EMANの物理学 過去ログ No.7855 〜

 ● ハミルトン・ヤコビの偏微分方程式2に関して質問させて下さい

  投稿者:emoto - 2009/11/05(Thu) 03:25  No.7855 
こんにちは、emotoというものです。
こちらのページで解析力学を勉強させて頂いていて、分からない所があったので質問させてください。
ハミルトン・ヤコビの偏微分方程式2の時間を含まない方程式に関する説明のところで、「(2) 式の の変数として <tex> \frac{ \partial W}{ \partial q} </tex>というものがあるが、そこに (3) 式を代入して計算すると<tex> \frac{ \partial S}{ \partial q} </tex>となるから」とあるのですが、ここが良く分かりません。
<tex> \frac{ \partial E}{ \partial q} </tex>
がどのようにして消えるのかが良く分からないです。
E=Hなので、Eをtで微分したものが0になるのは分かるのですが、qだけを動かした場合に一般に0になるのかなと疑問を思っています。
おそらく僕の変な思い込みで迷っているだけで、当たり前のことなのだと思うのですが、どうも1人では解決できなかったので、教えて頂けると大変ありがたいです。よろしくお願いします。

  投稿者:T_NAKA - 2009/11/05(Thu) 05:23  No.7856  <Home>
(2)式の直前の行に「 H の変数である p やq は時間に依存して変化したとしても、H 全体の値は変化しないで一定の値 E になることを意味している」と書いてありますよね。つまり、「 E は定数 」なので、微分してもゼロです。
多分、「 E は時間では変化しないが、変数 p や q に依存する」と思っていらっしゃるのでしょう。
でもそんなことは書かれていないようですよ。「一定の値 E になる」と書かれているだけです。(これは q には依存しないということです。)

H = E(定数) として(1)式を書き直すと、

∂W(q,t)/∂t = -E

なので、これを積分すれば、

W(q,t) = -Et + (tに依存しない関数あるいは定数)

ですが、 ( ) のところを S(q) としたのでしょう。そうすれば ∂W/∂q = ∂S/∂q となります。

  投稿者:emoto - 2009/11/05(Thu) 13:16  No.7857 
返信ありがとうございます。まだピンとこないところがあるので、もう少し質問をさせてください。

Hが運動の間、ずっと変化しないので、その定数をEと置くということは理解できました。(僕はHとEの区別を付けていなかったので、これだけでも大分進歩した気持ちです)

一方で、(2)式の両辺をqや<tex> \frac{ \partial W}{ \partial q} </tex>で偏微分すると、左辺は一般には0ではありませんが、Eを定数だとすると、右辺は0になってしまい、両辺で値が異なってしまいますが、ここのところをどのように考えれば良いかがよく分からないです。<tex> \frac{ \partial E}{ \partial t} </tex>=0、<tex> \frac{dE}{dt} </tex>=0となるのは分かるのですが。

単純な勘違いであれば申し訳ないのですが、ご教授頂けると幸いです。


  投稿者:T_NAKA - 2009/11/05(Thu) 15:51  No.7858  <Home>
(2)式は拘束条件ですよね。だから自由度が一つ少なくなるということですね。
これを、q や ∂W/∂q で偏微分することに何か意味があるのでしょうか?
q と ∂W/∂q を組み合わせた式が定数になるということで、q と ∂W/∂q との間に関係があるということだと思います。
だから(2)式の左辺を q や ∂W/∂q で偏微分してはおかしいと思います。

例えば、 x+y = c (c:定数)というと直線を表す式で、これは x-y 2次元平面の点を1次元の直線上の点に拘束するものですよね。
この両辺を x で偏微分すると、∂(x+y)/∂x = 1 、∂c/∂x = 0 で、 1 = 0 という変なことになりますよ。

  投稿者:hirota - 2009/11/05(Thu) 17:28  No.7861 
等式と言うものは「値が等しい」を意味するが、偏微分は関数形に依存する。
例えば、F(t,q)=H(q,p(t,q)) なら両辺の値は等しいが q による偏微分は
∂F/∂q=∂H/∂q+(∂H/∂p)(∂p/∂q)
となって ∂F/∂q と ∂H/∂q は異なる。
片方が関数で他方が定数の場合もその一例。

