EMANの物理学 過去ログ No.7060 〜

 ● カルノーサイクルの質問

  投稿者:ポチ - 2009/06/26(Fri) 16:16  No.7060 
すばらしいサイトですね。発見してうれしかったです。

質問させていただきたいのですが、、、。

カルノーサイクルの断熱膨張の仕事に関してですが、
∫PbVb^γ/V^γ dV  、積分区間はVb〜Vc   bは添え字です。 わかりにくい表記ですみません。

仕事が↑の式で記述されているのですが、どのように求められたのでしょうか?お手数ですが回答お願いいたします。

  投稿者:EMAN - 2009/06/26(Fri) 17:42  No.7061 
 仕事は $ \int P \D V $ として計算できるのだけれど、
積分の途中で P も V も変化します。
 V を変化させていくのに合わせて P がどう変化するのか、
それを式で表さないといけません。

 断熱膨張のときは $ PV^\gamma $ が一定に保たれます。
 その値は積分の開始時点 b においては $ P_b {V_b}^\gamma $ でしたから、
その後も常に、 $ PV^\gamma = P_b {V_b}^\gamma $ が成り立っています。

 この式を P について解けば、 $ P = P_b {V_b}^\gamma / V^\gamma $ となります。

 これでどうでしょう。

  投稿者:ポチ - 2009/06/26(Fri) 22:31  No.7062 
解決できました。どうもありがとうございます。

再び質問なのですが、カルノーサイクルの系のなした仕事の合計なのですが、参考書には、W=RT2 log(Vb/Va) + RT1 log(Vd/Vc) となっております。

この式には、等温変化の仕事だけで、断熱の時の仕事を足していないと思うのですが、参考書が誤っているのでしょうか?
回答いただければ幸いです。

  投稿者:EMAN - 2009/06/26(Fri) 23:37  No.7063 
> 断熱の時の仕事を足していないと思うのですが

 参考書は間違っていないでしょう。
 そして断熱時の仕事も考慮されています。
 しかし最終的には式に残らないのです。

 このページを読まれると良いでしょう。
http://homepage2.nifty.com/eman/thermo/ideal_carnot.html

  投稿者:ポチ - 2009/06/27(Sat) 10:26  No.7064 
貴ページによると、打ち消し合うとのことですが、同様に、@とBも打ち消し合うのではないでしょうか?

加えて度々失礼します。

Qを求める際に、Q=∫CvdT (TaからTb) と書いていますが、
Q=Cv(Tb-Ta)ではなぜダメなのでしょうか?
参考書によっては、後者で書いているのも見かけます。

また、Qを求めるときに、CvとCpの使い方は異なりますか?
わからずやですみません。

  投稿者:EMAN - 2009/06/27(Sat) 13:04  No.7065 
> 同様に、@とBも打ち消し合うのではないでしょうか?

(1)と(3)というのはそれぞれ、
<tex>W_{ab} &= nRT_{H} \log \frac{V_b}{V_a} \\W_{cd} &= nRT_{L} \log \frac{V_c}{V_d}</tex>

のことですよね。  $ T_{H} \neq T_{L} $ だし、
 $ V_a \sim V_d $ はそれぞれ違う値なので、式の上では 0 にはなりません。
 もちろん、部分的には打ち消し合ってますよ。

一方、(2) と (4) というのは全く等しいので、
打ち消し合って 0 になります。

> CvとCpの使い方は異なりますか?

 Cv は定積比熱で、Cp は定圧比熱なので、値が全く異なりますし、
Cv は体積一定の変化を考えるときに使うものです。

 また、Cv は温度の関数になってますので、
T で積分する間にも値が変化してしまいます。

 ごく小さな温度変化を扱うときには Q=Cv(Tb-Ta)のように定数として
扱ってももいいかも知れませんが、
広い範囲の温度変化を考えるなら、積分で表すべきでしょう。

  投稿者:ポチ - 2009/06/27(Sat) 13:36  No.7066 
なるほどです。カルノーサイクルが徐々にわかってきました。
詳しい解説をどうもありがとうございました。
また疑問が生じましたら、質問させていただきますので、よろしくお願いします。

  投稿者:ポチ - 2009/06/27(Sat) 15:09  No.7067 
お忙しいのにすみません。なるべく最後にしたいと思いますが、、、。

オットーサイクルの問題に入りました。
その断熱圧縮変化においての、UとWを求めたいです。
まず、U=-W の関係はわかります。つまり、どちらの値を計算してもいいのですよね?二通りで導けるのでしょうか?

ここで、疑問があるのですが、断熱過程においては、CpもCvも使えないのではないんですか?でも、実際は参考書では使われています。体積と圧力が共に一定でないのに、なぜ良いのですか?

  投稿者:EMAN - 2009/06/27(Sat) 18:23  No.7068 
 オットーサイクルの話に向かってましたか。
 あまり工学的なところにまで踏み込んで学んだことがないので
細かい部分には自信はありませんが、とにかく、
理想気体を仮定しているのであれば、Cv は温度によらず一定ですね。

 それと、Cv は断熱過程には使えないという話ですが、
頑なに、絶対に使ってはいけないという意味ではありません。

 と言うのは、Cv の意味を正しく考慮した上で、
一旦「広い範囲にあてはまる関係式」を導くのに成功していれば、
そこに Cv が含まれていようが、それを式変形に使うことはできるからです。

