EMANの物理学 過去ログ No.6129 〜

 ● 剛体の「回転軸」とは?「並進運動」とは?

  投稿者:yuya - 2008/12/13(Sat) 14:56  No.6129 
「丸太どうしの接触」の中で質問させていただいた話題ですが、
本題から外れるのでスレッドを分けます(すぐ終わるかも知れませんが……)。

剛体内の任意の2点 $P_1$ 、 $P_2$ が、
それぞれ位置ベクトル $\vec{x_1}$ 、 $\vec{x_2}$ から $\vec{x_1}'$ 、 $\vec{x_2}'$ に移動したとします。
いま、「剛体が $P_1$ のまわりを回転した」と言えるとき、
その回転を表す行列を $R$ とすると、
 $\vec{x_2}' - \vec{x_1}' = R(\vec{x_2} - \vec{x_1})$ 
と書くことができます。このとき
 $\vec{x_1}' - \vec{x_2}' = R(\vec{x_1} - \vec{x_2})$ 
が必ず成り立ちますから、
「 $P_2$ のまわりを $P_1$ が(同じ $R$ で表されるような)回転をした」
ということができます。

つまり、回転する剛体内のいずれかの点と並進して剛体を眺めるとき、
どの点を選んだとしても、剛体は必ずその点を中心に回転して見え、
しかも感じる角速度も同じ、ということになります。

……てなことを考えていたのでした。

heavy moonさん[6115]:
>確かに、相対運動としては、ある点が重心のまわりを回れば、(その点に固定され、
>軸が慣性系に平行な座標系で見れば)重心はその点のまわりを逆回転しますが・・・。

速度ベクトルとしては逆向きなのですが、角速度としては向きも大きさも同じ、ということになりますよね。

以上を考慮すると、「剛体が○○のまわりを回転している」という言明が意味をなすのは、
「○○と並進すると、そこを中心に剛体が回転して見える」ことによるのではなく、
「○○は等速直線運動している」ということによるのでしょうか?

EMANさんの
http://homepage2.nifty.com/eman/dynamics/vec_moment.html
にも、

>また宇宙空間を漂う物体は重心の周りをどの方向にも自由に回転できる。 なぜ重心の周りを
>回るかと言うと、第 1 部で話したように、外力がない限り重心位置は等速運動するのだったか
>ら、重心と同じ速度で並進して物体を観察した場合、重心位置だけは止まって見える。 だか
>ら物体はその周りを回っているように見える、ということである。

というご説明がありますが、これも「重心と並進したときだけ、そこが回転中心に見える」ということではなく、
「(外力がない限り)重心だけは必ず等速直線運動している」ことに意義がある、と考えてよいでしょうか。

もうひとつ、私は「並進運動」という言葉の定義を理解できているかどうか自信が無いのですが、

heavy moonさん[6108]:
>丸太の重心は並進運動ですから、それを中心に回転していると考えるべきではないでしょうか? 
[6115]
>孤立系を慣性系でながめた場合、「重心以外の1点が並進運動し、重心がそのまわりを回る」ということはあり得ません。

における「並進運動」とは、特に「等速直線運動」のことを指している、と考えてよいでしょうか?

私自身の現在の理解では、
剛体の任意の点 $P$ に着目したとき、剛体の運動は、 $P$ 自身の運動と、 $P$ のまわりの回転に分けられ、
前者を(等速直線運動かどうかに関わらず)「並進運動」、後者を「回転運動」と呼ぶのだと思っていました。
これは誤っていますでしょうか?

  投稿者:大学生A - 2008/12/13(Sat) 16:47  No.6131 
「並進運動」とは、大きさを持つ剛体がその向きを変えずにいる状態では?
例えば、天体の運動で考えると、観測系が慣性系ならば、月みたいに常に
地球を向いている運動は、「並進」とは言わないかと。
ところが、観測系が、地球の中心を通り月の公転面に垂直な軸を基準にした
回転系の場合、つまり、月が静止して見える観測系の場合、月の運動は
「並進」と呼べると思います。
要は、その観測系における物体の運動状態で「並進」か否かが決まるような。
そういう意味では、「並進」は相対的な表現なのかな?

  投稿者:heavy moon - 2008/12/14(Sun) 02:01  No.6132 
ご推察のおとり、すぐ終わりそうです。

>速度ベクトルとしては逆向きなのですが、角速度としては向きも大きさも同じ、ということになりますよね。

そのとおりですね。私の勘違いです。ご指摘ありがとうございます。

>「剛体が○○のまわりを回転している」という言明が意味をなすのは、
「○○と並進すると、そこを中心に剛体が回転して見える」ことによるのではなく、
「○○は等速直線運動している」ということによるのでしょうか?

必ずしもそうではないと思います。
結局、私の前回の投稿で、「等速直線運動」を「並進運動」と安易に置き換えたことに問題があったのでしょう。

「したがって、孤立系を慣性系でながめた場合、「重心以外の1点が等速直線運動をし、重心がそのまわりを回る」ということはあり得ません」

と書けばよかったのです。「並進運動」について私が誤解していたということです。

>「重心と並進したときだけ、そこが回転中心に見える」ということではなく、
「(外力がない限り)重心だけは必ず等速直線運動している」ことに意義がある、と考えてよいでしょうか。

そうだと思います。EMANさんの言葉も、それだけ抜き出すと自明のようにも思えますが、「重心と並進する座標系も慣性系だ」ということを含んでいると思います。ご本人に伺いたいところですが・・・。

> 剛体の任意の点Pに着目したとき、剛体の運動は、P自身の運動と、Pのまわりの回転に分けられ、
前者を(等速直線運動かどうかに関わらず)「並進運動」、後者を「回転運動」と呼ぶのだと思っていました。

大学生Aさんのご指摘を参考にすると、ちょっと違うような気がするんですけどねえ。観測系が先にあるような、言い換えれば、「ある剛体が並進運動している」という表現が可能なような・・・。

ついでに付け加えますと、hirotaさんのNo.6118を読ませていただいて、私の投稿が蛇足だったのがわかりました。そこで述べた「衝撃の中心」も、一様な棒についてはずいぶん簡単な形になるんですねえ。(0,2/3D)


  投稿者:yuya - 2008/12/15(Mon) 10:20  No.6139 
heavy moonさん、大学生Aさん、どうもありがとうございます。

heavy moonさん[6132]:
>>「剛体が○○のまわりを回転している」という言明が意味をなすのは、
>「○○と並進すると、そこを中心に剛体が回転して見える」ことによるのではなく、
>「○○は等速直線運動している」ということによるのでしょうか?
>
>必ずしもそうではないと思います。

一般には、「剛体内のどの点をとっても等速直線運動していない」という場合も考えられますよね。
「そんなとき、どこを回転軸と言うのだろうか?」という疑問を持っています。
その一方で、例えば
「均質な回転円盤の中心を通るように力をガンガン加え続けて直線加速運動させている場合」などは、
やはり円盤の中心を回転軸と言ってよいように感じたりします。
さらに、「回転軸自体が刻々と変化する場合もある(歳差運動など)」といったことを考慮すると、
「いったい何を以て回転軸というのか?」と悩んでしまったのです。
特に私の場合、剛体の形そのものが軸対称だったりすると、根拠なくそこを勝手に軸とみなしそうで不安(^^;)

ともあれ、私の面倒な疑問に巻き込んでしまって申し訳ありませんでした。
もしヒントがありましたら、お時間のあるときにご教示いただけると嬉しいです。

[6132]:
>「したがって、孤立系を慣性系でながめた場合、「重心以外の1点が等速
>直線運動をし、重心がそのまわりを回る」ということはあり得ません」
>と書けばよかったのです。

再検討してくださり、ありがとうございます。
おかげで[6115]への理解をより正確にすることができました。
これで、「並進運動」の定義については切り離して考えることができますね。

大学生Aさん[6131]:
>「並進運動」とは、大きさを持つ剛体がその向きを変えずにいる状態では?
(略)
>要は、その観測系における物体の運動状態で「並進」か否かが決まるような。

heavy moonさん[6132]:
>観測系が先にあるような、言い換えれば、「ある剛体が並進運動している」という表現が可能なような・・・。

なるほど、そうなのですか。

私が勝手に「並進運動」「回転運動」と呼んでいたものを、
とりあえず(剛体内の点Pにおける)「並進要素」「回転要素」と呼ぶことにします。

あまり強く意識していなかったのですが、Pの場所によって
回転要素があったりなかったりするなんてことはあり得ないのですね[6129]。(←ここが誤っていたらぜひご指摘ください!)
ある観測系で、剛体内のある点に付きまとって走ったとき、そこでの回転要素がゼロなら、
剛体内のすべての点において回転要素はゼロとなり、並進要素しか持たない運動になりますね。
そして、これが大学生Aさんのおっしゃる並進運動と一致するわけですね。

「並進運動」≡「(ある観測系において)剛体内の全ての点において並進要素しか持たない運動」であり、
実際には剛体内の一点において調べれば充分、という理解でよろしいでしょうか?

