EMANの物理学 過去ログ No.4505 〜

 ● 完全に閉じ込められた粒子

  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/09(Wed) 11:28  No.4505 
EMANさん はじめまして 甘泉法師と申します。
Webを拝読して気づいた点をコメントします。

-----------
量子力学
運動量表示
完全に閉じ込められた粒子

これは運動量が p = n ( π / 2L ) を取る状態と p = - n ( π / 2L ) を取る状態の重ね合わせを意味している。
-----------


 2つの運動量の固有状態の重ね合わせは全領域で cos x ですが、この系の波動関数は閉じ込められた領域でcos xであるものの外の領域では0です。
 フーリエ変換で求めた運動量の密度分布関数は たとえばランダウ=リフシッツ 量子力学 第3章§22問題1に記載があります。確率密度はこの2つの状態でピークですが、そのほかの状態も重ね合わさります。左右対称ですから当該部分以下の記述には問題がありません。
 
 以上です。 労作のお役に立てば幸いです。

  投稿者:EMAN - 2008/07/10(Thu) 16:46  No.4512 
 はじめまして。

> 確率密度はこの2つの状態でピークですが、そのほかの状態も重ね合わさります。

 ありがとうございます。
 ご指摘の通りですね。

 どうやって書き直そうかなぁ、と迷ってますが、
必ず、近いうちに反映させたいと思います。

 間違いをなくそうとすると、どんどん書くべきことが
増えてしまいますね。

  投稿者:ASA - 2008/07/10(Thu) 20:44  No.4513 
EMANさん
> どうやって書き直そうかなぁ、と迷ってますが、
> 必ず、近いうちに反映させたいと思います。

すんなり受け入れてよろしいのでしょうか?

甘泉法師さんの考えは、どのような場合でも運動量は連続でフーリエ変換で求められるという考えのようですから、これを採用すると、「連続と不連続との統合」の節で運動量が離散値を取る場合の説明との整合性がつかなくなると考えます。
(「そのほかの状態も重ね合わさります」とありますがその他状態の物理的な意味が不明確になりますし)
 個人的には、今のままでも間違いはないと考えますが、もし、修正するならば、慎重かつ十分な検討が必要だと思います。

  投稿者:kafuka - 2008/07/10(Thu) 21:20  No.4514 
甘泉法師 様
やっぱり、そういう意見が出ると思いました。

EMAN様 ASA様
TOSHI様のブログで、TOSHI様と甘泉法師様が意見交換しておられるので、
参考にして下さい。
http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_a792.html

  投稿者:EMAN - 2008/07/11(Fri) 09:44  No.4515 
 考え方が複数あって問題になっていると
知ることが出来たのは収穫です。
 今はちょっと別のことで頭が一杯なので、
じっくり考えるのは後になりそうですが、
慎重に検討しようと思います。

  投稿者:sym - 2008/07/11(Fri) 12:22  No.4517 
ポテンシャルが異なれば運動量も変わってきます。
波動関数を、ポテンシャルエネルギーが異なる領域で
平面波展開するのは、おかしいですよ。
展開の前に領域を区切るのが普通だと思います。

  投稿者:全充 - 2008/07/11(Fri) 12:58  No.4518 
TOSHIさんから教えられた
岩波講座 現代物理学の基礎[第2版] 4 量子力学II
16章に書いてある
無限井戸型ポテンシャルの問題で
境界条件(壁のところ 簡単のため[0,a]とします でΨ(0)=Ψ(a)=0)とすると運動量演算子が自己共役でなくなる
というのが重要だと思っています。
何故自己共役でないかを説明できるといいのですが、私はできません。
ゆえに、それでは運動量の固有関数は求められない。
壁で跳ね返る描像では固有関数とはいえませんよね。と思います。
そこで、Ψ(0)=Ψ(a)=θとすると運動量演算子が自己共役となり右から左に向かう粒子が左の壁で消え、右の壁から現れ、また左に向かうという描像の粒子が求まる。

そういうことではないかと思っています。

  投稿者:kafuka - 2008/07/11(Fri) 20:01  No.4519 
ASA様
>どのような場合でも運動量は連続でフーリエ変換で求められるという考え
ですが、
どのような場合でもψの運動量表示ψ(p)は、フーリエ変換で求められ、ψ(x)とψ(p)は、同一の結果を与える
ということは言える思います。

ψ(x)は ψ(p)を逆フーリエ変換したものである証明:
  |ψ>の|x>への射影は、
  |x><x|ψ>=<x|ψ> |x>=ψ(x)|x>
  ∴ <x|ψ>=ψ(x)        −(1)
  このψ(x)が波動関数です。
  また、|ψ>の|p>への射影で、|p>への射影をすべて寄せ集めると元の|ψ>です(完全性定理)
  したがって、
  |ψ>=∫dp|p><p|ψ>=∫dpψ(p)|p>
  両辺に<x|をかけると、
  <x|ψ>=∫dpψ(p)<x|p>
  で、 <x|k>=exp(ikx)     −この式の証明は長いので省略します。
  =ψ(p)の逆フーリエ変換
  (1)より
  =ψ(x)

また「ファインマンの一意性定理」から、ψ(x)とψ(p)は、同一の結果を与えます。
証明:
  通常、一意性定理は、シュレーディンガ表示とハイゼンベルグ表示について言うのですが、
  既約表現を、以下とすると、
  (q、-ihbar∂/∂q)の既約表現をA、(ihbar∂/∂p、p)の既約表現をA’とする
  A^|ψ>=A(q、-ihbar∂/∂q)ψ(q) 
  A^'|ψ>=A'(ihbar∂/∂p、p)ψ(p) 
  となり、これは、[q、-ihbar∂/∂q]=ihbar と [ihbar∂/∂p、p]=ihbar を満たしますから、
  両者の可観測量が一致することが、一意性定理から言えます。

  投稿者:ASA - 2008/07/11(Fri) 21:07  No.4520 
kafuka さん
 普通の教科書には、運動量が離散化しているケースが述べられているのですよ。
例えば
http://www.bbplus.net/~iromono/qm2.pdf
2.3 運動量の期待値では
連続波での変換ではなく、離散化されたフーリエ級数で展開して説明してます。
あと、[問い4]なども考察するとよろしいでしょう。

 "離散化した運動量というのは、存在しない"というのも一つの見解ですが、オーソドックスなものではないです。
 それに、解釈上の困難を引き起こします。

  投稿者:kafuka - 2008/07/11(Fri) 22:29  No.4522 
>連続波での変換ではなく、離散化されたフーリエ級数で展開して説明してます。

フーリエ変換は、フーリエ級数の極限では、、、
http://okawa-denshi.jp/techdoc/2-2-5Fourierhenkan.htm
によると、

これまで(フーリエ級数のことです),基本となる繰り返し周期をT として有限の値としてきましたが,ここでは,周期のある関数式を周期の無い関数も扱うことができるように,繰り返し周期T をT→∞ として考える、、、
これによって,eの乗数にあるnω0は,nΔω0となります.nω0は,もともと周期関数の繰り返し基本(角)周波数に整数n をかけた離散した周波数です.T→∞の極限によってΔω0→0となり,さらに,n は −∞ 〜 +∞の範囲に無限に分解されるものなので,nΔω0は離散した周波数から連続した周波数として扱うことができます

したがって、
離散化しているケースをフーリエ変換しても、フーリエ級数での結果と一致する
と、僕は思います。

>[問い4]
おそらくEMAN様の記述
>これは運動量が p = n ( π / 2L ) を取る状態と p = - n ( π / 2L ) を取る状態の重ね合わせを意味している。
と同じ答えを期待していると思います。

尚、オーソドックスかどうかですが、
>ランダウ=リフシッツ 量子力学 第3章§22問題1
の答えは、どう思われますか?

  投稿者:kafuka - 2008/07/11(Fri) 22:40  No.4523 
補足
>離散化しているケースをフーリエ変換しても、
というのは、
周波数が離散化している、、、
という意味です。

  投稿者:sym - 2008/07/12(Sat) 06:19  No.4524 
問題を取り違えていました。
運動量表示というタイトルを念頭に置いて考えると、

厳密には、
完全に閉じ込められた粒子を運動量表示することはできない

ということになると思います。
そもそも、運動量表示したときにポテンシャルVが
どう表されるか知らないので、定式化とそれに伴う
物理的解釈ができなさそうです。

もちろん、運動量表示にしたときは、普通、
分散関係だけが気になる情報なので、
ポテンシャルは気にしないのですが、いまは
「閉じ込められている」ということが重要だと思うので
ポテンシャルが運動量表示でどうなるか気になります。
でも、これはわからないので、
しかたなく、そのまま置いておきます。

しょうがないので、
座標表示で得られた解Ψ(x,t)があるものとした上で
Ψ(x,t)をxについてフーリエ変換したΨ(p,t)を
考えてみます。

Ψ(p,t)を運動量表示の波動関数と呼ぶというのは、どうでしょうか。
一見、良さそうに思えます。しかし、一般に、
(たとえば、基底状態と励起状態の重ねあわせ状態を考えると)
Eがpの多価関数で表される
(あるpに対してEが2つ以上ある)
ということがすぐにわかると思います。
pとxが対等なら、これでもとくに問題はないのですが、物理的には
Eがpの一価関数であることが要請されるべきだと思います。
運動量表示において重要なのは、分散関係E(p)です。
すなわち、
Ψ(p,t)を運動量表示と呼ぶべきではありません。

それでは、どう考えるのかというと、
教科書通りに、壁で反射して定在波をつくっていると
考えます。もちろん、このような認識は根本的に座標表示であり、
座標表示であることから逃れられません。

いろいろ書きましたが、結局、
運動量表示はできないという説明でした。
下手な説明で
中途半端な答え方でしたが、精一杯書いてみました。
もし間違っていたら指摘してください。

  投稿者:ASA - 2008/07/12(Sat) 06:33  No.4525 
kafuka さん
>一致する
しないの問題ではなくて、物理的意味づけの問題であって、
具体的には離散的運動量を認めるか否かというお話です。

>同じ答えを期待していると思います。
 微分演算の計算しなくてもわかるというのがミソですね。

>>ランダウ=リフシッツ 量子力学 第3章§22問題1
>の答えは、どう思われますか?
ランダウ=リフシッツでは、離散的運動量を認めないという立場で一貫して記述されているということでしょうか?
 この体系でどのように意味づけられているかは知らないので、知っていたら教えてください。

 同様な議論はエネルギーでもできます。
時間に依存した摂動などでは、exp(-iωnt)と定常状態の固有値で展開して説明されますが、甘泉法師さん流だとexp(-iωt)固有値に関係なくフーリエ変換できますので、その結果として固有値に対応しない遷移確率が存在することになります(事実と矛盾)。

  投稿者:ASA - 2008/07/12(Sat) 07:39  No.4526 
symさん
 分散関係が重要との意見で大筋はよろしいのですが、
>運動量表示はできないという説明でした。
 この結論には異議があって、EMANさんのように離散値を認めるとψ(p)=買ミiδ(p-pi)と表現できます。
 座標表示をフーリエ変換しないで、フーリエ展開すれば済む話で、ハミルトニアンの縛りで分散はEn=(pn)^2/2m、展開するときはexp(-iωnt)を陽に表記する。
 ちょっと気持ち悪いのは、δ(p-pi)とδ(p+pi)が存在することでしょうか。

  投稿者:kafuka - 2008/07/13(Sun) 06:54  No.4543 
ASA様
>ランダウ=リフシッツでは、離散的運動量を認めないという立場で一貫して記述されているということでしょうか?
そんなわけないと思います
甘泉法師様も「離散的運動量を認めない」とは言っておられません(憶測ですが)
フーリエ変換の結果、運動量が離散になる場合も当然、あります。
(まぁ、自由粒子くらいですが)

>同様な議論はエネルギーでもできます
もちろん、そうですが、
exp(-iωnt)をフーリエ変換すれば、
δ(ωn)という離散スペクトルがでてきます(公式 f(-x) → F(-k)ですから)
なんの問題もないと考えますが、、、

参考までに、ランダウ=リフシッツ 量子力学 第3章§22問題1は、

問題1. 無限に深い垂直なポテンシャルの井戸の中にある粒子の基底状態について、
運動量のいろいろな値の確率分布を求めよ。

です。

  投稿者:ASA - 2008/07/13(Sun) 08:53  No.4545 
>フーリエ変換の結果、運動量が離散になる場合も当然、あります。(まぁ、自由粒子くらいですが)

 具体的には?
何か勘違いをしてますよ。自由粒子の運動量は連続です。
 それに、運動量が離散かどうかは、フーリエ変換で決めるものではないですよ。

>exp(-iωnt)をフーリエ変換すれば、
 違います。
exp(-iωnt)をフーリエ変換するという議論ではなくて、
exp(ikx)という連続した平面波で展開するのと同様に時間に依存するψ(t)を"exp(-iωt)"という連続な周波数で展開すると言うことです。


問題1. 無限に深い垂直なポテンシャルの井戸の中にある粒子の基底状態について、
運動量のいろいろな値の確率分布を求めよ。

 単なる計算演習問題という位置づけにしか見えませんね。
観測される運動量との対応についてはどう説明されているのでしょうか?知っていたら教えてください。


  投稿者:kafuka - 2008/07/13(Sun) 15:35  No.4548 
ASA様
>単なる計算演習問題という位置づけにしか見えませんね。
そう言われれば、それまでです。

>観測される運動量との対応についてはどう説明されているのでしょうか?
僕は、清水明「新版 量子論の基礎」を主に勉強してます。
そこでは
「3.9 射影演算子」で、
 |x><x|ψ>=<x|ψ> |x> が出てきて
「3.17 ボルンの確率規則」で、
 上の <x|ψ> |x>=ψ(x)|x> に於いて、 
 ψ(x)を「座標表示の波動関数」と言う
 となっており、僕の推論では、
 |p><p|ψ>=<p|ψ> |p>=ψ(p)|p> ∴ <p|ψ>=ψ(p)≡運動量表示の波動関数
 が言えます。
「4.3 正準交換関係のシュレーディンガ表現」で、
 物理量A^=A(q^, p^)で、これは「座標表示の波動関数」では、
 A(q, -ihbar∂/∂q)となり、  (見慣れたのが、やっと出てきます)
 A^|ψ>=A(q^, p^)ψ(q)=A(q, -ihbar∂/∂q)ψ(q)
これから(僕の推論では)
p^|ψ>=-ihbar∂/∂q ψ(q)
です。
さらに、「4.4 フォンノイマンの一意性定理」
で、「、、、どの表現をとっても量子論の予言は同じになる」
という説明があります。
以上から、(僕の推論では)
たいていの教科書のpψ(x)=-ihbar∂/∂x ψ(x) の計算結果と、
<p|ψ>=ψ(p)≡運動量表示の波動関数 での計算結果は、
同じということになります。

つづく。。。

  投稿者:kafuka - 2008/07/13(Sun) 16:45  No.4549 
>時間に依存するψ(t)を"exp(-iωt)"という連続な周波数で展開する
ψ(t)の時間発展を議論する場合、Eとtは、非可換です。
一般の場合を言えば、Eには分布があります。
関数f(t)を"exp(iωt)"でフーリエ変換したものは、
電気工学の方では、周波数特性 と言います。
(まぁ、「ψ(t)の周波数特性」というのは変ですが)
一般の場合を言えば、Eには分布がありますので、
ψ(t)を"exp(iωt)"でフーリエ変換したものは、
たぶん、エネルギースペクトルになる
と思います(根拠は薄弱です)

もちろん、tはパラメータです。
∂/∂E に意味がないように、これに対応するフーリエ変換にも意味はない
したがって、その逆フーリエ変換にも意味はない
と思います。

つづく。。。

  投稿者:kafuka - 2008/07/13(Sun) 17:44  No.4550 
最後に、
>自由粒子の運動量は連続です。

僕の表現に抜けがありました。
正確には、
「エネルギーがある値の自由粒子(V=0)は、フーリエ変換の結果、運動量が離散(というか一定値)になる」
です。
例えば、真空管の陽極に穴があって、その向こうに穴のあいたシールドがあった場合、
シールドの向こう(V=0)に抜けた電子は、
「エネルギーがある値の自由電子」
です。

以上、No4545 についてでした。

  投稿者:T_NAKA - 2008/07/13(Sun) 21:08  No.4551  <Home>
>運動量が離散(というか一定値)になる

やはり「離散」と「一定値」という言葉を混同して使われては、問題だと思います。
「離散」とは状態を変えても連続的に変わらないということです。
「一定値」というのはそういうこととは異なると思いますよ。

さて、運動量が一定値だとすると、不確定性原理から 冫 = ∞ となり電子は宇宙の何処にあるのか分からないことになります。

しかし、ブラウン管内の電子流は磁場により運動をちゃんと制御されていて、「電子は宇宙の何処にあるのか分からない」なんて状態ではないですね。
まあ、波束モデルというのを認めれば「エーレンフェストの定理」で「期待値(平均値)を見ると古典力学の法則が成立する」ので、電子を古典的粒子と見なすことが可能になり、問題はない訳です。
この波束モデルは、フーリエ級数のようにトビトビの波動関数を重ね合わせたものではなく、フーリエ変換のような連続的な(波長の)波動関数の合成になります。
つまり、自由粒子というのは連続的な(波長の)波動関数の合成と捉える見方があることを考慮して下さい。
(清水明「新版 量子論の基礎」5.13 波束 を読んでみてください)

ただし、波束モデルは、時間発展で次第に広がってしまうので、これですべてを説明できませんが。。

  投稿者:kafuka - 2008/07/13(Sun) 23:13  No.4552 
T_NAKA様
>「離散」とは状態を変えても連続的に変わらないということです
それは、わかりますが、それと
離散的運動量というのは「運動量のスペクトルが、離散スペクトルである」と、
どう違うのかわかりません。
(一定値というのはミスで、1つの値でピークを持つ離散スペクトルと言うつもりでした)
そう言えば、固有値が「離散的」と「連続的」では、
どう違うかって議論、だいぶ前にしましたですね。
この本の「3.10 スペクトル分解」は、わかっているつもりなんですが、、、
進歩がなくて、すみません。

>自由粒子というのは連続的な(波長の)波動関数の合成と捉える見方があることを考慮して下さい。
おっしゃる通りです。
あとで、「自由粒子の運動量は連続です」を疑って、この本を調べていたら気づきました。

ASA様
ということで、
>離散的運動量を認めない立場
ということの重大性がよくわかりました。
でも、それと「フーリエ変換だから」というのは、関係ないと
僕には、思えます。
尚、前記の本の「6.2 時間発展演算子」を見ましたが、
Hが時間に依存しない場合は、フーリエ変換の結果は問題ないと思います。(Hψ(t)のフーリエ変換の結果に問題なければ)
(時間依存の場合は、僕の手には、おえませんが)

  投稿者:T_NAKA - 2008/07/14(Mon) 00:16  No.4553  <Home>
誤解されるといけないので、最近のスタンスを話しておきましょう。
昔はこのケース(完全に閉じ込められた粒子)では、離散的運動量になると思っていましたが、最近は、ならないと思っています。
ですから、あくまで「離散」と「一定値」という言葉の違いを問題にしているのであって、私自身は「離散的運動量」とは言っていません。

>離散的運動量というのは「運動量のスペクトルが、離散スペクトルである」と、
>どう違うのかわかりません。

というのはその通りで、「離散的運動量」=「運動量のスペクトルが、離散スペクトルである」と言っていいと思います。
ここでは、そのことを問題にしているのではなく、連続スペクトルでも「一定値」と言えることがあるからです。

  投稿者:sym - 2008/07/14(Mon) 01:56  No.4554 
他のところで行われていた議論を見てきました。
EMANさんの記事が問題というよりは、
完全に閉じ込められた粒子が持つ「運動量」が
問題だったんですね。

完全に閉じ込められた粒子が持つ運動量は、

ずばり、0です。

閉じ込められた状態でしかも一番エネルギーの低い基底状態
にあるのだから、粒子は、止まっていて運動量0という状態です。

この答えに不服なら古典対応を考えるのが良いかもしれません。
励起されてエネルギーの高い状態にあるような粒子で、T_NAKAさんが
すでに、書いておられるような波束を考えます。
群速度dω/dkがp/mなので、
あとは、適当に初期状態をつくって計算すると、
粒子が壁に当たって、行ったり来たりする光景が見られるはずです。

ここで、注意してほしいことは
波束をつくって、はじめて、粒子の移動が見られるということです。
エネルギーの固有状態では、粒子の移動を見ることはできません。

>ASAさん
>この結論には異議があって、EMANさんのように離散値を認めるとψ(p)=買ミiδ(p-pi)と表現できます。

周期的境界条件を取ればその通りです。
ただ閉じ込められてる雰囲気がなくなってしまいますね。

  投稿者:ASA - 2008/07/14(Mon) 06:58  No.4556 
kafuka さん
>時間依存の場合は、
 Hが時間に依存するときの摂動について述べたものです。
普通は離散化した固有状態で展開します。
自由粒子(平面波)状態で展開しません。

  投稿者:ASA - 2008/07/14(Mon) 07:10  No.4557 
symさん
>ずばり、0です。
<P>=0
ですから期待値はそうですね。

しかし、観測量と対応させるとき、量子力学の前提である射影仮説によると運動量射影演算子(Prと表記)を状態に作用させることで、波束収束がなされ観測量が得られます。
 Prは状態が離散的ならシュミットの直交化法などで運動量固有関数に分解します。一般的にψ(p)=買ミiδ(p-pi)なので、今の場合に適用すると、-p0とp0のやつが得られます。
でどちらも確率は1/2で等確率となります。

  投稿者:sym - 2008/07/14(Mon) 08:05  No.4560 
>ASAさん
No.4554の話では観測に触れていないのです。

観測の話をしないのには2つ理由があります。
1つは、
運動量の測定をする実験を聞いたことがない、
具体的な方法が見つかりそうもない、ということ。
もう1つは、
この系において運動量が保存量でなく、
量子系においては保存量でないものは可観測量で
ありえない、という理由です。

運動量は不定だともいえるのですが、
期待値が0なので、
要するに、まあ、0だということでも良いと思います。
ところで期待値という言葉ですが、観測という操作が前提にあって
ここでは適した用語ではない気がします。何か他に適した言葉が
あれば良いのですが、、、誰か知りませんか?

