EMANの物理学 過去ログ No.5365 〜

 ● 流体方程式の一次摂動解

  投稿者:ASA - 2008/09/27(Sat) 15:58  No.5365 
断熱に関して話がTOSHIさんから出たので、より詳細にまとめておきます。
また 検索しても流体方程式から熱伝導解や音波解の導出がなかなか見つかりません、ちゃんとした教科書に載っていますがオンライン学習者の何らかの役に立つかもしれません。

 元々の問題は、熱流により緩和が速やかに行われる系で、ある一方を熱し他方を冷すこと同時に行い、エネルギー変化無いようにした場合、その系でのエントロピー変化はどうなるかという問題です。
 非平衡定常状態なので平衡系の熱力学は使えないという最もな意見も有りますが、
 「熱力学的に扱える場合(準静過程)なら、熱力学的関係式d'Q=Td'Sからd'Q=0の場合なのでd'S=0」…(主張1)
 がありえます。

 非平衡定常状態系のエントロピーをどう定義するかがまず課題となりますが、ころころ替わりましたがmさんの最後の流儀[4844]を採用し、
流体方程式群の一次摂動によって定義します。(ここでは粘性をもとり入れた完全な方程式形を前提とします)
 ∂t(s') = (κ/ρ0T0)∂x^2(T') …(s-1) s:エントロピー密度
 が成立します。
 (エネルギー方程式の粘性項はμ(∂x(u))^2で、オーダーが違うため一次のエントロピー式から落ちます。これは、熱力学の準静過程では、粘性の影響を無視できることに対応してます。)
 (ちなみに、運動量方程式の粘性項はμ∂x^2(u)。)
(また、運動論的にκ=cμ:c比熱:http://kuchem.kyoto-u.ac.jp/ubung/yyosuke/mcsemi/summary.htm参照
 ミクロ的には熱伝係数と粘性率は、同じ起源とみなせます。流体的にはプラントル数と関係してます。)

結局、粗視化として空間平均をとるなら系の微小なエントロピー変化S'は<s'>xに比例することになります。

X~(ρ',u',T')3変数での一次摂動式は、(気体定位数R=1とした)
∂t(ρ') +ρ0∂x(u')=0 …(1)
T0∂x(ρ') +ρ0∂t(u')-μ∂x^2(u') +ρ0∂x(T') =0 …(2)
ρ0T0∂x(u') +Cvρ0∂t(T')-κ∂x^2(T') =0 …(3)

これら連立式の時空変数分離解では、以下の分散関係が成立(e^(ωt+kx)を代入しdetをとる)
-κ(μω/ρ0)k^4+((κ+Cvμ)ω^2+ρ0CpT0ω)k^2-Cvρ0ω^3=0 …(d-1)
 
kが純虚とωが純虚である場合を分け、κμそれぞれ一次までをとると以下の準定常解が得られる。
Xh=Ae^(ikx)e^(-k^2δ0t):δ0=κ/ρ0Cp …(X-h)
Xs=Ae^(iω(t-x/v1))e^(-ω^2δ1x):δ1=(κ+Cvμ)/(2v0ρ0CpT0),v1=v0/(1+κ/(2ρ0CvT0γ)),v0^2=γT0 …(X-s)
Xhは熱伝導波に対応し、Xsが音波に相当する。熱伝導波は、κにまず依存してますが、音波の減衰因子はκとμ双方に依存します。
(mさんは[4904]でも二次の摂動とか間違ったことを言っていますけどこの議論はあくまで一次摂動の範囲で、κμに対して一次の近似解です)

これらを(s-1)に代入し、時間積分すると

sh'=(κ/ρ0T0δ0)Th'
ss'=(κ/ρ0T0)(2ω^2δ2/v1 +i(ω/v1 +δ2^2ω^3))Ts'

<Th'>x=0ならば<sh'>=0 
u'(-L)=u'(L)=0の境界条件を満たすXh=尿(k)sin(kx)e^(-k^2δ0t),k=nπ/L
だとエントロピー変化が0であることがわかります。
熱流は-κ∂xT'なので上記の境界両端の値は等しくdQ=0のケースであります。
こうしてdQ=0でdS=0なる過程が流体的に存在することが証明できました。
(結局主張1の流体的な裏づけが取れたことになります)

ちなみに、Th=尿(k)cos(kx)e^(-k^2δ0t)の場合は境界両端の符号が反対で絶対値が等しいので、系内の熱の増減がある場合です。
このときは、平均は0で無いので、熱が流入するときはエントロピーが増加し、熱が出るときはエントロピーが減少します。
(普通の熱力学的結論に一致してます)

一方<ss'>xでは、空間平均しても空間的な減衰項があるため0になりません。
よって音によるエントロピー変化が、存在することになります。
 
結局音波の存在する場合、局所で定義したものの平均として系全体でエントロピーを定義しても、熱力学的状態量としての意味を失っていることがしめせました。(波のエネルギーは振幅の2乗で周波数に依存しませんが、このエントロピー定義では、周波数に依存していることが問題でしょう)(一般的なダイナミズムは、時間的空間的双方に局在した波の衝突変化生成消滅で記述されます。)

  投稿者:murak - 2008/09/28(Sun) 12:24  No.5366 
熱力学に関する議論の最後の方で、流体の方程式系の一次摂動を議論した部分に関しては、今から思うと確かに幾つか不味い部分がありましたので、当事者として少しコメントしておきます。

実際、ASAさんが述べておられるように、熱伝導と粘性はミクロ的には同源というのはその通りで、それを考えるなら方程式系で(簡単のため粘性を無視して)熱伝導のみを残したのは片手落ちとは言えるでしょう。また、その場合、減衰する音波解があって、それに伴い何等かのエントロピー変化が生じる事も正しいと思いますが、そのことが直ちに『局所で定義したものの平均として系全体でエントロピーを定義しても、熱力学的状態量としての意味を失っている』事につながる訳ではないでしょう。

元々、ASAさんが持ち出した反論の論旨は、音波(ある種のゆらぎ)に伴うエントロピー変化が{sin(ωt-kx)}^2の様な形で入って来て、それがいつまでも減衰しないならば系のエントロピーが増大しつづけてしまって(エントロピーの定義が)破綻してしまうというものでした。ただし、その時の議論では微小変化の項としてT'しか考察されていませんでしたので、全ての変数についてちゃんと微小量を考察するべきであるというのが、摂動方程式系を持ち出したそもそもの理由です。そして、きちんと2次の摂動項を見積もると、{sin(ωt-kx)}^2のような項が単独で現れるわけではないというのが、当方の反論だったわけですが、どうも曲解されてよく伝わっていなかったようです。(ただ、おまけとして熱伝導項の有無と音波の存在を直接結び付けてしまう議論をしたのは当方の勇み足で、御指摘どおり誤りです。)

一方、粘性をも考慮した議論をするなら、音波はいずれ減衰して、その振動エネルギーは最終的に全て(気体等の)の内部エネルギーに転化して熱平衡に達してしまうので、エントロピーが増えつづけるという問題はそもそも生じない。(平衡状態、あるいは安定な定常状態のまわりでの微小ゆらぎにより、エントロピーが微小にゆらいでいても、それは特に問題ではない。)

なお、ASAさんの本来の主張である、或る系の『一方を熱し他方を冷すこと同時に行い、エネルギー変化無いようにした場合』それを断熱とみなせるか否かについては、これまで述べた事の繰り返しになるだけなので、ここでこれ以上コメントする事は避けます。

