EMANの物理学 過去ログ No.4901 〜

 ● 微小熱流のエントロピー

  投稿者:ASA - 2008/08/06(Wed) 11:12  No.4901 
時間発展を追う議論なので、スレを分けます。

方程式系として以下をmurakさん提示したものを拝借する
>(1')  ∂_t(ρ') + div(ρ_0*u') = 0
>(2')  ρ_0∂_t(u') = -grad(P')
>(3')  C_v{ ρ_0 ∂_t(T') + T_0 ∂_t(ρ') } + C_v div( ρ_0 T_0 u' ) = -P_0 div(u') - div(j'):圧力符号変更
>(4')  P' = R { ρ' T_0 + ρ_0 T' }
>(5')  j' = -κgrad(T') :κを追加

ちなみに
>(6'')  T_0 { ∂_t(ρ_0 S') + ρ_0 u'*grad( S_0 ) } = -div(j')
で系のエントロピー評価をします。

擾乱成分に関する方程式系(定数表記を変更)
(1')  ∂t(ρ') + div(ρ0 u') = 0
(2')  ρ0∂t(u') = -grad(R { ρ' T0 + ρ0 T' })
(3')  C{ ρ0 ∂t(T') + T0 ∂t(ρ') } + C div( ρ0 T0 u' ) = -P0 div(u') + κ△(T')

(1')をつかって(2'),(3')からu'を消去し,ρ'T'の方程式系を得る(単純化のため1次元とする)。

(2)'  [-∂t^2 + R T0 ∂x^2](ρ') + [R ρ0 ∂x^2](T')      = 0
(3)'  [-R T0 ∂t](ρ')      + [ C ρ0 ∂t - κ△](T')  = 0
これで、元の非線形方程式群に較べると遥かに扱いやすい2変数の線形方程式系が得られました。

ここからは、対象とする系の前提条件に基づいて、意味のある解を抽出していきます。
まず、時間に依存しないものとして、一定温度勾配の解が存在します。
(s0)T'=T0 δx , ρ'=-ρ0 δx
次に時間発展を考察するため、変数分離解を考察します。T'∝ρ'でe^(νt+λx)を(2')(3')に代入。
(ν,λ:複素数)λ^2=Zとして振幅をAで表わし

 [-ν^2+ RT0 Z]Aρ'+ [Rρ0 Z]AT'     =0
 [- RT0 ν]Aρ'  + [ Cρ0 ν - κZ]AT' = 0
上記より振幅Aを消去(detを取る)

(a) (Cρ0)ν^3 -{(C+R)P0 -κν} νZ + (κRT0) Z^2  = 0:Z2次,ν3次

 ちなみにκ→ 0で ν=0、±v0λ(v0^2=γRT0)

Zについて2次方程式の解よりb=(C+R)P0として

Z0=(νρ0/2κP0)[(b-κν) + √{(b-κν)^2-4κCP0ν}]:
Z1=(νρ0/2κP0)[(b-κν) - √{(b-κν)^2-4κCP0ν}]

を得る。κ<<1として近似解を求めると
(a0) Z0=ν(ρ0Cp/κ) これは、No.4382のように準静等圧過程で得られる熱伝方程式の解と一致。
 つまり、このZ0は熱伝方程式の解であることがわかる。
νを負の実数として、純虚数のλ0を得るこれをkとすることで
時間的に減少し、空間的に振動する解(空間平均が0)
(s01)T'=e^(-νt)sin(kx)を得る
線形方程式なので重ね合わせが可能なのでフーリエ積分表示の、T'=∫f(k)e^(-νt)sin(kx)dk も解である。

ここで∫f(k)sin(kx)dk=-T0δxとすると
t=0でフラットから始まり、一定微小勾配に落ち着く時間発展解として
(s02)T'=T0δx+∫f(k)e^(-νt)sin(kx)dk を得る。

式(6'')で系のエントロピー評価すると

△T'=∫( -k^2) f(k)e^(-νt)sin(kx)dkであるが、空間平均(空間積分)すると0なので
結局エントロピー変化が0
T0 ∂t∫(ρ0 S')dV=0
つまり、murakさんがこの系のエントロピーに関して今まで主張してきたことが間違いであったことが完全に証明できました。