EMANの物理学 過去ログ No.6052 〜

 ● 力学・2物体の衝突について

  投稿者:Gil - 2008/12/05(Fri) 14:42  No.6052  <Home>
EMANさまの談話室に集う皆さま、はじめまして。こちらでの名乗りをGilとする、一受験生です。タイトルに記しURLにリンクしたページについて(というより類似の入試問題における不明点を解消する試みの過程でこちらにたどり着いたのですが)唐突に不躾で分かりづらい質問をすることをお許しください。

<tex>v _{A} \neq v' _{A} </tex> とします。つまり「すり抜け」は考えないことにします。

(1)と(2)、または(1)と(3)が成り立てば、衝突後の速度が求まる。
また適当な操作により、(2)かつ(3)なら(1)であることがいえる(<tex>v _{A} =-v' _{A} </tex> ならそうでもないですが、2物体で質量が異なるなら現実的にありえないので)。
ここで、(2)→(3)または(2)←(3)が成り立つとすると、(2)或いは(3)のいずれか一方から衝突後の速度が求まってしまうのですが、これはありそうにありません(関係式1つから2変数が求まってしまうことになる)。
よって <tex>\neg \left(2\right)  \cap  \left(3\right) </tex><tex> \left(2\right)  \cap \neg \left(3\right) </tex> なる事象が存在することになってしまうのですが、実際には <tex>elast \neq 1</tex> なら運動エネルギーは減少する(具体的には相対運動エネルギーが<tex>elast ^{2} </tex> 倍になる?)はずですし、常に弾性衝突する系で運動エネルギーが変わるとも信じられません。

わたしは何を間違えたのでしょうか。どうかご教示ください。

  投稿者:yuya - 2008/12/05(Fri) 17:12  No.6056 
Gilさん:

まず、

[6052]
>実際には <tex>elast \neq 1</tex> なら運動エネルギーは減少する(具体的には相対運動エネル
>ギーが<tex>elast ^{2} </tex> 倍になる?)はずですし、常に弾性衝突する系で運動エネルギー
>が変わるとも信じられません。

これはもちろん正しいのですが、
この知識自体が、運動量保存則(1)があるからこそ成り立つことだ、
という点に注意してください。

>ここで、(2)→(3)または(2)←(3)が成り立つとすると、(2)或いは(3)のいずれか一方から衝突後の
>速度が求まってしまうのですが、これはありそうにありません(関係式1つから2変数が求まってし
>まうことになる)。

これは(1)が成り立つという前提がないからこそ、こうおっしゃっているわけですよね。

>よって <tex>\neg \left(2\right) \cap \left(3\right) </tex><tex> \left(2\right) \cap \neg \left(3\right) </tex> なる事象が存在することになってしまうのですが

これも(1)が成り立つかどうか分からない世界での話であり、
確かに(1)が成り立たなくてもよいなら、そういう解があり得ます。
例えば静止した巨大な岩に、小さなゴマが5m/sで衝突し、衝突後はゴマが静止して岩が5m/sで吹っ飛んだとします。
もしこんなことが起こるなら、「近づく速さ = 遠ざかる速さ」ですから、
(3)は成り立つので「弾性衝突」と言えるかも知れませんが、明らかに(2)は成り立ちません。
(1)の存在によって、このような「にせ弾性衝突」(?)の可能性が消えるわけです。

「(2)⇔(3)」は誤りですが、「『(1)かつ(2)』⇔『(1)かつ(3)』」は正しいです。
つまり、(1)の存在が、(2)と(3)を必要十分な関係にするのです。
これを、「(1)のもとで、『(2)⇔(3)』」と表現することもあります。

  投稿者:yuya - 2008/12/06(Sat) 03:56  No.6059 
http://homepage2.nifty.com/eman/dynamics/collision.html
>この条件式 (5) とエネルギー保存則からの条件式 (2) とは形が全く違うのにど
>うして同じ解が得られる事になるのか、なるほどと一目で納得できるようなエレ
>ガントな証明が出来なくてちょっと胸につかえている。

