EMANの物理学 過去ログ No.7944 〜

 ● 水流についての物理化学

  投稿者:KOOK - 2009/11/27(Fri) 12:31  No.7944 
すみません、いきなりですが物理化学の問題で分からないのがあるので教えて下さい。

「問題」1000MWの電力を得ることが出来る発電機は500℃の高温で稼働する。冷却は10℃の川の水で行う。水温を+5℃以上上昇させないようにする為、発電機を稼働させるのに必要最少の水流を計算せよ。
1W=1J・s^(-1)、水の熱容量=4.18J・℃^(-1)・g^(-1)

良く分かりません・・・
解答、解説宜しくお願い致します。

  投稿者:hirota - 2009/11/27(Fri) 12:52  No.7947 
発熱量が分からないと解けません。
1000MWが全部熱になってしまうなんてバカな発電機があるはずもないし、条件不足ですね。

  投稿者:EMAN - 2009/11/27(Fri) 12:52  No.7948 
 熱効率が理論上の上限だったとして、
高熱源 500℃ 、低熱源 10℃の場合の効率は、
1 - (273+10)/(273+500) = 0.63 くらい?

 これ使っていいのかな。

1587 MW の63%が1000 MW になるから、
残りの 587 MW の熱が川へ流されているってことかな。

  投稿者:hirota - 2009/11/27(Fri) 12:57  No.7949 
500℃で作動する高温溶融塩燃料電池だったりして。(化学だからなー)

  投稿者:せいたかのっぽ - 2009/11/28(Sat) 08:49  No.7965 
「問題」1000MWの電力を得ることが出来る発電機は500℃の高温で稼働する。冷却は10℃の川の水で行う。水温を+5℃以上上昇させないようにする為、発電機を稼働させるのに必要最少の水流を計算せよ。
1W=1J・s^(-1)、水の熱容量=4.18J・℃^(-1)・g^(-1)


おはようございます! せいたかのっぽです。

高熱源 T1=500℃ から熱量 q1 を得て、
低熱源 T2=10℃ へ熱量 q2 を捨てた時に、
電力 W=1000MW が得られたということですので、

(q1−q2)/q1 = (T1−T2)/T1

から、

1000 / q1 = 490 / 773
q1 = (773/490)×1000
∴q2 = q1 − 1000 = (283/490)×1000
=578 MW
の熱量が捨てられたということになりますね。

この廃熱が、比熱 C=4.18 の水温を10℃から15℃へ ΔT=5℃ 上げるので、

q2 = C・M・ΔT より、

M = (578×10^6) / 4.18 / 5
=2.76 × 10^7 g/s

上記は、最大効率で求めました。
よって、実際は低熱源への廃熱 q2 は、これよりも大きいということですから、
これが、必要最小の水流の答えということになります。

<以下補足>-------------------------------------------------------------------

この問題は、EMANさんの熱力学のカルノーサイクルの記事の一番下に紹介されている、
火力発電所の熱効率の、具体的な例題 に相当するものと思います。
この問題では、500℃でタービンを回して、熱エネルギーの 490/773 = 63% の効率で、
電気エネルギーを得るのが理論上限という例と思います。

ちなみに、1000MW = 100万キロワットは、
現在の国内にある最大の火力発電所が90万キロワットと言われているので、
ちょうどその規模ですね。
冷却水流 2.76 × 10^7 g/s = 27.6 m3/s ですから、
半径3m の太さの配管で、約1 m/s の速さ以上で冷却水を流すような
設計にする必要があるということです。実際はどれぐらいの太さの配管なんでしょうね。

普通は火力発電所は海岸に多いと思います。
温かくなった排水で魚が影響を受けないように、排水口をできるだけ深いところにして、
温度ができるだけ上がらないような対策も取られているようです。

効率を上げるには、500℃をもっと上げれば良く、〜700℃ぐらいまでの実用耐熱材料としては、
Ni基超合金とかあります。超合金とかスーパーアロイとか言われる分野で、タービンの羽根に
使われる材料です。
工学ではこれだけでも広い専門分野と思いますけれど、
小さいサイコロみたいな金属結晶組織がきれいな材料なんですよ。

具体的な例題を解く経験を積むことで、無表情な公式が身近な話として広がって面白いし、
深く理解できるんだと思います。

と、学生時代、たいして問題を解いてこなかったのに、偉そうに書いてみました。(^-^;

  投稿者:KOOK - 2009/11/28(Sat) 12:56  No.7972 
>hirota様
有難うございました。初めに問題を見たとき、自分もこの問題は条件不足ではないだろうかと考えました。この発電機の熱効率についての情報が無かったからです。

>EMAN様
EMAN様の発言のお陰で、カルノーサイクルの観念を用いて、この問題を解けばいいのだと気付かされました。本当に有難うございました。恥ずかしながら今頃気づいたのですが、EMAN様のサイトにも掲載されている「クラウジウスの不等式」を用いて解けるんですね。

>せいたかのっぽ様
今朝、せいたかのっぽ様の解答を見て、涙が出ました。
解答解説も丁寧かつ完璧で、補足も具体的な例と共に、アドバイスまで頂いて本当に感謝しています。
勉強にやる気が出てきました!
ちなみにギブズエネルギーの式を用いても解けるのでしょうか。
<tex> \Delta G= \Delta H-T \Delta S</tex>
定温、定圧と考えて、ΔH=0
ギブズエネルギーの式に与えられた値を代入していくと・・・
<tex>-10 ^{6} kJ=-773K \left(- \frac{Q _{} }{773K} + \frac{Q _{} }{283K} \right) </tex>
ここでQは移動する熱量としている。
最終的に2.7641*10^4[kg/s]と・・・微妙に値がずれてしまいます。



  投稿者:せいたかのっぽ - 2009/11/28(Sat) 22:33  No.7983 
KOOKさんへ

ギブズエネルギーの式から解くのは難しいと思います。

ΔG=ΔH−TΔS
というのは、定温過程の式ですから、
少なくとも今回の問題に使うのは正しくないと思います。
今回500℃から10℃になったので、定温ではないですし、
途中の変化が定圧変化とも言えないので。

ΔG=ΔH−Δ(TS)
で、
ΔG−ΔU−Δ(PV)=−Δ(TS)=−(q1−q2)=−10^6 kJ/s
とまでは言えるでしょうけれど、
Uやら、Pやら、Vやら、
途中の系の変化(蒸気がタービンを回して、温度が下がって水滴になって)
までの変化は、今回の問題ではブラックボックスですから、
こっから求めるのはできないんじゃやないかなー。

原理的には同じことのはずですが、今回の問題では、
入った熱と出た熱と発電エネルギーの
全体の収支しか分からないので、その系の変化の経過を追って
答えを出すには、それこそ、情報が足らないということと思います。