EMANの物理学 過去ログ No.7649 〜

 ● 点電荷の静電場 と 光子

  投稿者:甘泉法師 - 2009/09/12(Sat) 23:30  No.7649 
こんにちは。

点電荷による静電場についての初歩的疑問です。

1 フーリエ変換すると縦波。縦波は球対象なので角運動量は0。
2 ポインティングベクトルが0であることからわかるように、いたるところ運動量密度は0。一方、エネルギー密度は正。
3 光子の運動量とエネルギーは E^2 − P^2 c^2 = 0 つまり質量が0。仮想光子についてはその限りでない。
から

点電荷のつくる静電場 = 「縦波・スピン0・運動量密度0・質量密度 E/c^2」の仮想光子

と考えてよいのでしょうか。 よろしくご指導をお願いします。

=甘泉法師=  

  投稿者:TOSHI - 2009/09/13(Sun) 07:27  No.7650 
 どもTOSHIです。

>仮想光子についてはその限りでない。

 というのは正しいですが,特別に静電場を与える仮想スカラー光子の質量はゼロということになっています。(□B=0です。)

                   TOSHI

  投稿者:甘泉法師 - 2009/09/13(Sun) 08:11  No.7651 
こんにちは。

>特別に静電場を与える仮想スカラー光子の質量はゼロということになっています。(□B=0です。)

ありがとうございます。

すると、関係 E^2 − P^2 c^2 = 0 により 静電場を与える仮想スカラー光子の運動量は0でありませんが
いたるところ運動量密度が0であることとどう整合しているんでしょう。

=甘泉法師=

  投稿者:TOSHI - 2009/09/13(Sun) 10:48  No.7652 

 ども甘泉法師さん。。TOSHIです。

>すると、関係 E^2 − P^2 c^2 = 0 により 静電場を与える仮想スカラー光子の運動量は0でありませんが
いたるところ運動量密度が0であることとどう整合しているんでしょう。

 そうですね。クーロン静電場では電荷密度ρがあるので時間変動しないゼロでない電場がありますが磁場はゼロです。しかしエネルギーEはゼロではないです。

 スカラー仮想光子の状態を与えるBは,実はスカラーポテンシャルφ=Aのゼロ成分とゴーストである仮想縦光子=Aの第3成分との1次結合(重ね合わせ)で与えられます。

 そして非物理的なゴーストである縦光子がゼロでない運動量Pを担っているので,E^2 − P^2 c^2 = 0とは矛盾していません。

 くわしくは中西襄著「場の量子論」にありますが,古典論にかかわる話はあまり親切でないと思うので

 よろしかったら拙ブログ「TOSHIの宇宙」の2009年6月の記事「電磁場の共変的量子化」
 http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/3-lautrap-2191.html などをごらんください。。

                    TOSHI

  投稿者:甘泉法師 - 2009/09/14(Mon) 00:36  No.7654 
こんばんは。

私には難しい話なのでおおまかな筋道だけも理解しえているか、以下をご覧の上、指導いただければ幸いです。

1 静電場を担うのはスカラー仮想光子(B場)である。
  b+(p)|0> = E/iα (a0^+(p)−a3+(p))|0>
  E^2 - p^2 = 0、つまり質量は0。

2 静電場では運動量p=0である。
  縦仮想光子 a3+(p)|0> は B場の構成成分として上の式が成り立つよう役目を果たしているが、もう一働き、p=0にしてくれる ?

静電場の運動量が0になる仕組みが拙疑問のコアです。

=甘泉法師=


  投稿者:凡人 - 2009/09/14(Mon) 01:14  No.7655 
http://www.a.phys.nagoya-u.ac.jp/~taka/lectures/cosmology/webfiles/cosmology-web/node133.html
によると、
>すると全4元運動量の表式(7.5.263)において、物理的状態空間における期待値を取る限り、スカラー偏極光子は正の符合で寄与する縦偏極光子と必ず消ち消しあって、負エネルギー粒子が現れることはなくなる:
との事なので、「仮想スカラー光子」と「縦仮想光子」の間で、エネルギーを打ち消しあっているため、静電場の運動量が0となるという事はないのでしょうか?