  投稿者:T_NAKA - 2008/07/14(Mon) 09:46  No.4561 
ご存知かと思いますが、「期待値」と「平均値」はその意味するところは若干の違いがありますが、計算結果は同じものであり、統計学ではあまり区別せずに使っています。ですから「平均値」という言い換えは可能でしょう。
この系で運動量の測定が可能かどうか?
また、この1次元無限井戸モデルというのは具体的な物理現象と対応がつくものか?
ということは私には分かりませんが、運動量表示の波動関数という表現が可能であれば、その分布求められると思っています。
基底状態について計算してみましたが、運動量表示の波動関数から1山の分布となりました。
多分、n=1 でなく、励起状態を考えれば、2山の分布となると想像します。
ただし、離散的な線スペクトルではなく、ある程度幅を持ったもので、nを大きくしていけば、線スペクトルに近似していくのではないでしょうか?
古典力学との近似ということを考えれば、右向きと左向きの2通りの運動になるので、そうでないとおかしいと考えています。

  投稿者:ASA - 2008/07/14(Mon) 10:05  No.4562 
symさん

>運動量の測定をする実験を聞いたことがない、
>具体的な方法が見つかりそうもない、ということ。
ある時刻に於ける位置が測定できれば、速度が求まります。
質量は変わらないので運動量が測定できます。
 電子だと難しいですが、中性子とかヘリウム原子なんかである時刻に於ける位置が測定できないと考えるのは変ですよね。実際にレーザで原子を冷却とかしてますし。

>この系において運動量が保存量でなく、
>量子系においては保存量でないものは可観測量で
>ありえない、という理由です。

境界以外で <(d/dt)p>=<[H,p]>=0
運動量時間変化の期待値も0ですから、保存量といえるのではでは?

  投稿者:ASA - 2008/07/14(Mon) 10:33  No.4563 
[H,p]=0であることをいうより、むしろ、境界内に限ってみれば、微小な並進操作でHは不変とした方が良いかも。
 なんにせよこの系での運動量は保存量であるように見えます。


  投稿者:sym - 2008/07/14(Mon) 13:15  No.4564 
T_NAKAさん

>古典力学との近似ということを考えれば、右向きと左向きの2通りの運動になる
というのは、違うと思いますよ。

ふと、思ったんですが、
自由粒子で成り立つp=h/2π kという関係が
いまは成り立っていないと考えるのはどうでしょうか?
T_NAKAさんが計算しているのは、運動量ではなく波数だと
いえば、とりあえず問題はないように聞こえます。

>「平均値」という言い換え

平均値っていくつかの値の平均を取った値ですよね。
そういったニュアンスも感じない用語がほしいんです。

-------------------------------------------------

ASAさん

>ある時刻に於ける位置が測定できれば、速度が求まります。
基底状態において、位置は完全に不確定です。

>実際にレーザで原子を冷却とかしてますし。
レーザー光には幅があります。粒子の広がりは、
レーザー光の幅より小さいのです。また、
レーザー光の強度分布がポテンシャルの分布と
関係してたはずです。

>境界以外で <(d/dt)p>=<[H,p]>=0
境界が問題なんです。
保存というのは大域的な性質なので、一部でも成り立っていないのなら保存量といいません。
古典的にも壁との運動量の受け渡しがあるので、保存量というには、相当無理があります。というか、明らかに間違いだと思います。

  投稿者:ASA - 2008/07/14(Mon) 13:51  No.4565 
>>ある時刻に於ける位置が測定できれば、速度が求まります。
>基底状態において、位置は完全に不確定です。
 どんな状態であろうとも測定前はわからないということですが、測定という行為により位置は、ある程度絞られるはずです。
 不確定であるからポテンシャル境界外にも存在すると考えるのはどうかと。

>レーザー光には幅があります。粒子の広がりは、
幅は関係ないでしょ。散乱の結果の球面波の発生位置を特定すればいいのでは?平面波と球面波は、明らかに区別できますから。

>保存というのは大域的な性質なので、一部でも成り立っていないのなら保存量といいません。
 時間軸で考えると定常状態で時間的摂動を与える前などでは、その系のエネルギーは保存していないという考えですね。
 こちらの方が相当無理があると考えます。
 大域的とか言い出すと、閉じた宇宙の場合、宇宙の果てでのポテンシャルの影響もこうむっているということになり、いかなる場合でも運動量は保存量でないということになります。

  投稿者:T_NAKA - 2008/07/14(Mon) 14:11  No.4566 
>>古典力学との近似ということを考えれば、右向きと左向きの2通りの運動になる
>というのは、違うと思いますよ。

思想は自由ですから、違うと思うこと自体に問題はありません。

ただ私が「古典力学との近似」と言ったのは、「エネルギー準位が比較的高い状態を考えれば」という条件が付きます。
nが大きくなると、ψ(x)から計算される位置分布は一様分布に近似してきます。
つまり、等速で壁の間を行ったり来たりする描像ともとれるということです。
(もちろん、それとは異なる描像を否定するものではありません)

>ふと、思ったんですが、
>自由粒子で成り立つp=h/2π kという関係が
>いまは成り立っていないと考えるのはどうでしょうか?

これも思想の問題ですから、symさんがそうお考えになることは否定しません。
しかし、私はその考えに乗らないというだけです。
ド=ブロイの関係を否定しては、シュレディンガー方程式も成立せず、最初にもとめたψ(x)も無意味なものになると考えておりますので。

  投稿者:sym - 2008/07/14(Mon) 14:38  No.4567 
>ASAさん
私にはASAさんが何をしたいのかがわかりません。第三者に取り持ってもらえたらとも思うのですが、とりあえずギブアップです。

>T_NAKAさん
「古典力学との近似」とどういう意味で言っているのかわかりませんが、エネルギーの固有状態は、古典力学との対応はつけられないです。

>ド=ブロイの関係を否定しては、シュレディンガー方程式も成立せず、最初にもとめたψ(x)も無意味なものになると考えておりますので。

ド=ブロイの関係は否定しましたが、シュレディンガー方程式は否定しません。なぜ、シュレディンガー方程式が成り立たないことになるのですか?ド=ブロイの関係は自由粒子のような特殊な系でしか成り立たない関係式ですが、シュレディンガー方程式は一般的に成り立つ原理です。

  投稿者:T_NAKA - 2008/07/14(Mon) 15:31  No.4568 
>エネルギーの固有状態は、古典力学との対応はつけられないです。

というのでしたら、nが大きい場合としておきましょう。
等速で壁の間を行ったり来たりする描像ともとれるということを言ったまでで、同意されないのならそれでも構いません。
強要するようなことではないので。。

>ド=ブロイの関係は否定しましたが、シュレディンガー方程式は否定しません。なぜ、シュレディンガー方程式が成り立たないことになるのですか?

symさんが「ふと思ったこと」に何故私が同意しなければならないのですか?
それを強要されるのですか?
私は別に「ド=ブロイの関係の否定=シュレディンガー方程式が成り立たない」ことをsymさんには強要してませんよ。
自分がそう考えていると言ったまでです。

このケースの場合、運動量演算子は自己共役ではないので、直交する運動量の固有関数は求められないと考えています。
よって、離散的な運動量固有値も無いでしょう。
私に言えるのはそこまでです。(これも別に強要してません。)

  投稿者:sym - 2008/07/14(Mon) 16:17  No.4569 
T_NAKAさん

強要しているつもりはないんですが
ちゃんと話せば同意がもらえると思っているのです。
伝えたいことは、たった一つなんですが、私が悪いのはわかっているんです。なかなか伝わらなくて、、、歯がゆいです。

もう一度言い直してみます。
言いたいのは、観測量としてのpと波動関数の波数としてのpを区別した方が良いということです。
波数としてp以外の記号を使えば誤解がなくなると思うんです。恥ずかしながら私もNo.4524では思いっきり混同してしまいました。

  投稿者:T_NAKA - 2008/07/14(Mon) 16:51  No.4570 
symさんご自身が

>運動量の測定をする実験を聞いたことがない、
>具体的な方法が見つかりそうもない、ということ。

と言っておられます。
これは観測量は存在しないということと理解しました。
それなのに、

>観測量としてのpと波動関数の波数としてのpを区別した方が良いということです。

と言っても、存在しない観測量に何が言えるのでしょう?
少なくとも、私には理解できません。

私は、コンプトン散乱を使えば、(分解能の問題はあるにしても)運動量の測定は可能と思います。
http://www.spring8.or.jp/pdf/ja/sp8-info/5-1-2k/5-1-2k-5-p44.pdf

私は、基本的に、甘泉法師さんに同意しています。

  投稿者:ASA - 2008/07/14(Mon) 19:36  No.4571 
symさんNo.4567
>私にはASAさんが何をしたいのかがわかりません。
ちょっと整理しました。

>>この結論には異議があって、EMANさんのように離散値を認めるとψ(p)=買ミiδ(p-pi)と表現できます。
>周期的境界条件を取ればその通りです。
>ただ閉じ込められてる雰囲気がなくなってしまいますね。
周期的ではなくタイトな境界条件、ψ(0)=ψ(L)=0=ψ(x<0)=ψ(x>L)だと剛体壁に閉じ込められているケースに相当する。

>No.4554の話では観測に触れていないのです。
 観測量を問題にしないと物理の意味がない。

>具体的な方法が見つかりそうもない、ということ。
レーザー光でパルス的平面波を剛体壁に閉じ込められたヘリウムなどの単原子分子にあて、そのレイリー散乱光(散乱波は球面波)を捉えることでで、3点測量の原理により分子の位置と時刻は測定できる。

>この系において運動量が保存量でなく、
 この系では∂xH=0なる力が働いかない区間が存在するので、その区間内の運動なら運動量が保存しているといえる。

 一般に状態がある観測量演算子の固有状態でなければ、期待値が観測量と対応すると解釈する。
しかし、状態がある観測量演算子の固有状態の和で表現されるとき、観測行為は、ある固有状態の選択を伴う。今のケースでは、このような観測を行うと運動量は-p0とp0の何れかが得られる。よって、その平均ないしは、期待値は0である。
 観測直後は、選択された状態が継続すると考えられるが、剛体壁(ポテンシャル)から力を受けるとき状態は元に戻る(量子力学的にはいつ重ね合わせ状態に戻るかは述べられない)。
このような観測量に関して一貫した解釈がある。

  投稿者:kafuka - 2008/07/14(Mon) 23:37  No.4572 
提案ですが、
期待値(平均値?)ではなく、分散が一致するかで、議論されては、どうでしょう
この場合のψ(x) では、p^ψ(x) は、両端の壁の所で、
Max値から即0になります。
僕は、ψ(x)の視察から出てくる+p0と-p0 から計算される分散の値
(±p0のピークを持つスペクトルの分散の値)と、
p^ψ(x)から計算される分散の値とは、
同じでないように思えます(計算は未だしてませんが)
仮に、これが違っていれば、ψ(p)云々の前に、
「ψ(x)の視察から出てくる+p0と-p0 」は、誤りと言えると思います。

それから、
>運動量の測定をする実験を聞いたことがない
単なる参考という意味ですが、
http://www-he.scphys.kyoto-u.ac.jp/K2K/presen/JPS/jps0503_hiraide.pdf
の14ページに「μ、ρ、π±の運動量測定」と、あります。

  投稿者:T_NAKA - 2008/07/15(Tue) 00:33  No.4573  <Home>
No.4518で 全充さんが重要なことを仰ってます。
「無限井戸型ポテンシャルの問題で、境界条件(壁のところ 簡単のため[0,a]とします) でΨ(0)=Ψ(a)=0 とすると運動量演算子が自己共役でなくなる」
つまり、p^はエルミート演算子ではなく、実数固有値をとることが出来ないということだと思います。
よって、p^ψ(x) を計算することに意味が見出せません。

  投稿者:ASA - 2008/07/15(Tue) 06:49  No.4574 
T_NAKA さん
>p^はエルミート演算子ではなく、実数固有値をとることが出来ないということだと思います。
p^はエルミートですよ。

>p^ψ(x) を計算することに意味が見出せません。
今のケースではψ(x)は実関数なので
<p^>=∫ψ(x)p^ψ(x)dx
つまり運動量の期待値計算が無意味であると否定しているのですね。
はっきりそれは間違いといえます。運動量期待値計算は、どのような状態についても有効です。

  投稿者:kafuka - 2008/07/15(Tue) 08:38  No.4576 
T_NAKA様
>p^はエルミート演算子ではなく、、、p^ψ(x) を計算することに意味が見出せません。
僕もそう思います。
というのは、「新版 量子論の基礎」によると、
要請2「可観測量は、H上の自己共役演算子(=エルミート演算子)によって表される」
とあるからです(ここで言う「要請」とは量子論が成り立つための要請です)
何故、この「要請」が必要かというのを、一つ掲げますと、
「フォンノイマンの一意性定理」は、既約表現が自己共役演算子からなることが前提条件だからです(p.127)
したがって、
この定理の結論「、、、どの表現をとっても量子論の予言は同じになる」
を言えるための条件を満たしません。

  投稿者:ASA - 2008/07/15(Tue) 09:01  No.4578 
kafuka さん

しかし、何故このようなトンデモな意見がまかり通るのかさっぱりです。
>>p^はエルミート演算子ではなく
 p^は実固有値をもつ線形演算子であり、かつその固有関数で正規直行系が作られるのでエルミート演算子です。

p^が、エルミート演算子でないという証明ができるのですか?

  投稿者:hirota - 2008/07/15(Tue) 10:38  No.4579 
運動量がエルミート演算子だと、確定した固有値を持つ固有ベクトルが存在することになりますが、閉じ込められた粒子が確定した運動量を持つなんてありうるんですか?

  投稿者:ASA - 2008/07/15(Tue) 12:06  No.4581 
hirota さん
>確定した固有値を持つ固有ベクトルが存在することになりますが
 確定というのがちょっと引っかかりますが、実数の固有値とすれば、これはOK。

>閉じ込められた粒子が確定した運動量を持つなんてありうるんですか?
 運動量演算子の備えるべき性質とこのステートメントはどう関係するのでしょう?つながりがさっぱりわかりません。
 それと確定ってどういう意味で使っているのですか?
ある一貫した解釈の立場では、-p0,p0のどちらかが観測されるので決して確定してません(測定しなければわからないし、また、次の測定でも以前と同じ値が得られるか保証されてない)。
だから期待値(平均値)<p^>=0なんです。
 T_NAKAさんはこの期待値計算そのものが意味ないと否定しているわけで、このことに関してはどう考えますか?

  投稿者:murak - 2008/07/15(Tue) 13:29  No.4582 
黙っておくつもりでしたが、議論が徒に混乱したり、トンデモに陥るのを防ぐために、数学的な内容についてのみコメントしておきます。

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無限次元ヒルベルト空間では、有限次元の場合と異なって、エルミート作用素(あるいは対称作用素)と自己共役作用素は意味が違います。例えば L^2(0,2π) で考えると、微分作用素 -id/dx を両端での境界条件が f(0)=f(2π)=0 を満たすような関数からなる部分空間上で考えたものはエルミートですが自己共役ではありません。一方、同じ微分作用素を周期境界条件 f(0)=f(2π) を満たすような関数からなる部分空間で考えた場合は、エルミートでありなおかつ自己共役作用素になります。

両者の意味の違いを正確に述べるには、数学的な予備知識を必要としますが、証明の本質的な部分は意外と簡単で、前者(つまり固定端境界条件)の場合は、その共役作用素が純虚数の固有値を持つ(つまり純虚数の固有値を与える固有関数が存在する)が、後者の場合はそのような事は無いという事です。実際 L^2(0,2π) における内積を <f,g>=∫f^*(x)g(x)dx で表しておき、 u(x)=exp(x) とおくと、f(0)=f(2π)=0 を満足する任意関数 f(x) に対し

  <u,(-id/dx)f> = -i∫u(x)f'(x)dx = -i[u(x)f(x)] + i∫u'(x)f(x)dx = ∫(-iu'(x))^*f(x)dx = <(-id/dx)u,f>

が成立します。しかるに (-id/dx)u(x) = -i(d/dx)exp(x) = -i*exp(x) = -i*u(x) であることに注意すると、上式から <(-id/dx)u,f>=<-i*u,f> が言えて、u(x)=exp(x) は(-id/dx)^*=-id/dx の、純虚数固有値 -i を持つ固有関数であることが言えます。(f を周期境界条件を持つ関数とすると、上の部分積分に置いて [u(x)f(x)] の項が消えないので、この議論は成り立たない)

このことから、微分作用素 -id/dx を周期境界条件で考えた場合は自己共役(よってobservable operator)であるが、固定端境界条件で考えた場合は自己共役でない(observable operatorでない)という結論が得られます。

---
(ちなみに、有限次元の内積空間ではエルミートと自己共役の概念に違いはありませんし、無限次元でも(稠密な定義域を持つ)有界作用素であれば両者の概念は一致します)


後の議論は皆さんにお任せします。

  投稿者:ASA - 2008/07/15(Tue) 14:45  No.4583 
murak さんにしては、物理の記述でないからかわかりやすいコメントですね。
ようするにT_NAKAさんは、数学の問題と物理の問題を取り違えてしまったということですね。

p^をある特定の微分作用素で表現したときに生ずる問題ということで物理の解釈問題ではないですな。

p^が離散実固有値スペクトルを持つときp^を行列形式で表現すると、
固有関数をexp(imπx/L)とし、対角項が実数でその他0の∞次元のエルミート行列
|,., |
| ,-m, |
| , |
| O , |
| ,-1, |
| ,0, |
| ,1, |
| , O |
| ,m, |
| ,. |
で表現できる(hとか省略:0<=x<=L)。
>無限次元でも(稠密な定義域を持つ)有界作用素であれば両者の概念は一致

状態は{,,a_-m,,,a_0,,a_m,,,}と簡易に記述され、
 規格化条件(a_j)^2=1
 境界条件蚤_jexp(ijπx/L)=0
を満足している(条件がゆるくエネルギー固有状態の和では表現できない状態も含む)。

固有状態nの運動量を取りだす射影演算は
|O |
| 0,0, |
| 0,1,0   |:(n,n)という位置だけ1
| 0,0, |
| O |
と表現できる。




  投稿者:ASA - 2008/07/15(Tue) 14:47  No.4584 
行列表現は、うまく表示されませんがご容赦を。

  投稿者:ASA - 2008/07/15(Tue) 15:11  No.4585 
 あと、重要なことが抜けていました。
分散関係En=pn^2/2m
状態の時間依存部exp(-i* pn^2/2m *t/h~)

  投稿者:sym - 2008/07/15(Tue) 16:32  No.4586 
>>観測量としてのpと波動関数の波数としてのpを区別した方が良いということです。
>と言っても、存在しない観測量に何が言えるのでしょう?