  投稿者:hirota - 2008/12/15(Mon) 10:48  No.6141 
>感じる角速度も同じ
観測される(見える) 角速度は同じですが、「見える」という言葉を使った後わざわざ「感じる」と言ってるのが気になりますね。
遠心力などの感じは、重心周りと他の点周りでは違います。

>剛体が○○のまわりを回転している
太陽の周りを公転する地球は地軸の周りを回転しているわけで、○○が等速直線運動とは限りません。

>並進運動
並進運動とは、大きさのある物体で、各点の速度, 加速度が同一である場合です。
一点だけを取り出して「並進運動」などと言う意味はありませんし、等速直線運動の必要もありません。

  投稿者:yuya - 2008/12/15(Mon) 11:24  No.6142 
hirotaさん[6141]:
>観測される(見える) 角速度は同じですが、「見える」という言葉を使った後わざわざ「感じる」と言ってるのが気になりますね。
>遠心力などの感じは、重心周りと他の点周りでは違います。

おっしゃるとおりですね。ご指摘ありがとうございます。
相対論の議論などにおいて、こういう言葉遣いの問題がいつまでも
理解の障壁になってしまうことを痛感していたはずなのですが、
無意識にやっちまいました(^^;)

>>剛体が○○のまわりを回転している
>太陽の周りを公転する地球は地軸の周りを回転しているわけで、○○が等速直線運動とは限りません。

言われてみればそうですね。こういう例をもとに、もう少し自分で考察してみます。

>並進運動とは、大きさのある物体で、各点の速度, 加速度が同一である場合です。
>一点だけを取り出して「並進運動」などと言う意味はありませんし、等速直線運動の必要もありません。

よく理解できました。
「剛体の運動は『並進』と『回転』とに分けられる」とか、「重心の並進運動」といった表現を
よく目にするような気がしたので、混乱していました。

  投稿者:heavy moon - 2008/12/15(Mon) 14:07  No.6143 

hirotaさん、ありがとうございます。「並進運動」について誤解していたのがよくわかりました。具体的な例として、観覧車のゴンドラを考えました。

>並進運動とは、大きさのある物体で、各点の速度, 加速度が同一である場合です。
一点だけを取り出して「並進運動」などと言う意味はありませんし、等速直線運動の必要もありません。

という点は、yuyaさんも理解なさったようですね。ただ、瞬間的には、

「剛体の運動を、各点がある点Pと同じ速度、加速度をもつ並進運動と、点Pを中心とする回転運動の合成としてあらわすことができる」

ということは言えるような気がします。ただ、「孤立系の場合、重心以外は一般にその速度、加速度が一定ではない」ということじゃないでしょうか?


  投稿者:hirota - 2008/12/15(Mon) 18:06  No.6144 
もちろん、剛体運動は並進運動と回転運動(任意中心点) の合成で表すことができます。
ただ、回転中心は重心でないと、並進運動に余計な運動が混ざって便利じゃないですが。(分解する甲斐がない)
別に重心運動が定速でなくても、この分解で簡単になる意味はあります。

  投稿者:yuya - 2008/12/15(Mon) 19:11  No.6145 
heavy moonさん[6143]:
>ただ、瞬間的には、
>「剛体の運動を、各点がある点Pと同じ速度、加速度をもつ並進運動と、
>点Pを中心とする回転運動の合成としてあらわすことができる」
>ということは言えるような気がします。

hirotaさん[6144]:
>もちろん、剛体運動は並進運動と回転運動(任意中心点) の合成で表すことができます。
>ただ、回転中心は重心でないと、並進運動に余計な運動が混ざって便利じゃないですが。(分解する甲斐がない)
>別に重心運動が定速でなくても、この分解で簡単になる意味はあります。

お2人のご説明で、私の理解が正確なほうへ矯正されてきています。本当に感謝しています。

アホな例ですが、水平投射したボールの運動は、
「水平方向の等速直線運動」と「鉛直方向の自由落下運動」との合成で表されます。
だからといって、「このボールは等速直線運動している」というのは明らかな誤りですね。
私が混乱していたのは、このレベルの話だったのかもしれません(恥)。

あとは回転軸(自転軸)の話ですが、
hirotaさんの出してくださった「地軸」の例をヒントに、疑問点を具体例にしてみました。

中心 $O$ の球の表面 $P$ に糸の一端を貼り付け、他端 $C$ を固定します。
これを、 $C$ を中心とした平面内で振り回せば、球は
まるで「常に地球に同じ側を向けて回る月」のように、自転・公転しますよね。

いま、球の密度が均質でなく、線分 $OP$ 上のどこかに重心 $G$ があったとします。
このとき、球の自転軸は $O$ を通るのでしょうか、 $G$ を通るのでしょうか。
あるいは、「どちらが自転軸か」という問い自体が無意味な、恣意的なものなのでしょうか。

  投稿者:FNBO - 2008/12/15(Mon) 21:44  No.6147 
密度が均質でない自転球の重心は複数あるような感じがしました。これらの安定自転軸は必ずしも重心で構成されるのではなく、複合的に加速度が均衡する軸が安定軸となるような感じがしました。また安定軸はOを通るとも限らない気がします

  投稿者:heavy moon - 2008/12/16(Tue) 03:10  No.6149 
yuyaさん[6145]:
>このとき、球の自転軸はOを通るのでしょうか、Gを通るのでしょうか。

なるほど。どちらもアリのような気がしますねえ。
中心が点Oと点Gでは並進運動の加速度が異なりますが、その差が点Oを中心とする回転運動の加速度(向心力)になっているのだと思います。


  投稿者:yuya - 2008/12/16(Tue) 09:11  No.6150 
FNBOさん[6147]:
>密度が均質でない自転球の重心は複数あるような感じがしました。

いや、そういうことは起こらないと思います。
例えば互いに密度の異なる2つの物体A(重心 $G_A$ )・B(重心 $G_B$ )をくっつけたとき、
線分 $G_A G_B$ 上に「全体の重心」 $G$ があります。

>これらの安定自転軸は必ずしも重心で構成されるのではなく、複合的に加速度が
>均衡する軸が安定軸となるような感じがしました。また安定軸はOを通るとも限
>らない気がします

「安定軸」という言葉は、どういう意味なのでしょうか?

heavy moonさん[6149]:
>なるほど。どちらもアリのような気がしますねえ。

私もそう感じるのです。
均質でない球においては、 $O$ はもはや「形状」上の中心に過ぎませんから、
 $O$ も $G$ もアリならば、他の点もアリになりますよね。
例えば、「いびつな形の底面を有する柱体」の側面に糸をつけて
同じように振り回したとき、「どこが自転軸か」ということについて
合意が得られるかというと、もはや重心を恣意的に選ぶしか無いような気がします。