  投稿者:TOSHI - 2009/09/14(Mon) 09:52  No.7656 
 どもTOSHIです。

 私にとっても結構むずかしい話で苦労して噛み砕いたものをブログにしています。理解できているかどうかをチェックして。。と言われても元理論以上のものは出ないのでご了解ください。

 一応,エネルギーではなく電場の意味でE=−∇φ−∂A/∂t,補助場ではなく磁束密度の意味でB=∇×A,誘電体の現象論でなく微視的理論という意味で真空中の透磁率をμ0としてH=B/μ0です。

 ただしc=1の自然単位です。φ=A0でそれ以外のAは3次元ベクトルポテンシャルで4次元電磁場Aμ=(A0,A)これの運動量展開が(a0,a)です。

 静電クーロン場というのはある慣性系では原点にρ=eδ^3(r)の電荷密度があって時間tに依らず静止している(あるいは電荷eが等速度運動をしていてもそれが静止しているような系を選ぶ)ような場合です。

 したがって,特別にρがtによらないので,ポアソン方程式Δφ=ρの解が相対論的な局所性と矛盾しません。
 
 ところが,中西理論ではこうしたクーロンゲージでも局所性にとって不便でない特殊ケースではなく一般の共変性が明確な量子化形式を与えるために補助場B(□B=0,運動量表示ではb)を導入しています。

 これは共変的量子化のためで,実体として観測される電場や磁場には関係なく単にゲージ変換に関係するものです。

 そして,静電場というのは実際に観測にかかる電磁波,つまり仮想ではなくて真の横波の電磁波=実光子を除いたものです。

 そこでAμ=(A0,A)のうち,ゼロ成分と縦成分であるA0,とA3しかこれに寄与しません。

 しかし,こうした仮想光子で運動量p=(E,p)に対応するA0成分の作る1粒子状態a0+(p)|0>も,A3成分の作る状態a3+(p)|p>も,単独ではp=(E,p)の固有状態とはなり得ません。

 どちらも,仮想光子状態としてもpの固有状態ではないので,物理的光子1個の状態ではなく非物理的な状態です。

 ところが,実はこれらは独立ではなく重ね合わせられた線型結合b+(p)|0>=E/iα(a0^+(p)−a3+(p))|0>を作ると,これが質量がゼロのB仮想粒子:□B=0 故にp^2=0(p0=E,p1=p2=0,p3=E)を満たす横波ではないpの物理的固有状態になっていです。

 そして,先に書いた一般の場の強さ:E=−∇φ−∂A/∂t,B=∇×Aは,この定常な静場では∂A/∂t=0 なので,E=−∇φ=−∇A0でありB=∇×A=(∂A3/∂y,,−∂A3/∂x,0)となります。

 いずれにしろ,補助場Bはゲージであり,あってもなくても観測量E=−∇φにもB=∇×Aにも関係ないです。

 以下は真面目には考察したことはありませんが。。。ご自身でフォローなさってください。

 ブログでは,物理的固有状態の期待値として静電場E=−∇φの値はb+(p)|0>=E/iα(a0^+(p)−a3+(p))|0>を与える仮想スカラー光子の寄与と同じであろうこと。。

 そして物理的状態での静磁場の観測期待値はゼロとなることなども読み取れると思います。

                      TOSHI

  投稿者:TOSHI - 2009/09/14(Mon) 10:13  No.7657 
PS:一応,甘泉法師さんに忠告しておきますが質量がゼロでかつ運動量もゼロの光子はエネルギーもゼロなので,仮想でも実でも存在しないのと全く同じと思われるのでそれを真面目に考えておられるとしたら,いかがなものかと思います。。

 もっとも量子論では,そうした存在しないはずの光子が無限個集まって赤外発散という現象を起こします。

 しかし幸いにも実の赤外光子(波長が∞の光子)=エネルギーがゼロの実光子と仮想赤外光子の両方の無限大発散の寄与は符号が正反対なので摂動論計算では相殺(cancel)します。

