EMANの物理学 過去ログ No.6763 〜

 ● 記事「プランクの理論」について

  投稿者:yuya - 2009/04/15(Wed) 12:46  No.6763 
RSSのおかげで、できたての記事を読むことができました。
ま、しょっちゅうリロードしてるんですけど(^^;)
もう何日も掲示板で数式が出ないのはどうしたわけなのか……。

「統計力学の出番」セクションについてなのですが、

>つまり、今考えるべきことは、P個の粒をN個の区別のない箱に入れる組み合わせの数である。

→区別のないP個の粒を、区別のあるN個(N種類)の箱に入れる組合せの数なのでは?

>これでは数え過ぎだから、仕切りだけ、粒だけをそれぞれ入れ替える組み合わせの数で割ってやればいい。

→「組合せの数で割る」のではなく、「並べ方の数で割る」が正しいのでは?

>ところで、この式のUというのは全エネルギーの変化のことであり、

→Uではなく∂Uでは?

あら探しをしているわけではないのですが、そのつもりで読むほうが内容が深く理解できてしまう罠(笑)。

  投稿者:EMAN - 2009/04/15(Wed) 13:38  No.6764 
 早速ありがとう。 RSSがちゃんと機能しているかも確認できて良かった。

> もう何日も掲示板で数式が出ないのはどうしたわけなのか……。

 最近、TeX機能なしで会話している人が多いので、気付きませんでした。
 きっとうちのサーバが落ちてますね。 いや、ルータかな。
 今晩、帰って調べます。

> あら探しをしているわけではないのですが、そのつもりで読むほうが内容が深く理解できてしまう罠(笑)。

 そう。 そのつもりで読んでもらわないとね。

> Uではなく∂Uでは?

 これくらいはまぁ、良しとしましょうよ。

> 「組合せの数で割る」のではなく、「並べ方の数で割る」が正しいのでは?

 そうそう、その言葉が出て来なかったのです。そう言ってるつもり。

> 区別のないP個の粒を、区別のあるN個(N種類)の箱に入れる組合せの数なのでは?

 これは明らかな私の間違いですね。 直しておきます。

  投稿者:全充 - 2009/04/15(Wed) 15:21  No.6765 
RSSに関してリクエストするだけしてみます(実現していただけるかどうかは置いておいて)

カテゴリ:例えばトップページの場合
 プランクの理論 カテゴリ:統計力学
みたいな。

RSSリーダがかってに区分けしてくれるので。

談話室だと、カテゴリ名にスレッドタイトル(長すぎてだめですかね)

  投稿者:EMAN - 2009/04/15(Wed) 19:06  No.6766 
 RSSのカテゴリ欄を追加してみました。
 これでうまく動いてますかね?

(追記)
 あ、「Re:」ってのは削らないとまずいかな。
 ちょっとやってみます。

  投稿者:Ikemo - 2009/04/16(Thu) 01:07  No.6768 
初めまして、Ikemoと申します。
数ヶ月前からこのサイトをちょくちょく読んでいて、おかげさまで物理に結構(?)詳しくなれました。感謝してます。
で、質問なんですが、
プランクの理論の共鳴子のところの、KとRの関係を求めるところで疑問があります。
どうして全立体角の半分2πではなく4πで積分するのでしょうか。
物体の表面からは半球の方向しか電磁波が出て行かないと思うのですが。
まあ、レイリー・ジーンズの式と同じになることを説明している部分なので、あまり重要じゃないかもしれませんが。
下らない質問だったらすみません。

  投稿者:EMAN - 2009/04/16(Thu) 07:19  No.6770 
 初めまして、Ikemoさん。
 お役に立てて嬉しく思います。

 その部分は私も不満足な部分で、出典は学生時代の講義ノートです。
 そこでも大部分が省略されてますね。

 おそらくですが、プランクは、共鳴子を内壁にへばりついた存在だと限定しないで、空洞内の任意の場所にあって全方向に放射している状況を想定したふしがあるようで、どの場合も結果が変わらないという結論に達したようです。