 オットーサイクルについてざっと調べてみましたが、

<tex>W &= \int_b^c \frac{p_b {V_b}^{\gamma}}{V^\gamma} \D V \ =\ p_b {V_b}^{\gamma} \int_b^c \frac{1}{V^\gamma} \D V\\&= p_b {V_b}^{\gamma} \frac{1}{1-\gamma}[{V_c}^{1-\gamma}-{V_b}^{1-\gamma}] \\&= \frac{1}{\gamma-1}( p_b V_b - p_b {V_b}^\gamma \ {V_c}^{1-\gamma} ) \\&= \frac{1}{\gamma-1}( p_b V_b - p_c {V_c}^\gamma \ {V_c}^{1-\gamma} ) \\&= \frac{1}{\gamma-1}( p_b V_b - p_c V_c ) \\&= \frac{1}{C_p/C_V-1}( p_b V_b - p_c V_c ) \ =\ \frac{C_V}{C_p - C_V}( p_b V_b - p_c V_c ) \\&= \frac{C_V}{R}( p_b V_b - p_c V_c ) </tex>

という式変形をしているのでしょう。
 ここで理想気体を仮定していいのなら、この後さらに、

<tex>= n C_V ( T_b - T_c )</tex>

となるでしょうね。
 調べた範囲ではこういう結論にしてあるものが多いので、
オットーサイクルって理想気体を仮定するのが普通なのかな?
それとも、理想気体を仮定しないでもこの結論に持って来れるのかな?
と首を傾げてます。

 私の持ってる教科書の中にはオットーサイクルに触れているものがないので
かなり憶測でしゃべっています。

  投稿者:yuya - 2009/06/27(Sat) 21:40  No.7069  <Home>
>オットーサイクルって理想気体を仮定するのが普通なのかな?
>それとも、理想気体を仮定しないでもこの結論に持って来れるのかな?

Poissonの式やMayerの式からして、理想気体を前提としているのではないでしょうか?

  投稿者:EMAN - 2009/06/27(Sat) 22:55  No.7070 
> Poissonの式やMayerの式からして、理想気体を前提としているのではないでしょうか?

 そうですね。
 調べ直してみましたら、理想気体が前提ということで確かなようです。

 調べるほどに矛盾した説明が出てきてたので、自信が揺らいだのでした。
 実は幾つかのサイトの説明を私が読み違えてただけでした。

(理想気体の式を使って変形してはだめだとか書いてあったのですが、
これって、積分のときにちゃんと断熱の式を使え、という意味だったようです。
 あと、Cv の温度変化を心配してたり・・・。)

  投稿者:EMAN - 2009/06/27(Sat) 23:19  No.7071 
 というわけで、No.7068 の内容をちょい修正します。
 このままでは誤解される可能性もあるので。

> ここで理想気体を仮定していいのなら、この後さらに、

の部分を、

「ここで理想気体の状態方程式をあてはめて、」

としておいて下さい。
 それ以前にも理想気体を前提とした変形してますから。

  投稿者:ポチ - 2009/06/28(Sun) 16:54  No.7072 
なるほどです!!理解しました!

お忙しいのに、ご親切に、調べていただきありがとうございます。途中式も細かくて理解しやすかったです。相談にのってくれた方々ありがとうございます。

ここから、Q=-W と求められるのですけど、
仕事を計算せずに、直接Qを計算できる方法がありましたら、参考にしたいのですが、ありますか?
おそらく、参考書には、ほとんど仕事から計算してると思います。

以上から、Q=∫CdT
     ⇔Q=C(T−T’)
 は公式にしていいでしょうか? (Cv、Cpに関わらず)


  投稿者:yuya - 2009/06/28(Sun) 19:52  No.7073  <Home>
ポチさん、はじめまして。
Carnot/Ottoサイクルに関わらず、断熱過程の計算を知りたいのですよね。

>ここから、Q=-W と求められるのですけど、
>仕事を計算せずに、直接Qを計算できる方法がありましたら、参考にしたいのですが、ありますか?

この Q は U のことでしょうか?

第2法則から $\D U = \D 'Q + \D 'W $ 
断熱過程では  $\D 'Q = 0$  から  $\D U = \D 'W$ 
ただし $\D 'W$ は仕事を外からもらった場合をプラスとしているので、
外にした仕事  $\D 'w = - \D 'W$ で書き表すと  $\D U = - \D 'w$ 、あるいは $ - \D U = \D 'w$ 
つまり、熱の出入りがないので、「外にした仕事の分だけ、内部エネルギーが減少する」、と。
この両辺の値を、左辺/右辺のどちらを使って求めるか、ということですね。

[7068]では右辺( $\D'w$ )から値を求めていますが、
その前提として、Poissonの関係式( $pV^\gamma$ 一定)が用いられています。
この関係式を導く過程が
http://homepage2.nifty.com/eman/thermo/adiabatic.html
に詳しく書かれていますが、途中で
<tex>\D U = \left( \frac{\partial U}{\partial T} \right) _V \D T + \left( \frac{\partial U}{\partial V} \right) _T \D V</tex>
<tex> = n C_V \D T + \left( \frac{\partial U}{\partial V} \right)_T \D V</tex>……(1)
という関係を用いています。さらに式変形をたどって行くと、
議論を理想気体に限定した際に、 $U$ が $T$ のみによって変わることから
<tex>\left( \frac{\partial U}{\partial V} \right)_T = 0</tex>……(2)としています。

なので、理想気体を前提とするなら、初めから(2)を(1)に適用して、

<tex>\D U = n C_V \D T</tex>

とすれば、ポチさんのおっしゃる「仕事を計算せずに、直接 U を求め」たことになると思います。
実際、<tex>- \Delta U = - \int_b^c \D U = - \int_b^c n C_V \D T = n C_V (T_b - T_c)</tex>となって、
[7068]の最後の結果と一致しますね。

  投稿者:ポチ - 2009/06/29(Mon) 22:43  No.7074 
またまた詳しくどうも有難うございます。
ようやく理解が進んできました。
また,勉強を進めていって,わからなかったら,相談に乗っていただけると嬉しいです。