EMANの物理学 過去ログ No.4502 〜

 ● 波束の収縮とは何だろうか

  投稿者:HG - 2008/07/09(Wed) 00:05  No.4502 
量子情報科学の進展により、波束の収縮の解明が喫緊の課題になってきました。
今こそ、波束の収縮について議論し合う潮時だと考え、このスレッドを立てました。

議論のとっかかりとして、まず私のアイデアを述べさせていただきます。(恐縮です。)
ただし、私の知識は啓蒙書レベルなので、明らかな間違いはご指摘ください。

測定は、測定装置を用いて行われます。
測定装置の設定は、測定し得る物理量を規定します。
また、その測定装置の設定の原因となった原因事象が必ず存在します。
簡単のため、1回の量子賽投げを原因事象としてその設定が選択されたとしましょう。
この量子賽投げの前には、いろいろな設定の可能性があったといえます。
しかし、ひとたび量子賽投げにより特定の設定が選択されたら・・・
例えば、量子賽投げにより光子の偏極H,Vを測定する設定が選択されたら、
H,V以外の測定値が得られる可能性は当然無くなります。
そこで、H,V設定に関する原因事象が生起する前の光子の状態を
1/√2|H>+1/√2|V>
という純粋状態だとすると、H,V設定に関する原因事象が生起した後の光子の状態は
1/2|H><H|+1/2|V><V|
という混合状態に移行したと考えられます。
なぜなら、H,V設定に関する原因事象が生起した後では、H,Vどちらの測定値を得るかは
未知であるものの、H,Vいずれかの測定値が得られることは確定しているからです。
相対論を考慮すると、測定対象の状態が測定装置の設定に対応する混合状態として
表せるのは、測定装置の設定の原因事象を頂点とする未来光円錐の内側だという
ことになります。
(補足ですが、上記の混合状態は測定装置の設定から導かれるものなので、
測定値の取得時に混合状態の分解の非一意性が問題になることはありません。)

結論として、
波束の収縮とは、測定対象が「測定装置の設定の原因事象を頂点とする未来光円錐」
へ進入することにより純粋状態から混合状態へ移行することである
といえます。

波束の収縮に的を絞ったフォーラムが展開されることを期待しております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

  投稿者:hirota - 2008/07/09(Wed) 09:49  No.4504 
問題設定の意味が分かりません。
H,Vを測定することに決めたから状態が移行するようですが、測定直前に別の測定に変更した場合はどうなるんですか?
変更できないのだとしたら、それは物理的にどういう状況ですか?

  投稿者:HG - 2008/07/09(Wed) 20:34  No.4509 
hirotaさん
>H,Vを測定することに決めたから状態が移行するようですが、測定直前に別の測定に変更した場合はどうなるんですか?

ここで、原因事象とは真の原因事象を想定しています。
ですから、原因事象から測定装置の設定までの過程は決定論的で、変更の余地はありません。

>変更できないのだとしたら、それは物理的にどういう状況ですか?

原因事象から測定装置の設定までの過程は、ドミノ倒しにたとえることができると思います。
人が介入する場合、その人もまたドミノにすぎません。

  投稿者:hirota - 2008/07/11(Fri) 10:54  No.4516 
>ドミノ倒しにたとえる
ドミノ倒しなら、決定論的であっても変更の余地があるでしょう。
変更の余地がない状況の具体例を教えてください。

  投稿者:HG - 2008/07/11(Fri) 21:21  No.4521 
hirotaさん
>変更の余地がない状況の具体例を教えてください。

真の原因事象の生起は、同時に結果事象の確定をも意味しています。
ですから、真の原因事象は変更の可能性を完全に排除します。
多分、hirota さんは、ある事象が真の原因事象であることをどうやって
保証するかをお尋ねなのだと思います。
実際、何が真の原因事象なのかを特定することは大変困難だと思います。
しかし、だからといって真の原因事象を想定することができないというわけ
ではありません。
というよりむしろ、私はNo.4502のアイデアの検証こそが、
真の原因事象(変更の余地のない状況)の特定につながると考えています。


  投稿者:HG - 2008/07/13(Sun) 11:21  No.4547 
波束の収縮を力学的に導出しようとする試みは、ローレンツ不変を力学的に導出
しようとした試みのように、最終的には放棄されるのではないかと感じています。

波束の収縮は、「測定系の因果関係」と「測定対象の量子状態」との相対性の表れ
ではないでしょうか。(→No.4502)

経験則である因果律を、一定の条件のもとに成り立つ物理法則としてとらえなおし、
因果律と相対論と量子力学の3者の関係性から波束の収縮を導き、検証できれば、
本源的に時間非対称な物理観に立脚した新たなパラダイムが開かれるのではないか
と期待しています。