EMANの物理学 過去ログ No.3928 〜

 ● 無題

  投稿者:Stromdorf - 2008/05/16(Fri) 06:50  No.3928 
 まじめな話、ある系 α の変化が等温変化であるとは、別のある系 β が存在して、その合成系 α+β が平衡状態にあって、かつ断熱準静変化をし、かつ α+β の温度が一定であることを意味します。この β をしばしば「熱浴」と呼ぶわけですね。

P.S. ちなみに言わずもがなのことかもしれませんが、「断熱過程」というのは熱量の出入りが無い状態(すなわち d'Q = 0 を満たす変化)とイコールではないことに注意する必要があります。
 もちろん前者なら後者ですが。
 後者なのに前者でない例としては、例えば温度一定の気体が入った箱の左壁を暖めながら、同時に箱の右壁を冷やして、全体として熱の出入りが ±0 になっているような場合です。
 この場合、箱の中は温度一定の状態というエントロピーが大きい状態から、左の方が暖かく右の方が冷たい温度不均一のエントロピーが小さい状態に変化しますから、もしこれが断熱変化だとしたら第二法則に反してしまいます。
 断熱変化というのは、あくあで局所的にも熱の出入りが無い(いわゆる断熱壁で外界と熱の出入りを遮断した)場合の変化を言います。

  投稿者:sym - 2008/05/17(Sat) 01:12  No.3929 
>まじめな話
 熱力学の数理的な話ならば、それで良いと思いますが、熱力学の物理を考えると、それでは不十分かなと感じます。
 現実の物理系を思い出してみると、等温と断熱を分ける境目は、系が変化する時間にあることがわかります。着目系とその周りの系の間の熱の伝わる速さに比べて、十分遅い過程を等温過程、十分速い過程を断熱過程と呼びます。
 それで熱浴とは何かという答えを聞いて、こうした現実の物理の考察が書かれていないのは、ちょっと味気ないかなと思いました。では、熱浴とはどんなものなんだ、と聞かれてしまうと、私の答えとしては、「あまり考えなくて良いもの」という消極的なものしかないので、申し訳ないかぎりなんですが、何か一言いっておきたかったのでした。

 一言と言いつつ、もう一つも言わせてください。
 私は断熱過程と熱量の出入りが無い状態はイコールだと思います。TOSHIさんの言葉を聞いたとき、私も違和感があったんですが、結局、私の認識の方がおかしかっただけでした。
 ある系に熱量の出入りがない場合というのは、断熱壁で完全に外界と遮断した場合に限られます。証明は思いつくことができないのですが、その理由としては、熱Qが可観測量ではないということで十分だと考えています。
 例として出されている、
>温度一定の気体が入った箱の左壁を暖めながら、同時に箱の右壁を冷やして、全体として熱の出入りが ±0 になっているような場合
などでは、出入りする熱量を直接(あるいは間接的に)測ることができないため、熱の出入りがゼロである、と認めることはできないと思います。熱の出入りがゼロであると、はっきり言えるのは、系を断熱壁で囲った場合だけです。

  投稿者:ASA - 2008/05/17(Sat) 07:53  No.3930 
Stormdorfさんの話は、物理的に意味の無い場合が多いのですが、この件
>温度一定の気体が入った箱の左壁を暖めながら、同時に箱の右壁を冷やして、全体として熱の出入りが ±0 になっているような場合

 は、普通、熱流があるケースとして扱います。
 熱伝導方程式やら状態方程式やら流体方程式など連立させて解を求めるケースです。

 熱力学の対象でないものを引き合いに出して、熱力学上の用語を説明するのは変だなといつも感じてます。



  投稿者:Stromdorf - 2008/05/17(Sat) 11:15  No.3934 
synさん

>>温度一定の気体が入った箱の左壁を暖めながら、同時に箱の右壁を冷やして、全体として熱の出入りが ±0 になっているような場合
>などでは、出入りする熱量を直接(あるいは間接的に)測ることができないため、熱の出入りがゼロである、と認めることはできないと思います。

 計ることができない、ということはないでしょう。
 例えば接触させた熱源がヒーター立ったりする場合、消費電力を測定するとかで、「接触した熱源のエネルギー消費量」を測ることでいくらでも測定の方法はあります。
 で、どういう場合に「断熱変化」と「d'Q = 0」が同じ意味になるかというと、典型的なのが、準静変化の場合です。
 準静変化の場合は d'Q = 0 なら断熱変化です(正確に言えば、考察している系が断熱変化の場合と同一の状態変化をします)。

  投稿者:ASA - 2008/05/18(Sun) 11:48  No.3937 
>消費電力を測定するとかで
 一定の熱抵抗を持つ物体を熱源と系との間にはさんで、温度差から熱流量を計測するのが一般的で、消費電力からは求められません。
ということで
>測定の方法はあります。
これは正しいです。

誤解を招くのが
>「断熱変化」と「d'Q = 0」が同じ意味になるかというと、典型的なのが、準静変化の場合
で、
 一般に熱力学で扱える系なら「断熱変化」と「d'Q = 0」は同じ意味です。

 系が一定温度Tの熱浴に浸っていることを想定します。この系の内部に温度差があるときは、系内の温度低い所に熱が外部から流入し、系内で温度高い所から外部へ熱が逃げていく。
 これは、系内で温度高い所から低い所への直接の熱流があるのと等しいわけです。系自身は、断熱変化です。
 熱浴のない一般の場合でも系内に熱流ができると看做すことで「断熱変化」となります。

しかし、その変化は、通常熱流に陽に依存するので、平衡状態の熱力学では扱いません。

 

  投稿者:ASA - 2008/05/18(Sun) 12:19  No.3939 
自己フォローです。
注意点を記します。
一般に「断熱変化」=「d'Q = 0」
ですが
一般に
「断熱変化」≠「等エントロピー変化」
なぜなら
断熱d'Q = d'Q_1+d'Q_2=0,での
エントロピー変化は、d'S=d'Q_1/T_1+d'Q_2/T_2。
等号が成立するのは、T_1=T_2
全て同じ温度での熱流の場合だけです。
つまり熱浴に浸っていると看做せるケースでのみ、
「断熱変化」=「等エントロピー変化」
です。

  投稿者:ASA - 2008/05/18(Sun) 19:05  No.3940 
つづきです。
>箱の中は温度一定の状態というエントロピーが大きい状態から、左の方が暖かく右の方が冷たい温度不均一のエントロピーが小さい状態に変化しますから、もしこれが断熱変化だとしたら第二法則に反してしまいます。
 第二法則を勘違いするとこのような変な展開にになります。
このような系では、高温熱源からの熱の流入に伴う受領エントロピーと低温熱源への熱の流出に伴う破棄エントロピーとを比較すると、破棄エントロピーの方が絶対値が大きいので、両者の合計エントロピー変化は負となり、系のエントロピーが減少します。決して第二法則に反しているわけではありません。

  投稿者:Stromdorf - 2008/05/19(Mon) 07:06  No.3942 
>No.3940

>>箱の中は温度一定の状態というエントロピーが大きい状態から、左の方が暖かく右の方が冷たい温度不均一のエントロピーが小さい状態に変化しますから、もしこれが断熱変化だとしたら第二法則に反してしまいます。
> 第二法則を勘違いするとこのような変な展開にになります。

 断熱変化という言葉の定義が食い違っているのでしょうか?
 私は「断熱変化」という言葉を「孤立状態に置いた場合の変化」の意味で使っているのですが、ASAさんは「他の系と熱的な接触はしていてもかまわないが d'Q = 0 であるような変化」という意味で使っているのでしょうか?
 この2者は明確に違う概念である、ということを私は説明しているのですが。

  投稿者:ASA - 2008/05/19(Mon) 11:33  No.3944 
Stromdorfさんの定義が変であるか、熱力学的に無意味という指摘です。

Stromdorfさんの考えでは、合成系 α+βにおいてβが熱浴という熱源を系内に取りこんでいてもOKです。

>「断熱変化」という言葉を「孤立状態に置いた場合の変化」の意味で使っているのですが、
>d'Q = 0 であるような変化」
>この2者は明確に違う概念である、ということを私は説明しているのですが。

 確かに違う概念です。
 合成系 α+β+γを「孤立状態に置いた場合の変化」を考えます。
α:温度一定の空気、β:高温熱源(ソース)、γ:低温熱源(シンク)
 
 この合成系内での熱収支がバランスしている状態「d'Q = 0」 を考えます。
 合成系をただ「孤立状態に置いた場合」とは、違います。

 合成系を「孤立状態に置いた場合」で熱収支がバランスしてない場合でも、Stromdorfさんの定義では「断熱変化」ですが、自分は「断熱変化」と定義しないだけです。

 どちらが物理的に自然であるか、自明と思われます。

  投稿者:ASA - 2008/05/25(Sun) 13:44  No.3953 
 >箱の中は温度一定の状態というエントロピーが大きい状態から、左の方が暖かく右の方が冷たい温度不均一のエントロピーが小さい状態に変化しますから、もしこれが断熱変化だとしたら第二法則に反してしまいます。

No.3944に示した合成系α+β+γ
α:温度一定の空気、β:高温熱源(ソース)、γ:低温熱源(シンク)
で考えてみます。

熱源の温度は変化しない熱浴とします。
この合成系では、温度が不均一なのでエントロピーが小さい状態といえます。
さて、熱の伝導により空気の温度が変化する場合、この系の熱力学的エントロピー変化を考えます。
 高温熱浴(温度T+δT1)と空気(温度T)とでδT1の温度差がある場合、移動した熱量をdQとするとその部分での熱力学的エントロピー変化dSは、
dS=dQ(1/T-1/(T+δT1))>0
 と必ず正になります。
同様に低温熱浴(温度T-δT2)のケース同様に考えるとトータルの合成系の熱力学的エントロピー変化量は
dS=dQ(1/(T-δT2)-1/(T+δT1)) 
これも正であります。
熱浴と接する空気の温度が熱浴の温度と等しくなるまで、正の値が続き、空気の温度が熱浴の温度と等しくなると変化量は0になります。

 結局熱力学的エントロピー変化量は正となりますので第二法則に反していません。

 断熱でも系内で熱拡散があるとき系の熱力学的エントロピーが増加します。

  投稿者:ASA - 2008/05/25(Sun) 14:08  No.3954 
 次に合成系α+β+γで、α、β:ソース、γ:シンク とも温度Tで一定温度であるがβ→α→γへの熱流があるケースを考えます。
 具体的には、αが、1気圧100℃の水で気体と液体の2相が混在しているケースなどです。
 液体面がβと接触していて熱を受け取り、そこで気化します。
 気体面は、γと接触していて放熱し、そこで液化します。
熱収支は、バランスしているので、気化量と液化量は等しく、
その割合は一定です。
 熱力学的なエントロピー変化量は0であるので、平衡状態といえます。
 この合成系は、αが断熱状態で孤立している場合(熱流なし)と変わりありません。

 熱力学で云々できる系では、 symさんの
 >私は断熱過程と熱量の出入りが無い状態はイコールだと思います。
 は、間違いありません。

逆に、Stromdorfさんの概念的に区別されるという見解は、間違いです(問題を複雑化させるだけでメリットがありません)。

  投稿者:kara - 2008/05/25(Sun) 14:23  No.3956 
こんにちは。
横から失礼します。

ASAさんの、No.3937の、 

>一定の熱抵抗を持つ物体を熱源と系との間にはさんで、温度差から熱流量を計測するのが一般的で、消費電力からは求められません。

は、なぜ求められないのかがよく分らないのですが、なぜなのでしょう?

  投稿者:ASA - 2008/05/25(Sun) 15:12  No.3957 
 ヒートシンクによる放熱で系が熱を奪われるとき、ヒーターの消費電力からどうやって熱流を求めるのですか?

 一般に熱源が電気ヒーターとは限りません。燃焼のような化学反応もあります。

 また、高温熱源として電気ヒーターを用いたとしても、発生した熱を系が全て吸収するとは限りません。
 
 電気ヒーターの消費電力で系への熱流を計測したことがあるのでしょうか?精度に欠ける気がしますけど。

  投稿者:kara - 2008/05/25(Sun) 15:55  No.3958 
ASAさん

お返事ありがとうございます。

>また、高温熱源として電気ヒーターを用いたとしても、発生した熱を系が全て吸収するとは限りません。

理想的な断熱手段で、熱浴を構成する媒体の熱のやり取りをヒーターと系との間に限れば大丈夫だけれども、そういう断熱が実際上困難だということですね?

>電気ヒーターの消費電力で系への熱流を計測したことがあるのでしょうか?

ありません。

  投稿者:Stromdorf - 2008/05/27(Tue) 05:25  No.3972 
何か誤解があるようなので一言言わせてくださいね。

>No3953
> 結局熱力学的エントロピー変化量は正となりますので第二法則に反していません。

 α:温度一定の空気、β:高温熱源(ソース)、γ:低温熱源(シンク)の合成系α+β+γ を考えればエントロピーが増大しているのは当たり前で、そんなことを主張しているのではありません。
 私が前発言で主張したのは、「系α に 系β から熱量 Q を得、同時に 系γ から -Q を得れば、系 α に対しては d'Q = 0 となるが、系α のみを単独で切り離して考えた場合、系α の変化は断熱変化ではない」という主張です。

 断熱変化というのは、あくまで「断熱壁」等により他の系と熱的に遮断されている場合の変化(正確に言えば、そのような変化と同一の変化)のことです。
 ここで括弧書きを入れたのは、例えば d'Q = 0 を満たすような等温準静変化の場合、熱的には遮断されていませんが、このような系 α の変化は、系 α のまわりを断熱壁で囲んだ系を α' とするとき、定義から明らかに 系α' は断熱変化ですが、系α の変化が 系α' の変化と(それ自体を観測したとき)同一の変化になるので、α も断熱変化になるわけです。
 これはまさに、No3954 で取り上げている、「液層と気層の混合系 α と液層に接する系 β と気層に接する系 γ の合成系 α+β+γ 」がその例に該当しています。

  投稿者:Stromdorf - 2008/05/27(Tue) 05:31  No.3973 
 また誤解を受けるといけないので、再度修正と補足です。
 前発言の

-----------------------------------------
 私が前発言で主張したのは、「系α に 系β から熱量 Q を得、同時に 系γ から -Q を得れば、系 α に対しては d'Q = 0 となるが、系α のみを単独で切り離して考えた場合、系α の変化は断熱変化ではない」という主張です。
-----------------------------------------



-----------------------------------------
 私が前発言で主張したのは、「系α が 系β から熱量 Q を得、同時に 系γ から -Q を得れば、系 α に対しては d'Q = 0 となるが、系α のみを単独で考えた場合、系α の変化は断熱変化ではない」という主張です。
-----------------------------------------

「切り離して」と書くと、「熱的に切り離して」と誤解されるといけないので外しました。これは「系α は他の系と熱的に接触しているが、その状態のもとで、系α のみを考察の対象にすれば」という意味です。


  投稿者:ASA - 2008/05/27(Tue) 07:49  No.3975 
>私が前発言で主張したのは、「系α が 系β から熱量 Q を得、同時に 系γ から -Q を得れば、系 α に対しては d'Q = 0 となるが、系α のみを単独で考えた場合、系α の変化は断熱変化ではない」という主張です。

 だから、熱力学の範囲では、実質変わらないので意味の無い主張ですよ。

系のαの温度をT、その比熱をCとすれば、
変化後の温度T'は、T'=T+Q/C
Q=0なので、温度は変化しない。
つまり、熱力学的には変わらない。

普通、dQ=0なら、「断熱過程」として扱います。

  投稿者:sym - 2008/05/27(Tue) 15:10  No.3980 
 少しあいだが開いてしまいました。StromdorfさんとASAさんとで議論が交わされていますが、ASAさんのコメントを参考に私の言葉でまとめてみようと思います。

>温度一定の気体が入った箱の左壁を暖めながら、同時に箱の右壁を冷やして、全体として熱の出入りが ±0 になっているような場合

 考えているのは、この箱ですね。ここで、箱には熱の出入りがなく、箱の内部にマクロな流れもないのならば、これを断熱壁で囲ったとしても、何も変わらず、どんな変化も見られないはずです。何も変わってないのだから、もちろんエントロピーの変化もありません。
 しかしStromdorfさんは、

>箱の中は温度一定の状態というエントロピーが大きい状態から、左の方が暖かく右の方が冷たい温度不均一のエントロピーが小さい状態に変化します

と言っています。箱の中の温度分布が見えているわけですね。温度分布が見えるというのは、この箱を単純な1つの系だとみなしていないということです。
 一つ一つの系が温度一定となるように箱を輪切りにします。輪切りにした系をすべて集めた複合系が箱です。系と系のあいだには仮想的な断熱の仕切り板があり、隣り合う系は少しだけ温度が異なるとします。
 
 箱を断熱壁で囲むと、仕切り板が消え、すべての系のエントロピーを合わせた全エントロピーは確かに増加します。

 結論が2つ出ました。片方はエントロピー変化はない、もう片方はエントロピーは増える、といっています。これらは相反する結論でしょうか。現実の物理を考えれば、これら二つはそんなに違ったものではないということがわかると思います。

 エントロピーの変化量は小さいはずです。箱が十分に大きければ、箱の壁際を除く大部分の気体温度が一定であるから、ほぼ何も変わらないといえます。

 もっと強く、この過程の前と後の箱の状態の区別がつかないということもいえると思います。違いを検出できなければそれは同じ状態です。2つの状態で異なるのはエントロピーですが、どうしたら変化量を測定できるか、私にはわからないのです。

 dQ=0なら断熱というのは、これで良いと思います。ただ、先の私の発言の意図は、区別がつかない、ということではなく「どんな操作を行っても束縛条件としてdQ=0を満たすよう、系を拘束するには、系を断熱壁で囲むしかない」ということでした。

-------------------------------------------------------

ASAさん、
聞きたいことが2つあるのですが、良いでしょうか。

>一定の熱抵抗を持つ物体を熱源と系との間にはさんで、温度差から熱流量を計測する

 よく知らないので、この方法でどの程度の精度で「気体」への熱流量が測れるのか疑問です。液体や固体ではなく気体への熱流量を本当にこの方法で測っているんでしょうか?

もう1つはNo.3939で述べられていることです。異なる温度の熱流というものを、どういう背景で考えておられるのでしょうか?よくわからず、気になっています。同じときに同じ系への熱流ならば、温度Tは必ず等しいと思います。

言いたいことを全部つめたら長くなってしまいました。長文、失礼しました。

  投稿者:ASA - 2008/05/27(Tue) 19:21  No.3981 
symさん
ASAです。
>気体への熱流量
 自由な状態の気体を想定しておりません。容器中の気体を想定してます。
 具体的には、http://www.senstech.jp/03netsuryu/01micro/index.htmlのような薄膜熱流束センサーをイメージしてます。

>異なる温度の熱流というものを、どういう背景で考えておられるのでしょうか?
>箱の中は温度一定の状態というエントロピーが大きい状態から、左の方が暖かく右の方が冷たい温度不均一のエントロピーが小さい状態に変化します
というStromdorfさんの前提条件が背景です。
 このような変化を起こすためには、高温の熱源と低温の熱源が必要です。

話が変わりますが、No.3975で比熱一定の気体で考えましたが、より一般的に考察してみました。
単独の系αのみを注目し、体積一定の元で、熱流の有無による違いのみを熱力学的に考察してみます。
熱力学第一法則より、一般に内部エネルギー増分dU=dQ+pdV、体積一定なのでdV=0。
また、熱流でその収支バランスが取れている状態ならばdQ=0。従って、dU=0。
つまり、熱流が存在するようになった後でも、熱流の存在しないときと内部エネルギーUは変わらない。
 一定体積の系αが熱平衡状態であるとき、その内部エネルギーUは温度Tの関数で示され(状態方程式を前提)、これをU=f(T)とします。
 これより、熱流の存在しないときの系の温度T_0と熱流が存在するときの温度T_1は、等しいことが示されます。
 このように熱流があるときとないときで状態量が変わらないことが示せますので、系α単独でdQ=0なら熱流が有っても熱力学的に「断熱」としてよいことがわかります。
 言い換えれば、dQ=0の熱流が有る場合、熱力学的に「断熱」と呼ばないことは間違っているわけです。

  投稿者:kara - 2008/05/27(Tue) 20:06  No.3982 
ASAさん

系αは内部に熱流があって、一般には温度が不均一な状況(左の方が暖かく右の方が冷たい温度不均一の など)を考えているかと思いますが、そのときに、U=f(T)のTは何ですか?

  投稿者:ASA - 2008/05/27(Tue) 21:23  No.3983 
ある系の内部エネルギーUが一定であるとき、十分に時間がたてば粘性や熱伝導等の影響により熱平衡状態が実現される。また、そのときには熱平衡の指標である温度Tが定義できる(無論系内は均一温度)という熱力学上の前提を用いているので、「一般には温度が不均一な状況」は除外されます。

  投稿者:ASA - 2008/05/27(Tue) 21:54  No.3984 
補足です。
 非常に特殊な系で、例えばものすごく長い1次元系で片方の端に熱を与え他方から熱を奪うケースで、なおかつ熱抵抗が無視できないときは、温度勾配が出来ますね。
 しかし、熱源の温度が系の元の温度T_0とあまり違わないとすれば、熱流がある場合でも、平均温度が定義できて、T_1=T_0+δTとなり、δTは無視できるオーダーを取りえるので、実質T_1=T_0とみなせます。または、系を細分することで局所的な温度T_lということでも定義できますね。
 この辺は、流体素片内で状態方程式が成立するのと同様の考え方です。

  投稿者:ASA - 2008/05/27(Tue) 22:02  No.3986 
続き
 熱源の熱容量の制約から、熱が尽き果てるまで十分に時間をおけば、熱源の温度が系の元の温度T_0とあまり違わない状態が実現します。

  投稿者:sym - 2008/05/27(Tue) 23:09  No.3988 
>薄膜熱流束センサー
こんなものがあったんですね。
勉強になります。
ただこれは、想定している定常状態の熱流を測るものではないような気がしますが、それは、気にせずにおこうと思います。

>自由な状態の気体を想定しておりません。容器中の気体を想定してます
気体ではなく壁への熱流量を測るということですか。これでは気体への熱流量を精確に測ることはできないですよね?