>中心が点Oと点Gでは並進運動の加速度が異なりますが、その差が点Oを中心とす
>る回転運動の加速度(向心力)になっているのだと思います。

ええ、その通りだと思います。結局、運動をどう分解するかの違いに過ぎないのですね。

  投稿者:hirota - 2008/12/16(Tue) 12:48  No.6151 
分からないときは計算で確認すれば良い。
まず、全体質量を m, 位置ベクトル x における質量要素を dm(x) として重心の定義を書くと、
<tex>\int (x-x_G) dm(x)=0</tex>
となる位置ベクトル  $x_G$  が重心である。 これは
<tex>m\,x_G=\int x\,dm(x)</tex>
とも書ける。
ここで運動量保存が成り立ってる場合に重心の運動を見てみる。
各点位置 x にある質量要素 dm(x) の速度を v(x) とすると全体運動量は
<tex>p=\int v(x)\,dm(x)</tex>
である。
重心の速度を  $v_G$  とすると Δt 時間経過で
<tex>m(x_G+v_G\,\Delta t)=\int(x+v(x)\Delta t)dm(x)</tex>
となるから Δt の掛かったところを取り出すと
<tex>m\,v_G=\int v(x)\,dm(x)=p</tex>
となる。
つまり、運動量は重心の速度だけで表せるわけで、運動量が保存されてるなら重心は等速直線運動する。
回転運動の場合も重心まわりの回転が特別だと示せるけど、長くなったので休憩。
(質量要素 dm が分からない人は質量密度 ρ と体積要素 dV = dx dy dz で dm=ρ dV と思ってください)

  投稿者:hirota - 2008/12/16(Tue) 16:36  No.6153 
回転運動の場合、まず角運動量と慣性テンソルの関係を示す。
質量要素 dm(x) からなる物体が原点回りに角速度 ω で回転してるとすると、各点の速度は
<tex>v(x)=\omega\times x</tex>
全角運動量は
<tex>L=\int x\times v(x)\,dm(x)=\int x\times(\omega\times x)\,dm(x)</tex>
  $=\int(x^2\omega-x x^T\omega)\,dm(x)=(\int(x^2 1_3-x x^T)\,dm(x))\,\omega$ 
(  $x^T$ は x の転置 ,  $1_3$  は3次元単位行列です )
そして、最後の式を  $I\,\omega$  と書いて
<tex>I=\int(x^2 1_3-x x^T)\,dm(x)</tex>
が慣性テンソルです。(式から分かるように正定値行列です)
原点から  $x_G$  離れた所にある質点なら、
<tex>I_0=m\,(x_G^2 1_3-x_G x_G^T)</tex>
と求まります。
また、重心 $x_G$ 回りの慣性テンソルを求めると
<tex>I_G=\int((x-x_G)^2 1_3-(x-x_G)(x-x_G)^T)\,dm(x)</tex>
です。
そこで、原点回りの慣性テンソルと重心回りの慣性テンソルの関係を求めると
<tex>x=(x-x_G)+x_G</tex>
ですから、これを I の式に代入して展開すれば、 $x-x_G$  の一次項は重心の定義から積分して 0 となって消えるので、結局  $I=I_G+I_0$  となります。
つまり、原点回りの慣性テンソルは重心回りの慣性テンソルと、重心に質点がある場合の慣性テンソルの和になります。
慣性テンソルは正定値行列ですから、慣性テンソルの最小値は  $I_G$  であり、これが物体固有の量です。
そして、同様に全角運動量も重心回りの角運動量と物体の場所に依存した (重心位置の) 質点運動による角運動量の和になってます。

  投稿者:FNBO - 2008/12/16(Tue) 22:42  No.6154 
yuya さん。勝手ながらすみません。感覚的に文を書かかせていただきました。重心が複数とか安定軸などの文は皆さんでいえば数式にあたるものなので、気になさらず結論だけ読んでいただければ幸いです。返信は不要です。

  投稿者:yuya - 2008/12/17(Wed) 12:43  No.6155 
FNBOさん、[6154]の件、了解しました。ですが、またご意見がありましたらぜひ教えてください。

hirotaさん、お手数を割いていただいてありがとうございます。
[6151]・[6153]の計算は、きちんと追うことができました。また、EMANさんの
http://homepage2.nifty.com/eman/dynamics/mom_tensor.html
との対応も把握いたしました。

>ですから、これを I の式に代入して展開すれば、  $x-x_G$  の一次項は重心の定義から
>積分して 0 となって消えるので、結局  $I=I_G+I_0$  となります。
>つまり、原点回りの慣性テンソルは重心回りの慣性テンソルと、重心に質点がある場合の
>慣性テンソルの和になります。

よく分かりました。
結局、私の疑問に対する端的な答えは、[6144]で言い尽くされていたわけですね。
回転軸の位置は剛体の運動状態によって定まるのではなく、恣意的に選べるものだが、
重心を通る軸を考えることでメリットが多いので、通常はそのように考えるということですね。
これに対して、回転軸の「方向」に関しては、剛体の運動状態によって、各瞬間について一意に定まりますね。

あちこちぶつかりながら、みなさんのおかげで一定の理解に到達しましたが、
初めにもどって考えると、よく見かける
「外力が働いていないとき、剛体は重心のまわりを回転する」……(*)という表現って、
初心者にとってはちょっと有害なのではないか、という気がします。

「剛体はどの点を基準にしても角速度が同じ」というのは
初心者にとっては決して自明なことではないと思います。
私自身は(*)の表現を初めて聞いたとき(ずっと昔ですが)、
剛体は外力の状況によって、何やら「回転中心」なるものが一意的に定まる性質があり、
外力ゼロのときはその「回転中心」として重心が選ばれる、という印象を持っていました。
そして、この数日でやっとそれを脱却したのでありました(^^;)

(*)の代わりに単に
「(剛体は一般に回転しながら移動するが、)外力が働いていないとき、重心だけは必ず等速直線運動する」
でいいような気もします。
まぁこういう勘違いをするのは私だけかもしれないので、有益な提案かどうか分かりませんが。

私がもしhirotaさん達ではなく、もう一人の私に教わっていたら、

私A:「ねぇねぇ、剛体は外力がないと重心のまわりを回るんだよねぇ」
私B:「うん」
私A:「ってことは、外力があると、重心のまわりを回らないんだよね」
私B:「そうだね」
私A:「でも、地球は太陽から引っ張られてるのに、重心のまわりを自転してるよ。なんで?」
私B:「えーと、それは……。あっ、この場合は遠心力が働いてるから、それで釣り合ってるんだよ」
私A:「そっかー、なるほど!」

などといった無茶苦茶な展開になっていた恐れがあります(笑)。
どうもありがとうございました。

  投稿者:heavy moon - 2008/12/17(Wed) 13:41  No.6156 

>回転軸の位置は剛体の運動状態によって定まるのではなく、恣意的に選べるものだが、重心を通る軸を考えることでメリットが多いので、通常はそのように考えるということですね。

そのようですね。yuyaさんが[6145]お出しになったのも、特殊な例ということでしょう。
例えば、「棒が、一端が固定された状態で回転する場合、それを重心まわりの回転運動と並進運動に分ける必要はないが、通常は・・・」ということだと思います。

いろいろ勉強になりました。


  投稿者:大学生A - 2008/12/19(Fri) 16:14  No.6162 
>回転軸の「方向」に関しては、剛体の運動状態によって、
>各瞬間について一意に定まりますね。

これについて、いろいろ考えました。
数学的には、剛体の角速度が、その角運動量と、慣性テンソルから、
一意に定まるであろうということに納得しています。
そこで、
「剛体の角速度は、その剛体が持つ固有の情報のうち、何に依存するのか?」
という疑問が湧いてきました。
剛体の角運動量は、「その剛体を構成する各質点の速度分布」に依存し、
剛体の慣性テンソルは、「その剛体の質量密度分布」に依存すると思います。
では、剛体の角速度はどうなのでしょうか?
私の直感では、
「その剛体を構成する各質点に及ぼされる内力分布」
に依存するのではないかと考えています。
しかし、私には、それを数学的に証明することがはできません。
そもそも、この直感自体が間違ってそうな気もしますが・・・。w

  投稿者:yuya - 2008/12/19(Fri) 20:39  No.6163 
大学生Aさんが、どのパラメータを「固有の情報」と呼び、
どのパラメータを「結果」とみなしているのか、私はまだ把握できていないので、
以下はトンチンカンなコメントになるかもしれません。

剛体の「速度」と「角速度」って、例えば地球の赤道上の一点の速さを
「4万km/日」と表現するか、「360°/日」と表現するかの違いですよね。

>剛体の角運動量は、「その剛体を構成する各質点の速度分布」に依存し、

と述べられる一方で、

>では、剛体の各速度はどうなのでしょうか?

