EMANの物理学 過去ログ No.6475 〜

 ● EMANさんの量子力学ノートでお願いが

  投稿者:QIT - 2009/03/04(Wed) 05:39  No.6475 
EMANさん

ひとつだけお願いがあるのですが、EMANさんの量子力学の不確定性原理の部分に
<tex>[\hat{E},\ \hat{t}]=i\hbar</tex>
という式があります。これは初学者に誤解を与える式ですので、削除か、より詳しい記述を加えて頂くかのどちらかにして頂ければと思います。

文脈からのかんじでは
<tex>\hat{E}=i\hbar \frac{\partial}{\partial t},\ \ \ \hat{t}=t</tex>
という設定でのお話のように見えます。しかしエネルギーの演算子はハミルトニアンだけしか量子力学にはありません。時間微分の演算子は、異なる時間の波動関数の情報がないと、このハミルトニアンにつながりません。量子力学で物理量と言われるものはエルミート演算子で記述されるものに限っており、ある特定の時刻における量子状態さえ分かれば、その時刻でその物理量の値の測定が可能なものを指します。時間微分演算子はこの性質がありませんし、また時間微分の表式だけではエルミート性も成り立ちません。

さらに時間演算子<tex>\hat{t}</tex>を、時間パラメタと同一視する場合であれば、もっと深刻です。シュレーディンガー方程式の中に現れる時間<tex>t</tex>は観測する物理量ではありませんし、それ対する不確定性を議論することは論理的にナンセンスです。またエルミートな時間演算子はパウリの定理によって、固有値に下限のないハミルトニアンの系しか定義できません。
(この件は別掲示板(http://hooktail.maxwell.jp/cgi-bin/yybbs/yybbs.cgi の記事No.23050)で詳しい話が書いてます。)

エネルギーを測る解析において<tex>\hat{E}</tex>を基礎として考えてしまう方もいるようですので、誤解を広げないように対応して頂ければと思います。


  投稿者:EMAN - 2009/03/04(Wed) 07:30  No.6476 
 一応、その点には気づいていて、すでに何週間か前から $ \hat{t} $ ではなく $ t $ に直してあるのですが、詳しい注釈を加えようとして、量子力学のページの改修作業はそこでストップしています。

(・・・って、ありゃりゃ、今見たら、変更をアップロードしてない!!)
(はい、今アップロード。)

 しかし一旦、この記述は完全に外した方が良さそうですね。


  投稿者:QIT - 2009/03/04(Wed) 08:38  No.6479 
そうですね。不確定性原理と時間微分演算子は関係ありませんから。その部分はノートからはずされたほうが、スッキリするかと思います。問題の交換関係の式があると、位置と運動量と同様に不確定性関係が出てくると期待してしまうかもしれませんので。

  投稿者:kafuka - 2009/03/04(Wed) 10:58  No.6481 
蛇足とは思いますが、初心者の方が混乱するといけませんので、念のため

>シュレーディンガー方程式の中に現れる時間t は観測する物理量ではありませんし、それ対する不確定性を議論することは論理的にナンセンスです。
>位置と運動量と同様に不確定性関係、、、

もちろん、その通りで、時間微分演算子と不確定性原理は、関係ありませんが、
時間とエネルギーに、全く、不確定な関係がないわけでなく、
別の意味での不確定性関係は、あります。
説明:
エネルギー固有状態の|ψ(t)>の時間発展 |ψ(t)>=exp(-iω0 t)|ψ(0)>
を、|n> に射影したもので表すと、

|ψ(t)>=Σexp(-iωn t)ψ(n)|n>

ですが、エネルギーの期待値<E> を用いて、

|ψ(t)>=exp(-i<E>t/h')Σexp{-i(ωn - <E>/h') t}ψ(n)|n>

と変形できます。
したがって、主要な項の exp{-i(ωn - <E>/h') t} の値が1から顕著にずれないと、
状態の変化は、顕著になりません。(注:絶対値は常に1です。値のことを言っています)
つまり、主要な項の Enが <E> ±ΔE 程度の範囲にあるとすると、
exp{±i ΔE/h' t}の値が1から顕著にずれないと、
状態の変化は、顕著にならないということです。
したがって、状態の変化が、顕著になるまでの時間を、Δtとすると、

ΔtΔE 〜 h'

という関係が得られます。
これを、「時間とエネルギーの不確定性関係」と呼びます。

また、この式は、実用上は、とても便利で、エネルギーの測定値の自然幅などが、
計算できます。
( 新版 量子論の基礎 p194 より)

すいません、ちょっと早とちりがありました。
上記の ΔtΔE 〜 h'を「時間とエネルギーの不確定性関係」と即断しては
いけません。
エネルギー測定値の分散での議論が抜けています。
上記のΔEは、エネルギー測定値の σ程度になるということから、
「時間とエネルギーの不確定性関係」が言えます。

  投稿者:QIT - 2009/03/04(Wed) 15:35  No.6486 
kafukaさん

コメントありがとうございます。

いろいろ確認をさせてください。

>これを、「時間とエネルギーの不確定性関係」と呼びます。
>また、この式は、実用上は、とても便利で、エネルギーの測定値の自然幅などが、計算できます。( 新版 量子論の基礎 p194 より)

ということですが、説明された関係性のことを清水先生(?)の教科書では「時間とエネルギーの不確定性関係」と呼んでいるのでしょうか。それともkafukaさんが呼ばれているのでしょうか。

Δtだけ時間が経過した時に、どれだけ波動関数が変化するかは、初期波動関数のエネルギー(ハミルトニアン)の分散ΔEに依存しており、「定性的には」ΔEΔt〜 h'という関係性があるということですよね。


>エネルギー測定値の分散での議論が抜けています。
>上記のΔEは、エネルギー測定値の σ程度になるということから、
>「時間とエネルギーの不確定性関係」が言えます。

という部分ですが、もちろんエネルギーの分散も議論に必要ですが、時間のΔtのほうが、重要です。これがなんらかの意味で時間測定の分散であればいいのですが、ご説明の中では時間パラメタの間隔になってますよね。実験の始めから終わりまでの時間差という意味であり、これは誤差とか不確定さの意味を持たず、はっきりした値が確定している概念です。

これは従来の位置と運動量の分散の関するケナード-ロバートソンの不確定性関係不等式
<tex>\Delta x \Delta p \geq \frac{\hbar}{2}</tex>
とは、思想も定義も異なる関係式ですよね。

従来型の不確定性関係の後で、説明なくkafukaさんタイプの時間とエネルギーの不確定性関係があるという解説の流れは、初学者の理解には混乱が生じると思います。


  投稿者:QIT - 2009/03/04(Wed) 17:36  No.6487 
エネルギー演算子を
<tex>\hat{E}=i\hbar\frac{\partial}{\partial t}</tex>
であると教えることの最も問題な点は、位置演算子<tex>\hat{x}=x</tex>と運動量演算子
<tex>\hat{p}=-i\hbar\frac{\partial}{\partial x}</tex>
から構成される任意の物理的演算子(エルミート演算子)<tex>A(\hat{x},\hat{p})</tex>とエネルギー演算子<tex>\hat{E}</tex>が演算子として可換なために、エネルギーと<tex>A</tex>には同時測定可能な状態があると勘違いしてしまうことです。

つまり時間微分と、位置座標及びその微分とが交換するため
<tex>\left[\hat{E},\ A(\hat{x},\hat{p}) \right]=0</tex>
と思って、
<tex>\Delta E \Delta A = 0</tex>
となる状態があるという間違いをしてしまうことはありがちではないでしょうか。

  投稿者:kafuka - 2009/03/05(Thu) 00:08  No.6489 
QITさん
お読み頂き、ありがとうございます。

先の文章は、清水明「新版 量子論の基礎」p194を、自分なりに詰めて書いたものです。
早とちりがあったので、ごやごちゃしてますが、
清水博士の論旨は変えてないつもりです。
(本と違う所に気づいた方は、コメントして頂ければ幸いです)

>説明された関係性のことを清水先生(?)の教科書では「時間とエネルギーの不確定性関係」と呼んでいるのでしょうか。
そうです。
(最初のΔtΔE 〜 h'の ΔEがエネルギー測定値のσ程度になる とした後で、ですが)
>ケナード-ロバートソンの不確定性関係不等式
<tex>\Delta x \Delta p \geq \frac{\hbar}{2}</tex>
>とは、思想も定義も異なる関係式ですよね。
そうです。清水博士は、
「3.9節で述べた不確定性関係とは全く別物である。上式のΔtは、時間の測定値のばらつきではない からである」
と書かれています。

>従来型の不確定性関係の後で、説明なくkafukaさんタイプの時間とエネルギーの不確定性関係があるという解説の流れは、
>初学者の理解には混乱が生じると思います。
その通りだと思います。
この本では、「時間発展演算子」を説明した後で(従来型の不確定性関係のずっと後)書かれています。
以下は、僕の憶測ですが、
「従来型の不確定性関係」しか説明しなかったら、
初学者は、それこそ、位置と運動量と同様に不確定性関係が出てくると期待してしまうかもしれません
逆に全く不確定性関係はない としたら、エネルギーの測定値の自然幅を簡単に求める根拠が
なくなります。
論旨がずれますが、仮想光子を「時間とエネルギーの不確定性関係」で
説明している本は、よく見かけます。
例えば、「ディラック現代物理学講義」ちくま文庫版p74(仮想光子とは書いてありませんが)
(まぁ、ちゃんと学ぼうという人には、じゃま と言われればそれまでです)

>Δtだけ時間が経過した時に、どれだけ波動関数が変化するかは、初期波動関数のエネルギー(ハミルトニアン)の分散ΔEに依存しており、「定性的には」ΔEΔt〜 h'という関係性があるということですよね。
については、ちょっと待ってください。

それから、人から聞いた話ですが。、
「時間演算子とエネルギーの関係」について、
D. T. Pegg, "Complement of the Hamiltonian," Phys.Rev. A 58, 4307 (1998)
に、追求されているとのことです。

  投稿者:kafuka - 2009/03/05(Thu) 02:05  No.6490 
QITさん No 6487 ですが、

> 、、、の物理的演算子(エルミート演算子)<tex>A(\hat{x},\hat{p})</tex>とエネルギー演算子<tex>\hat{E}</tex>が演算子として可換
が疑問なのですが、、、

フォンノイマンの一意性定理により、シュレーディンガ表示の帰結は、ハイゼンベルグ表示の帰結と
一致するので、ハイゼンベルグ表示で考えてみます。

ハイゼンベルグの方程式
d/dt A=[A H]/ih'
において、A=x とすると、一般には、[x H]≠0 です。
つまり、x と H は交換しません。
で、E|ψ>=H|ψ> です (シュレーディンガ表示の意味ではありません)
今の場合、ハイゼンベルグ表示なので、|ψ> は、時間発展しません。
したがって、
x と E は交換しないと
思うのです。
この導出は、憶測と言われればそれまでなので、「新版 量子論の基礎」p189付近に、
E|ψ>=H|ψ> からハイゼンベルグ表示を導いていますので、それを参考に
後で、ちゃんとやってみます。

上記では、納得されないと思いますが、甘泉法師さん によると
http://folomy.jp/heart/?m=pc&a=page_c_topic_detail&target_c_commu_topic_id=1468&direc=1&page=10
の#578

ポテンシャルエネルギーのある系では、
運動量固有状態|p>のエネルギー表示
 |p>={∫dp and/or Σ} |E><E|p> = {∫dp and/or Σ}ξ(E)|E> ,ξ(E)=<E|p>

エネルギーは 確率(密度) |ξ(E)|^2 で、さまざまな観測値をとる。
エネルギーと運動量は非可換で同時固有状態はありえない。

とのことです。

尚、参考までに、、、
(Σで通していますが、正しくは積分です)
|ψ>の|p>への射影から、
|ψ>=Σ|p><p|ψ>=Σψ(p)|p>     ψ(p)が運動量表示の波動関数