観測量としてのpが存在しない、ということがいえます。

何もいえていないじゃないかと思われるかもしれませんが、
測定できるかどうかわからないという理解から
測定できない(存在しない)という理解へ変わる
重大な結果だと思います。

この結果は
系の設定が成り立つかぎりは常に成り立ちます。

設定が成り立たないときというのもあります。
もちろん、そのときはそのときで、
きちんと定式化すれば良いのです。

>観測直後は、選択された状態が継続すると考えられるが、剛体壁(ポテンシャル)から力を受けるとき状態は元に戻る(量子力学的にはいつ重ね合わせ状態に戻るかは述べられない)。

述べられないということはなくて
観測ができるなら量子論はきちんと説明してくれるはずです。

  投稿者:ASA - 2008/07/15(Tue) 16:52  No.4587 
murak さん No.4582

一応念のため、物理的には意味の無い論理展開であることを指摘しておきます。
><f,g>=∫f^*(x)g(x)dx で表しておき、 u(x)=exp(x) とおくと、f(0)=f(2π)=0 を満足する任意関数 f(x) に対し

u(x)もu(0)=u(2π)=0という条件がつかないと物理的解釈ができません(範囲が-∞〜∞でも同様)。
なのでu(x)=exp(x) とおくことはできず
><(id/dx)u,f>=<i*u,f>
>純虚数固有値 i を持つ固有関数であることが言えます。
が成立しない。

u(x)=exp(x) を持ち出すなら、
i(d/dx)ψ=λψ
解いて
ψ=exp(-iλx)
固有値ラムダが純虚数なら、aを実数として
固有関数ψ=exp(ax)
純虚数の固有値に対する固有関数が得られます。

しかし、物理的には固有値と固有関数のセットで考えればOKとしていて、あと重要なのは固有関数が直交基底であることですな。

  投稿者:ASA - 2008/07/15(Tue) 17:02  No.4588 
sym さん No.4586
>述べられないということはなくて
>観測ができるなら量子論はきちんと説明してくれるはずです。
 どうやって?
 波束の収束は、述べることができないのにその逆だけ説明できるというのは不自然です。
 まあ、観測の理論にはいろいろあって、測定器がコピー状態を作成して、その状態が収縮し、元の状態は変わらないとするものもありますから(再度測定するときには、新たなコピー状態が作成される。)
 なんにせよ方程式による説明はできないということです。
 

  投稿者:sym - 2008/07/15(Tue) 17:55  No.4589 
>ASAさん
私は観測できないといっているんですよ。

  投稿者:ASA - 2008/07/15(Tue) 18:45  No.4590 
sym さん
 ある系だと、粒子の基本的物理量である運動量が観測できなくなるというのが理解できません。
 ちなみに観測できる物理量としては何があるのですか?
速度が駄目ということは、もしかして位置も駄目なの?

 

  投稿者:sym - 2008/07/15(Tue) 19:58  No.4591 
>ちなみに観測できる物理量としては何があるのですか?

運動量がダメだということになると、
この系で残るは、位置とエネルギーってことになるでしょうか。
これらは、観測の可能性があるという意味で、
できるといっても間違いではないと思います。

  投稿者:ASA - 2008/07/15(Tue) 20:07  No.4592 
>位置とエネルギーってことになるでしょうか。
 矛盾してますよ。
ある時刻における位置が測定できるなら、
平均速度から運動量がわかりますよ。
 エネルギーは運動エネルギーだと思いますが、
速度をもとめる事なしに、どのようにして測定するのですか?



  投稿者:sym - 2008/07/15(Tue) 20:21  No.4593 
>速度をもとめる事なしに、どのようにして測定するのですか?
エネルギーの測定は、もちろん光です。
失礼ですが、ASAさんは量子力学をご存知ですか?
観測量ではないですが、波束の群速度はあります。
位置がわかっても速度はわからない、量子論ってそういうものですよ。

  投稿者:T_NAKA - 2008/07/15(Tue) 21:24  No.4594 
murakさん、ご教示ありがとうございました。

そうでしたか。。

>無限次元ヒルベルト空間では、有限次元の場合と異なって、エルミート作用素(あるいは対称作用素)と自己共役作用素は意味が違います。

これは知りませんでした。

さて、私の考えはブログに書いておきました。
http://teenaka.at.webry.info/200807/article_12.html
http://teenaka.at.webry.info/200807/article_13.html
http://teenaka.at.webry.info/200807/article_14.html 
(申し訳ありませんが、記事の中の「エルミート」というのを「自己共役」と読み換えてください。)

私は、「p^ψ(x) を計算することに意味が見出せない」と言っているだけで、期待値を計算できないとは言ってないですよ。
p表示の波動関数からゼロだと判ります。
さて、私の考えは上のブログ記事以上ではなく、それを他人に強要しようとも思いません。
よって、以降はROMさせていただきましょう。

  投稿者:murak - 2008/07/16(Wed) 01:04  No.4596 
申し訳ないです。#4582に少々間違いがあったので、微妙に修正しておきました。
(勿論一部の無意味な指摘とは関係ありません)

  投稿者:ASA - 2008/07/16(Wed) 06:20  No.4598 
sym さんNo.4593

>エネルギーの測定は、もちろん光です。
?原子や分子などの粒子を前提に話していますが、
光からどうやってエネルギーがわかるのですか?

ちなみに固有スペクトルのドップラーシフトを測定すれば、
速度が測定できますね。

>ASAさんは量子力学をご存知ですか?
 ディラックなどの代表的なテキストを通読した程度です。
sym さんはどうやって量子力学知ったのですか?
運動量が観測できないとしているテキストを紹介してください。

  投稿者:ASA - 2008/07/16(Wed) 06:26  No.4599 
T_NAKA さんNo.4594

期待値の計算にはp^ψ(x) を計算しなければなりません。
T_NAKA さんのロジックよれば、
「期待値を計算することに意味が見出せない」
となります。
 しかし、これは間違いであって、期待値は、観測量と結びついているのでちゃんと物理的意味があるという主張です。

  投稿者:ASA - 2008/07/16(Wed) 07:05  No.4601 
追伸
p^はエルミートで自己共役(区別の必要はない)
クロネッカーデルタδnmを用いて、p^=δnm*m(n,m:負を含む整数)と表現できる。
 直交系Φm={exp(imkx)}
 ケット|ψ>=(,,,a_-m,,a_-1,a_0,a_1,,a_m,,,)
      =蚤_m|Φm>
 変換したければ、ユニタリ変換で、
 (注:連続基底へはユニタリ変換では変換できない)

  投稿者:T_NAKA - 2008/07/16(Wed) 09:08  No.4602 
運動量演算子p^がオブザーバブルであれば、<ψ(x)|p^|ψ(x)>で期待値を計算できます。
この場合、p^がオブザーバブルでないので、この方法では期待値は計算できないと言っているだけです。

この場合は、運動量表示の波動関数ψ(p)が分かれば、

∫p{|ψ(p)|^2}dp

で、期待値は計算できます。
「期待値を計算することに意味が見出せない」
とか
「期待値に物理的意味はない」
などと、言った憶えはありません。

色々考えの違いがあることは分かりますが、どれが正しいかは読んでいる方が判断すべきと思います。
ASAさんが、あくまで「どんな場合でもp^がオブザーバブルである」と思われるのは勝手なので、それについてとやかく言いませんが、私が主張していないことまで、言われては迷惑です。

  投稿者:T_NAKA - 2008/07/16(Wed) 09:58  No.4603 
甘泉法師さんに教えていただいたアプレットを紹介させていただきます。

http://www.falstad.com/qm1d/

これは、1次元無限井戸をシュミレーションしたもので、上段のエネルギー準位線をクリックすると、中段に位置分布、下段に運動量分布が図示されます。

これを受け入れるかどうか?はご自身で判断願います。

  投稿者:hirota - 2008/07/16(Wed) 10:07  No.4604 
>確定ってどういう意味
運動量がオブザーバブルであれば運動量観測で固有値のひとつが得られ、観測後はその固有値に対応する固有状態になります。 これを運動量が確定した状態と表現しました。
その場合、不確定原理により位置の不確定は無限大になり「閉じ込められた粒子」とは矛盾すると思ったわけです。

  投稿者:ASA - 2008/07/16(Wed) 11:16  No.4605 
T_NAKA さん No.4602
>p^がオブザーバブルでないので、この方法では期待値は計算できないと言っているだけです。
 だから、p^は、実対角行列で表現できるのでオブザーバブルだと反論しているのですよ。

><ψ(x)|p^|ψ(x)>で期待値を計算できます。
この場合、p^がオブザーバブルでないので、この方法では期
待値は計算できないと言っているだけです。

 それはおかしいとの指摘です。

>∫p{|ψ(p)|^2}dp
で、期待値は計算できます。
この主張も変ですね。

<x|p>=1が定義できるとして

∫p{|ψ(p)|^2}dp=<ψ(p)|p|ψ(p)>
=<ψ(p)|x><p|p|p><x|ψ(p)>
=<ψ(x)|p^|ψ(x)>
ですから
片方だけ成立するということはないのでは?




  投稿者:ASA - 2008/07/16(Wed) 11:23  No.4606 
>運動量がオブザーバブルであれば運動量観測で固有値のひとつが得られ、観測後はその固有値に対応する固有状態になります。
No.4588参照:コピー状態が収縮するので、元の状態は変わらないとする立場があります。この立場では"不確定原理により位置の不確定は無限大になり「閉じ込められた粒子」とは矛盾する"わけでない。
 しかし、観測理論は分からん事が多いです。

  投稿者:ASA - 2008/07/16(Wed) 11:33  No.4607 
今のケースで考察すると、光の散乱により運動量を測定するとき、コピー状態の収縮とは、光によって運ばれる粒子のもつ運動量に関する情報は、粒子が閉じ込められているポテンシャルを突き抜けて全空間的に伝播されることに相当すると思いますけど。やっぱり釈然としません。



  投稿者:sym - 2008/07/16(Wed) 11:38  No.4608 
>運動量が観測できないとしているテキストを紹介してください。

運動量が測定できないのは、
>この系において運動量が保存量でなく、
>量子系においては保存量でないものは可観測量で
>ありえない、という理由です。
と述べました。

そういう結論に至ったのは、
「系の対称性が、量子系がもつ物理量を決める」という意味のことを、
「先生」がよく仰られていたのが、きっかけで、
自分で物理を考察して得た結果です。

保存量でないものは可観測量ではありえない、という文をテキストで見た事はありません。これは物理的な考察であって数学的な証明の類でないため、教科書には、おそらく、書かれないことだと思われます。それは可観測量を、マクロな人間が観測できる量という意味において、定式化することが難しいからです。

保存量でないものは可観測量ではありえない、というのは、単なる私の思い込みかもしれませんし、私自身も人間という存在ぬきのミクロの物理量は存在すると思っているため、ここで、運動量が観測できないとする理由を変えさせてください。
変えるといっても実はすでに出ている話で、
(ミクロな)物理量は自己共役演算子でなければならない、
ということです。

ASAさんは
>p^はエルミートで自己共役(区別の必要はない)
と仰っていますね。

murakさんがすでに詳しく説明してくださっていますが、
TOSHIさんのブログ記事に詳しいことが書かれていて、
参考文献も明示されています。

テキストをお探しなら、「それ」ということで、良いと思います。

  投稿者:T_NAKA - 2008/07/16(Wed) 12:41  No.4609 
>symさん

位置表示の波動関数ψ(x)に対しては、運動量演算子p^はオブザーバブルでないかも知れませんが、運動量表示の波動関数ψ(p)に対しては、運動量演算子p^はオブザーバブルになると思っています。(単にpを掛けるだけなので。。)

ですから、運動量は可観測量ではないでしょうか?
まあ、これも私の思い込みかも知れませんが。。。

  投稿者:ASA - 2008/07/16(Wed) 13:24  No.4610 
> そういう結論に至ったのは、
「系の対称性が、量子系がもつ物理量を決める」という意味のことを、
「先生」がよく仰られていたのが、きっかけで、
自分で物理を考察して得た結果です。

なるほど、そういうこと。

>保存量でないものは可観測量ではありえない、という文をテキストで見た事はありません。
 コンセンサスがある見解でないということね。さもありなん。

>保存量でないものは可観測量ではありえない、というのは、単なる私の思い込みかもしれませんし
 古典量との対応は、期待値でなされます。
古典的観測量は保存量でなくても観測できていますがこの事実をどう考えますか?

>テキストをお探しなら、「それ」ということで、良いと思います。
でも「保存量でないものは可観測量ではありえない、という文」は載ってないでしょ。

  投稿者:kafuka - 2008/07/16(Wed) 13:59  No.4611 
EMAN様
>これは運動量が p = n (π / 2L) を取る状態と p = - n (π / 2L) を取る状態の重ね合わせを意味している。

これからn=1での運動量のスペクトルを描くと(横軸がp 縦軸は分布)
−P0と+P0にピーク(δ関数)を持つグラフになります(P0=π/2L )
これから、分散を求めると、
分散=∫dp{P0^2 δ(p+P0)/2 + P0^2 δ(p-P0)/2}=P0^2
と思います。
一方、∫dxψ(x)*p^2ψ(x) は、分散になると思いますので、
基底状態でのこれを計算すると(x軸の原点を、二つの壁の中央とします)
ψ(x)=exp(ik0x)+exp(-ik0x)=cos(k0x)
=ψ*(x)

p^2ψ(x)=p0^2 cos(k0x)

∫dxψ(x)*p^2ψ(x)=p0^2∫cos2(k0x)
=p0^2 / 2
で、両者は一致しません。
したがって、
>これは運動量が p = n (π / 2L) を取る状態と p = - n (π / 2L) を取る状態の重ね合わせを意味している。
は、∫ψ(x)*p^2ψ(x)の値が正しいとすれば、誤りである 
と思います。

また、トンデモを、、、と思われましたら、
お手数ですが、ご指摘いただければ、幸いです。

  投稿者:T_NAKA - 2008/07/16(Wed) 14:40  No.4612 
>kafuka さん

確率分布なので、

∫dxψ(x)*ψ(x)=∫dx|ψ(x)|^2=1

という条件が成立しないといけません。(つまり正規化が必要)
とすると、

ψ(x)=α{exp(ik0x)+exp(-ik0x)}=2αcos(k0x) (但し、αは実数とする。)

|ψ(x)|^2=(4α^2){cos(k0x)}^2=(2α^2){1+cos(2k0x)}

なので、∫dx|ψ(x)|^2=2α^2=1 から、α=1/√2

よって、 ψ(x)=(√2)cos(k0x)=ψ*(x) なので、p^2ψ(x)=2p0^2 cos(k0x)

∫dxψ(x)*p^2ψ(x)=2p0^2∫dx{cos(k0x)}^2=p0^2∫dx{1+cos(2k0x)}
=p0^2

で、辻褄が合うような気がします。

ただ、−P0と+P0にピーク(δ関数)を持つグラフになるというのは、周期的境界条件のときなので、この場合には当てはまらないと思います。

  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/16(Wed) 16:22  No.4613 
みなさま 
万一議論対象が違っているとつまりませんから私のこの系の理解を図でお伝えします。よりクリアな御検討に資することになれば幸いです。

1 図

深さ:Depth>0 幅:width の井戸
エネルギー0のレベルの設定具合は任意だが説明の便のため井戸口をエネルギー0にとる。


〜〜〜〜〜〜〜〜 非束縛状態 E>0  
          連続スペクトル
〜〜〜〜〜〜〜〜 非束縛状態 E>0

----- ------ 井戸口 E=0
*****〜〜****** 井戸口から第1の束縛状態 
      外に「染み出し」 
*****〜〜****** 井戸口から第2の束縛状態 
     外に「染み出し」 
*****〜〜****** 井戸口から第3の束縛状態
外に「染み出し」
*****〜〜****** 井戸口から第4の束縛状態
      外に「染み出し」
*****〜〜****** 井戸口から第5の束縛状態
      外に「染み出し」
*****〜〜****** .....

*****〜〜****** .....

 (途中省略)

*****〜〜****** ......

*****〜〜****** 第4状態 
 「染み出し」なし(下記極限で)
*****〜〜****** 第3状態 
    「染み出し」なし(下記極限で)
*****〜〜****** 第2状態 
「染み出し」なし(下記極限で)
*****〜〜****** 基底状態 
「染み出し」なし(下記極限で)
----------------- 井戸底  E= - Depth = -∞
(下記極限で)

2 説明

基底状態から第n状態のセット ただし
{ n→∞ Depth →∞ かつ (nπ/width )^2 hbar^2 / 2m Depth → 0 } 
が張る空間が D {ψ|境界とその外で0}

上図中の(途中省略)より上にあるエネルギー固有状態ベクトルは空間Dに収まらない。

有限深さ井戸のHはオブザーバブルでしょうから、上記極限をとったHもオブザーバブルであること、また部分空間Dだけしか張らないように構成される演算子(別のハミルトニアン候補)はオブザーバブルでないこと、は確かなように思えます。

この系の表現としては、「完全に閉じ込められた粒子」や「無限大の高さの障壁」よりも「深さ無限大の井戸」の表現がよろしいです。

みなさまのお考えの対象とズレがなければいいのですが....

=甘泉法師=




以上


  投稿者:kafuka - 2008/07/16(Wed) 16:35  No.4614 
T_NAKA 様
丁寧な説明、ありがとうございます。

>−P0と+P0にピーク(δ関数)を持つグラフになるというのは、周期的境界条件のときなので、この場合には当てはまらないと思います。
おっしゃる通りだと思います。
で、EMAN様の記述
>>これは運動量が p = n (π / 2L) を取る状態と p = - n (π / 2L) を取る状態の重ね合わせを意味している。
を、字句をそのまま解釈して、
運動量のスペクトルを描くと(横軸が運動量 縦軸は分布)
−pと+pにピーク(δ関数)を持つグラフになる(p=nπ/2L という只の値(の集合)ですから)
と思ってしまうのではないでしょうか?

ASA様
>>これは運動量が p = n(π / 2L) を取る状態と p = -n (π / 2L) を取る状態の重ね合わせを意味している。
の記述が正しいなら、
「記述により描いたグラフ」と「周期的境界条件のときのグラフ」が、一致しますが、
それで、よろしいでしょうか?

  投稿者:ASA - 2008/07/16(Wed) 16:42  No.4615 
甘泉法師 さんNo.4613
>「完全に閉じ込められた粒子」や「無限大の高さの障壁」
 今問題にしているのは「完全に閉じ込められた粒子」の話では?
「深さ無限大の井戸」では状況が全く違いますよ。
 極限としては、-δ型ポテンシャルのケースだから、「閉じ込められている」ことに相当しません。

  投稿者:ASA - 2008/07/16(Wed) 16:48  No.4616 
kafuka さんNo.4614

指名されてますが、
>「記述により描いたグラフ」と「周期的境界条件のときのグラフ」が、一致しますが、
 一致することで何か問題でもあるのですか?
 

  投稿者:T_NAKA - 2008/07/16(Wed) 17:41  No.4617 
kafukaさん

>字句をそのまま解釈して、
>運動量のスペクトルを描くと(横軸が運動量 縦軸は分布)
>−pと+pにピーク(δ関数)を持つグラフになる(p=nπ/2L という只の値(の集合)ですから)
>と思ってしまうのではないでしょうか?