と問いかけられる意図が、私にはまだ理解できていません。
よろしければ大学生Aさんの問題意識をもう少し詳しく教えていただけないでしょうか。

(追記:「各速度」を「角速度」のミスタイプだと勝手にみなして返答してしまいましたが、
もしかして「各質点の速度」という意味でしょうか?)

  投稿者:大学生A - 2008/12/19(Fri) 21:41  No.6165 
yuyaさん

ご返事、ありがとうございます。

「各速度」は「角速度」のミスタイプです。すみません。(^^;)
考え直してみると、どうやら私の直感は間違っているみたいです。(T_T)
回転体は観測系によらず、内部応力を持ちますよね?
その情報を定量化したものが、角速度の正体なのでは?
と直感で思いつきまして・・・。w
お騒がせしてすみませんでした。m(_ _)m

  投稿者:yuya - 2008/12/20(Sat) 11:55  No.6166 
大学生Aさん:

両端に質量 $m$ ずつを有する長さ $2r$ の剛体棒が、角速度 $\omega$ で回転しており、
これを棒の真ん中が静止して見える観測系から見たとします。
各質点ごとのレベルで考えると、中心方向に $F = mr\omega ^2$ の向心力が働いています。
大学生Aさんのおっしゃる「内部応力」とは、
この系をひとつの剛体として考えたときの、上記の向心力に当たりますよね。
この場合、角速度は $\omega = \sqrt{F/mr}$  として与えられますから、
そういう意味では、「直感」はあながち間違っていないような気がします。

  投稿者:大学生A - 2008/12/20(Sat) 14:38  No.6167 
yuyaさん

ご返事、ありがとうございます。

>そういう意味では、「直感」はあながち間違っていないような気がします。

なるほど。角速度の大きさを考えれば、内部応力に影響しそうですね。
もう一度、じっくり考えてみます。

  投稿者:yuya - 2008/12/20(Sat) 17:39  No.6168 
大学生Aさん[6167]:
>なるほど。角速度の大きさを考えれば、内部応力に影響しそうですね。

蛇足かも知れませんが、 $\omega$ の「方向」に関しては、
剛体中の少なくとも2点における速度ベクトルの方向が分かれば、
その2つに垂直な方向として定まりそうですね。

EMANさん:
一連の理解のために、EMANさんの
http://homepage2.nifty.com/eman/dynamics/mom_tensor.html
を、かれこれ50回くらい読んで勉強しているのですが、
途中で「あれ、ここ間違ってるんじゃないの?」と思っても
もっと考察すると「そういうことか、やっぱり正しい」となり、
読めば読むほど考えさせられて、新しい発見がある記事ですね。

それで、EMANさんにはお手数を掛けると思うのですが、
現時点でどうしても納得できない点があるので、質問させていただきたいのです。
いろいろ考えるべきことを抱えていらっしゃると思うので、お時間のあるときで結構です。

慣性乗積の物理的な意味として、
「角運動量 $L$ が、慣性乗積の分だけ回転軸 $\omega$ から傾いていることによって初めて、
遠心力が $L$ に及ぼす回転力を説明することができる」
という解説がなされています。

そもそも遠心力は、回転系から見たときに働く見かけの力ですよね。
しかし回転系から見たら、その質点に関しては
角速度も角運動量もゼロになってしまうのでは?と感じたのです。

私は「遠心力で説明可能なら、(非回転系の立場で)遠心力を使わない説明も可能なはずだ。
それが自分でできない限り、理解したことにならない」と思い、以下のように考えました。

--------------------
【1】
(剛体ではなく)単独の質点をこのように運動させようと思えば、
向心力が不可欠で、それは図の緑のベクトル $\vec{F}$ と逆向きの力である。
この向心力は外力であるので、 $\vec{L}$ を変化させても何も不思議はない。
図で言えば、 $\vec{L}$ は手前に倒され(黄色の $\vec{N}$ と逆向きの作用)、
下のピンクの巻矢印と同じように回転する。
「大きさ」に関しては、もとの記事と全く同様である。

【2】
単独の質点では外力なしには不可能だった上記のような運動も、
剛体の一部としてなら、外力がなくても可能になる。
このとき、他の質点を全て加味すれば、剛体全体としての $\vec{L}$ は保存されるが、
これはちょうど上記の向心力が外力から内力に変わったことで、
 $\vec{L}$ を変化させようとする作用が打ち消されたと考えることができる。
--------------------

このように考えた上で、もとの記事を読み直すと、
「回転系で考えると遠心力が現れ、これが向心力と釣り合う」という話と、
「質点単独で考えたときには外力であった向心力が、剛体全体では内力となる」という話とが、
(定量的に一致してしまうこともあって)混同されているように見えるのですが、いかがでしょうか。

  投稿者:EMAN - 2008/12/22(Mon) 08:18  No.6170 
> 蛇足かも知れませんが、 $ \omega $ の「方向」に関しては、
> 剛体中の少なくとも2点における速度ベクトルの方向が分かれば、
> その2つに垂直な方向として定まりそうですね。

 まずここだけ。 残りの部分はもう少しお待ちください。

 二つの速度ベクトルが平行でなければ一つの平面が決まりますので、それに垂直な方向として ω の方向が定まりますね。 平行の場合には定めることができません。

  投稿者:EMAN - 2008/12/22(Mon) 11:41  No.6171 
> このように考えた上で、もとの記事を読み直すと、・・・
> (定量的に一致してしまうこともあって)
> 混同されているように見えるのですが、いかがでしょうか。

 確かに、今読み返すと、自分でも理解不能な箇所がありますね。
 多分、回転系と外から見た系との、
2種の視点をはっきり固定していないせいではないかと思いますが、
ちゃんと考え直さないといけませんね。
 (やばいなぁ。この記事、そのまま本になってるのに・・・)

  投稿者:yuya - 2008/12/22(Mon) 11:52  No.6172 
EMANさん、再検討してくださってありがとうございます。
前回の投稿では自分の考え方ばかり書いてしまい、
EMANさんの記事のどこに疑問を持っているか、うまくまとめられていませんでした。

[6171]:
>多分、回転系と外から見た系との、
>2種の視点をはっきり固定していないせいではないかと思いますが、

私も同感です。「慣性乗積の意味」のセクションの後ろから2段落目に、

>微小時間の間に微小角 $\D\phi$ だけ軸が回転したとすると、 $L$ は $|P|\D\phi$ だけ奥へ向かうだろう。 

とあります。

本来は軸性ベクトルであるはずの $L$ を、極性ベクトルのように扱って、
回転系から見れば(相対的に) $L$ が奥へ向かう、と議論を展開している点に、
自分は違和感を覚えたのだと思います。

お忙しいのにすみませんが、再検討が進みましたら、ぜひまた議論に加わらせてください。

  投稿者:hirota - 2008/12/22(Mon) 17:48  No.6173 
実際の剛体回転を見たいなら、単4乾電池でも空中で廻してみると良いです。(なぜ単4かと言えば,落としても軽くて被害が少ない)
廻してみると、よほどうまく廻さないと「みそすり運動」を起こして乾電池が回転しながら、「回転してる乾電池」自体が「みそすり」状に廻ります。
つまり、2つの回転が起きてるわけで、「局所的な回転軸」と全体的な「みそすり」回転軸があります。
この全体的な「みそすり」回転軸が角運動量ベクトル L なわけです。
これを乾電池にしがみついてる微生物から見ますと、角運動量ベクトル(ベクトルを乾電池固定座標に座標変換したもの) が乾電池の回転対称軸まわりを「みそすり回転」してるのが見えます。
では瞬時の回転軸は回転対称軸と一致して固定してるかと言えば、そうは行きません。
瞬時の回転は「局所的に見える回転」と「全体的みそすり回転」の合成ですから、回転対称軸とずれた所(角運動量ベクトルとも別) をやはり「みそすり回転」してます。
(剛体回転て、数式を使わず理解するのは無理じゃないかな〜)

