EMANの物理学 過去ログ No.4657 〜

 ● 磁荷と円電流

  投稿者:yuya - 2008/07/23(Wed) 14:02  No.4657 
こんにちは。すみませんが質問させてください。

磁荷と円電流が等価であることに、どうしても納得がいきません。

時計の文字盤にそって、反時計回りの円電流があるとします。
時計の文字盤と垂直で、かつ12時と6時のところを通るような円形の磁界があり、
文字盤の手前では下向き、奥では上向き(つまり、3時のほうからみて反時計回り)とします。
この円電流が磁場から受ける力を考えると、たとえば12時のところでは
電流が向かって左向き、磁場は手前向きなので、力は上向きになります。
6時のところを考えてもやはり上向きの力を受けます。
一方、この円電流を磁荷とみなすと、手前がN極、奥がS極になると思います。
そうすると磁場から下向きの力を受けることになってしまうと思うのです。
どこかが間違っているのでしょうか?すみませんが教えていただけないでしょうか。

  投稿者:EMAN - 2008/07/23(Wed) 15:49  No.4658 
 磁荷と円電流が等価だというのは、
十分離れた地点に作る磁場の形を比較した場合、
という条件付きの近似なのです。

 近付き過ぎると両者は全く違った磁場を形成しています。

 今回の例はまさにそのような状況での比較ですね。

  投稿者:hirota - 2008/07/23(Wed) 16:56  No.4661 
円電流を微小円電流の集まりで表して、微小円電流を微小磁荷に等価変換すれば近付いても大丈夫。

  投稿者:yuya - 2008/07/23(Wed) 17:39  No.4662 
EMANさん:
> 十分離れた地点に作る磁場の形を比較した場合、
> という条件付きの近似なのです。

ありがとうございます!なるほど、分かりました!
……と思ったのですが、よく考えるとまた分からなくなりました。
ちょっと自分の頭を整理すると、
そもそも、「円電流と磁荷が等価である」と言うためには、
磁場の源としても、磁力の受け手としても、両面で等価でないといけないですよね。
私が上向きか下向きか悩んでいるのは、
「円電流が外部の磁場から受ける力」で、磁力の受け手としての話です。
一方、EMANさんの教えてくださった話は、
「円電流が(自分で)作る磁場」で、磁場の源としての話です。
これらは別の話のように見えるのですが、つながってるんでしょうか?
力の受け手として考えるときも、やはり円電流が微小なときだけ磁荷と等価になるのでしょうか?

hirotaさん:
> 円電流を微小円電流の集まりで表して、微小円電流を微小磁荷に等価変換すれば近付いても大丈夫。

ありがとうございます。
元の大きな円電流の中に、小さな円電流が敷き詰められている状態ですよね。
このとき、各々の微小電流はすべて反時計回りだから、
結局N極が手前にくる微小磁石の集まりということになって、
やっぱり力は下向きに働くことになってしまうと思います。
結論としては、どちら向きに力が働くのでしょうか?

  投稿者:スチーム - 2008/07/23(Wed) 22:49  No.4664 
はじめまして

>一方、この円電流を磁荷とみなすと、手前がN極、奥がS極になると思います。
そうすると磁場から下向きの力を受けることになってしまうと思うのです。

磁力線の込み具合からみて力は上向きとおもいますが、どのようにして上の考えがでてくるのでしょうか。

  投稿者:EMAN - 2008/07/23(Wed) 23:52  No.4665 
 円電流と等価なのは、「2個の点磁荷」が作る磁場です。

 今、時計盤という「でっかい円電流」を考えてますが、
これと比較するべきなのは、時計盤の中心軸上の、
時計盤を挟んだ裏と表に、それぞれ1個ずつある、
SとNのモノポールなんです。

 十分遠くから見れば、この2つの作る磁場の形が等しいというわけです。

 ところが、yuyaさんの例では、
「一方、この円電流を磁荷とみなすと、
手前がN極、奥がS極になると思います。」なんて具合に、
時計盤全体で一様であるような磁場を想定しているようです。

 どっちにしても十分離れないといけません。
 電流の円周上で比べるのは無理があるというものです。

 十分離れれば、等価な磁気モーメントだと見なせますから、
力の受け手としても等価な振る舞いをするはずですよ。

  投稿者:yuya - 2008/07/24(Thu) 05:01  No.4668 
EMANさん:
再度ありがとうございます。

> 円電流と等価なのは、「2個の点磁荷」が作る磁場です。
>
> 今、時計盤という「でっかい円電流」を考えてますが、
>これと比較するべきなのは、時計盤の中心軸上の、
>時計盤を挟んだ裏と表に、それぞれ1個ずつある、
>SとNのモノポールなんです。

はい、これは承知しています。
このことを明確にしながら、もとの疑問をもう一度書いてみます。

時計盤をxy座標(3時がxの正方向、12時がyの正方向)とし、
さらに手前を正方向としてz軸が伸びているような右手系を考えます。
円電流を x~2 + y^2 = 1(反時計回り)とします。
すると、手前のz軸上(0, 0, r)にN極のモノポールが、
奥の(0, 0, -r)にS極のモノポールがあるのと等価なはずですよね(十分遠くから見れば)。

で、例えばここでx軸の負から正の方向に向かって大きな定常電流が走ると、
x軸を中心軸とした同心円筒状の磁場ができます(xの正方向から見て反時計回り)。
この磁場が2つのモノポールに及ぼす力を考えます。
N極のある(0, 0, r)では磁力線は下(yの負方向)を向いており、N極は下向きに力を受けます。
S極のある(0, 0, -r)では磁力線は上(yの正方向)を向いており、S極も下向きに力を受けます。
だから、磁荷で考えると下向きに力を受ける(ので、電流のまま考えた場合と矛盾する)、と考えたのです。

>どっちにしても十分離れないといけません。
> 電流の円周上で比べるのは無理があるというものです。
>
> 十分離れれば、等価な磁気モーメントだと見なせますから、
>力の受け手としても等価な振る舞いをするはずですよ。

2つのモノポールの位置(0, 0, ±r)は電流の円周上ではないわけですが、
それでもまだ(等価とするには)「近すぎる」ということになるのでしょうか。
しかし、(磁荷が作る磁場ではなく)磁荷が受ける力を考えるときには、
その磁荷がある位置で考えるしかないですよね。これが「近すぎてダメ」ということになると、
力の受け手として磁荷を考えること自体、無意味になってしまうように思うのですが……
でも磁荷のクーロン則がある以上、無意味ってことはないですよね。
私は何か根本的な勘違いをしているのかなぁ?すみません。

スチームさん:
はじめまして。ありがとうございます。

> 磁力線の込み具合からみて力は上向きとおもいますが、どのようにして上の考えがでてくるのでしょうか。

上記のEMANさんへのお返事に書いたように考えて「下向き」だと思ったのですが、いかがでしょうか。
この中では「磁力線の込み具合」という考えは現れなかったのですが、
もしよろしければ、なぜ「磁力線の込み具合を考えると力は上向きになるのか」、
詳細を教えていただけないでしょうか。

  投稿者:スチーム - 2008/07/24(Thu) 08:21  No.4670 
おはようございます。
>2つのモノポールの位置(0, 0, ±r)は

この位置にものポールはないと思いますが、それはさしおいて、
磁力線の込み具合というのは時計の12時の位置。12時と6時の位置の電流(xy平面)の周囲のことです。
12時では12時の下側で磁力線が混み、上側で疎になりますからマクスウェルの応力から円電流は上に押されます。6時でも同様に力は上です。
z軸場の(0,0、r)での力を考えることは、そこに力をうける対象がありませんからナンセンスです。

  投稿者:スチーム - 2008/07/24(Thu) 08:30  No.4671 
続き、
z軸上に(0,0、r)にN、(0,0、−r)にS極のある棒磁石を置くと、おっしゃるとおり、力は下向きになります。
しかし、この場合、12時と6時の周りの磁力線の向きは設定とは逆向きとなっています。

