EMANの物理学 過去ログ No.7289 〜

 ● 反応速度式の係数

  投稿者: - 2009/08/05(Wed) 21:31  No.7289 
A+A ⇔ A* + A

という反応で、*は活性化分子です。

Aに関しての、速度式なんですが、
-1/2d[A]/dt=k[A]^2−k’[A*]〔A〕 となっていますが、
この1/2が理解できません。というのは、
参考書によっては、問題は違いますが、ほぼ同じ条件なのに、左辺の1/2はなくて、右辺の第一項だけに係数2を書いてました。
どのように解釈すればいいのでしょうか?
アドバイスを頂ければうれしいです。

  投稿者:yuya - 2009/08/08(Sat) 08:24  No.7314  <Home>
いろいろ調べてみましたが、完全には分かりませんでした。
私の考えでは、A + A ⇔ A* + A の反応が1回起こると、Aは2個ではなく1個だけ増減するので、

- d[A]/dt = k[A]^2 - k'[A*][A]

が正しいのではないかと。

本屋で調べたところ、実際にそのように書かれているものを見つけました。
あ、タイトル忘れた(^^;)

右辺第1項だけ係数2が付いている、というのはますます解せないです。

また、梅さんの示されたのと同じ関係式がWeb上にも書かれていたので、
筆者の先生に質問メールをお送りしたところ、「誤りでした」とのお返事をいただきました。

ただ、梅さんの教材ではkやk'の定義自体が異なっていて、式としては正しい可能性もあります。
よろしければ両方の式の出典を教えていただけませんか。

  投稿者: - 2009/08/08(Sat) 23:46  No.7337 
回答ありがとうございます。
はい、参考書によって、若干の表記が違っていて混乱しちゃいます。
出典は、物理化学演習T 大学院入試問題を中心に 高橋博彰著 です。
結構、書店に並んでいると思います。
そして、係数が出てくる問題で気になっているのは、p246、247(一番下)、251の問題です。

もう1つの出典は、 化学入門コース演習 物理化学演習 森健彦・関一彦著です。p111の例題7.3 が疑問点の問題です。

興味がございましたら、お時間のある時に、見ていただけると嬉しいです。
長々と失礼いたしました。

  投稿者: - 2009/08/08(Sat) 23:52  No.7338 
すいません。追加です。以上の問題でもそうなのですが、
物理化学演習T 大学院入試問題を中心に 高橋博彰著
の p244、245(共に下の方) での表記がの元の疑問です。

  投稿者:yuya - 2009/08/09(Sun) 12:23  No.7345  <Home>
前に紹介してくれたのと同じ演習書ですね。
あのとき、Amazonで調べたら古書扱いだったので絶版だと思っていましたが、
大きな書店に行ったら普通に置いてありました。失礼しました。

で、該当箇所を見てきたのですが、本のほうの問題と、梅さん自身の理解の問題とが混在しているかもしれないので、
両者を切り分けるために、ちょっと順番に尋ねさせてください。

まず

A →(k_1)→ 2B
B + C →(k_2)→ D

という反応があるとき、

d[B]/dt = 2k_1[A] - k_2[B][C]

になるのはOKでしょうか?

  投稿者: - 2009/08/09(Sun) 13:09  No.7348 
わざわざ確認していただき本当にありがとうございます。

うーん、何となくはわかるのですが、絶対の理解はできていないです。
申し訳ありませんが、ここをしっかり理解したいです。
ご教授よろしくお願いします。

[B]に注目しているのだから、係数2を1/2と考えたりしてしまったりもします。この考えを矯正できればと思います。

  投稿者:yuya - 2009/08/09(Sun) 14:14  No.7350  <Home>
じゃあもっと話を単純化して、A →(k)→ 2B という反応式があったとき(逆は起こらないとして)、
d[B]/dt = k[A] になるのか、d[B]/dt = 2k[A](つまり(1/2)d[B]/dt = k[A])になるのか、
あるいは d[B]/dt = (1/2)k[A] になるのか、自信が持てない、ということですよね。

これを理解するには、そもそも「kをどのように定義しているのか」を考える必要があります。

そのために、AやBの個数の増減とは別に、(変な表現ですが)「反応の回数」というものを明確に意識してください。

A → 2B という反応では、「反応が1【回】起こると、Aは1【個】減り、Bは2【個】増える」……(*)
ということですよね。
速度定数を定義するときには、特定の物質の増減に注目するより、
反応の回数に注目したほうが(エコヒイキがなくて)何かと便利です。