  投稿者:大学生A - 2008/12/22(Mon) 20:59  No.6174 
>瞬時の回転は「局所的に見える回転」と「全体的みそすり回転」の合成ですから、
>回転対称軸とずれた所(角運動量ベクトルとも別) をやはり「みそすり回転」してます。

この「瞬時の回転」の軸方向が剛体の角速度ベクトルの方向ですよね?
ということは、相異なる剛体内の二点での速度ベクトルが平行でなくても、
それだけでは、角速度の方向を決められないのでしょうか?
簡単なモデルで、乾電池の側面の一部が常に角運動量ベクトルの軸を向いている場合、
つまり、「乾電池の自転」と「みそすり状に廻る乾電池の回転」が同期する場合、
(自転周期と公転周期が一致した月みたいに。w)
単純に、剛体内の二点での速度ベクトルを頼りに角速度の方向を求めると、
角運動量ベクトルと平行になりそうですが、これは「みそすり」運動する
という現象と、明らかに矛盾するかも・・・。

何か、直感的に「剛体の角速度」を捕らえる方法はないのだろうか・・・。

  投稿者:yuya - 2008/12/22(Mon) 22:16  No.6175 
hirotaさん[6173]:
>では瞬時の回転軸は回転対称軸と一致して固定してるかと言えば、そうは行きません。

ちょうど、ぼんやりとそういう理解に到達しかけていたのですが、自信が無かったので、
hirotaさんにコメントいただいて助かりました。ありがとうございます。

大学生Aさん[6174]:
>この「瞬時の回転」の軸方向が剛体の角速度ベクトルの方向ですよね?

そうだと思います。

>ということは、相異なる剛体内の二点での速度ベクトルが平行でなくても、
>それだけでは、角速度の方向を決められないのでしょうか?

いえ、そんなことはないと思いますよ。

議論には、電池の対称軸 $\vec{\alpha}$ 、角速度 $\vec{\omega}$ 、角運動量 $\vec{L}$ の
3種類のベクトルが登場していますね。
で、一般にはこの3者はいずれも異なる方向を向いている、と。

>単純に、剛体内の二点での速度ベクトルを頼りに角速度の方向を求めると、
>角運動量ベクトルと平行になりそうですが、これは「みそすり」運動する
>という現象と、明らかに矛盾するかも・・・。

これは、たまたま $\vec{\omega}$ が常に $\vec{L}$ と同じ方向を向いているケースだと思います。
それでも明らかに電池はみそすり運動していますが、それは $\vec{\alpha}$ が回転しているからです。

このケースこそ、 $\vec{\alpha}$ と $\vec{\omega}$ の方向は一般には異なることを如実に示した好例だと思います。

  投稿者:大学生A - 2008/12/22(Mon) 23:30  No.6176 
yuyaさん

ご返事、ありがとうございます。

>これは、たまたま $\vec{\omega}$ が常に $\vec{L}$ と同じ方向を向いているケースだと思います。
>それでも明らかに電池はみそすり運動していますが、それは $\vec{\alpha}$  が回転しているからです。

しかし、もしそうならば、「みそすり」運動することから、非対称な回転となり、
乾電池にトルクが生じて、回転軸がブレ始めると思うのですが・・・。
それに、慣性テンソルのみ周期を持つというのもおかしなことかと・・・。
その場合、慣性テンソルはスカラー行列になるのが、普通では?

  投稿者:yuya - 2008/12/23(Tue) 08:34  No.6177 
大学生Aさん[6176]:
>しかし、もしそうならば、「みそすり」運動することから、非対称な回転となり、
>乾電池にトルクが生じて、回転軸がブレ始めると思うのですが・・・。

すみません、勘違いしていました。
そもそもこの運動は重心が円運動しており、適切な外力を加えて初めて成立するのであって、
角運動量 $\vec{L}$ は保存しませんね。

このモデルでは $\vec{\omega}$ が常にみそすりの回転軸と同じ方向を向き、 $\vec{L}$ は回転していますね。
電池の端(みそすり円錐の頂点)を基準点にとると、 $\vec{\alpha}$ と $\vec{L}$ は常に垂直になるのかな。
ベクトルが目に見える人から見ると、 $\vec{\omega}$ をみそすり回転軸として、
そのまわりを $\vec{\alpha}$ と $\vec{L}$ が互いに垂直な関係を保ちながら回っている、というイメージでよいのでしょうか。

  投稿者:大学生A - 2008/12/23(Tue) 09:47  No.6178 
yuyaさん

おお!なるほど。
つまり、このモデルだと無重力空間では、「みそすり」運動になりませんね。
無重力空間で「みそすり」運動させるには、「乾電池の自転」と
「みそすり状に廻る乾電池の回転」が同期しないことが必要みたいです。
私も思いっきり勘違いしていました。(^^;)
ということは、相異なる剛体内の二点での速度ベクトルが平行でなければ、
その情報で角速度の方向を決められるという命題はやはり真ですか・・・。
もう少し、考えてみます。

  投稿者:hirota - 2008/12/23(Tue) 16:08  No.6179 
地上で回ってるコマと、空中で回ってる剛体回転とは「みそすり運動」の意味が違います。
地上のコマは地面からの外力で角運動量ベクトルが変化し続けてる事により「角運動量ベクトルが『みそすり運動』する」わけですが、空中剛体回転は「角運動量ベクトルと角速度ベクトルが一致しない」ことによる『みそすり運動』です。
慣性系で見れば、空中剛体回転では角運動量ベクトルは不動で、角速度ベクトルと対称軸 (慣性主軸) が「みそすり運動」し、剛体固定座標系から見れば、角運動量ベクトルと角速度ベクトルが慣性主軸まわりを「みそすり運動」してます。
なお、一般には慣性主軸と角速度ベクトルと角運動量ベクトルの3軸は一致しませんが、このうち2つが一致した場合は3つとも一致し、「みそすり運動 (ニューテーション)」は起こりません。(安定回転)
回転安定型の人工衛星ではニューテーション・ダンパー (みそすり減衰器:液体がチャプンチャプンしてる容器) が付いててエネルギー散逸効果で「みそすり運動」を止めますが、その結果安定回転になったとき、3つとも一致することになります。

  投稿者:lele - 2008/12/24(Wed) 12:10  No.6182 
以前、角運動量の保存のスレ の時に、串刺しにした「ちくわ」をちくわの回転体軸心を中心に、回転させながら、かつ、串の軸でも回転させた場合、、、(つまり、2重の回転)どうなるか、、という話に少し触れました。
その時の思考実験で、ちくわ が、固体ではなくて、内部に流体が詰まっている場合、を想像すると、、、(直感的)結論として、流体の内部摩擦が要因で、2重回転は、ちくわの回転体軸心を軸としての回転に収束していくだろう、、、ということでした。この収束するまでの過程でちくわは、みそすり運動を経過します。
剛体が回転する時、内部の特定の質点に作用する力を考える時、剛体の表面は、固体のまま、内部が流動体になったと仮定して、思考実験してみると、見えてくるものがあるような気がします。
例えば、外殻がみそすり運動するケースの中の液体は、回転の軸が刻々傾斜することで、応力(トーション?ニューテーション?)を生じざるを得ず、本来、遠心力以外のこのような力で分断されてしまうはずの、物体が剛体であるという理由で、かろうじて、形を保ったまま、全部の応力を決算して、みそすり運動しながら回転し続ける、ということなのだと思います。

  投稿者:heavy moon - 2008/12/25(Thu) 12:44  No.6188 

yuyaさんの[6168]にもどっていいでしょうか? 重要な点を指摘されていると思いますので。

EMANさんの、
http://homepage2.nifty.com/eman/dynamics/mom_tensor.html
にある図は、末端に質量mの球Mをもつ「剛体」(EMANさんのいう「現実の物体」)が、もうひとつの端点(原点:点Oとする)が固定された状態で軸のまわりを回転している、と考えるべきではないでしょうか? 