  投稿者:大学生A - 2008/07/24(Thu) 08:49  No.4672 
yuyaさん、はじめまして。

出来るだけ等価な磁石を考えるなら、円盤形状の磁石でよいのでは?
つまり、オセロゲームの駒みたいに、黒の部分がN極で、白の部分が
S極という風に。

  投稿者:yuya - 2008/07/24(Thu) 10:59  No.4673 
スチームさん:
おはようございます。お返事ありがとうございます。

>磁力線の込み具合というのは時計の12時の位置。12時と6時の位置の電流(xy平面)の周囲のことです。
>12時では12時の下側で磁力線が混み、上側で疎になりますからマクスウェルの応力から円電流は上に押されます。6時でも同様に力は上です。

よく理解できました。「マクスウェルの応力」で考えたときと、電流×磁場(両者の外積)で考えたとき、
および「フレミングの左手の法則」で考えたときの結果がすべて一致することは納得できました。
磁荷に置き換えて考えたときだけ、おかしくなる(ように私には見える)んですよね……。

>この位置にものポールはないと思いますが、それはさしおいて、
(中略)
>z軸場の(0,0、r)での力を考えることは、そこに力をうける対象がありませんからナンセンスです。

えっ、そうなんですか!?
私の読んでいる教科書では(「電磁気学の考え方」砂川重信)、
微小円電流と磁荷とが「力の受け手として」等価だという説明において(p83)、
円電流の法線上のオモテ側とウラ側に「そこに無いはずの」磁荷を想定して、
どっちで考えても受けるトルクが等しいから、という流れになっているのですが。
それに加えて、EMANさんも
>これと比較するべきなのは、時計盤の中心軸上の、
>時計盤を挟んだ裏と表に、それぞれ1個ずつある、
>SとNのモノポールなんです。
と説明してくださったので、(0, 0, ±r)に磁荷を想定するものだとばかり思っていたのですが、
ここが間違っているのでしょうか?

>続き、
>z軸上に(0,0、r)にN、(0,0、−r)にS極のある棒磁石を置くと、おっしゃるとおり、力は下向きになります。

はい。

>しかし、この場合、12時と6時の周りの磁力線の向きは設定とは逆向きとなっています。

すみません、ここが理解できません。
棒磁石自身が作る磁場のことをおっしゃっているのでしょうか?

大学生Aさん:
はじめまして。ありがとうございます。

>出来るだけ等価な磁石を考えるなら、円盤形状の磁石でよいのでは?
>つまり、オセロゲームの駒みたいに、黒の部分がN極で、白の部分が
>S極という風に。

この設定は、EMANさんから

[No.4665]
> 円電流と等価なのは、「2個の点磁荷」が作る磁場です。
(中略)
> ところが、yuyaさんの例では、
>「一方、この円電流を磁荷とみなすと、
>手前がN極、奥がS極になると思います。」なんて具合に、
>時計盤全体で一様であるような磁場を想定しているようです。

とご指摘いただいたので、良くないのだろう、
と思っていたところだったのですが、いかがでしょうか。

  投稿者:スチーム - 2008/07/24(Thu) 11:50  No.4674 
こんにちは

>と説明してくださったので、(0, 0, ±r)に磁荷を想定するものだとばかり思っていたのですが、
ここが間違っているのでしょうか?

ここがまちがいです。このような磁場では円電流をz軸の負方向に磁力線が突き抜けることになります。円電流は円輪の内部をz軸の正方向に突き抜けています。
x軸方向に向かう電流はこのような磁場では正反対の力を受けることになります。


  投稿者:スチーム - 2008/07/24(Thu) 12:33  No.4676 
続き

マクスウェルの応力の観点からは、(0, 0, ±r)に磁荷を想定した場合、6時の周囲で磁場は強めあい、12時の周囲で弱めあい、下方向の張力が勝って磁石は下方に引っ張られます。

  投稿者:yuya - 2008/07/24(Thu) 13:24  No.4677 
スチームさん:
> ここがまちがいです。このような磁場では円電流をz軸の負方向に磁力線が突き抜けることになります。円電流は円輪の内部をz軸の正方向に突き抜けています。
> x軸方向に向かう電流はこのような磁場では正反対の力を受けることになります。

なるほど。まさに、おっしゃるような違い(磁荷を想定すると、両極間だけ磁力線の向きが反対になること)は、
「円電流と磁荷とは十分遠くでなければ『磁場の源として』等価ではない」ことの一例だと思います。
私が疑問に感じているのは、「磁場の源としての」等価性ではなく、「力の受け手としての」等価性です。
いったい、微小円電流と等価な磁気双極子の両極は、z軸上に無いのであれば、どこにあるのでしょうか?

  投稿者:スチーム - 2008/07/24(Thu) 13:56  No.4678 
円電流を磁石で置き換えたときの矛盾ですが、
z軸上の磁石に働く力は下方でしょうか。
もし、z軸上の小さな磁石が下方に動くと力学的不安定を起こします。なぜなら磁力線の方向と磁石が逆向きに配置されるからです。
したがって、磁石は安定な上向きに移動します。つまり上向きの力が働く。
これまでの議論の混乱は磁石をものポールの組み合わせと考えたところにあると思います。

  投稿者:スチーム - 2008/07/24(Thu) 14:04  No.4679 
削除

  投稿者:yuya - 2008/07/24(Thu) 17:39  No.4682 
スチームさん:
>もし、z軸上の小さな磁石が下方に動くと力学的不安定を起こします。なぜなら磁力線の方向と磁石が逆向きに配置されるからです。
>したがって、磁石は安定な上向きに移動します。つまり上向きの力が働く。

この論理は知識不足の私には完全には理解できないのですが、
ともかくこのように考えると力は上向きになるということですよね。
つまり、「マクスウェルの応力」「電流×磁場(外積)」「フレミング左手則」の他に、
「上向き」を支持する根拠が一つ付け加わったわけですね。

>これまでの議論の混乱は磁石をものポールの組み合わせと考えたところにあると思います。

モノポールの組み合わせと考えたときだけ反対の結論が出る以上、きっとおっしゃる通りなのだろうと思います。
しかし、先にも引用した「力の受け手としての等価性」の説明では、
そのものずばりモノポールの組み合わせと仮定して等価性が結論されています。
私の質問のケースでは等価性が成り立たないのであれば、
それはなぜなのか、等価性の是非の境目はどこにあるのか、が問題となりますね。
「磁場の源としての等価性」の議論においては、
その過程で遠方の磁場であることを前提とした近似が
明らかに行なわれているので納得できるのですが、
力の受け手としての議論では、そこにある磁荷自体が受ける力ですから、
遠方で考えるわけにもいかず、これといった近似がなされているようには思えないのです。

  投稿者:スチーム - 2008/07/24(Thu) 19:34  No.4685 
yuyaさんこんばんは

磁石とモノポールの組み合わせが異なるものである根拠として、
モノポールの対は現実にはありえないものです。
それはマクスウェルの式のひとつ磁束密度Bの発散=0を満たしていません。N極で発散、S極で収束しています。
これに対して、実際の磁石はBが連続です。
ですから、円電流をモノポールの対であらわす事は不可です。

  投稿者:yuya - 2008/07/24(Thu) 19:47  No.4686 
スチームさん、ほんとに何度もありがとうございます。

>磁石とモノポールの組み合わせが異なるものである根拠として、
>モノポールの対は現実にはありえないものです。
(中略)
>ですから、円電流をモノポールの対であらわす事は不可です。

うーむ、別にモノポールでなくても、普通の棒磁石であっても同じ矛盾が生じると思うのですが……。
棒磁石自身の作る磁場が無視できるような強い外部磁場があって、
その外部磁場がN極のあたりでは下向き、S極のあたりでは上向きだったら、
やっぱりN極もS極も下向きの力を受けますよね?