 実はここ、いきなり (1) 式を持ってきてもあんまり変わらないんですが、それでは突然すぎるんで、彼は電磁場についてコツコツと式をいじったんですよー、という雰囲気作りのためにだけ書いてます。

 今私が調べているトマス・クーンの本では全く違う導出をしているので、もしそれが解読できたらそちらに差し替えたいと思ってるくらいです。

 誰か、この辺りについて、平易に、しかし詳しく説明している資料を知りませんでしょうか。

  投稿者:全充 - 2009/04/16(Thu) 09:17  No.6771 
> RSSのカテゴリ欄を追加してみました。
> これでうまく動いてますかね?

リクエストに対応いただきありがとうございます。
私のリーダではばっちしです。

  投稿者:全充 - 2009/04/16(Thu) 09:21  No.6772 
スレッド汚しですいません。(RSSもうひとつだけ希望を書かせてください)
なんていうんですか、トピック数っていうんですか。トップのほうは10で問題ないと思いますが、談話室は10より多いほうが良いのではと思います。投稿が多いときは多いので。

  投稿者:EMAN - 2009/04/16(Thu) 13:30  No.6773 
> 談話室は10より多いほうが良いのではと思います。

 幾つくらいだったらいいと思いますか?
 15 とか 20 とか。
 日付までチェックするのは面倒で、多分やる気はないけれど、
数字を変えるだけならすぐにでもできます。

 RSSを活用してない私としては、
どうせこれは要約であって全文を入れてるわけでもないし、
投稿が多かったら直接見に来てくれればいいんじゃないか・・・と、
思ってしまうわけですけれど、
使ってる人の意見はどんな感じなんでしょう。

  投稿者:Ikemo - 2009/04/17(Fri) 00:17  No.6782 
EMANさん回答ありがとうございます。

それはつまり、Kは空洞内の共鳴子からの放射を表すということですか?内壁からの放射ではなく?
そうだとすると、ん〜、それだったら微小表面積dSではなく、微小体積dVからの放射を考えたほうが自然な気がします。
それだとうまく計算できないんでしょうか。
cdtdSで割るのもしっくりきません。

で、自分なりに考えてみました。
ただしKを内壁からの放射と考えたので、間違っているかもしれません。

ステファン・ボルツマンの法則のところで、
<tex> \frac{1}{4 \pi } uc \cos  \theta  \sin  \theta d \theta d \phi dtdS</tex>
というのがありました(見づらくてすみません)。これを微小周波数範囲で考えると、
<tex> \frac{1}{4 \pi } R \left( \nu ,T\right) c \cos  \theta  \sin \theta  d \theta d \phi dtdSd \nu</tex>
となると思います。これが、<tex>K \left( \nu ,T\right) d \nu dSd \Omega dt</tex>のことだと考えられるので、
<tex>K \left( \nu ,T\right) = \frac{1}{4 \pi } R \left( \nu ,T\right) c \cos  \theta </tex>
となります(<tex>d \Omega = \sin \theta  d \theta d \phi </tex>) 。
しかし、Rはθによって変化しないので、これではKは放射の方向が傾くにつれて小さくなってしまいます。
そこで、Kは面に垂直な方向への放射強度を表してるんじゃないかなあと考えることにします。
ということで、左辺にもcosθをかけます。
<tex>K \left( \nu ,T\right)  \cos  \theta = \frac{1}{4 \pi } R \left( \nu ,T\right) c \cos  \theta </tex>
偏光成分のことを忘れていたので、Kに2をかけて整理すると、
<tex> \frac{8 \pi }{c} K \left( \nu ,T\right) = R \left( \nu ,T\right) </tex>
このようにして、求めることができました。

でも、これを書いているうちに、空洞内の微小面でも同じように考えることができるのではないかと思えてきました。
まあ、共鳴子というものがよく分かっていないので何とも言えませんが。
あと、Kにcosθを掛けちゃいましたが、
「θの角度からdSを見るとcosθdSになるから」として考えた方がよかったかもしれません。

良くない所があったら教えていただけると嬉しいです。

  投稿者:EMAN - 2009/04/17(Fri) 16:52  No.6785 
> それはつまり、Kは空洞内の共鳴子からの放射を表すということですか?内壁からの放射ではなく?