そのとき棒OMにどんな力を加えるべきか、というのが問題で・・・

この場合、点Oを「中心」と考えると、その場合の「向心力」は、MO方向の力になります。球Mにかかる「遠心力」と拮抗させるためには(球Mの回転運動を維持するためには)、「向心力」では不十分で、点Oまわりのモーメント(棒OMを起こそうとする力:方向は画面手前)も必要となる、というのが議論のポイントだと思います。


  投稿者:yuya - 2008/12/25(Thu) 14:19  No.6189 
heavy moonさん[6188]:
>末端に質量mの球Mをもつ「剛体」(EMANさんのいう「現実の物体」)が、
>もうひとつの端点(原点:点Oとする)が固定された状態で軸のまわりを
>回転している、と考えるべきではないでしょうか? 
>
>そのとき棒OMにどんな力を加えるべきか、というのが問題で・・・

そうですね。
EMANさんの記事にインスパイアされて書かれたと見られる、下のリンク先の記事も、
同様の理解に基づいて書かれています。
http://www.geocities.jp/tokyomarlin/rcolumn8.html
私としては、この記事もとても参考になりました。

ただ、固定点Oに棒で繋がれた剛体を考えて、「棒OMにどんな力を加えるべきか」と考えるのと、
単に「質点Mにどんな力を加えるべきか」と考える([6168]の【1】)こととの間に
本質的な違いがあるのかないのか、私にはよく分かりません。

>球Mにかかる「遠心力」と拮抗させるためには

外から見れば単に「このような加速運動をさせるためには」ですが、
これを回転系から見れば「『遠心力』と拮抗させるためには」
という表現に変わるわけですね。

いずれにしても、遠心力そのものが角運動量に及ぼす影響ではなく、
軸方向への力による影響が問題である、ということでよろしいでしょうか。

ちなみに、私は軸方向への力は(基準点方向でなくても)「向心力」、
基準点方向への力は「中心力」と勝手に呼んでいたので、ちょっと語弊があったかもしれません(^^;)
外力が働いていても、それが中心力であれば、
(その基準点で考えた)角運動量が保存することはご存知のとおりですね。

  投稿者:heavy moon - 2008/12/25(Thu) 15:45  No.6191 

私の拙文をお読みいただいたんですね。ありがとう。私の物理に対する理解の程度も、だいたいお察しいただけるでしょう。

> ただ、固定点Oに棒で繋がれた剛体を考えて、「棒OMにどんな力を加えるべきか」と考えるのと、単に「質点Mにどんな力を加えるべきか」と考える([6168]の【1】)こととの間に本質的な違いがあるのかないのか、私にはよく分かりません。

もし、yuyaさんのおっしゃる「向心力」を加える手段があれば、Mの円軌道を含む平面内の問題になり、話はそこで終わってしまいます。手段がないからそれに匹敵する力を棒に加えにはどうすればいいか?ということで、慣性テンソルや変化する角運動量の話になるわけです。


>いずれにしても、遠心力そのものが角運動量に及ぼす影響ではなく、軸方向への力による影響が問題である、ということでよろしいでしょうか。


そういうことだと思います。

>外力が働いていても、それが中心力であれば、
(その基準点で考えた)角運動量が保存することはご存知のとおりですね。

ここのところはよくわからないのですが・・・
前回の投稿の「方向は画面の手前」の力についての話でしょうか?
これは棒MOを起こす方に働く力のモーメントベクトルで、軸性ベクトルです。角運動量の微分に一致することは、EMANさんの記事で考察されています。



  投稿者:yuya - 2008/12/25(Thu) 21:41  No.6194 
heavy moonさん[6191]:
>私の拙文をお読みいただいたんですね。ありがとう。

ご本人でしたか。これは失礼いたしました。
あの記事のおかげで、理解のためにずいぶん近道させてもらいました。

>もし、yuyaさんのおっしゃる「向心力」を加える手段があれば、Mの円軌道を含む
>平面内の問題になり、話はそこで終わってしまいます。手段がないからそれに匹敵
>する力を棒に加えにはどうすればいいか?ということで、慣性テンソルや変化する
>角運動量の話になるわけです。

なるほど、よく分かりました。
加えるべき「軸へ向かう力」は、トータルでは(質点でも剛体でも)同じことですが、
「Oから頑張って何とかなる成分」と、「Oからではどーしよーもない成分」とに
切り分けて考えられることに意義があるわけですね。

>ここのところはよくわからないのですが・・・
>前回の投稿の「方向は画面の手前」の力についての話でしょうか?

いえ、そうではありません。
heavy moonさんのおっしゃるように、必要となる「軸へ向かう力」のうち、
「Oのほうを向く成分」は角運動量の変化に全く寄与しない、ということを言いたかったのです。

ケプラーの第2法則(面積速度一定の法則)において、
惑星が太陽から引っ張られている(外力が働いている)にも関わらず
(太陽を原点とした)惑星の角運動量が保存するのは、
力が常に太陽のほうを向いているからですよね。

  投稿者:heavy moon - 2008/12/26(Fri) 04:02  No.6197 

>ご本人でしたか。これは失礼いたしました。

ご存じなかったんですか・・・(笑)。かえって、光栄です。

>加えるべき「軸へ向かう力」は、トータルでは(質点でも剛体でも)同じことですが、 「Oから頑張って何とかなる成分」と、「Oからではどーしよーもない成分」とに切り分けて考えられることに意義があるわけですね。

そういうことですね。
私が興味を持っているスポーツ・バイオメカニクスの動作解析(逆動力学)では、「O(関節)にかかるトルク」と考えます。例えば、こんな感じ。
http://www.kwon3d.com/theory/jtorque/_derived/jtorque.html_txt_jtorque_f05.gif

しかし実際は、関節以外の点で筋肉が引っ張っているわけです。ヘンな回転によって軸受けにかかる力も同じで、2点にかかる力が必要です。

>「Oのほうを向く成分」は角運動量の変化に全く寄与しない、ということを言いたかったのです。

了解しました。


  投稿者:大学生A - 2008/12/26(Fri) 12:26  No.6198 
数学的に証明できませんが・・・。w
どうやら、無重力空間では、瞬間的に、剛体の重心の速度に一致する
直線状の質点群(つまり、瞬間的に並進する重心軸)が必ず存在しそうです。
もし、この考えが正しければ、その重心軸が剛体の角速度ベクトルの方向
ってことで、私の疑問はアッサリ解決です。
書店で専門書を漁ってみますが、ズバッと指摘している本があるかな?(^^;)

頭のいい人には自明でも、凡人には悶絶するほど悩むこともあると思います。

カレコレ、イッシュウカンカ・・・ヤレヤレ>(-_-;)y-~~~

  投稿者:yuya - 2008/12/26(Fri) 12:40  No.6199 
heavy moonさん[6197]:
>私が興味を持っているスポーツ・バイオメカニクスの動作解析(逆動力学)では、
>「O(関節)にかかるトルク」と考えます。

>しかし実際は、関節以外の点で筋肉が引っ張っているわけです。ヘンな回転によ
>って軸受けにかかる力も同じで、2点にかかる力が必要です。

へぇー。そういう分野ではお馴染みの考え方なのですね。面白そう。

さて、このような運動を保つためには、軸 $\vec{\omega}$ が倒れ込まないように支える外力を
適切に加えることが必要で、もし本当に外力を加えたら、それによって角運動量が変化する、と。
で、外力を加えなければ、角運動量は変化しないが、案の定 $\vec{\omega}$ が倒れ込もうとしてしまう。
ここでちょっと飛躍しますが、 $\vec{\omega}$ は倒れ込んで倒れ込んで、
おっとっと、って感じで角運動量ベクトルのまわりを「みそすり」するわけですね。

EMANさんの記事で言えば、この話は「角運動量保存」のセクションの冒頭に相当しますが、そこでの

>外力もないのに角運動量ベクトルが物体の回転に合わせてくるくると向きを変えるの
>だとしたら、角運動量保存則に反しているのではないだろうか、ということだ。
>
> 大丈夫。 角運動量保存則はちゃんと成り立っている。 どうしてだろうか。 実
>は、角運動量ベクトルは常に同じ向きに固定されていて、変わるのは、なんと回転軸
>の向き の方なのだ!