No.4515でEMANさんは「今はちょっと別のことで頭が一杯なので、じっくり考えるのは後になりそうですが、慎重に検討しようと思います。」と仰ってますので、今現在の記述内容を云々しても仕方が無いのではないでしょうか?
気長に待ちましょうよ。

私は、ブログに書いた内容と、
http://teenaka.at.webry.info/200807/article_14.html
甘泉法師さん御紹介のアプレット
http://www.falstad.com/qm1d/
が、ほぼ同じ内容なので、少なくともアプレットの作者とは同じ考えということで納得している状態です。
成否の判断は読んでいる方々にお任せしようと思います。

  投稿者:sym - 2008/07/16(Wed) 17:52  No.4618 
そもそもの誤解がやっと分かった気がします。

2種類の表現が異なる物理状態を示すと誤解されている方が多いのかもしれませんが、異なる2つの表現は表現の違いだけで、まったく同じ状態を表すものです。
1つは、
ψ(x)=sin(kx) ( x=[0,L] )
ψ(x)=0 ( x≠[0,L] )
もう1つは、
φ(x)=w(x)sin(kx)
ここで、
w(x)=1 ( x=[0,L] )
w(x)=0 ( x≠[0,L] )
として、
ψ(x)を区間[0,L]でフーリエ変換したものをψ(p)、
φ(x)をフーリエ変換したものをφ(p)と書くことにします。

ψ(p)とφ(p)は同じものだと思われませんか?

  投稿者:sym - 2008/07/16(Wed) 18:20  No.4619 
>ψ(x)を区間[0,L]でフーリエ変換したものをψ(p)、
すみません、正確な表現ではありませんでした。

kafukaさんがいう離散スペクトルはsin(kx)のフーリエ変換で
あって、ψ(x)のフーリエ変換とは異なる関数でした。

>ψ(x)を区間[0,L]でフーリエ変換したものをψ(p)、
というのは、
ψ(x)がポテンシャルの合わせ鏡に映った姿、あるいは区間の外は無視というのと同じニュアンスの数学的でない言葉ですが、なんとなく言いたいことは通じると思っています。あまいですか?厳密にしろということでしたら、少し主張を変えますが、、、とりあえず、こんな説明でよいと思っています。

  投稿者:sym - 2008/07/16(Wed) 20:27  No.4620 
>T_NAKAさん
運動量演算子pとして、自由空間のp(すなわち定義域L^2(−∞,∞))をとれば、pはオブザーバブルです。
物理的にいうとpは、観測の結果、ポテンシャル壁が粒子にとってポテンシャル壁でなくなり、波動関数が全空間に広がることを意味します。

いま考えているのが toy model(観測系が白紙)であるため、意味があるかどうかは別として、運動量演算子として、これを採用しても間違いではないはずです。
あと、ここで考えているpは観測時点の波動関数Ψ(x,t0)をフーリエ変換したものによって、その分布が与えられるようなものであるはずです。このことは注意が必要なことだと思います。

  投稿者:T_NAKA - 2008/07/16(Wed) 21:48  No.4621 
symさん
 
>運動量演算子pとして、自由空間のp(すなわち定義域L^2(−∞,∞))をとれば、pはオブザーバブルです。
>物理的にいうとpは、観測の結果、ポテンシャル壁が粒子にとってポテンシャル壁でなくなり、波動関数が全空間に広がることを意味します。

私をご指名ですが、私は

「運動量空間でのp^は、x空間でのx^と同じことになり、部分積分を考える必要がないため、このケースでもオブザーバブルである。」

と考えているということを言ったまでです。
どうも私の考えている方向とは全然別なことをお考えのようですが、どうぞ私に構わず、ご自分の論理を進めていって下さい。
正否は、これをお読みの方々が各々判断されれば良いと思っております。

  投稿者:sym - 2008/07/16(Wed) 23:52  No.4623 
念のため周期的境界条件を取るときφ(p)がどうなるか補足しておくと、φ(x)を、
φ(x)=w(x)exp(ikx)
と取れば、φ(p)は sinc 関数で表されることになります。
>ここで、
w(x)=1 ( x=[0,L] )
w(x)=0 ( x≠[0,L] )

  投稿者:ASA - 2008/07/17(Thu) 06:28  No.4624 
T_NAKA さん
>「運動量空間でのp^は、x空間でのx^と同じことになり、部分積分を考える必要がないため、このケースでもオブザーバブルである。」
 射影用基底を用いた表現変換の議論により
p=<|p^|> なので、p^という演算子がオブザーバルでないため演算子としての意味がないとすると、pもまた意味がないということになります。
つまり「運動量空間でのp^は、x空間でのx^と同じこと」になることが保証されません。

sym さんNo.4623
>周期的境界条件
 ここでは、φ(x=0)=φ(x=L)≠0ということなので、
φ(x)の境界での連続性により、
>w(x)=1 ( x=[0,L] )
>w(x)=0 ( x≠[0,L] )
は取れないです。

  投稿者:TOSHI - 2008/07/17(Thu) 08:31  No.4625 
 
 表現によってオブザーバブルであったり,そうでなかったりというのは,おかしいですね。。
                 TOSHI

  投稿者:kafuka - 2008/07/17(Thu) 11:23  No.4626 
ASA様
No.4605の
> <x|p>=1が定義できるとして
ですが、本当ですか?
僕の持っている本では、
<x|k>=exp(ikx) 
となっていますが、、、
尚、xもkもヒルベルト空間の座標です(念のため)

  投稿者:kafuka - 2008/07/17(Thu) 11:52  No.4627 
sym様
>kafukaさんがいう離散スペクトルはsin(kx)のフーリエ変換であって、ψ(x)のフーリエ変換とは異なる関数でした。
僕もそれが言いたいのです。

>>運動量が p = n (π / 2L) を取る状態と p = - n (π / 2L) を取る状態の重ね合わせを意味している。
は、ψ(x)のことを表していない
と思います。

EMAN様の記述を何度も引き合いに出していますが、
悪気があってのことでは、ありません。
同じような記述を他の本で見たこともありますし、
そう思っておられる方も、おられるのでは、という推測のもと、
それらの記述の代表として、勝手ながら引用させて頂いております。
非礼は、お詫びします。

  投稿者:sym - 2008/07/17(Thu) 12:42  No.4628 
kafukaさん

大事なのは文脈だと思うので、イエスかノーで答えることはできません。極端なことを言うとイメージしている波動関数の形があっていれば、それで良いんです。ただ、私個人の意見としては、
>運動量が p = n (π / 2L) を取る状態と p = - n (π / 2L) を取る状態の重ね合わせを意味している。
というのは、まずい表現であると思っています。

  投稿者:ASA - 2008/07/17(Thu) 13:25  No.4629 
kafuka さんNo.4626

>> <x|p>=1が定義できるとして
>ですが、本当ですか?
>僕の持っている本では、
><x|k>=exp(ikx)

表現が悪ったですね。
後の議論展開を見てわかるように、
|p><x|:射影演算の基底となるものが規格と直交条件を満たしているというものです。
抽象ベクトル|x>,|p>(|>x,|>pとの表現が適切かも)の意味は、位置とか運動量の固有状態のベクトルという意味ではなく、それぞれψ(x)やp^に作用し、その表現を変える演算子を構成する要素と思って下さい。
(表現を変えるには、射影により成分を取り出し、抽出した成分を再ベクトル化することでなされる)

表現が変化しても期待値は変わらないとの論理展開の後、p=<p|p~|p>が示されますので、
結果として|>p={exp(ipx)}を選んでも良いです(連続スペクトルの場合、たまたま、自由な場合の運動量固有状態ベクトルと一致するだけ)。
対を成す方は、この場合|>x={exp(-ipx)}となる(iの前の符号はちと怪しい)。

 この射影用の基底が2乗可積かどうかという問題(規格化できるの?)は、棚値上げしているので、
><x|p>=1が定義できるとして
と表現してます。

普通の位置の固有状態ベクトルは、{δ(x)}ですね。
(だから <x|k>=exp(ikx))

  投稿者:kafuka - 2008/07/17(Thu) 18:46  No.4630 
ASA様
言われることは、なんとなくわかりますが、
教科書によく書いてある「ψ(p)はψ(x)のフーリエ変換である」は、
ASA様の議論展開では、どうなるのかわかりません。
<x|k>=exp(ikx) ならば、
 <x|ψ> |x>=ψ(x)|x> に於いて、ψ(x)を「座標表示の波動関数」とすれば、
 |p><p|ψ>=<p|ψ> |p>=ψ(p)|p> ∴ <p|ψ>=ψ(p)≡運動量表示の波動関数
 完全性から、
 |ψ>=∫dp|p><p|ψ>=∫dpψ(p)|p>
 両辺に<x|をかけると、
 <x|ψ>=∫dpψ(p)<x|p>
 <x|ψ>=∫dpψ(p)exp(ipx)   ≡フーリエ変換の定義そのもの
 =ψ(x)
 と即、言えるのですが、、、

  投稿者:ASA - 2008/07/17(Thu) 20:49  No.4631 
kafuka さん。
固有値スペクトルが連続でないケースも考慮して抽象化してます。
運動量表現は、運動量演算子が対角化した表現でもあるので、
離散的である今のケースを具体的にNo.4601等で示してます。

以下は一般論。
表現にかかわらずある状態ψにおける作用素Aの期待値Cは
C=<ψ|A|ψ>
 |x><x|を射影とすると
C=<ψ|x><x|A|x><x|ψ>
 =<ψ(x)|<x|A|x>|ψ(x)>
Aの位置表現をAxと表記する。
C=<ψ(x)|Ax|ψ(x)>
と良く見かける形式です。

 同様の議論で、|p><p|を射影とした場合
同様の議論で、
C=<ψ(p)|Ap|ψ(p)>

このようにして表現で期待値が変わらないことが示せます。
(このほうが理解しやすいのですか?)

 表現変換の基底が連続でない場合でも、上記のことは一般に成立しなければなりません。

 離散化した基底を前提としているので、具体的基底の表現に依存しない議論を展開してます。

 離散化している場合は、表現の変換は
 > <x|ψ>=∫dpψ(p)exp(ipx) 
 ∫でなくて狽ナ表現できるでしょう。

期待値一致の論法を使うと
C=<ψ(x)|Ax|ψ(x)>
 ある射影が存在し
 =<ψ(x)|><|Ax|><|ψ(x)>
 =<ψ(x)|> <|Ax|> <|ψ(x)>
一方
C=<ψ(p)|Ap|ψ(p)>
 なので
<|Ax|>=Ap <|ψ(x)>=ψ(p)
となるべき、表現変換用の基底ベクトル|>が存在することがいえます。
 |>これがどんなものであるかは、系に依存します。
 自由な系なら|>=exp(ipx)でよいでしょう。
 P^x=(d/dx)/iであるとき
 P^p=<|P^x|>=<exp(-ipx){(d/dx)/i}exp(ipx)>
   =p:実数
 また、<|ψ(x)>=ψ(p)=∫exp(-ipx)ψ(x)dxとなります。

 ある系においてP^xがオブザーバブルでないとすると、
p:実数は、運動量と同定できるので、しわ寄せはψ(p)に移り、ψ(p)という状態が物理的状態でないと看做せます。つまり、ψ(p)は、観測確率解釈との対応がつかない、単なる数学的基底の変換結果ということになります。

  投稿者:hirota - 2008/07/18(Fri) 10:03  No.4633 
>保存量でないものは可観測量ではありえない
例として「位置」はいかがですか?
>p = n (π / 2L) を取る状態と p = - n (π / 2L) を取る状態
周期的境界条件のときは片方だけで解になるでしょう。(特定運動量の固有状態)

  投稿者:ASA - 2008/07/18(Fri) 10:49  No.4634 
hirota さん No.4633
いい突込みですね。
 極論すれば系の如何にかかわらずエネルギーの固有状態では、可観測量はエネルギーしかありえないということになりますからね。
 一般に運動していると「位置」は保存しませんから、例えψ(x)が求められたとしても、位置が可観測量でないと、ψ(x)が粒子の存在確率を表わすとの通常の量子力学上の解釈が全く無意味になります。

  投稿者:kafuka - 2008/07/18(Fri) 21:51  No.4635 
hirota様
No4604
>>確定ってどういう意味
>運動量がオブザーバブルであれば運動量観測で固有値のひとつが得られ、
>観測後はその固有値に対応する固有状態になります。 
>これを運動量が確定した状態と表現しました。
>その場合、不確定原理により位置の不確定は無限大になり
>「閉じ込められた粒子」とは矛盾すると思ったわけです。
ですが、
矛盾しないためには、pの固有値は「ある程度の巾」をもった連続固有値でないと、いけないですね。
pの「ある程度の巾」≒ hbar/L
でしょうか

  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/18(Fri) 23:14  No.4636 
kahukaさん

閑話休題。まったく本筋と関係のないところの道草です。

>観測後はその固有値に対応する固有状態になります。

ランダウの教科書が手元になくてうろおぼえなのですが
観測結果と観測過程の結果生じる状態は異なるというややこしい関係にあったと記憶します。

たとえば運動量の観測で、|p’> と状態が観測されるとします。これは、ああ、あの時p’であったのだな、という歴史的事実をあらわしていて、それがわかるためにはたとえば測定粒子との衝突で元の状態はだいなしにされねばならないということです。

唯一、観測後もその固有値に対応する固有状態になるのは位置の観測で、それは、伝播速度に上限cが存在して拡散が制限されるから、ということだったと存じます。

くどいようですが、本筋と関係ない話です。混乱を生じましたら申し訳ありません。

=甘泉法師=

  投稿者:sym - 2008/07/19(Sat) 06:37  No.4637 
>>保存量でないものは可観測量ではありえない

「可観測量」では誤解を生みそうですね。たとえば「マクロな観測量」とでも言った方が良いかもしれません。

>例として「位置」はいかがですか?

延々と、用語の定義から始めて自説を展開することを避けて、切り口を変えた説明をしようと思います。

どうやったら「位置」を測定できるか考えます。

「位置」といってもいろいろあるわけで、測定方法ごとに「位置」とは何かってことにもなるのですが、ここでは、AFMを使った位置の測定を考えてみることにしましょう。

測定対象は、まっ平らな金属表面とします。現実には金属の表面はでこぼこしているはずなんですが問題を簡単化するために平らだとしておきます。
AFMのプローブも平らな金属だということにします。

プローブ表面を測定対象の面と平行にした状態で、徐々に測定対象表面にプローブを近づけていきます。
もうわかると思いますが、対象とプローブの間にはカシミール力が働きます。この力を測ることで対象プローブ間の距離を結果的に測ることができます。
シュレーディンガー方程式とマクスウェル方程式の違いはありますが、この系は「完全に閉じ込められた粒子」と同じ系で、測っている「位置」は井戸の幅Lに相当します。Lは時間的に変わらないという意味で保存量(定数)ですよね。

「完全に閉じ込められた粒子」として固体中の自由電子(量子井戸あるいは超格子)を考えているならLはわかります。Lがわかるということで、井戸の位置もわかっているので、そこに電子があることがわかりますね。

  投稿者:kafuka - 2008/07/19(Sat) 07:56  No.4638 
甘泉法師 様
>観測後はその固有値に対応する固有状態になります。
この文は、Hirota様の意見の引用なのですが、、、

僕の持っている「新版 量子論の基礎」によると、
「理想測定すると(射影仮説により)状態は、1つの固有値に対応する固有状態になる」
ということで、昔の教科書によくある「予測できない擾乱」という概念は、使わないようです。
もちろん、相補量のψは、∞に広がりますが、
「予測できない擾乱」ではなく、計算できます。
何故「予測できない擾乱」では、まずいかというと
「1つの固有状態に定まっている状態を、理想測定しても、状態はかわらない」
からです。

>唯一、観測後もその固有値に対応する固有状態になるのは位置の観測で、
>それは、伝播速度に上限cが存在して拡散が制限されるから
ですが、おそらく、TOSHI様のところの、僕のコメを読んでのことと、思います。
まだ「クライン・ゴルドンの式」は十分勉強してないので、
的確なことは、言えないのですが、
「量子テレポーションの実験」の結果から「上限cが存在して拡散が制限されるので、、、」
というのは、あたらないという気がします。

  投稿者:ASA - 2008/07/19(Sat) 08:17  No.4639 
sym さんNo.4637

 話が違いますよ。
井戸の幅Lをどうやって測定するかという話はしてません。
粒子の位置は、symさんの理論で原理的に測定できない物なのか否かということです。
 普通の量子力学の体系では、粒子の位置は測定できるものとしてます。{位置の固有関数がδ(x-x')と表現できるとかの話をする必要がなくなる}

  投稿者:kafuka - 2008/07/19(Sat) 15:35  No.4642 
いろいろ調べていたら、、、

「完全に閉じ込められた粒子」の議論なんて
まるで「ピンの上に天使が何人とまれるか」の議論のように思われる方も多いと思いますが、
この条件は、実は、
「量子細線」
のz軸なのです(もちろん、z軸の方が重要です)

正確には、2次元の「完全に閉じ込められた粒子」が、量子細線
3次元なら、量子ドット
です。

参考までに、、、
「エネルギー対運動量(速度)分布」の図
http://www.jst.go.jp/pr/report/report262/
「運動量の交換を介して、、、」という文献
http://www.meso.t.u-tokyo.ac.jp/r03.html

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/07/21(Mon) 02:36  No.4650 
どうもはじめまして。冷蔵庫と申します。「運動量がオブザーバブルか否か」について考えたことを書いてみたいと思います。

まずは基本をおさらいします。
状態ベクトルに対するシュレディンガー方程式は、H|ψ(t)>=ih(d/dt)|ψ(t)>と書けます。簡略化のため、\hbarをhと書くことにします。さらに|ψ(t)>=e^(-iEt/h)|ψ>という仮定のもとでH|ψ>=E|ψ>という固有値方程式に帰着します。また、この式の両辺に左から<x|を作用させると波動関数に関するシュレディンガー方程式、

(-h^2/2m(d^2/dx^2)+V(x))ψ(x)=Eψ(x)

を得ます。|ψ>=∫dx|x>ψ(x)なので、ψ(x)を求めれば|ψ>が求まったことになります。(|x>は適当に規格化)
この方程式の解|ψ_n>、(H|ψ_n>=E_n|ψ_n>)が分かれば、初めの時間微分を含んだ方程式の解は、

Σ_n(A_n|ψ_n(t)>)=Σ_n(A_n*e^(-iEt/h)|ψ_n>)

となります。(A_nは規格化定数)スペクトルが離散的な場合について書きましたが、連続的なときも同様なので省略します。

一応ここまでが準備でここから本題に入ります。

暗黙のうちに我々はいくつかのヒルベルト空間(を張る基底)を考えています。

x演算子の基底|x>
p演算子の基底|p>
H演算子の基底|ψ_n>

これらの張る空間は等しいのでしょうか。言い換えると、ある基底を他の基底で展開できるのでしょうか。

私の主張は、『完全に閉じ込められた粒子』において、
|x>の張る空間=|p>の張る空間>|ψ_n>の張る空間。(>は包含関係のつもり)
というものです。
はじめの等号については異論はないと思われます。この2つはフーリエ変換によって繋がっています。

一方、|ψ_n>は|x>で展開することができ、その展開係数はψ(x)ですが、これはxが区間の外のときゼロです。ということは区間外の|x>を|ψ_n>で表すことは明らかにできません。

また|p>についても、位置が全く不確定な状態なので全空間の|x>で展開されます。区間外もこれに含まれるので|ψ_n>で展開できません。

しかし、今考えているのはシュレディンガー方程式の解です。
つまり|ψ_n>で展開できる状態です。このような状態の運動量の測定とは意味をなすのか、波束の収縮は…。

続きます

  投稿者:sym - 2008/07/21(Mon) 06:19  No.4651 
>「エネルギー対運動量(速度)分布」の図
http://www.jst.go.jp/pr/report/report262/

詳しい内容が書いてなくて、自信ないですが
量子井戸中のエキシトンのBECって
「これ」ですね。
しかも、エキシトンが消滅して発生した光を観測することで

>運動量演算子pとして、自由空間のp(すなわち定義域L^2(−∞,∞))をとれば、pはオブザーバブルです。
>物理的にいうとpは、観測の結果、ポテンシャル壁が粒子にとってポテンシャル壁でなくなり、波動関数が全空間に広がることを意味します。

まさに、このpを得ていますね。

kafukaさん
あぶなく見逃すところでしたよ。

>「運動量の交換を介して、、、」という文献
http://www.meso.t.u-tokyo.ac.jp/r03.html

こちらは、電流を流して、その閉じ込められていない方向の「運動量の交換を介して、、、」という話で、ちょっと関係ないようですね。それに、そもそも量子細線だと多体効果が効いてて、「これ」とは違う状況にしか見えないと思いますよ。

