EMANの物理学 過去ログ No.7968 〜

 ● 円形コイルの場合は超伝導で電流は流れ続けるのですか?

  投稿者:TORON - 2009/11/28(Sat) 10:22  No.7968 
はじめまして。
最近趣味で物理学を勉強し始めました。

超伝導で判らないのことがあります。
円形コイルの場合、抵抗がゼロでも電荷の加速度運動による電磁波の放射によって電流は減衰すると思われます。

ある科学雑誌にモノポールの検出方法が記載されていました。
「超伝導体でできた円形コイルをモノポールが通過したときの起電力で電流が永遠に流れ続ける」とありましたので疑問に感じました。

ご教示いただければと思います。

  投稿者:ASA - 2009/11/28(Sat) 10:46  No.7969 
 古典電磁気学では、電流の変化により電磁波が発生し、この電磁波がエネルギーを遠方に運ぶことが示せます。
 電流変化の一例として、単一荷電粒子が速度変化したケースでも電磁波が発生することが説明されます。
 超伝導の円形コイルの場合は、単一荷電粒子による電磁波の重ね合わせを計算すると無限遠方に運び去られるエネルギーは、うまくキャンセルされて0になるので電流は減らないことが示せます(定常電流では電磁波は発生しないという一般的結果と矛盾しない)。

 実際では、周辺空間に様々な物があるのでこれの影響により電流が変化することもありえます。だから、モノポール検出装置を作るのは難しいと思われます。

  投稿者:甘泉法師 - 2009/11/28(Sat) 12:15  No.7970 
こんにちは。面白い話題ですね。

 かなり昔の情報ですが日本物理学会誌 モノポール検出実験 折戸周治 1984 http://ci.nii.ac.jp/naid/110002075399/
を検索で見つけざっと目を通しました。記事の第2図のCabreraの実験をみると最初電流を0にしておくようです。モノポールが通過すれば図のように不連続的に電流が生じます。 生じた電流は長期的には減衰するかもしれませんが、それは検出後の余談です。そういう先入観でみると図の電流は右肩下がりのようにも見えるような...?

=甘泉法師=

  投稿者:TORON - 2009/11/28(Sat) 12:50  No.7971 
ASAさん
回答ありがとうございます。

下記の点を調べてみます ↓

単一荷電粒子による電磁波の重ね合わせを計算すると無限遠方に運び去られるエネルギーは、うまくキャンセルされて0になるので電流は減らないことが示せます(定常電流では電磁波は発生しないという一般的結果と矛盾しない)

ただ疑問点が残ります。
ラザフォードの原子模型との対比です。

点電荷が加速度運動している場合は電磁波が放射されてエネルギーを失います。古典電磁気学でラザフォードの原子模型が安定に存在できないのは、電子が円運動をするため、電磁波を放射してエネルギーを失い、原子核に落ち込むからだと理解しています。
だとすれば超伝導の円形コイルも同じ様に荷電粒子がエネルギーを失い停止するのだと考えます。

円形コイルと原子模型の差異は下記のとおりだと思います。
しかし本質的な差はないと思います。

(1)荷電粒子数
   数個の電子とアボガドロ数?以上の荷電粒子
(2)考察対象がミクロとマクロ
   原子に比べ円形コイルでは曲率半径が大きい(加速度が小さい?) 
   でもLHCは半径数キロあってもシンクロトロン放射するし・・・。
(3)荷電粒子の運動する空間
   (原子は真空中で円形コイルには原子が稠密)

(3)では原子間の相互作用の影響があるかもしれませんが、本質的なものではないと思います。


  投稿者:大学生A - 2009/11/28(Sat) 14:06  No.7976 
横レス、失礼します。

陽イオンに束縛されている電子が一個なら、円運動でエネルギーを失うって
ことで、二個以上で対称性がある(つまり、円運動する束縛電子の速度と
加速度ベクトルの総和が0の)場合は、無限遠方に運び去られる電磁エネル
ギーが、うまくキャンセルされて0になるのでは?

