EMANの物理学 過去ログ No.6237 〜

 ● 分子間力

  投稿者:ねじばな - 2009/01/06(Tue) 22:45  No.6237 
あけまして おめでとう ございます。

1月3日の朝日新聞の漢字パズルをきのうやりました。
「分子間力」という言葉を初めて知りました。ちょっとぐぐってみましたが、私にわかる説明文は ありません。なので教えていただきたいのですが
分子間力って 分子と分子の間に発生する力じゃなくて 分子そのものが 持っている力ですか? それと「○○間力」ていうのが ほかのものにもありますか?

身近にあるものに例をあげて説明していただけるとありがたいです。




  投稿者:凡人 - 2009/01/07(Wed) 01:16  No.6238 
ねじばなさん、以下をご覧になっていただきたいと思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E8%AA%AC%E6%98%8E%E5%9B%B3_%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B9%E5%8A%9B1.png
(上図中の○は分子で、多分赤がプラス、青がマイナスに帯電している事を示していると思われます。)

先ず、ロンドン分散力について説明して見たいと思いますが、原子の周りを回っている電子雲が持っている電荷の分布は、常に量子力学的な揺らぎによって、各場所に於ける電子の存在確率が変動する為、揺らいでます。
そして、それぞれの電子雲が持っている電荷が、お互いに全く何の相関性も無くランダムに揺らいでいるのであれば、各瞬間における引力や斥力が相殺され、電子雲(=分子)同士には平均的に見て全く力が働かない事になると思います。
しかし現実に力が働くのは、ある瞬間に於いて、隣り合う電子雲同士に斥力が働いている場合には、例えばお互いの電子雲に含まれている電子が平均的接近している場合がありますが、その場合は電子同士に斥力が働く為、電子の存在確率に偏りが発生して二つの分子の電子雲の電荷の揺らぎに相関性が出てくる事になり、平均的に見て分子間で引力が働くのではないかと思います。
何故、斥力ではなくて引力なのかといえば、例えば二つの磁石をNS-NSと並べれば当然引力が働きますし、NS-SNと並べれば、最初は斥力が働きますが、将にその斥力によってどちらかの磁石の極が転回して例えばNS-NSとなり、結局どちらにしても引力が働く事になります。
分子についても、この磁石の例と同様の事が起きることによって、分子間で平均的に見て引力が働くのではないかと思います。
励起双極子の場合についても、外部電荷の影響により、同様な事が起きることによって、分子間で平均的に見て引力が働くのだと思います。

それと「○○間力」についてですが、原子間力というのがあります。
内容は以下をご覧下さい。
http://lucid.msl.titech.ac.jp/~www/facilities/AFM.html

  投稿者:nomercy - 2009/01/07(Wed) 02:08  No.6239 
>分子と分子の間に発生する力

でいいんじゃないですかね。
Wiki を見てみると、例として水を挙げていますね。
水は高温では水蒸気、低温では氷となりますが、
このような状態変化が起きるのは、
水分子同士に引力(分子間力、特にこの場合は水素結合と呼ばれる力)
があるからですね。

  投稿者:EMAN - 2009/01/07(Wed) 07:35  No.6240 
> それと「○○間力」ていうのが ほかのものにもありますか?

 思いつかなかったのでネットで検索したら、
「原子間力」「イオン間力」ってのが出てきましたけど、
どれも文字通りの意味ですね。

 文字通りといっても、物理を知ってる人の世界でしか
通じないニュアンスなのかも知れない。
 「分子と分子の間に働く力」と言われても、
「分子と分子の間の空間に特別な力が発生する」と思い浮かべる人も
いるかもしれないから。

 「〜間」というのは「〜どうし」という意味で使われており、
「分子間力」とは分子同士に働く力の総称ですね。

 その力の原因は色々あって、それぞれ説明が異なります。
 それらの力が色んな比率で組み合わさっています。
 元をたどれば全て電磁気力なんですけど、複雑なので分けて考えるのです。

 (他には「人間力」ってのが見つかったけど、物理とは無関係だな。)

  投稿者:FNBO - 2009/01/07(Wed) 08:20  No.6242 
新年おめでとうございます。新タイトルを立てるまでもないと思うので、よこやりで失礼。。水素の原子構造は、電子と陽子一つずつと単純なのに、なぜ波動方程式で導かれる解はいくつも軌道が存在する複雑な描像になるのでしょうか?どうしても知りたいのでよろしければどなたかお教えくださいませ。