  投稿者:スチーム - 2008/07/24(Thu) 19:51  No.4687 
どうも
>棒磁石自身の作る磁場が無視できるような強い外部磁場があって、
その外部磁場がN極のあたりでは下向き、S極のあたりでは上向きだったら、
やっぱりN極もS極も下向きの力を受けますよね?

いえ、磁石なら上向きの力です。磁石の位置エネルギーをyの関数であらわして、勾配をとれば力が上向きになるでしょう。
磁石の位置エネルギーは背景の磁場と磁石のBが同方向で最低で、反対方向で最高となります。ですから原点に置かれた磁石は6時から12時の方向に向かって位置エネルギーが減少します。すなはち、磁石には上向きの力が働きます。


  投稿者:yuya - 2008/07/24(Thu) 20:31  No.4688 
えと、そもそも磁場の方向(磁力線の方向)って、N極が力を受ける方向ですよね。
そして、S極が力を受ける方向の反対方向でもあります。
すると、少なくとも棒磁石の両端付近はモノポール対と同様に
下向きに力を受けるように思うのです。
にもかかわらず棒磁石全体の受ける力が上向きということであれば、
棒磁石の真ん中あたり(モノポール対には存在しない部分)に、
両端にかかる下向きの力を凌駕する、
もっと大きな上向きの力を受けるということでしょうか?

  投稿者:スチーム - 2008/07/24(Thu) 21:07  No.4689 
z軸に横たえた棒磁石を真ん中で等分しますと、二つの棒磁石ができます。右側の棒磁石のNS極には上下の力がかかり、左の棒磁石のNS極にも上下の力がかかり、中央部では上向き、外側では下向きです。中央部の力が勝れば上向きの力となります。x軸方向の電流による磁場では中央部が強いので上向きとなります。

  投稿者:スチーム - 2008/07/24(Thu) 21:47  No.4690 
削除

  投稿者:yuya - 2008/07/24(Thu) 23:13  No.4691 
スチームさん:
>z軸に横たえた棒磁石を真ん中で等分しますと、二つの棒磁石ができます。右側の棒磁
>石のNS極には上下の力がかかり、左の棒磁石のNS極にも上下の力がかかり、中央部では
>上向き、外側では下向きです。中央部の力が勝れば上向きの力となります。x軸方向の
>電流による磁場では中央部が強いので上向きとなります。

なるほど〜!そう考えればよいのですね。
そうすると、モノポール対で考えない限り、磁石で考えても矛盾しませんね。
これで私の出したケースに関しては矛盾は解消されました。

しかし……モノポール対と実際の磁石との違いが、本当に矛盾の本質だったのでしょうか?
というのは、私の出した例で矛盾を回避できたのは、
たまたま原点に近いほど外部磁場が強かったためだと思うからです。
例えば、もとの例と同じような同心円筒形の磁場で
(厳密に円筒形でなくても、だいたい各部の向きが円筒と合致していて)、
なおかつ中心軸(x軸)に近いほど「弱く」なるような外部磁場だってあり得ると思うのです。
このような磁場に円電流を置けば、やはり電流モデルで考えると上向きに力を受けるのに、
磁石で考えると、下向きの力を受けます。
たとえ(モノポール対ではなく)棒磁石で考えても、
今回は両端にかかる下向きの力のほうが、中央にかかる上向きの力より大きくなります。
このような例を考えると、モノポール対を避けたからといって矛盾を避けられるわけではないですよね。

もう一つの根拠は、いろんな教科書に「微小円電流は磁気双極子と等価である」と書かれていて、
その「磁気双極子」なるものは正負のモノポールをつないだものとして登場することです。
スチームさんが[4685]でおっしゃったように

>ですから、円電流をモノポールの対であらわす事は不可です。

なのだとすれば、これらの教科書の記述は、すべて嘘ということになってしまわないでしょうか?
「モノポール(単極子)の対」と「双極子」とは、異なるのでしょうか?

  投稿者:スチーム - 2008/07/25(Fri) 09:40  No.4694 
おはようございます。
残念ながら、磁石を半分にする論法は破綻しています。
ここは、やはり系全体の磁場エネルギーの観点から取り組むのが上策と思います。
双極子の位置エネルギー
  −μ・B
を円電流を双極子に置き換えて考える方向がよいと思います。
そこで、困難の原因は円電流と等価なのは一個の微小双極子ではなく円電流全体に等価な円の内側に敷き詰められた双極子の集合体について考察する必要があると思います。
モノポールの対をNS極間の距離が0の極限にしたものが双極子なので、有限な大きさのn極s極にかかる力を考察するのは不適なのだろうと思います。
さて、双極子の位置エネルギー
  −μ・B
についてですが、円電流全体を置き換えた双極子(円盤状)の回転磁場Bにおけるエネルギーは回転磁場のうち双極子と同方向の部分に双極子が異動して最低位置エネルギーになった状態で安定します。
この考えで行けば、回転磁場の強さがどのようなr依存性であれ円電流は上向きの力を受けることが結論されます。
これまでの困難さは、議論を有限の長さをもつモノポール対のここの極にかかる力を考察することでもたらされたのだろうと思います。確かに直感的には双極子全体のエネルギーを考える方法は分かりにくいものですが、うまい考えがあればいいのですが。(汗)



  投稿者:明男 - 2008/07/25(Fri) 09:46  No.4695 
やりとりを拝見していましたが、核心からずれていっているように感じます。EMANさんの説明が正しいと思います。そして、yuyaさんが疑問に思われたように、円電流を双極子と見なすことは厳密には成立しません。混乱の元は思考実験にあると思います。すなわち、十分遠方ではダイポールとみなせるというのは、単に距離の問題ではないと思います。それは円電流の作る磁場に比べて、外部磁場(の変化)が十分にゆるやかと見なせるほど遠い、逆に言うと外部磁場の(変動)スケールに比べて、円電流が十分に微小と見なせるという近似です。
yunaさんの例は外部磁場と円電流のスケールが非常に近づいています。
その面で立てられた仮説を見直しては如何ですか。

  投稿者:yuya - 2008/07/25(Fri) 10:20  No.4696 
スチームさん、おはようございます。

>モノポールの対をNS極間の距離が0の極限にしたものが双極子なので、有限な大きさの
>n極s極にかかる力を考察するのは不適なのだろうと思います。

明男さん、はじめまして!

>すなわち、十分遠方ではダイポールとみなせるというのは、単に距離の問題ではないと
>思います。それは円電流の作る磁場に比べて、外部磁場(の変化)が十分にゆるやかと
>見なせるほど遠い、逆に言うと外部磁場の(変動)スケールに比べて、円電流が十分に
>微小と見なせるという近似です。

なるほど!お二人のご説明の上記引用部を読んで、やっと合点が行きました!
そもそも微小円電流と等価な磁気双極子の両極間距離はゼロの極限なので、
N極のある場所とS極のある場所とで外部磁場が異なるような場合を想定してはいけないのですね。
どうしてどの教科書も、微小円電流・磁気双極子が受ける力(トルク)の解説において、
「一様な磁場」の場合しか書いてないのだろう、と思っていました。しかし、
「外部磁場が一様とみなせるくらい円電流が微小なときに限り、磁気双極子と等価とみなせる」
ということに過ぎないわけですね。
すなわち教科書の「一様な外部磁場」という設定は、
説明を分かりやすくするために簡単な場合だけ書いているのではなく、
「力の受け手としての等価性」にとって決定的に重要な条件になるわけですね。

皆様、理解の遅い私にお付き合いくださり、本当にありがとうございました!

