EMANの物理学 過去ログ No.7088 〜

 ● 角速度のベクトル性の証明

  投稿者:monjiro - 2009/07/04(Sat) 03:29  No.7088 
はじめまして。物理関係の掲示板を見ているうちにここにたどり着きました。
趣味で物理を始めた四十路の社会人です。最近読み始めた力学の入門書で、
どうしてもわからないところがあるので、もしどなたか教えていただければ
幸いです。角速度のベクトル性の証明なのですが、途中△PP'Qで、<tex> \vec{QP'} = \vec{ \varepsilon } </tex>
として|<tex> \vec{ \varepsilon } </tex>|<tex>= \sqrt{ \overline{PQ}  ^{2} + \overline{PP'} ^{2}-2 \overline{PQ}     \overline{PP'}  \cos P'PQ} </tex>
<tex> \Delta  \varphi </tex>が小さいとき、三角関数を角で展開して計算すると
<tex> \overline{PP'} =2 \rho  \sin  \left( \frac{ \Delta  \varphi }{2} \right) = \rho  \left( \Delta  \varphi - \frac{ \left( \Delta  \varphi \right)  ^{3} }{24} + \cdots \right) </tex>,
<tex> \rho =r \sin  \theta </tex>
<tex> \overline{PQ} = \rho  \Delta  \varphi </tex>,
<tex> \cos P'PQ= \cos  \left( \frac{ \Delta  \varphi }{2} \right) =1- \frac{ \left( \Delta  \varphi \right)  ^{2} }{8} + \cdots </tex>
このとき,|<tex> \vec{ \varepsilon } </tex>|<tex>= \rho  \sqrt{ \frac{7}{12} }  \left( \Delta  \varphi \right)  ^{2} + \cdots </tex>
自分は、<tex> \overline{PP'} </tex><tex> \cos P'PQ</tex>にそれぞれ3次までと2次までの項を代入し、計算したのですが、どうしても√の中が7/12なく1/4になってしまいます。近くの国立大学の図書館でも調べたのですが、やはり途中の計算は省略されていました。なにか本当に初歩的なことなのだと思いますが、気になって前に進めません。いい歳をして
お恥ずかしいですが、助けていただければありがたく思います。

  投稿者:yuya - 2009/07/04(Sat) 07:47  No.7092  <Home>
monjiroさん、はじめまして。

式を信じて計算したところ、私も 1/4 になりました。

念のため、ちょっと別な方法でやってみます。
面倒なので $\Delta \varphi$ を $t$ と書くことにして、ルートの中身を $\rho^2$ でくくり出したものを計算すると、
<tex>t^2 + \left[2\sin \left(\frac{t}{2}\right)\right]^2 - 2t\cdot 2\sin\left(\frac{t}{2}\right) \cos\left(\frac{t}{2}\right)</tex>
ここで
<tex>2\sin^2 \left(\frac{t}{2}\right) = 1 - \cos t,\ 2\sin\left(\frac{t}{2}\right) \cos\left(\frac{t}{2}\right) = \sin t</tex>
を用いると、
<tex>t^2 + 2(1 - \cos t) - 2t\sin t</tex>……(1)
と整理されます。さらにこれは、
<tex>(t - \sin t)^2 + (1 - \cos t)^2</tex>……(2)
とも変形できます。(1)あるいは(2)に
<tex>\cos t = 1 - \frac{t^2}{2} + \frac{t^4}{24} - \cdots,\ \sin t = t - \frac{t^3}{6} + \cdots</tex>
を適用すると、やはり  $t^4$ の係数は1/4となり、monjiroさんと同じ結果になります。

 $\vec{\mbox{PQ}}$ などに入れる式が間違っている可能性はないでしょうか?
どういう図の状況なのか教えてもらえるとありがたいです(文章では書きにくいかもしれませんが……)。

  投稿者:monjiro - 2009/07/04(Sat) 09:34  No.7094 
yuyaさん、はじめまして。丁寧なご返事ありがとうございます。私の今読んでいる本は、力学(後藤憲一著)で、その2章に(角速度のベクトル性の証明)という項があります。本文中の文章をそのまま書きますので、お手すきの時にご検討いただければ幸いです。 
    