  投稿者:ASA - 2008/07/21(Mon) 09:35  No.4652 
sym さんNo.4651
 矛盾してますよ。
>エキシトンが消滅して発生した光を観測することで
>>波動関数が全空間に広がることを意味します。
>このpを得ていますね。

 エキシトンが消滅するなら、消滅後の波動関数はψ=0となります。幾らなんでも、全空間に広がって存在していると看做せません。

 この測定も量子測定理論に基づき、コピー状態とコピー状態の収縮というスキームで説明できます。
 凝集前は、熱的揺らぎを含んだ運動量が観測される。
凝集後は、ある特定の運動量状態(エネルギー状態)が観測される。
 発生する光の運動量観測値は、運動量保存則のため、全空間で平均すると0。
 ある特定の方向に伝播する光を捕まえるなら、|p|=E/cの関係が成立。このとき、観測される運動量の方向は等方的と考えられる。
 1次元で考えれば、-pとpの重ね合わせ状態。

  投稿者:kafuka - 2008/07/21(Mon) 10:21  No.4653 
sym様
http://www.jst.go.jp/pr/report/report262/
の山本喜久フェローやアロシュ教授が「この問題」についてどうお考えか
興味がありますね。
メルアドがわかる方がおられましたら、尋いてみてはいかがでしょう。
(研究者は、超忙しいから、返事は無理かなぁ)
もちろん、物理の理論が「権威」や「多数決」で決まるわけないですが、、、

  投稿者:sym - 2008/07/21(Mon) 13:23  No.4654 
>kafukaさん
無理でしょうねぇ。

>ASAさん
おそらく、考えていること自体は、あまり変わらないと思いますよ。

  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/23(Wed) 11:06  No.4656 
Re: 投稿者:冷蔵庫 投稿日:2008/07/21(Mon) 02:36 No.4650

こんにちは冷蔵庫さん 
その固有状態を基底として全ヒルベルト空間における任意の状態ベクトルが表せる(=どんな状態についてもその量の観測の量子力学的予測ができる)演算子を「オブザーバブル」というわけですが

>H演算子の基底|ψ_n>
について
1 Hがオブザーバブルであれば|ψ_n>はHの基底の一部でしかない。
2 {|ψ_n>}がHの全基底であるなら、Hはオブザーバブルでない。
ことになります。

私は、エネルギーがオブザーバブルである、1が妥当と考えます(投稿者:甘泉法師 投稿日:2008/07/16(Wed) 16:22 No.4613)。
Hの基底には完全閉じ込め状態{|ψ_n>}のほかに、壁の外に波動関数が染み出すゆるい閉じ込め状態や壁の外で三角関数のふるまいの非束縛状態もあります。

完全閉じ込め状態{|ψ_n>}をもってHの基底のすべてと考えるのは「群盲撫像」と考えます。
群盲撫像参考 http://www.ayur-indo.com/indo/eichi/eichi9.htm 

  投稿者:ASA - 2008/07/23(Wed) 15:55  No.4659 
甘泉法師 さんNo.4656
 何か、トンデモな論理を展開してますね。
御自覚ありますでしょうか?

>>H演算子の基底|ψ_n>
から
>1 Hがオブザーバブルであれば|ψ_n>はHの基底の一部でしかない。
>2 {|ψ_n>}がHの全基底であるなら、Hはオブザーバブルでない。

 が言えるわけないでしょ。


  投稿者:冷蔵庫 - 2008/07/24(Thu) 00:47  No.4666 
一応4650の続きということで書いてみたいのですが、その前にNo.4656の甘泉法師さんからのレスにお答えしたいと思います。

>Hの基底には完全閉じ込め状態{|ψ_n>}のほかに、壁の外に波動関数が染み出すゆるい閉じ込め状態や壁の外で三角関数のふるまいの非束縛状態もあります。

いえ、{|ψ_n>}だけです。時間に依存しないシュレディンガー方程式(と境界条件)がHの固有状態を求める方程式です。この一般解が|ψ_n>ですべてを尽くしています。ゆるい閉じ込めや非束縛状態は境界条件で禁止されています。とは言っても甘泉法師さんの言いたいことは大体分かりますので、後で触れたいと思います。

>その固有状態を基底として全ヒルベルト空間における任意の状態ベクトルが表せる(=どんな状態についてもその量の観測の量子力学的予測ができる)演算子を「オブザーバブル」というわけですが

普通、量子力学の系で測定対象たる状態はHの固有状態で展開できる状態|ψ>です。Hの固有基底以外の基底はそもそも方程式の解ではないので初めから出てきません。ですから全ヒルベルト空間を相手にはしません。このとき明らかにHはオブザーバブルです。


とは言うものの、運動量演算子pで|ψ>を測定できるとすると、pのある固有値Pの状態ベクトル|P>を確率密度|ψ(P)|^2で得ます。このとき測定後の状態はどうなるのかというのが問題になります。|P>だとすれば、Hの固有状態のみで展開することはできません。安直な方法ですが、|P>をΣ|ψ_n><ψ_n|で射影して変な基底を落としてやるという手もあります。いっそのことpの観測を定義せずにあきらめてしまうこともできますが、そうすれば期待値<p>というものが何なのか分かりません。

一旦切りますが、すぐ続きを書きます

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/07/24(Thu) 01:41  No.4667 
4666のつづきです。

この問題を理解する最もシンプルで分かりやすい方法は、No.4613で甘泉法師さんが仰るような方法だと思います。No.4613を見ていただければおおよそ分かると思いますが、甘泉法師さんの解釈と若干違うところのある可能性も考慮して、
私なりに理解したことの説明を書いておきます。

はじめに井戸の中でゼロ、外で有限のポテンシャルV>0を考えます。(ポテンシャルの原点は甘泉法師さんと異なっていますが本質的に同じです)このポテンシャルのもとでシュレディンガー方程式を解くと、Hの固有状態として、井戸の中での有限個の束縛状態(離散的スペクトル)、井戸の外での無限個の非束縛状態(連続的スペクトル)を得ます。束縛状態の波動関数は井戸の壁の中に染み出して減衰しています(V→∞の極限で有限番目の束縛された励起状態の波動関数は完全にゼロになります)。非束縛状態はV→∞で高エネルギー。

これらの状態ベクトルの張る空間が{|x>}や{|p>}と一致するかどうかは私はよくわからないのですが、一致すると予想しておきます。また仮にそうであるならば、xやpの測定は特に問題なく行われます。観測後のpの固有状態|P>の時間発展も問題なく記述されます。

さて、もともと考えていた『完全に閉じ込められた粒子』の問題は、今の有限ポテンシャルVを無限大に飛ばしたものと考えることが出来ます。つまり、一旦有限のVで計算しておいて、計算結果に含まれるVを無限大に飛ばせばよいということになります。この極限で有限番目の束縛状態の固有関数や固有エネルギーは、固定端境界条件を用いて求めた結果に一致します。束縛状態|ψ>のp期待値についても同様です。

No.4666で私の述べた、|P>をΣ|ψ_n><ψ_n|で射影するというのは、高エネルギー領域を見ないことにするカットオフに対応することもわかります。

このような問題設定はNo.4642でkafukaさんの仰るような物性物理から考えても自然と思われます。現実にはポテンシャルは有限でしょう、簡単のため無限大の近似を考えるだけで。

次回は無限大のポテンシャルに別の表現を与えてみたいかもしれません

  投稿者:ASA - 2008/07/24(Thu) 07:23  No.4669 
>これらの状態ベクトルの張る空間が{|x>}や{|p>}と一致するかどうかは私はよくわからないのですが、一致すると予想しておきます。
 例えばe^(ikx)でkが0に近い場合を考えれば、明らかに一致しないことがわかります。
 ”離散的固有関数では、連続固有関数が張る空間をカバーできない。"
 このことを冷蔵庫さんは初めに主張していたのでは?

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/07/24(Thu) 12:06  No.4675 
>ASAさん

ご指摘ありがとうございます。仰るとおりだと思います。明らかにポテンシャル0の領域では任意関数を表せませんね。

書いている途中で、話の流れ的に一致してほしいような気がしてしまったのです。一瞬迷ったのですが考えるのも面倒になってそのまま書いてしまいました。反省したいと思います。

  投稿者:kafuka - 2008/07/24(Thu) 16:47  No.4680 
冷蔵庫 様
>離散的固有関数では、連続固有関数が張る空間をカバーできない
のは、異議ありませんが、
「新版 量子論の基礎」3.16.1に
「連続固有値の固有ベクトルはヒルベルト空間の元ではない」
とあり、
で、どうするかと言えば、
「狭い範囲のAについて|A>を重ね合わせた状態を|A>のかわりに用いて」
無理やり、離散にするわけです。
参考:
http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_fb7a.html
ご存じだとは思いますが、念のため

  投稿者:kafuka - 2008/07/24(Thu) 17:17  No.4681 
甘泉法師 様 No4656

質問ですが、
>Hの基底には、、、壁の外に波動関数が染み出すゆるい閉じ込め状態
とは、「シュレーデンィンガ方程式は満たす(=一般解である)が、境界条件を満たさない」
ということでしょうか?
それとも、
「底なし井戸」だけのことでしょうか?
もう少し、ご説明頂けると、ありがたいです。

  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/24(Thu) 17:40  No.4683 
Re: 投稿者:冷蔵庫 投稿日:2008/07/24(Thu) 12:06 No.4675

こんにちは 冷蔵庫さん ASAさん

投稿者:冷蔵庫 投稿日:2008/07/24(Thu) 01:41 No.4667
>これらの状態ベクトルの張る空間が{|x>}や{|p>}と一致するかどうかは私はよくわからないのですが、一致すると予想しておきます。

有限深さ井戸の系のハミルトニアンがオブザーバブルであることに疑義があるのでしょうか。
ASAさんと冷蔵庫さんの議論に着いていけずもっと詳しく説明していただければ助かります。

PS

エネルギーはオブザーバブルか についてのDiracの教科書 §10 の引用

We call a real dynamical variable whose eigenstates form a complete set an observable(
斜体).


It is often very difficult to decide mathematically whether a particular real dynamical variable satisfies the condition for being an observable or not, because the whole problem of finding eigenvalues and eigenvectors is in general very difficult. However, we may have good reason on experimental grounds for believing that the dynamical variable can be measured and then we may reasonable assume that it is observable even though the mathematical proof is missing. This is a thing that we shall frequently do during the course of development of the theory, e.g. we shall assume the energy of any dynamical system to be always an observable, even though it is beyond the power of present day mathematical analysis to prove it so except in simple cases.

わかっていることわからないことを明確に伝える姿勢に真摯さを感じます。初版から78年、最後の第4版からでも50年が経ちますが、数学はまだ十分に発達していないのではないでしょうか。




  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/24(Thu) 18:20  No.4684 
Re: 投稿者:kafuka 投稿日:2008/07/24(Thu) 17:17 No.4681

kafukaさん  こんにちは。 甘泉法師です。
---------------
問 井戸のゆるい(壁の外に波動関数が染み出す)閉じ込め状態や非束縛状態はシュレジンガー方程式を満たすか
答 井戸の深さが有限でも無限でも、満たします。

問 井戸のゆるい(壁の外に波動関数が染み出す)閉じ込め状態や非束縛状態は境界条件を満たすか。
答 壁のところでは波動関数とその1階微分が一致するという接続条件を課します。
  それだけですが…境界条件とは何を指すのでしょう。無限深さ井戸について「壁とその外側で波動関数が0」という条件でしょうか。それがなくても基底状態〜第n励起状態は、深さ→無限大で 壁への染み出し→0 と いう振舞いが得られます。

 (悪のりで)「壁とその外側で波動関数が0」という境界条件の出所はどこでしょうか?どんなハミルトニアンがそれを要求するのでしょうか?そんな演算子はオブザーバブルなんでしょうか?
----------------
ご質問の主旨とずれていないか心配ですが、とりあえず。

=甘泉法師=

  投稿者:kafuka - 2008/07/25(Fri) 00:03  No.4692 
甘泉法師様
>)「壁とその外側で波動関数が0」という境界条件の出所はどこでしょうか?

いろいろ見たことがありますが、例えば、
EMAN様の-----------
量子力学
運動量表示
完全に閉じ込められた粒子

完全に閉じ込められた状態というのは、この領域の外側での粒子の存在確率が0であるということ
-----------
等です。
もちろん、井戸のゆるい閉じ込め状態では、そうではありません。
明確に区別されていますーこの区別がいけないということでしょうか?

  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/25(Fri) 09:04  No.4693 
いいなおします。
----------------
境界条件「壁とその外側で波動関数が0」は正しくない。
境界条件「壁で波動関数とその1階微分が接続する」が正しい。
無限深さの井戸底あたりにある、基底状態〜第n励起状態については前者と後者は一致。
井戸口あたりにある、ゆるい束縛状態やより上の非束縛状態については前者と後者は一致しない。後者を適用する。
よって、どんな固有状態にも適用できるという意味で正しい境界条件は後者である。
----------------
前者が正しいと、だれが主張しているかでなく、どうして(どういう物理的要請から)そうなのかを知りたいのです。そうではなかろうと思っているので。

=甘泉法師=

  投稿者:kafuka - 2008/07/25(Fri) 14:32  No.4702 
甘泉法師様
すいません。そういう意味ですか。

>境界条件「壁とその外側で波動関数が0」
について、僕なりの考えを書こうとして、箱と井戸について、いろいろ気づき、
やっと、No4613の意味がわかりました。
箱と井戸に共通する「垂直な壁に囲まれた粒子」ですか。

低い箱(V>0)の壁の中と、ゆるい井戸(V<0)の壁の中とでは、
ψの様相が違う、と単純に思っていましたが、
正しくは、Eの固有値で違う(運動エネルギーとVの大小関係)わけで、
一般に、状態は"全て"の固有状態の重ね合わせなので、
Eの固有状態も、"全て"の場合を公平に扱わないといけないですね。
そうすれば、「∞に高い箱」と「∞に深い井戸」が対応します。

まさに「群盲、象をなでる」でした。

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/07/26(Sat) 03:14  No.4710 
>kafukaさん

>「新版 量子論の基礎」3.16.1に
「連続固有値の固有ベクトルはヒルベルト空間の元ではない」
とあり、
で、どうするかと言えば、
「狭い範囲のAについて|A>を重ね合わせた状態を|A>のかわりに用いて」
無理やり、離散にするわけです

コメントと参考文献の紹介、ありがとうございます。「新版 量子論の基礎」3.16は昨日、図書館で見てきました。このような、ヒルベルト空間の元でない状態の観測の数学的な定義の与え方は1つに決まらないようですね。私は文献でこのような記述を読むのは初めてでしたが、同じようなことは考えていました。

以下に私が以前考えた(今のような状況での)観測の定義を1つ書いておきます。数学的に厳密ではありませんし、致命的なミスがあるかもしれませんが。

完全に閉じ込められた粒子を例にとって考えます。この系の状態|ψ>はHの固有状態{|ψ_n>}で展開できる状態です。運動量演算子pの固有状態{|p>}で展開できますが、測定後の状態はある|p>になり、{|ψ_n>}で展開できません。

そこで測定後の状態が{|ψ_n>}で展開できるように、pの代わりに、射影演算子P=Σ|ψ_n><ψ_n|を定義して、PpPの測定をすると考えます。PpPはエルミートになっています。また、すべての|ψ_n>と直交する状態は射影で取り除かれるので、固有ベクトルは{|ψ_n>}で展開できます。さらに重要なことですが、<ψ|p|ψ>=<ψ|PpP|ψ>となり、期待値がもともとの定義と一致します。ちなみに今の問題ではこのような定義のもとで、一回の観測で得る運動量の値は常にゼロです。

ところで、これは観測の定義の拡大の一解釈に過ぎません。別の手法で定義する方法もいくつもあります(No.4680でkafukaさんが紹介されているような)。また、その中で唯一の正しい方法があるわけではありません。どのような現実の物理的対象を考えているかによって、またその現実の測定方法によっても、それに適した計算方法が違ってきます。(具体的な話は私にはわかりません)

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/07/26(Sat) 04:13  No.4711 
「無限深さの井戸」の解釈が甘泉法師さんと私では異なっているようなので、私の見識をお伝えします。私が以前書いたことと多少被るのですが。

私の主張を簡潔に述べると、「底と井戸口のポテンシャル差Vの井戸でシュレディンガー方程式を解く。その解や固有エネルギーは、V→∞の極限で、『完全に閉じ込められた粒子』のそれと一致する」です。

次に私と甘泉法師さんの考えの違いに触れていきます。

まず有限ポテンシャルで、私は井戸底のポテンシャルを0に取り、甘泉法師さんは-Vです(V>0)。これは有限ならばたいした違いではありません。

ただ、極限をとった後に、束縛状態のみをその系の状態の基底としています。ある有限のエネルギーに対し、それに比べて十分大きいポテンシャルを持ってくることが可能だからです。また、この極限のもとでn番目の励起状態はnをどんなに大きくとっても染み出しのない束縛状態です。非束縛状態や染み出しのある状態は表れません。

一方甘泉法師さんはポテンシャルの原点を井戸口にしているので、束縛状態と非束縛状態を両方相手にしています。また、井戸口からn番目の束縛状態と言った時に、Vを変えていくと下から数えた励起数が変わってしまいます。つまり「井戸口からn番目の束縛状態の波動関数」の極限がうまく定義されません。

有限のVのときは波動関数とその1階微分は連続です。私の考えではV極限をとると、波動関数は連続で井戸の外でゼロ。1階微分は井戸の壁で不連続になります。つまりもともとの連続性条件が、極限のもとで固定端境界条件になるということです。そしてこれは『完全に閉じ込められた粒子』の波動関数と一致します。

  投稿者:kafuka - 2008/07/26(Sat) 11:34  No.4714 
>冷蔵庫様
僕は、井戸と箱は、
V→∞があり得るのがから、E→∞も、あってよい
したがって「完全に対応する」と思っていました。が、
>Vを変えていくと下から数えた励起数が変わってしまいます。
>つまり「井戸口からn番目の束縛状態の波動関数」の極限がうまく定義されません。
ですね。
ただ、
No4613の「外に染み出し」の有無、というのは、
exp(ikx)で染み出す=非束縛状態 か、exp(-kx)でか、
と統一して考えらればいいと思います。
(Eの固有値とVの値で決まります。V自体の正負ではありませんから)

  投稿者:kafuka - 2008/07/26(Sat) 22:49  No.4732  <Home>
>冷蔵庫 様
話は、かわりますが、
清水博士の「新版 量子論の基礎」って、いい本だと思いませんか?
もちろん、好きずきは、あると思いますが、、、
僕は、「物」にとらわれず、あたかも数学書のように、
公理的「要請」から、量子「論」を展開して、
最後に「ベルの定理」から、量子論は局所性を前提とするが、「局所実在論」より広い
ことの証明が、圧巻だと思います。
「量子論の基礎」とあるように、場の理論もちゃんと基礎が
書かれています。
気に入っているのは、ハートマーク2個の項で
「プロが読んでも有益な項」があることです。
プロは、論文のねた にできるでしょうし、
僕のような素人は、いい意味で「ブログのねた」にできます
先に掲げた「連続固有値の固有ベクトルはヒルベルト空間の元ではない」
も、ハートマーク2個の項です。
ただ、混合状態の説明に、他の本でよくある密度行列を使っていないのが、残念です
(もちろん、文章だけでなく、数学的に厳密に書かれています)
たぶん、これは「初学者が必要とする知識を最小限にとどめる」
という、博士の方針でしょう。
PS。
量子論の「要請」は5つだけです。
どこかの本のように「シュレーディンガ方程式は原理である」
なんてことには、なっていません。

EMAN様、営業妨害で、すみません。
あっ、EMAN様は、まだ「趣味で量子力学」?
は、出版されていないので、いいかなぁ
出されれば、買いますから、お許しを、、、

  投稿者:EMAN - 2008/07/27(Sun) 00:00  No.4733 
> EMAN様、営業妨害になって、すみません。

 ははは。 大丈夫ですよ。
 私も「新版 量子論の基礎」みたいな良い本が売れて、
勉強されるのは嬉しいですからね。

 今私もハミルトンヤコビの方程式から
シュレーディンガー方程式が出来た過程を
説明する記事を作成中です。

 ま、量子的現象が身近になった現代、
そのような古いルートを基礎にしなきゃならないとは
思っていませんけどね。

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/07/29(Tue) 23:47  No.4771 
>kafukaさん

