EMANの物理学 過去ログ No.7724 〜

 ● 慣性モーメントテンソルの計算について

  投稿者:POMの樹 - 2009/09/30(Wed) 21:53  No.7724 
こんにちは。
慣性モーメントテンソルの計算について教えていただきたいことがあります。
角運動量Lは、位置ベクトルrと運動量pの外積で求められますよね。

L = r×p = r×mv = r×mr×ω

として行列式を余因数展開で計算すると、慣性モーメントテンソルの符号が逆になります。
記事中では有名な公式があるとあったのですが、僕は探しきれず、余因数展開を試みました。

L = r×mω×r
とすれば記事に記載してあるとおりのものが得られます。

A×B = -B×A

ということなのでしょうけれども、速度v = ω×rをどのように意味づければよいのでしょうか?
「角速度ωの回転軸の周りに、距離rの位置にある物体を回転させる」
ということでよいのでしょうか?
v = r×ωでは回転軸が違ってくるということなのでしょうか。
不勉強でもしわけありませんが、よろしくお願いします。

そうなると、高校物理ではv = rωで習いますが、v = ωrのほうがしっくりくるような気がします。

  投稿者:甘泉法師 - 2009/09/30(Wed) 22:42  No.7725 
こんにちは。

xy平面上の原点を中心とする円を反時計回りに回転する質点のωベクトルはz軸上向きなので
v = ω x r です。

>L = r×p = r×mv = r×mr×ω

最右辺は r×mω×r では?

=甘泉法師=

  投稿者:POMの樹 - 2009/09/30(Wed) 23:28  No.7726 
回答ありがとうございます。
なるほど、右ねじがしまるイメージでベクトルの向きを設定すると、v = ω×rということになるんですね。
慣性モーメントテンソルの対角成分が正になるように外積表記の順番を設定するのですね。
まだまだよく分からないところがあるのでもう少し考えてみます。
ありがとうございました。

  投稿者:yuya - 2009/10/01(Thu) 22:27  No.7730  <Home>
POMの樹さん、はじめまして。

ゆっくり考えてもらったらいいのですが、ちょっとアドバイスさせてください。

>慣性モーメントテンソルの対角成分が正になるように外積表記の順番を設定するのですね。

たしかに慣性モーメントテンソルの対角成分が負になることはありませんが、
 $\vec{v} = \vec{\omega} \times \vec{r}$ そのものを理解するにあたって、
慣性モーメントテンソルはとりあえず関係ありません。
ひとまずテンソルのことを頭からスパーンと振り落として、切り分けて考えたほうがよいと思います。

この関係式は、高校物理での $v = \omega r$ を、より一般的にベクトルで書き表したものです。
ベクトルで考える場合、 $\vec{r}$ は位置ベクトルですから、どこかに始点をとるはずです。

剛体の一点だけに注目するのであれば、その点から回転軸に下ろした垂線の足を
位置ベクトルの始点にすれば便利でしょう。

この場合は必ず $\vec{r}$ と $\vec{\omega}$ は垂直になり、外積を持ち出さなくても
大きさだけで $v = \omega r$ と書いて議論することができます。
これが高校物理での関係式です。

ところが、剛体にはたくさんの質点が含まれており、
これらが互いの距離を変えることなく一体となって軸のまわりを回っています。
そのため、回転軸に下ろした垂線の足の位置は質点によって異なり、
全部の質点にとって共通に便利な始点というのは存在しないわけです。

そこで仕方なく、とにもかくにも回転軸上に始点をとったとき、
各質点の位置ベクトル $\vec{r}$ が定まりますが、今度は一般に $\vec{r}$ と $\vec{\omega}$ は垂直ではありません。
そこで外積によって $\vec{v} = \vec{\omega} \times \vec{r}$ と表すことになるわけです。

なぜ $\vec{v} = \vec{\omega} \times \vec{r}$ であって $\vec{v} = \vec{r} \times \vec{\omega}$ でないのかというと、
「そうなるように $\vec{\omega}$ の向きを定めてあるから」という、ただそれだけの話です。

>そうなると、高校物理ではv = rωで習いますが、v = ωrのほうがしっくりくるような気がします。

激しく同意!!

  投稿者:POMの樹 - 2009/10/04(Sun) 14:57  No.7737 
こんにちは。
yuyaさん、アドバイスどうもありがとうございます。
外積の計算を

<tex>{A}_z = {A}_x{y} - {A}_y{x}</tex>

と先に定めたため、

<tex>v({v}_x,{v}_y,{v}_z), \omega({\omega}_x,{\omega}_y,{\omega}_z), r(x,y,z)</tex>

の成分が全て正になるように物理法則を表記すると、

<tex> \vec{v} = \vec{ \omega }  \times  \vec{r} </tex>

になるということでよろしいでしょうか。

  投稿者:yuya - 2009/10/05(Mon) 12:53  No.7738  <Home>
><tex>{A}_z = {A}_x{y} - {A}_y{x}</tex>

単なる書き間違いだと思いますが、左辺は $A_z$ ではなくて、外積の $z$ 成分ですね。

><tex>v({v}_x,{v}_y,{v}_z), \omega({\omega}_x,{\omega}_y,{\omega}_z), r(x,y,z)</tex>
>の成分が全て正になるように物理法則を表記すると、

おおまかな発想としては正しいのですが、具体的な定めかたは誤っています。

反例を挙げると、
 $\vec{\omega} = \begin{pmatrix} 1 \\ 2 \\ 3 \end{pmatrix}$ 、 $\vec{r} = \begin{pmatrix} 1 \\ 1 \\ 1 \end{pmatrix}$  のとき、 $\vec{v} = \vec{\omega} \times \vec{r} = \begin{pmatrix} -1 \\ 2 \\ -1 \end{pmatrix}$ となります。

[7726]でご自身の書かれた

>なるほど、右ねじがしまるイメージでベクトルの向きを設定すると、v = ω×rということになるんですね。

のほうが、正確な理解に近いと思います。

外積そのものをどう定義するか、つまり例えば
 $\begin{pmatrix} A_x \\ A_y \\ A_z \end{pmatrix} \times \begin{pmatrix} x \\ y \\ z\end{pmatrix}$ の $z$ 成分を $A_x y - A_y x$ と定めるか、 $A_y x - A_x y$ と定めるか……(1)
という話とは独立に、
角速度ベクトルの向きを、回転軸のどちら向きにするか……(2)
という自由があるわけです。

昔の人が、(1)(2)のいずれか一方を逆に定義していたら、 $\vec{v} = \vec{r} \times \vec{\omega}$ になっていただろうし、
両方とも逆に定義していたら、今と同じように $\vec{v} = \vec{\omega} \times \vec{r}$ になっていたでしょうね。

  投稿者:POMの樹 - 2009/10/08(Thu) 18:01  No.7748 
返信遅れてすみません。
丁寧に回答くださってありがとうございました。
また、よろしくお願いします。