当て推量ですが。w

  投稿者:ASA - 2009/11/28(Sat) 19:44  No.7980 
大学生Aさん

雑な説明をすると
ttp://homepage2.nifty.com/eman/electromag/retarded.html
遅延ポテンシャルの計算をすれば良いわけです。

今の場合
φ=0
A~=s'~*(その他);s;電荷の位置
E~=-∂tA~=s''~*(その他)+s'~*(その他)'
となって
一般には、s''と加速度が効きます。
 円軌道の場合は
 s~:(lcos(ωt),lsin(ωt),0 )
円周上に均等分布するので
 s~i:(lcos(ωt+i),lsin(ωt+i),0 );i(0〜2π)
なので
 A~の計算時に、iで積分すると、三角関数の対象性からs'と(その他)で時間依存性がなくなります((その他)部分の計算では、遠方条件で展開することで(r~・s~)の冪を得る)。
 従って、E~=0となり、時間変動しません。

 むろんEi~を求めてから積分計算しても、同じ結果を与えます。

  投稿者:TORON - 2009/11/29(Sun) 12:07  No.7987 
ASAさん

ありがとうございます。
遅延ポテンシャルで計算すればよいのですね。
勉強いたします。

ただ式でわからないところがあります。
たとえばA~の〜です。
調べると微分記号とか統計値のメジアンをあらわすそうです。

わかる範囲内で式を解釈いたしました。
わかりにくいと思いますがご教示いただけたらと思います。

φ=0←静電ポテンシャルφがゼロ

A~=s'~*(その他);s;電荷の位置←ベクトルポテンシャルAは電荷の位置の時間微分×その他

E~=-∂tA~=s''~*(その他)+s'~*(その他)'←電場はAの時間偏微分
右側の式は関数の積の微分公式より展開

となって
一般には、s''と加速度が効きます。←2つとも同じものではないでしょうか?

円軌道の場合は
 s~:(lcos(ωt),lsin(ωt),0 )←半径l、角速度ωの原点を中心とするXY平面上の円軌道 

円周上に均等分布するので
 s~i:(lcos(ωt+i),lsin(ωt+i),0 );i(0〜2π)←円周上に電荷が隙間なく存在

以下は勉強中です。
--------------------------------------------------------------------

A~の計算時に、iで積分すると、三角関数の対象性からs'と(その他)で時間依存性がなくなります((その他)部分の計算では、遠方条件で展開することで(r~・s~)の冪を得る)。
 従って、E~=0となり、時間変動しません。

 むろんEi~を求めてから積分計算しても、同じ結果を与えます。

  投稿者:ASA - 2009/11/29(Sun) 13:32  No.7988 
A~は、ベクトルを示す表記として使ってます。
あと、(その他)はf(r,s)で、大雑把(v<<c)に1/|r-s|に比例してます。
従って(その他)'は大雑把(s<<r)にs'*(1/r^2)に比例します。
十分遠方でエネルギー放出に関係するのは、1/rに比例する項です。
従って残るのは、s''*(その他)であって、加速度が効く事になってます。

  投稿者:大学生A - 2009/11/29(Sun) 14:38  No.7989 
ASAさん

返信、ありがとうございます。

なるほど、遅延ポテンシャルで計算すれば解りやすいですね。
TORONさんと同じ悩みかわかりませんが、実は、私も似たケースで悩んだ
ことがあります。
それは例えば、ある点の電場の総和を計算してからポインティング・ベクトル
を求めた場合、その合成電場が0のために、ポインティング・ベクトルも
0になるが、電磁場の発生源(例えば、点電荷)ごとにポインティング・ベクトル
を求めて和をとると0にならず、あたかも、エネルギーの流れが存在するか
のような計算結果が得られることです。
このときは、ポインティング・ベクトルという物理量は、系全体で考えた
場合のみ意味を持つと勝手に解釈しました。w

  投稿者:hirota - 2009/12/01(Tue) 10:05  No.7995 
今気が付いたけど、ラザフォードの原子模型が安定でないのは「古典電磁気学」のせいじゃなく、電子を点としたからなんですね。
電子が軌道上に均等に広がってれば、古典電磁気学でも電磁放射はない。