>異なる温度の熱流
うーん、ASAさんの「エントロピー」の認識に問題があるように思えます。No.3939の、
>d'S=d'Q_1/T_1+d'Q_2/T_2
のSは何でしょうか?
温度勾配があるときにエントロピーをどう定義するのが良いのか確信はありませんが、No.3980でしたように温度一定の部分系に分け、個々の部分系のエントロピーの合計で、全エントロピーを定義するのが良さそうに思えます。

  投稿者:Stromdorf - 2008/05/28(Wed) 07:11  No.3989 
>synさん

>箱の中の温度分布が見えているわけですね。温度分布が見えるというのは、この箱を単純な1つの系だとみなしていないということです。

 それはちょっと違うでしょう。
 「箱の中の温度分布が見えている」というより、その箱という系において「その系の温度」なるものが定義できない状態、言い換えると「非平衡な系」になっているわけで、単に平衡状態ではないが「単純な1つの系」であることにかわりはないです。

> 一つ一つの系が温度一定となるように箱を輪切りにします。輪切りにした系をすべて集めた複合系が箱です。系と系のあいだには仮想的な断熱の仕切り板があり、隣り合う系は少しだけ温度が異なるとします。
 
> 箱を断熱壁で囲むと、仕切り板が消え、すべての系のエントロピーを合わせた全エントロピーは確かに増加します。

 何で箱を断熱壁で囲むと仕切り版が消えるんでしょうか?
 「仮想的な断熱壁を除去すると、全体が一つの平衡状態に向かって移行する」というならわかりますが。

  投稿者:Stromdorf - 2008/05/28(Wed) 07:21  No.3990 
>ASAさんの No3975

>系のαの温度をT、その比熱をCとすれば、
>変化後の温度T'は、T'=T+Q/C
>Q=0なので、温度は変化しない。
>つまり、熱力学的には変わらない。

 ですから、この例の場合、「系α の温度」なるものが定義できないわけです。
 なぜなら系αは、その左側が暖かく、右側が冷たくなっているのですから。
 一律の温度が定義できないということは、すなわちその系の温度なるものが定義できないということです。

>普通、dQ=0なら、「断熱過程」として扱います。

 各時点が平衡状態であるような変化、すなわち準静変化においては断熱過程であることと d'Q = 0 であることは同値になります(これは熱力学の公理的定式化においては数学的に証明できます)。
 しかしながら、この例の系αのように、非平衡状態の場合も含めると、d'Q = 0 だからといって断熱過程であるとは限りません。逆は必ず成り立ちますが。

  投稿者:Stromdorf - 2008/05/28(Wed) 07:24  No.3991 
訂正です。

誤)
 一律の温度が定義できないということは、すなわちその系の温度なるものが定義できないということです。


正)
 一律の温度が定義できないということは、すなわちその系が非平衡状態にあるということです。

  投稿者:ASA - 2008/05/28(Wed) 07:35  No.3992 
>これでは気体への熱流量を精確に測ることはできないですよね?
熱流束は連続なので、薄壁なら問題なし(普通の壁なら、壁内で熱が仕事に変化することはない)。容器をセンサで覆い尽くせば精密測定ができます。


>No.3980でしたように温度一定の部分系に分け、個々の部分系のエントロピーの合計で、全エントロピーを定義するのが良さそうに思えます。
 Sは、部分エントロピーの和です。 そのようにしてます。
T_1=T+δTの区間、T_2=T-δTの区間、中間の区間は、熱平衡で温度一定、かつ熱収支バランスが取れているのでカウントしなくて良い。従って全エントロピー増分は、温度差があるとみなせる区間(部分)の和である
>d'S=d'Q_1/T_1+d'Q_2/T_2
と考えられる。
より精密に議論するなら、温度勾配に対して連続近似し積分していけばよいと思われますが、上の式はエントロピー変化が負になることを示す大雑把な議論のためなので正直突っ込まれると自信ありません。

  投稿者:ASA - 2008/05/28(Wed) 07:52  No.3993 
Stromdorf さん No.3990
>>つまり、熱力学的には変わらない。
> ですから、この例の場合、「系α の温度」なるものが定義できないわけです。
karaさんから既に突っ込まれましたけど。
ここで「熱力学的」と断っているのは、狭い意味の用法で平衡状態を示しています。
No.3983、No.3984、No.3986での「熱力学上の前提」やら「十分長い時間」とかδTがほとんど0をとれる(準静的温度変化)などの意味を読み取ってください。

>>普通、dQ=0なら、「断熱過程」として扱います。
>d'Q = 0 だからといって断熱過程であるとは限りません。
 数学の話でなく、物理の話をしているのです。
d'Q = 0で断熱過程でないケースを具体的に示して物理的意味を明確にしてくれませんか(別スレの流体素片の話などを参考に)。

  投稿者:ASA - 2008/05/28(Wed) 08:08  No.3994 
 補足
>一律の温度が定義できないということは
温度勾配が存在しても、時間的に変化しなければ定常として扱えます。
そして、系内の温度勾配が少ないときは、平均の温度を系の温度として採用して問題ありません(熱平衡といっても元々揺らぎが不可避ですから)。


  投稿者:sym - 2008/05/28(Wed) 10:18  No.3996 
>Stromdorfさん
No.3989に対する反論はないです。

>ASAさん
えーと、
>d'S=d'Q_1/T_1+d'Q_2/T_2
だということは、つまり、この定常状態にある系のエントロピーは減り続けると言っているのですか?

  投稿者:ASA - 2008/05/28(Wed) 18:32  No.3998 
symさんNo.3996
>>d'S=d'Q_1/T_1+d'Q_2/T_2
>だということは、つまり、この定常状態にある系のエントロピーは減り続けると言っているのですか?
違います。
この式は、ある系αが熱源β(温度T_1)と熱源γ(温度T_2)に接して熱が流れるケースを想定しました。平衡状態に無いのでよく判りません。しかし、トライアルとして系α接触面が局所的(薄皮1枚で)に熱源と同じ温度になる瞬間があると仮定し、この熱流によるエントロピー変化を見積もった式です。
d'Q_1+d'Q_2=0と熱収支バランスがとれていても、温度差がある場合、熱流に伴いエントロピーを捨てることができるので、系α単独に着目すると、エントロピーが減少しています。温度差がない場合、エントロピー変化は0です。
 で、熱流に伴いエントロピーを捨てている状態が定常状態であるとは述べていません。
 熱流に伴う過渡的な状態は、熱伝工学の範疇で熱力学の範疇じゃないと認識しており、熱力学的な考えに基づいくとよく判らんです。
 なので、よく判りませんが、過渡的な状態じゃなかろうかと思ってます。

 熱力学で扱えるケースは、温度Tの熱浴に浸かった状態で熱流があるケースが典型的です。また、問題ないと考えられるケースは「熱力学上の前提」やら「十分長い時間」とかδTがほとんど0をとれる(準静的温度変化)のケース。それらのケースでエントロピー変化は0。即ち「断熱変化」であり、系が熱を伝達していても、系を記述する熱力学的なマクロな状態量は変化しないと考えられます。

  投稿者:TOSHI - 2008/05/29(Thu) 07:40  No.4000 
 どもTOSHIです。

>温度一定の気体が入った箱の左壁を暖めながら、同時に箱の右壁を冷やして、全体として熱の出入りが ±0 になっているような場合

 右から入る熱量=左から出る熱量でそれ以外は断熱壁の場合には時間が経てば,右から左へと一定の熱流が流れ温度勾配もない一定温度Tの定常状態に到達するでしょう。

 これも断熱である,というのは無理があるでしょうが,この定常状態では熱もエントロピーも収支はゼロです。

 電磁気などでは帯電してなくても流れ=電流があれば磁場ができるので流れを無視できませんが,温度T一定の定常熱流がある場合は,これを系から除いても熱力学的に全く等価だと思われます。

 つまり,右から入って左から出るだけの流れは素通りしているだけで残りの系と無関係なら,それは無いとして無視し,この定常状態を断熱平衡状態と同一視しても熱力学として問題ないと思われます。
                  TOSHI

  投稿者:TOSHI - 2008/05/29(Thu) 07:42  No.4001 
 TOSHIです。
 
 すみません。前発言では右と左を間違えました。逆にしてお読みください。
                    TOSHI

  投稿者:TOSHI - 2008/05/29(Thu) 08:24  No.4002 
 どもTOSHIです。

 蛇足でした。既にNo.3975でASAさんが述べておられたことの反復になってしまいました。。

                 TOSHI

  投稿者:Stromdorf - 2008/05/29(Thu) 08:29  No.4003 
>ASAさん No3993

> d'Q = 0で断熱過程でないケースを具体的に示して物理的意味を明確にしてくれませんか

 確かに通常の熱力学では平衡状態のみを考察します。
 この立場では、「最初の状態 α と最後の状態 β はともに平衡状態である」場合に考察を限定されることになります。
 しかし、最初と最後が平衡状態であっても、その変化の途中に非平衡状態が含まれている場合も熱力学では考察対象のはずです(そうでなかったら、すべての過程は準静過程ということになって、そうでない過程とか非可逆過程などという概念は熱力学の対象外になってしまいます)。

 さて、このような、最初の状態 α と最後の状態 β が平衡状態で、途中に非平衡状態を含む場合に「d'Q = 0 にもかかわらず断熱過程でない」という場合が起こりえます。
 その実例は例えば次のような場合です:

 温度一定の気体を入れたシリンダーのピストンを固定し、シリンダーの中央に断熱壁を挿入し、ピストンに近い方を暖めると同時にピストンから遠い方を冷やし、熱の出入りが ±0 となるようにした上で、ピストンのロックをはずし、ピストンに近い方の空気の膨張でピストンに仕事をさせ、しかるのちにシリンダーに仕掛けた断熱壁を除去して平衡状態になるまで放置します。
 次にピストンを外力で押し戻し、ピストンをもとの位置までゆっくり戻します。
 このとき外になす仕事の方がなされる仕事より大きく、しかも熱の出入りは丁度ゼロなので、内部エネルギーは減少し、従って最終状態 β の温度は最初の状態 α の温度より低くなります。その結果、状態 β のエントロピーは状態 α のエントロピーより小さくなります。
 この過程は明らかに d'Q = 0 を満たしていますが、一般に第2法則により「断熱過程ではエントロピーは非減少」ですから、この過程は断熱変化ではありえません。それどころか、状態 α からどんな断熱過程を経ても状態 β に到達することはありえないわけです。

  投稿者:ASA - 2008/05/29(Thu) 11:42  No.4005 
TOSHIさんNo.4002
ASAです。
違った観点からのコメントなので参考になります。
No.4000>温度勾配もない一定温度Tの定常状態に到達するでしょう。
 最終状態が温度勾配なしかどうかはよく判らないのですが、
フーリエの法則と言われる「熱流束密度Jは温度勾配に比例する」が適用できるケースでは、定常熱流に伴い温度勾配が存在することになります。
 この温度勾配がある系をとりあえず2分し、その内部エネルギーUとしてそれぞれU_h(T+δT)、U_c(T-δT)とを考えます。
 Uが示量変数なら加法性が成り立つはずなので、U_h(T+δT)+U_c(T-δT)=U(T)。 U(T)がTに比例する場合、例えば理想気体等では確かに成立しています。
 よって、一般の気体の系で系内の温度差が少ない場合、平均温度Tで系を代表させることができます。
体積Vが固定であるとき、内部エネルギーUはQと同等なので、エントロピーS=Q/T=U/Tは、位置に依存する事無く一定になります。
 したがって、定常熱流があっても一様温度勾配なら熱力学的エントロピー密度分布は一様ということです。
 symさん No.3996の質問の回答として、定常状態にある系のエントロピーは変わらんといえます(非定常状態はわからんです)
 また、圧力分布も一定でPを変数として問題ありません。
 ただし、状態方程式も成立しているので、密度分布が温度分布に反比例してます。
 熱力学的にはこんなことくらいしかいえないですね。

  投稿者:TOSHI - 2008/05/29(Thu) 13:37  No.4006 
 どもTOSHIです。

 失礼,h=−κgradT,でhが一定なのはgradT=一定でした。温度一定ではなく,左端の熱浴がT1,右端の熱浴がT2で直線状であって左右端の距離がLならT=T1+(T2−T1)x/Lでした。

 またまた,大チョンボやらかしました。。。

                    TOSHI

  投稿者:TOSHI - 2008/05/29(Thu) 13:38  No.4007 
 どもTOSHIです。

 失礼,h=−κgradT,でhが一定なのはgradT=一定でした。温度一定ではなく,左端の熱浴がT1,右端の熱浴がT2で左右端の距離がLならT=T1+(T2−T1)x/Lでした。

 またまた,大チョンボやらかしました。。。

                    TOSHI

  投稿者:ASA - 2008/05/29(Thu) 20:32  No.4008 
発端のNo.3928>左の方が暖かく右の方が冷たい温度不均一のエントロピーが小さい状態に変化しますから、
 今までの議論によりこれがやはり変なことが分りました。 熱平衡状態にある普通の気体で熱流のない状態から、収支バランスが取れている熱流をゆっくりと系内に起こさせたとき、その状態が温度勾配一定(温度勾配0も含む)の定常状態になるときは、たとえ温度不均一でもその系の熱力学的エントロピーは、始状態と変わらないと言えます。
 温度不均一でもその分密度でバランスしていて、体積当たりのエネルギ量は一定とみなせますね。
 結局、熱流があっても、d'Q=0の準静的熱流変化ならエントロピー変化は無いので、熱力学的には実質「断熱過程」といえます。
 系を記述する状態変数として、U,P,V,T等の普通の熱力学変数の他に必要ならば熱流量などを独立変数として加えることができると考えられます。

  投稿者:sym - 2008/05/29(Thu) 21:11  No.4009 
"非"平衡状態にある物理系に対してはエントロピーを定義できないような気がしてきました。
No.3890では、定常状態にある系を小さな平衡状態にある系の複合だとみなそうとしましたが、無理のある議論でした。

ASAさん、
S=U/Tという定義でのSはあまり意味のない量じゃないですか?
たとえば、U=CTとすれば、Sは常にCですよ。

  投稿者:ASA - 2008/05/30(Fri) 11:35  No.4011 
>"非"平衡状態にある物理系に対してはエントロピーを定義できないような気がしてきました。
 一般にはそうです。
だから
>左の方が暖かく右の方が冷たい温度不均一のエントロピーが小さい状態に変化しますから、
でのエントロピーなるものが、物理的意味内容を伴っていないわけです。

>小さな平衡状態にある系の複合だとみなそうとしましたが、無理のある議論でした。
 定常状態のまま状態変化が行われるという前提で終状態が準平衡状態みなせるとき、その状態を表現する状態量としてのエントロピーを再定義しようというのがNo.4005です。
 内部エネルギーの議論から、温度勾配一定のときは平均温度T'がうまく定義でき、これが始状態の温度Tと一致していることが判ります。
 するとこの系のエントロピー変化としてはdS=dQ/T'=0が直ちにいえます。したがってエントロピーは変化してないわけです。

>Sは常にCですよ。
dQ=TdS=CdTから、一般にS=ClnT'でlnT'は一定ですから定数で良いと思われます。

 もし、エントロピー密度を考えるなら、領域積分して変わらない量で加法性を満たすものを選び出さなくてはなりません。そこで、内部エネルギーUに注目し、S=U/Tとすることで辻褄合わせをしました。
 一般にエネルギー密度の勾配が状態を変化させる力なので、エネルギー密度分布が均一な状態が準平衡状態で実現するという考えに立っています(熱平衡と違い温度分布均一でない)。

 エントロピー原理主義に立つなら、熱流量などを独立変数として加えることで、統計的な凸関数を作ればよいように思えます。
 しかし、今のケースは伝導の法則により、終状態は判るのでその必要性は感じません。

  投稿者:sym - 2008/05/30(Fri) 14:40  No.4012 
定常状態において
物理的に意味のある量としてエントロピーSを定義するなら
S=S(U,T,p,μ)
であることが望ましいと思います。
ただ、これはASAさんに反論しようとする意見ではなく、
ASAさんが仰ったことについて、もう少し考えてみます。

  投稿者:sym - 2008/05/31(Sat) 01:48  No.4014 
考えてきました。

ASAさんが仰っているのは、
系を定常状態にあるとみるのではなく、平衡状態から揺らいだ状態にあるとみなす、
ということですよね。
すると、SはU/Tではなく、ふつうの定義のSだということになり、それで良いはずだと思います。

  投稿者:ASA - 2008/05/31(Sat) 07:38  No.4016 
symさんNo.4014
>平衡状態から揺らいだ状態
 外力等により静的な熱平衡状態よりほんのちょっとずれた状態。
 つまり、温度に限らず圧力などの状態変数の勾配(空間だけでなく時間も)が一定とみなせる微小なセル(素片)では、平衡状態の定義なり関係式が成立しているということです(流体力学で状態方程式を使用する理由)。

 別スレでStromdorfさんが、部分系で定義できるエントロピーを用いて云々と主張されていましたが、物理的に意味の無いケースが大部分と思われます。
 一般的な方法は、流体力学の方法で今まで議論で示したように熱流を独立変数としてとらえ、熱流場ないし温度場を記述する方程式(伝導やらエネルギー方程式、熱力学の式と呼ぶ例もあるようです)です。

  投稿者:ASA - 2008/05/31(Sat) 08:09  No.4017 
補足
murakさんとの議論で気象計算での式を調べたとき、
熱流方程式がエントロピーの式で示されているケースもありました。素片内では、平均温度T'が定義できるので、素片内の熱量変化は、エントロピー変化に等しいものとなります。
 

  投稿者:murak - 2008/06/01(Sun) 02:36  No.4018 
議論の全てを詳細に見ているわけではありませんが、ASAさんの#4005からの議論は、高温熱源から低温熱源への熱の通り道になっている部分の温度が(全体として)ほぼ均一になっている場合に、(着目系内を)熱が通過する事による定常状態からの揺らぎを考え、それによるエントロピー変化が(ほぼ?)ゼロである事を示すという構造になっています。しかしながら、この議論は、殆どそのまま、着目系の内部に温度差(温度の段差)がある場合にも適用する事が出来ます。

話をわかり易くするために、着目系の内部が理想気体であるとし、更に熱の通過を幾つかのステップに分解して考えてみましょう。

ASAさんの云う系αをnモルの理想気体からなる系であるとして、其処を通って高温熱源βから低温熱源γへの熱流があるとします。これを、系αを(α_1, α_2と)2等分して、真中に断熱・非断熱を自由にコントロール出来る仮想的な壁があるとして、系内の熱の通過を、次のように分解して考えます。

(1) 真中の壁が断熱状態にある時に、高温熱源に接するα_1にΔQの熱を与えると共に、低温源と接するα_2からΔQの熱を抜く。
(2) 外部系との(熱的)接触を一時的に遮断し、αの真中の壁を透熱的にする(あるいは熱をΔQだけ通過させる)。

[場合:A]
まず最初にα_1,α_2の初期温度が共にT_0で等しい場合を考えます。考えている理想気体の定積系モル比熱をC_vとしておくと系α_1, α_2の熱容量は共に(n/2)*C_vなので、ステップ(1)における夫々の部分系の温度変化はΔT=2*ΔQ/(n*C_v)とおいて、ΔT_1=ΔT, ΔT_2=-ΔTとなります。従って、理想気体のモル当たりのエントロピーが

     S = S_0 + C_v*log(T/T_0) + R*log(V/V_0)

と書けることに注意して、ステップ(1)の後(で平衡した状態で)のα系(複合系)の全エントロピーを求めると

     S' = (n/2)*C_v*log(1 + ΔT/T_0) + (n/2)*C_v*log(1 - ΔT/T_0)

となる。(ただし、T_0,V_0は初期状態での温度と体積にとり、S_0=0として、等積変化を考えている。このとき初期状態におけるαの全エントロピーはゼロである事に注意。)

関数logの性質(あるいはエントロピーの凸性)より、この値は負となり、初期状態の全エントロピーより小さい。しかし、次のステップ(2)ではα_1からα_2への熱流が起こる。その熱の流れは両部分系の温度が等しくなったところで止まるが、それまでに流れる熱量は丁度ΔQで、平衡温度はT_0であることが(これまでの議論から)わかる。従って、その熱流に伴うエントロピー変化を計算すれば良いのだが、エントロピーが状態量である事に注意すると、その変化が起こった後のαの全エントロピーはステップ(2)の後の平衡状態における温度と体積から求めることができる。つまり

     S'' = n*C_v*log(T_0/T_0) = 0

であって、これは初期状態における系αの全エントロピーに等しい。(これがつまり、ASAさんの示した事。)

[場合:B]
次に、部分系α_1,α_2の初期温度がそれぞれ T_1, T_2 (T_L < T_1 < T_2 < T_H としておく)である場合を考えよう。この場合もステップ(1)の後でのα_1, α_2 の温度変化は([A]の場合と同様に)ΔT=2*ΔQ/(n*C_v)で与えられる。従ってステップ(1)の後でのαの全エントロピーは

     S' = (n/2)*C_v*log{(T_1 + ΔT)/T_0} + (n/2)*C_v*log{(T_2 - ΔT)/T_0}

となって、初期状態 S=0 より小さくなるが、次のステップ(2)で系内を(ΔQだけ)熱が流れることにより、エントロピーは再び増す。その際のエントロピーの増分は、(2)の後の最終状態における平衡温度から求まるが、その温度は[A]の場合と同様のエネルギー的な考察から T_1, T_2 になることがわかる。つまり、系αの最終状態における全エントロピーは

     S'' = (n/2)*C_v*log(T_1/T_0) + (n/2)*C_v*log(T_2/T_0)

であり、これは初期状態における系αの(複合系としての)全エントロピーに等しい。


以上、どちらの場合も、その最終状態での着目系のエントロピーは初期状態における値と等しくなる。しかしながら、場合Aにおける S'' とBにおける S'' は値が異なっており、Bの場合の方が小さい。つまり、ASAさんが示したのは、熱流のある定常状態のまわりでの系のゆらぎに対するエントロピー変化がほぼゼロであることを示したにすぎず、熱流が生じる前の、本当の初期状態から、熱流がある状態での定常状態への系の推移に伴うエントロピー変化を考慮してはいないことになる。従って、ASAさんの議論はStromdorfさんが持ち出した例への反論とはなっていないと思われる。

  投稿者:murak - 2008/06/01(Sun) 03:06  No.4019 
ついでなので、断熱系のエントロピー変化に関する興味深い例を(問題のカタチで)示しておこう。

[問題]
断熱的な材質で出来たシリンダーとピストンの内部にnモルの(単一成分の)理想気体(温度T_0,体積V_0,圧力P_0)が詰まっているとする。これに外部から仕事を加えて圧縮(つまり断熱圧縮)することを考える。この過程を、次の二つの異なる方法で実施したとして、夫々の場合における系のエントロピー変化を求めよ。