また、ψ(E)=<E|ψ> ですので、
ψ(E)=Σψ(p)<E|p>
であり、
甘泉法師さんの ξ(E)=<E|p> から、
ψ(E)=Σψ(p)ξ(E)
という関係となります。

ψ(E)って、なんかようわからんですが、
ψ(t)=<t|ψ>   ψ(t)=Σψ(E)<t|E> ですので、

ψ(t)=∫dE ψ(E)exp(-iwt)

これは、ψ(t)とは、フーリエ変換の関係になっていますので、
ψ*(E)ψ(E)は、エネルギースペクトルと思われます。

あっ、ψ(t)でフーリエ変換を議論するのは誤りだったような気が、、、

  投稿者:QIT - 2009/03/05(Thu) 05:22  No.6491 
清水明「新版 量子論の基礎」という本を持っていないでチェックできないのですが、ちゃんと断って書かれているならば、大丈夫でしょうね。

確かに今のような場合でも、時間とエネルギーの不確定性と呼ぶ人もいますが、清水先生がちゃんと言っていますように、本当の意味での不確定性原理ではありません。

概念がごっちゃになった歴史的経緯のなかで、そのように古くから言葉が誤用されているケースです。

有限時間Tの遷移振幅を摂動論で求める際にも、エネルギー保存則を表すデルタ関数が幅ΔEをもつ鈍った関数に変わりますが、これもよく不確定性と呼ぶ場合があります。これも典型的な言葉の歴史的誤用です。

これはむしろ量子状態区別や量子推定の枠組みの話であり、「逆に全く不確定性関係はない としたら、エネルギーの測定値の自然幅を簡単に求める根拠がなくなります。」とありましたが、時間とエネルギーの不確定性が根拠ではありません。

つまり有限時間の系の発展後の量子状態を区別する精度の問題であり、
これは量子推定理論に根拠を求めるというのが正確であるというのが私の意見です。

摂動論や清水先生の議論は応用の上で役に立つけれど、定義や根拠のないエネルギーと時間の不確定性関係から「導かれた」ものではありません。

実際、
<tex>\left[i\hbar \frac{\partial}{\partial t},\ t \right]=i\hbar</tex>
という式すら導出に使用していませんよね。

むしろそんな適当なものを使わずに、自前の問題設定からきちんと直接欲しい結論を求めています。

ですから、概念を整理して、何を不確定性原理と呼ぶかを定義したほうがいいと思います。



  投稿者:QIT - 2009/03/05(Thu) 05:26  No.6492 
「> 、、、の物理的演算子(エルミート演算子)とエネルギー演算子が演算子として可換
が疑問なのですが、、、

フォンノイマンの一意性定理により、シュレーディンガ表示の帰結は、ハイゼンベルグ表示の帰結と
一致するので、ハイゼンベルグ表示で考えてみます。」

とありますが、理論としてシュレーディンガー描像とハイゼンベルグ描像は同じです。しかし確率解釈に基づいた不確定性関係を導出する場合、その物理量の演算子は、シュレーディンガー演算子だったでしょうか?それともハイゼンベルグ演算子だったでしょうか?これを踏まえて頂かないと混乱すると思います。



  投稿者:QIT - 2009/03/05(Thu) 05:42  No.6493 
「それから、人から聞いた話ですが。、
「時間演算子とエネルギーの関係」について、
D. T. Pegg, "Complement of the Hamiltonian," Phys.Rev. A 58, 4307 (1998)
に、追求されているとのことです。」

情報ありがとうございます。

時間演算子の研究の歴史は長く、現在でも数学者も含めて研究が続いています。

最近の流行は間接測定まで含んだ一般的な測定理論であるpositive operator
valued measure (POVM)測定理論の枠組みで、時間測定をどのように行うかという話や、エルミートではなくsymmetric演算子でしかない時間演算子の議論が続いているようです。

例えばsymmetricな時間演算子の話として、古くはアハロノフとボームが提案した、自由粒子系における時間演算子
<tex>\hat{T}=-\frac{m}{2}\left(\hat{x}\hat{p}^{-1}+\hat{p}^{-1}\hat{x} \right)</tex>
というものが有名です。

これは状態空間としてのヒルベルト空間全体では演算子になっていません。ところが、運動量表示の波動関数のうち、<tex>p=0</tex>の周辺で急激に零になっている関数の集合の上では定義されます。そして
<tex>\hat{H}=\frac{\hat{p}^2}{2m}</tex>
というハミルトニアンに対して
<tex>[\hat{H},\ \hat{T}]=i\hbar</tex>
という正準交換関係を満たします。そしてその状態族についてだけ、内積に関して演算子としてのエルミート性が成り立ち、従来型の不確定性関係の不等式も得られます。

しかし全体のヒルベルト空間においては演算子にすらなっていないため、パウリの定理に矛盾しないという構造になってます。

またパウリの定理に矛盾しないエルミートな時間演算子は、坂を転がる粒子で実現できます。詳しいことは下記の掲示板で詳しく説明されてます。
http://hooktail.maxwell.jp/bbslog/23005.html


従って、もし演算子<tex>\hat{E}</tex>の固有状態があるとして出てくる
<tex>\langle E|\left[ \hat{E}, t\right]|E'\rangle=t(E-E')\delta (E-E')=0\neq i\hbar\delta (E-E')</tex>
という矛盾は、坂を転がる粒子の場合に起きません。

<tex>\langle E|\left[ \hat{H}, \hat{T}\right]|E'\rangle= (E-E')\langle E| \hat{T}|E'\rangle= i\hbar\delta (E-E')</tex>
という式から
<tex>\langle E| \hat{T}|E'\rangle=-i\hbar \delta' (E-E')+c\delta (E-E')</tex>
という関係式を得ることになるだけです。ここで<tex>c</tex>は未定の定数です。

なお最後のステップでは
<tex>-x\delta'(x)=\delta (x)</tex>
という公式を使いました。

  投稿者:kafuka - 2009/03/05(Thu) 08:10  No.6494 
そうそう、TOSHIさんが「エネルギーと時間の不確定性関係」について
書いておられます。
http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_7692.html
です。

  投稿者:QIT - 2009/03/05(Thu) 08:24  No.6495 
TOSHIさんの記事見ました。かなり独自性の強い前提、および理論のようでよく理解できませんでした。標準的な量子力学を超えて、新しい量子論を提案されている方ですか?

  投稿者:kafuka - 2009/03/05(Thu) 08:32  No.6496 
僕のようなトンデモが紹介したので、誤解されたのだと思います。
まっとうな方です。
日本ブログ村「物理学」では、T_Nakaさんとならんで、非常に評価が高いです。
また、http://folomy.jp/heart/ のサブマネージャもされておられます。

  投稿者:QIT - 2009/03/05(Thu) 09:17  No.6497 
でも教えて頂いた記事に関しては、ちょっと通常の量子力学や場の量子論の理解を超えているのではないかと思います。


  投稿者:TOSHI - 2009/03/05(Thu) 10:53  No.6499 
 はじめまして,QITさん。kafukaさんに紹介していただいたTOSHIと申します。

 浅学非才にもかかわらず旧Nifty「物理フォーラム」から引き継いだfolomy「物理フォーラム」のサブマネージャーをやらせてもらっています。ここでもときどき投稿させていただいています。

 実は標題の話については既にkafukaさんからクレームのコメントいただいて半年後にもお答えする形で同じ内容ですが http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/2006_881d.html を書いています。

 まあ,QITさん,kafukaさんをはじめ,通常の観測に関わる中間仮想状態の意味での時間とエネルギーの不確定性の話も理解し認めた上でこうも考えられないかと持論を述べただけなのですが,新理論を述べたつもりはありません。
 
 しかし何かおかしいとかトンデモであるとか感じられたなら,忌憚無く具体的にご指摘ください。自分が納得すればこれまで通りすぐにでも訂正なり謝罪をします。まあ,掲示板ではなく個人のブログですから好き勝手に書いていますが聞く耳はあります。むしろ反論でもなんでもコメントが少ないのがさびしいです。

 まあ,単に相対論の時空ではxもtも座標パラメータとして対等なのに,なぜ量子論では時間だけ特別扱いなのかなという疑問を感じて対等に扱えばどうなるのか?と思って書いただけです。おそらく朝永さんの超多時間理論のような定式化でないならxと比べて交換関係は同時刻のそれなので,tが特別なのは仕方ないのかなとは思っています。

 QITさん。。以後よろしくお願いします。
                        TOSHI

  投稿者:kafuka - 2009/03/05(Thu) 13:15  No.6500 
TOSHIさん、甘泉法師さん
お手数ですが、ちょっと教えて下さい。

Folomyの「箱の中の粒子の運動量」の長〜い議論のなかで、
>エネルギーと運動量は非可換
というのが出てきたと記憶しています。( http://folomy.jp/heart/?m=pc&a=page_c_topic_detail&target_c_commu_topic_id=1468&direc=1&page=10 の#578)
で、僕は、No6490 のように理解しています。

QITさんは、No6487において、
>時間微分と、位置座標及びその微分とが交換する
とおっしゃられています。
ここで、時間微分は、E^に対応し、時間演算子のことではない
と思います。
(読み違いだったらお詫びします)

どう理解したらよいか、恐縮ですがアドバイス下さいませんでしょうか。
1.時間微分とハミルトニアンは交換
2.ハミルトニアンと運動量は交換しない
∴ 時間微分と運動量は交換しない場合がありえる と即断できないのは、何故かということです。

  投稿者:QIT - 2009/03/05(Thu) 16:01  No.6501 
TOSHIさん、はじめまして。

いろいろと気になるところがあります。まず確認ですが「新理論を述べたつもりはありません。」という意味は量子力学にしろ、場の量子論にしろ、標準的な理論の範疇の議論であるという主張でよろしいでしょうか。標準的ではない独自理論でもこちらは最初から偏見をもつことはありませんので。

すみませんが、こちらの掲示板に記事をコピーさせて頂きます。そしてそれにコメントを別メッセージで書かせて頂きます。

以下
http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/2006_881d.htmlからの引用。

引用開始:

blogs.yahoo.co.jpのentangled74様から教えて頂いたことですが,時間は物理量ではないようです。

[E,t]=ihbarを仮定した場合,エネルギー固有状態<E_n|と|E_m>で交換関係をはさむと,
 (E_n-E_m)=ihbar δ_nmになります。これはおかしいですから,
 仮定した交換関係は正しくないです。
(D. T. Pegg, "Complement of the Hamiltonian," Phys. Rev. A 58, 4307 (1998)

というものです。

 「時間は物理量ではないようです。」というのは常識的な考えであり,私もちゃんとした根拠があればそれに従いたいという気持ちが大いにあるのですが,「エネルギー固有状態(energy eigenstate):<E_n|と|E_m>で交換関係(commutation relations)をはさむ」というのはいただけません。

 エネルギー固有状態<E_n|と|E_m>というのは,既にある時刻(time)における同時的なエネルギー固有状態ベクトル(simultaneous eigenvectors)を仮定していますが,そもそも[H,t]=ihbarであるという意味は,運動量(momentums)と空間位置座標(spacial positions)と同じく,エネルギー(energy)と時刻も同時に決定(determine)することはできない,つまり両方の共通の固有状態ベクトル(common eigenvector)は存在しない,という意味ですから,それを否定するのにそうした時刻を単なるパラメータ(parameter)と考えた定式化(formulation)で対応するならば,矛盾(contradiction)を生じるのは当たり前ですね。

 「これ=固有状態ではさむこと」を運動量と位置の場合に行っても,矛盾が起きないだろうと思うのは,この定常固有状態(stationary eigenstate)が時間と運動量との共通の固有状態であっても位置座標と運動量の共通の固有状態ではないからです。

 つまり,1次元で考えると <p| [ x , p ] |p'>=(p'−p)<p | x | p'>=iδ(p−p')となりますが,<p | x | p'>においては x をc-数(c-number)パラメータではなく,例えば運動量表示(momentum representation)の x = i (∂/∂p) とすれば,運動量表示では| p0>=δ(p−p0) なので辻褄は合うでしょう。

 これをふまえて,時間 t についても t=−i(∂/∂H) とすれば位置と対等(equivalent)ではないでしょうか?

