EMANの物理学 過去ログ No.4436 〜

 ● 相対論でのポテンシャルエネルギーの計量

  投稿者:寝不足 - 2008/07/03(Thu) 23:47  No.4436 
最近、あるきっかけで、量子力学のことを調べ始めて、止まらなくなりまして、勢いあまって相対論まで手を出しました。

それで、ポテンシャルが相対論的エネルギー規模になるとき、
E^2 に対するポテンシャルエネルギー V の寄与は、2mc^2 V になるべきだ、
という結論に達しました。
つまり、
E^2 = m^2 c^4 + c^2 p^2 + 2 m c^2 V
ということです。
Vは普通は負値で、例えば、重力の場合、 V = -G M m / r となります。

普通は、
(E - V)^2 = m^2 c^4 + c^2 p^2
としているみたいなんですが、説明つきで「こうなるのだ!」という記述は、
僕が薄学なため見つけられていません。

E^2 = m^2 c^4 + c^2 p^2 - 2 m c^2 GMm / r
で計算すると、シュバルツシルト半径はp=0でE^2>=0という条件から
瞬時に求まります。重力は相対論から導かれるわけで、このような簡単な
計算でシュバルツシルト半径が求まることに、違和感を感じますけど。

また、クライン・ゴルドン方程式から出発して、おなじみのシュレディンガー方程式に達します。
しかも、ちょっとした定義の修正だけで、両者は「厳密に」一致します(逆空間では)。
実空間に持ってくるときに、ローレンツ変換を考慮して空間・時間が縮みますが、重要な問題ではないはずです。

というわけで、状況証拠をみると、ポテンシャルを2mc^2 Vの形でE^2に加算すると
いろいろ良いこと尽くめのようです。

ディラック方程式だと、単にE-V-cα・p-βmc^2=0考えているものが多く、
問答無用でVとEに加法則を認めているように思います。
しかし、相対性理論によると、エネルギーの加法則はE^2にあるのであって、Eでの加法則は
近似に過ぎないわけです。だから、僕は、E^2に真の加法則があると仮定し、
このような結果を得ました。ポテンシャルエネルギーと相対論的なエネルギーに加法則が
あるのかないのか、そういう議論は無価値なのか、間違っているのか、
どなたか相談に乗っていただけると、ありがたいです。気になって眠れません。


  投稿者:sym - 2008/07/04(Fri) 11:23  No.4442 
こんばんわ。

全エネルギーEからポテンシャルエネルギーVを引いた分のエネルギーE0は、
E0 = E - V = ( m^2 c^4 + c^2 p^2 )^1/2  (1)
です。ここで、
(E - V)^2 = E^2 - 2 V E + V^2 (2)
の第2項のEに(1)式を代入すると
2 V E = 2 V (E0 + V)
= 2 V E0 + 2 V^2 (3)
なので、(3)式を(2)式へ代入すると、
(E - V)^2 = E^2 - V ( 2 E0 + V ) (4)
結局、
E^2 = E0^2 + V ( 2 E0 + V )
となります。

また、p=0なら、
(E - V)^2 = m c^2
E^2 = m c^2 + 2 m c^2 V + V^2
V^2を無視すると、
E^2 = m c^2 + 2 m c^2 V
となります。

  投稿者:ASA - 2008/07/04(Fri) 18:50  No.4444 
symさん
p=0などの条件をつけずに

普通の式
>(E - V)^2 = m^2 c^4 + c^2 p^2
無次元で
{(E - V)/mc^2}^2 = 1+ (p/mc)^2

(V/mc^2)^2が無視できるなら、
直ちに寝不足さんの式
>E^2 = m^2 c^4 + c^2 p^2 + 2 m c^2 V
を得ます。

  投稿者:寝不足 - 2008/07/04(Fri) 23:06  No.4449 
いろいろありがとうございます。ちょっとは寝不足から開放されるかも。

(E-V)^2=m^2 c^4 + c^2 p^2 (1)

E^2 = m^2 c^4 + c^2 p^2 + 2 m c^2 V (2)
は、非相対論的な極限で同じである、ということはわかりました。
僕のあてずっぽうは無茶な話ではないけど、近似だぜ。という指摘なんですよね。

でも、楽観的に
(1)のようにVとEに加法性があるがあるとしても、
(2)のようにVとE^2に加法性があるとしても
ほとんどの物理は同じように記述される、と考えて、
(2)でも良いかもしれない、と考えるのは、無理があるんだろうか?

相対性理論は、Eは保存量ではないといっているのに、
(1)においてVに関してはEが保存量のように取り扱うのは
なにか根拠があるのだろうか?というのが僕の素朴な疑問なのです。

極論すると、なにが保存されるのか?という疑問です。

(1)では、E^2が最終的な保存量だが、ポテンシャルに関してはEが保存量だ、という立場です。
複雑ですが、古典的なエネルギー保存則を尊重していて、受け入れやすいものです。
一方、(2)は、E^2が保存量でEに関しては、保存量ではないという立場です。
僕はとりあえず、古典的なエネルギー保存則と矛盾しない形で、VをE^2保存則に組み込めないか試したので、
(2)は、古典的なエネルギー保存則に近いのです。
一見、Eの加法性を無視していて、奇妙です。でも運動エネルギー項も
c^2 p^2ってかなりラディカルですから、E^2の世界なら、ありえないわけではないと思います。

実際、(2)は、Vに対するEの加法性(古典的なエネルギー保存則)を否定することにはなりません。

(2)の両辺を2mc^2で割りますと、
(E^2-m^2c^4)/(2mc^2) = p^2/ (2m) + V    (3)
という式を得ます。E^2は保存量でしたから、左辺は保存量です。つまり、
運動エネルギーとポテンシャルが厳密に保存します。左辺はおおよそ(E - mc^2)で
質量のエネルギー寄与を考えない古典的なエネルギー保存の式であると考えられます。

つまり、僕らは古典的なエネルギーとの対応を相対論的エネルギーの平方根、
sqrt( E^2) = √(m^2 c^4 + c^2 p^2) 〜 mc^2 + p^2 / (2m)
で、考えるように教えられ、古典的なエネルギー保存は正しくないと理解したわけですが、
実は、(3)が古典的なエネルギー保存の式であって、それは厳密に正しいのかも
しれない、というのは、「あり」かもしれない、と思うのです。
ちなみに、(3)で、時間非依存のハミルトニアンは、普通のシュレディンガー方程式ですから、
水素様原子モデルの結果は、相対論を考慮してもしなくても同じです。ローレンツ因子は
組み込まれてますけどね。

(1)に比べると、(2)では(V/mc^2)^2を無視していることになる、というご指摘はそういったことと
対応していて、実は(2)の方が相対論における高次項を無視しており、古典論に近い
ということなんだと思います。(2)はむしろ、古典論そのものなのかもしれません。

あるいは、僕らが知っているVの表式は非相対論的な極限であって、
違った形式のVが存在し、(2)とは違った形式で、E^2の保存則があるのかもしれません。
そういう可能性はないんでしょうか?