  投稿者:スチーム - 2008/07/25(Fri) 10:27  No.4697 
明男さん、はじめまして

議論を混乱させて、申し訳ありません。何しろ電磁気は遠い昔、教科書を習ったきりのものなので。

>混乱の元は思考実験にあると思います。

yuyaさんの疑問はよく分かるので、それに対して正面から解決したいと思って苦闘しております。
素朴な疑問に正面から答えられないのは多分、自分が理解していないためと反省しております。
どうぞよろしく。





  投稿者:明男 - 2008/07/25(Fri) 11:23  No.4698 
>yunaさん、スチームさん

ご挨拶が遅れました。私もロートルですから(笑)、勉強させてもらいながら、また議論に参加します。

どうぞよろしく。

  投稿者:明男 - 2008/07/25(Fri) 11:25  No.4699 
>yuyaさん

失礼、タイプミスしました。

  投稿者:hirota - 2008/07/25(Fri) 12:30  No.4700 
>N極のある場所とS極のある場所とで外部磁場が異なるような場合を想定してはいけない
そういうわけで、N極とS極に働く力は相殺するので、モノポールに働く力を考えることは最初から破綻してます。
ではどうすればよいかというと、スチームさんが最初に書いた
>磁力線の込み具合から見る
が最も簡単な方法です。(唯一の方法かも)
この方法なら、文字盤に敷き詰められた棒磁石だろうとモノポール・ペアだろうと同じです。

  投稿者:yuya - 2008/07/25(Fri) 12:48  No.4701 
スチームさん:
>yuyaさんの疑問はよく分かるので、それに対して正面から解決したいと思って苦闘しております。

うぅ、感謝しております(涙)。
個人的には答えが「速く」出ることはそんなに重要ではないと思っておりますので、
今後ともよろしくお願いします。

明男さん:
>ご挨拶が遅れました。私もロートルですから(笑)、勉強させてもらいながら、また議論に参加します。
>
>どうぞよろしく。

鮮やかなご指摘、ありがとうございました。こちらこそよろしくお願いします。

hirotaさん:
>そういうわけで、N極とS極に働く力は相殺するので、モノポールに働く力を考えることは最初から破綻してます。

すみません、「N極とS極に働く力は相殺するので」という理由付けのところが理解できません。
これは一様な外部磁場の場合の話でしょうか、一様でない場合でしょうか?
一様でなければ力は相殺されず、一様ならばトルクが残る、と理解しているのですが……。

  投稿者:kousi - 2008/07/25(Fri) 15:03  No.4703 
yuyaさん始めまして。
この問題は別のかたちで関心がありましたので議論に参加させて頂きました。
大学生Aさんの例えが分かりやすいのですが円電流の変わりにオセロのこまのような円筒の側面に一様な表面電流が流れている場合を考えます。
この電流が円筒の外部に作る磁場は一様に磁化した磁石(上面下面に磁極を持つ)の作る磁場とまったく同じになります。
したがって、X軸方向の電流がこの円筒の外部にあるときは円筒の受ける力は電流で考えても磁化で考えても一致します。
例えば電流のZ座標を円筒のN極より少し大きなところに持ってきますとこの電流には下方向(Yの負の方向)に力が働きますので、円筒には上方向に力が働き問題はありません。
問題にされているのは、この電流が円筒の内部を通っていることです。実際に磁化した物質の内部に電流を通して力をうんぬんするにはこの磁性体に穴をあけその穴の中を通る電流が受ける力を考えてやる必要があります。そうしないと円筒と電流が受ける力を区別できなくなります。
このような穴をあけると、穴の表面には磁極が発生し穴内部の磁場はZ方向を向きますのでこの電流にはやはり下向きの力が働き結果として穴の空いた円筒磁性体は上向きに力を受け矛盾しません。
電流と磁荷の等価性は磁性体外部で成り立つことだと思います。

  投稿者:yuya - 2008/07/25(Fri) 17:07  No.4704 
kousiさん、はじめまして。

円電流が外部磁場から受ける力を考えるにあたり、
円電流が(外部磁場の源である)直線電流に対して及ぼす力を考え、
その反作用として方向を推論されているわけですよね。
この論理は、はたして正しいのでしょうか?
この例ではたまたまx軸を走る直線電流によって円形磁場を作ったことにしましたが、
同じような形の磁場を作る方法は一通りではないはずです。
全然違うところにあるいくつかの電流が協同で作り出しているかも知れず、
外部磁場から力を受ける円電流にとっては、
その磁場の発生源について知るよしも無いと思うのですが、いかがでしょうか。

  投稿者:kousi - 2008/07/25(Fri) 18:01  No.4705 
yuyaさん議論に参加させていただき有難うございます。
おっしゃるように、円形電流の周りの外部磁場分布の発生源は一通りとは限りません。
しかしいかなる発生源が原因であろうと、円形コイル周りの外部磁場の分布が同じであれば、円形コイルの受ける力は同じになりますがこれは前提としてよろしいですよね。
逆にいうと発生源全体が円形コイルから受ける力もこの反作用によって決まります。そうでなければ全体の運動量保存則が成り立たなくなります。
これより代表的な発生源を一つ(この場合はX軸を走る直線電流)持ってきて議論するのは一般性を損なわないと思いますが。
重大な誤解をしていましたら申し訳ありません。

子牛

  投稿者:大学生A - 2008/07/25(Fri) 18:59  No.4706 
ちなみに、この場合、エネルギー保存や運動量保存が成立するのは、
静磁場だからってことでしょうか?

  投稿者:yuya - 2008/07/25(Fri) 19:14  No.4707 
kousiさん:
>yuyaさん議論に参加させていただき有難うございます。

こちらこそ、いろいろご教授いただき、ありがとうございます。

>おっしゃるように、円形電流の周りの外部磁場分布の発生源は一通りとは限りません。
>しかしいかなる発生源が原因であろうと、円形コイル周りの外部磁場の分布が同じであ
>れば、円形コイルの受ける力は同じになりますがこれは前提としてよろしいですよね。
>逆にいうと発生源全体が円形コイルから受ける力もこの反作用によって決まります。そ
>うでなければ全体の運動量保存則が成り立たなくなります。
>これより代表的な発生源を一つ(この場合はX軸を走る直線電流)持ってきて議論するの
>は一般性を損なわないと思いますが。

なるほど。よく理解できました。
なかなか本論に戻れませんが、もう一つだけ確認させてください。

[4703]
>例えば電流のZ座標を円筒のN極より少し大きなところに持ってきますとこの電流には下方
>向(Yの負の方向)に力が働きますので、円筒には上方向に力が働き問題はありません。

とのことですが、直線電流のうち、原点近くの部分に関しては、確かに下向きの力を受けますが、
左右に離れたところの電流素片は上向きの力を受けるのではないでしょうか?

  投稿者:kousi - 2008/07/26(Sat) 08:31  No.4712 
おはようございます子牛です。

大学生Aさん:
おっしゃるようにこの問題が静的な現象だからです。そうでなければポインティングベクトルの運動量を考える必要があります。

yuyaさん:
>とのことですが、直線電流のうち、原点近くの部分に関しては、確かに下向きの力を受けますが、
>左右に離れたところの電流素片は上向きの力を受けるのではないでしょうか?

