EMANの物理学 過去ログ No.8449 〜

 ● ラグランジュ方程式の利点

  投稿者:Atom - 2010/03/09(Tue) 01:54  No.8449 
はじめまして、最近EMANさんのサイトを見つけ、何十年ぶりかで楽しく物理学を勉強させて戴いてます。
『ラグランジュ方程式の利点』の稿を読んで、やっとラグランジアンの意味を理解できたように思います。『座標変換しても同じ式を使えるようにする』という目的でラグランジュ方程式、さらに、L=T-Uが導びかれたという事なんですね。

ところで、『(10)式が正しいことを示そう。』の下、
『2行目への変形は.......qiの関数以外になりようがないではないか』
という説明の部分ですが、意味がよくわかりません。これは全微分を偏微分の和に分解して表したということですよね? Qjはqiのみの関数では無いので、2行目のようになるんじゃないかなぁと思えるのですが?

  投稿者:hirota - 2010/03/09(Tue) 10:14  No.8450 
「種明かし」あたりを引用すると、

種明かし

 なぜこのようなことになっているのかをちゃんと説明しておこう。 理由さえ分かってしまえば不思議でもなんでもない。
 例えばこれから、変数 qi という組から Qi という組への座標変換をするとしよう。 具体的に書けば (x,y,z)→(r,θ,φ) などの変換をしようと言っているに過ぎないわけだが、デカルト座標とか極座標に関わり無く成り立つことをはっきり示したいので、このような qi や Qi といった表記を使って議論することにする。

 変換するということはつまり、新座標の各成分 Qi は Qi(q1,q2,q3,・・・) のような関数として表せるということだ。

と書いてますから、ここでは Qj は qi のみの関数です。(一般的な話じゃないですが)

  投稿者:T_NAKA - 2010/03/09(Tue) 10:22  No.8451  <Home>
多分、EMANさんのお答えを待って居られるのしょうが、ちょっとの出しゃばりをお許し下さい。

「Atom さんは Qj とか qi の添え字の表現(ここでは j と i)で勘違いされているじゃないか?」

と感じました。

例えば1つの質点の位置に限れば、3次元の座標があれば足りるので、(q1(t),q2(t),q3(t)) で表されることになります。
これを座標変換して、(Q1(t),Q2(t),Q3(t)) となるのですが、これらの変数の間には、(陽には)

Q1 = Q1(q1,q2,q3) , Q2 = Q2(q1,q2,q3) , Q3 = Q3(q1,q2,q3)

という関数関係しかないということが前提です。
一般化すると、j = 1,2,…,N として
(一般化ということで q の添え字は 1〜M とします)

Qj = Qj(q1,q2,…,qM)

ということです。
つまり、該当の文章は

「Qj (j=1,2,…,N ) が qi (i=1,2,…,M ) のみの関数なのだから、Qj (j=1,2,…,N ) を qi (i=1,2,…,M ) で偏微分したものだって qi (i=1,2,…,M ) の関数以外になりようがないではないか」

となると思います。ただ、これでも誤解する人がいるかもしれませんね。

「Qj (j=1,2,…,N ) が qi (i=1,2,…,M ) のみの関数なのだから」

のjは 1〜N の中の任意の1つの整数ですが、i は 1〜M は組み合わせになります。

  投稿者:Atom - 2010/03/09(Tue) 11:58  No.8452 
hirotaさん、T_NAKAさん 早速対応戴きありがとうございます。
まさに、T_NAKAさんの書かれている通りの勘違いをしていました。
qiのiの意味が i=1,2,...,Nの総称ではなく、特定の値のみを意味しているものと受け取ってしまいました。
よく判りました。
つまらない質問をしてしまい、すみません。
もっと勉強します。

  投稿者:EMAN - 2010/03/10(Wed) 01:18  No.8453 
 遅ればせながら・・・
って、もう解決してしまったのですね。
 hirotaさん、T_NAKAさん、ありがとうございます。

 Atomさん、こんにちは。

> つまらない質問をしてしまい、すみません。

 いやいや、そんなことないですよ。
 私は人がどんなところにつまづくのか興味がありますし、
出来る限り詰まらぬ誤解をなくすような表現を取り入れたいと
日頃から考えております。
 冗長さとの戦いという面もありますので、
検討中の部分も多いわけですが。

 私も似たようなことでつまづいていたのですけど、
そのうち、そのことを忘れて行っちゃうのですよね。

  投稿者:Atom - 2010/03/11(Thu) 03:39  No.8464 
EMANさん 優しいお言葉ありがとうございます。

> 私は人がどんなところにつまづくのか興味がありますし、

そうなんです。一人で考えていて、いったん、引っかかってしまうと、なかなか抜け出せません。この談話室は、ほんとにありがたいです。レベルを下げてしまうのが申し訳ないんですけど....

ところで、ついでに、といってはなんですけど、また質問があります。

◎質問1
ラグランジアンが出てきた経緯については、取りあえず、次のような事になっていると考えれば良いのでしょうか?
(1)最小作用の原理から、ラグランジュの方程式が得られた。
(2)この方程式の形は座標変換に際して変わらないのでとても便利。
(3)そこで、この方程式がニュートンの運動方程式を表すように、関数Lを決めてやったところ ラグランジアンL=T−U になった。

◎質問2
ラグランジュの方程式が、座標変換に際して変化しないのは、『偶然』発見された事なんでしょうか? それとも、最小作用の原理から『当然』の帰結なのでしょうか? その辺りがどうもすっきりしないんです。


  投稿者:EMAN - 2010/03/11(Thu) 16:46  No.8469 
> レベルを下げてしまうのが申し訳ないんですけど....

