EMANの物理学 過去ログ No.8296 〜

 ● 量子力学は粒子と「何か」の二元論ではないです

  投稿者:kafuka - 2010/02/12(Fri) 03:47  No.8296 
凡人さん:
>(粒子が伴っている)物質波が邪魔をする
というのは、おかしな描像です。
コメントされたスレッドで議論している量子力学は「粒子」と「何か」の二元論ではないですから。
1粒子系でしたら、
対象粒子が(相手粒子がつくる)単なるポテンシャルVで、どういう状態になるか
を予言する理論です。
で、例えば、(あくまでも説明のための例)
Eψ(x,y,z,t)=(1/2m p^p^ + V(x,y,z) )ψ(x,y,z,t) を解いて、
(1/2m p^p^ + V)の固有関数を求めるわけです。
この時、Eというのは、数値であって、これが測定値になります。
つまり、Eは、単なる数値ですから、オブザーバブルH=(1/2m p^p^ + V)は、
どこまでも誤差を小さくできないと(幅があると)、矛盾します。
凡人さんのいう物質波が、ψ(x,y,z,t)を指すのか、ポテンシャルを指すのか
わかりませんが、オブザーバブルHがどこまでも誤差を小さくできないといけない
のは、こういう理由もあると思います。(こじつけかなぁ)

これだけを書くのならスレッドを分けることもないのですが、
僕は、ある高専の科目履修生で、よく学生と量子力学の議論します。
(学校で、普通最初に習う量子力学についてです)
それで、
「量子力学では、粒子が物質波(とか確率波)を伴っていて、
 実験に応じて、粒子と波の都合のいい方が効果を及ぼす」
と「誤解」しいる学生が、わりといます。
普通最初に習う量子力学は「粒子」と「何か」の二元論ではない という意味での誤解です。
それを強調したくてスレッドを分けました。

じゃ、何の一元論かというと、朝永博士のウェービクルという言葉を借りれば、
ウェービクル一元論ということになります。
名前をつけただけでは、意味不明と言われるでしょうが、
状態ベクトル|ψ>から、粒子も波も出てくることを示せます。
例えば、
位置xを理想測定すると、δ(x-x') つまり X軸上のある点x’で、広がり0の分布
が出てきます。
正確に言うと、
|ψ>の|x>への射影は、f(x)|x>と表せ、これを全て寄せ集めたものは、
元の|ψ>で、この「寄せ集めたもの」に対して理想測定|x'><x'|する ということです。
波(正確には、シュレーディンガ方程式の波動関数)が出てくるのを、示すのは、
上のf(x)が実はそうなのですが、これが、シュレーディンガ方程式の波動関数であることを示すと、
長くなるので、これは、僕のブログの方に書きます。

こんなことを書くと、個人的主張を押しつけるように思われるかも知れませんが、
「ウェービクル一元論の量子力学を「粒子」と「何か」の二元論」と考えることは、
先人の方々の努力を無にするもの と思うからです。
浅学の身でおこがましい限りですが、めくら蛇におじず です。

尚、ボーム理論を否定する意味ではありません。
ボーム理論は、前提が粒子と量子ポテンシャルですから、二元論と考えて正解だからです。

(出典は、あとで書き加えます)

  投稿者:T_NAKA - 2010/02/12(Fri) 11:14  No.8297  <Home>
>ボーム理論は、量子力学と別ですから

というのは言い過ぎです。

「量子力学」としていろいろな流儀・解釈があるというだけです。

kafukaさんのおっしゃる「量子力学」とは「コペンハーゲン解釈の量子力学」ということで、それが主流だからと言って、別解釈の量子力学を「量子力学と別」とするのは間違った理解でしょう。

  投稿者:kafuka - 2010/02/12(Fri) 18:36  No.8298 
T_NAKAさん:
ご指摘、ありあがとうございます。
「量子力学」と書かずに、朝永博士の言われたウェービクルの「ウェービクル一元論」書くべきでした。

朝永博士の言われたウェービクルの「ウェービクル一元論」は、次の3つ:
シュレーディンガ描像、ハイゼンベルグ描像、経路積分法
のことで、
この「ウェービクル一元論」を、粒子と波の二元論と理解するのは、解釈云々以前の「誤解」というのが
論旨です。

  投稿者:凡人 - 2010/02/20(Sat) 02:18  No.8376 
kafukaさん
>朝永博士の言われたウェービクルの「ウェービクル一元論」は、
「波動一元論」ならば耳にタコが出来るほど聞いていますが、「ウェービクル一元論」なんていう言葉は初めて聞きました。
朝永博士は、本当に「ウェービクル一元論」というものを展開されたのでしょうか?