ご指摘のとおり直線電流の受ける力は遠方では逆向きになりますので、正確な議論ではありませんでした。
ちゃんとするには線電流に沿って積分する必要があります。
ただ、今回問題としているのは、電流と磁荷の等価性だと思っています。
円筒の側面を電流が流れていても、円筒が一様に磁化している場合も直線電流に働く力が同じになることをいいたかったのですが。

  投稿者:yuya - 2008/07/26(Sat) 18:04  No.4724 
kousiさん:
>ご指摘のとおり直線電流の受ける力は遠方では逆向きになりますので、正確な議論ではありませんでした。
>ちゃんとするには線電流に沿って積分する必要があります。
>ただ、今回問題としているのは、電流と磁荷の等価性だと思っています。
>円筒の側面を電流が流れていても、円筒が一様に磁化している場合も直線電流に働く力が同じになることをいいたかったのですが。

なるほど、遠方で逆向きになることも含めて等価というわけですね。
この時点では「磁場の発生源として」等価ということですね。
ただ、ここから「作用・反作用」を利用して
「力の受け手としての」等価性に結びつけるためには(つまり

[4703]
>例えば電流のZ座標を円筒のN極より少し大きなところに持ってきますとこの電流には
>下方向(Yの負の方向)に力が働きますので、円筒には上方向に力が働き問題はありません。

と推論するためには)、直線電流がトータルとして下向きに力を受けることが
言えなければなりませんよね。

[4712]
>ちゃんとするには線電流に沿って積分する必要があります。

これからその計算をやってみようと思うのですが(自分でできるかどうか分かりませんが)、
上の[4703]引用部からは、計算する前に直感的に考えることも可能なのかな、
と思ったのですが、いかがでしょうか。

  投稿者:kousi - 2008/07/26(Sat) 19:37  No.4726 
yuyaさん:
>この時点では「磁場の発生源として」等価ということですね。
>ただ、ここから「作用・反作用」を利用して
「力の受け手としての」等価性に結びつけるためには(つまり

磁荷と電流の等価は、
(1)磁場の発生源として
(2)外部場からの力の受けてとして
の両方が成り立つ必要があることはおっしゃるとおりです。
(1)については問題ないが、(2)が成立するかどうかということを問題にされているのでしょうか?
これについてはNo.4705で次のように確認しました。

>しかしいかなる発生源が原因であろうと、円形コイル周りの外部磁場の分布が同じであ
>れば、円形コイルの受ける力は同じになりますがこれは前提としてよろしいですよね。

この前提は正しいと思いますがいかがでしょうか。
これから実際に積分計算する必要はないと思います。


>上の[4703]引用部からは、計算する前に直感的に考えることも可能なのかな、
>と思ったのですが、いかがでしょうか。


実際に計算するには有限の断面積を持つ円筒磁石では大変だと思います。
断面積がゼロの円筒状の磁石として行えば2つの点磁荷が作る磁場の計算となり簡単になると思います。簡単に計算してみましたが、どこかで計算間違いしたのか(1)と(2)で1.5倍係数が異なりましたが方向は磁石の受ける力と電流の受ける力は同じでした。


  投稿者:kousi - 2008/07/26(Sat) 19:43  No.4727 
yuyaさん:

最後に、

簡単に計算してみましたが、どこかで計算間違いしたのか(1)と(2)で1.5倍係数が異なりましたが方向は磁石の受ける力と電流の受ける力は同じでした

と書きましたが正確には「方向が逆で予想通りだった」というのを誤解のある表現でいた。
計算はまたやり直すつもりです。

  投稿者:yuya - 2008/07/26(Sat) 21:01  No.4729 
kousiさん:
>磁荷と電流の等価は、
>(1)磁場の発生源として
>(2)外部場からの力の受けてとして
>の両方が成り立つ必要があることはおっしゃるとおりです。
>(1)については問題ないが、(2)が成立するかどうかということを問題にされているのでしょうか?

はい、その通りです。もともと(1)に対しては等価性の限界を理解していたので、
あまり疑問を感じていなかったのですが、(2)が疑問だったので、
このスレッドを立てさせていただきました。

で、最終的に(2)に関しても[4696]に書いたように納得できたので、
(1)と(2)を別々に理解して満足していました。
(教科書にも別々に解説されていましたし。)

しかし、kousiさんの[4703]のご説明を読んで、作用・反作用を考えれば
(1)と(2)を統合して理解することができるのでは、と欲が出たわけですが、
まだ完全には理解できていません。

さて、

>これについてはNo.4705で次のように確認しました。
>
>>しかしいかなる発生源が原因であろうと、円形コイル周りの外部磁場の分布が同じであ
>>れば、円形コイルの受ける力は同じになりますがこれは前提としてよろしいですよね。
>
>この前提は正しいと思いますがいかがでしょうか。

この前提自体は正しいと私も思います。しかし、外部磁場は、
たとえ円形コイル周りのものであっても、直線電流の遠方から近方までの
すべての素片が協同してそこに形成したものの総和であるはずですよね。
それなのに、なぜ原点近くの電流素片にかかる力が下向きというだけで
円形コイルが上向きに力を受けると言えるのか、そこが理解できないのです。

私自身は物理の常識的な感覚が身についていないのですが、
近くにある素片の寄与のほうがずっと大きい、というのは常識的なことなのでしょうか?

  投稿者:kousi - 2008/07/26(Sat) 22:26  No.4731 
yuyaさん:
先ほど計算をやり直したのですが、やはり単純な計算間違いがありちゃんとした結果は電流の受ける力と磁化の受ける力は大きさが同じで方向が逆である結果が得られました。
結果的にはおっしゃられるとおり、
>近くにある素片の寄与のほうがずっと大きい、というのは常識的なことなのでしょうか?
は正しいと思います。
もう一度問題を整理しますと、
円筒状の一様に磁化した磁石と円筒の側面に電流が流れるコイルは、
(1)外部に作る磁場は同じである。
(2)外部の磁場から受ける力は同じである。
ということだと思います。
さて、No.4703で
「この問題は別のかたちで関心がありましたので議論に参加させて頂きました。」
と述べましたが、これはこの円筒の受ける力やトルクはどちらの考え方でも同じなのですが、分布力として考えたときはまったく異なります。
磁荷と考えた場合は円筒の上面と下面に力がかかることになりますが、側面に流れる電流と考えた場合は力は円筒の側面に働くことになります。これに関してはずいぶん悩みましたが、自分なりの回答を得たと思っています。ただし主題と離れますのでここまでにします。

  投稿者:yuya - 2008/07/27(Sun) 00:14  No.4734 
kousiさん:
>先ほど計算をやり直したのですが、やはり単純な計算間違いがありちゃんとした結果は
>電流の受ける力と磁化の受ける力は大きさが同じで方向が逆である結果が得られました。
>
>結果的にはおっしゃられるとおり、
>>近くにある素片の寄与のほうがずっと大きい、というのは常識的なことなのでしょうか?
>は正しいと思います。

了解しました。お手数を掛けましたが、きちんと計算しても矛盾は無いわけですね。
円筒周りの外部磁場が、x軸の - ∞ から + ∞ に走る電流によって
形成された場合については、きちんと作用・反作用の法則が成り立ち、
したがって2種類の等価性が表裏一体となっていることが納得できました。
(まだ自分で計算したわけではないですが……頑張ります(^^;))

しかし、例えばxの負のあたりを正の方向に向かって走る
(つまり、円筒電流を目指す)電流素片だけでも、
Biot-Savart則にしたがって円筒電流付近に同じような磁場を作りますよね。
この場合、素片がある程度遠方にあれば、
円筒電流も素片も、ともに相手の作った磁場から上向きの力を受けるように思うのですが、
どう考えたらよいのでしょうか?

  投稿者:kousi - 2008/07/27(Sun) 08:29  No.4740 
yuyaさん:
>円筒周りの外部磁場が、x軸の - ∞ から + ∞ に走る電流によって
>形成された場合については、きちんと作用・反作用の法則が成り立ち、
>したがって2種類の等価性が表裏一体となっていることが納得できました。

了解いただきほっとしています。
個々のケースを計算で確かめるのは大変だと思います。
私個人は、電磁場を含めた運動量保存から作用反作用を考えたほうが簡単だと思っています。

>しかし、例えばxの負のあたりを正の方向に向かって走る
>(つまり、円筒電流を目指す)電流素片だけでも、
>Biot-Savart則にしたがって円筒電流付近に同じような磁場を作りますよね。
>この場合、素片がある程度遠方にあれば、
>円筒電流も素片も、ともに相手の作った磁場から上向きの力を受けるように思うのですが、
>どう考えたらよいのでしょうか?