 一応,下に,過去記事と同じ内容を再掲しておきます。

 「EMANの物理学」→http://homepage2.nifty.com/eman/ の「談話室」での内容に触発されて,「エネルギーと時間の不確定性」という内容で書いてみたいと思います。




ハイゼンベルクの不確定性原理(Heisenberg uncertainty principle)の解釈は「測定誤差に関する小澤の不等式」の意味ではなくて標準偏差の積の不等式(inequality of the product of standard deviations)と考えるのが通常の意味であり,不確定性原理は物理量(physical quantity=observable)の交換関係と密接につながっているという認識を持っています。




以下,プランク定数(Plank constant):hや光速(speed of light):cを1とする自然単位系(natural unit system)で考察します。




[P,X]=−iという交換関係はPの標準偏差ΔpとXの標準偏差Δxの間にΔpΔx≧1/2 という不確定性関係を生ぜしめます。座標表示(position represantation)ではP=−i∂/∂Xですね。




同じく,時間座標tの表示でE=H=i∂/∂tで [E,t]=iですから ΔEΔt≧1/2 なのですが,これの意味(meaning)を"時刻とエネルギーを同時に確定することができない。"と素朴に解釈することがむずかしいのは何故かを考察してみます。




一般に状態ベクトル(state vector)を|ψ>とするとき,その波動関数(wave function)をψ(x,t)≡<x,t|ψ>で定義すると|ψ(x,t)|2d3xdtがある時空点(space-time point):(x,t)付近の瞬間的存在確率(instantaneous probability of existence)を示すものであると解釈できます。

 

つまり,|ψ(x,t)|2d3xはある時刻tにおける単位時間当たりの存在確率(existence probability per unit time)と解釈しています。ここでは座標と時間の線形演算子(linear operators)であるXとTとが交換可能(commutable)でXとTの同時的固有状態ベクトル(simultaneous eigenvector)|x,t>が存在すると仮定しています。




自由粒子(free particle)ならE=HとPが交換可能であり,(これはハイゼンベルク(Heisenberg)によると運動量期待値(expectation value of momentum):pの時間的保存(conservation)を示しています)運動量PとエネルギーE=Hの同時的固有状態を取ることができて,そのベクトルを|p,E>と置くならば,座標表示P=−i∇,およびE=H=i∂/∂tによって<x,t|p,E>=Aexp(ipx−iEt)(Aは規格化定数:normalization constant)となります。

 

しかし,いわゆるフーリエ変換による展開(expansion by Fourier transformation)でψ(x,t)=<x,t|ψ>=∫d3pdE<x,t|p,E><p,E|ψ>とはならないと考えるべきだと思います。




何故なら,1=∫d3pdE|p,E><p,E|という完全性(completeness)は今の場合の自由粒子には成立しなくて自由粒子のpとEの間には質量殻の上(on-massshell)にある,つまりE2=p2+m2である,という制約(constraint)があるので,1=∫d3pdEθ(E)δ(E2−p2−m2)|p,E><p,E|というのが真の完全性であると考えられるからです。(ただしθ(x)はヘヴィサイドの関数(Heaviside's function)です。)

 


ここでdEによる積分(integration)を実行しωp≡(p2+m2)1/2と置くならば完全性は,1=∫(d3p/2ωp)|p,ωp><p,ωp|となります。

 

したがって,<ψ|ψ>=∫(d3p/2ωp)<ψ|p,ωp><p,ωp|ψ>=∫(d3p/2ωp)|<p,ωp|ψ>|2となるので,固有状態を|p>≡(2ωp)1/2|p,ωp>と定義し運動量表示の波動関数としてΦ(p)≡<p|ψ>とおけば,1=∫d3p|p><p|が成立し状態のノルムの2乗(square of norm):|ψ|2(全確率で通常は1に規格化される)は<ψ|ψ>=∫d3p|Φ(p)|2となりますね。

 

これらのことから,運動量表示の波動関数Φ(p)に対して|Φ(p)|2d3pはエネルギーが一定:E=ωpの下で運動量がpをとる確率を示すものであると考えられます。




これのアナロジー(analogy)で座標表示の波動関数ψ(x,t)=<x,t|ψ>にも,1=∫d3xdt|x,t><x,t|が成立するわけではなくて,E2=p2+m2に相当してtとxが独立ではなく,"−∂2/∂t2=−∇2+m2という制限=波動方程式"があり,このことから|x,t>の代わりに,Xの固有ベクトル:|x>を定義し直して1=∫d3x|x><x|によって,改めてx表示波動関数としてψ(x,t)=<x|ψ>と定義することにより,<ψ|ψ>=∫d3x|ψ(x,t)|2が成立するようにできるはずです。

 


こうすれば|ψ(x,t)|2d3xが時刻tが一定の下で粒子が位置xにある存在確率を表わすことになり,通常の波動関数の確率解釈と一致します。  




ここで波動関数ψ(x,t)=<x|ψ>の左辺にtを残したのは,これが状態|ψ>に含まれる情報(information)によって時間演算子(time operator):Tの固有値(eigenvalue):tの関数でもあるということを強調したかったからです。




というわけで,時間tをパラメータにとらずに空間座標x,y,zのいずれか一つをパラメータにとることも可能であり,通常の偏差値の意味でΔEΔt≧1/2 を"時刻とエネルギーを同時に確定することができない。"と捉えることも可能だと思います。

  

※あるいは非相対論的(non-relativistically)に考えて自由粒子でE=H=p2/(2m)より,1=∫d3pdEδ(E−p2/(2m))|p,E><p,E|より,Eで積分すればωp=p2/(2m)として1=∫d3p|p,ωp><p,ωp|が得られるので,|p>=|p,ωp>と定義してもよいし,座標 x,tに関する波動方程式もクライン・ゴルドン(Klein-Gordon equation)やディラック方程式(Dirac equation)でなくてシュレーディンガー方程式(Schrödinger equation)であっても上記の議論では別にかまわいません。

 

そこで,特に相対論(theory of relativity)を意識する理由はありませんが,座標と時間を対等に扱う意識が生まれたのはミンコフスキー空間(Minkowski space)以降の感覚だと思ったのでそうしたわけです。だから特に相対論的扱いをしたことに他意はありません。

引用終了






  投稿者:QIT - 2009/03/05(Thu) 16:25  No.6502 
TOSHIさん

まず最初にわからなくなるのは、相対論的理論の以下の部分からです。

「一般に状態ベクトル(state vector)を|ψ>とするとき,その波動関数(wave function)をψ(x,t)≡<x,t|ψ>で定義すると|ψ(x,t)|2d3xdtがある時空点(space-time point):(x,t)付近の瞬間的存在確率(instantaneous probability of existence)を示すものであると解釈できます。


まず次のことにお答え頂けないでしょうか。

(1)<x,t|で表記されている状態の定義はなんですか?

(2)|ψ(x,t)|2d3xdtが(x,t)付近の瞬間的存在確率であるという意味と正当化の仕方を教えてください。

相対論的場の理論では、ナイトによって次のことが知られています。

相対論的自由場の理論の量子状態において、ある空間領域にだけ励起が集中し、その外側領域では真空と属性が変わらない量子状態は、1粒子状態の線形重ね合わせでは書けない。

証明は以下の論文にあります。J. Knight, Journal of Mathematical Physics, vol 2,(1961) p 459.

このことが意味するのは、非相対論的場の理論とは異なり相対論的場の理論では、位置<tex>\vec{x}</tex>だけに粒子が1つあるという量子状態は存在しないということです。

場の理論では、非相対論的量子力学とは異なって、基本的に多粒子理論になってしまうというのが原因です。これは例え自由場でもです。

これを定性的に理解するのは、粒子の位置測定を考えればいいです。

ある特定の位置に局在する粒子を測定によって確認する場合、測定後の状態は局在度が大きいほど高いエネルギー状態になります。これはフーリエ解析で考えれば自明で、高い運動量状態があらわれるからです。

このため位置の測定を行う場合には、膨大なエネルギーが局所的領域に流れ込む必要があります。このエネルギー注入を材料にして場の中には新たな粒子生成が多く起きて、見たかったたった1つの粒子を見出すことができなくなります。この位置測定における粒子生成という現象は非相対論的場の理論や量子力学にはなかったものです。

このような考察から、非相対論的理論のように位置<tex>\vec{x}</tex>にいる1つの粒子という状態<tex>|\vec{x}\rangle</tex>が存在しない物理的背景も理解できます。

位置だけでさえこうですから、ましてやTOSHIさんの理論に現れた<tex>|\vec{x},t \rangle</tex>という状態は、1つの粒子が<tex>(\vec{x},t)</tex>という点に局在する状態であるとは思えないのです。



  投稿者:QIT - 2009/03/05(Thu) 16:31  No.6503 
TOSHIさん

2つ目にわからない部分は以下のところです。

「|ψ(x,t)|2d3xdtがある時空点(space-time point):(x,t)付近の瞬間的存在確率」、「つまり,|ψ(x,t)|2d3xはある時刻tにおける単位時間当たりの存在確率(existence probability per unit time)と解釈しています。」

ここでお聞きしたいのは規格化条件です。このψ(x,t)はどのような規格化がなされて、そのような確率解釈が可能なのでしょうか。

例えば
<tex>\int^\infty_{-\infty} dt \int_{R^3} d^3 x |\psi (\vec{x},t)|^2 =1</tex>
とかなのでしょうか。


  投稿者:QIT - 2009/03/05(Thu) 16:39  No.6504 
TOSHIさん

次にお聞きしたいのは、時間演算子そのものに関することです。

相対論的場の理論でも、非相対論笛量子力学でも結構ですが、そのどちらに対しても時間演算子を議論されています。

この時間演算子はエルミート演算子なのでしょうか。もしそうでしたらパウリの定理との関係がわかりません。

場の理論でも量子力学でも自由系ハミルトニアンの固有値スペクトラムは下に有界です。

この場合、
http://hooktail.maxwell.jp/cgi-bin/yybbs/yybbs.cgi 
の記事No.23050にも解説されていますパウリの定理からエルミートな時間演算子はないと考えられるのですが、どのように時間演算子を構成されていますでしょうか。


  投稿者:TOSHI - 2009/03/05(Thu) 22:32  No.6506 
 どもQITさん。。TOSHIです。

 いろいろな文献をご存知なようで30年くらい前の学生時代に既にあったらしい理論について当時は特別な関心がなかったせいもあり,常識的なテキストからの知識以外に何も資料を知らずに考えた身としては,できればご紹介の原文を全て見て理解したいと思うので,いずれにしろありがたいことです。

 読んですぐご回答するほど簡単とは思えませんし逆に失礼かと思うので1つずつゆっくりと回答したいと思います。

 それにしてもブログの記事を全文コピーしていただくというのは営利行為ではないですが,私本人がやれば顰蹙ものなのでありがたいことです。私のブログにもコメント欄はあるのでそこで書かれてもいいのですが,ここでやったほうが他の皆様にも参加してもらえるという意味では迷惑でなければいいことですね。。。

 まず,>標準的な理論の範疇の議論であるという主張でよろしいでしょうか。

 については,ひょっとして新しいかも知れないという自分自身の期待はありましたが結局のところは4時空変数の対等性がx,y,z,tのうちtを特別扱いする代わりにxを特別扱いする定式化も可能ではないかという程度のお話になったので,たかだか結局プランク定数の意味さえ説明できないネルソンの確率過程の話程度以下で,標準的な理論の範疇ではないかと思いました。

 要するに毒にも薬にもならない「エーテル」なら存在してもいいよといううな話ではないでしょうか?

