EMANの物理学 過去ログ No.7344 〜

 ● 静電エネルギー

  投稿者:ボブ - 2009/08/09(Sun) 12:17  No.7344 
電磁気学の静電エネルギーが、いまいち理解できていません。
静電エネルギーは、静電ポテンシャルに、もう1つの電荷をかけたものと理解していたのですが、後に、U=QV/2という式が出てきてしまい、戸惑っています。どちらが、都合の良い式なのでしょうか?

レベルの低い質問ですが、お答えいただけること願っています。お願いします。

  投稿者:yuya - 2009/08/10(Mon) 12:55  No.7364  <Home>
疑問の核心を取り違えるといけないので、確認させてください。

Qクーロンの電荷が、Vボルトの電位差のある2点間を、
電位の高い方から低い方まで移動したとき、
この電荷が電場からもらう仕事は QV ジュールです。
あるいは逆に、低い方から高い方に移動させようと思えば、
電場に逆らって外力を加える必要がありますが、
この外力が電荷に与えるであろう仕事は QV ジュールです。

それなのに、コンデンサーに蓄えられる静電エネルギーは QV/2 と、
なぜか半分になっています。

これが納得しづらい、ということでしょうか?

  投稿者:ボブ - 2009/08/10(Mon) 13:39  No.7365 
コンデンサーに限らず、一般の静電エネルギーの公式に

2個の点電荷の静電エネルギーは
U=1/4πε(q1q2/|r1-r2|)

点電荷の静電エネルギーは
U=1/2Σ(qi*φi)という式があります。

最初の式は、ポテンシャルにqをかけたものと解釈していますが、間違いですか?
質問が茫然としていてすいません。

  投稿者:yuya - 2009/08/11(Tue) 10:44  No.7379  <Home>
>最初の式は、ポテンシャルにqをかけたものと解釈していますが、間違いですか?

それはそれで良いと思います。

点電荷がいくつもあるような場合でも成り立つ、一般的な表現が後者の式で、
たまたま点電荷が2個しかない場合は前者の式で表すこと【も】できる、ということです。

そもそも静電エネルギーというのは、
「その電荷分布になるように電荷を配置するにあたって必要な仕事」
と考えていいですよね。

これを踏まえて、点電荷を一つずつ配置していくことを考えます。

初めの電荷 $q_1$ を置く前は、電場が全く無いので、 $q_1$ を位置 $\vec{r_1}$ に置くのに必要な仕事はゼロです。

次の $q_2$ は、 $q_1$ が作る電場のポテンシャル $\varphi_1(\vec{r})$ の坂を昇降しないといけないので、
無限遠から位置 $\vec{r_2}$ まで運ぶのに $q_2 \varphi_1(\vec{r_2})$ の仕事を要します。

さらに $q_3$ を置くとき、すでに $q_1$ と $q_2$ の作る電場が重ね合わされて存在しており、
 $\vec{r_3}$ まで運ぼうと思えば $q_3(\varphi_1(\vec{r_3}) + \varphi_2(\vec{r_3}))$ の仕事を要します。

このようにしてどんどん電荷を置いていくと、例えば5つの場合なら、必要なエネルギーの合計は

 $\begin{array}{l}\ \ \ q_2 \varphi_1(\vec{r_2}) \\ + q_3(\varphi_1(\vec{r_3}) + \varphi_2(\vec{r_3})) \\ + q_4(\varphi_1(\vec{r_4}) + \varphi_2(\vec{r_4}) + \varphi_3(\vec{r_4})) \\ + q_5(\varphi_1(\vec{r_5}) + \varphi_2(\vec{r_5}) + \varphi_3(\vec{r_5}) + \varphi_4(\vec{r_5})) \end{array}$ 

となります。これを一般化すると、
<tex> U = \sum_{i} \left( q_i \sum_{j = 1}^{i - 1} \varphi_j(\vec{r_i}) \right) </tex>
と書くことができますが、 $i$ の値によって $j$ の和のとり方がいちいち異なっていて面倒ですね。

この煩わしさは、ちょうど、総当たり戦(リーグ戦)の試合数を数える話に似ています。
A, B, C, D, Eの5チームで総当たり戦を行うとき、
「まずAの対戦相手はB, C, D, Eだから4試合。
次のBは、Aとは試合が済んでるから、C, D, Eとの3試合で……」
と考えて 4 + 3 + 2 + 1 = 10 試合と数えてもいいけれど、
とりあえず「A対B」と「B対A」は別のものと考えて、5×4÷2 = 10 試合と考えてもいい。

それと同じように、静電エネルギーも、 $q_n \varphi_m(\vec{r_n}) = q_m \varphi_n(\vec{r_m})$ であることを用いて、
ダブルカウントを承知で

 $2U = \begin{array}{l}\ \ \ q_1(\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \       \varphi_2(\vec{r_1}) + \varphi_3(\vec{r_1}) + \varphi_4(\vec{r_1}) + \varphi_5(\vec{r_1})) \\ + q_2(\varphi_1(\vec{r_2}) + \ \ \ \ \ \ \ \ \ + \varphi_3(\vec{r_2}) + \varphi_4(\vec{r_2}) + \varphi_5(\vec{r_2})) \\ + q_3(\varphi_1(\vec{r_3}) + \varphi_2(\vec{r_3}) + \ \ \ \ \ \ \ \ \ + \varphi_4(\vec{r_3}) + \varphi_5(\vec{r_3})) \\ + q_4(\varphi_1(\vec{r_4}) + \varphi_2(\vec{r_4}) + \varphi_3(\vec{r_4}) + \ \ \ \ \ \ \ \ \ + \varphi_5(\vec{r_4})) \\ + q_5(\varphi_1(\vec{r_5}) + \varphi_2(\vec{r_5}) + \varphi_3(\vec{r_5}) + \varphi_4(\vec{r_5})+ \ \ \ \ \ \ \ \ \ )  \end{array}$ 

としてから2で割ってやれば、同じものが求まるわけです。
これを一般化すると
<tex> U = \frac{1}{2}\sum_{i} \left( q_i \sum_{j (\neq i)} \varphi_j(\vec{r_i}) \right) </tex>
後ろのΣは「位置 $\vec{r_i}$ に、 $q_i$ 以外の電荷が作った電位の合計」と解釈でき、
これを簡単に $\varphi(\vec{r_i})$ と書くことにすれば、
<tex> U = \frac{1}{2}\sum_{i}  q_i \varphi(\vec{r_i}) </tex>
となり、ボブさんの書かれた二つ目の式が得られます。

電荷が2個の場合も特例というわけではなく、
<tex> U = \frac{1}{2}(q_1 \varphi(\vec{r_1}) + q_2 \varphi(\vec{r_2})) = \frac{1}{2}(q_1 \varphi_2(\vec{r_1}) + q_2 \varphi_1(\vec{r_2}))</tex>
ここで括弧内の第1項と第2項は等しく、
<tex>q_1\varphi_2(\vec{r_1}) = q_2\varphi_1(\vec{r_2}) = \frac{q_1 q_2}{4\pi\varepsilon |r_1 - r_2|}</tex>
となるため、「2倍の半分」という計算になり、ボブさんの一つ目の式が得られるわけです。

  投稿者:ボブ - 2009/08/13(Thu) 13:12  No.7403 
お礼、遅れてしまいすみませんでした。
一つ一つの重複を考慮しているのですね。一応、教科書にもそう書いていたのですが、あまり理解できなかったのですが、今回、詳しい解説だったのでようやく理解できました。
ご丁寧な表記でわかりやすかったです。
どうもありがとうございます。