この場合も矛盾はないと思います。
磁気双極子が遠方に作る磁場はN極とS極の作る磁場の重ね合わせになります。
今までの座標系で考えると、近くから遠くへ行くどこかで磁場のZ成分が正から負に変化します。一方磁気双極子の受ける力は外部磁場の方向ではなく外部磁場の勾配に依存します。
この磁場勾配は先の磁場のZ成分が正から負に変化したあたりで逆転すると考えればいかがでしょうか。
ただし実際に計算で確かめたわけではありません。

  投稿者:yuya - 2008/07/27(Sun) 09:06  No.4741 
kousiさん:
>この磁場勾配は先の磁場のZ成分が正から負に変化したあたりで逆転すると考えればいかがでしょうか。

「この磁場勾配」というのは電流素片の作る磁場の勾配、
「先の磁場」というのは円筒電流の作る磁場のことですよね。
電流素片の作る磁場が、円筒電流の作る磁場に依存するということでしょうか。
よく分からなくなってきたのですが、
電流素片は、円筒電流があるかどうかなんて知らずに磁場を作るはずですよね。
上記のようなことがありうるのでしょうか?

  投稿者:kousi - 2008/07/27(Sun) 12:00  No.4744 
yuyaさん:
年のせいか最近根気がなくなり雑な表現になりました。
電流線素とN極との距離、S極との距離が問題となります。
まず、電流線素から見ると上の2つの距離との関係でZ成分の正負が決まります。
次に、磁極から見るとやはり上の2つの距離によって受ける力が決まります。N極の受ける力とS極の受ける力は逆向きですのでこの領域の磁場勾配によって力が決まります。
さて電流線素が受ける力は磁場のZ成分の正負によって方向が逆転します。
一方磁気双極子の受ける力は磁場のY成分のZ方向の勾配によって決まります。この勾配の正負が逆転するところで磁極の受ける力の方向が逆転します。
X座標の絶対値を大きくしていくとある位置の電流線素に対して上の2つの逆転が起こります。
この2つの逆転が同じ場所で起こると主張したのです。
もちろんこのことは自明ではありませんし後者の逆転が起こるとは言い切れないといわれるかもしれません。
これを示すには実際に計算するしかないのですが、作用反作用の関係を認めればこの主張は当然とになります。

話を変えますが、
無限の直線電流は作れないかもしれませんが、作用反作用が成立しない電気回路や磁石を一体にした装置は、一定方向に推力を持つことになります。静的な電磁作用でこのような装置を作ることが不可能なことは十分納得できることではないでしょうか。

  投稿者:yuya - 2008/07/27(Sun) 12:24  No.4745 
kousiさん、補足説明ありがとうございます。
[4740]を読んでもなお、納得がいきません。

まず、円筒電流の作る磁場のz成分の正負が逆転する位置は、
電流素片をどこに置くかどうかにかかわらず(置く前から)定まっているはずですよね。……(1)

次に、円筒電流をいったん取り除きます。
電流素片をx軸上に適当に置くと、原点付近での磁場勾配が定まります。
電流素片の位置をだんだん原点から遠ざけていくと、磁場勾配がどこかで逆転します。
この逆転が起こるような電流素片の位置は、円筒電流の存在にかかわらず定まっているはずです。……(2)

(1)と(2)とはお互いに全く独立して、それぞれの電流の強さなどのスペックによって定まると思うのですが、
間違っているでしょうか?

  投稿者:kousi - 2008/07/27(Sun) 19:48  No.4749 
yuyaさん:

>電流素片をどこに置くかどうかにかかわらず(置く前から)定まっているはずですよね。……(1)

正しいと思います。

>この逆転が起こるような電流素片の位置は、円筒電流の存在にかかわらず定まっているはずです。……(2)

ここに飛躍があります。磁場勾配の正負が逆転する位置はどこでもよいのではなく円筒電流の位置になる必要があります。

結局具体的に計算するのが一番早いのですが、出来るだけ言葉での説明します。

今問題を正確にするために線電流はX軸上にあり、考えている線素のX座標は円筒に比べて十分大きいとします。
このとき円筒電流は微視磁気双極子とみなせます。この双極子の位置をZ軸上原点の下(0,0,-z)にあるとします。
この双極子が線素(-x,0,0)の位置に作る磁場のZ成分は、双極子のある位置に磁気単極子を置いたときの磁場のZ成分を単極子の位置でZ方向に微分したものととして表現できます。

単極子の作る磁場のZ成分=-z/r^3に比例 r^2=x^2+z^2

一方(-x,0,0)の線素が双極子の位置に作る磁場のY成分は、

線素の作る磁場のY成分=-z/r^3に比例

この二つの式が同じ形をしていることが重要です。
まず上の式をZで微分しゼロとなるX座標が、双極子の作る磁場の反転するX座標ですです。
線素の作る磁場の勾配が逆転するのは下の式をZで微分しゼロになるところですがX座標に当然依存し、

X^2=2*Z^2

の関係となります。したがってどちらの場合もZ座標のルート2倍となります。

回りくどい説明でしたが納得していただけたでしょうか。


  投稿者:yuya - 2008/07/27(Sun) 22:01  No.4751 
kousiさん:
親切なご説明のおかげで、やっと理解できました!誤解の原因は、

[4745]
>電流素片をどこに置くかどうかにかかわらず(置く前から)定まっているはずですよね。……(1)

において、その位置は円電流の強さ(あるいは磁気双極子モーメントの大きさ)に
依存すると勘違いしていたことです(アホだ……)。
電流素片は円電流の強さを知るよしもないのに、どうして?と悩んでいました。
正しくは、(1)は双極子の位置(0, 0, -z)のみによって定まってしまうんですね。
だから、素片が(0, 0, -z)という「特別な場所」に作る磁場勾配が逆転するための位置も、
(1)に束縛されて当然なわけですね。
で、両者は同じ位置に来るので、素片がその遠方にあっても近方にあっても、
きちんと作用反作用の法則が成り立つ、と。
スッキリ分かりました!ありがとうございます。
多大なお手数を掛けて申し訳ありませんでした。

これでやっと、本論に戻ることができます。はじめのkousiさんの書き込み[4703]で私が一番重要視したのは、

>したがって、X軸方向の電流がこの円筒の外部にあるときは円筒の受ける力は電流で考えても磁化で考えても一致します。

という部分でした。

>例えば電流のZ座標を円筒のN極より少し大きなところに持ってきますとこの電流には下方向(Yの負の方向)に力が働きま
>すので、円筒には上方向に力が働き問題はありません。

円筒の外部にあるという条件のもと、無限長の直線電流や近方の電流素片を考えた場合は、
x軸方向の電流は下向きに力を受け、その反作用で磁気双極子は上向きに力を受ける。
これは円筒電流モデルで考えたときに上向きに力を受けることと合致する、ということになりますね。

ここまでは良いのですが、円筒電流が「遠方の」電流素片から受ける力を
電流モデルのままで考えると、近方の素片から力を受ける場合と同様、上向きになると思うのです。
(↑ここが間違っていたら、ぜひご指摘ください。)
しかしこれまでの議論で、双極子モデルでは下向きに力を受けることが分かっています。
だとすると、遠方の電流素片はもちろん円筒の外部にあるにもかかわらず、円筒電流の受ける力の向きは、
電流モデルと磁気双極子モデルとで結果が食い違ってしまうのではないでしょうか?

  投稿者:kousi - 2008/07/28(Mon) 09:30  No.4755 
yuyaさん:
おはようございます。基本的なところで同意が出来一安心です。

>ここまでは良いのですが、円筒電流が「遠方の」電流素片から受ける力を
>電流モデルのままで考えると、近方の素片から力を受ける場合と同様、上向きになると思うのです。

これはどのようなことでしょうか?
ここでいわれている電流モデルとは最初考えられていた円電流のことでしょうか。
この場合、電流が線電流であれば円筒は厚みのない円形な面になります。この場合も直線電流がこの面以外にある場合は先の議論がそのまま通用します。
直線電流がちょうどこの面上にのった場合のことをいわれているのでしょうか?