EMANさんの美意識を満たすかどうか分かりませんが、
 $(1)^2 + m_A m_B \times (5) = 2(m_A + m_B) \times (2)$ 
という関係があるので、これを用いれば
(1)のもとで(2)と(5)の間を行き来できますね。

  投稿者:hirota - 2008/12/08(Mon) 10:29  No.6070 
「2物体の衝突」には「(1),(2)→(3)」が示されてませんね。
ここは、(1)より
<tex>-m_A(v`_A-v_A)=m_B(v`_B-v_B)</tex>
(2)より
<tex>-m_A(v`_A^2-v_A^2)=m_B(v`_B^2-v_B^2)</tex>
<tex>-m_A(v`_A-v_A)(v`_A+v_A)=m_B(v`_B-v_B)(v`_B+v_B)</tex>
として
 $-m_A(v`_A-v_A)=m_B(v`_B-v_B)=0$  (a)
または
 $v`_A+v_A=v`_B+v_B$  (b)
を導けば、(a)は無衝突で(b)は(3)です。

  投稿者:yuya - 2008/12/08(Mon) 11:03  No.6071 
hirotaさん:
そうかぁ、なるほど。hirotaさんの式変形を直観的に解釈すると……

直線運動ということで、ベクトル/スカラーをあまり気にせず書くと、
[もらう仕事] = FΔx = FΔs・Δx/Δs = [もらう力積]×[平均速度]
これが両物体について成り立ち、仕事も力積も相殺されるなら
[Aの衝突前後の平均速度] = [Bの衝突前後の平均速度]
すなわち「近づく速さ = 遠ざかる速さ」ですね。
めちゃくちゃ直観的に書いちゃいましたが(笑)。

  投稿者:Gil - 2008/12/08(Mon) 14:08  No.6072  <Home>
yuyaさま、レスポンス有難うございます。おかげで解決いたしました。
念のため確認しましたが、重心運動エネルギーが不変である論証で(1)が必要になるのですね。もう一方は単に恣意的な外力を考えればいいだけですし……。
先入主として(2)と(3)は互いに従属しているイメージがあったので、そこから(1)が導かれるところに違和感があったのだと思います。
どうも有り難うございました。

  投稿者:yuya - 2008/12/08(Mon) 16:02  No.6073 
Gilさん[6072]:
疑問は解決したようなので、あとは私の自己満足ですが、参考になるとこだけ参考にしてください。

>重心運動エネルギーが不変である論証で(1)が必要になるのですね。

[6059]に書いた
 $(1)^2 + m_A m_B \times (5) = 2(m_A + m_B) \times (2)$ 
の両辺を $2(m_A + m_B)$ で割れば、左辺第1項(つまり(1)由来の項)に
重心の運動エネルギーが表れますね。

>先入主として(2)と(3)は互いに従属しているイメージがあったので、そこから(1)が導かれるところに違和感があったのだと思います。

衝突後の2物体の速度( $v'_A, v'_B$ )について、各条件のグラフを描いてみました。
http://www.geocities.jp/abreverse/collision.jpg
しょーもないグラフですが……。

ここでは $m_A = 2, m_B = 3, v_A = 3, v_B = 1$ としました。
青が(1)運動量保存則、緑が(2)エネルギー保存則、赤が(5)(上の直線のほうが(3))です。
3色の図形の交点(2つ)のうち、左上のほうが弾性衝突、右下が無衝突を表します。
これを見ると、「無衝突」とか「全体が反対向きに走る」といった変な場合を除けば、
(1)(2)(3)のいずれか2つが成り立てば、残りの1つも導かれることが分かります。

まぁ(2)(3)から(1)が導かれることには、物理的な深い意義は無いのでしょうね。