  投稿者:明男 - 2009/01/07(Wed) 09:46  No.6243 
難しく言えばきりがないのですが、少し初歩的な説明を試みますので、細かい点につっこまないように。
中学理科で学ぶことですが、物質(例えば水、酸素、塩、ブドウ糖、鉄)などを、その化学的性質を失わない程度に小さく分けて(切って)いくとき、その最小の単位を分子と言います。金属などではそれは原子ですが、上の例の鉄以外は、一般に複数の原子がくっついたものです。酸素は一種類の原子どおし、他のものは複数の原子がくっついています。良く知られたように、水は水素(原子)と酸素(原子)がくっついて、水分子を作っています。ここで化学的性質とは、水なら水らしさということで、比熱であるとか、常温で液体であるとか、物性と言われるものです。分子や原子、様々な物質はこれまた様々な理由によりくっついたり、離れたりしますが、日常でもっともお目に掛かる根源的な”力”の代表は電磁力(特に電気力=クーロン力)です。
ところが、分子というのは一般に”電気的に中性”です。つまり普通に考えれば電気力は働きません。それでことさら分子間力という表現が出てくる訳です。電気的に中性であるはずの分子どうしに力が働く、なんでかいな、というわけです。それは実は分子が原子で出来ていて、そこには陽子や電子が存在し、”潜在的に”電気力を持つからです。液体の水でも一部の水分子は電子のやりとりにより電気を帯びた分子、”イオン”になっています。イオンになると電気力があからさまに働き、イオン間力となります。イオン以外の力も作られ方が違うだけで多くは電気力ですが、統一的に分子間力として総称します。
ここまででお分かりかも知れませんが、単独で持つ”力”というものはありません。なぜなら”力”とは”相互作用”のことであり、イオン−イオン、分子−分子、陽子−電子などのように、物質どうしが”互いに”及ぼす影響のことだからです。ついでに言うと、それに対して、ある物体が力を及ぼす範囲を”場”と言います。したがって、”場”は単独で持つことが出来ますが、”力”は2つ以上の物体間でないと意味がありません。
長くなりましたが、分かりましたでしょうか?

  投稿者:TOSHI - 2009/01/07(Wed) 10:45  No.6244 
 どもTOSHIと申します。

 EMANさん他の皆様,明けましておめでとうございます。
コメントよりも新年のあいさつの方がメインです。

>FNBOさん。
>水素の原子構造は、電子と陽子一つずつと単純なのに、なぜ波動方程式で導かれる解はいくつも軌道が存在する複雑な描像になるのでしょうか?

 波動方程式は微分方程式ですが簡単に書くと「エネルギー保存の法則」
です。つまり(運動エネルギー)+(位置エネルギー)=一定です。
 
 もっと式を使うと,うーんTeXを使ったほうがいいのかもしれないけど慣れてないので,億劫ですから昔通り。。(1/2)mv^2+V(x)=Eと書きます。これがシュレーディンガー方程式です。

 これを満足する速度vはエネルギーE(積分定数)ごとに違います。この表わす軌道を微分方程式の一般解と言います。というわけで元々粒子などが持っていた総エネルギーEが違うごとに違う答があるので水素原子もエネルギー準位ごとに違う軌道があります。

 私,オッチョコチョイなので回答が質問の意図と異なればご容赦ください。

 まずは新年のごあいさつまで。。。

                          TOSHI

 われわれキャッチボールしても投げる人によって時速150km以上のボーもあれば落ちて転がったたまま止まっているボールもありますよね。ボールの運動状態でもさまざまいっぱいあります。。。 

  投稿者:FNBO - 2009/01/07(Wed) 11:06  No.6245 
TOSHIさん早々のご返事ありがとうございました。よくわかりました。感覚で思考する私にとってはむしろ理解しやすい説明でした。またわからないことがあればよろしくお願いしま=す。

  投稿者:ねじばな - 2009/01/07(Wed) 20:44  No.6249 
>単独で持つ”力”というものはありません。なぜなら”力”とは”相互作用”のこと、

ああ ありがとうございました。そこが聴きたかったのです。
「間」という言葉は 私たちの間では要注意で 薬の飲み方 食前 食後 食間ときたら食べてる間じゃなくて食事と食事の間 でも夜間は 夜…等

分子間力そのものは判ったとはいえませんが(汗)どこにあるかはイメージできたと思います。

新聞の問題のひとつに「○○回路」というのがあって私が書いたのは思考回路でしたが 正解は電気回路でした。この順位も人それぞれでしょうね。

EMANさんが いった「人間力」も 力は相互作用っていうところは共通項かなあと 思ってみたりして…

間 …そういえば 雲間草って花もありますね。

みなさん コメントありがとうございました。

ことしもよろしく お願いします。

  投稿者:凡人 - 2009/01/08(Thu) 00:09  No.6250 
そういえば、分子間力が各分子の電荷の相関性を持った偏極によって発生するという事を考えているうちに、分子間力の発生と南部博士のカイラル対称性の自発的破れによるクオークの質量の増幅は、本質的な共通点があると思いました。
ねじばなさんのお陰で、対称性が自発的に破れる事によって、物質の凝集力が発生または増幅し、より物質が凝集して行くという現象は、かなり普遍的な現象である事に気が付きました。
それとこの事は、現在応用化学の領域で盛んに研究されている、「物質の自己組織化」とも深く関係しているのではないかと思いました。