という説明は、当初は理解困難でした。
「本当は $\vec{L}$ が一定で $\vec{\omega}$ が回転しているのに、
回転系から見ると $\vec{L}$ のほうが回転しているように見える、ということなのかなぁ」
といった考え方に寄り道していました。

ただ、私の書いた[6168]の【2】のように話を展開してしまうと、
 $\vec{\omega}$ が「みそすり」をする話につなげられませんから、
これは不適切でした。失礼しました。

記事では、続いて「回転軸」という語の多義性に触れられています。
この説明のおかげで、私は $\vec{L}$ と $\vec{\omega}$ の区別が明確になりましたが、
その一方で、私が何度も陥ってhirotaさんにご指摘いただいた「 $\vec{\alpha}$ と $\vec{\omega}$ との混同」[6175][6190]を
助長してしまうのではないか、という気もします。

  投稿者:hirota - 2008/12/26(Fri) 13:07  No.6200 
>No.6198
剛体の姿勢は3次元特殊直交行列 (空間回転行列) で表せます。
直交行列とは  $U^T U=1_3$  ( $U^T$  は U の転置、 $1_3$  は3次元単位行列) となる行列ですから、時間で微分しますと  $U^T\dot{U}+\dot{U}^T U=0$  となり、これは  $\Omega=U^T\dot{U}$  が交代行列 ( $\Omega^T=-\Omega$  ) である事を意味します。
3次元の交代行列は独立成分が3つしかなく、それを並べた3次元ベクトルを  $\omega$  とすると、これが角速度ベクトルです。( U を物体固定座標から慣性系への変換行列とすると  $\omega$  は物体固定座標での角速度ベクトル)
実際に角速度ベクトルになってることは、角速度ベクトルと位置ベクトルの外積が交代行列と位置ベクトルの積に等しくなる事から確認できます。

  投稿者:heavy moon - 2008/12/26(Fri) 15:46  No.6201 

あまり話が複雑になるとお手上げですが・・・

>ここでちょっと飛躍しますが、<tex> \vec{ \omega } </tex> は倒れ込んで倒れ込んで、おっとっと、って感じで角運動量ベクトルのまわりを「みそすり」するわけですね。

EMANさんの図で、向心力をかけたまま、モーメントを外せば「みそすり」はしないと思います。
その時点の角運動量は保存しますから、<tex> \vec{L} </tex> に垂直な面内を回転すると思いますが・・・?


  投稿者:yuya - 2008/12/27(Sat) 00:50  No.6202 
heavy moonさん[6201]:
>EMANさんの図で、向心力をかけたまま、モーメントを外せば「みそすり」はしないと思います。
>その時点の角運動量は保存しますから、<tex> \vec{L} </tex> に垂直な面内を回転すると思いますが・・・?

剛体 $OM$ 自体の運動(つまりベクトル $\vec{OM}$ )に関してはその通りだと思います。
問題は、そのときの角速度ベクトルはどうなるか、という点です。

根本的なところから考えます。
質点を考えたとき、その位置ベクトル $\vec{r}$ と速度ベクトル $\vec{v}$ が与えられたとしても、
 $\vec{v} = \vec{\omega} \times \vec{r}$ を満たす角速度ベクトル $\vec{\omega}$ は無数に存在します。
すなわち、1つの質点の位置と速度だけを見て、コイツがどんな軸のまわりを回っているか、というのは意味を持ちません。

例えばheavy moonさんのモデルにおいて、適切な外力によって軸が倒れずに回転を保っていたとします。
これを見れば、先端質点部 $M$ は
(ア)一定不変の $\vec{\omega}$ を軸に回転している
と考えるのが普通だと思いますが、これが唯一の見方ではなく、
(イ)各瞬間において $\vec{L}$ のまわりを回ろうとしているが、 $\vec{L}$ 自体がめまぐるしく動いており、どんどん回転軸を乗り換えながら回っている
と考えることもできるわけです。

(イ)の考え方は複雑なように見えますが、
常に回転軸と角運動量ベクトルの方向が一致しており、慣性乗積を考える必要もありません。
たとえば突然外力を与えるのをやめたとき、
おっしゃるようにMは変化をやめた $\vec{L}$ のまわりを回転するわけで、
初めからずっと $\vec{L}$ を軸にしていたと考えることができます。
これは、いきなり $\vec{\omega}$ 方向から $\vec{L}$ 方向に回転軸を鞍替えしたと考えるよりも自然です。

このモデルでは、アーム部を含めた剛体で考えたとしても、
そのすべての点(位置 $\vec{r_k}$ 、速度 $\vec{v_k}$ )について
 $\vec{v_k} = \vec{\omega} \times \vec{r_k}$ を満たす共通の $\vec{\omega}$ が無数にありますから、
やはり単一の質点と同様の任意性があります。

つまり、このモデルを検討するだけでは、heavy moonさんの本来の問題意識であった
「剛体において $\vec{L}$ と $\vec{\omega}$ の方向が必ずしも一致しないのはなぜか?」……(*)
に対する充分な答えを用意することはできないのではないかと思います。

ところが、一般の剛体の場合には事情が変わります。
剛体の2点における速度ベクトルが与えられれば、互いに平行でない限り、
それらに垂直な方向を(その瞬間における)回転軸 $\vec{\omega}$ とするしかありません。
これに対し角運動量ベクトル $\vec{L}$ は基準点の取り方によって異なり、一般には $\vec{\omega}$ の方向とは一致しません。
(*)の背景には、こういう事情があるのだと思われます。

私が[6199]で「みそすり」をすると言ったのは、 $OM$ そのもののことではなく、
$OM$ を一部に持つ一般の剛体の)角速度ベクトル $\vec{\omega}$ のことです(説明が足りませんでした)。
 $\vec{\omega}$ は剛体各部の速度ベクトルの変化に伴って、刻一刻と変わってゆきます。
この $\vec{\omega}$ が、剛体全体の角運動量ベクトルのまわりを「みそすり」運動するのだと思います。

このように考えることで、heavy moonさんの記事から、EMANさんの記事の「角運動量保存」のセクションに
うまく話をつなげることができると思うのです。

  投稿者:heavy moon - 2008/12/27(Sat) 12:26  No.6203 

yuyaさん[6202]
案の定、難しくてよくわかりませんでした(笑)。例えば、

>常に回転軸と角運動量ベクトルの方向が一致しており、慣性乗積を考える必要もありません。

この記述から推察すると、剛体に固定される軸の取り方を問題にされているのでしょうか? EMANさんや私の例ですとOM方向(慣性主軸)からθだけ傾いているので、慣性乗積が生じています。しかし「角速度と角運動量の方向が違うということ」と「軸の選び方」とは別の問題だと思いますが・・・?