       (角速度のベクトル性の証明)
 ある軸の回りに小さい角<tex> \Delta  \varphi </tex>の回転が、与えられたとし、これを有向線分<tex> \vec{ \Delta  \varphi } </tex>で表す。回転軸上の1点Oを原点とし、位置ベクトル<tex> \vec{r} </tex>で表される点Pが、この回転によって、中心C半径<tex> \rho </tex>の円周にそってP’に移ったとする。変位は <tex> \vec{ \Delta r} = \vec{PP'} </tex> である。Pからこの円に(P’と同じ側に)接線をひき、その上にQをとって <tex>PQ= \Delta  \varphi r \sin  \theta </tex> (<tex> \theta =POC</tex>)とし、ベクトル積のようにして、 <tex> \vec{PQ} = \vec{ \Delta  \varphi }  \times  \vec{r} </tex> をつくる。<tex> \vec{QP'} = \vec{ \varepsilon } </tex> とすると、
       <tex> \vec{PP'} = \vec{PQ} + \vec{QP'} </tex>
より、   <tex> \vec{ \Delta  r} = \vec{ \Delta  \varphi }  \times  \vec{r} + \vec{ \varepsilon } </tex>
三角形PP'Qより、<tex> \vec{ \varepsilon } </tex>の大きさ|QP'|は

この後は前述した質問の内容がそのまま続きます。本来は図があるので、より状況がわかりやすいのですが、本文中の言葉だけでお許し下さい。<tex> \vec{ \Delta  \varphi } </tex>は、回転軸の上向きに設定されています。このテーマにふれている本は、某国立大の蔵書の中では意外に少なく(もちろん全部見たわけではありませんが)私が探した範囲では、1冊だけでした。しかもまったく同じ内容で、途方にくれている次第です。ネットでも、角速度に関しては、サラッと説明されているところが多く、逆に気になって前に進めなくなってしまいました。数式に関しては、何度も見直しましたが、誤描写はないようです。いまのところ出せる材料はこのくらいです。突然議論に割り込んで申し訳ありませんが、お時間のあいたときに考えていただければありがたいです。

  投稿者:明男 - 2009/07/04(Sat) 11:46  No.7096 
横レス失礼。
はじめまして、monjiroさん、明男です。
御説明の図だとすると、yuyaさんの指摘どおり、PQが間違っているのではないでしょうか。
<tex>\overline{PQ}=\rho\ \tan  \left( \Delta  \varphi \right) = \rho  \left( \Delta  \varphi + \Delta  \varphi  ^{3}/3 + \cdots \right) </tex>

として、最終的に4次の項まで取れば良いと思います。

  投稿者:yuya - 2009/07/04(Sat) 16:19  No.7097  <Home>
><tex>\overline{PQ}=\rho\ \tan \left( \Delta \varphi \right)</tex>

 $Q$ が $CP'$ 上にある、という想定ですよね。うーむ、でも、教科書の原文が

><tex>PQ= \Delta \varphi r \sin \theta </tex> (<tex> \theta =POC</tex>)とし、ベクトル積のようにして、 <tex> \vec{PQ} = \vec{ \Delta \varphi } \times \vec{r} </tex> をつくる。

なんですよねぇ……円弧 $PP'$ を $P$ からピンと張ったベクトルが $PQ$ ですよね。

仮に $Q$ が $CP'$ 上にあるとして計算すると、ルートの中身から $\rho$ をくくりだしたものは
<tex>\tan^2 t + 2(1 - \cos t) - 2 \tan t \sin t</tex>……(3)
となり、これに $\tan t$ の級数展開を適用することになります。

><tex>\rho\ \tan \left( \Delta \varphi \right) = \rho \left( \Delta \varphi + \Delta \varphi ^{3} + \cdots \right) </tex>

<tex>\tan t = t + \frac{t^3}{3} + \frac{2t^5}{15} + \cdots</tex>じゃなかったかな。
これを入れて計算すると、やっぱり $t^4$ の係数は $1/4$ になってしまう。
ちなみに(3)の変形を続けると、
<tex>\left( \frac{1}{\cos t} - 1 \right)^2</tex>
という、えらく簡単な式になります。なんでだろ?と思って図に戻ると、
<tex>P'Q = CQ - CP' = \frac{\rho}{\cos \Delta\varphi} - \rho</tex>だからですね。
<tex>\frac{1}{\cos t} = 1 + \frac{t^2}{2} + \cdots</tex>
を用いても、 $t^4$ の係数は $1/4$ になります。

要するに $\Delta\varphi$ が微小なときは $\Delta\varphi$ も $\tan\Delta\varphi$ もほぼ等しいわけで、
 $(\Delta\varphi)^2$ のオーダーでは違いが出ないんですね。

これだけ計算しても教科書と合わないということは、
著者の計算間違いではないか、と思い始めているのですが……。
この係数の具体的な値は、角速度のベクトル性を言うに当たっては関係ないもんねぇ(笑)。

  投稿者:明男 - 2009/07/04(Sat) 18:03  No.7099 
>yuyaさん
その通りでした。7096は修正しました。失礼!

