EMANの物理学 過去ログ No.7788 〜

 ● ブラックホール雑感

  投稿者:明男 - 2009/10/20(Tue) 14:57  No.7788 
思えば何と不思議な世界に住んでいるのだろう。時間と空間が切り離せない事がこの様な多様な世界を作り出している。まるで死生観のように、死のシュバルツシルト境界を境にして没交渉となる世界。我々は個体の死を自らは連続して経験するが、観察者からは死で凍り付く人生。ブラックホールは星の終焉と言われていた時代があったが、それが転生して生まれ変わるように、人も又輪廻の輪から逃れられないのかも知れない・・・。

いつも秋になると妙になるのですが、EMANさんの最新記事、面白く拝見していてより妄想が拡大しそうです(あはは)。

  投稿者:EMAN - 2009/10/24(Sat) 11:35  No.7801 
 ブラックホールと冥土を比較されても、
冥土も入ってみれば、
意外とブラックホールの中と同様にまぶしい光の世界ではないか、
くらいしか私には返事のしようがありませんが・・・。

 とにかく、記事を楽しんで頂けまして嬉しく思います。
 励まされまして、次の記事を完成させることができました。

 記事の方もそろそろブラックホールの中に入ってみましょうか。

  投稿者:hirota - 2009/10/29(Thu) 17:32  No.7829 
そこらへんにある解説と同じでないモノとして、こんなのはどうですか?(すでに見てるかもしれないけど、Linkしようとしたら見れなかったので再示)

帯電 BH (Black hole) の計量を
<tex>-(ds)^2=g_{i j}\,x^i x^j=-(1-\frac{2G M}{c^2r}+\frac{G\,Q^2}{c^4r^2})(c\,dt)^2+\frac{(dr)^2}{1-\frac{2G M}{c^2r}+\frac{G\,Q^2}{c^4r^2}}+(r\,d\phi)^2+(r\cos(\phi)\,d\theta)^2</tex>
  $s$ :固有時,  $g_{i j}$ :計量tensor,  $(x^1,x^2,x^3)=(r,\phi,\theta)$ :極座標,  $G$ :重力定数,  $M$ :BH質量,  $Q$ :BH電荷
として  $r$  方向に運動する中性質点を考える。
運動方程式は
 $\frac{d u^i}{d s}=-\Gamma^i_{j k}u^j u^k$  ( $u^i=\frac{d x^i}{d s}$ :固有速度,  $g_{i j}\,u^i u^j=-1$ ,  $\Gamma^i_{j k}=\frac{1}{2}\,g^{i m}(\frac{\partial g_{m j}}{\partial x^k}+\frac{\partial g_{m k}}{\partial x^j}-\frac{\partial g_{j k}}{\partial x^m})$  )
であるから、
 $-g_{0 0}=1-\frac{2G M}{c^2r}+\frac{G Q^2}{c^4r^2}$ ,  $g_{1 1}=-\frac{1}{g_{0 0}}$ 
 $-1=g_{i j}\,u^i u^j=g_{0 0}\,u^0 u^0+g_{1 1}\,u^1 u^1=g_{0 0}(u^0)^2-\frac{(u^1)^2}{g_{0 0}}$  ∴ $(u^0)^2=-\frac{1}{g_{0 0}}+\frac{(u^1)^2}{(g_{0 0})^2}$ 
 $\Gamma^1_{0 0}=-\frac{1+g_{0 0}}{r}g_{0 0}$ ,  $\Gamma^1_{1 1}=\frac{1+g_{0 0}}{r \,g_{0 0}}$ 
<tex>\frac{d u^1}{ds}=-\Gamma^1_{j k}\,u^j u^k=-\Gamma^1_{0 0}\,u^0 u^0-\Gamma^1_{1 1}\,u^1 u^1=-\frac{1+g_{0 0}}{r}=-\frac{1}{r}(\frac{2G M}{c^2r}-\frac{G Q^2}{c^4r^2})=-\frac{2G M}{c^2r^2}+\frac{G Q^2}{c^4r^3}</tex>
となる。
この両辺に  $u^1=\frac{dr}{ds}$  を掛けて  $s$  で積分 (energy 積分) すると
 $\frac{(u^1)^2}{2}-\frac{2G M}{c^2r}+\frac{G Q^2}{2c^4r^2}=K$ : 定数
となるから、これは potential を
<tex>U=-\frac{2G M}{c^2r}+\frac{G Q^2}{2c^4r^2}</tex>
とした Newton 力学の運動と同じである。(時間が  $s$  になってる所だけ違う)
 $Q=0$  の場合、この potential は  $r=0$  で  $U=-\infty$  であり、落下質点は特異点まで落ちてしまうが、 $Q\neq 0$  であれば、 $r=0$  で  $U=+\infty$  なので反発して再び外に出る。
ただし、固有時  $s$  と座標時  $t$  には
<tex>|\frac{c\,dt}{ds}|=|u^0|=\sqrt{-\frac{1}{g_{0 0}}+\frac{(u^1)^2}{(g_{0 0})^2}}=\frac{\sqrt{1-\frac{2G M}{c^2r}+\frac{G Q^2}{c^4r^2}+(u^1)^2}}{|1-\frac{2G M}{c^2r}+\frac{G Q^2}{c^4r^2}|}=\frac{\sqrt{1+\frac{2G M}{c^2r}+2K}}{|g_{0 0}|}</tex>
∴  $|\frac{ds}{dt}|=\frac{c|g_{0 0}|}{\sqrt{1+\frac{2G M}{c^2r}+2K}}$ 
の関係があり、落下質点は  $|\frac{ds}{dt}|=0$  となる所 (事象の地平線) を通る場合は、外界の時間  $t$  がいくら経過しても全く動かず、外から見ると凍結してる状態になる。
逆に落下質点の方からみれば、地平線を通る一瞬に外界 (宇宙) は無限の時間が経過する。
このBHの場合、落下するときに2度、反発して出るときに2度地平線を通るので、外界では4倍の無限時間が経過して、出たときは全く別の宇宙になってしまう。
というわけで、帯電BHが別の宇宙への通路になる。(回転BHの場合も計算してみたいと思ってるけど、面倒みたいで・・)

