EMANの物理学 過去ログ No.8126 〜

 ● ハイゼンベルグのγ線顕微鏡

  投稿者:kafuka - 2009/12/26(Sat) 00:34  No.8126  <Home>
ハイゼンベルグのγ線顕微鏡の解像度は、
γ線のp=h/λとすると、
電子は、飛ばされる角度によって−p〜pまでの運動量が与えられますから、Δp=2|p|=2h/λ
解像度を≒Δx とすると、
ΔxΔp≒2h
と思います。
それで、ロバートソンの不等式では、ΔxΔp≧ℏ/2 で、
近接場光顕微鏡の場合、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%B0%E6%9F%BB%E5%9E%8B%E8%BF%91%E6%8E%A5%E5%A0%B4%E5%85%89%E9%A1%95%E5%BE%AE%E9%8F%A1
波長400nmくらいで、解像度が20nmです。この関係をγ線に外挿して
ΔxΔpを計算すると、h/10 くらいなので、
ロバートソンの不等式は破ってない
と思います。
しかし、仮に「γ線レイリー散乱顕微鏡」を作ったとすると、
レイリー散乱では、λ/100 でも散乱がおきるようですから、
もし、レイリー散乱されたγ線が像を結ぶ(計数管の値を計算できる)
のであれば、ロバートソンの不等式を破ることになり、
おかしいと思います。
どこに盲点があるか? また、レイリー散乱を量子論で扱った記事、文献などが
ありましたら、お教え下さい。

  投稿者:nabeyang - 2009/12/26(Sat) 00:53  No.8127  <Home>
どうもはじめまして。基本的なことの確認ですけど、レイリー散乱はコンプトン散乱の特殊な場合です。まず、コンプトン散乱のtree revel,入斜波のエネルギーが、非常に低い極限で、トムソンの公式を得ます。さらに、ある極限をとったのがレイリー散乱と呼ばれるものだと思います。だから、レイリー散乱の量子論ってのは、結局、コンプトン散乱の量子論ってことになります。

肝心の問題については、まだ考えてません。。。

<追記>
レイリー散乱って、空の色とか、比較的、散乱が起こった場所から遠くから眺めた様子を計算するときに使われていると思います。だから、電子の不確定性と、波長の間に、かなりの制限があると思います。ここのあたりは、丁寧に見ていく必要があるとおもいますね。

<追記2>
http://www.chem.s.u-tokyo.ac.jp/users/struct/basic/RamanTheory.html

によると、ラマン分光学では、よく分からないですけど、
特定の振動数をもった光を出す?散乱のことをレイリー散乱と
言うみたいですね。それより、大きい成分、小さい成分を
それぞれ(アンチ)ストークス成分と言うみたいですね。
それで、その量子論も一応書いてあり、また参考文献も紹介されているようです。

  投稿者:凡人 - 2009/12/26(Sat) 01:11  No.8128 
>もし、レイリー散乱されたγ線が像を結ぶ(計数管の値を計算できる)のであれば、
レイリー散乱でどうやって像を結べるのでしょうか?
また、「λ/100 でも散乱する」といっている「λ/100」というのは、粒子のサイズの事ではないかと思うのですが、そうだとすればγ線の波長はλのままなので、とてもλ/100の解像度の像を得る事は出来ないと思うのですが、いかがでしょうか?

  投稿者:甘泉法師 - 2009/12/26(Sat) 08:50  No.8130 
kafukaさん
おもしろい事例を紹介いただきありがとうございます。
原理をネットで調べてニコンの解説
http://www.nikon.co.jp/main/jpn/profile/about/technology/core/evanescent/index.htm
が動画入りでわかりやすかったです。

さて近接場光(波長λ)であってもそれをとらえものをみるには波長以下の空間範囲は区別できないので Δx<λ で不確定関係 ΔxΔp〜h は成り立っていると思います。
=甘泉法師=



  投稿者:kafuka - 2009/12/26(Sat) 10:44  No.8131 
凡人さん:
>「λ/100」というのは、粒子のサイズの事
ではないです。
λ≒粒子のサイズx100 のことで、この場合、単なる波では素通りですが、レイリー散乱ならおきる
ということです。
理由は、nabeyangさんにお教え頂いた、
>レイリー散乱はコンプトン散乱の特殊な場合
つまり、光が「粒」として振る舞うからだと思います。