  投稿者:ASA - 2008/09/28(Sun) 15:37  No.5368 
>音波(ある種のゆらぎ)に伴うエントロピー変化が{sin(ωt-kx)}^2の様な形で入って来て、それがいつまでも減衰しないならば系のエントロピーが増大しつづけてしまって(エントロピーの定義が)破綻してしまうというものでした。
>熱平衡に達してしまうので、エントロピーが増えつづけるという問題はそもそも生じない。

違います。また誤解してますね。終状態としてある同一の熱的平衡状態に達したとしても、その過程に依存するので熱平衡状態の状態量として適切でないという論旨です。つまり同じエネルギーを持つ波でもこの定義によるエントロピーでは周波数に依存するので最終状態における状態量のユニークネスが保証されないので問題だという指摘です。
(熱力学ではこのような問題を避けるために理想的な準静過程を導入してます)

>きちんと2次の摂動項
 またまた勘違いしてませんか?
 2次の摂動項は、議論されてません。

>これまで述べた事の繰り返しになるだけなので、ここでこれ以上コメントする事は避けます。

 murakさん定義のエントロピーだと、『一方を熱し他方を冷すこと同時に行い、エネルギー変化無いようにした場合』で準静過程ならエントロピーの変化は無しという結論がえられます。よって、これを断熱とみなしても熱力学的に問題は生じないということがいえます。逆に断熱と看做さないと熱力学的な不整合が生じます。

  投稿者:ASA - 2008/10/18(Sat) 08:07  No.5568 
難しい問題を含んでいるので手に終えない部分もありますが、熱力学関連の議論から必要性を感じていた熱力学的粗視化について纏めます(関連が密なのでスレは分けません)。

murak>>『局所で定義したものの平均として系全体でエントロピーを定義しても、熱力学的状態量としての意味を失っている』事につながる訳ではないでしょう。
ASA>終状態としてある同一の熱的定常状態に達したとしても、その過程に依存するので最終状態の状態量として適切でないという論旨です。つまり同じエネルギーを持つ波でもこの定義によるエントロピーでは周波数に依存するので最終状態における状態量のユニークネスが保証されないので問題だという指摘です 。

熱平衡状態でも系内での密度や温度などのマクロ変数は微小領域で視ると揺らいますが、系全体を代表する熱力学的マクロ状態変数の視点では、何らかの粗視化によってそれら存在する局所的揺らぎは影響しないようにします。murakさん定義のエントロピーに対する元々の指摘は、この揺らぎをアカウントしているので不具合が生ずるということでした。このことを以前からmurakさんに何度も指摘してきたのですが理解されないようです。そこで分かりやすいように具体的一例として単純な定在波の例を出して、ミクロ的には異なるが、マクロ的には同一とみなせる熱平衡状態にあるとき、murakさん定義のエントロピーが特定の値をとりえるのかを検証してみようというのが以前の議論の流れでした(murakさんは相変らず勘違いをしておられますけど)。
 
murak>>{sin(ωt-kx)}^2のような項が単独で現れるわけではないというのが、当方の反論だったわけですが

 これが反論になっていないことは、No.4872 で既に述べました。
 念のためダイジェストで今までの議論を繰り返すと、系のエントロピーGsは、
 ∂t(Gs)=∫<(κ/T)∂^2(T)>dx Gs=∫(<ρS>)dV で与えられる(by murak)。
 F(t,x):温度揺らぎとすると系の温度はT=T.(1+εF),T.:定数
F=蚤(k)exp(ikx)f(t,k)とフーリエ展開を仮定すると高次微小量を無視して
∂t(Gs)=κ∫<(1-εF)εF"'>dx,F"=-k^2a(k)exp(ikx)f
境界条件(クローズ系)からεの一次は消えて
∂t(Gs)=-κε^2∫<FF">dx
直交性で、
∂t(Gs)=κε^2∫<(ka(k)sin(kx)f)^2>dx
 「一般に∫<FF">dxは0でないので揺らぎが存在し続けるとmurakエントロピーは変化をし続ける。それゆえ、熱力学的状態量として意味を持たない。」というのが主張です。
Fは音波に限らず、一般的な熱的揺らぎ関数(Fは、時間的空間的双方に局在した波の衝突変化生成消滅で記述されます。seeNo.5365)。
Fとして減衰無しの音波を仮定するとF=Asin(ωt-kx)であり{sin(ωt-kx)}^2の項が現れ、反対称定在波を仮定するとF=Asin(kx)sin(ωt)、
このとき∫<FF">dx=(Asin(ωt))^2/2>0

  投稿者:ASA - 2008/10/18(Sat) 08:11  No.5569 
 murakさんによる反論No.4844 では、粘性を無視した場合の一次摂動の議論なので2次の摂動項について述べることができません。
それなのに、2次の摂動項ついて述べたつもりになっているのは、明白な間違いです。
murakNo.4844>>(6')   T_0 { ρ_0 ∂_t(S') + S_0 ∂_t(ρ') } + T_0 div( S_0 ρ_0 u' ) = -div(j')
表記を変えると上式は T.∂t(ρS)' + T.div(S.ρ.u') = κ∂^2T'(定数項を.表記)
空間積分すると、u'の境界条件より 左辺はT. ∂t∫(ρS)'dx さらにdQ=0なら熱流j'による系表面収支が0なので右辺が0、
つまり、∂t∫(ρS)'dx=0となり、dQ=0ならばdS'=0が証明できます。これまでのmurakさんの主張と全く整合が取れません。
以前疑問に思いこのことを問いただしましたが、murakさんからの回答は有りませんでした。

さて、2次の摂動項について述べてみます。
 エントロピー式は
 T(∂t(ρS)+∂(uρS))=κ∂^2T +μ(∂u)^2
両辺Tで割ったものを空間積分して系全体の量を求めると∂t∫(ρS)dx=∫{(κ∂^2T +μ(∂u )^2)/T}dx
2次を分離すると
{(κ∂^2(T'+T'')+μ(∂u' )^2)/(T.+T')}
≒(κ∂^2(T'+T'')+μ(∂u' )^2)(1-T'/T.)/T.
=(κ∂^2(T'')+μ(∂u' )^2 -κ∂^2(T')T'/T.)/T.
:∂^2(T')=-k^2T'(変数分離解を仮定)
結果、系全体のエントロピーの2次量は、
∂t∫(ρS)''dx=∫(κ∂^2(T'')+μ(∂u' )^2 +k^2κT'^2/T.)dx/T.…(1) となります。

<T.(∂t(ρS)')+∂(u'ρ.S.))>=κ∂^2<T'>=0なるNo.5365に示した断熱の熱伝過程で、
さらに前と同様に、フーリエ展開と境界条件より、∫<T''>dx=0が成立するとし、平均操作をとると
∂t(∫<(ρS)''>dx)={∫μ<(∂u')^2>+k^2κ<T'^2>/T.dx}/T.>0 …(2)
やはりT'^2の項が出てきます(これでmurakさんの反論なるものがが間違いもしくは無意味だということが示せました)。
また、κ>0,μ>0,T.>0よりこの2次の項は必ず正となることがわかる。これは、粘性と熱伝導の効果によりエントロピー変化速度が正。
つまり、必ず増大し続けることを意味しています。
(この2次の項を考えると、murak流のエントロピー定義では、どのような過程をとっても熱力学的状態量として意味付けができません。u'∝T'なので双方とも時間的な減衰解ですが、波数に依存するところも問題です。)