 無限級数の和としても,Λ→∞においてexp(Λ)とexp(−Λ)の積の寄与となり相殺します。

 しかし紫外発散のくりこみと同じく,相殺の後に有限値のおつりの寄与が出て微妙な輻射補正が生じます。

 という意味では存在しないのと同じというのは言いすぎだったかもしれませんが。。。静電場の話なら関係ないでしょう。

 またブログの宣伝になりますがこうした話題も扱っています。
 EMANさんともどもよろしくお願いします
            
                    TOSHI

  投稿者:凡人 - 2009/09/18(Fri) 01:17  No.7671 
縦偏極光子とスカラー偏極光子について、こちらのほうが詳しく述べられているようですので、紹介させていただきます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/nososnd/field/elef2.pdf

  投稿者:TOSHI - 2009/09/19(Sat) 10:21  No.7672 
 どもTOSHIです。

>縦偏極光子とスカラー偏極光子について、こちらのほうが詳しく述べられているようですので、紹介させていただきます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/nososnd/field/elef2.pdf

 これは昔のグプタ・ブロイラーの方法でしょうね。。。

                           TOSHI

  投稿者:甘泉法師 - 2009/09/19(Sat) 20:27  No.7673 
こんにちは。

1.
凡人さん - 2009/09/14(Mon) 01:14 No.7655
>「仮想スカラー光子」と「縦仮想光子」の間で、エネルギーを打ち消しあっているため、静電場の運動量が0となるという事はないのでしょうか?

とすると、エネルギーも0で、静電場のエネルギー ε0E^2/2 と合いません。ご照会の記事も「0と3が打ち消しあい、横波の1と2しか物理量に寄与しない」ということで、横波がない静電磁場を説明していません。


TOSHIさん - 2009/09/14(Mon) 09:52 No.7656
> いずれにしろ,補助場Bはゲージであり,あってもなくても観測量E=−∇φにもB=∇×Aにも関係ないです。

Bが静電磁場の観測量E=−∇φにもB=∇×Aにも関係ないなら、Bに静電磁場、そのエネルギーや運動量を含め、を説明する役割は期待できません。

2.
古典論で。静電場を、フーリエ変換すれば縦波です。4元ポテンシャル中のφはフーリエ変換すれば数です。縦波か数(慣例ではスカラーとよぶのでしょうか、変換の不変量でないのに)か であり、「縦波も数も」ではないので、上記の打ち消しは起きない、と考えてみました。 如何でしょうか。

=甘泉法師=




  投稿者:凡人 - 2009/09/20(Sun) 02:05  No.7674 
甘泉法師さんへ
>とすると、エネルギーも0で、静電場のエネルギー ε0E^2/2 と合いません。
http://www.px.tsukuba.ac.jp/home/ecm/onoda/butsurib1/node24.html
によると、静電場のエネルギーは、電磁場がある空間に蓄えられているエネルギーですから、ポインティングベクトルが0の場合は、実光子と仮想光子のエネルギーの合計が0になっても、問題は無いと思います。
>ご照会の記事も「0と3が打ち消しあい、横波の1と2しか物理量に寄与しない」ということで、横波がない静電磁場を説明していません。
の件については、
http://members3.jcom.home.ne.jp/nososnd/field/elef2.pdf
のP2にて、「本題の電磁場の量子化を見るには、電荷と電流のない真空中でのマクスウェル方程式を扱えばいいです。」と述べているので、この論文では、電荷と電流が無くて、「横波の1と2」のエネルギーが共に0の場合を計算していると思います。
したがって今回の論議に当てはめれば、「点電荷がある静電磁場を説明していません。」という事になるのではないでしょうか?
甘泉法師さんが求めている答えは、上に示した論文の計算を、点電荷がある場合、即ち静電場のエネルギーが存在する場合に書き換えてみればよいのではないでしょうか?
私はこの計算を遂行する能力がないので、結果を予想する事しかできませんが、点電荷があっても無くとも、ポインティングベクトルが0であれば、実光子と仮想光子に関しては同様の結果になるのではないかと思っています。

TOSHIさんへ
>これは昔のグプタ・ブロイラーの方法でしょうね。。。
TOSHIさんのブログも参考にしながら、中西・ロートラップ形式とグプタ・ブロイラー形式の違いを勉強させていただきたいと思います。
大変有難う御座いました。