 プランクは共鳴子の正体をあいまいにしており、それが内壁表面にあってもいいし、空洞内にあってもいいという感じにしていたようです。

 ウィーンが作った放射法則は、熱放射の原因が「空洞内に飛び交う気体」だという仮定で作ったようですし、現在のように内壁からの放射を考えれば十分なのだ、とは思っていなかったようです。

 記事中に出てくる $ E = \frac{c^2}{\nu^2}K(\nu,T) $ という公式はひょっとすると話が逆で、K が「記事中に書いたような意味」になるように「作られた式」かも知れません。

> Kは面に垂直な方向への放射強度を表してるんじゃないかなあと考えることにします。

 これはその通りですね。 説明が抜けていました。

  投稿者:Ikemo - 2009/04/17(Fri) 20:43  No.6786 
>プランクは共鳴子の正体をあいまいにしており、それが内壁表面にあってもいいし、空洞内にあってもいいという感じにしていたようです。
>ウィーンが作った放射法則は、熱放射の原因が「空洞内に飛び交う気体」だという仮定で作ったようですし、現在のように内壁からの放射を考えれば十分なのだ、とは思っていなかったようです。

当時の人は色々と考えてたんですね。
今では分かりきった話でも、いろんな仮説があって興味深いです。

>K が「記事中に書いたような意味」になるように「作られた式」かも知れません。

なるほど、そういうこともあるかもしれませんね。

結局はっきりとした答えは出ませんでしたが、色々と参考になりました。
EMANさん、わざわざ答えてくれてありがとうございました。
今度自分でもちょっと調べてみようと思います。

  投稿者:yuya - 2009/04/21(Tue) 23:09  No.6796 
>記事中に出てくる  $ E = \frac{c^2}{\nu^2}K(\nu,T) $  という公式はひょっとすると話が逆で、
>K が「記事中に書いたような意味」になるように「作られた式」かも知れません。

混乱を避けるため、EMANさんの記事の $K$ を $K_1$ 、これに偏光成分を考慮したものを $K_2(=2K_1)$ と書き分けることにします。

http://arxiv.org/PS_cache/physics/pdf/0402/0402064v1.pdf
のp.3の中ほどを見ると、黒体放射の歴史を振り返っており、
$e / a = K$ , the intensity, Kirchhoff found, is independent of the body,
という記述が見られます。それに続いて同ページの下のほうでは
>Here the density is  $u = 4\pi K / c$ , with K the previous intensity.
とあります。この $K$ は $K_2$ に、 $u$ はEMANさんの記事の $R$ に相当します。
 $u$ と $K$ ( $K_2$ )の関係はp.20のAppendix Aでアッサリと解説されており、
またPlanck自身の論文でも、
http://theochem.kuchem.kyoto-u.ac.jp/Ando/planck1901.pdf
の5ページの下のほうで
>which together with the well-known equation:  $u = 8\pi K / c$ 
とあり、 $u = 8\pi K_1 / c = 4\pi K_2 / c$ という関係は
すでに「よく知られた関係」として扱われています。

これらを勘案すると、Planck以前から、放射の程度を表す指標として
 $u$ と $K$ という2種類の物理量が、それぞれdensity(密度)、intensity(強度)として
明確に区別して日常的に用いられていたのではないか、と思われます。

Planckのオリジナリティは共鳴子1個の平均エネルギー $E$ (論文では $U$ )と
densityあるいはintensityとの関係を導いたことにあるのであって、
どちらを用いるかは重要ではなく、
たまたまintensityを用いれば $E = (c^2 / \nu^2)K_1$ 、
densityを用いれば $R = (8\pi\nu^2/c^3)E$ (記事の(1)式)となる、
ということに過ぎないのではないでしょうか。