このことから熱力学的な粗視化では、足し合わせて空間平均するというのでは不十分で、2次の摂動以下の微小変化を完全に無視できる何らかの方法が必要であることがわかります。

例えば、断熱=エントロピー変化無しとする熱力学での準静過程は、微少量カットオフという粗視化により1次摂動のみ範囲の過程で扱うことが正当化できます。でこのような扱いで熱伝過程を述べたものがNo.5365です。
No.5365>熱流は-κ∂xT'なので上記の境界両端の値は等しくdQ=0のケースであります。
    >こうしてdQ=0でdS=0なる過程が流体でも存在することが証明できました。

  投稿者:ASA - 2008/10/18(Sat) 08:15  No.5570 
結局、murakさん主張の根拠であるmurakエントロピーの変化と断熱との関係に基づくものは、熱伝粘性気体で準定常状態に

いたる過程には、適用はできないのです。これまで、murakさんの様々な変な主張がありましたが、このあたりを良く抑えていなかっ

たため生じたものだと思われます。"変な主張の例:dS=0なる過程が存在しない理由として、「murak>>No.4390 つまり終状態に達する

過程で、必ず物質の移動があるわけです。従って、例え終状態が u=0 の定常状態であったとしても、途中の過渡過程も含めて恒等的

に u=0 であることは結論できませんね。」を上げている点など"
実は、"粗視化としての空間平均操作により<u'>=0になっているので、結局マクロな状態量の変化としてdS=0が成立している点"を理

解できないでいたわけです。いやむしろ根本的にここで扱われている速度u等が、分子集団での平均(期待)値を意味しているということを理解してないのかもしれませんが。

 なお、難しい問題としては、2次の摂動値の物理的正当性があります。長波長極限で扱うとしても、局所熱平衡仮定でP=ρRTという

局所圧力の状態方程式を用いていますが、これは正規(Maxwell速度)分布のときに成立する式で、オーダー的に合わせるには速度分布

からの微小変化を圧力式に取り入れないといません(see http://homepage2.nifty.com/eman/statistic/pressure.html)。内部エネル

ギーUに関しても同様(PV=2E/3が成立しないので理想気体としての扱いはできない。そもそも相互作用無しなら運動量の輸送など起こらない)。

また、2次を精密に扱うには、速度相関とμとκとの関係もきちんと評価しオーダー合わせをしなければなりません(μκはTの関数)。

高次の問題では、輻射平衡(本質的に確率過程)など電磁波による運動量交換による集団運動も問題になります。(この効果を衝突項

に織り込んだボルツマン方程式に基づいて解きうる近似方程式群を得なければならないでしょう)

参考文献に関しては、http://www16.ocn.ne.jp/~nbbgky06/20070707.htmが詳しい。

  投稿者:ASA - 2008/10/18(Sat) 08:19  No.5571 
PS.Emanさん統計力学が充実してきましたね。期待してます。
ちなみにここで述べた粗視化のことをEmanさんは「情報の抽出技術」と呼んでますね。
物理的に意味のある情報(熱力学的状態量等)系を構築する方法論は何かという知的探求が単なる算術ではすまない物理学の本質的部分だと思います。
 
上のURLで述べられているような力学から流体力学までのストーリー
>N体の分布関数→Liouville方程式→BBGKY→BBGKYの最低次つまり2体と一体の分布関数の微積分方程式→molecular chaos
→Boltzmann方程式→局所平衡の仮定→平衡からのずれは小→摂動可能
→Chapman-Enskog法あるいはGradの13モーメント法
→積分して連続の式
→Navier-Stokes方程式
を紹介してもよろしいかと。

独自コマンドとしてラグランジュ微分\Dif{S}{t}があると便利と思います。
(流体に関心持つ人は少ないので需要がないかも、流れの中での秩序形成など非常に面白い分野だと思ってますけど)

  投稿者:EMAN - 2008/10/18(Sat) 22:49  No.5576 
> PS.Emanさん統計力学が充実してきましたね。期待してます。

 ちょうど統計力学の記事を増やそうと勉強していたところでした。


> 独自コマンドとしてラグランジュ微分\Dif{S}{t}があると便利と思います。

 提案ありがとうございます。 それは $ \frac{\mathrm{D}S}{\mathrm{D}t} $ って感じですかね。 D をわざわざローマン体にしなければ簡単に済みますし、・・・ $ \frac{DS}{Dt} $ ・・・変かな? 使用頻度も低そうなので、今のところは見送ろうと思っています。 汎関数微分 $ \frac{\delta I}{\delta f} $ は \vardif{I}{f} として入れようかと迷ったりしたのですが、こちらも使用頻度の点から、まだ検討中です。

  投稿者:murak - 2008/10/19(Sun) 23:33  No.5583 
理想気体の場合の流体の方程式系を再掲しておく、

<tex>& \frac{\partial \rho}{\partial t} + \Div(\rho\Vec{u})=0  \\& \rho \frac{\partial \Vec{u}}{\partial t} + \rho\Vec{u}\cdot\nabla\Vec{u}       = -\nabla p + \mu\Phi(\Vec{u}) \\& \mathrm{C_v}\rho\frac{\mathrm{D}T}{\mathrm{D}t}        = -p\,\Div\Vec{u}-\Div\,\Vec{j} + \mu\Psi(\Vec{u}) + Q \\& p=\rho\mathrm{R}T \\& \Vec{j} = -\kappa\,\Grad T \\</tex>

ただし、 $\Phi(\Vec{u})$ 、 $\Psi(\Vec{u})$ は粘性及びそれに伴う散逸関数で

<tex>& \Phi(\Vec{u})=(\bigtriangleup+\frac{1}{3}\nabla\Div)\Vec{u} \\& \Psi(\Vec{u})=-\frac{2}{3}(\Div\Vec{u})^2+\frac{1}{2}\Sigma(\partial_i u_j +\partial_j u_i)</tex>

で表され、夫々速度 $\Vec{u}$ の一次及び二次の関数である(都合上粘性率 $\mu$ は関数の前に出してある)。また粘性率はASAさんの参照されているページに従えば熱伝導率と $\kappa=\mathrm{C_v}\mu$ で関係付けられる。方程式系はこれで閉じるが、更にエントロピー方程式

<tex>& T\rho\frac{\mathrm{D}s}{\mathrm{D}t} = -\Div\,\Vec{j} + \mu\Psi(\Vec{u}) + Q</tex>

も書いておく。(これをエネルギー方程式の替わりに用いて、流体の方程式系として用いる事も可能。)


これらの方程式系に現れる諸量及び諸定数のオーダーを見ておくと、地表付近の空気の場合気体定数はR=287[J/K/Kg]、温度は300[K]程度で密度は1.3[kg/m^3]、等積比熱は(5/2)R=718[J/K/Kg]である。一方、Webで拾った値に拠れば熱伝導率は $\kappa=0.0234$ [W/m/K](20度C)とかなり小さい。そこでこの値を摂動パラメーター $\varepsilon$ として方程式系の解を

<tex>& \rho=\rho^0 + \varepsilon\rho^1 + \varepsilon^2\rho^2 + \cdots \\& \Vec{u}=\Vec{u}^0 + \varepsilon\,\Vec{u}^1 + \varepsilon^2\,\Vec{u}^2 + \cdots \\& T=T^0 + \varepsilon\,T^1 + \varepsilon^2\,T^2 + \cdots \\</tex>

