EMANの物理学 過去ログ No.6722 〜

 ● 記事「レイリー・ジーンズの理論」について

  投稿者:yuya - 2009/04/07(Tue) 18:34  No.6722 
http://homepage2.nifty.com/eman/statistic/rayleigh.html
Wienの放射則の問題点について、波長ごとのスペクトルに直して議論されていますね。

<tex>{\frak R}(\lambda, T) = a'\frac{1}{\lambda^5}e^{- b' / \lambda T}</tex>
において、 $e^{- b' / \lambda T}$ の部分は $T \to \infty$ によって $1$ に収束するので、あのグラフの漸近線は
<tex>{\frak R}(\lambda, \infty) = a' / \lambda^5</tex>
というわけですね。

ちなみに、もし周波数のままで考えるとどうなるのかな、と興味が湧きました。
<tex>R(\nu, T) = a\nu^3 e^{- b\nu / T}</tex>
なので、漸近線は
<tex>R(\nu, \infty) = a\nu^3</tex>
となるはずです。
実際のグラフはこちら↓
http://www.geocities.jp/abreverse/wien.jpg

こうして見ると、周波数のままでも、
Wienの放射則の「何かがおかしい」感じは充分伝わるような気もしますが、
でもまぁ、波長のスペクトルを見ておくのもいいかもしれませんね。

周波数と波長の両方で考えることで初めて気付いたんですが、
周波数ごとのスペクトルでピークを示す場所を $\nu_{\rm max}$ 、
波長ごとのスペクトルでピークを示す場所を $\lambda_{\rm max}$ としたとき、
 $c = \nu_{\rm max} \cdot \lambda_{\rm max}$ が成り立つわけではないんですよね。
同じことで悩む人が出てくるかも知れないので、書き留めておきます。

  投稿者:EMAN - 2009/04/07(Tue) 20:36  No.6723 
> こうして見ると、周波数のままでも、
> Wienの放射則の「何かがおかしい」感じは充分伝わるような気もしますが、

 ああっ、そうか。 気付かなかった。
 あまり消化せずに記事にしてしまって、ちょっと恥ずかしいです。

 波長の表示と周波数の表示の変換をせよ、という課題で困っている学生さんが結構いるようだったので一石二鳥になるかと思っていましたが、これじゃ一石一鳥ですね。

>  $c = \nu_{\rm max} \cdot \lambda_{\rm max}$  が成り立つわけではないんですよね。

 私もグラフを描いていてその辺で首を傾げました。 そもそも同じ「エネルギー密度」でも縦軸の次元からして違うので、大きさが全然違うんですよね。 何か間違えたのかと思って何度か計算し直してしまった。

  投稿者:せいたかのっぽ - 2009/04/08(Wed) 01:12  No.6730 
書き込みは、お久しぶりです。こんばんは!
いつも楽しみに拝見させていただいています。

λmaxは、du(λ)/dλ=0から、
νmaxは、du(ν)/dν=0から求められる。
発想が単純なので、ついつい、素人でも手を出してしまいましたが、
プランクの式では、解析的には解けませんよね。
単純にちょっとがっかりと思ったりしたのですが、

λmax=(ch/4.965k)/T

νmax=(2.821k/h)T

よって、λmax・νmax=(2.821/4.965)c=0.5682cです。

ちなみに、Wienの式でしたら、-1が分母にこないため、
単純に解析的に解くことができました。

λmax=(ch/5k)/T

νmax=(3k/h)T

よって、λmax・νmax=(3/5)c=0.6cです。

Wienの式は、今日では、プランク式の高振動数(短波長)の近似式に過ぎない位置づけですが、
計算としては、単純に気分すっきりです。(^-^)/

EMANさんの記事で、
Wienの波長に対するグラフだけから、
『周波数の低い電磁波であり、ウィーンの理論の弱点の部分である。 明らかに何かがおかしい。 温度がどんなに高くなっても、ピークより右側の曲線が一定以上に上がらないのである。』
と読み取られたのは、お恥ずかしながら、私には、そこまで、まだ少し理解できていません。
またのんびり考えてみたいと思っています。

  投稿者:kafuka - 2009/04/08(Wed) 10:24  No.6731 
文章のみの情報で恐縮ですが、、、

昔読んだ本に、
1.レイリー・ジーンズの式: 光子の数が固定で、各光子に区別がある分布
2.ウィーンの式: 光子の数が可変で、各光子に区別がある分布
3.プランクの式: 光子の数が可変で、各光子に区別がない分布
とあった記憶があります。
(光子だったかモードだったかは、はっきり覚えていませんが)
この関係を、上記3つの式から逆に、導いており、面白いと思いました。
これらの式が、統計理論の何か(すみません)を求める式に、似ているというのが、
その本の ここの所の記述の着眼点でした。