  投稿者:EMAN - 2009/04/21(Tue) 23:27  No.6797 
> 明確に区別して日常的に用いられていたのではないか、と思われます。

 まぁ、そうでしょうね。 ステファンボルツマンの法則のところでも出てきますし、研究者ならノーヒントでやっちゃう程度の内容でしょう。

  $E = (c^2 / \nu^2)K_1$ ってのがあまりにシンプルなんで、こっちが基本に思えてしまいましたが、私が授業受けた先生は、多分、学生のために、ここからわざわざ $R = (8\pi\nu^2/c^3)E$ を導いて下さったのでしょうね。

 クーンの本ではいきなりこの形が出てくるように求めていますし。
http://books.google.co.jp/books?id=zYUhVHzlr2IC&printsec=frontcover&dq=thomas+kuhn&as_brr=3#PPA84,M1
 (84ぺーじです。)

  投稿者:yuya - 2009/04/21(Tue) 23:47  No.6798 
>クーンの本ではいきなりこの形になるように求めていますし。

他のいくつかの文献でも同様でした。
ところで、この $u_0 = 3J_0 / 4\pi$ って所で、
「なんで $u_0$ はdensityなのに $4\pi$ で割るんだよぉ〜!?」とほぼ一日悩んだのですが、
CGS単位系だったというオチ……

  投稿者:EMAN - 2009/04/22(Wed) 01:00  No.6799 
> CGS単位系だったというオチ……

 ああ、そうか! ありがとう。 その悩み、無駄じゃないです。
 cgi 単位系かも知れないってことを気にもしなかったんで、
ごちゃごちゃした式をただ眺めるだけで、
こんな式、知らんぞと難しく考えてました。

 ってことは、クーンの本でも、最後のその変形さえしなければ、
 $E = (c^2 / \nu^2)K_1$ が直接導かれて来るんですよね。

 考え直す元気が出て来ました。

 ところで、もっと分かりやすそうな資料ご存知ですか?
 いまのところ、この本だけが頼りなんで心細くて。

  投稿者:yuya - 2009/04/22(Wed) 13:48  No.6801 
>cgi 単位系かも知れないってことを気にもしなかったんで、
>ごちゃごちゃした式をただ眺めるだけで、
>こんな式、知らんぞと難しく考えてました。

国際単位系で言うところの $(\varepsilon E^2 / 2) + (B^2 / 2\mu)$ に相当する「電磁場のエネルギー密度」を
CGSガウス系で書くと $(E^2 + B^2) / 8\pi$ となり、これに等方性を仮定すると得られますね。
(http://members3.jcom.home.ne.jp/nososnd/em/mweq.pdf の2頁参照)

> ってことは、クーンの本でも、最後のその変形さえしなければ、
>  $E = (c^2 / \nu^2)K_1$  が直接導かれて来るんですよね。

いや、そういうわけでもないようです。

以下、Kuhnの本に合わせて $E$ (共鳴子のエネルギー)のことを $U_\nu$ 、
 $R$ (放射のdensity)のことを $u_\nu$ と書きます。

84頁の(18)式から、そのまま $U_\nu$ と $J_\nu$ の関係を導くと、
 $U_\nu = (3c^3 / 32\pi^2 \nu^2)J_\nu$ となります。
この $J_\nu$ もintensityと呼ばれていて紛らわしいですが、これはfield intensity(79頁)、
つまり共鳴子を震わせる電場の強さの2乗の平均値であり、
 $K_\nu$ (放射のintensity)とは異なるので、ここから( $u_\nu$ を経由しないで) $K_\nu$ と結び付けるには、
結局( $u_\nu$ のときと同じように)もう1ステップ必要になります。
そのためには $u = (3/4\pi)J$ に相当するような、 $J$ と $K$ の関係式が必要になります。