[方法:A]
ピストンを系内の気体の圧力と平衡させながら十分ゆっくり(つまりシリンダー内の気体全体の熱平衡を保ちながら=準静的に)押し込み、体積を元の3/4にする。

[方法:B]
シリンダーの中に(底面と平行な動かない)断熱壁を設け気体を二等分し、ピストンに接している方の気体を準静的に半分に圧縮し、ピストンを固定する。その後、断熱壁を取り去り、シリンダー内の気体全体を熱平衡させる。

(以上)

  投稿者:ASA - 2008/06/01(Sun) 07:07  No.4020 
murakさん No.4018
>Stromdorfさんが持ち出した例への反論とはなっていないと

 何故?
Stromdorfさんが持ち出した例で初期状態は、熱平衡状態だから
[場合:B]で
部分系α_1,α_2の初期温度がそれぞれ T_1=T_2のケースとみなせる。
 よってS''_A =0=S''_B
と両者が等しいことが示せます。

 一連の議論では、熱流変化が準静的なら熱力学的議論によりエントロピーが変わらないことを示し、熱流を別変数として扱える可能性を示唆しました。

  投稿者:murak - 2008/06/01(Sun) 08:54  No.4021 
Stromdorfさんが元々#3928で持ち出した例では確かに初期状態は熱平衡でT_1=T_2であるが、そこで問題にしようとしたのはそういう熱平衡の状態から、系内にある温度勾配があってしかも熱流のあるような定常状態への推移の過程(過渡過程)であって、その途中段階では系α(α_1 + α_2)勿論平衡ではないし、定常でもない。実際その過程では系の一部に熱の貯留や流出(あまり良い言葉が思い浮かばなかった)が起こっている。一方、私の#4018、あるいはASAさんの議論では系が定常になっていて、(マクロな)熱の溜まりがないことが条件だ。

  投稿者:ASA - 2008/06/01(Sun) 09:53  No.4022 
だから
>(過渡過程)であって
 過渡的状態では、一般に熱力学的エントロピーは定義できないのに、その状態のエントロピーを云々するのは間違っており意味がないというのが、Stromdorfさんへのコメントです。

>その途中段階では系α(α_1 + α_2)勿論平衡ではないし、定常でもない。
 準静的過程なら、平衡で定常です。

>(マクロな)熱の溜まりがないことが条件
 常に熱収支バランス取れているのが前提条件ですから当たり前でしょ。

 また、熱力学的エントロピーとは、異なる意味を持つエントロピーなら、熱流やら温度勾配などの別の変数により定義できそうだと述べてます。

 なお、熱力学的には、「断熱過程」と変わらないわけですが、murakさんは熱力学的な「断熱過程」と異なるということを主張しているわけですか?
 準静的でない「断熱過程」などでは、熱力学での等式が成立しないので何もいえないことになりますけど。


  投稿者:murak - 2008/06/01(Sun) 11:09  No.4023 
大元の「断熱過程」と単に「ΔQ=0」である過程が同じかどうかは、難しそうなので、今のところコメントは差し控えます。

また、非常に強い非平衡状態になっている過渡状態では、確かにエントロピーを定義できないでしょう。しかし、準平衡とか局所平衡といった捉え方(あるいは途中を準静的過程で近似(?)するなりの方法)で温度勾配や熱流がある場合の系のエントロピーを議論しようというのが一連の議論の趣旨であると理解しています。で、その趣旨に沿って、通常の熱力学の議論と整合するように熱流のある状況のエントロピーを議論してみたのが#4018です。(それによると、温度勾配がある状況では、均一な場合よりエントロピーが低いと見るのが妥当だ。)

なお、先には触れなかったが、#4005(多少番号が違っているかもしれない)のASAさんの議論にはもう一つ問題がある(ように思う)。というのは、ASAさんの議論では系内に熱が流れていない状態、つまり私の議論におけるステップ(1)が終了した段階で、系全体(系α)のエントロピー収支をゼロと評価してしまっている。これは私の計算で云うなら、S'_Aを求めるところで、log(1+x)≒xとすることで S'_A=log(1+ΔT/T_0)+log(1-ΔT/T_0)=0と評価してしまっていることに相当する。実際これだと、温度均一の初期状態から出発して、どのように温度差がある状態に推移しようともエントロピーの収支はゼロになってしまう。(別の言い方をすればエントロピーの凸性が現れてこない。)

  投稿者:ASA - 2008/06/01(Sun) 13:02  No.4024 
>大元の「断熱過程」と単に「ΔQ=0」である過程が同じかどうかは、難しそうなので、今のところコメントは差し控えます。
 これが根本問題なので見解を得てからコメントして欲しい。

>それによると、温度勾配がある状況では、均一な場合よりエントロピーが低いと見るのが妥当だ。
 何故?
 始状態のエントロピーがある値Sであるとき、
系内熱収支バランスが取れた状態で準静的熱流変化をおこさせる。この過程では、平均温度T'が一定である変化とみなせるので、終状態のエントロピーは値Sで始状態と変わらない。
 もし、エントロピーが変化するとみるなら、そのエントロピーは、系内の熱との対応がつかなくなるので平衡系で定義できる熱力学的エントロピーとは別の量(状態量と看做せるかも疑問)。

>実際その過程では系の一部に熱の貯留や流出(あまり良い言葉が思い浮かばなかった)が起こっている。
定常状態に移行するまでに収支バランスが取れていないなら、前提条件と矛盾するので意味がない。
 また、定常状態に移行するまでに収支バランスが取れていないなら自分の議論においては、平均温度T'が変化する過程に対応する。これに伴ってエントロピーが変化すると主張するなら、前提とする過程が違うとしか言いようがない。
 この議論においては前提とする過程を明確にして欲しい。 

 ということで、murak さんのステップ(1)(2)に分けた議論は、自分の議論と対応してない(論理の前提をよく把握して欲しい)。

 murak さんの議論で気になるのは、等圧過程で扱っていない、熱流に伴い密度変化が伴うことを考慮していない点。
(系内モル数は一定でOK)。

  投稿者:ASA - 2008/06/01(Sun) 20:10  No.4025 
補足
murak さんと同様の考えで理想気体によるエントロピー密度を積分し、系の全エントロピーを計算すると、熱流があることによるエントロピーの変化儡は
儡=-C_pf((儺/T')^2):(確かに凸関数だ)
C_p:系の等圧比熱
儺:系内の最大温度差
T':系の平均温度
f():f(0)=0である単調増加関数
儺は熱流Jに比例するので儺=κJ
つまり、エントロピーに熱流依存の項が存在することになる。

すると系の内部エネルギーの変化は、
一般にdU=TdS-pdVであり、ここではdV=0、
また、熱収支バランスか取れているのでdQ=0である。
熱流が増加しても、dU=0であるはずなのに
熱流が増加することによるの増分は存在し、
TdS=T'*-C_pf'2Jκ^2dJ/T'^2
= -2C_pf'κ^2JdJ/T'<0(熱流の向きに関係なく常に負)
となり、エネルギー保存則と矛盾している。
 したがって平衡系の熱力学的エントロピーとは別の量と考えざるを得ない。

  投稿者:Stromdorf - 2008/06/02(Mon) 07:33  No.4026 
 私の最後にあげた例では、最初と最後は平衡状態だから、最初と最後の状態に対しては少なくともエントロピー S_A , S_B は定義できます。
 一方で途中の過程は準静過程ではないけれど、熱量の出入り d'Q は定義でき、しかも d'Q = 0 です。
 しかし、S_A > S_B なのです。これを「熱力学的に意味が無い」とは到底いえないと思います。
 ですから、これは「熱力学では、温度とかエントロピーは平衡状態でしか定義しない」という主張を認めたとしても、「 d'Q = 0 であっても断熱変化ではない」例になるわけです。
 温度勾配云々という話が出ていますが、そんな概念は、以上の話と何の関係もないわけです。

P.S. ちなみに「統計力学」では、非平衡状態に対しては「温度」はやはり定義できないけれども「エントロピー」は定義できます。ただし、平衡状態のエントロピーと違って、ミクロな状態の「粗視化」の度合いを変えると非平衡状態のエントロピーは値が変わってしまうので、(本質的に)一意的ににエントロピーが定義できるのは平衡状態(や、マクロに複数の平衡状態にある系の合成系)の場合だけであることは確かですけれど。

  投稿者:ASA - 2008/06/02(Mon) 08:17  No.4027 
Stromdorfさん No.4026
>S_A > S_B なのです。これを「熱力学的に意味が無い」
 熱力学的にだけでなく、物理的に意味がない。
 定義できたSに対して他の物理量とどのような関係式が成立するかを示さなければ意味がない。
「断熱変化」とは熱力学的概念なのですよ。勘違いしてませんか?

>ミクロな状態の「粗視化」の度合いを変えると非平衡状態のエントロピーは値が変わってしまうので
 つまり、そのようなエントロピーはもはや系の状態を示す状態量と呼べないのです。
 何度も繰り返しますが、相変らずStromdorfさんの主張は物理的意味がない。

> 私の最後にあげた例
 コメントする意義すら見出せませんでした。

  投稿者:murak - 2008/06/02(Mon) 09:12  No.4028 
確かに、私はASAさんの議論を一部読み間違えていたようではあります。ASAさんの想定だと、例えば、高低熱源の温度が着目系の初期温度と殆ど違わず系内の(定常な)熱流が殆ど無い状況から初めて、熱流が徐々に大きくなるように系をコントロールしながら、次第に或る一定の温度勾配を持つ状況を創り上げていくようなイメージになる訳ですね。これだと確かに、系のエントロピーは初期状態と変らないということもあり得るかもしれません(私の議論でもステップ(1),(2)の一周期を考えれば正味のエントロピー変化はゼロであり、同様の議論は出来なくもない)。しかしそれでは(なお更)、Stromdorfさんが(始めに)持ち出した例(固定された温度の高低熱源を境界条件として与えて系の推移を見る)とは状況設定が違う。(いずれにせよ第二法則に反するという話にはならないが)

(多分、ASAさんの議論を有限の温度勾配がある状況にまで持っていけるのは、境界条件をいじってしまう処に鍵があると感じています。また、大元の問題に対して判断を保留しているのは、「ΔQ=0なら断熱が?」という問題の立て方に少し納得が行かないものを感じているからです。なお、先の私の議論では部分系間の物質移動は許さず、熱の移動のみを考えています。)

  投稿者:ASA - 2008/06/02(Mon) 09:37  No.4029 
murak さんNo.4028
>Stromdorfさんが(始めに)持ち出した例(固定された温度の高低熱源を境界条件として与えて系の推移を見る)とは状況設定が違う。
温度はどうでも、熱流を調節できるなら同じです。
(接触時間を調整するなどして)

 ついでだから理想気体でのエネルギー密度を積分して系の全エネルギーを求めてみました。
 U=(3/2)kNT'/ln{(1+儺/2T')/(1-儺/2T')}
となり(密度変化している部分が効いているく)、
 始状態のU_0=(3/2)kNT'
 と較べると減少してます。
 (エネルギーの減少に伴って、エントロピーが減少してるに過ぎない)

 やはりプロセスが異なりますね。

 熱力学の前提である、プロセスに依存する事無く終状態が決まるなら、自分の熱力学的な準静的過程を使用した議論で無問題なはずです(これが熱力学の議論で準静的過程を使う理由であります)。
 ということで結論は変わらず熱力学的にはやはり「断熱」とみなしてよい。

  投稿者:ASA - 2008/06/02(Mon) 11:33  No.4030 
抜けがあったので修正します
>U=(3/2)kNT'/ln{(1+儺/2T')/(1-儺/2T')}
分母は、
{ln[(1+δ/2)/(1-δ/2)]}/δ:
に訂正
δ=儺/T'
儺→0で分母→1
儺が0でないとき、分母>1なので主張は変わりません。






 

  投稿者:murak - 2008/06/03(Tue) 01:53  No.4031 
私も、(#4025〜4030のASAさんの考えに沿うように)ちょっと計算をやり直してみました。

多分、ASAさんが計算したのはこういう事です。
一定体積の容器の中にNモルの理想気体が詰まっているとして、その一方を加熱しもう一方を冷却することで一定の温度勾配(あるいは温度の段差)を作りだす。このとき、#4018の私の議論とは違って、容器内を気体が自由に動けるようにしておき、容器内の気体が一定圧力で(静)力学的に平衡するようにする。(このとき、容器内の温度差に従って密度差も生じる)

簡単のため容器内を体積的に2等分しておき、その二つの部分系で温度差がΔTの状態で平衡しているとしよう。つまり初期状態の温度をT_0として、T_1=T_0-ΔT/2, T_2=T_0+ΔTの状態で系が平衡していると考える。このとき状態方程式(及びP_1=P_2という平衡条件)を用いると、部分系1, 2におけるモル比(気体の密度)が求まって、N_1=(N/2)(1+ΔT/(2*T_0)), N_2=(N/2)(1-ΔT/(2*T_0)) となる。これから部分系の内部エネルギー U_1, U_2、エントロピー S_1, S_2 を求め、系の全エネルギー U と全エントロピー S を求めると

   U = U_1 + U_2 = N*C_v*T_0*[ 1 - (ΔT)^2/(2*T_0)^2 ]

   S = S_1 + S_2 = (N/2)*log[(1+ΔT/(2*T_0))^{C_v-R}*(1-ΔT/(2*T_0))^{C_v-R}] + (N/2)*(ΔT/T_0/2)*log[(1-ΔT/(2*T_0))^C_p/(1+ΔT/(2*T_0)^C_p]

となる。(ただしエントロピーの初期値はゼロとした)

このとき明らかに U < U_0, S < S_0 となっており、定性的にはASAさんの議論を再現している。しかしながら、実は U_1=U_2 も成立する。(それは、温度差に応じて密度(粒子数)も変化するので、(温度勾配があっても)単位体積当たりのエネルギーでみれば等しくなってしまうという事だ。)
従って、これは#4018で私が計算した系とは全く異なる状況(系)を計算しており、またASAさんが#4005で導入した系とも異なる。(ASAさんが導入した熱流のある系に対するモデルとしては#4018の方がまだ近い)

では、この系ではエネルギー保存則が成り立っていないのでしょうか?
そんなことは、(当然のことながら)ありません。では何が起こっているのか?
そのヒントは、この系では部分系1, 2で粒子数が違うというところにあります。つまり、温度が高くて粒子密度の小さい部分系2の方が熱容量が小さくなって、(絶対値で見て)同じだけの温度変化を起こさせるのに必要な熱量は小さくてすむので、この系では(この温度差を生じるまでに)高温熱源から入ってきた熱量と低温熱源から出て行く熱量がバランスしていなかったというだけのことです。


(ちなみに、本スレッドの論旨とはずれるが、別スレッドで議論している気象における熱の輸送の形態は、ここで議論したカタチに近い。一方、熱伝導による輸送なら#4018のイメージに近い。)

  投稿者:ASA - 2008/06/03(Tue) 07:17  No.4032 
murakさんNo.4031
>またASAさんが#4005で導入した系とも異なる。
おなじですよ。
4005>この温度勾配がある系をとりあえず2分し、その内部エネルギーUとしてそれぞれU_h(T+δT)、U_c(T-δT)とを考えます。
 体積が半分の系で見るとは書いていない、後に議論するエントロピーの再定義との関連付けにおいて、あくまでエネルギーの観点で2分するということです。

>温度差に応じて密度(粒子数)も変化するので、(温度勾配があっても)単位体積当たりのエネルギーでみれば等しくなってしまうという事だ。)
4011>一般にエネルギー密度の勾配が状態を変化させる力なので、エネルギー密度分布が均一な状態が準平衡状態で実現するという考えに立っています(熱平衡と違い温度分布均一でない)。
と既に同様なことを述べています。よく読み返して欲しいものです。

>この系では(この温度差を生じるまでに)高温熱源から入ってきた熱量と低温熱源から出て行く熱量がバランスしていなかったというだけのことです。
 いや違いますね。最終状態が温度勾配一定の状態で、かつ熱収支バランスが常に取れている過程を経てきたなら、始状態の温度T0より、終状態の温度平均T'は
T0*δ/{ln[(1+δ/2)/(1-δ/2)]}≒T0(1+O(δ^2))だけ上昇するということです。質量(粒子数)とエネルギーの拘束条件は常に成立していないといけません。
 (今までの自分の議論ではδ^2は、揺らぎに較べ小さく無視してもかまわんという前提です。δ^2が無視できないとき、そもそも熱伝導でのフーリエの法則が成立するか不明です。)
 
 このような時、温度が上昇している分エントロピーが上昇しているわけで、一概に部分エントロピーの和が減少するとはいえないのです。
 そもそも部分エントロピーの和で云々する必要性を感じませんけど。

  投稿者:ASA - 2008/06/03(Tue) 13:04  No.4033 
続き
 エネルギー密度が一定の系を2等分し、温度が均一の場合と異なってるケースを比較する。
 系の全エネルギーU=2u=2(3n0kT/2),u:部分系のエネルギー
 で両者は変わらない。
温度が均一の場合の部分エントロピーをs0とする。
均一の場合の全エントロピーS=2s0である
温度が異なってる系でのケースで全エントロピーS'とSとの差儡=S'-Sを計算する。
 異なる温度をそれぞれT(1+δ/2)、T(1-δ/2)とすると
儡={s0-(5/2)n0k}{(δ/2)^2}:
ここで
 s0=n0k{(3/2)lnT+ln(v/n0)+5/2}>0:(v/n0):密度の逆数
 理想気体と看做せるような密度の場合、明らかに
儡>0
 と合計エントロピーはmurakさんの予想とは異なり、同一エネルギーを持つ場合、温度差がある系の方が増加していることがわかる。

 しかし、このようなエントロピー?は、物理的意味を持っていません。

  投稿者:murak - 2008/06/03(Tue) 14:48  No.4034 
系に加えられた熱量と系から引かれた熱量が常に等しいという境界条件を満足させ、なおかつ部分系の間での温度変化の対称性を保つために、系を(互いに熱容量が等しくなるように)粒子数でみて二等分するようにして、#4031の議論を修正してみました。

この場合、(境界条件から)系の全エネルギーは変わらない筈ですから、部分系のエネルギー U_1, U_2 について

   U_1+U_2 = (N/2)*C_v*T_1 + (N/2)*C_v*T_2 = N*C_v*T_0

が成立しなければなりません。つまりT_1+T_2=2*T_0ですね。従って、部分系の間の温度差をΔTとしておくと

   T_1=T_0-ΔT/(2*T_0),  T_2=T_0+ΔT/(2*T_0)

となることがわかります。一方、系が圧力平衡していることを前提条件とすると、状態方程式からT_1*V_2=T_2*V_1が成立しなければなりません。これらから部分系の間での体積の再配分を計算すると、ΔV=(V_0/T_0)*ΔTとして

   V_1 = V_0 - ΔV = V_0*( 1 - ΔT/T_0 )
   V_2 = V_0 + ΔV = V_0*( 1 + ΔT/T_0 )

となることがわかります。これから各部分系の(理想気体としての)エントロピーを計算すると

   S_1 = (N/2)*log[ (1-ΔT/(2*T_0))^C_v*(1-ΔT/T_0)^R ]
   S_2 = (N/2)*log[ (1+ΔT/(2*T_0))^C_v*(1+ΔT/T_0)^R ]

となる。よって全エントロピーは

   S_1+S_2 = (N/2)*C_v*log[1 - (ΔT/T_0/2)^2] + (N/2)*R*log[1 - 4*(ΔT/T_0/2)^2]

となるが、これは明らかに初期状態(S_0=0)より小さい。

更に、この状態で部分系2にΔQだけ熱を加え、部分系1からΔQだけ熱を抜く。これにより部分系2ではエントロピーが増え、部分系1ではエントロピーが減るが、T_2>T_1より部分系1で捨てられるエントロピーのほうが大きいので、全体としては更にエントロピーが減る。しかし、次のステップで部分系の間に(伝導で)熱を流してやると系のエントロピーは増える。その際、流れた熱量が丁度ΔQになるようにコントロールしておくと、終状態の温度分布は再び T_1, T_2 に戻るので系の全エントロピーはやはり S_1+S_2 に戻る。つまり、このような系に伝導で熱を流してもエントロピーの正味の増減はゼロになる。

一方、部分系2,1に微少熱量を加減したあと、伝導により熱を流すのではなく、新たな圧力平衡状態に至らせると、系には新たな体積配分が起こることになる。その際のエントロピー増分も上と同様に計算することが出来て、それは

   (N/2)[ C_v*log{(1-ΔT'/T_1)*(1+ΔT'/T_2)} + R*log{(1-ΔV'/V_1)*(1+ΔV'/V_2)} ]

となる。つまり負になるのだが、これは今回の議論の前半部分から考えても当然の結果だ。


というわけで、(#4018,4031も含めて)おかしな事は何も起こっていませんね。

  投稿者:ASA - 2008/06/03(Tue) 15:52  No.4035 
murakさんNo.4034
 だからそれ、体積が違ってますから、
検討対象としているフーリエの法則で導出された安定状態でないですよ。
 全く違う状態を持ってきているのですからお話になりません。(問題にしている状態がどういう状態であるかよく確認してください)

エントロピー方程式
http://www.sci.hokudai.ac.jp/~inaz/doc/B/gfd/node7.html
をみると
今のケースは、流れが無く熱収支バランス0で散逸なしですから
T(d/dt)s=A∇J:J熱流一定なので
(d/dt)s=0
エントロピーs一定で変わらない。
この式からもJ熱流を準静的に変化させるなら、エントロピーが変わらないことがわかります。

  投稿者:murak - 2008/06/03(Tue) 16:54  No.4036 
> だからそれ、体積が違ってますから、

では、どのような体積になるか教えて頂けますか?

  投稿者:ASA - 2008/06/03(Tue) 19:31  No.4037 
 終状態の定常状態では、エネルギー密度一定で、温度勾配一定即ち中間点で平均温度T'です。
高温部の温度は、T'(1+δ/2)
低温部の温度は、T'(1-δ/2)
それぞれの体積は等しいわけです。
明らかに違うでしょ。
詳しく説明しないと理解できませんか?

>V_1 = V_0 - ΔV = V_0*( 1 - ΔT/T_0 )
>V_2 = V_0 + ΔV = V_0*( 1 + ΔT/T_0 )
熱平衡状態である始状態で、粒子数が同じならその部分の体積は、同じはずですよね。
もし上のV_1,V_2のように体積が変わったとすると。
断面積一定なる条件で、高温部は、長さ( 1 + ΔT/T_0 )だけ長く、逆に低温部の長さは、( 1 - ΔT/T_0 )だけ短い。
従って、中間点は高温部に含まれその温度はT_0 + ΔTと温度が高いわけです。対象としている状態では、そのの中間点で平均温度T_0なのですから状態が違うわけです。(温度勾配が一定でない)
これでも違いがお分かりになりませんか?