等と展開して元の方程式系に代入して摂動方程式を求めてやる。基本場として $u^0=0$ で $\rho^0$ ,  $T^0$ が時間空間的に一定のものをとり、一次元の場合にその結果を記しておくと、一次の摂動方程式系として

<tex>& \frac{\partial\rho^1}{\partial\,t}+\rho^0\frac{\partial\,u^1}{\partial\,x}=0 \\& \rho^0\frac{\partial\,u^1}{\partial\,t}+\rho^0\mathrm{R}\frac{\partial\,T^1}{\partial\,x}+T^0\mathrm{R}\frac{\partial\,\rho^1}{\partial\,x}=0 \\& \mathrm{C_v}\rho^0\frac{\partial\,T^1}{\partial\,t}+\rho^0\mathrm{R}T^0\frac{\partial\,u^1}{\partial\,x}=0 \\</tex>

二次の摂動方程式系として

<tex>& \frac{\partial\rho^2}{\partial\,t}+\rho^0\frac{\partial\,u^2}{\partial\,x}    = -\rho^1\frac{\partial\,u^1}{\partial\,x} - u^1\frac{\partial\,\rho^1}{\partial\,x} \\& \rho^0\frac{\partial\,u^2}{\partial\,t}+\rho^0\mathrm{R}\frac{\partial\,T^2}{\partial\,x}+T^0\mathrm{R}\frac{\partial\,\rho^2}{\partial\,x}   = -\rho^1\frac{\partial\,u^1}{\partial\,t} -\rho^0 u^1\frac{\partial\,u^1}{\partial\,x} - \rho^1\mathrm{r}\frac{\partial\,T^1}{\partial\,x} - T^1\mathrm{R}\frac{\partial\,\rho^1}{\partial\,x} + \frac{1}{\mathrm{C_v}}\Phi(u^1)\\& \mathrm{C_v}\rho^0\frac{\partial\,T^2}{\partial\,t}+\rho^0\mathrm{R}T^0\frac{\partial\,u^2}{\partial\,x}  = -\mathrm{C_v}\rho^1\frac{\partial\,T^1}{\partial\,t} -\mathrm{C_v}\rho^0 u^1\frac{\partial\,T^1}{\partial\,x} -\rho^1\frac{\partial\,u^1}{\partial\,x} +\frac{\partial^2T^1}{\partial\,x^2} \\</tex>

を得る。

ここで、摂動方程式系の左辺は各次数の変数に関する線型方程式であるが、その形はどの次数でも同じ形をしており、右辺に低次の摂動解の結果が非同次の項として入ってきている事に注意しよう(一次の摂動方程式の右辺はゼロであるが、これは、基本場の選び方からそうなっただけで、一般にはゼロ次解から作られる項が入る)。このやり方では一次の摂動方程式には粘性や熱伝導の影響は入らず、二次の摂動方程式系の非同時次項として始めてその影響が現れる。またエネルギー方程式に対する粘性の影響は二次の方程式系にも現れず、(此処では計算していないが)3次以上の摂動方程式系をとった場合にようやく(エネルギー方程式に)現れてくる事になる。(ASAさんの先の議論では恣意的に粘性による散逸項を落としていたが、このやり方では摂動パラメータに関するオーダー評価の結果として系統的に考慮される。)

同様にエントロピー方程式に対しても摂動方程式を求めてやると、今の基本場の選び方では一次の摂動方程式からは $\partial S^1/\partial t = 0$ が得られる。この結果から $\partial S^1/\partial x = 0$ も結論できるので、その結果を用いると二次の摂動方程式は最終的に

<tex>T^0\rho^0\frac{\partial\,s^2}{\partial\,t} = \frac{\partial^2\,T^1}{\partial\,x^2}</tex>

となる。支配方程の摂動方程式系からは一次の摂動解として(減衰しない)音波解が得られるので、物質流に対する境界条件を考慮して基本解を $u^1(t,x)=A\sin(\omega t)\sin(\mathrm{k}x)$ と選んでおけば

<tex>\frac{\partial\,s^2}{\partial\,t}=-\frac{\mathrm{R}T^0\mathrm{k^3}}{\mathrm{C_v}\rho^0\omega}A\cos(\omega t)\cos(\mathrm{k}x)</tex>

となる(これ自体はゼロではないが、時間空間平均をとればゼロになる量である)。更に三次の方程式まで求めると

<tex>T^0\rho^0\frac{\partial\,s^3}{\partial\,t}=-T^0\rho^1\frac{\partial\,s^2}{\partial\,t}-T^1\rho^0\frac{\partial\,s^2}{\partial\,t}-T^0\rho^0u^1\frac{\partial\,s^2}{\partial\,x}+\frac{\partial^2\,T^2}{\partial^2\,x}</tex>

となり、ここでようやく実質的にゼロでない項が現れる。(この右辺(非同次項)は、一次の摂動解の二次(積)の項の複数の和となっており、以前ASAさんへのコメントで(高次の摂動をとった場合 $\{\sin(\omega t-kx)\}^2$ のような項が)「単独で現れるわけではない」と言ったのは、この意味である。なお、以前の私の計算では、この右辺を具体的に計算すると負の量になっていたが、今回の手元の計算では正になってしまったので何処かで計算間違いがあるかもしれない。それに限らず間違いはあると思うが、大勢に影響の無いものは御容赦。)

結局エントロピー変化に関しては $\varepsilon$ の三次の項まで取ったとき、系の全エントロピーの変化に影響する項が現れるが、粘性を考慮しているのであれば、音波(あるいは支配方程式に従う微小擾乱)はやがて減衰してしまうので、この項により系のエントロピーがいつまでも増え続ける(あるいは減りつづける)という事は無い。また、粘性と熱伝導を考慮しないのであれば、(上の導出過程からわかるように)擾乱は減衰しない替わりに、エントロピー変化を生じさせる項も現れてこない[注]。

[注] この話は、あくまで系のある平衡状態(あるいは定常状態)の近傍での微小擾乱によっては、系のエントロピー変化が生じない事(ただし、粘性と熱伝導を考慮しない場合)を言っているにすぎず、他の定常状態への遷移に関してエントロピー変化が生じない事を意味しているのではない事に注意する必要がある。系の基本場が遷移するような場合を扱うには、擾乱から基本場の相互作用を考慮し、その影響を受けて僅かに変化した基本場に関して摂動場の展開をやり直し、そこからまた更に基本場と擾乱の相互作用を計算し直すといった手続きを繰り返さなくてはならない。その場合、擾乱によるエントロピー変化の様相は、基本場に生じた変化に応じてどんどん変化する。


  投稿者:ASA - 2008/10/20(Mon) 08:45  No.5586 
相変らず物理的に変なことを述べているようなのでmurakさんNo.5583に対してコメントしておきます。

>理想気体の場合
前で述べましたが、相互作用無しの気体だと物理的に熱伝導も粘性もありえません(そもそも統計平均が成立するかも怪しい)。

> [W/m/K](20度C)とかなり小さい。そこでこの値を摂動パラメーター として方程式系の解を
 明らかな間違い。非線形項のパラメータで展開するのはナンセンス。
 準静過程に応じた微小振幅解を仮定して、その振幅で展開するのは物理的に許されます(非線形方程式の解は、一般に振幅に依存しますけど)。
 このmurak算術では、微小振幅がκ,μのオーダーで入ってくるので、明らかにε<<κ,μの場合のより微小な振幅過程に適用できない。

