EMANの物理学 過去ログ No.7831 〜

 ● 運動の決定について

  投稿者:化学魔 - 2009/10/29(Thu) 20:37  No.7831  <Home>
はじめまして。大学の理学部二回生の化学魔といいます。といっても化学科に行きたいのではなく、高校時代に化学にどっぷり浸かっただけなのですが。


さて、恥ずかしながらどうしても分からないことがあるのです。運動の決定についてです。
「位置と運動量が決定されれば運動は決まる」というstatementがありますよね。でも僕にとっては「位置さえきまれば運動は決まる」と思うんですよ。

もちろん粒子を追跡していく上で、ある瞬間「この位置にいる」だけでは「次にどこに行く」が分からないので、その場合は運動は決まっていない状態だということは分かります。
ですが「位置が未来永劫分かっている」という条件なら、つまり位置ベクトルx(t)が∀tに対して分かっているなら、それを微分してやることで運動量は求まりますよね。

ということは、たとえば解析力学なんかで座標qと運動量pを持ち出して「この二つを決めよう」なんてやる理由がよく分からないんですよ。
いや、正準共役ってことは分かるのですが。。。

最初に挙げた「位置と運動量が決定されれば運動は決まる」の解釈が誤っているのでしょうか?
くだらない質問ですが、よろしくお願いします。


サイトは、最近更新をサボっている私のサイトです 汗

  投稿者:EMAN - 2009/10/29(Thu) 20:56  No.7833 
> 最初に挙げた「位置と運動量が決定されれば運動は決まる」の解釈が誤っているのでしょうか?

 これは、「初期条件として」「位置と運動量が決定されれば運動は決まる」という意味だと思いますよ。
 だって、おっしゃるように「位置が未来永劫分かっている」なら運動量もすでに分かっている状態ですし、それはまさに、「運動が決まった」状態でしょう。

 もう一度言いますね。
 「初期条件として」「位置と運動量が決定されれば」「位置が未来永劫分かっている」状態になる、ということではないかなぁ。

 解析力学なんかで座標qと運動量pを持ち出して「この二つを決めよう」なんてやるのは、両方決められるんだから、どちらでも使えるように両方求めておこうぜ、みたいな感じではないかしらん。

  投稿者:化学魔 - 2009/10/29(Thu) 22:12  No.7835  <Home>
早速コメントありがとうございます。

もう一度教科書を読み直して「"ある時刻に"位置と速度を全て与えると」の意味がやっと分かりました。

「変分原理なんかを使ったら、どうも物体の運動は時間に関する二回微分方程式に従うようだから、力学変数の初期条件は2ついるね」っていうことに過ぎないということなんでしょうか。

すると次には
・どんな形式を使ったとしても「物体の運動は時間に関する二階微分方程式に従う」ということは認めざるを得ないということなのか・・・。帰結される以上はそうなってるんだなぁ・・・。
という燻りと
・電磁気学では時間の三回微分とか四回微分とか出てくるような気がした。
という曖昧な記憶が浮かんできました。

とはいっても、当初の疑問は納得しました。ありがとうございました。

  投稿者:大学生A - 2009/10/29(Thu) 23:34  No.7836 
>・電磁気学では時間の三回微分とか四回微分とか出てくるような気がした。

確か、砂川先生の「理論電磁気学」に載ってる自己力を含む運動方程式が、
時間の三回微分方程式だったような・・・。
以前、「かぎしっぽ」で加速度の時間連続性は保障されているのか?という
質問をぶつけた時、電磁ポテンシャルが無限回数、空間微分可能なら加速度
のみならず、加加速度、加加加速度、・・・も時間連続性が保障される。
みたいな答えをいただきました。

思い付きのレス、失礼しました。m(_ _)m

  投稿者:化学魔 - 2009/11/03(Tue) 17:55  No.7849  <Home>
返信遅れてすみません。

なるほど、どこかで函数の滑らかさを仮定しているわけですか。なんかそこまでくるともうどうしようもないって感じですが。


  投稿者:凡人 - 2009/11/03(Tue) 23:00  No.7851 
>「位置と運動量が決定されれば運動は決まる」というstatementがありますよね。
量子の場合、「観測する事によって過去の運動が決まる(=Delayed choice)」というstatementもあります。
このstatementが成り立つ原因は、以下の記事を読めば掴める(?)と思います。
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0910/200910_024.html
<<追伸>>
こちらにも重要なヒントが出ていますので、出来ればお読み下さい。
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0910/200910_022.html

  投稿者:化学魔 - 2009/11/04(Wed) 04:16  No.7852  <Home>
ぬう、10回くらい読みましたが、恥ずかしながら知ったかぶりすらできないレベルです 汗
精進します。



たぶん

>重ね合わせを普通に(強く)観測すると,毎回違う結果がランダムに現れる。それは別に不思議なところのない,ごく普通の物理現象だ。だがこの中から,ある特定の初期状態で始まり,特定の最終結果で終わる場合だけを抜き出して,その中間の重ね合わせを弱い測定で観測すると,極めて奇妙な現象が見えてくる。

ここのことですよね。分かったような分からないような。。。

  投稿者:hirota - 2009/11/04(Wed) 15:10  No.7853 
>位置と運動量が決定されれば運動は決まる
これは元々古典力学での質点系の話ですから、量子力学は無関係です。
また、電磁気学では「位置が決定」なんて言っても意味不明です。
電磁気学で対応するのは「全空間で電場・磁場とその時間変化率が決定」でしょうが、マクスウェル方程式で分かるように「電場と磁場の時間変化率」や「磁場と電場の時間変化率」は独立じゃないですから初期条件の与えすぎになります。
また、初期条件で××を与えれば決まると言っても、それ以外を初期条件にして悪いわけじゃないですから、三回微分や四回微分を与えるのも自由です。(その場合は、それだけの微分可能性が前提になるのは当然)

  投稿者:凡人 - 2009/11/07(Sat) 00:36  No.7864 
>ここのことですよね。分かったような分からないような。。。
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0910/200910_024.html
では、
>だがアハラノフが弱い測定を考え出したのは,こうした不思議な現象を見いだすのが目的ではない。
とされていますので、「極めて奇妙な現象」の方は、「人寄せパンダ」のようなもので、天才アハラノフ先生が主張の核心に据えているのは、
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0910/200910_022.html
中の、
>これまで「決して見ることはできない。見たら壊れてしまう」と誰もが信じてきた量子力学の世界を,壊れないようにこっそりと見る方法があるというのだ。
の方だと思います。
アハラノフ先生のこの件に関する原論文を読んでいないので、詳しい話は分かりませんが、先生は、
>宇宙全体の現在の状態は,かつて存在していた宇宙の始状態と,誰も知らないが確かに存在する宇宙の終状態によって,無数の重ね合わせの中から選ばれて実現していると考えている。
という事が成立つためには、「量子力学の世界を,壊れないようにこっそりと見る」事が可能でなければならないという様に主張されているのだと思います。
尚、弱測定理論は標準的な量子力学に基いているので、アハラノフ先生の主張が正しいとすれば、宇宙の超決定性は、皮肉にも、標準的な量子力学からも説明される事になると思います。
<<追伸>>
日経サイエンス2009年10月号の『宇宙の未来が決める現在』(アハラノフ先生に対するインタビュー記事)によると、先生は、先進波と遅延波について数学的、及び実在論的な検討を行った結果、今の結論に至ったと主張されているようです。