量子統計では(量子論では)、「区別がない」というのが、重要だと思いますので、
おせっかいと言われると思いましたが、書きました。

  投稿者:yuya - 2009/04/08(Wed) 19:58  No.6738 
>私もグラフを描いていてその辺で首を傾げました。

自分が納得できるまで考えてみました。

波長表示のスペクトルを周波数表示に変更したとき、
例えば 300〜400nm の波長は、周波数では 750THz〜1000THzあたりに移されます。
ところが、500〜600nm の波長は、周波数では 500THz〜600THzとなります。
同じ100nm幅の区間が、周波数では前者が250THz幅、後者が100THz幅と異なってきます。
つまり、スペクトル強度の値がカバーする範囲が、波長表示と周波数表示とでは異なるわけですね。

例えば波長で下図のようなスペクトルが得られたとすると、ピークは緑色のところになります。
http://www.geocities.jp/abreverse/length.jpg
これを、各色の短冊の面積が変わらないように周波数表示に直すと、次のようになります。
http://www.geocities.jp/abreverse/freq.jpg
短冊の横幅が変わるために、周波数表示では黄色がピークとなります。

  投稿者:甘泉法師 - 2009/04/10(Fri) 18:15  No.6750 
こんにちは。 
u(λ、T)=1/λ^5 f(λT)  
と一般の関数でピークを考えると

1 ピークをあたえるλは
∂u/∂λ = −5/λ^6 f + T/λ^5 f’= 0 から
f’/ f = λT/5= x/5 
グラフ ln f(x) の接線の傾きが x/5 になるような点、x=x1 をつかい
λmax T = x1


u(λ、T)dλ=U(ν,T)dνとあらわすと
λν=c 定数から
d(λν)=0  dλ/dν =−λ/ν=−λ^2/c
U(ν,T)= λ^2 u(λ、T)/ c
      = ν^3 /c^4 f(cT/ν)

ピークを与えるνは
c^4 ∂U/∂ν = 3ν^2 f + ν^3 f’cT(−1/ν^2)= 0 から
         
f’/ f = c/3*T/ν = x/3 

グラフ ln f(x) の接線の傾きが x/3 になるような点、 x = x2 をつかい  
T/νmax = x2 /c


よって λmax νmax = c x1 / x2 で、定数であるがcではないことがわかる。

=甘泉法師=
  

  投稿者:yuya - 2009/04/10(Fri) 22:19  No.6752 
甘泉法師さん:
>1 ピークをあたえるλは
>∂u/∂λ = −5/λ^6 f + T/λ^5 f’= 0 から
>f’/ f = λT/5= x/5 
>グラフ ln f(x) の接線の傾きが x/5 になるような点、x=x1 をつかい
>λmax T = x1

<tex>f'(x_1)\ /\ f(x_1) = 5 / x_1</tex> になるかと思います( $x_1 / 5$ ではなく)。同様に、
<tex>f'(x_2)\ /\ f(x_2) = 3 / x_2</tex> ですね。

一般の $f(x)$ では具体的な $x_1/x_2$ の値は分かりませんが、
いまWienの放射則のもとに $f(x) = \alpha e^{- \beta / x}$ という形を仮定すると、
<tex>f'(x)\ /\ f(x) = \beta / x^2</tex> が成り立つので、

<tex>\beta\ /\ {x_1}^2 = 5 / x_1</tex>
<tex>\beta\ /\ {x_2}^2 = 3 / x_2</tex>

これらにより  $x_1 / x_2 = 3 / 5$ が得られ、せいたかのっぽさんの結果とめでたく一致します。

  投稿者:甘泉法師 - 2009/04/13(Mon) 10:00  No.6755 
yuyaさん
拙計算の間違いを修正いただきありがとうございます。
=甘泉法師=

  投稿者:yuya - 2009/05/25(Mon) 21:24  No.6925 
「ちょっと幾つかの確認」
http://homepage2.nifty.com/eman/statistic/planck2.html
おぉ!この辺りの話をまとめてくださっていたとは。ちょっと感激しました。
とりあえず……デバッグだ!(笑)

・「ウィーンの変位則の求め方」微分計算の3行
第1行の中括弧内第1項の分母…… $e^{h^nu/kT} - 1$ ⇒ $e^{h\nu/kT} - 1$ 
第1行の中括弧内第2項の分子…… $-\frac{n}{kT}$ ⇒ $-\frac{h}{kT}$ 

・「ちょっと注意点」初めの4行のうち、3行目が2行目から変化していません。

・「積分の証明」最後の式 $\displaystyle \sum_{n = 0}^{\infty}$ ⇒ $\displaystyle \sum_{n = 1}^{\infty}$ 

  投稿者:EMAN - 2009/05/25(Mon) 21:43  No.6926 
> とりあえず……デバッグだ!(笑)

 ああ、本当だ、気付かなかった。
 ありがとう!!

 明日午前中にまとめて直します。
(記事の作成キットが手元にないので。)

  投稿者:EMAN - 2009/05/26(Tue) 08:06  No.6929 
 記事中で指摘した wikipedia の記事はもう修正されてますね。
 仕事速っ!(笑

 ありがとん。