>No4613の「外に染み出し」の有無、というのは、
exp(ikx)で染み出す=非束縛状態 か、exp(-kx)でか、
と統一して考えらればいいと思います。
(Eの固有値とVの値で決まります。V自体の正負ではありませんから)

返事が遅れてすみません。私の極限ではexp(ikx)の非束縛状態も、exp(-kx)の染み出しもありません。
非束縛状態がないのは、V→∞より大きなエネルギーの固有状態が存在しないからです。
また、どの束縛状態の固有エネルギーもV→∞に比べて十分小さいのでexp(-kx)の染み出しもゼロになります。
(これは実際にn番目の励起状態の波動関数を有限のVで計算し、極限を考えれば確かめられます)

私は初め、ポテンシャルのゼロ点の取り方はあまり重要ではないと思っていましたが、極限のもとで大きな違いがあります。
No.4613の甘泉法師さんのように井戸口のポテンシャルをゼロにとると、極限のもとで逆に基底状態が見えなくなります。

また、それ以前に井戸口付近のエネルギー(またはそれ以上のエネルギー)をもった波動関数(束縛も非束縛も)の極限は収束しません。
私がNo.4711で述べたような状況を考えれば、そのような状態の現れない極限を考えることが可能です。


それから、「新版 量子論の基礎」は図書館でパラパラ見た程度でまだちゃんと読んでいないので、暇を見つけて読んでみたい
と思っています。特に文章の説明に期待しています。

  投稿者:kafuka - 2008/07/30(Wed) 01:00  No.4772 
冷蔵庫様
>私がNo.4711で述べたような状況を考えれば、
>そのような状態の現れない極限を考えることが可能です。
じっくり考え直します。

>ポテンシャルのゼロ点の取り方はあまり重要ではないと思っていましたが、、、
僕もそう思っていました(というより、例によって早とちりしてました)

>甘泉法師様
発言を止められたのは、僕が、何かトンデモ発言をしたせいでしょうか?
それとも、僕がトンデモ(かなり有名のようです)なので、同調されると迷惑、
ということで、発言を打ち切られたのでしょうか?
どちらにせよ、迷惑にならないよう、慎重にしますので、
お許し下さい。

  投稿者:ASA - 2008/07/30(Wed) 06:43  No.4775 
>私は初め、ポテンシャルのゼロ点の取り方はあまり重要ではないと思っていましたが、極限のもとで大きな違いがあります。
 甘泉法師さんへは、一つの極限であるδ関数の井戸型ポテンシャルでの状態から、全く違うものだとコメントしましたが、スルーされましたね。

  投稿者:hirota - 2008/07/30(Wed) 10:04  No.4776 
スルーじゃなくて、冷蔵庫さんの回答が甘泉法師さん自身の言ってる「深さ→無限大で 壁への染み出し→0」と同等だと分かったので、『完全に閉じ込められた粒子』は「無限深さの井戸」ではなく「井戸底のポテンシャルV=0、壁のV→∞極限」になって問題が消滅しただけでしょう。

  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/30(Wed) 11:30  No.4778 
議論されているみなさま

1 
わたしの考察したハミルトニアンは
H=P^2/2m - θ(width/2-X)θ(width/2+X)*Depth
 井戸の深さ Depth >0
 井戸の区間 (-width/2,+width/2)
 θ(x)   xが正で1、負で0 境界のx=0では両側の中間の値1/2をとるヘビサイド1/2超関数
です。
冷蔵庫さん ASAさんがお考えの系のハミルトニアンの表式を提示いただければ興味をもって拝見したく存じます。

たとえば極限まで薄い無限大の高さの2つの壁
H=P^2/2m + { δ(width/2-X)/δ(0) + δ(width/2-X)/δ(0) }*Height
δ(X)はデルタ超関数
これだと壁の上の束縛状態は似たようなものですが、壁頂上近くは波動関数のしみだしで壁でわけられた左、中、右がつながった状態や、壁の下の方は、中に束縛された状態のほか、右、左の半無限空間に束縛された状態など異なった様相になりますね。Height有限で計算して無限大をとる手続きは同様でしょうが、それはまた別のお話。

2 どこをエネルギー0のレベルにとるかは任意で物理に影響しません。有限深さで諸量を求めて、その結果中でDepth→∞にすれば無限の議論に幻惑されずに済みます。たとえばこのスレッドの主題である第n励起状態の運動量表示の波動関数は、有限深さの染みだしあり座標表示波動関数をフーリエ変換した結果の表式でDepthを大きくしていき得られます。 

 励起状態は上の井戸口から数えて何番目か。下から数えた番号と上から数えた番号の突き合わせはどうするか、
 井戸口からのエネルギーはいくらか。ー無限?、
 井戸口近くの束縛状態の井戸区間内で波動関数が無限ギザギザ振動になっている。それよりひとつ下の準位は井戸の中にある波の数がひとつ少ないやはり無限ギザギザであるが、無限ー1=無限とはどういうことか、....
 非束縛状態のエネルギーは井戸の底とのエネルギー差にさらにプラスしたエネルギーをもっているが無限+プラスの数=無限とはどういうことか...

 等々の議論は針のまわりの天使と同じで楽しむのは結構ですが必要なものではないと存じます。

PS kafukaさん 上記に反復しましたように新しく言う内容を持ち合わせていないので黙っておりました。掲示板の無駄なメモリー占拠をおそれつつ
=甘泉法師=



  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/30(Wed) 11:43  No.4779 
投稿者:甘泉法師 投稿日:2008/07/30(Wed) 11:30 No.4778
訂正

>これだと壁の上の束縛状態は似たようなものですが、

 振動はそこがポテンシャルからどれだけ高いかによってきまるので、壁の上の2点のみでゆるやかな振動ですが、そのほかの大部分では無限ギザギザ振動ですね。
 無限深さ井戸のすぐ左右となりに半無限広さの無限深さ井戸を掘ったのと同じです。

=甘泉法師=

  投稿者:ASA - 2008/07/30(Wed) 13:27  No.4781 
hirota さんNo.4776

>冷蔵庫さんの回答が甘泉法師さん自身の言ってる「深さ→無限大で 壁への染み出し→0」と同等だと分かったので、『完全に閉じ込められた粒子』は「無限深さの井戸」ではなく「井戸底のポテンシャルV=0、壁のV→∞極限」になって問題が消滅しただけでしょう。

 よくわかりません。
1.「冷蔵庫さんの回答」とは、誰に対するもので、どのようなものを指しているのでしょうか?
2.「同等だと分かった」では、誰が同等だとわかったのでしょうか?
3.「問題が消滅した」では、誰が抱えるどのような問題で、誰のどのような過程で何時消滅するに至ったのでしょうか?

 頭の回転が良くないので、以上の3点をお答えくだされば理解できると思います。

 甘泉法師さん No.4778の内容を見る限り、甘泉法師さんが抱える「問題」は、解決してないように見えます(むしろ変な深みにはまっているように見受けられる。なお、TOSHIさんブログで物理的解釈は困難と釘を指されていたはず)。 


  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/30(Wed) 13:30  No.4782 
投稿者:甘泉法師 投稿日:2008/07/30(Wed) 11:30 No.4778
補足

>どこをエネルギー0のレベルにとるかは任意で物理に影響しません。

#4779に発言したように 「そこ」での全エネルギーとポテンシャルエネルギーの差
 E−V(x)
で、振動(e^ikx)や減衰(e^-κx)の具合が決まります。
EやVのエネルギー0レベルは井戸底が0でも井戸口が0でもその他どこが0でもかまいません。
=甘泉法師=

  投稿者:hirota - 2008/07/30(Wed) 16:34  No.4783 
No.4781への返答:
No.4778>極限まで薄い無限大の高さの2つの壁
そういう意味だとは分かっていなかったので、No.4776で書いたことは無意味でした。 忘れてください。(こんなことをわざわざ書くのは無駄なメモリー占拠ですね)

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/07/31(Thu) 04:13  No.4787 
>ASAさん

>甘泉法師さんへは、一つの極限であるδ関数の井戸型ポテンシャルでの状態から、全く違うものだとコメントしましたが、スルーされましたね。

すみません。探してみてもよくわからなかったのですが、Noいくつでのコメントでしょうか。


>甘泉法師さん(No.4778)

私の考えているハミルトニアンは、
H = p^2/2m + θ(|x|-width/2)*Depth
Depth,width>0
です。これは甘泉法師さんの考察されているポテンシャルにDepthを足したものと同じです。
これまでの私のコメントではVをDepthと読み替えてください。

私の考えを今までのコメントで繰り返し言っていることも含め書いていきます。
さて、私は以前
「このハミルトニアンのもとでの解を求めて、Depth→∞の極限を取る」
といったことを述べましたが、この言い方は妥当ではなかったと今になって思います。
(染み出しのある束縛状態の波動関数が、極限のもとで染み出しゼロになること
を説明したくてこのような表現になってしまったのですが)
なぜなら、E>Depthの非束縛状態には収束する極限がないのですから。
収束しない固有状態はどう扱うかというと、まずエネルギーEがDepthに依っていて、Depth→∞でE→∞です。
極限をとった後、無限大のエネルギーを持つ解は普通考えません。
(私の言う普通は、みなさんの普通と違うかもしれませんが)
そして最後に残されるのは染み出しゼロの束縛状態だけとなります。


甘泉法師さんのポテンシャルでは、収束しない非束縛状態や井戸内無限ギザギザの束縛状態が残ります。

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/07/31(Thu) 04:58  No.4788 
No.4787の私の書き込みで納得できない人のために、もう少し厳密な議論をしたいと思います。

ここで考えるのはNo.4787と同じハミルトニアンです。ただしDepth極限の取る際の手続きにやや変更を加えます。
最終的に「完全に閉じ込められた粒子」の状況を再現します。


まず有限のDepthでシュレディンガー方程式を解くところは前と同じです。
次にあるパラメータC<Depthを導入し、Cより大きい固有エネルギーを持つ状態をカットオフして考えないことにします。
こうすればはじめから、収束しない変な状態を見なくて済みます。
C以下の固有状態を|ψ_1>,|ψ_2>,…,|ψ_n>とします。(波動関数はψ_1(x),…,ψ_n(x))
これらはすべて束縛状態で、|ψ_1>が基底状態で|ψ_(i-1)>がi番目の励起状態です。
また、nはC、Depthに依っていますが、Cを固定してDepthがある値より大きければDepthに依らなくなります。
今、Cを固定したままDepth→∞とするとψ_1(x),ψ_2(x),…,ψ_n(x)はそれぞれある関数に収束します。
さらにC→∞を考えます。
どんなに大きいCを持ってきても、それに対しDepth→∞でψ_1(x),…,ψ_n(x)の極限やnの値が決まります。
また異なるCどうしで同じ番号の波動関数の極限は一致します。
結果C→∞とすればn→∞で、ψ_1(x),ψ_2(x),…
とどこまでも大きな束縛された固有状態が現れ、さらにそれらは染み出しゼロで、
「完全に閉じ込められた粒子」と同じになります。

  投稿者:ASA - 2008/07/31(Thu) 07:04  No.4790 
冷蔵庫 さんNo.4787

No.4615
参考に
>http://letsphysics.blog17.fc2.com/blog-entry-144.html

  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/31(Thu) 10:18  No.4794 
冷蔵庫さん 甘泉法師です。

>これは甘泉法師さんの考察されているポテンシャルにDepthを足したものと同じです。

 定数Depthしか違わないのでふたつのハミルトニアンは同等ですね。

>なぜなら、E>Depthの非束縛状態には収束する極限がないのですから。

 非束縛状態は座標表示の波動関数でいうと
 E−V(x)の値に従い 井戸区間外でふつうに振動 井戸区間内で極限で無限ギザギザ振動が境界でψとψ’が一致するように接続したもの、と存じます。

>そして最後に残されるのは染み出しゼロの束縛状態だけとなります。

染み出しゼロの束縛状態だけがハミルトニアンの固有ベクトルならば
 そのハミルトニアンはオブザーバブル(=固有ベクトルが完全系をなす)でないことが明らかです。それはどんな状態についてもエネルギーが観測できるという要請と矛盾します。
 そのためわたしはそうでないようにそうでないように、と考えているのですが
 冷蔵庫さんはそうなるようにそうなるように考えていらっしゃいますね。その動機をお聞かせいただければ理解が深まるかもしれないと存じます。

=甘泉法師=

  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/31(Thu) 12:59  No.4797 
kafuka様 甘泉法師です。

kafuka - 2008/07/19(Sat) 07:56 No.4638
>「理想測定すると(射影仮説により)状態は、1つの固有値に対応する固有状態になる」
そして引き続いての観測で
>「1つの固有状態に定まっている状態を、理想測定しても、状態はかわらない」

ことを運動量観測に適用しての問題意識を説明します。

問題1 荷電粒子の場合
http://www.kek.jp/kids/jiten/particle/measure.html から
運動量は、荷電粒子の場合、一様な磁場中を進むときローレンツ力によりカーブ(円弧)を描くのであるが、この曲率半径が運動量に比例することを利用する。こういう検出器を磁気スペクトロメーターと呼ぶ。
-----
反応で生じた状態について、ある入射運動量の状態|Pi>へのジャンプ(収縮)の具合が科学の関心。測定磁場を出ると状態は曲げられて状態|Pf>になってしまう。
状態がかわる(曲がる)から測定がなりたつ。観測でPiも(Pfも)値はわかるが、状態|Pi>は必ず変わってしまう。

問題2 コンプトン散乱の場合
http://www.sci.himeji-tech.ac.jp/material/quantum_magn/compton.html から
ここでポイントとなるのが右辺第二項です。これは基底状態の電子の運動量と比例関係にあります。つまりコンプトン散乱の強度分布測定が電子の運動量空間での確立(ママ)分布を与えるのです!! 
-----
エネルギー固有状態の電子 ψ=∫Φ(p)|P> dp は ジャンプ(収縮)し
観測装置への入射が|Pi> 射出が|Pf> と観測される。
実験は何回も(=多数の原子にビームをあてて)行なわれ統計処理されるが、1回についてみる

と値Piが(Pfも)わかるが、状態|Pi>は反跳電子|Pf>に状態がかわってしまう。

問題意識を簡単に解消する考えがあるのですが、読みづらいのでまた別途。

PS 
>ということで、昔の教科書によくある「予測できない擾乱」という概念は、使わないようです。

|Pi>と|Pf>は観測できっちりきまり、「予測できない擾乱」は顔を出しません。問題2の例で説明すると理想観測装置としてX線の反射前後のエネルギー、運動量3成分が全部わかるから、PiもPfもきっちりきまります。


=甘泉法師=

  投稿者:ASA - 2008/07/31(Thu) 13:32  No.4798 
> 問題2 コンプトン散乱の場合
X線測定が理想測定で無いというだけの話。

清水先生の教科書を、よく読んで熟考することをお勧めします。


  投稿者:kafuka - 2008/07/31(Thu) 16:05  No.4801 
甘泉法師様
問題1 荷電粒子の場合
|Pi>へのジャンプ(収縮)により、あるrで、回り始めるとします。

釈迦に説法ですが、rを算出するのに「t=T1だけで測定」したのでは、rは算出できません。
磁気スペクトロメーターは、「t=T1,T2,T3、、、での測定であると、考えられませんか?

あるrの値が「t=T1,T2,T3、、、」でも、そのまま続く(邪魔がなければ)」ことが、
>「1つの固有状態に定まっている状態を、理想測定しても
>(続けても)
>状態はかわらない」
に対応すると、僕は思います。

  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/31(Thu) 16:06  No.4802 
続けます。

問題解消案

1 対象と理想的観測装置があわさった全系において、装置からの射出運動量Pfとその状態|Pf>が観測される。状態|Pf>は観測後も存続する。

問題1の例 磁場で曲げられた|Pf>が観測結果。粒子はその方向に進む。
問題2の例 反跳電子の運動量が観測結果。電子はその方向に進んでいく。

2 理想的観測装置だから、観測結果の|Pf>をもとに、かつて存在したが観測過程で消失したとみなした仮象|Pi>が、どんなものだったかがわかる。|Pi>を考えるのは有用だが、射影仮説からは|Pi>の実在性には議論があると思い、仮象とした。

問題1 射出|Pf>がわかれば、静磁場を古典理想観測装置とみなし、入射|Pi>がわかる。
問題2 X線光子を理想観測装置とみなし、衝突前後のエネルギー、運動量3成分がわかれば、|Pf>と|Pi>はどちらもわかる。


以下はなくてよい蛇足

3 対象は、重ねあわせ状態 ∫Φ(p)|p>dp から観測により|Pf>にジャンプするが
対象と理想的観測装置の相互作用の途中でジャンプが起こるとするよりも、観測装置と相互作用するとっかかりのところでジャンプする つまり |Pi>にジャンプすると考えるのが自然でないか。

=甘泉法師=

  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/31(Thu) 16:50  No.4804 
kafukaさん 

泡箱や桐箱のように軌道を点点でみるというイメージをお持ちなのでしょうか。

入射方向がわかっていれば、静磁場をかけた区域から遠方半球状にディテクターを並べ、どのディテクターが検知したかで角度がわかり運動量を決めるという方法もあると思います。
質量分析装置に、質量と電荷がわかっている粒子をかけて角度をみるというイメージでしょうか。
実験のことは頓珍漢なので諸兄のご指導を仰ぎたく存じます。
=甘泉法師=

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/07/31(Thu) 16:56  No.4806 
>ASAさん

完全にスルーしていましたね。すみません。ASAさんの仰っていたことには納得しました。
それと参考のサイトの紹介ありがとうございます。

>甘泉法師さん

私の目的は「完全に閉じ込められた粒子」の系をある有限のポテンシャルの系の極限として理解することです。
No.4683の甘泉法師さんのコメントもスルーしてしまっていて申し訳ないですが、
甘泉法師さんは{|x>}や{|p>}の張る空間をヒルベルト空間と呼び、
Hの固有状態の張る空間と等しくならないといけないとお考えですね。
実際むしろ逆で、Hの張る空間でヒルベルト空間を定義します。
そうするとxやpをオブザーバブルとして理解することが困難だったわけです。

  投稿者:sym - 2008/07/31(Thu) 17:00  No.4808 
甘泉法師さん

>問題1、2
何が問題なのか、良ければ、説明してもらえませんか?

あと、余計なお世話かもしれませんが、スレッドをこまめに立てたほうが、わかりやすいと思うのですが。。。

  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/31(Thu) 18:46  No.4810 
symさん 甘泉法師です。

>何が問題なのか、良ければ、説明してもらえませんか?