具体的に2次、3次の摂動方程式系の解を書き下してください。
物理的に無意味な解がでてくると思います。

>(ASAさんの先の議論では恣意的に粘性による散逸項を落としていたが、このやり方では摂動パラメータに関するオーダー評価の結果として系統的に考慮される。)
 ASAと同じ結果にならないとしたら、murak流オーダー評価が間違ってますよ。

>この右辺を具体的に計算すると負の量になっていたが、今回の手元の計算では正になってしまったので何処かで計算間違いがあるかもしれない。
 はい、どちらかが間違っているでしょう。
 そもそも、murakさんは粗雑に扱っているのでその結果に物理的意味があるか疑わしいです。

>やがて減衰してしまう
 カオス解(時間的空間的双方に局在した波の衝突変化生成消滅で記述される)に適用するとこれはいえません。

>擾乱から基本場の相互作用を考慮し、その影響を受けて僅かに変化した基本場に関して摂動場の展開をやり直し、そこからまた更に基本場と擾乱の相互作用を計算し直すといった手続きを繰り返さなくてはならない。その場合、擾乱によるエントロピー変化の様相は、基本場に生じた変化に応じてどんどん変化する。
 だから、そんな変なことするより、ASAが先に示した振幅展開でエントロピー変化率を議論する方法の方がよりすっきりしてると思いますがね。
 はっきりいって上のmurak流では、誤差が累積するためナンセンス解になるでしょう(そもそもやり方が良く分からん)。murak流エントロピーの正当性を議論するなら、もう少しスマートな方法で議論して欲しいです。
 
 以前からですけども、murakさんは、このような変な方法でデリケートな微少量を議論した気になっているので、ナンセンスと評価するゆえんです。

 ちなみに"擾乱から基本場の相互作用"ってどのようなものですか?
 その相互作用は、どのような物理的基盤に立っているのですか?
 もしかして、そのようなそのような新しい相互作用があると主張しているのですか?

>摂動場の展開をやり直し
 そのときもやはりκμで展開をするのですか?
 等々 わけの分からないことだらけです。
 詳細な説明を求めます。

 というか、No.5570では、高次展開の物理的難しさについて述べたのですが、ご理解なされてますでしょうか?

  投稿者:ASA - 2008/10/22(Wed) 09:06  No.5596 
murakさんは理解しているかどうか不明ですが、
係数が微小な高次偏微分方程式とその解について述べます。

具体例として
 ∂tT+v∂T+κ∂^2T=0,κ<<1 を考えます。
変数分離解(T=T~(x)exp(ωt))を仮定すると、
{ω+v∂+κ∂^2}T~=0…(1) と1変数の方程式になります。
定石,exp(kx)をT~に代入して、
{ω+vk+κk^2}=0…(2)、高次方程式に帰着します。
解の公式から、k=(-v+-sqrt(v^2-4κω))/2κ …(3)
つまり2階の偏微分なので、2つの解が存在することになります(階数と解の数が対応)。

しかし、murak流でT~=T'+T"+…と展開し κ<<1だから(1)を
{ω+v∂}T'=0
{ω+v∂}T"+κ{∂^2}T'=0 …(4) のように近似してしまうと。
(3)の複号-の解(k≒-v/κ)は永遠に失われ、その後ハイオーダーを求めても復元できません。
 (4)では一次摂動解がT'=Aexp(-ωx/v)と固定されるので解の形はここからそう変わらないのです。
つまり、せいぜいk=(-v+sqrt(v^2-4κω))/2κのκによる高次展開を求められるにすぎません。

 このように粗雑なmurak流では、熱伝解を扱えないことが明白ですがそれが今の議論で意味を持っていないことを理解されてないようです。
 もともと熱流に関して議論しているのだから熱伝解を持たないような式を持ち出すことが間違いなのです。

 もっとも、ご本人も変であることは、認識されているようです。それゆえ、以下の方法でカバーできるようなことを言っていますが、その方法で扱えるようになるとは思えません。
「擾乱から基本場の相互作用を考慮し、その影響を受けて僅かに変化した基本場に関して摂動場の展開をやり直し、そこからまた更に基本場と擾乱の相互作用を計算し直すといった手続きを繰り返さなくてはならない。」
 何を言っているのかよく分からないのですが、おそらく出鱈目だと思われます(ほんと"基本場の相互作用"ってなんなのでしょうね。流体基本方程式群で必要な情報は網羅されているはずですが)。

  投稿者:murak - 2008/10/22(Wed) 13:30  No.5598 
今回のASAさんの指摘は尤もな事で、私も気にしていることだったので、一応レスを付けておくと、高階の微分方程式の最高階の項を落としてしまうような近似は確かに褒められたものではありません。ただ、今回の書き込みの意図は、以前の私の議論で不味かった点の修正(つまり粘性項と熱伝導項はペアにして考えるべきという事)と、一次摂動解として減衰しない音波解をとったとしても、高次の摂動部分で熱伝導や粘性の影響が入ってくる様にすることは(それなりに)可能であること、及び、高次摂動方程式の非同次項に低次の摂動解がどのように入ってくるかを実際に示して見せたという事です。

それから、注として述べたことは、上の方法の欠点をカバーする事を意図して述べたのではなくて、基本場(非摂動場)が変化してゆく過程を(摂動法で)追いかけるにはその都度摂動展開をやり直さなくてはならない(あるいは、その効果が摂動方程式に入ってくることをちゃんと考慮しなくてはならない)という当然のことを述べたまでです。基本場と擾乱の相互作用については、この場で述べるのは不適当であったかもしれませんが、元の流体の方程式系から何等かの平均操作により平均流に対する方程式をつくると、平均流と擾乱の相互作用を表す項が(一般には)現れる。これにより擾乱成分が平均流に影響を及ぼし、流れを変えてしまうこともあるという事を注意したのみです。

いずれにせよ、ASAさんも言われるようにすべての情報は元の基本方程式群に含まれているので、元の方程式系が直接扱えるならば、そうすれば良いだけの話です。ただ、ここでは音波の話が出てきたので、それを元の方程式系から分離して考える手段として摂動法を取り上げたのですが、その際、非粘性非断熱の場合のエントロピー方程式に熱伝導に関係するエントロピーの増分だけを接ぎ木したのでは方程式系全体としては整合性がとれていなくて、筋の悪い話になっていたという事です。その点に関するASAさんの指摘は正しく、それについては私もこのスレッドの始めで認めている通り。

  投稿者:ASA - 2008/10/25(Sat) 09:35  No.5609 
>高次摂動方程式の非同次項に低次の摂動解がどのように入ってくるかを実際に示して見せたという事です。
以前指摘しましたが、murak流は次数でも間違ってます。間違いを実際に示しても意味がないことを理解してないのようなので説明を追加します。