  投稿者:kafuka - 2010/02/20(Sat) 08:37  No.8377 
凡人さん:
朝永博士の言われたのはウェービクルであって、
「ウェービクル一元論」とは、言われていません。書き方がよくなかったです。すみません。
この言葉は、朝永博士のウェービクルという言葉を借りた、僕の造語です。
「波動一元論」というと、なにか、粒子が従で、波動が主に聞こえると、
感じたので、、、

展開するもなにも、学生が量子力学を学ぶ過程で、身につけるものと思いますが。


  投稿者:凡人 - 2010/02/20(Sat) 10:04  No.8381 
kafukaさん
朝永先生は、一元論的には決して捉えられない量子を、粒子と波の二元論を統一した物質として捉えて、「ウェービクル」という概念を提唱されたと思うのですが、いかがでしょうか?

  投稿者:kafuka - 2010/02/20(Sat) 13:23  No.8387 
凡人さん:
「量子が一元論的には決して捉えられない」というのは、
朝永博士が述べられたのでしょうか?

僕のような浅学な者が、朝永博士のお考えについて、あれこれ言うのは、僭越至極なので、
朝永博士が書かれている初学者向きの著作「量子力学的世界像」の
§2「素粒子は粒子であるか」や§3「光子の裁判」をベースに議論しませんか?
これを読めば、「粒子」と「それに付随する場とか」の二元論 という考え方は、
出てこないと思いますが、、、

  投稿者:凡人 - 2010/02/20(Sat) 23:20  No.8400 
kafukaさん
>「量子が一元論的には決して捉えられない」というのは、朝永博士が述べられたのでしょうか?
私は、どなたかのように「賢明な選択」が出来るほど器用な人間ではないので論議を行わせていただきます。
朝永博士の『光子の裁判』では、光子は実験装置の状況にじて、@「Ether A or B」の状態(「被告のたどる経路」が分る場合)とA「Neithor A nor B」の状態(「被告のたどる経路」が分らない場合)の二通りの状態をとり、@の場合の光子の「ヴェクトル」は、Ψ=ΨAかΨ=ΨBであり、ΨAとΨBが干渉しないので光子は粒子的に振舞い、Aの場合はΨ=ΨA+ΨBであり、ΨAとΨBが干渉するので光子は波的に振舞い、且つ@とAの状態は排他的であるという事が述べられていると思います。
という事で、私はこの量子の@とAの状態が排他的であるという事を持って、私の意見として、
>朝永先生は、一元論的には決して捉えられない量子を、粒子と波の二元論を統一した物質として捉えて、「ウェービクル」という概念を提唱されたと思うのですが、いかがでしょうか?
と述べさせていただきました。
kafukaさんは、どの様な意味で「ウェービクル一元論」という言葉をご使用になられたのでしょうか?
「§2「素粒子は粒子であるか」や§3「光子の裁判」をベースに」してご説明頂けますと助かります。

  投稿者:kafuka - 2010/02/21(Sun) 00:46  No.8403 
凡人さん:
>粒子と波の二元論を統一した物質として捉えて、「ウェービクル」という概念を提唱された
というのは、全く同意です(物質という「言葉」には引っかかりますが)
僕もその意味で使っています。
ただ、
>一元論的には決して捉えられない量子
という主張は、非常に疑問です。
現に「波動一元論」という言葉がありますし、、、
逆にいうと、おっしゃるように考えて、ボームは「粒子と波の二元論」を作ったんじゃないかなぁ(単なる憶測です)
で、たいていの大学で教えられるのは、ボーム流じゃなくて、
波動一元論の方だと思います(これは憶測じゃなく確信です)

