EMANの物理学 過去ログ No.5526 〜

 ● 趣味で物理学について

  投稿者:ゆうき - 2008/10/15(Wed) 11:47  No.5526 
趣味で物理学を読んでいて今つまづいているところがあります。
P.35に離れて働く力の場合について書いているところで,「作用反作用の法則でさえも成り立っていない・・・」とあるのですが,P.42に「離れて働く力を考えたときには,作用反作用でお互いの間に働く力は同じである・・・」とあります。
P.35とP.42で書かれてる離れて働く力は,何か違う力なのですか?
もしかすると,私の読解能力のなさゆえの誤解なのかもしれないので,よかったら誰かアドバイスをいただけないでしょうか。
よろしくお願いします。

  投稿者:EMAN - 2008/10/15(Wed) 12:20  No.5527 
> P.35に離れて働く力の場合について書いているところで,「作用反作用の法則でさえも成り立っていない・・・」とあるのですが,

 P.35 ではなくて、P.39ですね。
 なるほど、ここは今読み返すとちょっとつまづきを与えかねないところです。 結論を言えば、作用反作用は常に成り立っています。

 P.39 のところでは、2 物体に働く力だけを問題にしていて、2物体が電磁力によって相互作用する場合には、両者に働く力の大きさは厳密には等しくないという意味で、作用反作用が成り立っていないと言っています。

 これは電荷を持つ物体が加速運動をするときには、電磁波が発生して、電磁波が運動量を持ち去るためです。 電磁波まで含めた作用反作用を考えれば・・・普通は電磁波まで含める場合には「運動量保存」と表現した方が自然ですが・・・ちゃんと成り立っているということになります。

  投稿者:ゆうき - 2008/10/15(Wed) 12:35  No.5528 
<EMANさん
迅速な解答ありがとうございます。
電磁波の部分はよくわからなかったのですが,これは勉強不足です,頑張ります。
とにかく作用反作用はいつも成り立っているのですね。なんか感動です。

ということは,同じ電荷量の電荷が2つあるとすると,一方に働く力は,自分が与えた力の反作用と相手から受ける力を合わせた力になるということで良いのでしょうか?

  投稿者:EMAN - 2008/10/15(Wed) 13:04  No.5529 
> 一方に働く力は,自分が与えた力の反作用と相手から受ける力を合わせた力になるということで良いのでしょうか?

 作用反作用の法則というのは、「自分が与えた力の反作用」それはすなわち「相手から受ける力」のことですから、これらを合わせた力という表現はおかしいですね。

 さらに、2つの電荷だけでは作用反作用は成り立っていないのです。

 電荷が運動する時に電荷から電磁波が発生します。 これが運動量を持ってどこか遠くへ飛び去りますので、これも含めて考えないといけません。

 作用反作用の法則は、運動量保存則と同じものの別表現ですが、2つの電荷だけでは運動量保存則は成り立っていないということです。

 飛び出してゆく電磁波の運動量も考慮に入れることで運動量保存則が成り立ちます。

  投稿者:ゆうき - 2008/10/15(Wed) 14:25  No.5530 
<EMANさん
そうなんですか。
自分は運動量保存則をまだまだ本質的に理解していない気がしてきました!
ありがとうございます。

最後に。
では,静止している2つの電荷に働く力(電場によって受ける力F=qE)にも作用反作用があると思うのですが,片方が受ける力は,自分の電場によって相手に与えた力の反作用と相手のつくる電場によって受ける力を合わせた力なのでしょうか?

  投稿者:EMAN - 2008/10/15(Wed) 15:42  No.5531 
> 片方が受ける力は,自分の電場によって相手に与えた力の反作用と相手のつくる電場によって受ける力を合わせた力なのでしょうか?