  投稿者:murak - 2008/06/03(Tue) 20:06  No.4038 
そういうことではなく、ASAさんの言う

> エネルギー密度一定で、温度勾配一定即ち中間点で平均温度T'です。

という状態が、具体的にどのように実現しているのかを教えていただきたいという事です。特にエネルギー密度一定の意味について。(例えば単位体積当たりであれば、#4034の系はそうなっている。)

  投稿者:ASA - 2008/06/03(Tue) 20:34  No.4039 
熱流の方向を座標軸とし、断面積一定の連続体で考える。
温度勾配一定:T(x)=T'(1+κx):x[-l/2〜l/2]、T';中間点の温度、κ:勾配、l:系の長さ
粒子数密度:n(x)=n0/(1+κx):単位長さ当たりの粒子数
エネルギー密度の式:u(x)=An(x)T(x)=An0:位置に依存しないでどこでも同じ。
拘束条件:∫n(x)dx[-l/2〜l/2]=N:全粒子数
     ∫u(x)dx[-l/2〜l/2]=An0l=U:全エネルギー
以上

  投稿者:ASA - 2008/06/03(Tue) 20:44  No.4040 
 訂正
u(x)=An(x)T(x)=An0T',A;比例定数

 追加
U=ANTとしたとき、T'とTが等しくないことはNo.4032を参照。
δ=儺/T'=κl.

  投稿者:Stromdorf - 2008/06/04(Wed) 06:57  No.4042 
>ASAさん No4027

> 熱力学的にだけでなく、物理的に意味がない。
> 定義できたSに対して他の物理量とどのような関係式が成立するかを示さなければ意味がない。

 何をおっしゃられているのかわかりませんが、私の最後の例は、「最初と最後の状態は共に平衡状態で、従ってエントロピーは定義できる。そして、その変化のプロセスは d'Q = 0 であるにもかかわらず、断熱変化ではありえない」という例です。
 つまり「d'Q = 0 なら断熱変化である」という”物理的に意味がある命題”の「反例」を示した、ということです。
 反例というのは、それ自体は物理的に興味が無い場合が多いですが、理論的な議論の「モレ」を指摘するために持ち出しているわけで、反例を持ち出して議論が成立していないことを示すという意味で、物理的な「意義」はちゃんとあります。

>「断熱変化」とは熱力学的概念なのですよ。勘違いしてませんか?

 もちろん熱力学的な議論だから、熱力学の議論として論じているのです。確かに熱力学では平衡状態に対してしかエントロピーは定義できませんが、断熱変化とか熱流 d'Q という概念は非平衡状態から非平衡状態への変化に対しても熱力学的にちゃんと定義できます。平衡状態でなければ定義できないのは、エントロピーとか温度(や、それらから派生的に定義される状態量)といった、一部の状態変数だけです。

> ミクロな状態の「粗視化」の度合いを変えると非平衡状態のエントロピーは値が変わってしまうので
> つまり、そのようなエントロピーはもはや系の状態を示す状態量と呼べないのです。

 この部分はオマケとして補足で述べただけで、この非平衡状態の統計力学的エントロピーを定義する話は、「d'Q = 0 なのに断熱変化ではない例」の話とは関係ありません。独立した話です。

  投稿者:Stromdorf - 2008/06/04(Wed) 07:11  No.4043 
 ちなみに、定義を厳格にしておく、ということは、一見「机上の空論」に見えることがあるかもしれませんが、物理的な意味を明確にするためにも大切なことです。

 例えば、EMANさんが本文で述べておられる“「準静変化は可逆である」という命題の「例外」”として紹介された「ジュール・トムソンの実験」ですが、これは(EMANさんが正しく指摘されているように)本当は“例外”ではありません。
 つまりこの実験では、考察の対象が「平衡状態」の変化ではなく、正しくは「2個の平衡状態からなる系の合成系」に対する「準静変化」なわけですが、「準静変化」の正確な定義は「各時点において平衡状態であるような変化」です。そして、「平衡状態」の正確な定義は「力学的パラメータを変化させない断熱変化ではそれ以上変化しようが無い状態」のことです
 ところがジュール・トムソンの例では、2つの平衡状態の合成系を考えていますが、この合成系は、両者間の物質の流れを許しているため「まだ変化しうる状態」にあり、従って正確な定義によれば「平衡状態」ではないわけです。従って、その変化は「準静変化」ではないわけです。
 ですから、言葉の正確な意味において、このジュール・トムソンの例は「準静変化は可逆である」という“物理的に正しい命題”の反例にはなっていないわけです。

  投稿者:Stromdorf - 2008/06/04(Wed) 07:20  No.4044 
 ちょっと誤解を招く箇所があったので訂正です。

>つまり「d'Q = 0 なら断熱変化である」という”物理的に意味がある命題”の「反例」を示した、ということです。

 ここで「命題」と書いたのは、「物理的に内容が意味を持ち、物理的に正しいか正しくないかが意味を持つ言明」という意味です。つまり、単に「命題」と書きましたが、いわゆる「正しい命題」の意味に限定されるわけではありません。
 そして、この例の場合は、「反例」があるのですから、もちろん「誤った命題」という意味です。

  投稿者:TOSHI - 2008/06/04(Wed) 07:22  No.4045 
 どもTOSHIです。

 熱力学というのは数式処理の部分とは別に概念の理解がえらくむずかしく,他の分野とは違って物理的意味を問われる部分が多いので,数学の助けを借りなきゃ全然理解できないというタイプのおバカな頭しか持たない私などにとってはとてもむずかしい世界ですが,断熱という言葉の定義は,エントロピー概念を用いる必要なくできると思うのですがいかがでしょうか?

 一つの言葉の定義について議論しているときにそれが必要ならいざしらず,別のおそらくより複雑な概念の言葉を持ってくるとより混乱するだけだと思います。

 ただし,両方の言葉の関係についても議論なさっておられるのなら,失礼しました。しかし,そういうのは両方のうち片方の定義が決まってからやらないと,よく安い辞書であるようにAという言葉をしらべると「それはBのことです。」,Bという言葉をしらべると「それはAのことです。」という意味のないことになる危険性もあります。 老婆心より。。。
               第三者の TOSHI

  投稿者:ASA - 2008/06/04(Wed) 07:29  No.4046 
Stromdorf さんNo.4042

>murakさん  No.4019
この例をどうお考えですか。
murakさんは「断熱変化」でのエントロピー変化としておりますけど(教科書にはこう説明されている)。
気体に対する正味の仕事が内部エネルギーに変化し、
エントロピーが変化しただけでしょ。

>物理的に意味がある命題”の「反例」を示した、
 全く、反例になっていないのですよ。
なので「仕事」と「断熱」の概念的な切り分けができていないのかなと思った次第です。

  投稿者:murak - 2008/06/04(Wed) 08:10  No.4047 
いくつか書き込みがあるけれど、とりあえず、宿題(?)となっている件の私の計算結果だけ。

ASAさんに頂いたヒントから、系をエネルギー的に2等分して

   n_1=(N/2)*(T_0/T_1), n_2=(N/2)*(T_0/T_2)

として、T_1, T_2 を決めてやると、

   T_1 ≒ T_0*{ 1 - ΔT/(2*T_0) + (ΔT)^2/(2*T_0)^2 }
   T_2 ≒ T_0*{ 1 + ΔT/(2*T_0) + (ΔT)^2/(2*T_0)^2 }

ただし、ΔT=T_2-T_1。(平均温度は上昇)

これから、初期状態をゼロとしてエントロピー変化を計算してやると

   S_1+S_2 = (N/2)*C_p*[ (T_0/T_1)*log(T_1/T_0) + (T_0/T_2)*log(T_2/T_0) ]

を得た。(負に見える)

  投稿者:ASA - 2008/06/04(Wed) 10:54  No.4049 
murak さん No.4047
No.4025で積分した形を求めています。
>儡=-C_pf((儺/T')^2):(確かに凸関数だ)
No.4033は変ですね。計算ミスがあった模様です。

検算してみると有限個の分割では負になるようですね。
(2m+1)個のセルに分割して、i=-m..0..m
計算するとδ^2オーダーで
儡(m)=-Cp(δ^2)/f(m)となったので、f(m):mの単調増加関数
たぶん
儡(m→∞)=0になりそうです。

前にも述べましたが、儡が0でないとすると
dU=0なのにdU=TdSが負となって矛盾が生じます。

このケースでは∞分割すれば、矛盾が生じないかもしれません。
 でも非常に小さなセルでは、粒子数が少なくなりすぎ、熱力学や統計力学での前提が成立しないので、やはり意味ないような気がします。

 物理的センスによりδ^2程度は無視するというのがスマートだと思います。

 セル内ではエネルギー密度一定u=AnT:du=0の過程なので
 T{dn+(n/T)dT}=0
 Tdsとの対応により
 dn+(n/T)dT=ds=0
 微視的にもエントロピーが変わらない過程と見ることができます(温度変化分は密度変化で相殺されている。)

  投稿者:murak - 2008/06/04(Wed) 19:20  No.4050 
エントロピーを示量変数表示で考えると、今の場合、各部分の温度が変わっても内部エネルギーは変わらないので、その寄与はゼロである。同様に体積変化もないので、その寄与もゼロ。従って#4047の計算におけるエントロピーの減少は全て粒子の移動に伴うものである。この性質は、系の細分を細かくしても変わらない筈なので、分割を増やすことで、エントロピー変化がゼロになることは無いと思う。

結局、ASAさんが想定したような基本場の下で、伝導だけで熱が移動するなら、ASAさんの計算は成り立つが、基本場が変わってしまう場合には物質の移動があるので、その計算は成り立たないのだと思う。

  投稿者:ASA - 2008/06/04(Wed) 20:19  No.4051 
>従って#4047の計算におけるエントロピーの減少は全て粒子の移動に伴うものである。
>エントロピー変化がゼロになることは無いと思う。
dS≠0とすると、
dU=TdS=0との整合性をどう考えますか。

>儡(m)=-Cp(δ^2)/f(m)
 logで級数和の取り方が難しく、あまり自信はありませんが、+-対称的に和を取った結果。
儡(m)=-Cp(δ^2)((1+1/m)/6)となったので、
最終的に残るかもしれません。

残らなかったら温度が一様でない系の一般的ケースとみなせて、儡は意味が有りません。

>基本場が変わってしまう場合には物質の移動があるので
 意味がよく判りません。

dS=倍dn_i+(n_i/T_i)dT_i}とみなした場合、
今N一定ですから播n_i=0
dS=(n_i/T_i)dT_i=0
改めて1セルで考えるなら、
ds_i=(n_i/T_i)dT_i=f(i):杷(i)=0
各セルにおける物質の移動であるdn_iは関係ないとみなせます。
 むしろ、各セルの比熱が関係するようにみえます。
熱流による温度勾配により、系全体の比熱が微小変化するので、系の温度も微小変化すると定性的に説明できます。
 比熱の微小変化が可逆変化なら、エントロピー変化0で辻褄が合います。
 (なんにせよ一定温度でないので部分エントロピーを足し合わせることに意味がないといえばそれまでですな)

  投稿者:murak - 2008/06/05(Thu) 00:01  No.4055 
エントロピー S と内部エネルギー U の示量変数による全微分関係式は次の通り(単一組成の場合)。

   dS = (1/T)dU + (p/V)dV - (μ/T)dn
   dU = TdS - pdV + μdn

これはエントロピー及び内部エネルギーに対する「自然な変数」による表示でもある。(自然な変数の意味については熱力学の教科書参照のこと。またこれらの関係式は各部分系毎に成り立っていることにも注意しよう。)

#4047の結果を参考にしながら上の関係式をみると、各部分系のエントロピーについては、粒子の出入りがそのエントロピーの増減を決めていることがわかる(これは#4050で述べた通り)。一方、部分系の内部エネルギーについてみれば、部分系毎にエントロピーの増減と粒子の出入りによるエネルギーの変化が釣合う事でエネルギーが一定に保たれるという関係になっていることがわかる(このことはこれは密度が温度の逆数に比例するという基本場の決め方からくる当然の結果とも言える)。

というわけで、基本場が形成される過程における、エントロピーの減少と、(部分系あたりの)エネルギーが変化しないという事実の間には何の矛盾も無い。

一方、上の話とは別に、一旦形成されたある基本場の下で、純粋な熱伝導により熱が流れている状況を考えると、その場合、部分系間の物質の移動は無いわけであるから、上の内部エネルギーの表示において dn の項は消えてしまう。従って、(ASAさんが持ち出した例の様に) dV=0 である過程ならば dU=TdS で、 dU=0 と dS=0 が同等となる。(つまりASAさんの主張が成立する)

(以上)

  投稿者:waki - 2008/06/05(Thu) 00:49  No.4058 
ずいぶん凄い事になってますね。。。

単純に

ds(x)=dQ(x)/T(x)
dQ(x)=CpdT(x)

より

∫dsdx=Cp(1-ln((1+kl/T')/(1-kl/T')))

とか思ってしまいますが。。。
違います?

  投稿者:ASA - 2008/06/05(Thu) 07:26  No.4061 
murak さん No.4055
やはりよく判りません。

waki さん No.4058
dQ=∫dQ(x)dx=∫CpdT(x)dx=0
よりCp定数と看做すと、
中間部の温度T'は始状態の温度T0と一致するはずですが、
そうではありません。
 Cp(x)=(n_i/T_i)_pと粒子数密度が変化しているので一定ではないのです。その影響のため、((1+1/m)/6)での1/6という微妙な因子が出てくると考えてます(1/2-1/3という微妙さで、もしかしたら計算ミスがあるかもしれません)。

  投稿者:Stromdorf - 2008/06/05(Thu) 07:31  No.4062 
>>murakさん  No.4019
>この例をどうお考えですか。
>murakさんは「断熱変化」でのエントロピー変化としておりま
>すけど(教科書にはこう説明されている)。
>気体に対する正味の仕事が内部エネルギーに変化し、
>エントロピーが変化しただけでしょ。

 ですから、「気体に対する正味の仕事が内部エネルギーに変化し」たとき、断熱変化なんですから、これは“「断熱変化」でのエントロピー変化”なんです。

 断熱変化でエントロピーが変化しないのは、あくまで準静変化の場合(すなわち d'Q = TdS が成り立ち、かつ断熱変化と d'Q = 0 が同値である場合)です。
 熱力学の教科書には、非可逆過程の場合 d'Q < TdS という不等式が出てくるでしょう?

 No4019 は、前者(すなわちシリンダーを押し込んだ方)のエントロピーは、断熱準静変化なのでエントロピーは変わらず、後者(すなわち中央に断熱壁を挿入してからシリンダーを押し込みしかるのち断熱壁を除去した方)では、シリダーを押し込んだところまでは断熱準静変化なのでエントロピーは変わらず、そこで断熱壁を除去したとたんに非可逆過程によって平衡状態に至るので、ここでエントロピーが増加します。

  投稿者:ASA - 2008/06/05(Thu) 07:45  No.4063 
Stromdorf さんNo.4062
>「気体に対する正味の仕事が内部エネルギーに変化し」たとき、断熱変化なんですから、これは“「断熱変化」でのエントロピー変化”なんです。
はあ?

>そこで断熱壁を除去したとたんに非可逆過程によって平衡状態に至るので、ここでエントロピーが増加します。
「気体に対する正味の仕事が内部エネルギーに変化し」てないケースというわけですね。 このケースで正味の仕事とエントロピーとの関係はどうなっているのですか?
 もしかしてエネルギー保存則に反しているケースですか?
お話になりません。

  投稿者:murak - 2008/06/05(Thu) 12:28  No.4069 
> #4063 ASAさん

> 「気体に対する正味の仕事が内部エネルギーに変化し」てないケースというわけですね。 このケースで正味の仕事とエントロピーとの関係はどうなっているのですか?
> もしかしてエネルギー保存則に反しているケースですか?

#4019の問題について、一つヒントを書いておきます。

自分で手を動かして計算してみるとわかる筈なんですが、この場合、方法Aと方法Bでは(始状態は同じでも)終状態が異なります。つまり、終状態のエントロピーは異なるが、それだけでなく内部エネルギーも(従って温度も)異なっているのです。なので、エネルギー保存則に反しませんし、エントロピーが状態量であるという事にも反しません。(ついでに云うと、Bの方は可逆変化ではありません。)

一度、虚心坦懐に計算してみることをお勧めします。

  投稿者:ASA - 2008/06/05(Thu) 13:24  No.4070 
murak さんNo.4069

コメントの意味がわかりません。
> 「気体に対する正味の仕事が内部エネルギーに変化し」てないケースというわけですね。 このケースで正味の仕事とエントロピーとの関係はどうなっているのですか?
> もしかしてエネルギー保存則に反しているケースですか?
これは#4019に対しての意見ではなく、Stromdorfさんの過程でどうなっているのかという問いかけです。

#4019は計算するまでもなく、ピストンにかかる圧力が違うので、正味の仕事が過程A・過程Bで異なり、終状態のエネルギーが異なっている例ですけど、
そのような過程に対して、
Stromdorfさんは>「気体に対する正味の仕事が内部エネルギーに変化し」たとき、断熱変化なんですから、これは“「断熱変化」でのエントロピー変化”なんです。
と考えるらしいです。
 で、さらに、Stromdorfさんの過程はStromdorfさんによると「断熱変化」ではない代表過程のようです。
 なので、逆が成立するなら、Stromdorfさんの過程は、「気体に対する正味の仕事が内部エネルギーに変化し」ていない過程となるわけでが、ホントにこのように認識しているのかと問い合わせたわけです。

 murak さんのコメントは、よく読んでなく的外れなものが多いような気がします(自分の書き方が寸足らずなのかもしれないが)。

 ちなみにmurak さんはStromdorfさんの提示した過程が「断熱過程」と看做せないと考えておられるのですか、ご意見を聞かせてください。

  投稿者:murak - 2008/06/06(Fri) 01:27  No.4072 
> これは#4019に対しての意見ではなく、Stromdorfさんの過程でどうなっているのかという問いかけです。

失礼しました、Stromdorfさんが#4019の問題について述べている発言へのレスだったもので、つい誤解してしまいました。(そんなわけないですよね。)

で、言葉の遊びは置いといて、Stromdorfさんが#4003で導入した過程ですが、これは正直言って悩ましいですね。

まずは定性的なところですが、そのままだと判断しにくいので、対照過程(実験?)として、最初の「シリンダー内に温度差をつくる」部分を省略して、後の「断熱膨張・(温度差に関する)混合・断熱圧縮」のみを行う過程を考えてみます。この場合は、本当に正真正銘の断熱条件が成立しているので、エントロピー変化はゼロまたは正ですが、途中温度差に関する混合が挟まっているので、エントロピーは実質増加していると考えられます。そうすると、エントロピーと内部エネルギーの関係(上に凸な単調増加関数)から、内部エネルギーも増加していなければなりません。このことからすればStromdorfさんの謂う「このとき外になす仕事の方がなされる仕事より大きく」という判断は怪しいです。そして理想気体の様に内部エネルギーが温度だけで決まっているならば、終状態では系の温度は上昇しているでしょう。しかしながら、元々の状況設定では、最初に系内に温度差を作りだすことで、一旦エントロピーを下げてから過程をスタートさせています。従ってこの場合、終状態のエントロピーが初期状態より小さくなって、温度が下がることが無いとも言い切れません。ただし、最初に作りだす温度差が小さくて、ピストンの移動量が十分大きければ、終状態のエントロピーは大きくなっているでしょうから、温度も上昇するでしょう。というわけで、私の如きには、これは計算してみないとよくわからんという事で、少し計算してみて、確かに温度の下がる領域もあるように思いましたが、今のところまだ計算に自信が持てていません。

  投稿者:ASA - 2008/06/06(Fri) 06:38  No.4073 
murak さんNo.4072
 そうなんですよね。自分も詳細計算しないとわからないのですが、ざくっと見て、最初の仕事の取り出しが熱量差2dQより大きければ、必ず、正味の仕事+でエネルギー増加ですね。
(ピストンを動かす距離に依存するケース)
 ということで過程の詳細が不明確で厳密に述べがたいのですが、少なくとも、"「断熱過程」だから正味の仕事(正負に関わらず)分、内部エネルギーが変化している"と述べることができます。
 したがって、断熱過程といえると考えています。

「断熱過程」かどうかという点についてのご意見はどうですか?