  投稿者:ASA - 2009/12/01(Tue) 11:08  No.7996 
 ケルビン卿のリング型電子モデルですね。
このモデルでは、自由な状態でコンプトン波長程度、束縛された状態ではボーア半径の大きさになり、半径が伸び縮みすることになりますな。
 束縛状態での半径の大きさは、線スペクトルによる量子条件で離散化されますけど。
 かなりイメージしやすいモデルですね。

  投稿者:TORON - 2009/12/27(Sun) 15:42  No.8137 
お久しぶりです。
計算してみました。
え〜とXY平面上で原点を中心とする半径lの円周上を角速度ωで回転している点電荷から放射される単位時間あたりの放射エネルギーPを求めてみます。

s~(t)=ex~lcos(ωt)+ey~lsin(ωt)

加速度はdv~(t)/dt=d2s~(t)/dt2=-lω^2(ex~cos(ωt)+ey~sin(ωt))---(1)

したがって(dv~(t)/dt)^2=l^2ω^4(cos(ωt)^2+sin(ωt)^2)=l^2ω^4

これよりP=e^2(dv~(t)/dt)^2/(6πε0C^3)=e^2l^2ω^4/(6πε0C^3)

(1)で円周上に均一に電荷があるとすると
∫[0,2π](-lω^2(ex~cos(ωt+θ)+ey~sin(ωt+θ)))dθ=0

したがってP=0になります。
お〜放射エネルギーがゼロになる。

しかし物理的意味がわかりません。
それぞれの電荷は電磁波を放出しているのですが、現象的には電磁波が干渉しあってゼロになるということでしょうか?

  投稿者:hirota - 2009/12/27(Sun) 18:30  No.8138 
干渉してゼロになる所は、エネルギーが来てから無くなるのではなく、始めからエネルギーが来ません。
波動関数なら確率波が来て確率ゼロになったから光子は来なかったと見るんでしょうが、電磁波の場合は確率波と光子の意味が混ざってますから、来たと見るのか来てないと見るのか、解釈は趣味の問題でしょう。

  投稿者:TORON - 2009/12/27(Sun) 21:35  No.8139 
hirotaさん
どうもです。
干渉してゼロになる所は、エネルギーが来てから無くなるのではなく、始めからエネルギーが来ませんということについて教えてください。
ファインマンの「光と物質の不思議な理論」に記載されていたのですが、光は反射や屈折でフェルマーの原理つまり最短時間の光路を選び他の光路はキャンセルされてしまいます。この場合も入射光のエネルギーと反射あるいは屈折後のエネルギーは同じになるのでしょうか、それともキャンセル分のエネルギーが消費されるのでしょうか?

  投稿者:甘泉法師 - 2009/12/27(Sun) 23:17  No.8140 
こんばんは。 全放射を

TORONさん - 2009/12/27(Sun) 15:42 No.8137
>∫[0,2π](-lω^2(ex~cos(ωt+θ)+ey~sin(ωt+θ)))dθ

とdv/dt の積分で計算されていますが、

> これよりP=e^2(dv~(t)/dt)^2/(6πε0C^3)=e^2l^2ω^4/(6πε0C^3)

こちらを円周を回る電子の数だけ足したものがふさわしいのではないでしょうか。リングをまわる各電子からの放射は接線方向のビームで、相互の干渉はしにくいように見えます。

=甘泉法師=

  投稿者:hirota - 2009/12/27(Sun) 23:40  No.8141 
エネルギーが来てから無くなるのでは保存則に矛盾してしまいます。
他の粒子と同様に、波動関数で確率ゼロにならない所にだけ光子が来ます。
光子が来なければエネルギーも来ません。

  投稿者:TORON - 2009/12/28(Mon) 01:35  No.8142 
反射や屈折の場合はエネルギーが来てからなくなるのではなく媒質内で熱に変換されると思いますが・・・・。
入射光により高エネルギー状態に励起した電子が基底状態に戻るとき、2次光を放出すると同時に格子振動に変換されるためです。やがて反射や屈折に関係しない入射光は減衰してしまいます。