 2つの電荷が力を受けても動かないようになっているとしたら、作用反作用の法則は成り立っています。

 しかし、ゆうきさんの表現は間違いです。

 二つの電荷の大きさをそれぞれ  $q_1$ 、 $q_2$  だとしましょう。
 電荷1が相手の場所に作る電場の大きさは $ E_1 = k\ q_1/r^2 $ で、
電荷2が相手の場所に作る電場の大きさは  $ E_2 = k\ q_2/r^2 $ です。

 電荷1が受ける力の大きさは、 $F_1 = q_1 E_2 $  であり、
電荷2が受ける力の大きさは、 $F_2 = q_2 E_1$  です。

  $F_1$  と  $F_2$  は等しい。
 当然のことを言っているだけですね。

  $F_2$  の反作用が  $F_1$  です。

 ゆうきさんは、
「片方(電荷1)が受ける力は,自分の電場によって相手に与えた力( $F_2$ )の反作用( $F_1$ )と相手のつくる電場によって受ける力( $F_1$ )を合わせた力( $F_1 + F_1$ )なのでしょうか?」と聞いているので、とてもおかしな事を言っていることになるのです。

  投稿者:ゆうき - 2008/10/15(Wed) 18:40  No.5533 
<EMANさん
私はとんでもない勘違いをしていたんですね!

<  $F_2$  の反作用が  $F_1$  です。

これは,私にとって衝撃的です!すぱっとモヤモヤが晴れました。

これまで電場によって受ける力は,完全に独立?していると思っていたのですが,力を与えた結果が相手から受ける力になっているんですね。(これでも何か日本語が変な気がしますが。)


  投稿者:yuya - 2008/10/16(Thu) 00:12  No.5541 
ゆうきさん:

初歩的なアドバイスがお役に立つかどうか分かりませんが。

>これまで電場によって受ける力は,完全に独立?していると思っていたのですが,力を与えた結果が相手から受ける力になっているんですね。

ふつう「作用・反作用」というと、「壁を押すと押し返される」みたいに、
両者の力のベクトルの始点がくっついてる場合が想像しやすいですよね。
クーロン力は始点が離れているために考えにくかったのかもしれません。

始点が離れている「作用・反作用」の例として初めに学ぶのが「万有引力」でしょう。
地球がリンゴを下向きに引っ張るのと同じ大きさの力で、リンゴは地球を上向きに引っ張っています。
それくらいでは地球はびくともしませんが。

クーロン力にしても、我々は「電場」の概念が確立した後の時代に生まれているので、
初めから「電場から受ける力」として学びますが、
発見された当初は「プラスとマイナスは $F = k q_1 q_2 / r^2$ の力で互いに引き合う」
「プラス同士・マイナス同士は退け合う」といった素朴なものだったはずです。
この(同じ大きさの力で)「引き合う」「退け合う」という言葉に、実質的に「作用・反作用の法則」が盛り込まれています。

# 高校時代の教科書を調べてみたら、このことは明記されてなかった。ちょっとショック。
#ゆうきさん同様、当時の私にとっても「言われなくても当たり前」なことではなかったけどなー。

「趣味で物理学」のp90〜p91にも書かれていることですが、
「電場」の概念を導入すると、上記の力をわざわざ $E = k q_1 / r^2,\ \ \ F = q_2 E$ 
てな具合に分けて考えることになります。ところが静的な状態を考える限りにおいては、
何のためにわざわざそんな考え方をして事をややこしくするのか、はっきり言って分かんないです。
「まぁ、そう考えたければ、好きにすればいいんじゃない?」くらいのものです。
ところが勉強を進めてゆくといつの間にか「そう考えるしか無いだろー」という感じになり、
「電荷」よりも「電場」が主役になり、どんどんリアリティが増して来ます。
「どこから『場』の概念なしではやってられなくなるか」注意しながら勉強すると面白いかも知れません。

  投稿者:ゆうき - 2008/10/16(Thu) 08:12  No.5546 
<yuya
>初歩的なアドバイスがお役に立つかどうか分かりませんが。

いえいえ,とても参考になりました。ありがとうございます。

>「プラス同士・マイナス同士は退け合う」といった素朴なものだったはずです。

全くその通りで,私はそこのところをいつの間にか忘れていました。そう考えると万有引力となんら変わりない考え方ができますね。

>「どこから『場』の概念なしではやってられなくなるか」注意しながら勉強すると面白いかも知れません。

今日からそこにも注意しながら勉強を続けていきたいと思います。