  投稿者:yuya - 2008/07/28(Mon) 12:59  No.4757 
kousiさん、おはようございます。

[4755]
>>ここまでは良いのですが、円筒電流が「遠方の」電流素片から受ける力を
>>電流モデルのままで考えると、近方の素片から力を受ける場合と同様、上向きになると思うのです。
>これはどのようなことでしょうか?
>ここでいわれている電流モデルとは最初考えられていた円電流のことでしょうか。
(略)
>直線電流がちょうどこの面上にのった場合のことをいわれているのでしょうか?

いえ、円筒の厚みの有無や素片との位置関係を指しているのではなく、kousiさんの

[4703]
>したがって、X軸方向の電流がこの円筒の外部にあるときは円筒の受ける力は電流で考えても磁化で考えても一致します。

における、「電流で考えても磁化で考えても」のうち、「電流で考える」ほうを指して「電流モデル」と呼んでいます。
つまり、「電流×外部磁場(外積)」なりフレミング左手則なりに基づいて円電流の受ける力の向きを考えることを指しています。
私の言葉の使い方が一般的でないのかもしれません(汗)。

[4755]
>この場合、電流が線電流であれば円筒は厚みのない円形な面になります。
>この場合も直線電流がこの面以外にある場合は先の議論がそのまま通用します。

とのことであれば、円筒の厚みの有無はとりあえず議論に関係なさそうですので、
以後、勝手ながら厚みがないことにさせてください。

線素と円電流とが同一平面上にあるかどうかは重要なようですね。
では先に、同一平面上にある場合を考えたいと思います。
上記の[4703]引用部に従えば、素片は円電流の「外部」にありますから、
電流モデルで考えても、磁気双極子モデルで考えても、円電流の受ける力は一致する、ということになりますよね。
ここまでに誤りはありますでしょうか?
あるいは、素片自体が円電流の外部にあっても、素片を延長して円電流を貫く場合は別なんでしょうか?

  投稿者:kousi - 2008/07/28(Mon) 15:29  No.4758 
yuyaさん:
>つまり、「電流×外部磁場(外積)」なりフレミング左手則なりに基づいて円電流の受ける力の向きを考えることを指しています。

了解しました。

>上記の[4703]引用部に従えば、素片は円電流の「外部」にありますから、
電流モデルで考えても、磁気双極子モデルで考えても、円電流の受ける力は一致する、ということになりますよね。
>ここまでに誤りはありますでしょうか?
>あるいは、素片自体が円電流の外部にあっても、素片を延長して円電流を貫く場合は別なんでしょうか?

問題ないと思います。延長上が円電流の面と一致しても外部であれば問題ありません。

おっしゃるようにこの磁場が反転した位置にある線素が作る磁場は電流に上向きの力を与えます。これは磁荷モデルと逆になりますのでこの場合は電流モデルと磁荷モデルは等価でないことになります。

私の議論になにか誤りがあったのかと少し考えてみました。
電流と磁化の等価性は外部に作る磁場が完全に等価であることが基礎となっています。外部の線素の作る磁場はどちらの場合も等しいので、円電流を完全に囲む領域の境界面上の磁場はどちらの場合も等しいことになります。この境界面についてマックスウェルの応力を積分すれば等しくなり電流モデルでも磁化モデルでも等しい力が得られることになります。
この議論は電磁場がマックスウェルの方程式をみたすことが前提となっています。
そこで電流線素の円電流付近に作る磁場をビオ・サバールの式で計算して見ますと、
divB=0
となりますが、
rotB=0
が成り立っていないことが分かりました。
静的な場合、電流線素単体では電流の保存が成立しないのでこのことは当然だったのです。

良い勉強になりました。

電流と磁荷の等価性は実際に実現できるモデルに限る必要があり、今回の場合線電流全体を考えれば成り立っていると思います。


  投稿者:yuya - 2008/07/28(Mon) 18:21  No.4759 
kousiさん:
>この議論は電磁場がマックスウェルの方程式をみたすことが前提となっています。
>そこで電流線素の円電流付近に作る磁場をビオ・サバールの式で計算して見ますと、
>divB=0
>となりますが、
>rotB=0
>が成り立っていないことが分かりました。
>静的な場合、電流線素単体では電流の保存が成立しないのでこのことは当然だったのです。

はぁ〜、なるほど(驚嘆)。
手元の教科書(砂川「電磁気学の考え方」)でBiot-Savart則の導出を見直してみました。
Biot-Savart則は、実は電流素片だけでなく、素片の一端から発散し多端に収束する電流部を含めた
閉じた電流系全体が作る磁場を与えるのだ、と書かれていました。
これに基づいて、閉曲線を貫く電流を(もちろん素片以外の部分も考慮して)求め、Ampere則を適用していました。
つまり、素片自体は閉曲線を貫いていなくても、見えない部分がばっちり貫いており、
それがkousiさんの計算(rot B ≠ 0)に現れているわけですね。
この状況だと、見えない電流部は円電流とぶつからざるを得ませんから、
はじめにkousiさんがおっしゃったとおり、
電流モデルと双極子モデルの等価性は成り立たなくて当然、というわけですね。

実はこのあと、素片と円電流が同一平面上に無くても、
素片による磁場と円電流の位置関係がz軸方向にわずかにずれるだけなので、
やっぱり電流モデルでは円電流は上向きに力を受けるではないか、と問題提起しようとしていました。
しかしこの場合でも、見えない電流部が円電流とぶつかることに変わりはないわけですね。
すなわち、素片で等価性が崩れるのは、同一平面上にあるかどうかは関係ない、ということになりますね。

おかげさまでかなり分かってきたつもりになっているのですが、
おかしなところがありましたらご指摘ください。

  投稿者:kousi - 2008/07/28(Mon) 19:23  No.4760 
yuyaさん:
>おかげさまでかなり分かってきたつもりになっているのですが、
>おかしなところがありましたらご指摘ください。

今回は私自身ずいぶんと勉強になりました。有意義な議論有難うございました。
蛇足ですが、静的な問題でなければ電流の素片の端部から変位電流が流れ出し電流の保存則は満たされます。ただし真空中を伝播する電磁波の運動量が存在するので単純な作用反作用の関係は成立しないことになります。
また、変位電流が受ける電磁力がどの物質に属するのかなど話がややこしくなります。

  投稿者:yuya - 2008/07/28(Mon) 23:13  No.4761 
>今回は私自身ずいぶんと勉強になりました。有意義な議論有難うございました。

こちらこそ、ありがとうございます。
kousiさんのご説明を理解するために質問を畳み掛けるばかりですみません。
「静的でない場合」の勉強もこれから深めようと思います。

ただ、先ほどの素片の話を考え直すと、ちょっとおかしな点が残っていることに気付きました。
まだあるのか、と言われそうですが……。

「電流モデル」で考えたとき、電流素片も円電流も、ともに上向きの力を受けることになってしまうことが分かった時点で、
私たちは「だから磁気双極子モデルと等価でない」として納得し、等価でない理由まで考察しました。
しかし、この事実から分かることは等価性の是非ではなく、
「電流素片を考えた場合、(少なくとも電流モデルでは)円電流との間に作用・反作用の法則が成り立たないように見える」
ということです。これがなぜなのかを考えるのが先なのに、
「磁気双極子モデルと等価でないから」と片付けてしまってはいけなかったのではないでしょうか。

  投稿者:kousi - 2008/07/29(Tue) 00:14  No.4762 
yuyaさん:
>ただ、先ほどの素片の話を考え直すと、ちょっとおかしな点が残っていることに気付きました。
>まだあるのか、と言われそうですが……。