 少なくとも公理論では厳密には自由場以外の場は存在し得ないとかの定理もあるらしいのですが,それとは関係なく物理屋の相互作用する場を仮定してのテキトーな定式化での摂動グラフで計算だけはできて実験を再現できるものもあります。くりこみ理論でさえ有効理論という意味しかなくて実験と非常によく合いますが,その明確な意味はまだわかってないでしょう。(実は学生時代の専門が正にQEDで特にトライアングル・アノマリーだったのですが。。)

 時間演算子の存在の可能性不可能性を知ったからといって現実の量子論に何か影響があるのか?というのが私の素朴な疑問で。。それによって何か新しいものが説明できたり現実にほぼ確立されている量子論と矛盾したりするのなら新理論でしょうが。。。

 あとパウリの定理とか知らない知識については教えてください。

>(1)<x,t|で表記されている状態の定義はなんですか?

 <x|というか|x>の定義ならご存知でしょうか?これは位置演算子xの固有状態ベクトルです。

 もちろん,超関数的なディラックの発見的方法はオカシイ,絶対連続であるかどうかもわからないならスティルチェス積分的な測度で表現するのが正しいのでこれは可分なヒルベルト空間のベクトルでないのでそもそも固有ベクトルでさえないという見方もあります。これについても拙ブログでスペクトル展開や可分な基底の取り方について言及した記事も見てご批評ください。

 |x>は実は位置演算子xの固有状態ベクトルではないよ,という類の話なら,またそれはそれで私も厳密には賛成ですから話としてはやってもいいですが,これはまた別機会にしましょう。こうしたことは私よりこういう話が得意なmurakさんやhirotaさんなどにおゆずりしたいくらいです。

 しかしこれはこれでいいということなら|x,t>はもちろん位置演算子x,tの同時的固有状態です。同時というのが時間を意味すると考えると混乱しますがまあ共立するということですね。tという演算子が存在したらというのが前提ですから,とりあえずこうして定式化進めて矛盾があればそれがおかしいという話です。まあ,単なる前提です。

 いや,実はxとtが共立するかどうかというと,これはxとtだけでなくxとyやzが共立するかということともつながるので私はもし演算子tが存在するなら共立すると思っていたのですが,これを運動量空間に翻訳すると順番が逆になりますが|E,p>となるので一般にはEとpが共立しないので後の方で|x,t>と書くことはできないという結論になっています。ここが本質的だったのです。自由粒子では運動量空間でE^2−p^=m^2というのが位置空間で(□+m^2)φ=0なのでpx,py,pz,Eと同じく時空座標x,y,z,tは独立なのは3つだけであるということ,いわゆるポアンカレ群のうち平行移動群に対する不変性の故に最初の私の前提が破れて時間とエネルギーの不確定性が独立に存在するわけではなく,運動量と位置の不確定性を前提とした帰結でしかないという結論になっていて,途中はいざしらずkafukaさんが誤解したかどうかはわかりませんが新理論どころか背理法とか対偶という意味で前提をもとに定式化を進めた結果前提に矛盾が起きるということから従来どおりの定説を補完する結論になっているはずです。

 続きの(2)以降も回答したいのですが,ここまで書いて悪いのですがQITさんに答えるほどの力もありませんし,別にそれほど私があなたのご意見や既存の文献と異なることを主張してるとも思えないのでできれば失礼させてください。そもそもこのボードでこの件について私のブログ記事を出した言いだしっぺは私ではなくkafukaさんでありがたいことですが,私はフムフムなるほどと納得しながらROMしていただけで異論があればあえて黙っている方ではない人間です。


                      TOSHI


 

  投稿者:kafuka - 2009/03/06(Fri) 00:02  No.6507 
>TOSHIさん

No6500の疑問が解けました。
>私はフムフムなるほどと納得しながらROMしていただけで異論があればあえて黙っている方ではない人間です。
とうことが、大きなアドバイスですね。

QITさんは、No6487で、
>時間微分と、位置座標及びその微分とが交換する
とおっしゃられています。
ここで、時間微分は、E^に対応し、時間演算子のことではない
と思います。
(読み違いだったらお詫びします)
これは、
[E^ x]ψ(x,t)=E^(xψ(x,t)) - x(E^ψ(x,t))=(E^x)ψ(x,t)
で、確かに0です。

でも、ハミルトニアンとxは交換しないのに、、、
不思議です。
逆に言うと、時間演算子と相補なエネルギー演算子を、時間微分でない「何か」とすれば、
「ハミルトニアンとxは交換しない」に整合して、
エネルギー演算子「何か」とxは交換しない が言え、すっきりしますね。
もちろん、その場合、時間演算子は tじゃなくなります。


>QITさん

くだらない提案だと思いますが、研究されている「時間演算子」に、
上記の「時間演算子と相補なエネルギー演算子は、xと交換しない」
という条件を入れてみては、どうでしょう。
理由は「ハミルトニアンとxは交換しない に整合する」ただそれだけですが、、、
(笑って無視されて結構です)

  投稿者:TOSHI - 2009/03/06(Fri) 01:10  No.6508 
 どもTOSHIです。

 >kafukaさん。。

 何か忘れていたと思ってたらkafukaさんに答えるの忘れていました。

>時間微分と、位置座標及びその微分とが交換する

 というのは,別に深い話ではなくて,空間が1次元xしかないときの位置座標xや運動量のx表示はp=−id/dxですが,シュレーディンガー表示ではxもpもtの関数ではないのでd/dtはx,pと交換しますが,ハイゼンベルグ表示ではtの関数なので交換しないという程度の話ではないでしょうか?

 たとえばxがシュレーディンガー表示の演算子ならdx/dt=0なので[d/dt,x]=0ですがハイゼンベルグ表示のそれx(t)=exp(−iHt)xexp(iHt)なら,dx(t)/dt=−exp(−iHt)i[H,x]exp(iHt)=−i[H,x(t)]なので[d/dt,x(t)]]=−i[H,x(t)]または[id/dt,x(t)]]=[H,x(t)]という当たり前の意味になるという程度の話ではないでしょうか?

 とにかく量子力学というのはむしろ数学的整合性を持つような定式化をすることに本質的な意味があるような特殊な物理学だとは思いますが,量子力学という数学があるなら,それの公理から出発して演繹するしかないと思います。公理=法則を変えたら新理論になるかも知れませんが実証科学ですから現実と合致しなければ数学としてはいざしらず物理としてはnonsenseですね。。。

                          TOSHI

 

  投稿者:kafuka - 2009/03/06(Fri) 01:34  No.6509 
TOSHIさん

お答え、ありがとうございます。
>時間微分と、位置座標及びその微分とが交換する
の件、やっと理解できました。

QITさんの
>独自理論でもこちらは最初から偏見をもつことはありませんので。
に甘え、ついトンデモを書いてしまいました、すみません。

  投稿者:TOSHI - 2009/03/06(Fri) 01:49  No.6510 
PS:QITさんの相対論と非相対論とでは位置|x>の意味が違うという話に便乗して思い出したので,1939年のWeisskopfのQED前の時代の古い論文を紹介した「TOSHIの宇宙」2006年12/21の記事「電子の自己エネルギーとDirac-sea」を宣伝させてもらいます。興味がおありならごらんください。ただし原論文がSchwingerの「QuantumElectrDynamics」という論文集にあります。今も市販されているし図書館にあるでしょうね。http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_5d9e.html

 今となっては歴史的意味しかありませんがDiracの陽電子論と同じく読み物としては興味深いです。久しぶりについブログ宣伝しました。ゴメンしてね。。>EMANさん。。
                         TOSHI

  投稿者:QIT - 2009/03/06(Fri) 02:57  No.6511 
TOSHIさん

コメント、ありがとうございました。TOSHIさんのHPの他の記事を読ませて頂いたら、確かによく物理をご存じの方だとわかりました。

でもこの時間とエネルギーの不確定性関係の記事だけは、何が言いたいのかようわからん、というのが率直な感想です。

最後にひとつだけお答え頂ければ、私はとりあえず満足なのですが、お願いできまか?

この記事では途中で

「同じく,時間座標tの表示でE=H=i∂/∂tで [E,t]=iですから ΔEΔt≧1/2 なのですが,これの意味(meaning)を"時刻とエネルギーを同時に確定することができない。"と素朴に解釈することがむずかしいのは何故かを考察してみます。 」

というコメントがあり、時間とエネルギーの不確定性関係は、通常とは違うという結論をされるのかを期待すると、最後では

「通常の偏差値の意味でΔEΔt≧1/2 を"時刻とエネルギーを同時に確定することができない。"と捉えることも可能だと思います。」

となって、結局時間とエネルギーの不確定性は通常に意味でOKという主張なのか?と混乱します。

最終的にTOSHIさんは、自由粒子や自由場の理論でケナードーロバートソンの意味での「通常の時間とエネルギーの不確定性関係」は存在すると主張されているのですか?それとも存在しないと主張されているのでしょうか。

これだけお答え頂ければ、TOSHIさんの立場が明確になると思います。

  投稿者:TOSHI - 2009/03/06(Fri) 09:22  No.6513 
>最終的にTOSHIさんは、自由粒子や自由場の理論でケナードーロバートソンの意味での「通常の時間とエネルギーの不確定性関係」は存在すると主張されているのですか?それとも存在しないと主張されているのでしょうか。

 そうですねでは,最後の回答になりますがイエスかノーかと言うと「存在しないと主張されている」という方ですね。。。

 私,自己満足のみで説明下手な文なので,書き直したらいいかもしれませんがkafukaさんにはご理解いただいているようです。

>「通常の偏差値の意味でΔEΔt≧1/2 を"時刻とエネルギーを同時に確定することができない。"と捉えることも可能だと思います。」

 というのは相対論だと非コンパクトなミンコフスキー空間なので,ウィック回転で解析接続して時間軸を虚軸に回転するという強引なユークリッド空間化が許されるか厳密には不明ですが,なぜ4元ベクトル成分のうちの空間座標の不確定性だけが特別で時間は違うのかというのが,この記事を書いた最初の主要な動機でしたからね。

 たとえばこの私の記事のコメントの欄でブラックホールの中では時間と空間が計量的に逆転するそうだとか,私以外の読者の方がお話されてるようですが私の最初の意図とは別の形で,空間座標の1つたとえばxを時間と交換したなら「時間の不確定性も通常の偏差値の意味で捉えることも可能だ」いう条件付きで空間と時間の対等性の問題が解決されたという結論になっています。そしてこんどは「tじゃなくxの不確定性が普通の意味ではなくなります。」というのを付け加えればよかったですかね。。?