  投稿者:ASA - 2008/06/06(Fri) 13:58  No.4077 
自己フォロー
>最初の仕事の取り出しが熱量差2dQより大きければ、必ず、正味の仕事+でエネルギー増加ですね。
 変ですね。引き伸ばした点での熱の移動はありませんが、ピストンを押すときの仕事が別セルの温度上昇に使われ、その分押し返される力が少ないので、正味の仕事量は負ですね。
 ザックと計算してみると(諸兄の検算求む)
 最終温度Tf=1/2{(T+儺)L+(T-儺)/L}:
 L:ピストンの引き伸ばし率
 L=1+εと非常に小さい場合、
 Tf=T-ε儺<T
 δT=Tf-T=-ε儺=-εdQ/Cv 
 L>>1だと、
 Tf=LT/2 >T
 δT=(L/2-1)T
 なんにせよ「断熱過程」とみなすことができ、この温度差δTだけ仕事をしたということですな。

  投稿者:murak - 2008/06/06(Fri) 17:12  No.4078 
私の元々の感覚では、「断熱」と「d'Q=0」は概念的に別物という印象でしたが、これまで「d'Q=0なら断熱か?」という問題意識を持ったことはなかったので、その違いを上手く説明できなかったのですが、Stromdorfさんの提示してくれた例のおかげで、大分色々なことが見えてきたような気がします。(本当はもっと早く気付くべきだった。)

自分の計算については、まだ全てが完全に整合しているわけではないのですが、温度差を作った後の「断熱膨張」の過程でのピストンの移動を、最初の圧力(外界の圧力?)に戻る程度にしておけば、Stromdorfさんの例はちゃんと機能して、終状態の温度は下がり、エントロピーは始状態より低下していると思われます。一方、#4072でも述べたように最初に温度差をつくらなかったら、終状態のエントロピーと温度は確実に上昇します。つまり、外界との熱的接触が無い限り、系のエントロピーは上昇するばかりで下がることはない。これはまあ、当然の結果なのですが、Stromdorfさんの過程が教えている事は、系が本当の意味での「断熱」ではないときは、「d'Q=0」であっても系のエントロピーを下げることが出来るという事です。言い換えると、系のエントロピーを下げるには、外部と熱的接触を持つ以外に無いのだが、それには熱の収支がゼロ(d'Q=0)であってもかまわない。この意味に置いて単なる「d'Q=0」と「断熱」は明らかに異なっている。(というのがStromdorfさんの言いたかった事でしょう。)

上では、主にエントロピーの変化のみに着目して二つの場合の違いを述べましたが、内部エネルギーとの関連で言えば、(ASAさんも既にお気付きのように)最初に温度差をつくらなけでば、一連の過程で系の内部エネルギーは必ず増加し、系は正味の仕事をすることができない。しかし、最初に温度差を作ることが出来るなら、系は外部に対して仕事をすることが出来る。つまり本当の「断熱」か、単なる「d'Q=0」かで、仕事が出来る出来ないの違いが生じることをこの例は示している。(つまり、Stromdorfさんの例は、ある意味熱機関になっているといえる。このことに最初に気付いていれば、わざわざ計算する必要は無かったとも言えます。いつもながら、呑込悪いなあ>自分。)

  投稿者:ASA - 2008/06/06(Fri) 18:51  No.4079 
>温度差を作った後の「断熱膨張」の過程でのピストンの移動を、最初の圧力(外界の圧力?)に戻る程度にしておけば
 間違いと断言できます。
「断熱過程」なのだから、温度差がないときの温度Tより低い温度(T-|δT|)に戻さないと、この系から仕事を取り出せない。
 つまり、「断熱過程」で仕事を取り出し内部エネルギーが減少したので、温度差がないときの圧力より必ず低い圧力になっている。

>Stromdorfさんの例はちゃんと機能して、終状態の 度は下がり、エントロピーは始状態より低下していると思われます。
何を始状態にするかですよ。温度差を与えた時点が系のエントロピーが最も低下していて、後の一連の過程では増加する一方です。

>「d'Q=0」であっても系のエントロピーを下げることが出来るという事です。
>系のエントロピーを下げるには、外部と熱的接触を持つ以外に無いのだが
 外部と熱的接触をすることで温度差を作り、系のエントロピーを下げています。
この減少分だけこの系から最大仕事を取り出せるということで、自由エネルギーFの考え方からすぐに判りますね。

Stromdorfさんは
4003> 一般に第2法則により「断熱過程ではエントロピーは非減少」ですから、この過程は断熱変化ではありえません。
 といってるのですけど、
 「温度差」を作った時点で「エントロピーを下げている」のでわざわざ仕事を取り出す過程は不要なのではないかと思います。

4003>それどころか、状態 α からどんな断熱過程を経ても状態 β に到達することはありえないわけです。
 これは、間違いと断言できます。
 仕事の量は"ピストンを運動させる方向とその距離"で決まるので(No.4077参照)、
 系内の断熱壁の操作により、系に仕事を与えることができます。 
 取り出した分の仕事を後の過程で与えることにより、元の状態に戻せます(「断熱過程」で、即ち仕事が最終的に系の温度を上げるので、系に直接熱を与えなくても良い)。

  投稿者:Stromdorf - 2008/06/06(Fri) 20:03  No.4080 
>ASAさん #4063

>>そこで断熱壁を除去したとたんに非可逆過程によって平衡状態に至るので、ここでエントロピーが増加します。
>「気体に対する正味の仕事が内部エネルギーに変化し」てないケースというわけですね。

 はぁ???
 なんでそういう理解になるんですか?
 あなたのおっしゃることは、いつも意味が全くわからない。
 「気体に対する正味の仕事が内部エネルギーに変化」してるのは当たり前じゃないですか。
 ピストンを圧縮するプロセスで、そのときの仕事が内部エネルギーに変化し、エントロピーは不変です。
 次に断熱壁を除去するプロセスにおいて、仕事量はゼロ、従って内部エネルギーの増加量もゼロですが、このプロセスではエントロピーは増加します。

 こんな簡単なことのどこが理解できないんでしょう?

  投稿者:murak - 2008/06/06(Fri) 20:11  No.4081 
>>温度差を作った後の「断熱膨張」の過程でのピストンの移動を、最初の圧力(外界の圧力?)に戻る程度にしておけば
> 間違いと断言できます。
>「断熱過程」なのだから、温度差がないときの温度Tより低い温度(T-|δT|)に戻さないと、この系から仕事を取り出せない。
> つまり、「断熱過程」で仕事を取り出し内部エネルギーが減少したので、温度差がないときの圧力より必ず低い圧力になっている。

良く読んでいただきたい。終状態の圧力のことを言っているのではない。「断熱膨張」過程直後の、ピストン側の部分系の圧力のことを言っているのである。このようにしておけば、終状態(これは平衡状態)の圧力と温度は始状態より下がる。ちなみに私はStromdorfさんの過程の各ステップを(理理想気体の場合に)全て計算しており、その計算結果に基づいて言っている。ただし、まだ(係数とかの)整合性のチェックが十分でないので示していないだけである。


> 何を始状態にするかですよ。温度差を与えた時点が系のエントロピーが最も低下していて、後の一連の過程では増加する一方です。

温度差を与えた後の一連の過程で、エントロピーが増加するばかりなのは当然である(それが真の断熱系の一つの特徴だ)。また、Stromdorfさんがこの例を持ち出してきた趣旨から言うなら、温度差を作りだす前の本当の初期状態と終状態を比べなくては意味がない。何故なら、ASAさんの定義によれば、温度差を作っている過程も「断熱」という事になるからだ。その場合、全過程を通したすべてが「断熱」という事になって、第二法則(から導かれる命題の一つ)である「断熱ならばエントロピーは非減少」と矛盾する。


> 温度差」を作った時点で「エントロピーを下げている」のでわざわざ仕事を取り出す過程は不要なのではないかと思います。

勿論事の(一つの)本質はその部分にあるが、温度差をつくった直後の状態は平衡状態でない(あるいは、系内部に動かない断熱壁があるという拘束のついた状態での平衡状態である)ので、それを全く拘束の無い始状態と比べたのでは意味がない(一般に、拘束を取り払った系のエントロピーは、取り払う前より必ず大きい(小さくない)ので)。それと、仕事を取り出す操作と与える操作の間に不可逆変化を挟むことで、両者の仕事量に違いが出るようにしているのだと思う。

  投稿者:murak - 2008/06/06(Fri) 20:54  No.4082 
(失礼、先の発言#4081の最後にちょっとチョンボがあったので削除した。)


> 4003>それどころか、状態 α からどんな断熱過程を経ても状態 β に到達することはありえないわけです。
> これは、間違いと断言できます。
> 仕事の量は"ピストンを運動させる方向とその距離"で決まるので(No.4077参照)、
> 系内の断熱壁の操作により、系に仕事を与えることができます。 
> 取り出した分の仕事を後の過程で与えることにより、元の状態に戻せます(「断熱過程」で、即ち仕事が最終的に系の温度を上げるので、系に直接熱を与えなくても良い)。


それは、終状態βを始状態αに一致させただけだ。
Stromdorfさんの過程(それはASAさんの言う間違った断熱の定義に基づく「偽の断熱過程」である)で到達した、始状態よりエントロピーの低い状態βには、「真の断熱過程」の組み合わせだけでは決して到達できない。

  投稿者:ASA - 2008/06/06(Fri) 21:26  No.4083 
murakさんNo.4081
>「断熱膨張」過程直後の、ピストン側の部分系の圧力のことを言っているのである。
 だとしても不明瞭です。「断熱膨張」過程直後は、儺=dQ/Cだけ上昇しているので、部分系の圧力は、「最初の圧力」より高いですよ。「断熱膨張」を終了させた時点での部分系の圧力ということなら理解できます。

>第二法則(から導かれる命題の一つ)である「断熱ならばエントロピーは非減少」と矛盾する。
4080> 「温度差」を作った時点で「エントロピーを下げている」のでわざわざ仕事を取り出す過程は不要なのではないかと思います。

ということで、私の定義では、矛盾しないと思われます。
 ちなみに、「断熱ならばエントロピーは非減少」はどうやって導くのですか?
 複合系での導出過程を示してください。
 
 ちなみにStromdorfさんの視点だと、熱源も含めて1つの複合系と見ることができ、この複合系が「断熱」であるが、系内部に熱流が生じる同様の過程が考えられますけど(このケースでは、「断熱ならばエントロピーは非減少」ですね。)


>あるいは、系内部に動かない断熱壁があるという拘束のついた状態での平衡状態である
 部分系に区分し、それらが相互作用のない孤立系にしたのが1点。そして、次に、その各孤立系に対してトータル熱変化なしという拘束条件のもとで熱操作したという点。これでエントロピーを下げたことが本質でしょ。
 系から仕事が取り出せるかどうかという点ですから、
 でこれは、"ピストンを運動させる方向とその距離"が一定条件内なら可能ということですね。
 

  投稿者:ASA - 2008/06/06(Fri) 21:37  No.4084 
murakさんNo.4082
>終状態βを始状態αに一致させただけだ。
違います。

>Stromdorfさんの過程(それはASAさんの言う間違った断熱の定義に基づく「偽の断熱過程」である)で到達した、始状態よりエントロピーの低い状態βには、「真の断熱過程」の組み合わせだけでは決して到達できない。
 はあ?
「偽の断熱過程」で到達した状態βに他の「偽の断熱過程」で到達できれば何の問題もないでないですか。
 だから、そもそも初めの方でエントロピーの低い状態を作り出しているでしょ。
 熱力学的にどのような問題が生じるのですか?
 ちなみに真偽判定の基準はなんでしょうか?

  投稿者:ASA - 2008/06/06(Fri) 22:18  No.4085 
>真偽判定の基準はなんでしょうか?
 定義の違いの問題なのに、いきなり真偽の問題にすり替えるのは感心しませんね(品格を疑いますね)。
 問題にするなら、広義・狭義などの差でしょう。
どちらが広・狭か判りませんけど。
 

  投稿者:Stromdorf - 2008/06/07(Sat) 06:49  No.4091 
>murakさん。

 正しく理解していただき、ありがとうございます。
 こういうものは論より証拠で、実際に計算してみるのが一番です。

 まず基本的な公式を提示しておきましょう。
 最初は理想気体の状態方程式です。温度 T、圧力 P、体積 V、モル数 n の理想気体の状態方程式は、気体定数を R として

(1) PV = nRT

となります。また、内部エネルギーを R、定積モル比熱を C とすると、

(2) U = nCT

となります。なお、議論を簡単にするため、定積モル比熱 C は温度によらない定数と仮定します。
 また、外部からの気体の流入・流出が無い準静過程における第1法則と第2法則は、まとめて

(3) TdS = d'Q = dU - d'W = dU + PdV

と書くことができます。これからエントロピーを計算するには、(3) の両辺を T で割って、(1) と (2) を使って計算すると、

(4) dS = dU/T + (P/T)dV = nC(dT/T) + nR(dV/V)

となるので、両辺を積分すれば

(5) S = nC ln T + nR ln V + const

となります。ただし物理化学の習慣(?)に従って自然対数を ln で表わしました。
 ここで注意する必要があるのは積分定数 const の決め方です。これを 0 としても、一つの容器に入った気体の変化を追っていく分には問題ありませんが、同じ密度で同じ温度の同じ種類の気体からなる2つの系を“くっつけた”場合にいわゆる「ギップスのパラドクス」が生じてしまいます。
 すなわちギップスのパラドクスを生じる元凶は nR ln V の項にあり、V/n という量が気体の密度が等しければ変わらないことに注意して、積分定数 const を - nR ln n に選んでやることにします:

(6) S = nC ln T + nR ln (V/n) = n ln{T^C (V/n)^R}

 次に、断熱壁で囲まれた断面積 A のシリンダーに n モルの理想気体が入っている場合に、シリンダーの底からピストンまでの長さが x であるときの気体の温度を T(x) とするとき、ピストンがする(される)仕事によって内部エネルギーが増減するものとして x と T(x) の関係式を求めると、熱の出入りが無いので

(7) dU = d'W = - PdV

 これを (1) と (2) を使って変形すると、

(8) nCdT = dU = - PdV = - (nRT/V)dV

 すなわち

(9) C(dT/T) + R(dV/V) = 0

 すなわち両辺を積分すれば

(10) C ln T + R ln V = const

となりますが、V = xA と書けることに注意すれば、

(11) C ln T + R ln x = const

という公式が得られます(もちろん (10) と (11) の積分定数 const は異なります)。
 以上が基礎的な式で、これを用いて今までに議題にされたケースのエントロピーを計算することができます。
 長くなったので一旦切ります。


  投稿者:Stromdorf - 2008/06/07(Sat) 07:19  No.4093 
 まず最初に「断熱変化でエントロピーが増大する例」について取り上げたいと思います。もちろん準静過程であれば、d'Q = TdS で、断熱変化なら d'Q = 0 ですから、この場合には dS = 0 となるので、もしそういう例がるとすれば、それは非準静過程のはずです。

 では実際の例示として、断熱壁で囲まれた、断面積 A、長さ 2L のシリンダーに温度 T_0 の理想気体 2n_0 モルが入っているとします。
 まずこの理想気体の内部エネルギー U_0 とエントロピー S_0 を計算します。これは、前出の (2) と (6) により

(12) U_0 = 2 n_0 C T_0

(13) S_0 = 2 n_0 ln{T_0^C (LA/n_0)^R}

となります。ここで ln の中において、体積 2LA の 2 とモル数の 2n_0 の 2 が分子分母でうまくキャンセルされていることに注意します。
 次に、シリンダーの中央に断熱壁を挿入して固定し、シリンダーを気体の圧力によって、長さ L だけ準静的に広げます。その結果の状態における内部エネルギー U_1 とエントロピー S_1 を計算してみましょう。
 このとき、シリンダーから遠い方の半分は何も変わらず、シリンダーに近い方だけが変化を受けます。後者を (11) を使って計算すると、シリダーに近い方の温度が T_0 から T_1 に変化するものとすれば、長さが L から 2L に変化するので、

(14) C ln T_1 + R ln(2L) = C ln T_0 + R ln L

 すなわち

(15) ln T_1 = ln T_0 - (R/C) ln 2

 すなわち

(16) T_1 = T_0 / 2^(R/C)

となります。従って、内部エネルギー U_1 とエントロピー S_1 は、それぞれ加法性が成り立つので

(17) U_1 = n_0 C T_0 + n_0 C T1 = (1 + 1/2^(R/C))n_0 C T_0

(18) S1 = n_0 ln{T_0^C (LA/n_0)^R} + n_0 ln{T_1^C (2LA/n_0)^R}

    = n_0 ln{T_0^C (LA/n_0)^R} + n_0 ln{(T_0 / 2^(R/C))^C (2LA/n_0)^R}

    = n_0 ln{T_0^C (LA/n_0)^R} + n_0 ln{T_0^C / 2^R × 2^R × (LA/n_0)^R}

    = n_0 ln{T_0^C (LA/n_0)^R} + n_0 ln{T_0^C (LA/n_0)^R}

    = 2 n_0 ln{T_0^C (LA/n_0)^R}

となって、T_1 < T_0 ですが、S_1 = S_0 で、エントロピーは不変であることが確かめられました。
 長くなったので、また切ります。



  投稿者:ASA - 2008/06/07(Sat) 07:29  No.4094 
No.3928>「断熱過程」というのは熱量の出入りが無い状態(すなわち d'Q = 0 を満たす変化)とイコールではないことに注意する必要があります。
長々と議論しましたが、結局、注意点としては
「複合系でその部分系が孤立している場合、その各孤立系に対してトータル熱変化なしの熱操作で、複合系全体のエントロピーを下げれる」ということでよろしいのですか?
初めにこう説明すればよろしかったと思います。
 しかし、Stromdorfさん視点によると"熱源も含めて1つの複合系と見る"のですから、視点を変えることで、複合系全体のエントロピーが下がることはないので無問題でしょ。
 なので、"まじめな話"などと大層な前置き置くほどの注意点ではないと思うんです。

 他に注意点は、ありませんか?

  投稿者:Stromdorf - 2008/06/07(Sat) 08:05  No.4095 
 次にシリンダーに挿入した断熱壁を取り去って平衡状態にします。このときの温度を T_2、内部エネルギーを U_1、エントロピーを S_2 とすれば、まず外部からのエネルギーの流入・流出は、熱エネルギー、仕事いずれも無いので

(19) U_2 = U_1 = n_0 C T_0 + n_0 C T1 = (1 + 1/2^(R/C))n_0 C T_0

となり、従って、温度 T_2 は、モル数が 2n_0 であることと公式 (2) により

(20) T_2 = U_2 / (2 n_0 C) = T_0 × (1 + 1/2^(R/C))/2

 従ってエントロピー S_2 は、公式 (6) により

(21) S_2 = 2 n_0 ln{T_2^C (3LA/2n_0)^R}

    = 2 n_0 ln{T_0^C (LA/n_0)^R} + 2 n_0 ln{((1 + 1/2^(R/C))/2)^C (2/3)^R}

    = S_0 + 2 n_0 C ln{(1 + 1/2^(R/C))/2 × (2/3)^(R/C)}

となりました。ここでエントロピーの S_0 の後ろにややこしい項がついていますが、問題はこの値が正か負かゼロかということです。そこで α = R/C > 0 と置いて (21) を


(22) S_2 = S_0 + 2 n_0 C ln f(α)

ただし

(23) f(α) = (1 + 1/2^α)/2 × (2/3)^α

と書いて、この関数の増減を調べてみましょう(数学の入試問題みたいだ!)。
 まず α = 0 と置けば明らかなように

(24) f(0) = (1 + 1)/2 × (2/3)^0 = 1

です。次に f(α) を微分するのですが、計算途中を全部書くと長くなるので結果だけ示すと

(25) f'(α) = (1/2) × (3/2)^α × { 2^(-α) ln(3/4) + ln(3/2)}

となり、ln(3/4) < 0 であることに注意すれば、{ } の中は α = 0 のとき最小値 ln(3/4) + ln(3/2) = ln(9/8) > 0 となるので f'(α) ≧ 1 が、従って ln f'(α) ≧ 0 が、従って

(26) S_2 ≧ S_0

となっていることがわかりました。
 また長くなるので一旦切ります。




  投稿者:ASA - 2008/06/07(Sat) 08:09  No.4096 
補足
"熱源も含めて1つの複合系と見る"
ここでの熱源は容量性のものでなく、ヒートポンプのように仕事により熱の移動を行うものが適切ですね。


  投稿者:ASA - 2008/06/07(Sat) 08:33  No.4097 
StromdorfさんNo.4095
胡乱な議論を展開してますね。
f(α) = (1 + 1/2^α)/2 × (2/3)^α
α→∞でf(α)→0なので、それ以降の議論は間違い。
C_vをあらわな形で示すべき。


  投稿者:Stromdorf - 2008/06/07(Sat) 09:18  No.4099 
>ASAさん No4097

>f(α) = (1 + 1/2^α)/2 × (2/3)^α
>α→∞でf(α)→0なので、それ以降の議論は間違い。

 大変失礼しました。(2/3)^α じゃなくて (3/2)^α の書き間違いでした。(21) の3行目、(23), (24) の (2/3) もすべて (3/2) の書き間違いです。おわびして訂正します。

f(α) = (1 + 1/2^α)/2 × (3/2)^α

に訂正します。

  投稿者:Stromdorf - 2008/06/07(Sat) 09:44  No.4100 
さらに (26) の不等号に等号が含まれていますが、そもそも R > 0 なので α = R/C > 0 ですから、f' (α) > 0 かつ f(0) = 1 である以上、f(α) > 1 で、従って (26) は正しくは

(26) S_2 > S_0

となります。これも訂正させていただきます。
 さて、次にシリンダーを準静的に長さ L だけ押し込んで、一番最初の位置まで持ってくる場合の式は、最後の状態の温度を T_3、エントロピーを S_3 とすれば、公式 (11) により

(27) C ln T_3 + R ln(2L) = C ln T_2 + R ln(3L)

となり、これを解けば

(28) T_3 = T_2 × (3/2)^(R/C)

となります。従って U_3 は公式 (2) や (19) や (12) により

(29) U_3 = 2 n_0 C T_3 = U_2 × (3/2)^(R/C)

    = U_0 × (1 + 1/2^(R/C)) × (3/2)^(R/C)

    = U_0 × f(α)

    > U_0

となり、エントロピーは公式 (6) により

(30) S_3 = 2 n_0 ln{T_3^C (LA/n_0)^R}

    = 2 n_0 ln{(T_2 ×(3/2)^(R/C))^C (LA/n_0)^R}

    = 2 n_0 ln{T_2^C (3/2)^R (LA/n_0)^R}

    = 2 n_0 ln{T_2^C (3LA/2n_0)^R}

    = S_2

となり、このプロセスではエントロピーは不変であることがわかります。まとめると、

(31) U_0 > U_1 = U_2 < U_3 かつ U_0 < U_3

(32) S_0 = S_1 < S_2 = S_3

となっていることがわかります。そして添え字0から1までが外部に仕事をする断熱準静過程、添え字1から2までが仕事の出入りが無い非可逆な断熱過程、添え字2から3までが外部から仕事をされる断熱準静過程となっていて、断熱準静過程ではエントロピーが変わらず、断熱であっても非準静な過程でエントロピーが確かに増大していることが確かめられました。






  投稿者:ASA - 2008/06/07(Sat) 11:42  No.4104 
つらつら考えましたが、Stromdorf さんとかmurakさんの「断熱系の真偽判定基準」はやはり明快でない。

"熱源も含めて1つの複合系と見る"この立場で
 複合系内にペルチェデバイスを取り込む。
そして、ペルチェデバイスに仕事を与え、
系内の孤立部分系に間の熱移動を実行する。
むろん、複合系自身は、断熱壁で覆い熱の出入りはないものとする。
 このケースでもやはり、部分系のエントロピーが下がり、一連の過程の後、部分系の温度は下がります。
 ということで、この系も「偽の断熱系」なのでしょうか?
この系をどう解釈するのか、説明よろしくお願いします(仕事を系外部から与えることで、系内に熱輸送を起こすケース)。

  投稿者:Stromdorf - 2008/06/07(Sat) 11:45  No.4105 
>ASAさん No.4094

>No.3928>「断熱過程」というのは熱量の出入りが無い状態(すなわち d'Q = 0 を満たす変化)とイコールではないことに注意する必要があります。
>長々と議論しましたが、結局、注意点としては
>「複合系でその部分系が孤立している場合、その各孤立系に対してトータル熱変化なしの熱操作で、複合系全体のエントロピーを下げれる」ということでよろしいのですか?