状態の運動量を観測し値がPiだったら状態は|Pi>であり続けるはずなのに、かわりに別の状態|Pf>があらわれる

という見解への自問自答でした。
そもそもどこにも不思議なことがなければごめんなさい。

=甘泉法師=










  投稿者:sym - 2008/07/31(Thu) 20:34  No.4811 
>甘泉法師さん

お考えの内容と違うかもしれませんが、もしかしたら、”Heisenberg cut”の話が参考になるかもしれません。良かったら調べてみてください。


  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/31(Thu) 20:58  No.4812 
sym さん 
Heisenberg cut というタームを知りませんでした。
勉強してみます。ありがとうございます。

=甘泉法師=

  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/31(Thu) 21:40  No.4815 
冷蔵庫さん 甘泉法師です。

冷蔵庫 - 2008/07/31(Thu) 16:56 No.4806
>甘泉法師さんは{|x>}や{|p>}の張る空間をヒルベルト空間と呼び、
>Hの固有状態の張る空間と等しくならないといけないとお考えですね。

はい、ご理解まったくそのとおりです。

>実際むしろ逆で、Hの張る空間でヒルベルト空間を定義します。
>そうするとxやpをオブザーバブルとして理解することが困難だったわけです。

立場の違いを再度確認しましょう。

問1 有限深さ井戸のハミルトニアンH。
   Hの固有状態の張る空間は{|x>}や{|p>}の張る空間と同じであるか。

 甘泉法師 Yes
 冷蔵庫さん 

問2 無限深さ井戸のハミルトニアンH。
   Hの固有状態の張る空間は{|x>}や{|p>}の張る空間と同じであるか。

 甘泉法師 Yes
 冷蔵庫さん

 おかんがえを確認させていただければ幸いです。

PS 
  H= P^2/2m - Depth θ(width/2 + x)θ(width/2 - x)
=∫|p> p^2/2m <p| + ∫dx |x> Depth θ(width/2 + x)θ(width/2 - x) <x|
=∫∫∫dx'dx"dp |x'><x'|p> p^2/2m <p|x"><x"|
     + ∫dx |x> Depth θ(width/2 + x)θ(width/2 - x) <x|
= h^-1∫∫dx'dx"|x'>∫dp e^i(x'-x")p p^2/2m <x"|
    - ∫dx |x> Depth θ(width/2 + x)θ(width/2 - x) <x|
= ∫∫dx'dx"|x'> F(x',x") <x"|,
F(x',x") = h^-1 ∫dp e^i(x'-x")p p^2/2m - Depth δ(x'-x") θ(width/2 + x')θ(width/2 - x')
第2項は対角成分しかなく、かつ|x|が井戸の中の区間だけで0でない値を持ちますが、第1項は差(x'-x")にしか依存せず広く非対角成分をもちますね。 まったく閑話休題でした。

=甘泉法師=


  投稿者:甘泉法師 - 2008/07/31(Thu) 12:56  No.4819 
kafuka様 甘泉法師です。

kafuka - 2008/07/19(Sat) 07:56 No.4638
>「理想測定すると(射影仮説により)状態は、1つの固有値に対応する固有状態になる」
そして引き続いての観測で
>「1つの固有状態に定まっている状態を、理想測定しても、状態はかわらない」

ことを運動量観測に適用しての問題意識を説明します。

問題1 荷電粒子の場合
http://www.kek.jp/kids/jiten/particle/measure.html から
運動量は、荷電粒子の場合、一様な磁場中を進むときローレンツ力によりカーブ(円弧)を描く

のであるが、この曲率半径が運動量に比例することを利用する。こういう検出器を磁気スペクト

ロメーターと呼ぶ。
-----
反応で生じた状態について、ある入射運動量の状態|Pi>へのジャンプ(収縮)の具合が科学の関心。測定磁場を出ると状態は曲げられて状態|Pf>になってしまう。
状態がかわる(曲がる)から測定がなりたつ。観測でPiも(Pfも)値はわかるが、状態|Pi>は必ず変わってしまう。

問題2 コンプトン散乱の場合
http://www.sci.himeji-tech.ac.jp/material/quantum_magn/compton.html から
ここでポイントとなるのが右辺第二項です。これは基底状態の電子の運動量と比例関係にありま

す。つまりコンプトン散乱の強度分布測定が電子の運動量空間での確立(ママ)分布を与えるので

す!! 
-----
エネルギー固有状態の電子 ψ=∫Φ(p)|P> dp は ジャンプ(収縮)し
観測装置への入射が|Pi> 射出が|Pf> と観測される。
実験は何回も(=多数の原子にビームをあてて)行なわれ統計処理されるが、1回についてみる

と値Piが(Pfも)わかるが、状態|Pi>は反跳電子|Pf>に状態がかわってしまう。

問題意識を簡単に解消する考えがあるのですが、ごちゃごちゃひとつでいうと読みづらいのでまた別途。

PS 
>ということで、昔の教科書によくある「予測できない擾乱」という概念は、使わないようです。

|Pi>と|Pf>は観測できっちりきまり、「予測できない擾乱」は顔を出しません。問題2の例で説明すると理想観測装置としてX線の反射前後のエネルギー、運動量3成分が全部わかるから、PiもPfもきっちりきまります。


=甘泉法師=

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/08/02(Sat) 04:49  No.4838 
>甘泉法師さん

No.4815のコメントに関して私の見解を述べます。

問1 有限深さ井戸のハミルトニアンH。
   Hの固有状態の張る空間は{|x>}や{|p>}の張る空間と同じであるか。

 甘泉法師さん Yes
 冷蔵庫 No 

問2 無限深さ井戸のハミルトニアンH。
   Hの固有状態の張る空間は{|x>}や{|p>}の張る空間と同じであるか。

 甘泉法師さん Yes
 冷蔵庫 No


甘泉法師さんとは正反対の立場になってしまいました。

P.S.
No.4710で私の
「ちなみに今の問題ではこのような定義のもとで、一回の観測で得る運動量の値は常にゼロです。

というコメントはおそらく嘘です。
今の話題にあまり関係ないですがここに訂正しておきます。

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/08/02(Sat) 05:16  No.4839 
削除します。ご迷惑をおかけします

  投稿者:kafuka - 2008/08/02(Sat) 06:31  No.4841 
甘泉法師様
「1つの固有状態に定まっている状態を、理想測定しても、状態はかわらない」
の証明を掲げます。(新版 量子論の基礎 P103)

1.[要請] (公理と思えばいいでしょう)
測定直前に、|ψ>なる状態ベクトルを持っていた系に、
物理量A^の理想測定を行い、測定値が(A^の離散固有値の中)のひとつaであったとする。
その場合、測定直後の|ψafter>は、

|ψafter>=|a><a|ψ> / 規格化の定数

で、与えられる
尚、これを「射影仮説」と呼びます
2.「理想測定」の定義
誤差のない(無視できるほど小さい)測定で、測定直後の状態が
「射影仮説」で与えられるような測定を「理想測定」と呼ぶ
注:トートロジーのようであるが、「射影仮説」は、「理想測定」の定義を与え、その存在を主張していると見る
3.
状態を固有ベクトルで展開したものを以下とする
|ψ>=Σψ(a) |a>
物理量A^の理想測定を行い、測定値が100% aであったとする。
「射影仮説」を適用すると、|ψafter> は、
=|a><a|Σψ(a) |a>
=|Σψ(a) |a>
=|ψ>
(状態は変わらない)

さらに、物理量A^の理想測定を行い、測定値がaであったとすれば、何回行っても同じである。
特に、固有ベクトルに縮退がない場合、

|ψafter>=|a>

(固有ベクトルの1つになる)

ついでに、「測定の反作用」
状態を固有ベクトルで展開したものを以下とする
|ψ>=Σψ(a) |a>
理想測定を行って、|ψafter>が1つの|a>になるとすると、
|ψafter>≠|ψ> なので「測定に反作用がある」
「測定に反作用はない」場合とは、
理想測定を行って、
|ψafter>=|ψ> であれば、「測定に反作用はない」である。
これは、始め|ψ>=|a> で、|ψafter>=|a> の時だけに言える

要は、
「理想測定であれば、1回目の直後に行われた、2回目の測定値は、1回目に一致する」
という「素朴な期待通り」の結果になる

やっと、まともなことが書けました。変なことを書いて混乱させてすみません。
次は、これをベースに、問題1、2を検討します。

  投稿者:甘泉法師 - 2008/08/02(Sat) 11:39  No.4846 
冷蔵庫さん 甘泉法師です。

Re 冷蔵庫 - 2008/08/02(Sat) 04:49 No.
----
問1 有限深さ井戸のハミルトニアンH。
   Hの固有状態の張る空間は{|x>}や{|p>}の張る空間と同じであるか。
 甘泉法師さん Yes
 冷蔵庫 No 
----
の違いは重く考えます。 問2は意見の相違ですませてもよいほど軽く考えています。
大見得きった割りにスカスカの発言ですみません。

=甘泉法師=

PS

ハミルトニアンはエネルギー固有ベクトルをつかって
H=Σ|e>e<e| + ∫de |e>e<e|
第1項 離散固有値(束縛状態)  第2項 連続固有値(非束縛状態)

また座標固有ベクトルをつかうと
H = ∫∫dx'dx"|x'><x'|H|x"><x"|,
where
<x'|H|x"> = h^-1 ∫dp exp i(x'-x")p p^2/2m - Depth δ(x'-x") θ(width/2 + x')θ(width/2 - x')


 空間{|x>} ⊃ 空間{|e>}の場合
 
 すべてのエネルギー固有状態とその任意の重ねあわせは座標表示の波動関数であらわせる。
 座標表示の波動関数であって、エネルギー固有状態では表示できないものがある。
 
 突っ込み:その状態のエネルギーを測定するとどうなるのか?

  空間{|x>}−空間{|e>}  ⊥  空間{|e>}
 H|その状態>=Σ|e>e<e|その状態> + ∫de |e>e<e|その状態>= 0。 射影0。 



 空間{|e>} ⊃ 空間{|x>}の場合  
 すべての座標表示の波動関数はエネルギー固有状態の重ねあわせ(エネルギー表示の波動関数)であらわせる。
 エネルギー表示の波動関数であって、座標表示の波動関数では表示できないものがある。

 突っ込み:その状態の位置を測定するとどうなるのか?
      どこにもない no where 状態? 

  空間{|e>}−空間{|x>}  ⊥  空間{|x>}
 X|その状態>= ∫dx|x>x<x|その状態>= 0。射影0。

  投稿者:甘泉法師 - 2008/08/02(Sat) 18:36  No.4859 
kafukaさん 問題2 コンプトン散乱のたとえです。ご笑納ください。

野球の試合。投手が量子力学的ボールを投げ打者が古典的バットでうちかえし打球はセンターバックスクリーンにホームランでチームは勝利。試合後のヒーローインタビュー。


アナウンサー 「投球のスピード、角度はどうでしたか。打たれた投手は量子力学的ボールを投げたから確かなことはわからないといっていますが。」
打者 「それは観測していません。わたしが観測したのは打球の運動量Pf、状態|Pf>です。説明します。打つ前のバットのエネルギー、運動量はしかじか。打った後のバットのエネルギー、運動量はしかじか、とはっきりわかりました。古典的バットですから。そのデータをエネルギー運動量の保存法則と打球のエネルギーと運動量関係公式 E^2/c^2 = m^2c^2 + px^2 + py^2 + pz^2 に入れて
打球がバックスクリーンに飛んでいくような運動量Pf、状態|Pf>と観測しました。」
ア 「それはそうですが、どんな投球だったのかも知りたいのです」
打 「どんな投球だったか、そんな非物理的なことを聞いてどうするんですか?
 確かにさっきいったデータと計算から、運動量Piの投球の状態|Pi>というのが、計算からは出てきます。でも『観測して運動量Pi 状態|Pi>だったらその直後に運動量を観測しても状態は同じ|Pi>になる』という、状態と観測に対する要請がありますよね。それは成り立たないんです、わたしが打っちゃって状態がかわり、直後の再観測というのはできないから。打たなければ話がはじまらないし。 だから、要請『 』によって投球の状態|Pi>というのが物理的実在であるかは甚だ疑わしい。」
ア 「???...」

PS

ア 「でも打球だって本当に2回目の観測で同じ|Pf>になるんですか?」
打 「当然です。だってみなさん私がうってからバックスクリーンにぶつかるまでの時間がわかったでしょう。それをバッターボックスからの距離で割り速度がわかり、速度から運動量がわかる。ちゃんとPfになっているでしょう。」
ア 「でもそれってバックスクリーンの観測装置からみて、さっきのお話だと物理的実在かどうか疑わしい『入射』状態ですよね... じゃ、その次はどうです。ボールはバックスクリーンにはねかえされ|pf2>になっちゃいました。 その次が測定できないと要請に反するのでは...」
打 「えーい しつこい! インタビューはこれでおしまい!」

=甘泉法師=

  投稿者:kafuka - 2008/08/04(Mon) 15:40  No.4885 
甘泉法師 様

以下が参考になると思います。
清水明「量子測定の原理とその問題点」
http://as2.c.u-tokyo.ac.jp/archive/MathSci469(2002).pdf
清水明「現代的な測定理論の概要−FAQsへの答え
http://as2.c.u-tokyo.ac.jp/archive/amo2007added.pdf
現代的な量子測定理論というのは、(抜粋)
R. Glauberの1963年の論文で、被測定系に測定器の一部を加えた複合系をひとつの量子系として扱うことにより、

(i) 被測定系に対して射影仮説を用いたのでは実験と合わないケースがある
(ii) 測定器に対して射影仮説を用いれば常に実験と合う整合した理論ができる
(iii) 測定器の誤差や反作用も、量子論で矛盾なく計算できる
というものです。

で、「野球の試合」についての僕の言説
>『観測して運動量Pi 状態|Pi>だったらその直後に運動量を観測しても状態は同じ|Pi>になる』という要請
は、2つの「観測」が共に「理想測定」であるという条件つきです。
一般には「測定の反作用」が言えます。
最初の理想測定で、
|ψ>=ψ(Pi) |Pi> と1つの固有ベクトルになるが、
その後、何らかの測定(理想測定でない測定)を行って、
|ψafter>≠|Pi> であれば、「測定に反作用がある」
ということだと、僕は理解しています。

尚、理想測定だからといって、常に「反作用」がないわけでは、
ありません。重ね合わせ状態|ψ>=|a>+|b> を理想測定すれば、
|ψafter>≠|ψ> ですから、「反作用」があります。
「測定に反作用がない」場合とは、
理想測定を行って、|ψafter>=|ψ> である場合である。
これは、始め|ψ>=|a> で、|ψafter>=|a> の時だけに言えます。

  投稿者:甘泉法師 - 2008/08/05(Tue) 09:08  No.4889 
kafukaさん ご教示ありがとうございます。
清水明「新版量子論の基礎」を図書館で借りて読んでいます。

> |ψafter>≠|Pi> であれば、「測定に反作用がある」

いわゆる第二種測定過程(測定後の対象系の状態が測定前と一致しない場合)、という言い振りもあります。

量子力学入門 岩波新書210 並木美喜雄 P.138
図6.4の装置による運動量測定の場合、(中略)その粒子の運動量の元の値(磁場Mに入る前の値)と元の運動量状態を知ることができる。しかし、そのときはすでに運動量は方向を変えていて、運動量状態は元の状態ではなくなっている。このような測定を第二種測定と呼ぶことがある。
これに対してこのこの項のはじめに議論した粒子の位置の測定の場合、(中略)すなわち、測定によって小領域にあるという状態が変わるわけではない。このような測定を第一種測定という。

運動量測定では、「理想測定」 や 「第一種測定」 が可能なのだろうか?

というのがわたしの問題意識です。

=甘泉法師=

  投稿者:kafuka - 2008/08/05(Tue) 09:39  No.4890 
甘泉法師 様

「野球の試合」についての僕の言説 にミスがありました。
以下のように訂正します。

最初の測定を、理想測定と仮定すると、
|ψ>=|Pi> である1つの固有ベクトルになる。
その後、どのような測定を行っても、正しい測定なら、
|ψafter>≠|Pi> になるわけがない。
現実には、|Pf> になっている。
したがって、
最初の測定は、理想測定 ではない。
(僕の理解もまだまだですね)

で、運動量測定なのですが、
EPR粒子なら、
まず、分かれる前の初期運動量を測定。ただし、上記でいう測定後のPfを求める
その後、副系の方を、測定することにより、→P1
Pf-P1 で、
主系の運動量を、主系に影響なく、求められる
と思います。

  投稿者:hirota - 2008/08/05(Tue) 09:48  No.4891 
運動量測定と言ってよいのかどうか分かりませんが、指定した時間間隔で開閉する2つのシャッターを使えば、特定の運動量の粒子だけ影響を与えずに他の粒子を排除できるのではないかと思います。
影響を与えなかった粒子については運動量が確定したんではないですか?

  投稿者:甘泉法師 - 2008/08/05(Tue) 14:52  No.4894 
kafukaさん こんにちは。

>EPR粒子なら、
>まず、分かれる前の初期運動量を測定。ただし、上記でいう測定後のPfを求める
>その後、副系の方を、測定することにより、→P1
>Pf-P1 で、
>主系の運動量を、主系に影響なく、求められる
>と思います。

この操作で固有状態|Pf-P1>が用意できるとは存じます。野球のたとえでも打球の固有状態|Pf>が得られます。しかし私が問題にしたいのは

運動量固有状態|p>を損なわずに何度も観測を行う(当然観測値はp)ことの可能性です。

|Pf>や|Pf-P1>を用意したあと、それを対象に測定後の状態が測定前の状態と一致するような観測を行なえるのか。

=甘泉法師=

  投稿者:甘泉法師 - 2008/08/05(Tue) 15:50  No.4895 
hirotaさん ありがとうございます。 自分の理解のために再度言い換えます。
---------
壁がたくさん並んでいる。ボールを壁に向けて投げる。ボールが壁にぶつかる寸前に壁が消失しボールが通りすぎると壁が現れ元に戻る。第2の壁もボールが壁にぶつかる寸前に消失して通りすぎるとまた元に戻る。第3の壁も.... というふうにボールは壁にぶつからずにタイミングよく通り抜ける。第n壁と第n-1 壁の区間距離と消失のタイミング時間差から速度がわかり、これから運動量がわかる。こうしてボールにはさわらずに何区間でも続けて運動量を測定することができる。
---------
理想測定の候補になりそうですね。

量子力学からのチェック:
運動量と座標の不確定性から時刻0にボールが座標0にあることと運動量が固有状態|p>であることは両立しない。 双方に誤差が必要時刻0で 座標 Δx  運動量 p+Δp  Δx Δp 〜 h
壁の消失-出現の時間間隔には波束が通過する時間 Δt=Δx/v=mΔx/p 程度必要 v<<c とした。
時間の経過につれ状態は変化。すなわち波束は拡散しΔxが増す。 説明の例 http://d.hatena.ne.jp/atomion/20070809/1186631390

波束が拡がって壁の消失=出現のタイミングにひっかかり観測が続かなくなることはないか。長縄跳びをしているとき、最初はみなタイミングがあいうまくとべますが、回数が増えるとつかれてきて跳びかたがバラバラになっていき、ついに誰かが縄に足をひっかけるようなたとえ。

定量的な考察はしていません。ケチをつけているだけかもしれませんのでよろしく吟味ください。

=甘泉法師=

  投稿者:hirota - 2008/08/05(Tue) 16:06  No.4896 
それじゃ、無限に長い列車はどうですか?
一定速度で走る列車のどれかの客車に粒子が乗ってるけど、どこかは分からない。
そして、粒子と列車の速度が同じなら壁にぶつからない。

  投稿者:甘泉法師 - 2008/08/06(Wed) 09:41  No.4899 
hirotaさん 甘泉法師です。

Re:投稿者:hirota 投稿日:2008/08/05(Tue) 16:06 No.4896
>一定速度で走る列車のどれかの客車に粒子が乗ってるけど、どこかは分からない。

簡単のため列車が静止している慣性系で考える。客車の長さをL。粒子を時刻0にある客車の中ほどにのせる。粒子の波束の設定は

http://d.hatena.ne.jp/atomion/20070809/1186631390 に従い
重ね合わせの重みはガウス型波動関数φ(p)=exp(-(p-k)^2/(2σ^2))  k=0
Δx(t)〜h/|a(t)σ|=(h/σ)√[1+(t/T)2] T≡ mh/σ2

Δx(0)〜h/σ << L
これから波束の拡散でΔx(t)〜L と波束が客車の壁に「ふれる」までの時間tは
t = T L σ/h = mL/σ = mLΔx(0) /h << mL^2 / h

L=20m m=9.1E-31kg 電子質量 とした場合 t << 10^6 s 
この程度でよしとするかどうかは用途によると存じます。

=甘泉法師=

  投稿者:hirota - 2008/08/06(Wed) 11:01  No.4900 
波束を考えるって事は、運動量は一定値じゃないですねー。
あと、客車間の扉は半開きで全客車の空間はつながってるけど、扉の開いてる部分はジグザグで直進粒子は必ずぶつかるものと思ってください。
全体的には、運動量一定の平面波の進行速度と同じ速度で移動しながら、客車を組み立てた状況です。

  投稿者:甘泉法師 - 2008/08/06(Wed) 11:33  No.4903 
hitotaさん 甘泉法師です。

>波束を考えるって事は、運動量は一定値じゃないですねー。

はい。いただいた「どれかの客車に乗ってる」という条件から位置の広がりが客車長Lより小さいと理解したからです。そのため運動量も広がりを持ちます。運動量が一定値だと位置の広がりが無限大なのはご承知のとおりです。設定の理解が間違っていればご教示ください。