私の質問が議論のレベルを下げすぎるようでしたら、「もう少し勉強しろ」ということでストップをかけてくださると助かります。



  投稿者:hirota - 2008/12/27(Sat) 13:44  No.6204 
>常に回転軸と角運動量ベクトルの方向が一致しており、慣性乗積を考える必要もありません
yuyaさんの説明の状況では、日本語の「回転軸」は強制回転軸の事しか考えられませんから、「角運動量ベクトル」を「回転軸」としてる事自体が破綻してます。
日本語の意味を忘れて「角運動量ベクトル」を「回転軸」と言う事にしたとしても、「角運動量ベクトル」と「角速度ベクトル」は一致しませんから慣性乗積を考える必要はあります。
EMANさんの図で言えば、角速度ベクトルが慣性主軸と一致していれば遠心力はバランスが取れてますが、一致してないとき (慣性乗積があるとき) は遠心力アンバランスは物体および角速度ベクトルを倒そうとします。
これは角運動量ベクトルを保存する為に、角速度ベクトルを角運動量ベクトルの周りに「みそすり」させる事と同じです。
簡単な例としては、鉛筆を斜めの軸で回転させようとしても、強制力をはずせば鉛筆に垂直な軸で回転してしまう。(鉛筆の芯の周りでも回転してるから一応みそすり) といった所でしょうか。

  投稿者:yuya - 2008/12/27(Sat) 14:41  No.6205 
hirotaさん[6204]:
>「角運動量ベクトル」と「角速度ベクトル」は一致しませんから慣性乗積を考える必要はあります。

ここなのですが、もちろん、もとの(EMANさんの図において直立した) $\vec{\omega}$ を角速度ベクトルと考えれば、
 $\vec{L}$ との間に慣性乗積が介在することは理解できます。
しかし、同じ剛体 $OM$ に対して、
角速度ベクトルを $\vec{L}$ と同じ方向にとって考えることも可能ではないか?
ということを言おうとしていました(ただし、この場合、角速度ベクトルはカタトキもじっとしてくれない)。
[6202]の(イ)では「 $\vec{L}$ のまわりを云々」と書いてしまいましたが、
「 $\vec{L}$ と同方向に $\vec{\omega}$ をとって、そのまわりを」という意図でした。
そんなふうに考えて何のメリットがあるのか、と言われるとグゥの音も出ないのですが、
「そもそも、なんで $\vec{\omega}$ と $\vec{L}$ の方向が一致してないことを『変』だと感じるのだろう?」と考えたとき、
質点や $OM$ のような剛体だと $\vec{\omega}$ の取り方に任意性があって、
わざわざ $\vec{L}$ と異なる方向に取ることに慣れていなかったからなのかな、と思いました。

>EMANさんの図で言えば、角速度ベクトルが慣性主軸と一致していれば遠心力はバランスが取れてますが、一
>致してないとき (慣性乗積があるとき) は遠心力アンバランスは物体および角速度ベクトルを倒そうとします。
>これは角運動量ベクトルを保存する為に、角速度ベクトルを角運動量ベクトルの周りに「みそすり」させる事と
>同じです。

はい。これが[6199]で伝えたかったイメージでした。
正確に説明してくださってありがとうございます。

heavy moonさん、いろいろ惑わせてしまってすみません。

>この記述から推察すると、剛体に固定される軸の取り方を問題にされているのでしょうか?

「剛体に固定される軸」というのがよく分からないのですが、おそらく違うと思います。
私の説明は間違いをたくさん含んでいる可能性が高いので、
どこまで同意できて、どこから納得できないか、また教えていただけると助かります。

  投稿者:heavy moon - 2008/12/27(Sat) 14:48  No.6206 
hirotaさん[6204]
いつも貴重なコメントありがとうございます。計算が達者でうらやましい。僭越ですが・・・

>「角運動量ベクトル」を「回転軸」と言う事にしたとしても、「角運動量ベクトル」と「角速度ベクトル」は一致しませんから慣性乗積を考える必要はあります。

ここのところはちょっと違うような気がするんですが・・・

慣性乗積を考える必要があるかないかは軸の取り方であって、回転の仕方とは関係ないと思います。
EMANさんの図で原点Oから点Mの方に軸を取れば、慣性主軸ですから行列が対角化できて慣性乗積はゼロになるはずです。このとき角速度ベクトルを<tex> \left( \omega  _{1} , \omega  _{2} ,0\right) </tex>、主慣性モーメントを<tex>I _{1} ,I _{2} ,I _{3} </tex>とすると、角運動量が<tex> \left(I _{1}  \omega  _{1} ,I _{2}  \omega  _{2} ,0\right) </tex>とあらわされ、<tex>I _{1}  \neq I _{2} </tex>であれば、角速度と角運動量の方向が違ってくるのだと思います。



  投稿者:hirota - 2008/12/28(Sun) 12:55  No.6208 
慣性乗積自体は回転の仕方と関係ないですが、慣性乗積による遠心力の影響を考える場合は、慣性乗積が存在するような軸方向に角速度ベクトルがある状況を考える事になります。

No.6205> $\vec\omega$  の取り方に任意性
角速度ベクトルのことを言ってるのなら、角速度ベクトルは角運動量ベクトルと慣性テンソルから一意的に決まり、任意性はありません。

  投稿者:yuya - 2008/12/28(Sun) 15:59  No.6209 
hirotaさん[6208]:
>角速度ベクトルのことを言ってるのなら、角速度ベクトルは角運動量ベクトルと
>慣性テンソルから一意的に決まり、任意性はありません。

一般の剛体においてはその通りだと思うのですが、質点の場合、
慣性モーメントテンソル $I$ の行列式を計算するとゼロになり、 $I$ は逆行列を持たないので、
 $\vec{L} = I\vec{\omega}$ を満たす $\vec{\omega}$ は一意に定まらないのではないでしょうか?

heavy moonさん[6206]:
>慣性乗積を考える必要があるかないかは軸の取り方であって、回転の仕方とは関係ないと思います。

言われてみれば、「慣性乗積⇔ $\vec{L}$  の 非 $\vec{\omega}$ 方向成分」 ではないのですね。
「慣性テンソルの対角成分⇔ $\vec{\omega}$ 由来」というのは、あくまで成分ごとの話であって、
「対角行列 = 単位行列の実数倍」ではないですし。

そういう意味では、EMANさんの元記事の「慣性乗積の意味」における諸々の記述も、
そのままではちょっと誤解を招くような気がします。
特に、初めの図において「慣性乗積の意味するベクトル」が $\vec{\omega}$ と垂直になっているのはマズいかも。

[6203]:
>しかし「角速度と角運動量の方向が違うということ」と「軸の選び方」とは別の問題だと思いますが・・・?

さかのぼって自分の発言を吟味すると、
「慣性乗積を考える必要もありません」というのは不適切でした。
(イ)のように角速度ベクトルを取れば、「慣性モーメントテンソルを掛ける」という操作が、
常に「 $\vec{\omega}$ が単に実数倍されただけ」という結果になるので、
「わざわざテンソルで考える必要がありません」と書くべきでした。

  投稿者:hirota - 2008/12/28(Sun) 19:39  No.6210 
EMANさんの図でマズイのは、質点が1つしかない所です。
質点が2つなら偶力になりますから、 $\omega$  まわりの回転が遠心力で r を含む面内の回転に変わりたがって、 $\omega$  が r に垂直になろうとするのが簡単に分かると思います。(面内回転になれば遠心力がバランスして安定)
 $\omega$  の方向を変える力が  $\omega$  と垂直に描かれてるのは問題ありません。

  投稿者:yuya - 2008/12/28(Sun) 20:11  No.6211 
hirotaさん[6210]:
>質点が2つなら偶力になりますから、  $\omega$  まわりの回転が遠心力で r を含む面内の回転
>に変わりたがって、  $\omega$  が r に垂直になろうとするのが簡単に分かると思います。

なるほど〜。質点を2つにするだけで、ずいぶん分かりやすくなりますね。

$\omega$  の方向を変える力が  $\omega$  と垂直に描かれてるのは問題ありません。

そうですね。その後の議論も、このベクトルが主役ですし。
ただ、このベクトルは慣性乗積の部分にぴったり対応しているのではなく、対角成分の一部も寄与しています。
「慣性乗積の表すベクトル」という名前がふさわしくない、というだけですね。

  投稿者:heavy moon - 2008/12/29(Mon) 07:20  No.6212 
hirotaさん、申し訳ありません。慣性座標系と、剛体に固定された座標系が、いつの間にか、ごっちゃになっていました。[6206]は取り下げます。
恥のかきついでにひとつ伺いますと・・・

hirotaさん[6210]
>EMANさんの図でマズイのは、質点が1つしかない所です。

あの図を、原点に固定された剛体と考えれば、問題ないのではないでしょうか?
孤立系について書かれた次の節への移行に多少飛躍が生じるとは思いますが・・・。