻ってこれなかったらすみません。)


  投稿者:明男 - 2010/03/10(Wed) 11:06  No.8456 
M.Wさん、こんにちは。

ニュースによると1.26μs”短くなった”ということですが、地震によって回転エネルギーが”増す”と考えるのは無理がある気がしますね。
おそらく記事にあるように角運動量保存則から、地球(の平均)半径が小さくなり、全体の慣性モーメントが小さくなったために角速度が増したと考えるのでしょう。もっとも、ざっと見積もって千分の数ミリになりましたが。

  投稿者:M.W - 2010/03/10(Wed) 11:49  No.8457 
明男さん はじめまして。ご返事ありがとうございます。

ああ、やっぱりそうはいきませんよね。研究チームは、断層の規模から算出したことをさっき知りました。地球の半径減少を計算したときに、Lが一定だから、エネルギーが増えてるんだな〜と思って、内力だけでエネルギーが増えることを不思議に思ってしまったので、こんなことを考えてみた、というところです。回転運動エネルギーが増加しているということは、どこかからエネルギーをもらったはずですので。
それが位置エネルギーからもきているのかと考え試算したところ、やはり大きくは変わりませんでした。いったいどこから来てるんでしょうか?地軸がずれることの効果とかですかね?
なんかわかりにくい話ですみません。

  投稿者:凡人 - 2010/03/10(Wed) 23:16  No.8462 
I1とω1とr1を地震前の地球の慣性モーメントと角速度と半径、I2とω2とr2を地震後のそれらとして、地球内の質量分布が一定で(実際には中心部の方が重いと思いますが)地震の前後で地球の回転運動の運動エネルギーが変化しないと仮定すると、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8B%E5%8B%95%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC
中の回転運動の運動エネルギーの公式より、I1ω1^2=I2ω2^2 => I1/I2=ω2^2/ω1^2となり、さらに、
http://www.lancemore.jp/dyna_db/a_013.html
中の球の慣性モーメントの公式より、ω2^2/ω1^2=I1/I2=r1^2/r2^2となるので、結局ω2/ω1=r1/r2となるというのは如何でしょうか。
尚、地震で発生した大部分のエネルギーは、津波の発生や地殻の変形の為のエネルギーに転化したのではないでしょうか。
<<追伸>>
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100303002&expand
を確認したところ、地球の半径が減少したのではなく、地軸がずれてその影響で地球の慣性モーメントが減少したようなので、私が示したような単純な計算では計算出来ない事が分りました。
大変申し訳御座いませんでした。
ところで、上の記事の、
>チリ大地震でも地球の質量が一瞬、わずかに自転軸に向かって集まり、自転速度がわずかに上昇した。
という意味が分りませんでした。
なぜかというと、「質量が一瞬、わずかに自転軸に向かって集ま」っても、また元に戻れば、自転速度はまた元に戻ると思ったからです。

  投稿者:明男 - 2010/03/10(Wed) 23:33  No.8463 
>M.Wさん

一日が1.26μs短くなるとすると、地球の変形がなければ、回転エネルギー増分は約7×10^18Jとなりますから、オーダーエスティメイトに過ぎませんが、地震のエネルギーと矛盾しませんね。実際は断層の陥没やエネルギー散逸により調整されるのでしょうが、基本的にはポテンシャルエネルギー(位置および弾性)の転化であるということは合っていると思いますね。

  投稿者:T_NAKA - 2010/03/11(Thu) 08:33  No.8465  <Home>
この計算は簡単にはできないようですね。形状軸というのを理解しないといけないようです。
私は良く分かりませんが、"Germany Today"というブログで地球の「形状軸」についてリンクが貼ってあります。
http://germanytoday.blog.shinobi.jp/Entry/275/

  投稿者:hirota - 2010/03/11(Thu) 11:03  No.8467 
地球内部で何が起ころうと角運動量 L=Iω は一定ですから、上の重い岩と下の軽い岩が逆転して I が減れば ω が増えます。
そして回転エネルギー E=ω・Iω/2=ω・L/2 も増えますが、これもポテンシャルエネルギーから供給されたんでしょうね。
(形状軸とは慣性主軸のこと、I の固有ベクトル)
慣性空間では、ω 方向(自転軸) は L 方向の周りを回る。
物体固定座標(地球固定座標) では、自転軸は慣性主軸(形状軸) の周りを回る。(これを極運動と言う)

  投稿者:M.W - 2010/03/11(Thu) 20:01  No.8470 
大学入学試験の発表を見に行ってました。皆さん、見ない間に、いろいろ書いてくださってありがとうございます!

「形状軸」というのがあるんですか。回転運動というのはどうもわからへんなぁと思っていたら、いろいろ知らないことが出てきました。もうちょっと勉強してみないといけないみたいですね。ありがとうございました〜!


  投稿者:明男 - 2010/03/12(Fri) 00:47  No.8471 
T_NAKAさんのご紹介の記事を見てみると、まさに慣性主軸のことですね。
ところで軸の傾きが8pずれたらしいということでしたが。

超直観物理学で算出してみましょう。
地震エネルギー10^18JをポテンシャルエネルギーMghで断層が1mほど沈んだとする。そうすると、質量M〜10^17kgとなるが、地球質量を6×10^24kgとして、この変化分が慣性主軸を傾かせるとする。比は非常に小さいので、慣性主軸が最大45度(π/4)からこの比程度傾くとすれば、長さに換算して、
 6.380×10^6×π/4×10^17/(6×10^24)=8.35×10^-2(m)〜8p
むふふ。ぴったりだ。スーパーコンピュータ並みだ。
どうやら断層は1mほど落ち込んだらしいな(笑)。
信じちゃダメよ。

  投稿者:凡人 - 2010/03/13(Sat) 13:11  No.8474 
hirotaさん
>地球内部で何が起ころうと角運動量 L=Iω は一定ですから、
回転運動に於ける一般的な保存量は、角運動量の方だったわけですね。
ご教示いただき、大変有難う御座いました。
EMANさんの『趣味で物理学』の「第一章 力学」からやらねばならないと思いました。
<<追伸>>
hirotaさん、(明男さん、)申し訳ありません。
EMANさんの『趣味で物理学』の「第一章 力学」をやったら、保存量に対する考え方が先祖返りしてしまいました。
詳しい内容はこちらをご覧下さい。
http://eman.hobby-site.com/dynamics/angular2.html#1