前回は高次の線型方程式でしたが、今回は導関数の2乗が含まれる非線形方程式について述べます。
具体例は
 ∂tT+v∂T+μ(∂T)^2=0,μ<<1 です。
変数分離より∂T~の2次方程式になります。
aT~+∂T~+b(∂T~)^2=0 ...(1):a=ω/v,b=μ/v
つまり
∂T~=(-1+sqrt(1-4abT~))/2b ...(1-1)
∂T~=(-1-sqrt(1-4abT~))/2b ...(1-2)
を得ます。(ここでも、2つの式が得られるので解の選択には注意が必要)
振幅が十分小さいならsqrtが展開できます。
(1-1)式だと∂T~=-(2(abT~)+2(abT~)^2+... )/2b
2次までをとると
∂T~=-aT~(1+baT~) ...(2-1),1次微分式を得ます。(線形ではないT~の冪展開式)
このように一般的に非線形方程式では、冪高次項が付加する形になります。
(非線形の影響が高調波成分に現れるのは良く知られている)
つまり∂T'=-aT'をT~の1次解とすれば、2次解T"にはT'^2が現れます。
2次解の式は、∂T"=-aT" -b(aT')^2 ,つまり∂T"+aT"=-b(aT')^2...(2-1-2),
∂T"=-2aT"なのでT"=baT'^2

このような一般的背景があるのでエントロピーの2次量も、T'^2 という項が入るの当然で、これが入らないとするmurak流はどこかが間違っています。
T~=T'+T"を(1)に代入します。
a(T'+T")+∂(T'+T")+b((∂T')^2+2∂T'∂T"+(∂T")^2)=0
オーダー分離すると
aT'+∂T'=0...(1-1-1)
aT"+∂T"=-b(∂T')^2...(1-1-2),(*摂動次数と非同次の次数は一致,当然(2-1-2)と同じ)
とするのが、振幅による普通の摂動展開方法です。

しかし、murak流ではb<<1なので
aT"+∂T"=0...(1-1-2m)とします。事実No.5583での2次の式に、Φ(u1),∂^2T1と1次の次数が合わないものをいれている。
これが間違いの元です。((1-1-2)の左辺と右辺の見積もりで、|a|,|ba^2|とを評価しなければいけないのに粗雑に左辺を落としてます)

余談、(2-1)は直接積分可能です。
∂T~/(T~(1+baT~))=-a; 1/T~(1+baT~) = 1/T~ -1/(T~+1/ba)
ln(T~/(T~+1/ba))=-ax+c
T~/(T~+1/ba)=g=Aexp(-ax)
T~=(T~+1/ba)g
T~(1-g)=g/ba
T~=g/ba(1-g)
g/ba=T'
T~=T'/(1-baT')≒T'(1+baT'):答えは同じ

  投稿者:ASA - 2008/10/25(Sat) 12:39  No.5611 
ついでに
高次微分を含む非線形方程式について調べます。
具体例は
∂tT+v∂T+κ∂^2T+μ(∂T)^2=0:μ,κ<<1 です。
変数分離でaT~+∂T~+c∂^2T+b(∂T~)^2=0 ...(e-1):a=ω/v,b=μ/v,c=κ/v

murak流だとT~=T.+T'+T"として
aT.+∂T.=0 …(m-0)
aT'+∂T'=-c∂^2T. …(m-1)
aT"+∂T"=-c∂^2T'-b(∂T.)^2 …(m-2)
と摂動展開されます。
(m-0)を(m-1)に代入することで aT'+∂T'=-ca^2T.となりますから
T'∝T.とすると
aT'+∂T'=(a-a)T'=0 となって、T'が求まりません。
 ということで以下の主張
>高次の摂動部分で熱伝導や粘性の影響が入ってくる様にすることは(それなりに)可能であること
がmurak流では駄目だということが分かります。

普通はT~=T'+T"として摂動式
aT'+∂T'+c∂^2T'=0 …(1)
aT"+∂T"+c∂^2T"=-b(∂T')^2 …(2)
(1)からT'=Aexp(kx),a+k+ck^2'=0
T"∝T'^2を仮定し(2)に代入
T"(a+2k+c(2k)^2)=-bk^2T'^2
つまり
T"=(-bk^2/(a+2k+c(2k)^2))T'^2 …(A2)
と求まります。広い波数領域(k>>1)でT'<<(b/4c)=(μ/4κ)ならこの解が正当化されます。

  投稿者:murak - 2008/10/25(Sat) 23:14  No.5613 
> #5609, 5611
だんだん書いていることが無茶苦茶になってきているような。
(そもそもなんで変数分離できるの? 「T'∝T.とする」意味も不明)
それと#5583からは(ASAさんの主張するように)「もし運動方程式に粘性項がなくエネルギー方程式とエントロピー方程式に熱伝導項由来の項があると(高次の微小量ではあるが)全エントロピーが変化しつづける」という事になるので、粘性項と熱伝導項は「入れるなら両方入れる」、「入れないならどちらも入れない」ようにするべきだという結論になっているのですが・・・

ともかく、これ以上付き合っている余裕は無いのであしからず。

  投稿者:ASA - 2008/10/26(Sun) 07:41  No.5615 
>No.5613
やはり、理解されてないのですね。
>だんだん書いていることが無茶苦茶になってきているような。
理解できないと、相手が無茶を言っているように言うのは相変らずですね。

>そもそもなんで変数分離できるの
変数分理解を求めているから当然でしょ。
普通の物理現象は、平面波のフーリエ展開で分析することが多いですが、
平面波というのは、変数分理解の典型です。

>「T'∝T.とする」意味も不明
 理解できないようなので、解説しますと、

>>aT'+∂T'=-c∂^2T. …(m-1)
一階の線形微分方程式で、同次でないケースです。
aT'+∂T'=0は同次のケースで、これは、
>>aT.+∂T.=0 …(m-0)
と同型です。
なので、(m-1)の同次解は、明らかにT'∝T.の形を持ちます。
ということ

はしょらないでちゃんと書くと、
定石によりT'=f(x)T.として(m-1)に代入すると

afT.+ f∂T.+T.∂f=-c∂^2T.
T.=A.exp(-ax);なので、上式をT.で割ると
∂f=-ca^2
f=-ca^2x+A'

T'=(-ca^2x+A')A.exp(-ax)

展開の前提条件から、あきらかにA'<<-ca^2で不適切です。

近似程度の評価のため近似無しの方程式、aT'+∂T'+c∂^2T'=0 …(1)
の解と比較すると
T'=Aexp(kx),k=(1/2c)(-1+sqrt(1-4ac))、近似してk=-a(1+ac)
T'=Aexp(-ax)exp(-a^2cx)
T'=Aexp(-ax)(1-a^2cx)
A'=1とすれば、何とか合いますが、((m-1)からこの条件を導くのは難しい。この点をもってしてもmurak流は不適切)
仮に、こうしても原点の周りしか適用できないので一般にNGです。

言いたいことは、
>>aT'+∂T'=-c∂^2T. …(m-1)
この解では、近似精度が悪く、近似方程式として不適切ということです。
No5596で>>せいぜいk=(-v+sqrt(v^2-4κω))/2κのκによる高次展開を求められるにすぎません。
と書きましたが
今回評価してあまりにも精度が悪いことが分かりました。

 片方の解を無視しているし、さらに無視してない解の近似精度も悪いので、murak流では粗雑で話にならない、しかし、標準的摂動方法ならまだ議論のベースになりえるということです。理解されましたでしょうか?
今議論の俎上にあるmurakエントロピーのような状態量を求めるには、想定している閉区間で解の積分を実行するので、波数領域と空間領域で広く適用できる解が必須。