  投稿者:emoto - 2009/11/07(Sat) 02:07  No.7865 
T-NAKAさん hirotaさん
丁寧に教えて頂きありがとうございます!
おかげで理解できました。

周りにあまり勉強の相談をできる人がいないのですが、
このような場で教えて頂けるというのは本当に有り難いことですね。

とんちんかんな質問に付き合って頂いてありがとうございました。

  投稿者:TOSHI - 2009/11/07(Sat) 07:59  No.7866 
 こんにちは,TOSHIと申します。

 T_NAKAさんのコメントへの蛇足(ゴミ)です。

>この両辺を x で偏微分すると、∂(x+y)/∂x = 1 、∂c/∂x = 0 で、 1 = 0 という変なことになりますよ。


 ∂(x+y)/∂x = 1 の方はyを固定して微分したので1です。

 ∂c/∂x = 0の方は恐らく何を固定とも考えずにやっているでしょう。なんせただの定数ですから。。

 もしyを固定したらc−yもただの定数なので移項してx=c−yの両辺は共に定数だから,まあ何で微分しても0=0です。。←本当にヘビの足だな。こりゃ。。                

                          TOSHI

  投稿者:ASA - 2009/11/10(Tue) 07:30  No.7874 
ちょっと気になったのでコメントしておきます。

T_NAKAさん No.7858には、誤解を生む表現があります。
>この両辺を x で偏微分すると、∂(x+y)/∂x = 1 、∂c/∂x = 0 で、 1 = 0 という変なことになりますよ。
hirotaさんNo.7861 が、適切なコメントしていますが、
より物理的に噛み砕いてみます。

 解析力学で使う変数は、座標qと運動量pがベースです。
 一般的な運動を記述には、上記2変数のパラメータとしての時間tが入ります。つまりq(t)、p(t)です。
2変数による位相空間上のトラジェクトリとして、H(q,p)=E;constとなっているわけです(有名なのは、調和振子。p^2+q^2=Const)。
もし、軌道の制約条件が、x+y = c (c:定数)というと直線を表す式で有った場合、yのx での偏微分は∂y/∂x ですが、時間が入り独立でないので物理的には0としてはいけません。
 つまり1+∂y/∂x=0となって、微小増分を凾ニすると凉(t)=-凅(t)という各座標の時間変化の式が得られます。
(時間微分に翻訳すると、Vy(t)=-Vx(t)、”常にx方向の速度は、y方向の速度と大きさは同じで逆向き"と物理的な意味を持たせることができます。hirotaさんのように∂(x+y)/∂x= (∂(x+y)/∂t)(∂t/∂x)の計算結果)。
 これから、TOSHIさんの蛇足なります(No.7866 オリジナルでは判りにくい)。
凉(t)=y(t+dt)-y(t)ですから、物理的に意味の無いdt→0の極限で、0=0となり数式的に変なことにはなってません。

  投稿者:hirota - 2009/11/10(Tue) 12:16  No.7875 
偏微分が分かりにくいときは全微分。
ふたたび F( t, q )=H( q, p( t, q ) ) で説明すると、この式が一点だけじゃなく変数が変化しても成り立つなら、全微分しても成り立つ。
dF=dH
dF=(∂F/∂t) dt+(∂F/∂q) dq
dp=(∂p/∂t) dt+(∂p/∂q) dq
dH=(∂H/∂q) dq+(∂H/∂p) dp
=(∂H/∂q) dq+(∂H/∂p)( (∂p/∂t) dt+(∂p/∂q) dq )
=(∂H/∂p)(∂p/∂t) dt+( (∂H/∂q)+(∂H/∂p)(∂p/∂q) ) dq
=dF=(∂F/∂t) dt+(∂F/∂q) dq
dt と dq が独立なら、
∴ (∂F/∂q) dq=( (∂H/∂q)+(∂H/∂p)(∂p/∂q) ) dq
この全微分の展開形は関数表現に依存し、両辺の各項が独立なら項ごとに等しくなるが、独立でなければ各項の係数 (偏微分) が等しくなるとは限らない。(特に片方が定数の場合は独立であるはずはない)
あんまり色んな方向から説明すると、かえって混乱するかなー?