  投稿者:TOSHI - 2009/09/20(Sun) 08:39  No.7675 
 こんにちは

>>いずれにしろ,補助場Bはゲージであり,あってもなくても観測量E=−∇φにもB=∇×Aにも関係ないです。

>Bが静電磁場の観測量E=−∇φにもB=∇×Aにも関係ないなら、Bに静電磁場、そのエネルギーや運動量を含め、を説明する役割は期待できません。

 電場Eの観測であればその観測量は|ψ>を物理的状態として<ψ|E|ψ>ですが静電場であれば<ψ|E|ψ>=<ψ|−∇φ|ψ>でありいずれにしろてゲージだけを示すB場の関数f(B)の寄与<ψ|f(B)|ψ>はないのでB場は電場Eには関係ないと述べています。

 しかし,例えば|ψ>は|ψ:1粒子>=|横波電磁波>+|スカラー>+|縦波>の重ね合わせで,|縦波>も|スカラー>も非物理的成分です。

 ここで言う|スカラー>というのはΣpCp*a0+(p)|0>のようなもので非物理的成分す。

 ところが2つの非物理的|スカラー>+非物理的|縦波>の重ね合わせから物理的な|B場>≡b+(p)|0>が作られて静電場の<E>=<ψ|−∇φ|ψ>に寄与するのは<E>=<スカラー+縦波|−∇φ|スカラー+縦波>=<B場|−∇φ|B場>になって,静電場ならこれだけが効くという意味です。

 そしてこの|B場>を|仮想スカラー状態>と呼びます。

 中西理論をよく読めばこのように読み取れるはずですが。。。

 これ以上は勉強段階での細かい疑問についていちいちコメントしませんのでよほどのことがない限り頭の中に生じた個人的疑問について公開せず独学でがんばってください。
                             
                         TOSHI

  投稿者:甘泉法師 - 2009/09/20(Sun) 21:21  No.7676 
こんにちは。
拙誤解につきご教示ありがとうございます。これまでの理解をまとめます。
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静電磁場について。
(A0,A1,A2,A3)の4成分のうちふたつは横波で、時間A0と縦(をA3とする)が静電磁場を表す。
ただし両者は独立でなくゲージの決め方や補助場の設定で自由度はひとつに減る。

例 A0=0のゲージ (0,A1,A2,A3) 静電磁場は縦波A3。
  A3=0のゲージ (A0,A1,A2,0) 静電磁場はスカラー波A0。
  ゲージにより静電磁場は縦波にもスカラー波にもなる。

例 補助場B b+(p) = E/iα {a0^+(p)−a3^+(p)}
 静電磁場はスカラー波 + 縦波 
 <B場|B場>=0だが、<電場>=<B場|(A0,3-A3,0)|B場> ≠0。  
 状態そのものは検出できないが、物理量期待値は0でない。
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Aでは縦波でもスカラー波でもありですが、EやHは、Aから計算すると古典論どおり縦波になるものと思います。

=甘泉法師=


  投稿者:甘泉法師 - 2009/09/21(Mon) 00:02  No.7677 
こんにちは。
遊びでお目汚し、失礼します。

1.
量子論はいったんおいて、点電荷のつくる電場の古典的なイメージです。

水中の原点に点の重力源(質量)が静止し、水は巨視的に静止している。
単位体積あたりのエネルギー=圧力p(r、θ、φ)=p(r)
水分子は速度vで分子運動をするが、向きはランダムで任意の領域内の運動量密度は0。
任意の面で単位面積単位時間あたりの運動量の流れは0。

 アナロジー

真空中の原点に点の電場源(電荷)が静止し、光子群は巨視的に静止している。
単位体積あたりのエネルギー=ε0 E(r、θ、φ)^2/2 =p(r)
光子は速度cで分子運動をするが、向きはランダムで任意の領域内の運動量密度は0。
任意の面で単位面積単位時間あたりの運動量の流れは0。

2.
水中の静止点が何個でも振る舞いは同様なので、任意の静止した電荷分布についても同様。

3.
電荷に正負があるのは重力のアナロジーの外。
正負磁荷の静磁場についても電荷と同様.


光の"静水圧”でエネルギー・運動量密度を、光子の"分子運動"でエネルギー・運動量の流れを考える というのが眼目です。

=甘泉法師=