  投稿者:EMAN - 2009/10/29(Thu) 20:43  No.7832 
> そこらへんにある解説と同じでないモノとして、こんなのはどうですか?

 先が読まれてしまってますねぇ。
 次はライスナー・ノルドシュトロム解の求め方について書くつもりです。
 そのためには電磁場のエネルギー運動量テンソルが必要で、
そういえば、まだ相対論と電磁気学との関連を書いてなかった、と
そっちの方を書き進めているところです。

> (すでに見てるかもしれないけど、Linkしようとしたら見れなかったので再示)

 今書いてくださったやつは、どこかに載ってる話ですか?
 だからと言ってやめるわけじゃないですけれど、
「外界では4倍の無限時間が経過して」って辺りは考えたことがなかったので
ひょっとしたらこのアイデアをもらうかも知れません。
 別の宇宙へ、ってのはあんまり信じてませんけどね。

  投稿者:凡人 - 2009/10/29(Thu) 23:39  No.7837 
hirotaさん
ホーキング放射の事が加味されていないようですが、川合先生が提唱しているサイクリック宇宙論が正しいとすれば、「BHが別の宇宙への通路になる。」という事もありうるかもしれないですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E5%AE%87%E5%AE%99%E8%AB%96
尚、サイクリック宇宙論が正しいとすれば、殆どのBHが、そもそもホーキング放射によって蒸発する遥か手前で、宇宙背景輻射の温度が上昇に転じるので、ホーキング放射による蒸発には全く至らないまま、宇宙の終焉を迎えるのではないかと思いました。

  投稿者:hirota - 2009/10/30(Fri) 10:05  No.7842 
>どこかに載ってる話
これは大分前に僕が他のサイトに書き込んだもので、知ってる限りでは載せてる本などはないはずです。(数式可能サイトがあったので、そのとき計算してた式を書き込んでみた)
もしBHが蒸発しなかったとしたら、全宇宙が1つのBHに縮懐するわけですから、別の宇宙てのは次のビッグバンですね。(サイクリック宇宙論:この宇宙は無から相転移で生まれた後、数十回の膨張・縮懐を経て現在の状態になってると言う説)

  投稿者:凡人 - 2009/10/31(Sat) 00:03  No.7846 
>全宇宙が1つのBHに縮懐するわけですから、
これは本当でしょうか?