 どうも言っておられることがよくわかりません。「孤立系」に対する過程というのは、これこそまさに「断熱過程」のことに他なりません。ですから、「各孤立系」に対する熱操作というのは、言葉の定義からして「トータル熱変化なしの熱操作」に決まっています。何をおっしゃりたいのでしょうか?

 また「複合系全体のエントロピーを下げれる」というのも趣旨がよくわかりません。「複合系全体」は孤立しているのですよね?だったらその「複合系」のエントロピーは、第2法則によってエントロピーが下がるわけがありません。

> しかし、Stromdorfさん視点によると"熱源も含めて1つの複合系と見る"のですから

 これもまた誤解です。熱源は「外部」と見なしています。
 ある系 α に、高熱源と低熱源を同時に接触させて、系 α に対する熱の出入りが無い(d'Q = 0)にもかかわらず、系 α のエントロピーが減少しているという例の話をしているのです。この系 α は、もちろん「孤立系」ではありませんし、また系 α と高熱源と低熱源を合わせた合成系を考えれば、これは確かに孤立系(従って合成系としては断熱変化)であり、かつこの合成系のエントロピーは増加しています。

  投稿者:ASA - 2008/06/07(Sat) 12:56  No.4106 
>言っておられることがよくわかりません。
わたしもそうなんですよ。

>「孤立系」に対する過程というのは、これこそまさに「断熱過程」のことに他なりません。
 勘違いしてますよ。「孤立」は外部とあらゆる作用なしでしょ。「孤立」でも、一般には系内で熱の発生や解放があるかもしれないので、「断熱過程」にならんです。

 ここでは、部分系間の無作用期間がある場合、その期間内で部分系は系内で孤立していると見ることができます。この状態の部分系を指して部分系が孤立している場合と呼んでいます。
 「孤立系」とは記述してないのでよく日本語を読んでください。

>「複合系全体」は孤立しているのですよね?
 「複合系全体」は孤立しているとどこに書かれているんですか。勘違いはなはだしいですね。想定が全く違っていて、「複合系全体」は、外界との仕事のやり取りも有るし、熱的な接触も可能です。

>熱源は「外部」と見なしています。
 でも、熱源を内部とみることも可能でしょ(別スレでそう述べておられましたよ)。で、単純な熱源でない場合もありえる。

>系 α に対する熱の出入りが無い(d'Q = 0)にもかかわらず、系 α のエントロピーが減少しているという
 だから、熱的に接触させる前と後を比較して"エントロピーが減少いる"というわけですよね。
 結局、注意点としては、"熱操作(高熱源と低熱源を同時に接触させて{d'Q = 0})で、複合系全体(系 α)のエントロピーを「熱操作前より」下げれる場合がある。"ということでよろしいですか?
 なんにせよ、それほどの注意点ではないようにと思えます。

 これとは別に、過程そのものに影響するような注意点は有りませんか?

  投稿者:ASA - 2008/06/07(Sat) 21:19  No.4109 
 系の前提やら、断熱過程の定義が食い違っているようなので整理します。
 当方の定義と主張:
熱力学系で、ある特定の過程を経て到達する最終状態が、その過程中外部から与えられる熱量Qiや仕事Wiに依存し、特定の熱平衡状態に落ち着くとき、つまり、系のある過程の最終状態が(Wi,Qi)で決まるケースで、各Qi=0であるときの過程を断熱過程と呼ぶ。
 Qiのインデクスiは、時間と場所を識別する。
 このとき、各iで与えられる熱量Qiが入出の収支バランスしているとき(dQi = 0 )なら、仮に、系内にdivJ=0を満たす熱流Jがあったとしても系の最終状態は変わらない。

  投稿者:ASA - 2008/06/08(Sun) 07:21  No.4112 
ずいぶん長くなったので議論を整理をしておきます。
議論の発端となったのは
No.3928>断熱変化というのは、あくあで局所的にも熱の出入りが無い(いわゆる断熱壁で外界と熱の出入りを遮断した)場合の変化を言います。
 これに対する異議により議論が延々と続いてきました。

 ここで局所的と述べているのが重要で、"大勢に影響しない局所的な熱流なら系の熱力学的状態に影響しないので、実質断熱変化になるでしょ"というのが当方の初めの方の主張で、フーリエの法則を用いた準静的熱流の議論で証明できたと考えてます。

  投稿者:ASA - 2008/06/08(Sun) 08:09  No.4113 
 Stromdorf さんが、提示された最新の系を分析してみると、
"大勢に影響しています"が、局所的かは微妙ですね。
 自分は、局所的でないとみますけど、Stromdorf さんとしてはどうなんでしょ。
なのでNo.4109では、局所的なる用語を使わずに"divJ=0を満たす系内熱流J"としておきました。
 TOSHIさんが釘を刺したように、物理的な概念を明確にしながら議論を進めていけば不毛にならないと思います(いきなり概念定義の真偽判定をするような無粋なまねは、不毛となる要因なのでコメントする方々は避けて欲しいものです)。
 Stromdorf さん最新の系に対しても、当方の主張は変わりません。この最新の系は、最終状態を規定する外から与えられる熱がQ1,Q2と2つあるケースで、Q1+Q2=0の場合で胡乱な議論がされています。
 たぶんStromdorfさん自身でも、Q1=0、Q2=0なら断熱変化と看做さざるをえないでしょう。これに関してもStromdorfさんに質問しておきます。Q1=0、Q2=0なら断熱変化ですか?
 Stromdorfさんによると"局所的に熱の出入りがあると断熱変化でなくなる"のですから、Q1に対応する局所的な領域にdQ1=0 となる準静的熱流Jを生じさせたケースは断熱過程でなくなるわけです。
 これについてもStromdorfさんにお聞きします、Q1に対応する局所的な領域にdQ1=0 となる準静的熱流Jを生じさせたケースは断熱過程でなくなるのですか?
 

  投稿者:murak - 2008/06/08(Sun) 12:17  No.4117 
議論が進んでいて、ちょっとタイミングを逸した感があるので、黙っていてもいいのですが、とりあえず、「断熱」と単なる「(系全体としての)d'Q=0」を混同すると何故いけないのか(熱力学の理論体系としてどのような点で問題か)を説明してみます。

そのためには、まず、熱力学の第二法則の亜種である「断熱ならばエントロピーは非減少」という法則の意味するところを正しく理解する必要があります。元もとの第二法則自体は普通「孤立系のエントロピーは非減少である」と表現されますので、両者の表現上の違いは「孤立系」であるか「断熱系」であるかという処にある。孤立系とは外界との一切の接触(相互作用)の断たれた系のことですが、断熱系は外部との熱的接触が断たれた系のことなので、外界とは力学的にはエネルギー(仕事)をやりとりしていてかまわない(正確には物質のやりとりも禁じるべきなので、「断熱・断物」と云っておく方が良い)。つまり第二法則亜種は、本当は「外部と力学的な仕事のみをやり取りしている系では、エントロピーは決して減らない」あるいは「力学的な仕事だけでは系のエントロピーを減らす事は(決して)出来ない」と表現するべきなのです。逆に言えば(対偶を取れば)、外部と物質のやり取りをしていない或る系で、終状態のエントロピーが始状態より小さくなっていれば、途中の過程のどこかで、外部との熱的接触が<必ず>あったことが、わかってしまうという事になります。これは、力学的な接触(仕事のやり取り)を熱的な接触から分け隔てるとても重要な性質です。「断熱」という言い方をすると、系とその外部との熱のやり取りのみに注意が行ってしまいますが、第二法則亜種におけるその言葉(正しくは「断熱・断物」だが)は、本来、系が「力学的な操作のみを許されて外部と接触している」ことを意味している。この観点からすれば、単なる「d'Q=0」と「断熱」は、概念上区別しておいた方が良い。(もし、両者を区別しないとすると、「力学的操作のみによっては系のエントロピーを下げる事は出来ない」という熱力学的に重要な性質を、明快に述べる事が出来なくなってしまう。)

ただ、実用的な観点からすれば、系が断熱になっているかどうかは(ASAさんが云うように)、系の変化を、時間的空間的に、如何様に細分して考えたとしても、外部との接触のある任意の部分系において、熱の収支がゼロ(d'Q_i=0)となっているのであれば、それを断熱と呼んでおいてかまわないと思います。(その場合、系の内部(外部と接触の無い部分)で、(伝導や対流による)どのような熱の移動が起こっていてもかまわない。)実際、系が断熱材で囲まれている場合には、この性質が成り立っているわけですし、「断熱」というものを、上のような性質で特徴付けることも可能だと思われます。

私が言いたいのは、まあ、これくらいです。

  投稿者:ASA - 2008/06/08(Sun) 13:11  No.4119 
murak さん No.4117
認識の違いが有りますね。

>第二法則自体は普通「孤立系のエントロピーは非減少である」と表現されますので
 第2法則は、
 1.クラウジウスの原理
 2.トムソンの原理
 3.第2種永久機関不可能
 等で表現されるものです。
エントロピーなんてのは、熱平衡状態にないとうまく定義できないので、一般的な孤立系では、エントロピーなる量は定義できません。孤立系でも過程によっては系内粒子数は変化します。(質量とかエネルギーは保存しますが)。
 たまたま、エントロピーがうまく定義できる系(+過程)で第2法則の表現が「そんな系でエントロピーは非減少」ということです。

  投稿者:murak - 2008/06/08(Sun) 13:21  No.4120 
> たまたま、エントロピーがうまく定義できる系(+過程)で第2法則の表現が「そんな系でエントロピーは非減少」ということです。

それ(その認識)でかまいませんよ。
エントロピーという言葉を持ち出す以上、先に書いた第二法則亜種も「そのような系」についての議論にすぎませんから。

  投稿者:ASA - 2008/06/08(Sun) 13:53  No.4121 
 だからね。

 エントロピーが定義できたとしても、過程によるんですよ。例えば、化学反応などで、系内粒子数が変化する場合。特に、吸熱反応で結合する場合、温度が下がるので、エントロピーは減少しますよ。

>「力学的な仕事だけでは系のエントロピーを減らす事は(決して)出来ない」と
 これはOKですけど

>逆に言えば(対偶を取れば)、外部と物質のやり取りをしていない或る系で、終状態のエントロピーが始状態より小さくなっていれば、途中の過程のどこかで、外部との熱的接触が<必ず>あったことが、わかってしまうという事になります。
 これは、エントロピーが定義できる一般的な系では、必ずしも成立しない。

  投稿者:murak - 2008/06/08(Sun) 14:04  No.4122 
失礼、粒子数で言わなくてはいけませんでしたね。まあ、ともかく「力学的操作でエントロピーを減らす事が出来ない」という事が本質で、これを明快に述べるために区別しておいた方が良いという事です。

  投稿者:ASA - 2008/06/08(Sun) 17:05  No.4124 
> 「力学的操作でエントロピーを減らす事が出来ない」という事が本質で
相互作用がない気体の場合という条件がつきますね。

粒子数が一定でも、気体圧縮時の高温高圧により吸熱反応で化学的組成が変化するようなケースならやはりエントロピー変化は負になります。
例:N2+O2 <-> 2NO など
 (でも、このようなケースは不安定なため、十分時間をおけば元の値に戻る気がしますが)

 要するに、系やその過程を明確にしないとだめでしょという事です。
(Stromdorfさんに過程を要求をしたのはこのような背景からです。)

  投稿者:murak - 2008/06/08(Sun) 18:43  No.4126 
(勿論)各組成毎の粒子数が変らないというつもりであったが、まあいいです。ASAさんの御指摘は認めますよ。

  投稿者:ASA - 2008/06/09(Mon) 18:16  No.4133 
murakさんNo.4117
>両者を区別しないとすると、「力学的操作のみによっては系のエントロピーを下げる事は出来ない」という熱力学的に重要な性質を、明快に述べる事が出来なくなってしまう。
 これには賛成できなくて。
『系とその過程とを明確』にするなら、
「力学的操作のみによっては系のエントロピーを下げる事は出来ない」と言うことを明確に述べることができます。
よって、"両者の区別"とは無関係です。
 逆に、系と過程とを明確にしないで"エントロピーは増大する"を金科玉条にしてしまうと、No.4124のようにエントロピー変化が負になるケースが理解できなくなるという問題が生じます。

  投稿者:murak - 2008/06/09(Mon) 20:28  No.4134 
勿論、系や過程を明確にすることは重要です。だから、#4117では、元々の第二法則は「孤立系」の話、第二法則亜種は「断熱・断物系」での話と条件を明確に述べています。私はあまり化学変化が重要でない対象を扱うことが普通なので、ついこのように書いてしまいましたが、ASAさんが指摘して下さったように後者の条件は不十分であって、正確には「断熱で物質のやりとりや化学変化も無い場合」と書くべきであったわけです。あるいは微視的な視点で、「断熱で各組成毎の粒子数が変わらない場合」と書くか、若しくは書き方を工夫して「力学的なエネルギーの授受だけでは系のエントロピーを下げることは出来ない」とでも書くべきであったわけです。

で、そのような「力学的エネルギー(仕事)の授受」だけを考えていた筈であったのに、ある変化(過程)の後で、エントロピーが減少している事に気付いたら、それは実際には力学的エネルギー以外の関与があったという事になる。それは化学ポテンシャルの寄与かもしれないし、熱の出入りがあったからかもしれない。そして、化学ポテンシャルの寄与も完全に否定できるとなったら、後は熱の出入りしか可能性は無いわけですが、このような場合に、ASAさんの言うように、「d'Q=0」と「断熱」を区別しないでいたら、「断熱」なのにエントロピーが下がるという困った事態になってしまう。

勿論、「断熱」という概念を(ASAさんの言うように)拡張して、「断熱であっても、部分的には収支が合っていないような場合にはエントロピーが下がることがあり得る」としておくなら、困らないとも言えるが、それでは法則に余計な例外をつくる事になり、ASAさんの嫌う「概念の無駄使い」になりませんか?

  投稿者:ASA - 2008/06/09(Mon) 22:15  No.4136 
murak さんNo.4134
意味がわかりません。
断熱の定義はNo.4109で明確にしてますよ。
>「断熱」という概念を(ASAさんの言うように)拡張して、「断熱であっても、部分的には収支が合っていないような場合にはエントロピーが下がることがあり得る」としておくなら
 こんなことありえるのですか?
(今のケースでは、過程はWi,Qi,Niで定められる)
「断熱過程」の定義より、各Qi=0(拡張として、dQi=0&divJ=0)
"部分的には収支が合っていないような場合"というのがよく判らないので、説明願います。
 また、この状態と「エントロピーが下がる」との関係の説明もお願いします。
 このスレでは、murakさんに対しても延々と準静的熱流変化では「エントロピーは変わらない」と主張してきたのですけど。


  投稿者:ASA - 2008/06/09(Mon) 22:21  No.4137 
>dQi=0&divJ=0
正確には 各dQi=0&各divJi=0:JiはdQiに対対応する局所的な定常熱流。

  投稿者:murak - 2008/06/09(Mon) 22:52  No.4139 
意味がわからないのはこっちですよ。

そもそもASAさんは、(Stromdorfさんとの議論の関係で)外界と熱のやりとりがあっても「d'Q=0」になっていれば、「断熱」と呼んでいいと言い出した。しかし、色々議論しているうちに考え方が変わってきたのか#4109では「断熱」の定義を変更して「時間空間的に細分した各iについてd'Q_i=0である」と言い換えた。

この表現は多少不十分であるとは思うが、最初より考え方が進んでいると思ったので、まあそれならよかろうと#4117の後半では、ASAさんの(新しい)定義ではO.K.だよという意味のことを述べた。ただし、正確にするには「どんな細分を行ってもd'Q_i=0」としておく必要があるので、そのことを明記しておいた。
それと同時に、ASAさんの古い方の考え方、つまり「系全体で見てd'Q=0」では熱力学の理論体系としてどう不味いかを#4117の前半で述べておいた(この部分は#4084付近の質問への回答だ)。

(古い考え方、つまり細分の仕方によっては、外部との接触のある或る部分系において、収支が合わない(d'Q != 0)となる事があり得る場合に、エントロピーが下がってしまう事があり得ることはStromdorfさんが例で示している通り。)

ともかく、#4117及び#4134はASAさんの古い方の考え方に対するコメントであり、新しい方の定義(正確には#4117の後半で私が述べたもの)なら、断熱と呼んでかまわないです。

  投稿者:ASA - 2008/06/10(Tue) 07:26  No.4142 
>そもそもASAさんは、(Stromdorfさんとの議論の関係で)外界と熱のやりとりがあっても「d'Q=0」になっていれば、「断熱」と呼んでいいと言い出した。

違います。
Stromdorfさんの断熱変化の定義は「断熱変化というのは、あくあで局所的にも熱の出入りが無い(いわゆる断熱壁で外界と熱の出入りを遮断した)場合の変化」
 としているわけです。
 そこで当方これに異をとなえただけです。
 具体的には”Stromdorfさんが初めに提示した系で局所的熱の出入りがd'Q=0である場合は実質断熱としてみなせる”と主張したわけですよ。
 そしてStromdorfさんが初めに提示した系で、代表的な熱力学的状態量であるエントロピーは変わらんことを延々と議論してきたわけです(あなたもそれに付き合ったでしょ)。
 全ての系なり過程でd'Q=0ならば断熱と看做せるなんて主張してませんよ。どこにそんな主張があるのか明示してください。あんたが勝手に勘違いしているだけでしょ(Stromdorfさんもだが)。 

 実際、d'Q=0で「断熱」と違うと考える系なり過程なりは具体的に示されないとわからんよとStromdorfさんに対して質問したわけで、その回答として新しい系が提示されたわけです。
 で定義自体は、「断熱変化というのは、あくあで局所的にも熱の出入りが無い(いわゆる断熱壁で外界と熱の出入りを遮断した)場合の変化」と変わってないですが、
 提示された新しい系でも、やはり「dQ=0なる局所的な熱の出入りがある場合」やはり実質断熱と看做せるわけです。
 (Stormdorfさんからの回答は有りませんが)

以上の議論を踏まえて、murakさんとしては、「断熱変化というのは、あくあで局所的にも熱の出入りが無い(いわゆる断熱壁で外界と熱の出入りを遮断した)場合の変化」という定義に関してどのような見解をとりますか?
 あと、提示された新しい系で「dQ=0なる局所的な熱の出入り(divJ=0)がある場合」これを断熱とみなすとどのような問題点があるとお考えですか?
(正確には#4117の定義がよく判らんです)

  投稿者:ASA - 2008/06/10(Tue) 08:00  No.4143 
 結局、Stromdorfさんが注意点として言いたかったことは、
No4109でいえば、ある時刻tでの各Qx=0と撚x=0とは物理的に違うよということらしいです(注意喚起することの物じゃないと思いますが)。
これだけを言いたいなら、
「局所的にも熱の出入りが無い(いわゆる断熱壁で外界と熱の出入りを遮断した)場合の変化」との言明はどう考えてもおかしい。
 だから、他に注意点等がありませんか?と尋ねているのですが回答はありません。

  投稿者:ASA - 2008/06/10(Tue) 08:38  No.4144 
murak さんNo.4139
 murak さんお得意の勘違いをなされているようです。No.4109の「断熱の定義」各Qi=0と、「実質断熱の定義」Qi=0においてdQi=0の違いををよく読んで考てください。

このスレに限らず、このようなお願いは何度もしています。
勝手に誤読をなされる方のようで非常に疲れます。
判らないときには、No.4142のように尋ねなおして下さい。
議論の基本ですよ。
 誤解を未然に防ぐため、 No.4109などで論点を整理したのですが、通じなかったようですね。

  投稿者:ASA - 2008/06/10(Tue) 11:00  No.4149 
改めて、議論を振り返ると、
ASA:No.3937>熱浴のない一般の場合でも系内に熱流ができると看做すことで「断熱変化」となります。
 熱流との関係を議論の早い段階で述べています。
 より厳密に言うと、「断熱変化」とみなせる熱流には条件がついて、微小(フーリエの法則が成立)、一定(準静)、連続(divJ=0:局所熱溜なし)です。

より一般的には
ASA:No.3937>通常熱流に陽に依存するので、平衡状態の熱力学では扱いません。

Stromdorfさんの最新の系は、熱力学で扱えますが「系内に熱流ができると看做せない」ケースですね。

  投稿者:murak - 2008/06/10(Tue) 13:06  No.4150 
失礼、確かに#4139は状況認識として正しくないので撤回します。

で、「断熱変化」あるいは「断熱過程」の定義ですが、私はStromdorfさんの「局所的にも熱の出入りが無い(いわゆる断熱壁で外界と熱の出入りを遮断した)場合の変化」という意見に賛成します。これを私流に言い換えたのが#4117で述べた

「系の変化を、時間的空間的に、如何様に細分して考えたとしても、外部との接触のある任意の部分系において、熱の収支がゼロ(d'Q_i=0)となっているもの」

です。一方、ASAさんの言う

「熱力学系で、ある特定の過程を経て到達する最終状態が、その過程中外部から与えられる熱量Qiや仕事Wiに依存し、特定の熱平衡状態に落ち着くとき、つまり、系のある過程の最終状態が(Wi,Qi)で決まるケースで、各Qi=0であるときの過程を断熱過程と呼ぶ。
 Qiのインデクスiは、時間と場所を識別する。
 このとき、各iで与えられる熱量Qiが入出の収支バランスしているとき(dQi = 0 )なら、仮に、系内にdivJ=0を満たす熱流Jがあったとしても系の最終状態は変わらない。」

には(前言撤回して)異を唱えます。

その理由は、ある部分系iについて、熱収支がゼロ(d'Q_i=0)の状態で熱流が生じているなら、その部分系を更に細分して考えたとき、熱流が無く(局所的に)平衡していた状態から熱流のある状態へ変化する過程で一般にはエントロピーが低下しているからです(このことは#4018から#4055までの間で議論した)。従って、系内に熱流が無く熱平衡している状態から、熱流があって定常になっている状態までの遷移全体を扱うのであれば、(終状態が例えdivJ=0で局所的にフーリエの法則が成立している状態としても)そこまでの全過程を「断熱変化」と呼ぶことは出来ない。

ただ、定常に達してしまった状態そのものを扱うのであれば、定常になってから以降は基本場そのものにはエントロピー変化は生じていないとは言える。この状況にある系を断熱系と呼んでいいかどうかは私にはわからないが、少なくとも私の定義では「断熱」ではない。また、熱流のない平衡状態から、熱流がある定常状態までの推移を、準静的過程として扱えるかどうかも私にはわからないのでコメントを差し控える。ただし、その証拠としてASAさんが持ち出した例を理想気体として実際に計算してみた例では、そうなっていなかった。

もし、これまでの議論の経過に対する私の認識に間違いがあるようでしたら御指摘下さい。

  投稿者:ASA - 2008/06/10(Tue) 13:44  No.4151 
murak さんNo.4150

 実質断熱過程と看做せるケースについて議論します。
>一般にはエントロピーが低下しているからです
 以前質問しましたが、
 すると、dQ=TdSの
 dSが0でないということですから、
 エネルギー保存則と矛盾しませんか?
 この当たりの整合性をどのように考えるのか説明してください。

  投稿者:ASA - 2008/06/10(Tue) 14:02  No.4152 
教科書には、平衡状態(温度一定)にないとエントロピーの加法性は成立しないとか記述されてますけど。

  投稿者:murak - 2008/06/10(Tue) 14:46  No.4153 
#4151の質問については既に#4055で答えているが、要するにASAさんの議論では部分系間を粒子が移動することによるエントロピー変化を考慮していないということだ。#4047の計算についてはもしご要望とあれば、詳細を説明しますが、他にやるべき事もあるので、ちょっと(夜まで?)待って頂きたい。

また、いわゆる局所平衡系、あるいは私が言っているような複合系については、エントロピーを示量変数を用いて表示して、局所的なエントロピーの和として系全体の(局所平衡)エントロピーを定義してやると、いわゆる平衡系の熱力学との整合性を保つ形で多くのことが議論できるようになる。(これは、局所平衡的ではあるが、系全体としては平衡になっていないような系を扱う際の標準的な方法だと思うが。)
勿論、このような系では、系全体が平衡してしまった場合の全エントロピーは、系が平衡していない状態での部分エントロピーの総和にはなっていない(一般にそれより大きい。これがつまり、エントロピーの凸性である)。(なのでエネルギー保存則から系全体の平均温度を定義してエントロピーを計算すると、部分エントロピーの和とは一致しない。)


  投稿者:ASA - 2008/06/10(Tue) 16:31  No.4154 
>#4151の質問については既に#4055で答えているが、
よく判らないので、もう少し噛み砕いて説明してもらえませんか?