  投稿者:ASA - 2008/10/26(Sun) 12:34  No.5616 
以下を追加

>なので、(m-1)の同次解は、明らかにT'∝T.の形を持ちます。
>ということ
非同次の特解も同様で
>はしょらないでちゃんと書くと、


以下を訂正
>A'=1とすれば、何とか合いますが、
A'=0

  投稿者:murak - 2008/10/26(Sun) 14:01  No.5618 
> 普通の物理現象は、平面波のフーリエ展開で分析することが多いですが、

勿論、線型方程式ならO.K.ですが。。。

> なので、(m-1)の同次解は、明らかにT'∝T.の形を持ちます。

摂動方程式の同次部分はどの次数(>=1)でも同じ形になるので、同次方程式の基本解が同じ形になるべきなのは勿論わかる。なので、非同次方程式の解を定数変化法等で求めるわけだが、そうすると

#5611> T'∝T.とすると
#5611> aT'+∂T'=(a-a)T'=0 となって、T'が求まりません。

という一文は論理が通らないことになる。
このあたり(特にその直後)の論理展開に対し「無茶苦茶」と言っている。

(以上)

  投稿者:ASA - 2008/10/26(Sun) 16:44  No.5619 
> 勿論、線型方程式ならO.K.ですが。。。
非線形でも、先に示したように一般的に高次項で展開されます。
いやむしろ、非線形解法の定石として、フーリエ展開を代入して係数比較するというのが有りますよ。

>このあたり(特にその直後)の論理展開に対し「無茶苦茶」と言っている。
 だから、補足したように今のケースでは高次線型方程式の解が容易に求まり、これをベースに非線形項による高次解の取り扱いをすべきなのです。
 それをわざわざ、非同次にしてmurak流の近似解をもとめると、解のx依存性が全く別物になり、微少量を扱う物理的解として意味を成しません。

>>aT'+∂T'=(a-a)T'=0 となって、T'が求まりません。
解のx依存性が変わらないためには、少なくても1次オーダーでもexp(-δx)の形が求まるべきでありますが、このような解はmurak式(m-1)からはでないということを簡潔に示したのです(左辺=0となるのでexp(-δx)型の解なしということ)。

 厳密解では、負になりませんし、もちろん近似部分exp(-a^2cx)でも、負になることはありませんが、
 murak流近似解だと、一次近似部分が(A'-a^2cx)となり、不定定数A'とxとの関係では負になることもあります。

このような解を用いて、平均値などを議論するのは、ナンセンスだということがお分かりだと思います。
 平均操作は、閉区間内行うので、どのような区間をとっても非負量はずが、区間の取り方では、負量になるというナンセンスを生じさせます。

このように、初めから線形解を厳密に求められるケースで、murak流の近似をするのは、間違いだということを言いたいのです。よろしいでしょうか。

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/10/31(Fri) 00:23  No.5633 
>ASAさん No.5609

>具体例は
> ∂tT+v∂T+μ(∂T)^2=0,μ<<1 です。
>変数分離より∂T~の2次方程式になります。
>aT~+∂T~+b(∂T~)^2=0 ...(1):a=ω/v,b=μ/v

No.5596のようにT=T~(x)exp(ωt)とおいて1つ目の式に代入しても、
2つ目の式にはなりませんよね?
(∂T)^2の項があるから。

murakさんの「そもそもなんで変数分離できるの」
というのもそれを指摘しているのだと思いますが。

しかも∂T~の2次方程式にはなっていませんね。

P.S.↑最後の一文は蛇足でした。失礼しました。

  投稿者:ASA - 2008/10/31(Fri) 07:36  No.5634 
えーと。
 話の流れは、流体方程式群、これは非線形方程式ですが、これを線形近似して解を求める方法論としてのmurak方式の正当性を評価する話です。
 非線形方程式は、一般に解析的方法で求められませんから、扱うには何らかの形で近似するわけです。線形近似の方法としては、振幅が微弱と仮定し、μ(∂T)^2などの非線形項を摂動送りにする方法があります。
 ここでは、別の方法を提示してます。元の話では、準静過程という極めてゆっくりとした過程で定常状態に達する系を念頭にしておりますので、この条件を使うわけです。つまりωはほとんど0に等しいとする仮定です。こうすると μ(∂T)^2exp(ωt)はμ(∂T)^2と等しいとの近似が正当化でき、T~に時間依存性を持たせられます。
 摂動送りにした場合の基本式は、aT~+∂T~=0なので、この変数分離解exp(ωt)の解と比較すると、上記近似解の時間依存性は変わらないですが、空間依存性を取り入れているためよりロングレンジで精度が高いと考えられます。
 解から構成される部分領域での量を、系内の領域で空間積分や空間平均することで求められる新たな量を議論するときには、この解を用いた方が適切でしょう。

 物理的説明を、はしょってましたが、これでよろしいでしょうか。

>murakさんの「そもそもなんで変数分離できるの」というのもそれを指摘しているのだと思いますが。
 線形近似で減衰無しの音波解を求めておいて、いまさら何言ってんのていうのが、正直な感想です。

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/10/31(Fri) 21:37  No.5636 
>ASAさん

なるほど。murakさんの味方をするわけではありませんが、
気になったのでちょっと聞いてみました。

それともう一つ。
exp(ωt)〜1としていますが、a=ω/vを最後まで残しているのは何故ですか?
ωの次数を考えればこれも消えそうですが、
aが有限となるようにvの値をとっているのでしょうか。

  投稿者:ASA - 2008/11/01(Sat) 08:34  No.5637 
> a=ω/vを最後まで残しているのは何故ですか?
> ωの次数を考えればこれも消えそうですが、

? 1/aは[L]次元を持ち、流体でのいわゆる特徴的な距離に相当するから消えませんし、分かりやすいように残してます。(ちなみにv:fixで√(γRT.)等を想定) また、ω<<1を仮定しているので、空間的にロングレンジです。
時間的にはミドルタイム、ωt<1。

変数分離の話が出たので、
∂tT+v∂T+μ(∂T)^2=0,μ<<1
変数分離解でない場合を求めてみますと、
T=T.+f(t)+g(x)として
緩やかな過程を仮定し
∂tf(t)=δ:定数とみると
μg'^2+vg'+δ=0
と2次式になって
2つの解をもちます。
(4μδ/v^2)<<1なら展開できて、
T1≒T.-(δ/v)(x-vt):∂tT+v∂T=0の解;定速度,勾配可変
T2≒T.+(v/μ)(x+(μδ/v)t):別解;定勾配,速度可変
(No.5609 でも述べたように解の選択は重要です。空間的変化か時間的変化かのどちらに着目するか)
(4μδ/v^2)=1だと重解で正確に
T1=0:一定以上の勾配は存在しない(v/4μ以下)
T2=T.+(v/μ)(x+(μδ/v)t)
 =T.+(v/μ)(x+(v/4)t):常にT1より遅い速度(低速解の性質)
が得られます。

  投稿者:ASA - 2008/11/02(Sun) 13:34  No.5641 
元の話に戻り、
高次と非線形項が同次である場合、
∂tT+v∂T+κ∂^2T+μ(∂T)^2=0...(e-1)で調べます。