大歓迎です。主題がまだあるのに議論が終わるのを寂しく思っていました。ただ今日は娘の誕生日で出来上がっています。
後日回答します。

  投稿者:kousi - 2008/07/29(Tue) 12:44  No.4765 
yuyaさん:
>「電流モデル」で考えたとき、電流素片も円電流も、ともに上向きの力を受けることになってしまうことが分かった時点で、
>私たちは「だから磁気双極子モデルと等価でない」として納得し、等価でない理由まで考察しました。
>しかし、この事実から分かることは等価性の是非ではなく、
>「電流素片を考えた場合、(少なくとも電流モデルでは)円電流との間に作用・反作用の法則が成り立たないように見える」
>ということです。これがなぜなのかを考えるのが先なのに、
>「磁気双極子モデルと等価でないから」と片付けてしまってはいけなかったのではないでしょうか。

ビオ・サバールの式で計算される磁場は計算している電流線素以外の空間でもrotHを持っていますのでおっしゃられるように空間全体に広がる電流が作る磁場と考える必要があります。
この場合作用・反作用の関係は円電流と電流線素だけに成り立つのではなく空間に分布している電流が受ける力全体を考えなくては成り立ちません。
むしろ、磁荷として計算したときつじつまが合ったように見えるのが問題ではないでしょうか。
ただ、実際に想定していなかった空間中の電流分布についてこれ以上議論することはあまり建設的だと思いません。

最初[No.4657]に提案された磁荷と円電流の等価性についてそろそろ議論を戻すのは如何ですか?

  投稿者:yuya - 2008/07/29(Tue) 18:22  No.4766 
kousiさん、娘さんのお誕生日、おめでとうございます!!!

>ビオ・サバールの式で計算される磁場は計算している電流線素以外の空間でもrotHを持ってい
>ますのでおっしゃられるように空間全体に広がる電流が作る磁場と考える必要があります。
>この場合作用・反作用の関係は円電流と電流線素だけに成り立つのではなく空間に分布してい
>る電流が受ける力全体を考えなくては成り立ちません。

互いに作用・反作用の関係にない2つの力が、両方とも上向きであっても、何の矛盾もないわけですね。

>むしろ、磁荷として計算したときつじつまが合ったように見えるのが問題ではないでしょうか。

そうなりますね。電流モデルのときと同様の理由で、磁荷モデルで遠方の電流素片を取り挙げたとき、
Biot-Savart則で定まる磁場が磁荷に及ぼす力には、下向きになってもらう必要はそもそも無かったのですね。
素片が磁荷から受ける力(上向き)の反作用ではないのですから。
実際、電流モデルでは上向きになったわけですから、等価であれば磁荷モデルでも上向きになるはずです。
それが下向きになるということ自体が、等価でないことの表れですね。
つまり、[4734]〜[4751]の議論によって、(少なくとも私は)
電流素片と磁荷との間の作用・反作用の法則を死守したつもりになっていましたが、
期せずして両モデルの「非」等価性を裏付けてしまったことになります。
そして、その非等価性の理由は、[4758][4759]の議論のとおりで良いのだと思います。

>最初[No.4657]に提案された磁荷と円電流の等価性についてそろそろ議論を戻すのは如何ですか?

おかげさまで素片の議論に気が済みましたので(笑)、ご提案に賛成です。

これまでの議論で、円電流と磁気双極子との等価性を
(1)磁場の源として、(2)外部磁場からの力の受け手として
の2観点から考察してきました。私は[4696]の段階では、
(1)は、充分遠方であれば成り立つ。
(2)は、外部磁場が一様とみなせるならば成り立つ。
と、別々に理解していました。
ちなみに(1)は、円電流を限りなく微小にすることにより、
等価性が成り立つために必要な「遠さ」をいくらでも小さくすることができるのだと思います。
(2)で注意が必要なのは、「どんなに両極間を近づけても、両極で外部磁場が異なるような場合」
を考えてはいけない(等価性が崩れる)、ということですね。
電流が磁気双極子を貫いている場合などは、まさにそういう状況の代表例です。……(*)
そして、kousiさんの[4703]の書き込みにより、
(*)は単なる代表例ではなく、「電流が磁気双極子を貫いているかどうか」こそが、
等価性の基準だ、ということが示唆されました(静的な場合)。

はじめ、(2)の「一様な外部磁場かどうか」という基準と、
kousiさんの「電流が磁気双極子を貫いているか」という基準とは
どうつながるのだろう?と疑問に思っていましたが、以下のように理解しました。
Ampere-Maxwell則 rot H = i + ∂D/∂t において、
静的な場合は rot H = i です。
この両辺がゼロになることが等価性の条件であり、
「左辺 = 0」を日本語にすれば「一様な磁場」、
「右辺 = 0」を日本語にすれば「電流が貫かない」、ということになるのですね。
こんな単純なことでも私には「大発見」で、思わず声をあげてしまいました。

[4703]の残りの部分である、

>実際に磁化した物質の内部に電流を通して力をうんぬんするにはこの磁性体に穴をあけその穴
>の中を通る電流が受ける力を考えてやる必要があります。そうしないと円筒と電流が受ける力
>を区別できなくなります。
>このような穴をあけると、穴の表面には磁極が発生し穴内部の磁場はZ方向を向きますのでこの
>電流にはやはり下向きの力が働き結果として穴の空いた円筒磁性体は上向きに力を受け矛盾しま
>せん。

も、今読めばおおいに納得できます。

現時点での私の理解をまとめると以上のようになるのですが、
残されている問題として私の思いつくものは、
[4703]でkousiさんの書かれた「分布力として考えた場合」のお話、
それから静的でない場合の等価性などです。
kousiさんのご興味はどのあたりにありますでしょうか?
もちろん、上記以外でもかまいません。

ただ、私の記述に些細なことでも誤りがあった場合には、ぜひご指摘ください。
本流から外れるとご迷惑かと思いますが、きちんと戻しますので(笑)。

  投稿者:kousi - 2008/07/29(Tue) 22:11  No.4769 
>kousiさん、娘さんのお誕生日、おめでとうございます!!!

有難うございます。馬鹿な親父のわりに今のところまともです。

>これまでの議論で、円電流と磁気双極子との等価性を
>(1)磁場の源として、(2)外部磁場からの力の受け手として
>の2観点から考察してきました。私は[4696]の段階では、
>(1)は、充分遠方であれば成り立つ。
>(2)は、外部磁場が一様とみなせるならば成り立つ。

ここを問題にしたいと思います。
私の主張は円柱状の磁石の場合(1)、(2)は条件無しで成立するということです。
これをいいたいためにこの議論に参加しました。
一様に磁化された円柱状の磁石は、磁化をMとすれば、
rot(B/mu0)=rotM
の磁場を作ります。右辺は円柱の側面を流れる磁化電流です。
ですから、
rot(B/mu0)=k
と完全に等価な磁場を作ります。kは表面電流です。
磁荷の立場から考えます。このとき、
divH=divM
となりますがMが一様な場合divMは円柱の上面下面の面磁荷になります。これは電荷のクーロンの法則に対応します。
どちらで計算しても円柱外の磁場は完全に一致します。
したがって、近くであろうとなかろうと(1)は円柱の外であれば完全に等価になります。
つぎに(2)ですが、マックスウェルの応力による計算が基本になります。これは、電磁力を計算する物体を取り囲む真空中の閉局面を考えます。この面上の磁場だけでこの物体の受ける電磁力が決まります。
このことを念頭に次の議論を行います。
一様であろうとなかろうと決まった外部磁場の中に円柱状の磁石を入れます。この磁石は一様に磁化した磁石であっても、側面を磁化電流と同じ電流を流した電磁石であっても円筒外部には同じ磁場を作ることが(1)によって保障されています。
重ね合わせの原理によってこの円柱を取り囲む閉局面上ではどちらの場合も同じ磁場分布となります。
そうしますとこの円柱はまったく同じ電磁力を受けることになります。
この議論で重要なのは、マックスウェルの応力を計算する面が円柱の外部にあることです。
ずいぶん一方的に書きましたが如何でしょうか?