>なのでエネルギー保存則から系全体の平均温度を定義してエントロピーを計算すると、部分エントロピーの和とは一致しない。
 これも判りにくいのですが、ある系のマクロ状態を規定する変数として、2つのエントロピーがあるという主張でしょうか?

 

  投稿者:murak - 2008/06/11(Wed) 03:13  No.4162 
先に予告しておいたように、まずは#4047の計算をどのように行ったかを説明しておきます。

最初にやるべき事は、理想気体のエントロピーの示量変数による関係式を求める事です。しばしば用いられる(モル当たりの)理想気体のエントロピーの式

     S = S_0 + C_v*log(T/T_0) + R*log(V/V_0)

は、気体のモル数(あるいは粒子数)が変らない事を前提に組み立てられている式であって、粒子数が変わるような場合には使えない。各組成の粒子数が n_i であるような多成分単純系に対する熱力学的関数としてのエントロピーの全微分関係式はμ_i を化学ポテンシャルとして

   dS = (1/T)dU - (P/V)dV + Σ(μ_i/T)dn_i

と書かれる。特に単一組成であれば

   dS = (1/T)dU - (P/V)dV + (μ/T)dn    (*)

として良い。先に書いた、理想気体のエントロピーの式は、この式をモル数一定(つまりdn=0)の場合に、状態方程式

   PV = nRT

及び内部エネルギーの式

   U = n*C_v*T

を用いて積分したものであった。一般の場合に(*)式を積分するには化学ポテンシャルμを知らねばならないが、熱力学的には示強変数 T, P, μ の三つは独立ではなく、それらの間にギブス=デュエムの関係式というものが成り立つ事が知られているので、それを利用すると、μをあらわに書くことなく積分を行う事が出来る。時間的余裕がないので、その過程を説明する事は止めて結果だけを書いておくと

   S = n*S_0 + n*log[(U/U_0)^C_v*(V/V_0)^R*(n_0/n)^C_p]     (**)

である(詳しく知りたい方はH.B.キャレンによる熱力学の教科書(吉岡書店)を参照して頂きたい)。ただし、U_0, V_0, n_0 は基準にしている状態での内部エネルギー、体積、モル数であり、積分定数 S_0 はその状態でのエントロピーである。

(注:考えている変化において、気体のモル数が変化しないなら、(**)式の log の中の n 依存性は消えるので、それは最初に書いたエントロピーの式と同じ結果を与える事に注意)

この基本関係式が求まれば、後は考えている系と過程について、各部分系毎の必要な状態変数を全て求めて上の式にあてはめ、それを系全体について足し合わせるだけです。#4047の例(つまりASAさんの提示した例)では、部分系の内部エネルギーと体積は(初期状態と)変らないので、それらに関する依存性は消えて、モル数(粒子数)に対する依存性のみが残る。つまり#4047の最終結果(エントロピーの低下)は、すべて、部分系の間を粒子が移動したことによるものという事になる。

  投稿者:ASA - 2008/06/11(Wed) 07:48  No.4163 
murak さんNo.4162
計算は要望してなくてNo.4154に答えて欲しかったです。

>dS = (1/T)dU - (P/V)dV + Σ(μ_i/T)dn_i
ここでTが温度一定を仮定してますね。
今の系は、「どんなに細分しても温度勾配ある」ケースで適応できるか疑問ですけど、とりあえず和が成立するとしましょう。
 (平均温度が定義できるとするとdn_i=0から直ちにdS =0がいえる)

で結局、これが、系の状態を規定する状態変数と主張するわけですよね。
何度もお聞きしますが
  "dQ=TdSのdSが0でないということですから、エネルギー保存則と矛盾しませんか?"
#4055は、わからないので噛み砕いて下さい。
(基本場とは何か、特に系の状態との関係等のマクロ系との関わり)

  投稿者:ASA - 2008/06/11(Wed) 08:14  No.4164 
 つづき
>S = n*S_0 + n*log[(U/U_0)^C_v*(V/V_0)^R*(n_0/n)^C_p] 
 計算すると儡が+になるような。確認なさいましたか?


  投稿者:murak - 2008/06/11(Wed) 09:58  No.4165 
> 計算すると儡が+になるような。確認なさいましたか?

#4047における計算のことでしょうか?
それなら一応確認しておりますが、間違いだとおっしゃるなら、もう少し詳しく説明して下さい。
(基本関係式におけるnとn_0の入り方は、U,Vとは逆になっています。)

#4162で求めた基本関係式はあくまで単純系の平衡状態を規定するものです。それを使って局所平衡系の解析が何処まで出来るかはまた別問題ですが、一応私はその線に沿った議論をしています。

で、ASAさんの例で、もし dn = 0 なら、dS = 0 ですが、例えば理想気体でそのような温度勾配のある場をつくると、(初期状態から比べて)粒子の移動が起こるので(各部分系については)dn は 0 ではありませんよ、というのが#4055で述べている事です。(場所ごとの温度に反比例するように粒子密度が決まる事はASAさん自身も述べられています)

  投稿者:ASA - 2008/06/11(Wed) 10:31  No.4166 
>>S = n*S_0 + n*log[(U/U_0)^C_v*(V/V_0)^R*(n_0/n)^C_p] 
>  計算すると儡が+になるような。確認なさいましたか?
日本語が読めないかまたは、数字が読めないのですか?
No.4162>S = n*S_0 + n*log[(U/U_0)^C_v*(V/V_0)^R*(n_0/n)^C_p]
 ですよ。
>一応私はその線に沿った議論をしています。
 すると、今度はエントロピーが増加するという結論でしょうか?ますますわけが判りません。

>dn は 0 ではありませんよ、というのが#4055で述べている事です。
 だから、それがマクロな熱力学的状態量とどのように関係するかを問うているのです。早くこれに答えてください。
(重心の移動なんか問題にしていません。)

  投稿者:murak - 2008/06/11(Wed) 21:25  No.4170 
一応、念のため、#4162の(**)式の表記を

   S = (n/n_0)*S_0 + n*log[(U/U_0)^C_v*(V/V_0)^R*(n_0/n)^C_p]     (**)

に替えておきます(積分定数の表記を変えただけで、主に気分の問題ですが)。

で、ASAさんの言われる「計算すると儡が+になる」ですが、「何」を「どう」計算するとというのが私にはよくわからないので、説明をお願いします。

ちなみに、私の計算は、#4047にも書いているように、系をエネルギー的に二等分して、高温側、低温側それぞれが熱平衡にあるとして系に対する拘束条件と状態方程式から状態変数(モル数、温度等)を決めてやり、それから夫々の部分系におけるエントロピー変化量儡_1, 儡_2を計算して、それらの和 儡_1 + 儡_2 として儡を求めております。(局所平衡系として扱うなら当然そそういう手続きになる。)

なお、n が関係するマクロな状態量といえば「モル数」あるいは「物質量」ということになるし、重心の移動(あるいは密度分布の変化)が起こったのでエントロピーが下がったというのが私の結論ですが。

  投稿者:ASA - 2008/06/12(Thu) 18:58  No.4189 
>S = (n/n_0)*S_0 + n*log[(U/U_0)^C_v*(V/V_0)^R*(n_0/n)^C_p]     (**)
>主に気分の問題ですが
 気分の問題で状態変数の値が変わるということですね。

>「何」を「どう」計算するとというのが私にはよくわからないので、説明をお願いします。
式が違うのですね。すると全く話が違ってきます。
 ということでこの話は後回しにしましょう。

>高温側、低温側それぞれが熱平衡にあるとして
 熱平衡にあれば、温度は同じはずでは?

>(局所平衡系として扱うなら当然そそういう手続きになる。)
 矛盾しているように思えるので、できれば、この扱いで問題ないということを示してくれませんか?
 どこまで分割しても温度勾配が存在するのが今問題にしているケースですけど。

>n が関係するマクロな状態量といえば「モル数」
今のケースはモル数Nは一定で変わりませんけど。

>重心の移動(あるいは密度分布の変化)が起こったのでエントロピーが下がったというのが私の結論ですが。
 へえ〜。重心が移動すると熱力学的状態変数が変わるんですね。

 murak さんの認識では、気分や力学的なパラメータの違いにより熱力学的状態変数の値が変わるんですね。

 ちなみに、何度もお聞きしますが、「エントロピーが下がった」とすると
dQ=TdS(or dQ<TdS)と矛盾しませんか?
 何より先にこれに答えてください。

  投稿者:murak - 2008/06/13(Fri) 02:26  No.4195 
> ちなみに、何度もお聞きしますが、「エントロピーが下がった」とすると
> dQ=TdS(or dQ<TdS)と矛盾しませんか?

矛盾はしないです。ポイントは二つ。一つは全体を一度に見るのでなく各部分系に分けてみること(局所平衡系としての取り扱い)。もう一つは、物質の移動がある場合は、熱力学の第一法則(エネルギー保存則)に物質の移動に伴うエネルギーの移動を考慮しないといけないという事。(勿論、系全体での物質量は一定であるが、局所平衡系としての取り扱いをするのであれば、系全体は熱平衡にないと考えるので、部分系に分けて考えねばならない。その場合、夫々の部分系は物質の移動に関して開いた系になる。物質の出入りがある場合の第一法則については例えば久保亮五編「大学演習熱力学・統計力学」P6参照。)今の例の場合、拘束条件として、各部分系の内部エネルギーが一定に保たれるので、(基本場の形成過程では)結局、物質の流入(or流出)によるエネルギーの増減と外部との熱のやり取りが丁度補償し合う関係となる。従って、各部分系における dQ/T の積分は (μ/T)dn の積分として評価されねばならない。こうした物質の出入りを含めて一般的に積分を行った結果として得られる公式が#4162の(**)である。(ただし、S_0を基準状態のエントロピーに等しくとろうとすると、積分定数のとり方が#4162のままでは不味いので、それを修正したのが#4170の(**)である。)

  投稿者:ASA - 2008/06/13(Fri) 07:25  No.4196 
> 全体を一度に見るのでなく各部分系に分けてみること
だから"マクロな観点から「全体を一度に見た」場合、矛盾が生じるのではないか"という反論に対する回答になっていないのですよ。理解できますでしょうか?
 murak さんは気分で状態量が変わってOKという見解なのでかまわないのかもしれませんが、見方にかかわらず状態量は同じでないと普通物理は成立しません。
(例:どの慣性系でも質量は同じなど)

>エネルギーの増減と外部との熱のやり取りが丁度補償し合う関係となる。
 これにも既に反論してます。
 外部との熱のやり取りで系への増分はないというのが前提なので、あるとしたら内部エネルギーが消費され温度が下がると主張してます。
 以前、このぶんの温度低下によってエントロピーが下がると看做せるのではと指摘しました。

 しかし、このようなエントロピーは、マクロな視点での状態量として性質に合わないので系の状態量として採用できない、採用できるとすれば、内部エネルギーの点から定義されるエントロピーであって、準静的過程でのこのエントロピー変化は、0と看做せるというのがメインの主張です。

  投稿者:ASA - 2008/06/13(Fri) 07:34  No.4197 
 追伸

 Gibbs-Duhemの式
 から導かれる
 T(x)ds(x) =-μdn(x)
 でエントロピーを求めてみても
 今までの儡計算で、CpがμN0/T0に変わった程度で
 依存性がO(δ^2)であることは変わりませんでした。

murak さんは相当勘違いしてますね。

  投稿者:murak - 2008/06/13(Fri) 13:34  No.4201 
勿論、私が何か勘違いをしている可能性を否定するつもりはありませんが、#4170の(**)を各部分系に適用してその総和として系全体のエントロピーを計算するという方針で、これまでのところ矛盾する計算結果は出ていないと思います。(ちなみに、#4170(**)を用いた計算で、系を二等分して計算した場合、全系のエントロピーの低下はδ=(1/2)(ΔT/T_0)に対してδ^4のオーダーです。)

むしろ矛盾した結果になると思われるのは、ASAさんの言うように系全体を(平衡状態にあるとみて?)一組の状態変数のセットで(無理に?)表そうとした場合です。例えば、今の温度差のある系を「系の全エネルギーU、系に加えられたトータルの熱量Q、系の全物質量N、系の全体積V」で見ると、Uは初期状態のU_0と変わらず、トータルのQはゼロですし、N,Vも初期状態と変わりません。それ故#4170(**)式を用いたとしてもΔSはゼロです(これは必ずしも矛盾した結果と言えないかもしれないが)。あるいは系の(平均?)温度 T=(T_1+T_2)/2 をで定義すると、平均温度 T は初期温度 T_0 より僅かに上昇するので、内部エネルギーも上昇していると思ってΔSを考えると、エントロピーは上昇しているように思えるかもしれない。しかし、これらは局所平衡の考え方とは元々そぐわない計算をやっている訳ですから、その計算が、局所平衡系として計算した結果と合わなくても別に不思議はないし、そのことを持って局所平衡の仮定が破綻しているという事は出来ない。勿論、ASAさんが全く別の方法で計算して、私の計算と合わないという事になれば、それはどちらか(あるいはどちらも)の計算方法に問題があるという事になるでしょう。しかし、これまでの話を聞いていると、矛盾した結果を出しているのはむしろASAさんのように思える(エネルギー保存が成り立たないとか、エントロピーが上昇しているとか)。

なお、系を二等分なり何等分なりしてみたところで、物事をマクロな状態量で見ていることに変わりはありません。ただ、局所平衡という考え方からすれば、細分した部分系は、そこだけを取り出しで見れば(=孤立させて見れば)平衡状態にあって、部分系として均一な温度等を持っていると考えることになります。従って、この思想で行くなら、温度勾配のある系は、階段状の温度分布を持った系として見るしかありません。


[蛇足] #4162の(**)と#4170の(**)で定数項の表現が違うのは、その意味が違うからで、S_0を基準状態でのエントロピーと解釈するには#4170にしないといけないし、基準状態での(モル当たりの)エントロピー密度と解釈するなら#4162の表記になります。どちらの表記を使っても今の場合ΔSの計算には影響は出ない筈です。これを「気分の問題」といったのは(誤解を招く)良くない用法だったようですから訂正しておきます。

  投稿者:ASA - 2008/06/13(Fri) 15:59  No.4202 
> #4170の(**)を各部分系に適用してその総和として系全体のエントロピーを計算するという方針で、これまでのところ矛盾する計算結果は出ていないと思います。
トータルとしてみた場合と矛盾しませんかと尋ねているのですが?
 要するにそのエントロピーは状態変数として本当に適切なのでしょうかという疑問です。
 具体的にそのエントロピーを通常のエントロピーとみなすと矛盾が生じると指摘しているわけです。

>全系のエントロピーの低下はδ=(1/2)(ΔT/T_0)に対してδ^4のオーダーです。
 なら、ますます無視して実質断熱と看做して問題なさそうですね。
 できれば計算過程を示してくれると助かります。
(ただし、優先順位は低い)

>ASAさんの言うように系全体を(平衡状態にあるとみて?)一組の状態変数のセットで(無理に?)表そうとした場合です。
 これも質問しましたが、いくつの状態変数のセットで表わすことが必要と考えますか?
 また、何故一組の状態変数のセットで表現することができないと考えるのでしょうか?

>局所平衡の仮定が破綻しているという事は出来ない。
 ですから、マクロな状態量との対応をきちんとつけてくれればよいのですよ。できなければ破綻しているとと考えざるを得ないわけです。

>物事をマクロな状態量で見ていることに変わりはありません。
 だったら、分割しないで考えればすむのでは?
何故分割して考える必要があるのでしょうか?

>階段状の温度分布を持った系として見るしかありません。
 では、いくつに分割したときのものが、状態量として適切なんでしょうかね。
 以前に述べましたが、あまり細分化するとそもそもの熱力学の前提が崩れます(平均自由行程程度で成立するわけがない)。
 細分化の仕方で、状態量の値が違うなんておかしいと思いませんか?
「気分の問題」言い換えれば「任意性が持たせられる」ことに疑問を感じていないのかもしれませんが。

  投稿者:murak - 2008/06/15(Sun) 10:32  No.4211 
#4170に書いた(単純系での)理想気体のエントロピーを表す式

   S = (n/n_0)*S_0 + n*log[(U/U_0)^C_v*(V/V_0)^R*(n_0/n)^C_p]     (**)

は、おそらく普通の熱力学の教科書ではまず見ない式なので、警戒心(?)をもたれる気持ちはわからないではないです。実際私自身、この式をH.B.キャレンの教科書(「熱力学および統計物理入門(上・下)」吉岡書店)で初めて見たときは少々戸惑いました。しかしながら、実際に使ってみると、色々便利なので、今では結構重宝しています。しかも、それだけでなく、この式には熱力学の理論体系上での重要な意味もあります。というのは、この式だけから、熱平衡状態にある理想気体(の単純系)に関する必要な情報(マクロな状態量)がちゃんと得られるからです。実際、(**)式をUで偏微分した結果を 1/T と等値してやると、理想気体を平衡温度を内部エネルギーを使って表す関係式が得られますし、Vで偏微分した結果を P/T と等値してやると理想気体の状態方程式(従って圧力 P )が得られます。この意味で、(**)式は理想気体の平衡状態に関する「完全な」熱力学関数になっているといえます。あるいは、(**)式を、その独立変数である U, V, n で偏微分したものが、対応する示強変数を与えるという意味で、(U,V,n)の組は、熱力学関数としてのエントロピーの「自然な変数」になっていると云う場合もあります。つまり、(U,V,n)の値の組を与えれば(理想気体単純系の)平衡状態における状態量は全て決定できるのであり、この意味で(U,V,n)は系のマクロな状態を指定する状態変数になっているのです。

(**)式のもう一つの重要な特徴は、それが示量変数だけで書かれているという点です。そして、試してみればわかりますが、(**)式の全ての独立変数を同時にλ倍したときは、S自体もλ倍されるという性質(つまりS(λU,λV,λn)=λS(U,V,n)という性質、あるいは加法性)を持っています。言い換えると、(状態変数の均一な)平衡状態にある系を細分してその部分のエントロピーを考えたり、逆に同じ平衡状態にある幾つかの系をくっつけた系のエントロピーを考えたりする際には、エントロピーの値自体を、単に系のサイズに合わせて調整してやれば良いという事になっています。これらの性質は、系全体を考えるのに、一旦それを細かく分割して部分毎にその平衡状態を考え、その結果を統合して全体を見るという、局所平衡系の取り扱いと親和性が高いものです。(つまり、部分系のサイズに関する因子は、(**)式の(U,V,n)にその部分系での値を入れることにより、自動的に調整される。)

熱力学を、このように示量変数のみを基本変数として記述するやり方は、歴史的にはギブスが創始したものらしいが、残念ながら教科書とかの記述スタイルの主流にはなっていない。ただ、最近では、キャレンの教科書の解説版とも言える清水明氏の「熱力学の基礎」(東大出版会)が出たりしているし、Stromdorfさんが挙げていた、田崎晴明氏の教科書もある程度そのスタイルの影響を受けているらしい。(そのあたりの事情に関しては、私がとやかく言うより、それらの教科書や、それらが参照している原典にあたってもらうのが良いと思う。)

---
とりあえずは、これが一般論としての回答ですが、もし本当に「そのエントロピーを通常のエントロピーとみなすと矛盾が生じる」ようなら、それを具体的に提示してください。
また#4047の最終結果(S_1+S_2)がδ^4のオーダーなのは、その式にT_1≒T_0(1-δ+δ^2), T_2≒T_0(1+δ+δ^2)を代入すれば出ます。ただし、後でグラフを描かせてみたところ、この近似ではδが大きくなると、解の振舞が変るので、或る程度大きなδに対しては厳密な式T_1=(T_0/2)+(T_0/2)√(1+4δ^2)-δを使う方が良いようです。その場合δ=1/2に対して、(初期の内部エネルギーに対し)一割程度のエントロピーの低下があるようです。
あと、今の場合、系を分割して考えたのは、外部との熱のやり取りで見れば、明らかに加熱の卓越する領域と冷却の卓越する領域があって、その二つの部分の間には温度の違いがあるからです。これを、トータルに見てしまえば、最初からQ=0であって、あまり意味がないように思います。ただ、温度が一定と見なせる領域で加熱と冷却がつりあっているなら、それをQ=0と見るのも悪くないかもしれませんが。また、その際の二分というのは問題に対して大雑把なあたりをつけるためで、それによって(そのような系では)物質の移動に伴ってエントロピーが低下していることが(定性的に)理解されるので、その意義はあったと考えています。(前にも言ったように、この特徴は細分の仕方を変えても生き残ると考えられる。なお、得られた結果を連続的な変数による表示に持ってゆく場合の極限操作について言えば、それは単に離散的な表示と連続的な表示における関数形の間の数学的な関係を見ているにすぎない。)