まず、弱振幅を仮定し、変数分離解ベースに解析します。この場合ω+vk+κk^2=0…(d-0)が成立します。
(d-0)の関係にあるものを、T0=Aexp(ωt+kx)とし、(ちなみに誤差は、Err(T0)=-μ(∂T0)^2=-μ(kT0)^2)
摂動ではT0の高次が補正されるので、TをT0の関数T=F(T0)とみます。
∂T=kT0(∂/∂T0)F=kT0F'なので、
ωT0F'+kT0F'+κ∂(kT0F')+μ(kT0F')^2=0
( ∂(kT0F')=(kT0)^2F'+kT0∂F'=(kT0)^2F'+(kT0)^2F''∴)
κF''+μF'^2=0…(e-2)
とT0の2次の微分式に変形できます。
F'について解いてから、初期条件で積分すれば
T=T.+(κ/μ)ln(1+(T0-A))…(s-1);T(x=0,t=0)=T.
厳密解が得られます。
振幅が小さい場合ln(1+X)=X-X^2/2なので
T=T.+(κ/μ)(T0-A)=T.+(T0-A):A<1と、非線形項を無視したベース解が正当化できます。
少し近似を上げると
T=T.+(κ/μ){(T0-A)-(T0-A)^2/2}:AにA(μ/κ)を代入し、再度振幅をあわせると
T=T.+T0-{(μ/κ)/(1+(μ/κ)A)}(T0^2/2):T0=Aexp(ωt+ikx)で、空間部をsin(kx)とみなしある時点で空間平均すると
T=T.-{(μ/κ)/(1+(μ/κ)A)}A^2/4
 このように、2次項による影響は、厳密解からだと-A^2(μ/κ)/4と見積もれる。

さてmurak流で実行してみます。
T0:ω+vk=0…(m-0)
∂tT1+v∂T1=-κ∂^2T0…(m-1)
∂tT2+v∂T2=-κ∂^2T1-μ(∂T0)^2…(m-2)
T1=T0(-κkx/v)=-axT0
∂tT2+v∂T2=+κaT0(2+kx)-μk^2T0^2
(m-2)を変数分離で近似
-vkg2+v∂g2=κaexp(kx)(2+kx)-μk^2Aexp(2kx)
T2=T0((κa/2v)(x+3/2k) -(μk^2A/3kv)exp(kx) )
T=T.+T0(1 -a(1-κ/2v)x +(κa3/4vk) -(μk^2A/3kv)exp(ikx) )
となり
L=2π/kで加算平均すると
T=-a(1-κ/2v)-(μk^2A/6kv):a=κk/v,
T=-(κk/v)(1-κ/2v)-(μkA/6v)
=-A(k/v)(κ(1-κ/2v) +μA/6)

 とこのように2次までとっても、厳密解からの近似と較べると定性的にも全く異なる。


普通の摂動では
(d-0)のT0を使用し、
∂tT1+v∂T1+κ∂^2T1=-μ(∂T0)^2…(p-1)
T1=A1T0^2として
(2ω+v2k+κ(2k)^2)T1
=(2ω+2vk+2κk^2+κ2k^2)T1=-μk^2T0^2
A1=-μk^2/(2κk^2)

T=T0(1-(μ/2κ)T0)

 平均は
<T>=-A^2(μ/2κ)/2
 と一次の近似で厳密解からの近似と較べると定性的だけでなく定量的にもあっている。

 このようにmurak流が、方程式の近似方法として全く駄目なことがわかります。

  投稿者:ASA - 2008/11/03(Mon) 19:58  No.5646 
No.5641の偏微分方程式では物理的イメージが分かり難いので力学の問題で考えます。

初速Vsで弾丸を水平方向に打ち出したときの水平方向の到達距離を求める問題でmurak流を検証します。
 空気抵抗として速度に比例する粘性抵抗ηと速度の2乗に比例する慣性抵抗μを共に考慮すると。
 運動方程式は v'+ηv+μv^2=0, η<<1,μ<<1 …(1)
 非線形方程式ですが変数分離で分数に分解する方法で解けて
 特性速度(η/μ)=Uとすると
v=Uexp(-ηt) / ((U/Vs)+1-exp(-ηt))…(1-1)
初速Vsと特性速度Uとの比を r=Vs/Uと置くと
 距離は 
x=(1/μ)ln( 1 +r*( 1-exp(-ηt) ) )…(1-2)
となります。
 到達距離は、L=(1/μ)ln(1+r)…(1-a)
 初速が非常に大きい場合は、速度比rのログで抑えられます。
 小さい場合
 μ→0の極限を取ると、ln{(1+μ(Vs/η))^(1/μ)}=(Vs/η)…(2-a)
 と粘性抵抗ηのみを考慮した場合の到達距離が求められ、初速度に比例してます。
 非線形の解でも、振幅等が非常に小さい場合は、このように線形解に漸近します。

 慣性抵抗を無視した方程式は v'+ηv=0, η<<1,μ<<1 …(2)
 これは、線形方程式で 解は v=Vs*exp(-ηt)…(2-1) 
この解はVsに比例しているところが(1-1)と大きく異なるところです。

(2-1)を積分して距離を求めると
x=(Vs/η)(1-exp(-ηt))…(2-2)
 到達距離は(2-a)と一致(これをL0とします)
このように空気抵抗を考慮すれば、弾丸は必ずある距離で止まることが導けます。

もし(1)が解けず、(2-1)が求められた場合、摂動計算で近似する場合は
 v0=Vs*exp(-ηt)
 v1'+ηv1=-μv0^2:一次摂動式
線型方程式なので公式より
 v1=exp(-ηt){∫exp(ηt)(-μ)Vs^2exp(-2ηt)dt+C)
初期条件合わせて
 v1=(Vs^2/U){exp(-2ηt)-exp(-ηt)}
 v=v0+v1=Vs{r*exp(-2ηt)+(1-r)*exp(-ηt)}
を得る
これを積分して 初期条件あわせると
 x=(Vs/η){(r/2)(1-exp(-2ηt))+(1-r)(1-exp(-ηt))}
つまり、距離の一次摂動の補正により
 L1=(Vs/η){(r/2)+(1-r)}
  =L0{ 1-r/2}
厳密解(1-a)からの近似では r<1のとき,ln(1+r)を展開して
 L=(1/μ)(r-r^2/2)=L0(1-r/2)
摂動計算と厳密解からの近似値は一致します。

このような方法により、慣性抵抗の影響が効くので、粘性抵抗オンリーより速度比rに応じて到達距離が短くなることがいえます。
(ちなみに慣性抵抗オンリーだと速度はv=Vs/(1 +μVs*t)…(3-1)なので0になるけど、x=(1/μ)ln( 1 +μVs*t )…(3-2) なので、止まらず。)

さて、murak流では、
v'+ηv+μv^2=0, η<<1,μ<<1 …(1)
ηもμも非常に微小という理由から、第0近似では無視し、以下の方程式にします。
v0'=0…(m-0)
v1'=-ηv0…(m-1)
v2'=-ηv1-μv0^2…(m-2)
これを解くと
v0=Vs
v1=-ηVst
v2=η^2Vst^2/2-μVs^2t
v=Vs(1-(η+μVs)t+η^2(t^2/2))
明らかに 速度さえ発散。
x=Vs(t-(η+μVs)(t^2/2)+η^2(t^3/6))
無論、停止せず。

このように有限項を計算したのでは、全く意味をなしません。
ある程度高次項を計算して、既知の数列に一致すればよいですが、このように複数のパラメタが交錯するケースでは、まずフィットさせることはできません。
 なぜこのような問題が発生したかを問えば、原因は、線形項のηを落としたことに尽きます。
近似とはいえ、ベースを何にするかというのは非常に大切なことです。

-以上-