EMANの物理学 過去ログ No.5728 〜

 ● 謎の過去問・・・

  投稿者:KOOK - 2008/11/12(Wed) 00:16  No.5728 
光・波動の過去問なのですが、問題の背景が謎で上手く解けません。助けて下さい<m(__)m>
(問題)x(t)=A*cos(ωt+θ)で表わされる振動を考える。
@化合物や原子団の分子内振動を反映するのは、A、ω、θのうちどれか。
Aそのように考えられる理由は何か。
B熱くなると大きな値を示すのは、A、ω、θのうちどれか。
Cそれは、何故か。

@→ωですよね。
A→ω以外、実験環境の差で変化してしまう。Aは温度、θは実験開始のタイミングに依存。ω=√(k/m)であり、kは分子の結合の種類に、mは結合している原子が何かに依存する・・・。
B→Aですよね。
C→振動の端に来た時、E=(1/2)*kA^2だから、熱が加わり、Eが増加し、Aも増加するので・・・。

ぎこちな過ぎるし、根拠があやふやです(涙)


  投稿者:phoebus - 2008/11/12(Wed) 01:20  No.5729 
ほとんど正解なので問題の背景についてのみ答えさせていただきます。

この問題はおそらく分子の結合を調和振動子で近似したときにどうなるかという議論です。調和振動子で近似するのはよくある手段です。
というのも、平衡点付近ではその結合のポテンシャルとして
<tex>U(r)=\frac{1}{2}k(r-r')^2</tex>
というように二次関数で近似できるからです。
この近似が妥当な理由は
<tex>U(r)=\sum_n \frac{1}{n!}U^{(n)}(r')(r-r')^n</tex>
とTaylor展開し、平衡点なので1回微分は0であり、近傍を考えるので3次以降を無視すると二次関数になるからです。

もちろん他にもより精度の高いポテンシャル近似関数は存在します。しかし、AMBERやGROMACSなどの有名なMDのシミュレーションソフトを初めとして計算化学の分野としては主にこの調和振動子が用いられます。

量子力学でも初等的な問題に調和振動子の問題がありましたね。(Hermite多項式がでてくるあれです。)

また、量子・古典を問わず、基準振動解析では調和振動子を用います。

  投稿者:KOOK - 2008/11/12(Wed) 09:39  No.5735 
有難う御座います!ほとんど合ってますか。良かった、安心しました。
成程、この問題の背景には調和振動子近似があったのですね。
<tex>U \left(r\right) =k \left(r-r'\right)  ^{2} </tex>
この式でのkは振動係数で、<tex> \left(r-r'\right)  ^{2} </tex>の部分は自然長からの距離の二乗ですよね。この式の右辺に1/2を掛ける必要はありますか?

本当に勉強になります。

  投稿者:EMAN - 2008/11/12(Wed) 14:46  No.5741 
> この式の右辺に1/2を掛ける必要はありますか?

 k にバネ定数という意味を持たせたいなら、1/2 が要りますね。
 phoebusさんの説明は、「U はこういう形に書ける」ということであって、
k は「任意の定数」くらいの意味で使われているのでしょう。

  投稿者:phoebus - 2008/11/13(Thu) 00:19  No.5762 
>KOOKさん
ご指摘の通り、1/2をかけて下さい。
本文も修正しておきます。

  投稿者:KOOK - 2008/11/13(Thu) 13:59  No.5768 
phoebus 様、EMAN様、助言を有難う御座います!
調和振動子近似についての更なる理解のために尽力したいと思います。あと、ω=√(k/m)において、kは分子の結合の種類に、mは結合している原子が何なのかに依存するという事象の根拠みたいなものがありましたら是非教えてください。
お忙しいところすみません。

  投稿者:phoebus - 2008/11/13(Thu) 22:53  No.5775 
調和振動子の微分方程式(Newton方程式)が

<tex>m\frac{d^2}{dt^2}r=-kr</tex>

であることはご承知だと思いますが、mは原子(or 分子)の質量なので原子種に依存し、kはポテンシャルU(r)から導けることを上で説明しましたので結合の種類(一重結合、二重結合、VDW、水素結合etc)および原子種にも依存します。

  投稿者:KOOK - 2008/11/14(Fri) 09:11  No.5781 
phoebus様、丁寧な解説、有難う御座います。
物理というものは本当に面白いですね!これから皆様のようにしっかりとした知識を付けられるよう努力いたします。