この記事の論旨は、学生が、波動一元論を習っているのに、それを「粒子と波の二元論」と誤解してはいけない
ということです。
最初に書いたように
>ボーム理論を否定する意味ではありません

補足>
@「Ether A or B」の状態(「被告のたどる経路」が分る場合)とA「Neithor A nor B」の状態(「被告のたどる経路」が分らない場合)の二通りの状態をとり、@の場合の光子の「ヴェクトル」は、Ψ=ΨAかΨ=ΨBであり、ΨAとΨBが干渉しないので光子は粒子的に振舞い、Aの場合はΨ=ΨA+ΨBであり、ΨAとΨBが干渉するので光子は波的に振舞い、且つ@とAの状態は排他的である

揚げ足をとるつもりはないですが、
朝永博士は、ちゃんと、Ψを使って一元論で書かれているじゃありませんか。
排他的というのは、「Ψ=ΨAかΨ=ΨB」と「Ψ=ΨA+ΨB」であり、
これは、同じ状態を意味しないです。

  投稿者:凡人 - 2010/02/21(Sun) 01:17  No.8405 
>この記事の論旨は、学生が、波動一元論を習っているのに、それを「粒子と波の二元論」と誤解してはいけないということです。
「波動一元論」といえば、通常は以下に出ている、シュレディンガーが考案しけれどもうまく行かなかった、波動関数の実在的解釈の事を指すと思いますが、宜しいでしょうか?
http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/kairo43.htm

  投稿者:kafuka - 2010/02/21(Sun) 01:23  No.8406 
え!!
そうなんですか。取り消して、「ウェービクル一元論」に訂正します。
僕は、以前見たネットのPDFにあった「波動一元論」という言葉を
「ウェービクル一元論」のつもりで使いました。
すみません。

  投稿者:凡人 - 2010/02/21(Sun) 01:39  No.8407 
kafukaさんがイメージしている「ウェービクル一元論」というのは、この論文の内容の事ですか?
http://www7.ocn.ne.jp/~miyazaw1/papers/quantum.pdf
そうだとしたら、5ページの「9 教科書」のところを良く読んでください。
それと、「プロ」ではない人間が生意気な事をいって申し訳ありませんが、特に自然科学に於ける論議というのは、常に事実や物質を意識して行わないと、実を実らせない論議に終始する事になる事は、これまで十二分に証明し尽されていると思いますので、この点についてご留意をいただけますようお願いいたします。
<<補足>>
私は、現時点では量子の可観測量の期待値等は、基本的に波動関数から求められるので、波動関数だけでプラグマチックな量子の現象論が展開出来るという事に対しては、それほどの異議はありません。
ただし、だからといって、波動関数が量子の粒子的性質と波的性質を一元的に記述出来ているとは私は考えておりません。
何故かといえば、現在の量子力学における波動関数の枠組みでは、「Ψ=ΨAかΨ=ΨB」の状態と「Ψ=ΨA+ΨB」の状態の遷移過程を数学的に記述出来ていないと思っているからです。

  投稿者:kafuka - 2010/02/22(Mon) 15:10  No.8420 
凡人さん:
>この論文の内容の事ですか?
いいえ、以下:
http://www.mns.kyutech.ac.jp/~okamoto/education/quantum/particlewave050601d.pdf
です。

>「Ψ=ΨAかΨ=ΨB」の状態と「Ψ=ΨA+ΨB」の状態の遷移の数学的記述
そんなの簡単です。
AかBかの測定をしない状態:|Ψ>=a|ΨA>+b|ΨB>
理想測定の結果は、、、
理想測定してAとなった場合、|A><A|Ψ> または、
理想測定してBとなった場合、|B><B|Ψ>
のどちらか。
上記は、|A><A|Ψ>=a|A>=|ΨA> または、|B><B|Ψ>=b|B>=|ΨB> ですから、
まとめると、
「Ψ=ΨA+ΨB」のAかBかの理想測定の結果は「Ψ=ΨAかΨ=ΨB」

注意
「理想測定」について、今のコンテキストと違う意味とか概念で、
話を始めないでね。(ここでいう「理想測定」は「新版 量子論の基礎」のp104,105の意味)
もう一つのスレッドの方でも、そこのコンテキストと違う意味とか概念で、
波束を云々したり、波動一元論を持ち出したでしょう。
波束については、僕は数学のsin、cosの和のことを言ってるわけで、
「通常は」波束といえば、p=h/λが成り立つ波束 かも知れませんが、、、
人が間違っているとか言う前に、相手が別の見方で議論している可能性を考えないのでしょうか?