総じて空間的な局在を利用する運動量測定では運動量に幅を持たさざるを得ないと考えます。


=甘泉法師=

  投稿者:kafuka - 2008/08/06(Wed) 14:37  No.4908 
甘泉法師 様
>運動量固有状態|p>を損なわずに何度も観測を行う(当然観測値はp)ことの可能性です。
ですが、これは、不可能だと思います。
一回目の測定対象は、波束でも、1個の|P>でも、どっちでもいいですが、
二回目では、測定装置の大きさのxの範囲以内しか、
測定対象になりません。
これは、波束でないと、はいりませんので、運動量は、ある程度の広がりがある必要があります。
で、
一回目が仮に「理想測定」であれば、1個の|P>になりますから、
二回目の測定対象(=ある範囲の重ね合わせ)とは、異なると言えます。

もちろん、理想測定でなければ(一般化測定)なら、一回目と
二回目のψpを一致させられます。
Hirota様の方法でいいと思います。
(列車をスピードガンで測ればいいのかな)

  投稿者:hirota - 2008/08/06(Wed) 18:17  No.4910 
客車間の扉は開いてるので、粒子の存在位置はジグザグにつながった無限大の空間に広がっています。
運動量が幅を持つ必要はありません。

  投稿者:甘泉法師 - 2008/08/07(Thu) 00:58  No.4912 
hitotaさん 甘泉法師です。
御設問を図で確認させてください。

>無限に長い列車
>一定速度で走る列車のどれかの客車に粒子が乗ってるけど、どこかは分からない
>客車間の扉は半開きで全客車の空間はつながってる
>扉の開いてる部分はジグザグで直進粒子は必ずぶつかる

車両番号は...-2,-1,0,1,2,...  粒子がある車両をn両目とする。

 n-2両目 n-1両目  n両目  n+1両目
--------------------------------------------
○○○○|○○○○|○●○○|○○○○○○○
○○○○○○○○○|○●○○|○○○○|○○
○○○○|○○○○○○●○○|○○○○|○○
○○○○|○○○○|○●○○○○○○○|○○
--------------------------------------------
             

●:粒子の平面波束
○:真空 

>粒子の存在位置はジグザグにつながった無限大の空間に広がっています。

理解に自信がないのですが、あえて図にかくと

--------------------------------------------
○○○○|○○○○|○○○○|○●●●●●●
●●●●●●●○○|○○○○|○●○○|○○
○○○○|○●●●●●●○○|○●○○|○○
○○○○|○○○○|○●●●●●●○○|○○
--------------------------------------------


理解が正しいかご教示ください。

=甘泉法師=





  投稿者:甘泉法師 - 2008/08/07(Thu) 09:40  No.4913 
kafukaさん 甘泉法師です。

運動量固有状態|p>を損なわずに何度も観測を行う(当然観測値はp)こと

を次の2点でチェックします。
ア 精密な観測値を得られるか         
イ 測定後の対象系の状態が測定前と一致するか 


アについて :測定の精度

>測定装置の大きさのxの範囲以内しか、測定対象になりません。
>これは、波束でないと、はいりませんので、運動量は、ある程度の広がりがある必要があります。

 現実の実験では測定装置の大きさLが与えられ運動量にはh/L程度の幅(波束)が避けられません。
しかし思考実験、原理の問題としてはL(たとえば問題1 磁場をかける区域 問題2の野球 バットの大きさ)はいくらでもおおきくできて任意の求める精度の測定を行えます。
 その意味でアはクリアできると存じます。

投稿者:甘泉法師 投稿日:2008/08/06(Wed) 11:33 No.4903
>総じて空間的な局在を利用する運動量測定では運動量に幅を持たさざるを得ないと考えます。

 Lを大きくするのは粒子が磁場に入るチャンス、バットに当たるチャンスを増やすという意味で
 空間的局在を解消していく方向です。


イについて :測定の第1種、2種
 
 磁場スペクトル、コンプトン散乱では観測がいくらでも精密に行えますが(アはクリア)観測前後で状態が一致しません(第2種)。第1種を志向したhirotaさんとの議論のケースではア:測定の精度が損なわれます。
これらから
「運動量測定では、第2種(精密)測定は可能だが、第1種(精密)測定は不可能」
と考えられます。

=甘泉法師=

  投稿者:kafuka - 2008/08/07(Thu) 23:47  No.4918 
甘泉法師 様

>アについて 
同意します。
>イについて 
同意します。

尚、hirota様の列車でのψ(x)は、周期的境界条件に似たものに
なると思います。
ただし、解析関数にはならないでしょうね。
仮に、古典力学で解いたとすると、カオスだと思います。
で、今、古典力学のカオスに対応した、量子力学の系に興味があります。
http://blogs.yahoo.co.jp/kafukanoochan/57060727.html

  投稿者:hirota - 2008/08/08(Fri) 12:32  No.4927 
なるほど、そう描けば良いですね。

──────────────────────
○●○●|●○●○●○●○●○●○●○●○●
○●○●○●○●○|○●○●○●○●○●○●
○●○●○●○●○●○●○●|●○●○●○●
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○|○●
──────────────────────

ただし、波束じゃなく無限に続く平面波です。(○●は波の山と谷)
絵にすると、かなり非現実的な感じになってきました。(媒体を伝わる実在波だと、媒体に影響を与えず波だけ止める壁なんて無理)

  投稿者:甘泉法師 - 2008/08/08(Fri) 13:30  No.4929 
hirotaさん ご教示ありがとうございます。
粒子が車両を隔てる壁にぶつからない、すなわち壁のところの存在確率が0であることが肝要と思っていたのですが、この図からは壁(の開口部でないところ)の粒子の存在確率は列車内の他の部分と等しく|e^ikx|^2 = 1 (規格化はべつにして)ですね。 問題ないでしょうか。壁とぶつからないということはどう理解したらいいのでしょうか。
=甘泉法師=

  投稿者:hirota - 2008/08/08(Fri) 16:01  No.4930 
なるほど、絵にすると矛盾が明らかになりますね。
壁のところの存在確率を0にすると、平面波じゃなく波束になってしまうわけで、運動量が分散して、いずれ壁にぶつかってしまいます。
すると、運動量が確定した粒子を放出して、粒子と同じ速度の壁を挿入すると、衝突が起こらなくても速度が分散して、いずれ壁にぶつかるわけですか。 いやー意外!(新パラドックスとして発表しましょう)

  投稿者:kafuka - 2008/08/08(Fri) 22:03  No.4932 
列車と同じ速度で動いている系から見ると、

運動量が確定した(=0)粒子のところに、いくつかの「穴のあいた壁」を挿入する

ことと同じですね。
もし、穴がなければ、、、原題に戻りました。
で、
もし、+PとーPの状態の重ね合わせなら、
測定すると、+PかーPで、期待値は0です。
でもですよ、+PかーPのどちらかを観測した時点で、もう
運動量保存則に反します。
これって、どう解釈したらいいのでしょう?
どなたか、教えて頂けませんでしょうか。

  投稿者:TOSHI - 2008/08/09(Sat) 03:09  No.4933 
 どもTOSHIです。

 箱に閉じこめられてると運動量も角運動量も保存しませんよ。一様性も等方性も成立しないし,もしこれらが保存したらエネルギー保存だけから決まるミクロカノニカルな集団に基づく統計力学も変更しなければなりません。

                   TOSHI

  投稿者:ASA - 2008/08/09(Sat) 04:58  No.4934 
kafuka さんNo.4932
光で観測するならコピー状態の収束で説明できます。
No.4588,No.4606,No.4607,No.4652参照


  投稿者:ASA - 2008/08/09(Sat) 05:09  No.4935 
TOSHI さんNo.4933
 細かいことですが、1粒子で球対称の壁によって閉じ込められているなら、角運動量は保存すると考えます。
ちなみに、ハミルトニアンHは、回転対称です。
(ln,-lnの重ね合わせ状態なので角運動量期待値は0。)

  投稿者:ASA - 2008/08/09(Sat) 05:22  No.4936 
>エネルギー保存だけから決まるミクロカノニカルな集団に基づく統計力学も変更しなければなりません。
 あと、「時間の矢」という難問があるので、統計力学を持ち出すのは適切とは思えません。


  投稿者:冷蔵庫 - 2008/08/09(Sat) 05:58  No.4937 
>もし、+PとーPの状態の重ね合わせなら、
測定すると、+PかーPで、期待値は0です。
でもですよ、+PかーPのどちらかを観測した時点で、もう
運動量保存則に反します。

それは観測手段が運動量保存則を破っているからでしょう。
今の場合、その手段は箱でTOSHIさんのNo.4933の通りです。

例えば、運動量±Pをスピン±1/2に置き換えても同様に観測で角運動量保存則を破ります。
シュテルン・ゲルラッハの実験では電子ビームを磁場で曲げて飛んでいく方向でスピンを測っていますが、
その磁場の向きが決まっているため等方性が失われています。

  投稿者:ASA - 2008/08/09(Sat) 06:51  No.4938 
冷蔵庫 さんNo.4937
 これも、本筋とは関係ない細かいことなのですが、誤解する人がいるかもしれないのでコメントしておきます。
>運動量保存則に反します。
測定装置への反作用が+Pか−P程度ということで、
保存則に反するという言い方に違和感を感じます。

壁への圧力で運動量を測定できるとすれば、左側の壁では、+Pが得られ、他の右側の壁では−Pが得られるということだと考えます。壁トータルとしては、+−0の観測量。そして無論系の運動量は保存しています。(壁で閉じ込められているという系では、壁が粒子に対して運動量を与えたり奪ったりするので粒子の運動量が変化できます。この状態を指して運動量保存則に反していると普通言わない)。

  投稿者:甘泉法師 - 2008/08/09(Sat) 10:04  No.4941 
kafukaさん みなさん 甘泉法師です。次のようにかんがえます。

量子力学的状態と運動量保存則について

Wikipedia での説明
運動量保存の法則(Conservation of momentum)とは、ある系に外部から力が加わらないかぎり、その系の運動量の総和は不変であるという物理法則。

運動量固有状態の重ね合わせ状態 ∫φ(p)|p>dpは運動量保存則を適用する対象でない。
不変である「系の運動量の総和」が測定されていないので。
観測で固有状態|p>にジャンプしてはじめて系の運動量の総和がpと与えられ、外部から力が加わらない系であるならそれ以後は運動量保存則から系の運動量の総和はpで不変。

PS1 運動量の第1種精密観測が不可能らしいことからは、運動量に幅ができ運動量保存則が近似的にしか適用できないか、第2種観測により先の議論での|Pi>でなく バットや磁場など観測装置も関与したプロセスにより|Pf>が出現するわけで事情は複雑そうですが、とりあえず。

PS2
コップと粒子がある。時刻0にはEPRでの粒子のように一体。運動量0。
ある時刻に自発的に2つにわかれ運動する。運動量はわからないが系の運動量の総和は0であるように粒子とコップはentanglement。
状態は ∫φ(p)|粒子p>|コップ -p>dp
粒子を観測し状態が|粒子p>にジャンプすると、あわせてコップも|コップ -p>にジャンプしている。


|--|      |--|
|○|      |○|
|○|      |○|
|○|      |○|
|○|      |○|
|○|      |○|
|○|      |○|
|○|  ←● |○|→   粒子もコップも右往左往
|○|      |○|
|○|      |○|
|○-----------○|
|○○○○○○○○|
-------------------

=甘泉法師=

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/08/09(Sat) 11:40  No.4944 
とりあえず流れをまとめておきます。

まずNo.4932でkafukaさんが

>もし、+PとーPの状態の重ね合わせなら、
測定すると、+PかーPで、期待値は0です。
でもですよ、+PかーPのどちらかを観測した時点で、もう
運動量保存則に反します。

と仰っています。
これは測定の前後での運動量の期待値の変化を不自然に思われて
のことと思います。

それに対しToshiさんがNo.4933で

>箱に閉じこめられてると運動量も角運動量も保存しませんよ。一様性も等方性も成立しないし,もしこれらが保存したらエネルギー保存だけから決まるミクロカノニカルな集団に基づく統計力学も変更しなければなりません。

とお答えになっています。
これは測定以前の閉じ込められた粒子の系の時間発展の話で、
kafukaさんの問いに対する答えにはなっていないと思います。

そこで私はNo.4937で自分の答えを述べています。
私はここで観測装置も組み込んだ系の描像を漠然とイメージし、
(hirotaさん達の列車の議論の影響です)
Toshiさんの発言も箱の壁を観測装置と捕らえればその意味で正しいと
判断いたしました。
例えば、波束が壁に入射するとき、壁は圧力を受けてわずかに移動します。
どれだけ動くかの測定は確率によっています。
(古典論的な見方なので全然厳密ではありません。
実際はまったく違います。簡単のためのイメージです)
この移動に伴い、波のモードによっては反射で強めあったり、弱めあったりします。
その結果波のピークが鋭くなります。

±Pの測定方法については深く考えていませんでしたが、
いかなる測定方法を用いたとしても、等方性は破られます。

また、ASAさんに指摘を受けましたが、運動量保存則を破るというのも
誤解を招く言い方でした。壁と粒子の間での運動量のやりとりがあるため、
壁まで含めれば運動量の総和は保存しています。
私の言いたかったのは壁を背景として見れば、またはどんな運動量測定の手段によっても
それが等方性をやぶるため粒子の運動量が保存しないということです。

No.4941の甘泉法師さんのコメントにも賛成です。

  投稿者:kafuka - 2008/08/09(Sat) 12:29  No.4945 
皆様ありがとうございます。

一晩、愚考しました。その結果、
一般に ΔpΔx≒h
ですが、
この場合のPは、±p =hbar(π / 2L ) で、
Δx≒L
Δp=h/ L
となり、不確定性関係を満たしている。
と考えつきました。
もっとよく考えると
「不確定性関係のため、運動量保存則は、h/Δx 以下については言えない」
とも考えられるのでは、ないでしょうか。
これから、皆様の答えをよく読みます。

ASA様
>壁が粒子に対して運動量を与えたり奪ったりする
ですが、「壁が完全剛体で質量が∞」でもそうなのでしょうか?
この場合「奪って即与える」と思うので、
「与えたり奪ったり」ではないと思います。

甘泉法師 様
>不変である「系の運動量の総和」が測定されていないので。
測定は、されていませんが、実験環境として「運動量の総和」=0 が設定されている
と思います。
(僕がいう系は、列車と同じ速度で動いている系で、列車の各通路を閉して箱にした場合です)
>それ以後は運動量保存則から系の運動量の総和はpで不変
それが、僕はおかしい と感じるのです。
実験環境として「運動量の総和」=0 が設定されてたからです。

多分、僕の理解不足だと思いますので、お教え頂ければ幸いです。

  投稿者:甘泉法師 - 2008/08/09(Sat) 14:35  No.4947 
kafukaさん 甘泉法師です。

>実験環境として「運動量の総和」=0 が設定されている
系、例えば拙前発言PS2のコップと粒子の系ならば、御説のとおり運動量の総和がすでに測定されて(測定値は0)保存されると存じます。ここで、お使いの用語「実験環境」の意味を私がちゃんと理解しているか怪しいですが上の例では「環境」も「環境の中」も一緒くたにして2体問題としてしまっています。

なお拙発言
>運動量固有状態の重ね合わせ状態 ∫φ(p)|p>dpは運動量保存則を適用する対象でない。
は、「「運動量の総和」=0 が設定されて」おらず、この運動量表示波動関数が系の情報のすべてであるような状況についてのものです。


PS ASAさんへのご質問
>相手の質量が∞での完全弾性衝突の場合、
>「与えたり奪ったり」しないと思います。
については、以下が参考になるかもしれません。
 http://letsphysics.blog17.fc2.com/blog-entry-295.html
 引用 限りなく大きな質量×限りなく小さな速度=有限な運動量

=甘泉法師=

  投稿者:kafuka - 2008/08/09(Sat) 14:54  No.4948 
甘泉法師 様
>限りなく大きな質量×限りなく小さな速度=有限な運動量
については、よくわかりました。
ありがとうございます。

僕が言いたかったのは、そいうことではなく、
「奪って即与える」と思ったので、
「与えたり奪ったり」に引っかかったのです。
量子力学的には、
「与える」+「奪う」の重ね合わせ ですね。
粒子のpの期待値は、0で、壁のpの期待値も、0
それで、粒子のpの測定値がPなら、壁の方は、-P となり、
納得です。
「奪って即与える」という描像は、誤りでした。
余談ですが、
大昔、ニュートリノが発見される前、「ベータ崩壊ではエネルギーが保存されない」という説がでました。
(僕が子供の頃、読んだ本には、そう書かれていました)
憶測ですが、
僕と同じように「不確定性原理」を誤解したため、ではないでしょうか?

  投稿者:ASA - 2008/08/09(Sat) 15:16  No.4949 
kafukaさんNo.4945
kafukaさんの問題意識がどの辺りにあるのか良く把握してないので、元の疑問についてのコメントはありません。

>相手の質量が∞での完全弾性衝突の場合、
>「与えたり奪ったり」しないと思います。
この質問に対しては、甘泉法師さんがNo.4947で古典論で答えていますし、量子論的枠組みで考えるなら、甘泉法師 さんNo.4941のPS2の考え方が参考になると思います。

  投稿者:ASA - 2008/08/09(Sat) 15:44  No.4951 
kafuka さんNo.4948
なんとなく疑問点が理解できたような気がします(はずしている可能性は高いですが)。
粒子状態は、<p>=0で定常(時間発展しない)なので、
何時起こったかが意味を成しません。

ようするに>「与える」+「奪う」の重ね合わせ ですね。
なので「奪って即与える」とは限りません。
敢えてイベントの時間順序で表示するなら、
「奪(t=0),与(t=0.1)奪(t=√2)奪(t=1.5)与(t=3.11)与(t=10)」もありえるし、
「与(t=0),奪(t=0.02),奪(t=1.6),与(t=10)」かもしれません。
 こういったことから「与えたり奪ったり」という表現を用いました。
 また、壁と粒子がentangleでトータル運動量が保存しているなら、<{与}壁>=<{奪}粒子>(誤解を与えかねない表現ですみません)。

  投稿者:kafuka - 2008/08/09(Sat) 17:27  No.4952 
ASA 様
ありがとうございました。
>定常(時間発展しない)なので
忘れていました。

系全体では、運動量は保存される で納得しましたが、
>冷蔵庫様のコメント
>運動量±Pをスピン±1/2に置き換えても同様に観測で角運動量保存則を破ります。
の場合、残りの角運動量は、どこに行く
のでしょうか?
「測定器」に行ったら、何を測定してるのか、わからんようになるし、、、
この場合は、開いた系?

  投稿者:kafuka - 2008/08/09(Sat) 23:11  No.4954 
甘泉法師 様

>お使いの用語「実験環境」
すいません、勝手な用語でした。
「実験環境の設定」とは、「新版 量子論の基礎」p103,104の
「状態の用意」のつもりです。

それから、「第一種測定」という用語ですが、
前にあげた amo2007added.pdf p11 によると、
「理想測定」と同義です。また「射影測定」も同義です。

  投稿者:冷蔵庫 - 2008/08/17(Sun) 16:03  No.5012 
おひさしぶりです。冷蔵庫です。
かなり間が開いてしまったのですが、No.4952のkafukaさんのコメントへの返事を書きます。
(スレを分けるか迷ったのですが、今回は分けないことにします)

>系全体では、運動量は保存される で納得しましたが、
>>冷蔵庫様のコメント
>>運動量±Pをスピン±1/2に置き換えても同様に観測で角運動量保存則を破ります。
>の場合、残りの角運動量は、どこに行く
>のでしょうか?

申し訳ないですが、私はミスを犯していました。
測定器(の一部)を含めた系における対称性の破れの一例を挙げたつもりでしたが、
よく考えてみたらそのような例にはなっていませんでした。

なぜなら、測定対象はある方向zのスピンであり、その軸に対する
回転対称性は失われていないからです。

もちろん等方性は失われているので、x軸方向のスピンは保存しませんが、
それは磁場とスピンの相互作用によるものなので、
磁石を含めた系全体では角運動量は保存しています。

ちなみに粒子の軌道運動と磁場の相互作用もあり、粒子の軌道角運動量も系の全角運動量に含まれます。


P.S. 甘泉法師さんのNo.4846の返事ももう少ししたら書きたいと思っています。
遅れてすみません。