先に引用したPlanckの1901年の論文
http://theochem.kuchem.kyoto-u.ac.jp/Ando/planck1901.pdf
では、先に
>  $K = (\nu^2 / c^2)U$ 
を与えており、その根拠として自身の前年の論文が引かれていますが、
一体Planckはどうやって導いていたのだろう、と気になって仕方がないので、
当該論文を入手してみました。

すると、 $J = (32\pi^2 / 3c) K_1$ という関係を(18)式に適用していました。
これなら確かに計算が合いますが、じゃあこの関係式はどうやって得たのだろう、と
論理展開をさかのぼってみると、結局、 $u$ と $K$ の換算式( $u = 8\pi K_1 / c$ )を用いるのと
本質的に同じことをやっているように見えます(完全に解読できたわけではありませんが)。

こうなってくると、後世の教科書としては $K$ を経由する必要はなくなってしまうわけで、
みんな揃って直接 $u$ を求めているのもうなずけますね。

>ところで、もっと分かりやすそうな資料ご存知ですか?
>いまのところ、この本だけが頼りなんで心細くて。

Kuhnの本より分かりやすいかどうか分かりませんが、私が解読中の資料を記しておきます。

http://www.escholarship.org/editions/view?docId=ft4t1nb2gv;brand=eschol
――CHAPTER IIの後ろのほうからCHAPTER IIIにかけてのあたりが参考になりそうです。
複素数を用いてスマートに議論していますが、Planck自身は全く複素数表示を使わなかったとか。

http://worldscibooks.com/phy_etextbook/4683/vol_2/4683_chap1_1.pdf
――だいたいKuhnと同じような方針で導出しているようです。

  投稿者:EMAN - 2009/04/22(Wed) 13:53  No.6802 
 最近、cgi ばっかいじってるんで、cgs と cgi と間違えた。(恥

  投稿者:yuya - 2009/04/28(Tue) 09:51  No.6827 
Planckを軸に、分かりやすくまとめられた小記事を見つけました。
数式の導出はないけれど、これはかなりオススメです。
http://physicsworld.com/cws/article/print/373
(あ、いや、Kuhnの本を精読してるレベルの人に有用かどうか分かりませんが、
これから学ぼうとする人が手軽に背景を俯瞰するにはオススメ、という意味です。)

  投稿者:アマサイ - 2009/04/30(Thu) 02:10  No.6828  <Home>
ご無沙汰いたしております。

この板自体はよく拝見しているのですが、いろいろな議論がかわされており、全く追いつけないでいます。

先日たまたま投稿をざっと眺めているとThomas Kuhnの名が。
物理学者でクーンというは聞いたことがない。やはり、あの科学史家のクーンのことだよなとよぎっておりました。

クーンの『科学革命の構造』は私の放送大学時代の卒論テーマでして、それ以降の彼の業績は追い続けています。

さて、EMANさんがなぜに科学史家の著作にご興味におありなのか、不思議に思っておりましたが、"Black-body theory and the quantum"のことでしたか。

本書はクーンの晩年の作品で、彼自身「今、黒体放射の歴史について書いている。しかし、本書のようなテーマを注目する人がどれくらいいるのかと思うと、少々不安だ」とかつて彼の生徒であった中山茂氏に言っています。
『クーン―パラダイム』 (現代思想の冒険者たち) 野家 啓一 (著
私も読んでみたいと思っていましたが、こうしてペーパバックになっていたのですね。すっかり追跡するのを忘れてました(^^;)。

そして、ここで日本の優秀な物理学の学徒が、彼が丹誠込めた作品を熟読せんとしている。クーンさんも喜んでいることでしょう。

>誰か、この辺りについて、平易に、しかし詳しく説明している資料を知りませんでしょうか。
クーンがこのテーマを選んだのは、この辺りの要約、解釈があまりないからだと聞いています。類書、類文献を見つけるのは難しいかと。もし、あるなら、私も知りたいです。