  投稿者:凡人 - 2010/02/23(Tue) 00:22  No.8422 
kafukaさん、済みませんが、以下の件については少し説明が不足していました。
>「Ψ=ΨAかΨ=ΨB」の状態と「Ψ=ΨA+ΨB」の状態の遷移過程を数学的に記述出来ていないと思っているからです。
これはどういう事かといいますと、「Ψ=ΨAかΨ=ΨB」の状態は「(「被告のたどる経路」が分る場合)」(=観測装置がONの場合)に、「Ψ=ΨA+ΨB」の状態は(「被告のたどる経路」が分らない場合)(=観測装置がOFF場合)に対応しますが、観測装置をON<=>OFFした時に、時空上の何がどうなって波動関数が「Ψ=ΨAかΨ=ΨB」<=>「Ψ=ΨA+ΨB」に遷移するのかという事を、数学的に厳密に記述出来ますか?という事を申し上げたい訳です。
因みに、例えば量子が観測装置によって観測される直前に来た時に、観測装置をON<=>OFFすると遅延選択実験となりますが、この実験結果についても、時空上の何がどうなってこのようにならなければならないのか、不思議で仕方がない訳です。
この件については、実験装置の状況は少し違いますが、以下をご参考にしていただけますと助かります。
http://homepage2.nifty.com/einstein/contents/relativity/contents/relativity315.html

>波束を云々したり、波動一元論を持ち出したでしょう。
http://hpcgi2.nifty.com/eman/bbs090406/yybbs.cgi?mode=res&no=8296
のNo.8298〜No.8407を今一度お読み下さい。

>波束については、僕は数学のsin、cosの和のことを言ってるわけで、
http://hpcgi2.nifty.com/eman/bbs090406/yybbs.cgi?mode=res&no=8354
のNo.8388を今一度お読み下さい。

>人が間違っているとか言う前に、相手が別の見方で議論している可能性を考えないのでしょうか?
それでは、済みませんが、
http://hpcgi2.nifty.com/eman/bbs090406/yybbs.cgi?mode=res&no=8354
のNo.8380の、
>尚、波束の波長がΔλの幅に広がっているとして、Δλ=0は正弦波ですが、Δxは、∞です。
は、どの様な見方による論議なのか、再度お教えいただけますと助かります。

  投稿者:kafuka - 2010/02/23(Tue) 09:57  No.8423 
>今一度お読み下さい
論点は、出尽くしたと思いますので、
EMANさんが掲示板をやめようと思わないうちに、議論を収束させたいと思います
凡人さん、いかがでしょうか?

>時空上の何がどうなって波動関数が、、、
量子力学(普通学校で習う方)の範囲外と思います。
(量子力学の範囲外の議論には興味ないです。場の理論は勉強したいと思っていますが)

>観測される直前に来た時に、観測装置を、、、
この部分でアウトです。
何故かわからなければ、ご自分で考え抜いてください。こんなことを書くようでは、議論になりません

>(広がりΔxの)波束の波長がΔλの幅に広がっているとして、Δλ=0の場合(=正弦波)は、 Δxは、∞です。
光でも、音の波でも水面の波でも、波が波束になっていれば同じです。
波束は、数学のsin、cosの和で表わされるから。
何故かわからなければ、大学1年で習うフーリエ級数・変換の参考書を読んでください。

もうちょっとだけ書くと、
No.8375で、凡人さんは、
>正弦波の場合には波束が無い
これは、波束について誤解しているなぁ と思ったのです。
なので、以降延々と、波束の説明をしているわけです。
「単一の正弦波の場合には波束とは言え無い。しいて言えば、広がりΔxが∞の波束」
と書いて、初めから
「何故かわからなければ、フーリエ級数・変換の参考書を読んでください」
と書けばよかったと反省してます。