上記は、思考実験なので、原理的に像を結べない というのなら、
それはそれで、「大きな意味」があると思います。

尚、X線やγ線の「レンズ」は、釣り鐘形の反射鏡で、底面での反射ではなく、
側面の臨界角反射を利用します。

  投稿者:nabeyang - 2009/12/26(Sat) 12:09  No.8132  <Home>
>kafukaさん

>理由は、nabeyangさんにお教え頂いた、
>>レイリー散乱はコンプトン散乱の特殊な場合
>つまり、光が「粒」として振る舞うからだと思います。

とりあえず、ぼくが言ったレイリー散乱は、古典的な式について
言っていたので、光を波として扱っても、photonと電子の場を
量子化して考えた場合も同じ結果になります。

ただ、お話に出てきているレイリー散乱ってのと、どのような関係が
あるのか分からないですね。混乱のもとになるかと思い、それほど
理解が進んでませんが、書き込みました。

  投稿者:kafuka - 2009/12/26(Sat) 12:57  No.8133 
nabeyangさん:

>レイリー散乱はコンプトン散乱の特殊な場合です。
そうなんですか。ありがとうございます。

丁度、コンプトン散乱は授業でやり、γ線顕微鏡もそれで説明がありました。
http://blogs.yahoo.co.jp/kafukanoochan/62662793.html
このコンプトン散乱での、γ線顕微鏡での説明では、
1個の光子が入って、その1個が跳ね飛ばされる」というのがミソだと思います。
つまり、「レイリー散乱の場合、入射は1個でも、出てくるのは、多数で四方八方」と思います。
したがって、
電子が得たのX軸方向の運動量をPxとすると、x軸方向の運動量保存則より、
    h/λ=hν/c=Px+∫[0,2π] h/c ν’(θ)f(θ+π/2)sinθdθ
ですが、僕では、f(θ)は、散乱振幅かな? てくらいしかわかりません。
出てくる光子が多数の場合は、手に負えませんので、
上下2個だけと近似すると、(Y軸方向には、運動量の増減はないので)
    h/λ=hν/c=Px+2h/c ν’sinθ’
hν’=hν/2 であるすると、θ’と上のθの関係は、
sinθ=sinθ’

これだけでは、はっきりわかりませんが、
出てくる光子が多数の場合も、散乱角度は、1個の場合のθに集中する
みたいです。

  投稿者:nabeyang - 2009/12/26(Sat) 21:24  No.8135  <Home>
kafukaさん、

ごめんなさい。まだよく分かっていないのですが、光にぶつける標的の運動状態で散乱の名称が異なるようです。とりあえず、現在の理解では

コンプトン散乱: 自由な電子(力を受けていない電子)
レイリー散乱: 電気分極した分子(強制振動された電子)

ということにぼくの中ではなっています。

とりあえず、ぼくはまだできてないのですが、コンプトン散乱の解析ができるならば、電子にかかっている力の効果を入れて、解析しなおせば、正しい答えが出せるのではないかと思います。(でも、こうなると、レイリー散乱は、古典的な意味でも、電子の位置は広がりを持ちますよね。)

  投稿者:hirota - 2009/12/26(Sat) 23:56  No.8136 
レイリー散乱は粒子の集団での散乱だから、顕微鏡にはならないでしょう。
密度ムラの観測はできるけど。

  投稿者:kafuka - 2009/12/28(Mon) 18:52  No.8143 
nabeyangさん:
>リレイー散乱: 電気分極した分子(強制振動された電子)
ということでしたら、
自由電子自体では、電子をとどめておくポテンシャルがないので、
リレイー散乱は、おきようがありませんね。

ひょっとして、リレイー散乱は、電気分極した分子の周りに近接場が出来て、
そこから、光子が四方八方に飛び出す
のでしょうか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%B0%E6%9F%BB%E5%9E%8B%E8%BF%91%E6%8E%A5%E5%A0%B4%E5%85%89%E9%A1%95%E5%BE%AE%E9%8F%A1
を読むと、
>光の中の波長より小さな物体には、光電場により原子の電気双極子が誘起されるが、
>この電気双極子が作る振動電界のうち、この小物体の直径程度のごく近くにある電磁界は周囲へはほとんど伝播せず減衰する。
>この発生した電磁界が近接場である
とあるので、関係があるように思えます。

  投稿者:kafuka - 2009/12/28(Mon) 19:09  No.8144 
Hirotaさん:

自由電子自体では、電子をとどめておくポテンシャルがないので、
リレイー散乱は、おきようがない
ということで納得していますが、

>レイリー散乱は粒子の集団での散乱だから、顕微鏡にはならないでしょう
ですが、レイリー散乱を利用した「限外顕微鏡」というのがあるので、
そんなことはないと思います。
もちろん、限外顕微鏡の対象は、小さいとは言え古典的な粒子で、光子が多数ぶつかっても、
「ビクともしないモノ」が前提ですから、
相手が自由電子では、問題外です。

  投稿者:hirota - 2009/12/28(Mon) 20:23  No.8145 
http://www.nikkiso.co.jp/products/particle/technical/faq/property.html
を見ると限外顕微鏡はミー散乱の範囲になってます。

  投稿者:kafuka - 2009/12/28(Mon) 21:02  No.8146 
Hirotaさん:

ミー散乱は、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%83%BC%E6%95%A3%E4%B9%B1
を見ると、
πD/λ≒1 くらいです。
で、
http://www.keirinkan.com/kori/kori_chemistry/kori_chemistry_2/contents/ch-2/1-bu/1-4-3.htm
を見ますと、
>限外顕微鏡 
>普通の顕微鏡の解像力は0.2μmが限界であるが,限外顕微鏡では4nmの大きさの粒子の存在を認めることができる
とあります。
可視光の波長は、だいたい500nm くらいですから、
4nmというのであれば、
πD/λ<<1
のレイリー散乱 に近いと思います。

  投稿者:hirota - 2009/12/28(Mon) 22:46  No.8147 
ウィキペディアのレイリー散乱係数の式を見ると「粒子数」が入っています。
つまり多数粒子による散乱を合成した効果です。(1 つの粒子で微小に進路を変えられた光が次の粒子でさらに曲げられる…微小効果の累積)
限外顕微鏡では 1 個の粒子を観測しますから、多数粒子が前提の式を使う意味はありません。
(1 個の粒子による大角度散乱を計算する必要があり、ミー散乱の厳密解が使える)

  投稿者:nabeyang - 2009/12/28(Mon) 23:20  No.8148  <Home>
とりあえず、レイリー散乱は、ミー散乱で使う式の極限を取ったもののようです(レイリー散乱は、小さな粒子と電磁場の散乱と呼ぶのが慣例としても、ミーの理論は、任意の球状荷電粒子の散乱を扱うようです。デバイは、棒状粒子の散乱について研究したようですね)。

だから、一般的な解析にはレイリー散乱は使えないのは、明らかです。

一般的な名称の使い方が分からないのですが、ぼくが使っているレイリー散乱の意味は、衝突させるターゲットが荷電振動子になっている場合で、さらに
今まで言われているような近似を使って得られるものです。

この意味では、今考えているシステムのラグランジアンを量子化して(散乱問題なのでpathintegralの方が計算は楽かもしれません。古典論との比較はリーディングだけで十分でしょう。)散乱断面積を評価することはできると思います。はじめの質問は、これを評価したいということだと、ぼくは解釈しましたが、kafukaさんの意図はどうだったのでしょうか?(もし、そうでなく、顕微鏡の分解能とか、観測精度の量子論的制限などについての質問であれば、ぼくには難しすぎる問題になります。)

  投稿者:kafuka - 2010/01/01(Fri) 23:48  No.8158 
Hirotaさん、nabeyangさん:

>1 個の粒子による大角度散乱を計算する必要があり、ミー散乱の厳密解が使える
>レイリー散乱は、ミー散乱で使う式の極限を取ったもの
で、レイリー散乱については、顕微鏡にならないことで、納得しました。

ただ、近接場光顕微鏡を Googleって見ると、

繰り込まれた近接場光相互作用があたかも孤立した二つのナノ寸法物質の間に働くとみなす。
この局在した光子はナノ寸法物質中の励起と融合した. ドレスト光子であり,有効質量をもつ。

とあり、面白いと思いました。
もちろん、
1.甘泉法師さんの言われるように、1波長程度に近づけないといけない
  この時点で、ΔxΔp〜h が成り立つ
2.上記の「ナノ寸法物質」は、電子に比べて非常に重い。だから「見える」
  そもそも、単一の電子では、ドレスト光子が生じるわけがない。
したがって、近接場光顕微鏡で「ハイゼンベルグのγ線顕微鏡」の議論は
できないようです。