 それでちょっとモヤモヤするけれど,従来の定説も私の疑問も同時に矛盾なく解消されたと一応自己満足したという自分なりに閉じた話になっていると思ったのですが。。。

 イヤ私自身が定説と違って持論が正しい新説を見つけたとでも思ったなら,たとえトンデモと思われたり言われたとしても元々失なうものがないのでもっと積極的に自己主張しますよ。。。                 TOSHI

  投稿者:QIT - 2009/03/06(Fri) 09:45  No.6515 
TOSHIさん

コメントありがとうございます。

でもやっぱり私には理解がついていきません。あとはkafukaさんの解説を待つことにします。

「xを時間と交換したなら「時間の不確定性も通常の偏差値の意味で捉えることも可能だ」いう条件付きで空間と時間の対等性の問題が解決されたという結論になっています。そしてこんどは「tじゃなくxの不確定性が普通の意味ではなくなります。」というのを付け加えればよかったですかね。。?」

というのは、ますます???です。

これはたとえば、ある粒子のx位置座標値を特定のものに固定して、過去から未来までy、z平面のどこに顔出すかということが記述できる新しい理論のように聞こえます。

これはこれで面白いと思いますが、標準的理論とは異なる新理論でしょうね。

また、何かの機会に。


  投稿者:QIT - 2009/03/06(Fri) 09:52  No.6516 
EMANさん

長々となってしまっているわけですが、そもそもEMANさんの量子力学ノートの不確定性原理の部分でに、時間微分演算子をエネルギーの演算子と扱っていることに対するクレームが始まりです。

まだノートは適格な形に修正されていないようです。

私としましてはあくまでこの部分は正確でもないし、人々に誤解を与えると思っているので、是非とも削除か丁寧な解説の付加かを望みます。

これはあくまで私個人の意見ですから、EMANさんのお考えで修正しない権利、自由はもちろん尊重いたします。

その場合、見識がない人に勧められないHPという認識を持つだけです。

ご検討頂ければと思います。

以上をもって、私はこのスレッドを終了させて頂きます。

あとはkafukaさんか他の方が新たなスレッドを立ち上げくださるかもしれません。

  投稿者:TOSHI - 2009/03/06(Fri) 10:28  No.6517 
PS:最後と書いたのに恐縮ですが,不確定性関係というのは相補性概念と関連した概念で,運動量は空間座標,エネルギーは時間座標の平行移動群の生成子としての意味があり,φ(x)を粒子場の演算子として4元運動量Pμは,空間原点や時間原点をどこにとってもよいという空間,時間の一様性の反映としてi[Pμ,φ(x)]=∂μφ(x)(x=xμ,μ=0,1,2,3)を満たすことを要求します。

 これがボーア?に始まる相補量の関係で相補量の間には古典論でも量子論でも正準括弧式の関係があります。ご存知のように普通はこれがそのまま古典論→量子論の量子化により生じる不確定性関係を意味する正準交換関係になりますね。

 Pμが平行移動群の生成子というのは,座標原点の0→εの平行移動について場がφ(x−ε)=exp(−iPε)φ(x)=φ(x)−iε[Pμ,φ]を満たすべきことを意味します。

 他のPと比べてP0=Hを特別視する必要も,他のxと比べてx0=ctを特別視する必要もないと考えるのがふつうの感覚だと思ったので,たとえ従来の知見,定説がどうあろうと,よくは知らないのですが例えば非相対論的量子力学なら特別扱いしてもかまわないとかいうのであればこれが不思議だと思う感覚は自然なものではないかと思ったものですから,当該記事を書いたわけです。

 むしろ,時間だけは特別だと思う方がより常識的感覚や偏見にとらわれた感覚だと思いましたから,時間を特別扱いするのが正しいという定理が成立する理論であれば,その理論の方を疑うのもアリかな?と思ったのですが,まあそれほど深刻な問題とも考えてなかったしEMANさんのボードの話題にのぼったのでちょっとくらい考えてみるかなという程度の興味でした。

 というわけで深くは考えず関連文献も見ていないのでオッチョコチョイの私に誤解があることも昔からよくあることもありますからお気づきの点はまたご指摘ください。ただし性格が悪いので気が向かなければシカトします。

>これはこれで面白いと思いますが、標準的理論とは異なる新理論でしょうね。
 
 これは誉め言葉と解釈します。どうもありがとうございます。

 私,本や文献を読んで勉強というかパクリばかりでオリジナリティがありませんんからこのレベルなんです。

 大きくはアインシュタインから相対性理論を自前の知識として自負しているのも量子論その他も誤解してるかもしれませんが正しくパクっているつもりですが,パクリはパクリです。

 むしろオリジナルなイマジネーショがあるというならトンデモさんの方が優れているという意味もありますね。というわけで面白い新理論というイマジネーションについての誉め言葉はありがたいですが。。私が知らないだけで誰かのパクリかも。。。。

          ではまた>QITさん。。                           TOSHI

  投稿者:EMAN - 2009/03/06(Fri) 11:12  No.6518 
> まだノートは適格な形に修正されていないようです。

 分かっています。
 私は周辺事情を把握した上でじっくり自分で考えてからでないと
動きたくない性格なので、都合の悪いところだけさっさと削除とか、
分かったことだけさっさと発表とか、とりあえずつぎはぎ状態にしておくとか、
そういうスマートな動き方がなかなか出来ないのです。
(どうせ直すならまとめて完璧に直したい、という傾向あり。)

 今の仕事が3月中に〆で、じっくり時間が取れるのは
それ以降にはなると思いますが、
半年以上は待たせないつもりでおります。

 まぁ、一つ直し始めれば他にもあって・・・、
量子力学でもそれ以外でも重要な間違いが
いくつか存在していることを把握しておるのですが、
「じゃあ、どう考えれば正しいのか」を把握するのは大変です。

  投稿者:EMAN - 2009/03/06(Fri) 11:21  No.6519 
> その場合、見識がない人に勧められないHPという認識を持つだけです。

 でも、こう思われるのは悲しいので、とりあえずその部分だけ削ってみました。
 根本解決ではないけど、放置よりはかなりましかな。

  投稿者:kafuka - 2009/03/06(Fri) 15:21  No.6521 
QITさん

>あとはkafukaさんの解説を待つことにします。
えっ、僕がTOSHIさんの記事の解説、、、 おっ畏れ多い です。

僕の理解は、、、

TOSHIさんは、当然ながら、
時間とエネルギーの不確定性関係は、通常とは違うという結論
されているのですが、
不確定性関係だけじゃなく、一般的にx、y、z、tにおいて、何故tだけ特別扱いかという点を、
「ブラックホールの中のでは時間と空間が計量的に逆転する」
つまり、
・シュワルツシルド面の内部の空間では、r方向が特別扱い
・普通の宇宙空間では、t方向が特別扱い
ということから、この宇宙を全体として見ると、別にtだけが特別扱いではない
ことが言え、
それから、不確定性関係の話に戻って、
シュワルツシルド面の内部の空間では「tじゃなくxの不確定性が普通の意味ではなくなります」
につながると、僕は理解しています。
(あぁ、数式で詰めた議論ができればなぁ)

尚、何故、量子力学の議論に、計量がでてくるのか? と疑念をもたれると思いますが、
量子力学の中心であるヒルベルト空間=内積が定義された空間 の「内積」というのがくせもので、
通常 <x|ψ> は x†ψ で計算しますが、数学的に厳密に言えば、
<x|ψ>=g(ij)x(i)ψ(j)     g(ij)が計量
です。
で、ブラックホールの中のでは「計量が逆転?する」ので、
<x|ψ>や<t|ψ>の結果は、普通の宇宙空間とは逆符号になる ということです。
そこから先は、理解不足で詰めていません(力及ばずです)
TOSHIさん、補足して頂ければ、ありがたいのですが、、、
(それとも、シカトされるような内容でしょうか)

尚、ブラックホールの中のでは、計量の元が単純に+1やー1には、ならない、
と言われると思います。
シュワルツシルド面付近の重力が太陽の表面程度のものは、現実的と思います。
(佐藤文隆・松田卓也「相対論的宇宙論」で読みました)
この場合は、シュワルツシルド面付近の計量の元は、十分 +1やー1に近いとみなせます。
(逆転はしますが)

おおざっぱな説明で申し訳ありません。

しまった、新しいスレッドにすべきでした。すみません

  投稿者:TOSHI - 2009/03/06(Fri) 18:56  No.6522 
うん,kafukaさんの気持ちはわかりますが私はブラックホールとかまでは考えていません。

 ローレンツ座標程度の話で,慣性系を移れば同時刻は相対的だし,運動する観測者の座標系の時刻t'は別の系のxとtがまざっちゃうのにtだけ特別あつかいしてると不確定性原理の共変性はどうなるの?電車に乗っている人が観測するのとホームに静止?している人が観測するのと対象物の速度(運動量)もエネルギーも違いますが不確定性はどうなのか?という程度の疑問が動機でした。。

                        TOSHI

  投稿者:甘泉法師 - 2009/03/06(Fri) 19:02  No.6523 
N0.6500
>TOSHIさん、甘泉法師さん
>お手数ですが、ちょっと教えて下さい。


呼ばれて飛び出て--- 

1. 
[X,P]=i hbar から x表示で P= -i habr ∂/∂x

D(ε)|x>≡|x+ε>  無限小のεだけずらす演算子 displacement operator を 考える
∂/∂x |x> ≡ {|x+ε>-|x>}/ ε,  ε→0
      = {( D(ε)- 1)/ ε} |x>
解いて D(ε)= 1 + iε P / hbar
無限小でないdのずらしなら
D(d) =(1 + iε P / hbar)^N, ε→0 N→∞,Nε=d
= exp(id P / hbar)
ずらす物理量を明らかに記すと
D_位置(d) =exp(id P / hbar)

2.
p表示で X= i habr ∂/∂p . .....(上と同様。中略)...
有限な運動量dの平行移動
D_運動量(d) = exp(−id X / hbar)

3.
[T,H]=-i hbar から .....(上と同様。中略)...
D_時間(d) =exp(-id H / hbar)
D_エネルギー(d) =exp(id T / hbar)

4.
dの値は −∞≦d≦∞ の任意の数。よって X、P、T、Hの固有値は[−∞,∞]の連続スペクトル。
めでたしめでたし....でないのはH。

事例
離散スペクトル  原子の電子準位 調和振動子 井戸ポテンシャル
最低固有値(基底) 自由空間の粒子の運動 調和振動子 井戸ポテンシャル
中抜け  相対論的粒子のエネルギー E≦-mc^2,mc^2≦E

ハミルトニアンと正準交換関係にある演算子を考えにくい物理系がある。


---え、お呼びでない。お呼びでないね。こりゃまた失礼いたしました!

=甘泉法師=

  投稿者:kafuka - 2009/03/06(Fri) 19:36  No.6524 
QITさん

>ある粒子のx位置座標値を特定のものに固定して、過去から未来までy、z平面のどこに顔出すか
>ということが記述できる

普通の量子力学を、シュワルツシルド面の内部に適用したら、
そのようなことになる と思います。
(詰めたわけでは、ありませんが)

量子力学と別のことを記述している わけではないと思うのですが、、、

  投稿者:kafuka - 2009/03/07(Sat) 00:05  No.6527 
>TOSHIさん

>不確定性原理の共変性はどうなるの?
ですが、以下は参考になりませんか、、、
http://www.hep.princeton.edu/~mcdonald/examples/QM/aharonov_prd_24_359_81.pdf
はずしている可能性大です ^^;

>甘泉法師さん
コメント、ありがとうございました。
無限小のεだけずらす演算子 参考になりました。

  投稿者:甘泉法師 - 2009/03/07(Sat) 15:40  No.6529 
お暇な方は教えてください。

ハミルトニアンがHの物理系について、ある時刻にエネルギーを観測して値E
H|E>=E|E>  を得た。状態はその時刻以降、位相は別にして|E>のままであることがわかる。

さて、この場合へエネルギーと時間の不確定関係をどうあてはめたらよいでしょうか。

=甘泉法師=

  投稿者:TOSHI - 2009/03/08(Sun) 12:21  No.6534 
 年中お暇な方です。

 エネルギー確定は定常状態ですから,ΔE=0,Δt=∞でいかがでしょうか。。
                     TOSHI

  投稿者:kafuka - 2009/03/08(Sun) 12:59  No.6536 
tだけじゃなく、x、y、zについても暇(意味不明)な者です。

「時間とエネルギーの不確定性関係」の時間を「状態の変化が、顕著になるまでの時間」とする立場(No6481参照)
で考えてみます。
「その時刻以前」が定常状態なら、Δt=∞つまり、状態の変化は永久に顕著にならない=状態は変化しない
(トートロジーかな?)
これじゃ、つまらないので、
「その時刻以前」から時間発展してきていて それを理想測定して、
一つの|E> になったとすると、

No6481の議論から、測定結果が 顕著に|E>であるためにかかる時間は ∞
=測定不能???

何かおかしいなぁ。甘泉法師さんの言われたいことは、このことですか?