そこで、「単位時間に何回反応が起こるか」を v として、それがこの反応の場合には[A]に比例するので、
その比例定数を k と定義する(v = k[A])わけです。

v さえ求まれば、(*)から、
d[A] / dt = - v
d[B] / dt = 2v
というふうに、反応式の係数を使って、いつでも各物質の変化速度に換算できます。

したがって、今回の答えは d[B]/dt = 2k[A] となります。

以上の話から、重要な注意事項が導かれます。

すなわち、反応式が与えられる際に、「A →(k)→ 2B」と書かれているか、
「(1/2)A →(k)→ B」と書かれているかによって、
「1回の反応」の定義が異なるので、kの定義も異なっている、ということです。

反応速度を論じるときには必ず反応式が与えられますが、
その反応式そのものが速度定数を定義する役割を持っているのです。

  投稿者: - 2009/08/09(Sun) 15:09  No.7351 
おー!
なんかわかって来た気がします。
定義をしっかり意識して問題を見ていきたいと思います。
この「反応の回数」を踏まえてもう一度、挑戦してみます!

  投稿者: - 2009/08/09(Sun) 15:31  No.7352 
と思って、やってみたのですが、

>>私の考えでは、A + A ⇔ A* + A の反応が1回起こると、Aは2個ではなく1個だけ増減するので、- d[A]/dt = k[A]^2 - k'[A*][A]

とありますが、全体での増減を見ているのですよね?

ちなみに、この反応式の表記には、同じ参考書なのに、
同似の問題で、
-1/2d[A]/dt=k[A]^2−k’[A*]〔A〕 とyuyaさんの式と両方がありました。前者が誤りと思いました。

  投稿者: - 2009/08/09(Sun) 16:02  No.7353 
連続ですいません。

以下の式を理解できたら、進めると思います。
まず、以下の式が本当に合っているかを審査してくれませんか?

@ A2 ⇔ A + A (正方向をk、負方向をk’)

 速度式:(1/2)d[A]/dt = k[A2] - k’[A]^2


A Cl2 ⇔ 2Cl・  (・はラジカル)

 速度式: d[Cl・]/dt = 2k[Cl2] - k’[Cl・]^2


これらは、反応式を見たら同じ形ですが、速度式は違う形になっています。
特にAでは、何で右辺の第二項に係数2がついていないのか?
増減は2ですよね?

  投稿者:yuya - 2009/08/10(Mon) 17:37  No.7366  <Home>
そうそう、その2箇所([7352]と[7353])が不可解な場所として残りますよね。

初めにそこに言及しようと思っていたのですが、
その他の正しい箇所にも疑問を感じていらっしゃるようだったので、
先にそちらを説明したわけです。

> 速度式: d[Cl・]/dt = 2k[Cl2] - k’[Cl・]^2

手元の『ムーア物理化学(上)第4版』p404には、
(こちらはBrですが)きちんと両方に係数2がついています。
可能なら確認してみてください。
というわけで、おそらく誤植ではないかと思われます(他のところにも波及していますね)。

>ちなみに、この反応式の表記には、同じ参考書なのに、同似の問題で、
>-1/2d[A]/dt=k[A]^2−k’[A*]〔A〕 とyuyaさんの式と両方がありました。
>前者が誤りと思いました。

こちらも同意です。その本では
高圧下の近似のもと「-d[A]/dt = (2k_1 k_3 / k_2)[A]」から
「速度定数は k_1 k_3 / k_2」と結論していますが、
ここでは「1回の反応でAが2個減るんだから」ってんで、
ちゃっかり比例定数を2で割っているので、
最後の答えだけは正しく求まってるという……なんともはや。
d[A]/dtを一つの文字として扱う限りは影響がないのですが、
微分方程式を解いて[A]を求める段になって、誤った結果が出てくるはずです。

  投稿者: - 2009/08/11(Tue) 12:17  No.7381 
以上から、
速度式: d[Cl・]/dt = 2k[Cl2] - 2k’[Cl・]^2

で良いんですよね?安心しました。これで理解できました。
演習を重ねていきます。
yuyaさん、毎回ご丁寧に教えて頂きありがとうございます。