  投稿者:monjiro - 2009/07/04(Sat) 18:34  No.7100 
今職場からアクセスしています。ちょうど目の前を上司が通り過ぎ、ちょっとどきどきでした。yuyaさん、明男さん、忙しいであろうお二人の貴重な時間を、私ごとき素人の質問のために割いていただきありがとうございました。
今日は仕事が終わるのは、日付が変わってからだと思います。本当は12:00前には帰りたいんですが・・・。お二人のレスを深夜に帰宅してから、じっくりと検討させていただきます。本当にありがとうございました。取り急ぎお礼まで。

  投稿者:せいたかのっぽ - 2009/07/04(Sat) 21:28  No.7102 
monjiroさん。こんばんは!
私も、sin,cosの展開式に従って計算してみましたけれど、1/4になりました。

Qの位置の仮定から、

<tex> \overline{PQ} = \Delta  \varphi r \sin  \theta = \rho  \Delta  \varphi </tex>であり、

<tex> \Delta  \varphi </tex>が小さい時、

<tex> \overline{PP ^{'} }  ^{} = \rho  \Delta  \varphi </tex>ですから、

実は、△P'PQは頂角Pが<tex> \Delta  \varphi /2</tex>の二等辺三角形です。

よって、

<tex> \overline{QP ^{'} } =| \vec{ \varepsilon } |= \left( \rho  \Delta  \varphi \right)  \cdot  \frac{ \Delta  \varphi }{2} = \frac{1}{2}  \rho  \Delta  \varphi </tex>

となって、1/4が正しいことが分かりました。
(sin,cosの展開までせずとも、ここで絵が描ければもっと簡単。
盲点ですよね。私も最初はつられて難しく考えすぎました。
ということで、7/12は自信を持って誤植でしょう!)

力学の本は読んだことはありませんが、
また、今となっては気力もわきませんが、(^-^;
後藤先生の当時橙色の基礎物理学の本が、
薄い本なのにページに記載されている密度が濃くて
学生時代、好きでしたので、首を突っ込んでみました。

  投稿者:せいたかのっぽ - 2009/07/04(Sat) 21:39  No.7104 
数式直すの面倒なのですみませんが、
最後の式、2乗をつけ忘れました。ご了承を・・・

  投稿者:monjiro - 2009/07/05(Sun) 09:26  No.7106 
>yuyaさん
いろいろな角度からの検証ありがとうございました。手慣れた感じの計算で、素人から見るとかなりのお力とお見受けしました。式変形を見る限り、自分も何となく1/4でいいような気になってきました。あと確かにおっしゃるとおり、この証明は|<tex> \vec{ \varepsilon } </tex>|の大きさを求めた後、<tex> \frac{ \vec{ \varepsilon } }{ \Delta  \varphi }  \rightarrow 0  \left( \Delta  \varphi  \rightarrow 0\right) </tex> という計算が続くので、<tex> \left( \Delta  \varphi \right)  ^{2} </tex>の係数は関係なくなるんですよね。ただ、大御所が本に書き、それを引用したらしき本も図書館で見つけたので、誤植の可能性を感じつつも、ここで皆さんにお伺いした次第です。とりあえず1/4ということで読み進めていきたいと思います。いろいろお手数をおかけし、大変感謝しています。

>明男さん
<tex> \overline{PQ} </tex>の新たな可能性で検証ありがとうございます。自分もこういう場で、人の問いかけに答えられるようになれればと思っております。ありがとうございました。

>せいたかのっぽさん
計算に依存しない図での検証、斬新な視点で私なら絶対気づかないところです。頭が柔らかいのでしょうね。おっしゃるとおりのような気がします。いろいろな切り口があると感心しました。ありがとうございました。


ちなみにこの本は、大学時代使っていたもので、当時はここをスルーしていました。でもいろいろな方に考えていただき、本当に助かりました。3人の方に心から感謝します。