 あまり上がり過ぎても私がついていけないんで、
少し下げてもらった方がありがたいくらいです。

 質問1 については、おおよそそんな感じでいいだろうと思います。
 質問2 については、いざ聞かれると私も即答できなくて不安になりますね。
 歴史的には特に目的があって開発された手法というよりは
偶然発見された感じになってますけど、
後から落ち着いて全体を見直せば、当然にも思えます。

 変分原理でラグランジュ方程式が求まるけれども、
その変数を何にするかについては縛りがないわけですから。
 何だか、本当に良く出来てます。

 あの時代は、数学者とも物理学者とも区別のつかない天才たちが
理論をいじりたおしてますから、共通の問題意識とか
ストーリーみたいなものが見えにくくなってるように感じます。
(科学史についての勉強不足のせいかな?)

  投稿者:Atom - 2010/03/14(Sun) 01:34  No.8476 
EMANさん、ありがとうございます。

だいぶ、すっきりしてきました。が、やっぱりなかなか進みません(;_;)
『最小作用の原理』の稿で、「一般的には必ずしも最小になるわけではない」と書かれていたので、ちょっと引っかかってましたが

始点(t1,x1),終点(t2,x2)となるようなボールの経路で
(1)直接(t1,x1)から(t2,x2)へ行くパス
(2)一端後ろの壁にぶつかり、跳ね返って同じt=t2時刻にx2へ達するパス
のような複数のパスが考えられるって事に気づきました。
(1)の方は、作用が最小となり、傾きが0となるパス
(2)の方は、作用が極小となり、傾きが0となるパス

そういう事ですよね?

  投稿者:EMAN - 2010/03/16(Tue) 11:56  No.8490 
 Atomさん、

 ええ、そういうことです。

 ただ、壁にぶつかって跳ね返る経路なら
必ず極小とかいう風に決まっているわけでもないかも知れません。

 つまり問題の設定の仕方によっては極大になるところが答えだったり
ということもありそうです。

 等速運動のような単純なケースでは、そういうことはないかなぁ。
 先ほどから試し中ですけど、なかなか計算が進まなくて・・・。

 こういう単振動の場合のは今ネットで見つけました。
http://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/%7Emaeno/cgi-bin/pukiwiki/index.php?%BA%C7%BE%AE%BA%EE%CD%D1%A4%CE%B8%B6%CD%FD%A4%CF%CB%DC%C5%F6%A4%CB%A1%D8%BA%C7%BE%AE%A1%D9%A4%AB%A1%A9

  投稿者:hirota - 2010/03/16(Tue) 16:31  No.8491 
光の経路の場合は「最小時間の原理」ですが、鏡に反射する場合を考えると、
「反射点以外は直進」の範囲では最小時間だけど「反射点の手前で曲がる経路」も入れると最小にはなってないわけで、「最小点」じゃなく「停留点」ですね。

  投稿者:明男 - 2010/03/16(Tue) 18:23  No.8493 
お邪魔します。

いつも感想ばかりで主張はないのですがw。

私が習った順は、力学における仮想仕事の原理からダランベールの原理に基づき、力学的エネルギーのオイラー・ラグランジュ方程式を導き、後から位置エネルギーのみの関数、ポテンシャルを付け加える(自動的に負号となる)というものでしたね。したがって、作用というより、まさに仕事(エネルギー変化)であり、最小仕事の原理や最小エネルギーポテンシャルの原理など熱力学や弾性論にも応用されていますが、これらと最小作用の原理、フェルマーの最小時間の原理には共通の背景がある気がしますね。
勝手に想像すれば、停留点付近での安定性を考えれば、自然は安定を好む、のか、あるいは安定な世界が残ったのが今の世界(人間原理)なのかは分かりませんが(笑)。

  投稿者:Atom - 2010/03/23(Tue) 13:41  No.8565 
皆様ありがとうございます。

EMANさんに紹介された、単振動の説明ですが、なんとか理解できました。結論として『変分=0』というのは、極大でも、極小でも、停留でも良い。しかも、同じ経路であっても『断面』の取り方によって、極大にも、極小にもなる。という事なんですね。

hirota様 はじめまして。
光の経路については、直進=最小時間の原理、反射=停留点、に対応していると考えられる訳ですよね。

それ以外の経路は、
=== 近傍経路の『波』と互いに打ち消しあってしまうため存在しない ===
ということで納得しています。(『回折格子』は近傍経路が打ち消しあわないように工夫したもの)

となると、『作用』というのは、光の場合の『時間』に対応するようなものでこの『作用』に対応した『確率波』のようなものがあるかも知れない、という事になるんでしょうか?

明男様 はじめまして
自分の知らない原理名がたくさん出てきたので、ちょっと整理に時間がかかってます。すみません。
物理学の世界は、まるで謎解きゲームのようですね。