たぶんですが、p一定の状態を、物理的意味があるように扱うのに、
「波束」とするので、
この場合も、ψ(x、t)を、波束(t軸上での)とすれば、いいと思います。

  投稿者:甘泉法師 - 2009/03/08(Sun) 15:11  No.6537 
TOSHIさん N0.6534 ありがとうございます。

>エネルギー確定は定常状態ですから,ΔE=0,
はい。
>Δt=∞でいかがでしょうか。
Δtの定義は? 定常状態の継続時間つまりライフタイム?
測定終了時刻から(次のエネルギー観測行為までの)時間ならば任意の正の値にとることができるのでΔE=0とあいまって不確定関係の不等号を破るように思うのですが...。

=甘泉法師=

  投稿者:凡人 - 2009/03/08(Sun) 17:08  No.6539 
>測定終了時刻から(次のエネルギー観測行為までの)時間ならば任意の正の値にとることができるのでΔE=0とあいまって不確定関係の不等号を破るように思うのですが...。
もしかすると、「エネルギーと時間の不確定関係」は、ΔE≠0の時だけしか適応出来ないのではないでしょうか?
実際に甘泉法師さんが想定したΔE=0の場合について、『新版 量子論の基礎』p194の(6.46)式に基いて確認されましたでしょうか?
(『新版 量子論の基礎』をお持ちでなければ申し訳ありません。)
<<追伸>>
>実際に甘泉法師さんが想定したΔE=0の場合について、『新版 量子論の基礎』p194の(6.46)式に基いて確認されましたでしょうか?
(6.46)式を確認したところ、私のこのコメントは、KY、且つ自らの無知を曝け出した内容だと気が付きました。甘泉法師さん、大変申し訳御座いませんでした。
ところで、ここでもう一度仕切りなおした上で本件について述べさせていただきたいのですが、「エネルギーと時間の不確定関係」は、δtΔE〜ħなので、ΔE=0の場合はδtΔE=0となるため、成り立たない。(=適応対象外となる。)というのはどうでしょうか?

  投稿者:TOSHI - 2009/03/08(Sun) 20:43  No.6540 
 どもTOSHIです。

 冗談みたいですが,チラッと見て思いつきで書いただけで他意はありません。。

 運動量pが確定(Δp=0)で位置xが全く不確定(Δx=∞)の理想的波束の空間での平面波の状態のexp(ipx)の時間的アナロジーを考えてエネルギーEが確定(ΔE=0)の理想的定常状態exp(−iEt)を考えただけです。ただしプランク定数hとかは省略しています。
                        TOSHI

  投稿者:QIT - 2009/03/09(Mon) 11:14  No.6543 
kafukaさん

TOSHIさんの記事解説を試みて頂いて、ありがとうございます。

ちょっときつい言い方で大変失礼なのですが、kafukaさんの今後の飛躍のために言っていると受けて止めてもらえればと思い、敢えて書きます。

自称トンデモさんを名乗られますが、本気でトンデモさんになってしまうと議論ができなくなります。

ブラックホールの事象の地平面の話と絡めて頂いた部分で、量子力学の状態空間における内積に、時空計量が入ってくるという部分などは、冷静になって頂ければ、トンデモナイ勘違いだとお気づきになると思います。

同じ「内積」という単語だからと言って、確率振幅をだす内積と時空における距離をだす内積をわざとごっちゃにするような議論を展開する方とは、真面目な議論のしようもありません。

量子ポテンシャルや非局所実在論を論じる方々のほうが実に論理的で議論にも実があるかと思います。

kafukaさんの場合、すでにブラックホールや量子力学を学んでいらっしゃる訳です。 ですからご自分でご自分の議論の穴や間違いを探せるようになれるはずです。心落ち着けてご自分の考えを吟味できるまで、私は議論できません。面倒見のいいTOSHIさんのような方々ならば、kafukaさんとのおつきあいをしてくださるとは思いますが、私はできません。



TOSHIさん

TOSHIさんの「時間座標と空間座標の相対論的共変性」と「不確定性関係の非共変性」に対する通常理論の枠組みでの理解を述べます。

前にもコメントしましたが、相対論的場の量子論では、位置座標の演算子<tex>(\hat{x},\hat{y},\hat{z})</tex>は存在しません。従ってそれらが属すかもしれない4元ベクトルの時間成分である時間演算子<tex>\hat{t}</tex>も存在しません。

従って相対論的場の量子論では、厳密なケナードとロバートソンの位置と運動量の不確定性関係はそもそも存在しません。従って同じ意味の時間とエネルギーの不確定性関係も存在しません。

粒子の質量を無限大にとって非相対論的極限の理論を考えたときのみ、厳密な不等式が証明できます。

すこし具体的に書きます。

前にも申しましたように、場の理論は基本的に多粒子理論です。ですからそもそも、その状態空間に作用する粒子の位置演算子という意味が不明確です。1つの粒子状態だけではなく、複数の粒子が存在する状態もあるわけですから。

例えば2個の粒子の状態のとき、位置演算子があるとするとどのような観測値を与えるのでしょうか?1つの粒子の位置座標でしょうか?それとも2つの平均座標値でしょうか?

このように全状態空間で位置演算子を議論するのは、そもそも適当ではありません。

では自由場の理論に限定してその既約表現である部分空間としての「1粒子状態空間」において、位置座標は議論できるでしょうか?以下で考えてみます。

簡単のために空間を1次元にした質量<tex>m</tex>の自由実スカラー場を例にしましょう。3次元にしても本質は変わりません。

以下では光速度やプランク定数を1ととる自然単位系で記述します。

運動方程式は
<tex>\left[ \partial^\mu \partial_\mu +m^2\right]\hat{\phi}(t,x)=0</tex>
です。

正準量子化して
<tex>[\hat{a}_p ,\ \hat{a}_{p'}^\dag]=\delta (p-p')</tex>
という交換関係を満たす粒子の生成消滅演算子が導入されます。場の量は
<tex>\hat{\phi}(t,x)=\int^\infty_{-\infty}\frac{dp}{\sqrt{4\pi E_p}}\left[\hat{a}_p e^{i(px-E_p t)} +\hat{a}_p^\dag e^{-i(px-E_p t)}\right]</tex>
と書けます。ここで
<tex>E_p =\sqrt{p^2 +m^2}</tex>
という相対論的エネルギーの表式を使ってます。

また以下では真空状態を<tex>|0\rangle</tex>で表記しましょう。

運動量<tex>p</tex>をもつ平面波の1粒子状態は
<tex>|p\rangle=\hat{a}_p^\dag |0\rangle</tex>
で与えられます。

もし運動量に共役な位置演算子が存在するならば、それに対応する固有状態は、従来の非相対論の量子力学の知識から
<tex>|x\rangle=\int^\infty_{-\infty} \frac{dp}{\sqrt{2\pi}}e^{-ipx} |p\rangle</tex>
がその固有状態のはずです。(ちなみにこの状態は
<tex>\langle x|x'\rangle=\delta (x-x')</tex>
という規格化条件を満たしています。)

さて以下で、場の理論の意味においてこの状態は位置<tex>x</tex>に局在する1粒子状態を意味しないことを論じましょう。

基本かつ重要なコメントとして最初に言いますと、場の理論での局所性はもともと定義(構成)において、状態ではなく演算子そのものに課されています。

例えば場のシュレーディンガー演算子<tex>\hat{\phi}(x)</tex>とその共役運動量演算子<tex>\hat{\Pi}(x)</tex>は局所的性質をもつということからスタートします。

それらの交換関係もこの局所性と矛盾しないように
<tex>[\phi(x),\  \phi(x')]=0,\  [\phi(x),\ \Pi(x')]=i\delta(x-x'),\ [\Pi(x),\ \Pi(x')]=0</tex>
となっています。

ある空間領域<tex>V</tex>における局所的操作はすべて<tex>x\in V</tex>を満たす場の演算子とその共役運動量演算子で構成されるハミルトニアンで生成されるものとなります。

例えば
<tex>\hat{U}_V =\exp\left[-iT\int_V h\left(\hat{\phi}(x),\hat{\Pi}(x)\right)dx \right]</tex>
で構成されるユニタリ変換を状態に作用することが、場の理論における局所的操作ということになります。

<tex>V</tex>の内部の局所的操作<tex>\hat{U}_V</tex>を真空状態に作用して得られる状態
<tex>|V\rangle =\hat{U}_V |0\rangle</tex>
などは、厳密に<tex>V</tex>周辺に局在化した状態と言うことができるのです。

なぜならば、<tex>V</tex>と重ならない、離れた別の空間領域<tex>V'</tex>を考えた場合、そこの場の演算子で計算される様々な量は、真空状態で計算した量に厳密に一致するからです。

例えば<tex>y,y'\in V'</tex>としますと
<tex>\langle V| \hat{\phi}(y) \hat{\phi}(y')|V\rangle=\langle 0|\hat{\phi}(y)\hat{\phi}(y')|0\rangle</tex>
が厳密に成り立ちますね。

このことは、<tex>|V\rangle</tex>は領域の外では真空状態(励起がない状態)になっていて、励起は領域内部の限定されているということを意味してます。

ちなみにこの<tex>|V\rangle</tex>は1粒子状態の重ね合わせで構成できません。これは前にご紹介しましたナイトの結論から導かれますし、直接確かめることもできます。

さて、位置演算子の固有状態かもしれない1粒子状態<tex>|x\rangle</tex>に話を戻しましょう。

残念ながら、この状態は<tex>x</tex>に局在した励起状態であることが言えません。

例えば<tex>y\neq x,\ y'\neq x</tex>を満たす場合に
<tex>\langle x|\hat{\phi}(y)\hat{\phi}(y')|x\rangle\neq \langle 0|\hat{\phi}(y)\hat{\phi}(y')|0\rangle\langle x|x\rangle</tex>
となってしまいます。

従って、この状態は特定の位置にデルタ関数的に局在する1粒子状態ではなく、空間的にぼんやりと広がっている状態であることがわかります。

次元解析的に見ると、その空間的広がりの程度は質量から決まるコンプトン波長程度(<tex>\sim1/m</tex>)であることがわかります。

もし質量を無限にする極限<tex>m\rightarrow \infty</tex>をとって非相対論的扱いをするならば、<tex>E_p \sim m</tex>という関係から、状態<tex>|x\rangle</tex>は厳密に<tex>x</tex>にデルタ関数的に局在することが示せます。

これらの考察から相対論的場の量子論では、1粒子の位置固有状態を作ろうとしても、粒子のコンプトン長さ程度より局在させられないことがはっきりしますね。

従って位置演算子も厳密に存在しないし、1粒子に対する位置と運動量のケナード不等式も存在しません。

それらは非相対論的極限で現れる近似的概念なのですね。

ですから、TOSHIさんが気にされていた、不確定性関係の非共変性も相対論的量子力学や場の理論の見方からは、必然といえます。

非相対論的極限での概念なので、共変性を持ちようがないのですから。



なお、すでにEMANさんは、ノートの修正を終えてくださったようなので、
このスレッドでの議論は終了して頂いて、別のスレッドを立ち上げて、別タイトルをつけて頂けないでしょうか?


:::::::::::::::::::

一部、式の欠落を修正しました。

  投稿者:甘泉法師 - 2009/03/09(Mon) 12:03  No.6544 
kafukaさん 凡人さん TOSHIさん  ありがとうございます。
ご説明から以下のように考えました。

1.エネルギーから発して 

 エネルギースペクトルが狭く立った状態は長持ちするが、
 エネルギースペクトルがゆるく幅をもつ状態はすぐ変わる、
 (エネルギーの標準偏差)*(状態が顕著にかわるのに要する時間)≧hbar。

 エネルギーの”太さ”によって「細く長く生きるか太く短く生きるか」決まるということですね。 この問題設定では ΔE=0から発してΔt=∞。

2.時間から発して

 この問題設定ではエネルギー測定から次のエネルギー測定までの時間をいくら短くしようと
 エネルギーの繰り返し測定で状態はかわらず|E>であり続けるので
 (エネルギー測定の時間間隔)*(新旧のエネルギー測定値の差の標準偏差)= 0
 積は不確定関係にならない。
 これは不確定関係のΔtとΔEにまちがった量をあてはめた例ということなんでしょうね...。

 =甘泉法師=


  投稿者:甘泉法師 - 2009/03/09(Mon) 15:00  No.6549 
(N0.6544の続き) 
3.Δtはエネルギー測定中の時間

Ref.
有限時間の測定では、エネルギーが正確に決められないことを意味している。
http://www.phys.asa.hokkyodai.ac.jp/osamu/lectures/qm/node16.html

この問題設定において
エネルギーを観測したある時刻(t=0としよう)で瞬間に観測が行なわれるのでなく
t=0は測定過程終了の時間。
正しくは無限の過去からの時間t〔−∞,0〕,Δt=0-(-∞)=+∞の測定時間を費やして
ΔE=0が得られている。

(エネルギー測定過程の時間)*(エネルギー観測値の標準偏差)≧ hbar

このままほおっておけば状態は|E>のままであるものを、あえて手をだしt>0の時刻から有限時間Δtしかかけない雑な測定過程を行なってしまうと、エネルギーの標準偏差が必ずhbar/Δtよりも大きくなり、系のピュアさは損なわれてしまう。 

エネルギー測定による系の擾乱?