『趣味の物理学』量子力学編、来年あたりでるのかなあ、と楽しみにしています。
( ̄▽ ̄)v
とプレッシャーをかける。

  投稿者:EMAN - 2009/04/30(Thu) 20:05  No.6830 
 どもども、お久しぶりです。アマサイさん。

 私は
クーンってパラダイムって言葉を流行らせたもとになった人だよな?
くらいの知識しかなくて、
黒体についてのこの本を見つけたとき、
あら? これは同一人物なのか?と疑って
検索し直して納得しました。

 (ああ、クーンって科学史家だったんだ・・・)
 いや、それは知ってた。

 (科学史家ってこういう本を書いたりするんだ・・・)
 うーん、それも知ってた。

 でも繋がらなくって。

 一体、誰向けにこんな本書いたんだろうなぁ、とも思いました。
 ・・・私向けですね。 今読んでいるってことは。
 買いかぶり過ぎだけど。


> とプレッシャーをかける。

 それは良いプレッシャー。(^^

  投稿者:yuya - 2009/05/01(Fri) 18:01  No.6834 
前に紹介した
http://www.escholarship.org/editions/view?docId=ft4t1nb2gv;brand=eschol
を、だいぶ読み進めまして、お役に立つかどうか分かりませんが、私の理解を整理しておきます。

そもそもPlanckが何のために共鳴子のモデルを導入したのか、このモデルを用いて何を説明しようとしていたのか、
というところを私は理解していなかったので、そこからなぜ黒体放射や量子の概念と繋がるのか、合点がいきませんでした。
この点に関して、だいたい以下のとおりだと理解しました。

----------
・Planckは「エントロピー増大則」に対する信念が強かった。

・Boltzmannの理論の前提となる分子説に従えば、個々の分子はNewton力学に従って振舞うことになる。しかしNewton力学には時間対称性があり、エントロピー増大則はあくまで統計的に成り立つもの、という位置づけにとどまってしまう。

・しかしPlanckにとっては、エントロピー増大則はもっと根源的なもの(elementary disorder)のはずであり、気体分子運動論は、微視的にはエントロピーが自然に減少してしまう可能性がゼロではない(Maxwellの悪魔の存在を許す)という点で、受け入れられるものではなかった。

・そこでPlanckは、熱力学的な不可逆性の根源を、力学ではなく電磁気学に求めようと考えた。当初Planckは、電磁気学は力学と異なり、時間対称性がないと考えていた。

・その具体的なモデルが「共鳴子」(resonator)であった。このモデルでは、平面波が共鳴子に当たり、それに応じて共鳴子が四方八方に電磁波を放出する。この過程はPlanckにとっていかにも不可逆であると考えられ、ここにエントロピー増大の本質を求めようとした。また、このモデルによって黒体放射のスペクトルを説明することができれば、自説の正しさが裏付けられると考えた。

・しかし、Boltzmannにより、Maxwell方程式にも時間対称性があると反論された。

・やがてPlanckは気体分子運動論の強力さを認めざるを得なくなり、共鳴子のモデルは保持したまま、形式的にBoltzmannの方法を取り入れることにより、共鳴子のエントロピーを計算し、黒体放射の正しいスペクトルを与える公式を得た。
----------

これを踏まえて改めてEMANさんの記事を読み直すと、ちょっと気になる点が出てきます(上記の理解が正しければ、の話ですが)。

>プランクはわざとイメージをぼかして批判を避けようとしたのかも知れないし、
>あるいは慎重に、もし原子説が否定されるようなことになっても生き残れるよう
>な包括的な理論を目指したのかも知れない。

Planckは、(少なくとも初期においては)原子・分子説を真っ向から否定しており、
それに頼ることなくエントロピー増大則を説明するためにこそ、共鳴子のモデルを導入したことになります。

また、共鳴子のエントロピーの計算に際してBoltzmannの関係式を用いたのは、
かなり「しぶしぶ」であったのかもしれません。

……というわけで、引き続き勉強します〜。
おかしな点があればご指摘ください。