同じ水素原子内電子のエネルギー基底状態でも、手間ひまかけて時間をじっくりかけて丁寧に測定した”状態”と短時間にざっと測定した”状態”は違う? 離散スペクトルだからデジタルのようにみえて実はアナログ?

=甘泉法師=

  投稿者:甘泉法師 - 2009/03/09(Mon) 17:22  No.6550 
付録の図

Δtとは...

_________________ 0←1:状態が変わるまでの時間→+∞
__________________|___________________________

−∞_________________ 0
←3:測定過程時間→|___________________________

上記はΔt=∞ ΔE=0

_________________ 0←2:相次ぐ測定の間の時間→
__________________|______________________________|____

_________________ 0______ ←3:測定過程時間→
__________________|______|______________________|____

上記はΔt=有限 ΔE=0?有限?

ズレは補ってみてください。失礼しました。
=甘泉法師=

  投稿者:nomercy - 2009/03/09(Mon) 23:52  No.6552 
>No.6543

|x> = φ†(x)|0>

と定義するのでは?

  投稿者:QIT - 2009/03/10(Tue) 04:02  No.6553 
nomercyさん

スレッドを変えて頂けないでしょうか?

ちなみに

<tex>|x\rangle =\hat{\phi}^\dag (x)|0\rangle</tex>

では、なぜいけないのでしょうか?それは、

<tex>\langle x|x'\rangle =\langle 0|\hat{\phi}(x)\hat{\phi}^\dag (x)|0\rangle\neq \delta (x-x')</tex>

となって、異なる固有値に対する固有状態が互いに直交しないからです。確かめてみてください。

なので、nomercyさんの定義の状態を固有状態とするエルミートな位置演算子は定義できないのですね。

ちなみに場の演算子は今、実スカラー場ですので
<tex>\hat{\phi}^\dag (x)=\hat{\phi}(x)</tex>
を満たすエルミート演算子です。

もし
<tex>\hat{\phi}^{(-)} (x)=\int \frac{dp}{\sqrt{4\pi E_p}} \hat{a}_p e^{ipx}</tex>
を導入して
<tex>|x\rangle =\hat{\phi}^{(-)\dag} (x)|0\rangle</tex>
と定義しても、同じ内積の結果となり固有状態の直交性は得られません。


  投稿者:甘泉法師 - 2009/03/10(Tue) 10:54  No.6555 
(追加)
4. 真空の粒子・反粒子対の寿命のΔt

REF:
---
不確定性原理によれば、非常に短い時間の間ではエネルギーの不定性がいくらでも大きくなる。
もし、十分時間が短くて ならば、力の粒子は他の粒子・反粒子対に化けることが出来る。
http://www-jlc.kek.jp/hep/hep-c8-j.html

このように、真空中で対生成が起こるときは、その分エネルギーが増えますが、
対生成でできた粒子・反粒子はすぐさま対消滅で消えてしまい、その分エネル
ギーが減ります。このような粒子は、現実の粒子・反粒子として観測されるこ
とはなく「仮想粒子」と呼ばれています。では、これら真空中に粒子・反粒子
をつくるのに必要なエネルギーは、どこから出てきたのでしょうか。それは何
もない空間からちょっとの間借りている、と考えられています。そして、短時
間に返すことができれば、いくらでもエネルギーが借りられるとされています。
これをエネルギーと時間の「不確定性関係」といって、量子力学の基本原理に
なっています。
http://lcdev.kek.jp/ML/GDE/msg00180.html
---

当問題においては
2回目の観測行為をしなくても粒子反粒子対が生まれるなど、”自然に”エネルギーがEの上下に変動して戻ることをくりかえしている。

(エネルギーの自然変動幅)*(自然変動の継続する時間)=hbar


図の増補

Δtとは...

図1
_________________ 0←説1:状態が変わるまでの時間→+∞
__________________|___________________________
図2
−∞_________________________ 0
←説3:測定過程時間→|___________________________

上のふたつは Δt=∞ ΔE=0
図3
_________________ 0←説2:相次ぐ測定の間の時間→
__________________|____________________________________|____
図4
_________________ 0______ ←説3:測定過程時間→
__________________|______|____________________________|____
図5
_________________ 0←説4:手を使わず頭で考えた時間間隔→
__________________|____________________________________♪____…♪
上のみっつは Δt=有限 ΔE=0?有限?


(考察)
説3:測定過程時間については。QITさんから誤りと指摘されました。
No.6551>いくらでもエネルギーの測定時間は短くできますよ

説4ならば説2なので、説4のほうが広い考え。

説1はエネルギー固有状態は時間が経過しても位相しかかわらないこと ψ(E,t)=exp(-iEt/hbar) |E>と整合。 
説2、4は整合しない。
H以外の摂動ハミルトニアンを導入した問題のすりかえ?

=甘泉法師=





  投稿者:QIT - 2009/03/10(Tue) 13:46  No.6558 
4. 真空の粒子・反粒子対の寿命のΔt

に関しては、ファインマンルール描像であり、摂動論の式の直観的理解にすぎません。エネルギー自体は各時刻で勝手に揺らぎません。

摂動論でのエネルギーは、相互作用項を除いた自由ハミルトニアン部分のエネルギー値が保存するかしないかという計算をしていますので、全エネルギーが時間的に保存するという内容とは異なります。

  投稿者:甘泉法師 - 2009/03/10(Tue) 17:08  No.6560 
TO NO6556

ランダウリフシッツによれば
-------
1 弱く相互作用している2個の部分系(「系」と測定器)を考える。量子力学では、「系」のエ

ネルギー保存則は2回の測定によってhbar / Δt程度の精度でしか確かめ得ない。二つの異なっ

た時刻における二つの正確なエネルギー測定値の差についての関係式
Δ(E-E')〜hbar / Δt       (44.2)

2 粒子と測定粒子(平面反射鏡)の衝突により運動量を測定する。
 運動量とエネルギーの保存則は

 p’+ P’− p − P = 0
 
 |ε’+E’− ε−E| 〜 hbar / Δt

PとEは粒子の運動量とエネルギー
p,εは鏡のそれ、ダッシュのない量とある量はそれぞれ衝突の前後のものである。

測定粒子に関する量p,p’,ε,ε’は正確にわかっている。すなわちその誤差は0であると考

えることができる。 そうすれば上記の方程式から残りの量の誤差に対して

ΔP=ΔP’
ΔE’− ΔE 〜 hbar / Δt

ΔE=∂E/∂P ΔP = v ΔP 同様に ΔE’=v’ΔP したがって

(vx'−vx)ΔPx 〜 hbar / Δt

ここで速度と運動量に添字xをつけたのは、この関係が各成分について別々に成り立つことを強調

するため。

3 (vx'−vx)を大きくとれば、いくらでも精度よく運動量を観測できることがわかる。し

かし相対性理論から速度の上限があり、これは2cを超えることができない。したがって

ΔPΔt 〜 hbar /c

以上
-------

狐につままれたような感じがするところは、
○系と測定器の相互作用を考えたエネルギーと時間の不確定関係の解釈
○測定粒子の古典的ふるまい(=「誤差」を担わない)
○「誤差」の解釈と変形
でも考えの筋道は明示していますから、ご指南をお願いします。
あっていても間違いとわかってもすっきり爽快。

TO NO. 6557
旧い頭にはQITさんのご紹介の話は抽象的すぎて....正直、よしあしのイメージが湧くほどはよくわかりません。最近の政治社会はよくわからない人がよくわかる説明を求める権利主張がはやっているようですが、もちろんQITさんに「説明責任」があるわけでは全然ありません、悪しからず。 

TO N0.6558
>エネルギー自体は各時刻で勝手に揺らぎません。
>摂動論でのエネルギーは、相互作用項を除いた自由ハミルトニアン部分のエネルギー値が保存す

>るかしないかという計算をしていますので、全エネルギーが時間的に保存するという内容とは異

>なります。

そう考えますと拙

>説1はエネルギー固有状態は時間が経過しても位相しかかわらないこと ψ(E,t)=exp(->

iEt/hbar) |E>と整合。 
>説2、4は整合しない。

について、完全なハミルトニアンを扱う説1に対して

説2で上記ランダウリフシッツ1.のように考えた場合:部分系間の弱い相互作用
説4の粒子反粒子対の場合:相互作用項のハミルトニアン

で摂動を扱うという、設定の違いが理解できます。

=甘泉法師=

  投稿者:QIT - 2009/03/10(Tue) 17:14  No.6561 
nomercyさん

念のため、もう少し詳しく説明しておきます。

非相対論的量子力学や場の理論では成り立っていた性質は、相対論的な場の理論では近似的にしか成立しない場合が結構あります。

例えば非相対論的場の理論としてボゾン的シュレーディンガー場<tex>\Psi(x)</tex>を考えましょう。その基本的交換関係は
<tex>\left[ \Psi(x), \Psi(y) \right]=0,\ \left[\Psi(x), \Psi^\dag (y) \right]=\delta (x-y),\left[\Psi^\dag (x), \Psi^\dag (y)\right]=0</tex>
です。

自由ハミルトニアンは
<tex>H=\int^\infty_{-\infty} \Psi^\dag (x)\left( -\frac{1}{2m}\frac{\partial^2}{\partial x^2}\right)\Psi(x)dx</tex>
で与えられます。

生成消滅演算子(<tex>[a_p ,a_q^\dag ]=\delta (p-q)</tex>)で書くと、
<tex>\Psi(x)=\int \frac{dp}{\sqrt{2\pi}} a_p e^{ipx}, \Psi^\dag (x)=\int \frac{dp}{\sqrt{2\pi}} a_p^\dag  e^{-ipx}, </tex>
となっています。

先の交換関係を使うと、この場のハイゼンベルグ方程式は、ちょうど形としては波動関数に対するシュレーディンガー方程式になります。

つまり
<tex>\Psi(t,x)=\exp\left[itH\right] \Psi(x) \exp\left[-itH\right],\ H(t)= \exp\left[itH\right] H \exp\left[-itH\right]=H</tex>
で定義できるハイゼンベルグ演算子を考えます。

定義から
<tex>\left[ \Psi(t,x), \Psi(t,y) \right]=0,\ \left[\Psi(t,x), \Psi^\dag (t,y) \right]=\delta (x-y),\left[\Psi^\dag (t,x), \Psi^\dag (t,y)\right]=0</tex>
がまず示せます。

これを使って、
<tex>\frac{\partial}{\partial t}\Psi(t,x)=i\left[ H, \Psi(t,x) \right]&=-i\frac{1}{2m}\int dy \left[\Psi^\dag (t,y) \frac{\partial^2}{\partial y^2} \Psi(t,y), \Psi(t,x) \right]\\&= -i\frac{1}{2m}\int dy \left[\Psi^\dag (t,y), \Psi(t,x) \right] \frac{\partial^2}{\partial y^2} \Psi(t,y)\\&= i\frac{1}{2m}\int dy \delta(x-y) \frac{\partial^2}{\partial y^2} \Psi(t,y)\\&=i\frac{1}{2m}\frac{\partial^2}{\partial x^2} \Psi(t,x)</tex>

から
<tex>i\frac{\partial}{\partial t}\Psi(t,x)=-\frac{1}{2m}\frac{\partial^2}{\partial x^2} \Psi(t,x)</tex>
という方程式がでます。


また真空状態は
<tex>\Psi(x)|0\rangle=0</tex>
で定義されています。

さらに非相対論的な場の理論なので、ある位置に局在している1粒子状態が存在します。

それは
<tex>|x\rangle =\Psi^\dag (x)|0\rangle</tex>
で与えられます。

1粒子状態空間での粒子の位置演算子も
<tex>X=\int  \Psi^\dag (x) x \Psi(x) dx</tex>
で定義可能であり、
<tex>X|x\rangle =x|x\rangle</tex>
が示せます。同時に
<tex>\langle x|y\rangle=\delta(x-y)</tex>
も成り立ちます。

しかし相対論的場の理論になると1粒子がある位置に局在する状態を記述する位置演算子は近似概念となってしまいます。


まず上の例の相対論的バージョンは、スカラー場<tex>\Phi(t,x)</tex>です。
生成消滅演算子で書くと
<tex>\Phi(t,x)=\int\frac{dp}{\sqrt{2\pi(2E_p)}}\left[a_p e^{ipx} +a_p^\dag e^{-ipx}\right]</tex>
となります。

ここで
<tex>E_p =\sqrt{p^2 +m^2}</tex>
という因子が入っていることが相対論的場の理論の特徴です。この関数は質量<tex>m</tex>が無限大の非相対論的極限のときだけ、<tex>p</tex>依存性が消えます。



なおよく
<tex>\Phi^{(+)}(t,x)=\int\frac{dp}{\sqrt{2\pi(2E_p)}}a_p e^{ipx} , \Phi^{(-)}(t,x)=\Phi^{(+)\dag}=\int\frac{dp}{\sqrt{2\pi(2E_p)}}a_p^\dag  e^{-ipx}</tex>
という表示を使うこともあります。

この理論での真空状態は
<tex>\Phi^{(+)}(x)|0\rangle=0</tex>
を満たす状態で定義されます。

さて、上の例のように
<tex>|x\rangle =\Phi^\dag (x)|0\rangle =\Phi^{(+)\dag} (x)|0\rangle</tex>
という状態を定義してみましょう。

そして位置演算子を例えば
<tex>X =\int \Phi^{(+)\dag} (x) x\Phi^{(+)} (x) dx</tex>
で定義してみましょう。

しかし今度は<tex>|x\rangle </tex><tex>X</tex>の固有状態になっていないことがわかります。

<tex>X|x\rangle =\int  dy \Phi^{(+)\dag}(y)y\Phi^{(+)}(y) \Phi^{(+)\dag}(x)|0\rangle =\int  dy \Phi^{(+)\dag}(y)y\left[\Phi^{(+)}(y), \Phi^{(+)\dag}(x)\right]|0\rangle=\int dy \Phi^{(+)\dag}(y) y\Delta (y-x)|0\rangle</tex>

ここで<tex>\Delta (y-x)</tex>が、<tex>\delta (y-x)</tex>になれば、固有状態になるのですが、実際には
<tex>\Delta (y-x)= \left[\Phi^{(+)}(y), \Phi^{(+)\dag}(x)\right]=\int \frac{dp}{2\pi (2E_p )}e^{ip(y-x)}</tex>
となり、<tex>1/(2E_p)</tex>の因子のために、デルタ関数からずれてしまいます。ですから固有値方程式を満たすことができません。

さらに<tex>|x\rangle </tex>は直交性も満たさなくなります。

具体的には
<tex>\langle x|y\rangle=\int \frac{dp}{2\pi(2E_p)}e^{-ip(x-y)} </tex>
となり、上と同じような<tex>1/(2E_p)</tex>の因子のために
<tex>\langle x|y\rangle \neq c\delta(x-y) </tex>
となってしまいます。もし質量を無限大(非相対論的極限)にすれば、そのときだけ右辺はデルタ関数に比例します。

なお位置演算子を
<tex>X =\int \Phi^{\dag} (x) x\Phi (x) dx</tex>
で定義し直しても、<tex>|x\rangle </tex>は固有状態にならないことは簡単な計算でわかります。


相対論的量子論では、質量とプランク定数と光速度から構成できる長さの単位をもつ定数、コンプトン波長が現れるために 非相対論的理論では成り立っていた性質がそのまま残る保証がないのです。


  投稿者:QIT - 2009/03/10(Tue) 17:33  No.6562 
甘泉法師さん

ランダウリフシッツの解説ありがとうございました。いろいろ前提があるようですが、少し検討する必要があります。

今のだいたいの意見は、ランダウらの当時の誤解と思いこみがベースになっているというものですが、念のため考えてみます。

特に1と2のうち1は現代の理解では完全に間違っていると思うのですが、2が議論に結構前提をいろいろ使っていて、検討したい部分があります。


  投稿者:QIT - 2009/03/10(Tue) 20:13  No.6563 
甘泉法師さん

どうも。ランダウ先生は深読みしないと勘違いしますんで慎重です。

でも、やはり1,2、両方とも特に根拠がない話だと思います。基本的にどちらも「時間とエネルギーの不確定性関係ありき」としたときのその応用の話ですよね。

当時は限られた具体的測定モデルで考察を深めていた時期で、あらゆる可能な量子測定の一般論がなかったのが壁だったのではないでしょうか。

小澤不等式で有名な小澤正直先生がなされたもっと有名なお仕事に、あらゆる量子測定を含む集合を数学的に特定化したという論文があります。

理想測定を超えて、今でいうPOVM測定という量子測定を含む完全で強力な一般理論です。

その範疇では、(理解されるような書き方でなくてすみませんでしたが)前コメントで説明しましたように、時間をかけないでいくらでも精度のでるエネルギー測定モデルが知られています。

従って、教科書にある前提(時間とエネルギーの不確定性関係の存在)を踏襲する必要はないというのが、現代の量子測定理論の理解だと思います。

  投稿者:甘泉法師 - 2009/03/11(Wed) 18:19  No.6570 

QITさん ありがとうございます。

ご教示も含めエネルギーと時間の不確定関係の複数の
みかたをまとめてみます。再掲御免。


ΔE:状態のエネルギーの分散。時間発展中に変わらず。
Δt:初期状態から状態の変化が顕著になるまでの経過時間。状態の寿命、ライフタイム
エネルギー保存則:厳密に成り立つ
系のハミルトニアンH:”完全”で HΨ=EΨ なら Ψ(t)=exp( −iEt/hbar)Ψ
テキスト:清水「新版 量子論の基礎」
コメント:甘泉法師 ガウス分布の波束の拡散(運動量分散は時間発展中に変わらず)と本質は同じ。盛者必衰はあっても衰者必盛はないのは初期状態の選好または時間の流れ、エントロピーからか。


ΔE:二つの異なる時刻の二つの正確なエネルギー測定値の差
Δt:二つの異なる時刻の時間差
エネルギー保存則:エネルギー保存則は2回の測定によってhbar / Δt程度の精度でしか確かめ得ない。
系のハミルトニアンH:”不完全”でH全体系=H系+H計測器=(H系+V)+(H計測器−V)?  Vは摂動として働く
テキスト:ランダウリフシッツ 「非相対論的量子力学I」
コメント:
QIT さん- 2009/03/10(Tue) 17:33 No.6562
今のだいたいの意見は、ランダウらの当時の誤解と思いこみがベースになっているというものです。


ΔE:エネルギー測定値と決してエネルギーを測定しない仮想状態の仮想エネルギーの差
Δt:仮想状態の寿命、ライフタイム
エネルギー保存則:厳密に成り立つ。
系のハミルトニアンH:”完全”だが、H=H自由粒子+V相互作用でVを摂動とした扱うと摂動の中間状態として仮想粒子対の仮想状態が計算に出てくる。
コメント:
QIT さん - 2009/03/10(Tue) 13:46 No.6558
(仮想粒子は)ファインマンルール描像であり、摂動論の式の直観的理解にすぎません。エネルギー自体は各時刻で勝手に揺らぎません。摂動論でのエネルギーは、相互作用項を除いた自由ハミルトニアン部分のエネルギー値が保存するかしないかという計算をしていますので、全エネルギーが時間的に保存するという内容とは異なります。
以上。

参考
仮想粒子が摂動計算の直感的イメージにすぎないのに実際に起きていることであるかのように説明している例
−−−−
http://osksn2.hep.sci.osaka-u.ac.jp/~miyake/D/QM8.html
私たちの知るかぎり最も厳密な法則の一つに、エネルギー保存則があります。いかなる現象が起ころうとも、全体のエネルギーは増えもしないし減りもしません。
ところが、不確定性関係の一つ、△E△t〜h/2πによると、△tが小さければ、何もない空間にも、△Eの幅の中でエネルギーを発生することが許される事になります。△t時間が経つ前にこのエネルギーを元に戻せば、エネルギー保存則は破られていない、という、いわば曲芸技です。この△tに許される幅は「決して観測にかからない」幅。つまり、「エネルギー保存則の破れが観測されない」幅です。これを例えて言うなら、「他の人には内緒だよ、と言っていくらでも(無利子で!)金を貸してくれるが、期日までには何が何でも取り立てる怖いおっさん。」。証拠が残らなけりゃ(バレなければ)何をしてもいいわけです。何て反道徳的な理論なんだ…。
さて、エネルギーさえあれば粒子は対生成しますから、非常に短い時間の中では、様々な粒子(電子、陽子や光子など)が無数に空間の中に浮かび上がっては、再び沈んで行くという現象が、常に起こっている事になります。
これらの粒子たちが、普通の電子や光子と違う点は、「直接観測にかかってはならない」という点です。つまり、その定義から既に「絶対見えない事」が義務づけられているわけで、この意味で彼らを仮想電子とか、仮想光子とか呼びます。
絶対観測できないものを存在すると認めて良いのか、と思われる方もいるかもしれません。しかし、仮想粒子は「直接」見える事は禁止されていますけれども、間接的に周囲に影響を及ぼす事までは、禁じられていません。むしろこの事こそが、場の量子論における仮想粒子の重要性を表しているのです。
−−−−
以上

=甘泉法師=

  投稿者:甘泉法師 - 2009/03/12(Thu) 14:29  No.6581 
追伸 エネルギーと時間の不確定関係のゆるさについて


運動量と座標の不確定関係は ΔpΔx≧hbar/2 で、
等号の成り立つ最小値はガウス分布の場合で、標準偏差の積がそれより小さい場合はありえないとはっきりしています。より一般的に正準交換関係にあるふたつの量についても同じことがいえます。


エネルギーと時間の不確定関係はもっとゆるいものです。

2:ランダウリフシッツ の場合 ΔEΔt≧ hbar は積がhbarより小さい場合は絶対に禁止されているものでなく、ありえなさのだいたいの目安に過ぎないと考えます。

1:清水 の場合 ΔE、Δt自身の値を制限するものでなく、第3者である「状態の生死」の判定式です。 すなわち
 ΔEΔt〜 hbar くらいのΔtが状態の平均(正確な用語でありませんが)寿命で
 ΔEΔt≧ hbar ならば その状態はほぼ死ぬ。 
メタボ(ΔE)体型ならばまず70歳(Δt)くらいが寿命。もちろんそれより早く死ぬ人も長生きする人もいる。さらに状態は人間ほど生死の判定基準が客観的にきまっていないしあえて定めることに意味があるかもおぼつかない。3:仮想粒子 も同じく。「直接観測にかかってはならない」よう必ず死んでいるというわけでないと思いますが、...ここらは自信ありません。

運動量と座標の不確定関係ほどきちんと定義・定量化されません。



1と2の違いから、ハミルトニアンと正準交換関係にある時間演算子を追及することは、理論としてはきれいで魅力ありますが、実験事実から必要とされているものかは疑問です。

=甘泉法師=