  投稿者:ASA - 2008/06/15(Sun) 11:52  No.4212 
murak さんNo.4211
 またまた勘違いしてますよ。
>S = (n/n_0)*S_0 + n*log[(U/U_0)^C_v*(V/V_0)^R*(n_0/n)^C_p]     (**)
 この表記について云々しているわけは有りません。
一般的に、温度が一定でないとエントロピーが定義できないにもかかわらず、今のケースのように一定の温度勾配がある系で加法性が成立するとしている点です。

>「そのエントロピーを通常のエントロピーとみなすと矛盾が生じる」ようなら、それを具体的に提示してください。
 だから、PV各々が一定で準静的過程なら一般にdQ=TdSが成立します。
 今のケースではdQ=0から、dS=0でなければ矛盾です。
 この矛盾に対して回答してないのですよ。

>T_1=(T_0/2)+(T_0/2)√(1+4δ^2)-δ
 これの導出方法は?
 あとδの定義はなんでしょうか?
 自分の定義ではδ=儺/T、儺;系内最大温度差

>それによって(そのような系では)物質の移動に伴ってエントロピーが低下していることが(定性的に)理解されるので、
 だから、そのエントロピーが物理的に無意味だと指摘しています。

  投稿者:ASA - 2008/06/15(Sun) 13:57  No.4213 
>S = (n/n_0)*S_0 + n*log[(U/U_0)^C_v*(V/V_0)^R*(n_0/n)^C_p]     (**)
 エネルギー密度変わらず体積変わらずなので
エントロピー密度
s = (n/n0)*s0 + Cp*n*ln(n0/n)
となり

1と2の2つの部分を考えると
N=2n0
n1=n0(1+ε)
n2=n0(1-ε)

S=s1+s2 = 2s0 - Cp*n0((1+ε)*ln(1+ε)+(1-ε)*ln(1-ε))
儡=s1+s2 - 2s0
= - Cp*n0{ln(1-ε^2)+ε*ln((1+ε)/(1-ε))}
= - Cp*n0{-ε^2 -(ε^4)/2 +2ε^2(1+(ε^2)/3}
=- Cp*n0ε^2(1+(ε^2)/6)

ε=(δ/2)^2
とすると
エントロピー変化率儡/S0は、O((δ^4/8))ですな。

あと想定している温度変化は室温に対して1〜2度なのでデルタは
>δ=1/2
じゃなくてδ=1/300程度です。
儡/S0は10^(-10)以下で、完全に無視できます。

  投稿者:ASA - 2008/06/15(Sun) 15:08  No.4216 
ちなみに3つ以上の部分で考えると
儡/S0は、O(δ^2)
分け方で値が異なることが判ります。

  投稿者:ASA - 2008/06/15(Sun) 18:50  No.4218 
No.4213
自己フォロー
> ε=(δ/2)^2
やはり変ですね。
 T1=T(1-δ/2)
 T2=T(1+δ/2)
 n1=n0(1+ε)
 n2=n0(1-ε)
T1n1=T2n2=T0n0
より
ε=δ/2
ですね。
よってO((δ^2/4))
やはり、δ^2のオーダーですね。

murakさん
>T_1=(T_0/2)+(T_0/2)√(1+4δ^2)-δ
これは、変では?
T1=T0/(1+ε)
T2=T0/(1-ε)
になるはずですが。


  投稿者:murak - 2008/06/16(Mon) 00:02  No.4220 
#4047における T_1, T_2 (あるいは#4211に書いたその厳密な表現)の求め方。

ASAさんの記号の使い方とは少し違うかもしれませんが、初期温度が T_0 の理想気体 N モルからなる系をエネルギー的に二等分して部分系 1, 2 としておきます。各部分系における粒子数(モル数)が常にその部分系の温度の逆数に比例するという拘束をおき、なおかつ部分系2に加えた熱量と部分系1から奪った熱量が常に等しくなるようにしながら、部分系2を加熱し、部分系1を冷却します。終状態における夫々の温度を T_1, T_2 として、それらを求めてみます。ただし、終状態における両者の温度差がΔTであるとして、それを用いてT_1, T_2 を表す事を試みます。

まず、温度差に関する条件より

     T_1 - T_2 = ΔT        (1)

終状態における部分系1, 2の粒子数を n_1, n_2 としておくと、粒子密度が温度に反比例する(あるいはエネルギー密度一定)の拘束条件より

     n_1 = (N/2)*(T_0/T_1) , n_2 = (N/2)*(T_0/T_2)

と書ける筈ですが、系全体の粒子数は一定値 N なので、

     n_1 + n_2 = (N/2)*T_0*( 1/T_1 + 1/T_2 ) = N

という拘束条件が得られます。この最後の式を整理し直すと、

     (T_1 + T_2)/(T_1*T_2) = 2/T_0     (2)

が得られます。そこで、 T_1+T_2 = 2*T と置き直し、(1)式と合わせると

     T_1 = T - (1/2)*(ΔT/T_0)
     T_2 = T + (1/2)*(ΔT/T_0)     (3)

及び拘束条件

     T_0 * T = T^2 - (ΔT/2)^2

が得られます。この最後の式を T に関する2次方程式とみて、解を T_0, ΔT を用いて表すと

     T = T_0/2 + (T_0/2)√( 1 + 4*(ΔT/T_0/2)^2 )

が得られる(ただし、Tが負になる解は捨てた)。

これを(3)式に代入すると、δ= ΔT/(2*T_0) として

     T_1 = T_0/2 + (T_0/2)√( 1 + 4*δ^2 ) + T_0*δ
     T_2 = T_0/2 + (T_0/2)√( 1 + 4*δ^2 ) - T_0*δ

が得られる。(これが#4211の T_1 である)

一方、√(1+x) ≒ 1 + x/2 という近似式を用いると

     T_1 ≒ T_0 * ( 1 - δ + δ^2 )
     T_2 ≒ T_0 * ( 1 + δ + δ^2 )

が得られる。(これが#4047の T_1, T_2)

(ここで二次の項δ^2の項を省略してしまうと、平均温度(?) T が初期温度 T_0 より微妙に上昇するという結果が見えなくなってしまう事に注意。)

(以上)

  投稿者:ASA - 2008/06/16(Mon) 06:53  No.4221 
基本的なことですが
> T_1 = T - (1/2)*(ΔT/T_0)
> T_2 = T + (1/2)*(ΔT/T_0)     (3)
次元がおかしいですよ。

  投稿者:ASA - 2008/06/16(Mon) 07:48  No.4222 
murakさん定義のδで試算しましたが、やはりO(δ^2)でした。
O(δ^4)は計算違いと思われます。

  投稿者:murak - 2008/06/16(Mon) 09:14  No.4223 
> #4221
失礼しました、タイプミスです。
これは、元々は、(1)式と T_1+T_2 = 2*T から計算した

  T_1 = T - ΔT/2
  T_2 = T + ΔT/2

なので

  T_1 = T - (1/2)*T_0*(ΔT/T_0)
  T_2 = T + (1/2)*T_0*(ΔT/T_0)     (3)

となるべきですね。

> #4222

すみませんが、その試算過程を教えてもらえますか?

  投稿者:ASA - 2008/06/16(Mon) 09:24  No.4224 
murak さん定義のδをδmとして
δm=2ε/(1-ε^2)
なる変数変換で
No.4213と等価です。


  投稿者:murak - 2008/06/16(Mon) 09:24  No.4225 
おっと、

(1)式も、正しくは

  T_2 - T_1 = ΔT

ですね。
(すみません、眠い頭で、手元のメモから書き写したもので・・)

  投稿者:ASA - 2008/06/16(Mon) 10:13  No.4226 
>δ= ΔT/(2*T_0) として
よくみるとδmを半分で定義しているので

>δm=2ε/(1-ε^2)
正確にはδm=ε/(1-ε^2)の模様

  投稿者:murak - 2008/06/16(Mon) 12:51  No.4229 
途中で、計算が嫌になって投げてしまいましたが、私の使った近似より、ASAさんの近似の方が良いようなので、確かに(δm)^4のオーダーというのは正しくないですね。

ちなみに、私の方の元々の計算の近似精度を上げることを Mathematica にやらせたら、 -(δm)^2 + (23/6)(δm)^4 でした。

ただ、いずれにせよΔSが負になることは確認いただけると思います。

  投稿者:ASA - 2008/06/18(Wed) 07:03  No.4241 
murak さんNo.4229
>ΔSが負になることは確認いただけると思います。
それは、理想気体でのエントロピーを用いた計算と一致するということにすぎません。
 部分系に分けて足し合わせるというのは、既に議論済みで、ここで蒸し返されても無意味です。
 要するに、教科書に書かれているように一様温度でない系でエントロピーの加法性が成立してない好例なのですよ。

 murak さんがなすべきことは、
 一様温度でない系では、エントロピーが定義できないと割り切り、エントロピーに基づいた見解を撤回するか、
 マクロ的にみて熱力学的に意味のあるエントロピーをこの系で再定義した後、新たな見解を取るのかの選択だと思います。

 わざわざ定義しがたいエントロピーによらなくても、温度にで議論してもよろしいように思いますけど、
 なんにせよ、当方の見解は、O(δ^2)程度なら十分無視できるので、実質断熱と看做してよろしいでしょうということです。

  投稿者:murak - 2008/06/18(Wed) 18:59  No.4246 
既にお気付きの事とは思いますが、私の議論は、一定の温度勾配を持つ系の事を念頭においてはいますが、実際の計算で扱っているのは全て、系が有限個(実際には二つ)の部分系に分割されて、それぞれの部分系では温度が均一になっている(つまり熱平衡と見なし得る)ようなものです。この意味で、私が行っている計算自体は既存の熱力学の範囲をはみ出すものではありません。

で、そのような計算によって示したのは

----------------
(1)
ASAさんが#4033で述べている、(密度が温度に反比例しているような系で)部分系間に温度差がある場合(温度差が無い場合に比べて)儡>0 という主張は間違っている(#4164も同様)という事。従って

「合計エントロピーは(中略)、同一エネルギーを持つ場合、温度差がある系の方が増加していることがわかる。しかし、このようなエントロピー?は、物理的意味を持っていません。」

というASAさんの主張には論拠がないという事。


(2)
symさんとASAさんが、最初の頃(#3988,3992あたり参照)やっていた

「温度勾配があるときにエントロピーをどう定義するのが良いのか確信はありませんが、No.3980でしたように温度一定の部分系に分け、個々の部分系のエントロピーの合計で、全エントロピーを定義するのが良さそうに思えます。」

というのを、(理想気体の場合に)実演してみせたという事。(そして、そのような計算では、(系全体が一様な温度の場合に比べて)全エントロピーが減少しているという事)


(3)
密度が温度に反比例しているような系で)部分系間に温度差がある場合、(そこに至るまでに)系に出入りした熱がバランスしており、系のトータルの内部エネルギーが初期状態と変わらないならば(系の中間点で見た)平均温度は上昇する。これはASAさんも言われるように、粒子(物質)の移動がおこり密度分布が変わったためだ。しかし、このときのエントロピー変化を計算したら、平均温度が上昇しているにもかかわらず全エントロピーは減少する。従って、系の総体積及び総物質量が不変であって、熱の(系全体での)収支がバランスしているなら、エントロピー変化は無いという論法は成り立たない。(勿論、系の代表温度が上昇しているので、エントロピーが上昇するという論法も成り立たない。)

-----------------------------

の三点です。(本当は他にもあるが、それは今は置いておく)


実を言うと、ASAさん自身、議論の最初の頃では、「温度差がある系では温度差が無い場合に比べてエントロピーが低下する」ことを認めておられて、更に、温度勾配のある系のエントロピーを「より精密に議論するなら、温度勾配に対して連続近似し積分していけばよいと思われます」という見解を述べられています(#3992参照)。

しかしながら、#4008あたりから

「発端のNo.3928>左の方が暖かく右の方が冷たい温度不均一のエントロピーが小さい状態に変化しますから、
 今までの議論によりこれがやはり変なことが分りました。 熱平衡状態にある普通の気体で熱流のない状態から、収支バランスが取れている熱流をゆっくりと系内に起こさせたとき、その状態が温度勾配一定(温度勾配0も含む)の定常状態になるときは、たとえ温度不均一でもその系の熱力学的エントロピーは、始状態と変わらないと言えます。」

という事を主張され始めたので、それはおかしいのではないかという事を示すために、上の様な計算を示した訳です。(ただ、私の理解不足から、最初はASAさんの持ち出された例を十分把握しておらず、それを修正する為に多少的はずれな問答をしてしまいましたし、私の示した見解で間違っている部分もあります。)

つまり、私が言いたかったのは、あくまで、既存の熱力学からみて、ASAさんの議論は破綻しているように見えるという事です。


なお、私の計算は分かり易さの為に理想気体を例にとってはいますが、熱力学的エントロピーには(U,V,N)という示量変数を基本変数に選ぶとき、その全ての変数に関して上に凸な単調増加関数になるという性質がありますので、それを使っても同様の議論は出来ます。

また、「わざわざ定義しがたいエントロピーによらなくても、温度にで議論してもよろしいように思いますけど」ということでしたら、温度で議論致しますが、その場合、ASAさんも認めておられるように、平均(?)温度はO(δ^2)程度上昇するのでしたよね。δが小さいときは確かに「実質」無視できるのでしょうけれど、δが或る程度大きくなると無視はせきないでしょうから、ASAさんの議論はやはり温度勾配が殆どゼロの場合にのみ適用出来るのであって、原理的な話としては、この議論から「熱流のない状態から、収支バランスのちとれている熱流をゆっくり起こして、或る程度の温度勾配を作り出しても、平均温度一定のまま」とは言えないのではないですか?

----
それから、「教科書に書かれているように一様温度でない系でエントロピーの加法性が成立してない好例」と言われていますが、ASAさんの議論自体はこのことを直接示している訳ではありません。念のため、その記述が、どの教科書のどのページに書かれているかを教えていただけますか?
(注:教科書の記述が間違っているとか云うことでなく、その記述がどのような文脈でなされているかを把握しておきたいという事です。私の方でASAさんの提示した教科書を見ることが出来るかどうかは定かではありませんが。)

  投稿者:ASA - 2008/06/18(Wed) 20:34  No.4248 
murak さん No.4246

 議論を整理し、断熱云々の流れでのお話だったはずです。
 蒸し返されても意味はありませんというのが正直な感想です。

(1)
>>「合計エントロピーは(中略)、同一エネルギーを持つ場合、温度差がある系の方が増加していることがわかる。しかし、このようなエントロピー?は、物理的意味を持っていません。」
>というASAさんの主張には論拠がないという事。
 前半部分は、s0の取り方によりますねということ、
murak さんはs0=0と取っておられる。
 後半部分は、一様温度でないのでエントロピーは、物理的意味をもたないという一般的お話です。

(2)
>「温度勾配があるときにエントロピーをどう定義するのが良いのか確信はありませんが、No.3980でしたように温度一定の部分系に分け、個々の部分系のエントロピーの合計で、全エントロピーを定義するのが良さそうに思えます。」
 symさんは、温度が一様でない系ではエントロピーが定義できないということを理解された模様ですけど。
しかし、murak さんは、実演してみせたという事。
 それに対して、意味がないと繰り返し主張しているわけです。

(3)
従って、系の総体積及び総物質量が不変であって、熱の(系全体での)収支がバランスしているなら、エントロピー変化は無いという論法は成り立たない。(勿論、系の代表温度が上昇しているので、エントロピーが上昇するという論法も成り立たない。)
 なぜ? マクロな系で見たとき準静的過程でエントロピーは変化しないはずです。dQ=TdS=0

過程に依存するので、"系の代表温度が上昇しているので、エントロピーが上昇するという論法も成り立たない。"はなんともいえませんね。


>「温度差がある系では温度差が無い場合に比べてエントロピーが低下する」ことを認めておられて、更に、温度勾配のある系のエントロピーを「より精密に議論するなら、温度勾配に対して連続近似し積分していけばよいと思われます」という見解を述べられています(#3992参照)。
 
 教科書をよくみたら一様温度でなければ無意味と書かれていたのでそれを採用しています。
 なので、"このようなエントロピー?は、物理的意味を持っていません。"と発言したわけです。


>#4008あたりから
 エネルギーが変わらない準静過程でエントロピーは変わらないことを原則としただけです。

>それはおかしいのではないかという事を示すために、上の様な計算を示した訳です。
 だから、そのような計算は意味がないと主張しています。
おかしいとするならエネルギが変わらない準静過程で変化するようなエントロピーを再定義し、新たな熱力学的関係式を構築しなければなりません。

>δが或る程度大きくなると無視はせきないでしょうから、ASAさんの議論はやはり温度勾配が殆どゼロの場合にのみ適用出来るのであって
 差はδ^2/12程度ですから、室温に対して数度の温度勾配なら十分無視できます。

>原理的な話としては、この議論から「熱流のない状態から、収支バランスのちとれている熱流をゆっくり起こして、或る程度の温度勾配を作り出しても、平均温度一定のまま」とは言えないのではないですか?
 温度勾配での平均温度は厳密にはそうでしょう、しかし内部エネルギーから定義される一粒子あたりの平均温度は変わりようがありません。

  投稿者:ASA - 2008/06/18(Wed) 21:36  No.4249 
 補足
>ASA - 2008/06/01(Sun) 20:10 No.4025
>murak さんと同様の考えで理想気体によるエントロピー密度
を積分し、系の全エントロピーを計算すると、熱流があることによるエントロピーの変化儡は
>儡=-C_pf((儺/T')^2):(確かに凸関数だ)

 既に、murak さんと同様の考えでの結論を求めていますね。
 ちゃんと定積比熱Cpをだしてして、O(δ^2)であることも。
 

  投稿者:ASA - 2008/06/18(Wed) 22:08  No.4250 
関係式としては
U(T~)= CvNT~
= CpNT'+T'dSm-NRT'

T':中間点の温度
T~:エネルギー視点での系の温度
Sm:murak式エントロピー?
が成立している模様。

T~を採用すると
通常の熱力学的関係式が成立していて
U=CvNT~
 dU=T~dS-pdV
 dU=0,dV=0でdS=0
がいえる。

  投稿者:ASA - 2008/06/19(Thu) 06:26  No.4252 
>「教科書に書かれているように一様温度でない系でエントロピーの加法性が成立してない好例」と言われていますが、ASAさんの議論自体はこのことを直接示している訳ではありません。
何故?
 逆に熱流によって定常状態にある系を平衡系の熱力学的で扱っているのを見たことがありません。murakさんはご存知なのかもしれませんね。是非紹介してください。
 エントロピー方程式を既に示しましたがhttp://www.sci.hokudai.ac.jp/~inaz/doc/B/gfd/node7.html
 によると、一定温度勾配では、加熱率が負、即ち系が熱を捨てなければエントロピー変化率は負になりません。熱収支バランスが取れている状態では、散逸(粘性)の影響によりエントロピー変化率は正になります。


  投稿者:ASA - 2008/06/19(Thu) 07:07  No.4253 
>(3)
>従って、系の総体積及び総物質量が不変であって、熱の(系全体での)収支がバランスしているなら、エントロピー変化は無いという論法は成り立たない。(勿論、系の代表温度が上昇しているので、エントロピーが上昇するという論法も成り立たない。)

 やはり、murak さんお得意の勘違いのようです。
2つ場合のmurak系を考察します。
No4218参照
 T1=T0/(1+ε)
 T2=T0/(1-ε)
 n1=n0(1+ε)
 n2=n0(1-ε)
T1n1=T2n2=T0n0
S=(n/n0)s0-cp*n*ln(n/n0)であたえられるので
Cp*n0=Cpで
儡1=εS0-Cp*(1+ε)ln(1+ε)
儡2=-εS0-Cp*(1-ε)ln(1-ε)
一般にエントロピー増分は、S0に依存する。
理想気体では、S0<0にとれるので儡2>0ということもありえる。

 ここから本題。
各部分系(i)は熱平衡状態なので
dQi =TidSi=-μidniが成立

dQ1=T1dS1=T0{εS0/(1+ε)-Cpln(1+ε)}
dQ2=T2dS2=T0{-εS0/(1-ε)-Cpln(1-ε)}
dQ=dQ1+dQ2=T0{-2ε^2S0/(1-ε^2)-Cpln(1-ε^2)}
=-T0ε^2{2S0*(ε^2m)-Cp(ε^2m/(m+1))}
=-T0ε^2{(2S0-Cp/(m+1))ε^2m}
S0>Cp/2で
dQ<0(ちなみにどのようなS0,CpをとってもdQ=0にできない)
 問題の前提であるdQ=0と矛盾。
 よってmurak系は無意味。

 つまり、murak系は、系全体の最終状態が、断熱壁によって熱移動が遮られ、圧力のみバランスしているという純粋に力学的平衡状態に達するケースをみている。
 問題としているのは、熱流によって生起される温度勾配が一定の定常系で、準静的に熱流を増加させる過程での終状態。

 物理的に異なる系および過程であることを良く認識して欲しい。

  投稿者:murak - 2008/06/19(Thu) 16:58  No.4257 
ようやくお気付きになったようですね。

ASAさんの言われる

「murak系は、系全体の最終状態が、断熱壁によって熱移動が遮られ、圧力のみバランスしているという純粋に力学的平衡状態に達するケースをみている。」

という認識は全く正しいです。
#4246でも述べているように、私のこれまでの具体的な計算では、系内の温度場や密度場がある分布を持つようになった状態での(その場自体の持つ)エントロピーを、温度場等が均一な完全な(熱)平衡状態と比べて議論していただけです。(そして、それにつき合ったASAさんの計算も、同じ事をしていたわけです。)

ただし、私がこのような計算を議論の対象にしていたのには理由があります。

私がこのスレッドの議論に参加した、最初の投稿(#4018)を見て貰えばわかると思いますが、私自身は、系にある温度構造がある状態で、そこを熱伝導により定常的に熱が流れている状況を考えれば、熱が流れること自体による平均的なエントロピー変化はゼロであると考えられることを最初の段階で述べています。そして、この結論は系の温度構造(あるいは基本場)によらず成り立つと考えられることから、「熱流自体によるエントロピー変化」と「基本場自体の持つエントロピー」とは切り離して考えるべきではないかという考えを述べています。

一方、基本場自体のエントロピーについて言えば、系内に温度差が出来れば、その状態でのエントロピーは(内部エネルギー、体積、粒子数が変わらなければ)一般的に、温度が均一な場合より低下しますが、それは、系の温度分布と密度分布が反比例の関係にあって、エネルギー密度分布が均一になっている(理想)気体の場合(ASAさんが提示した例)であってもそうだった。(実は、この部分の議論を(途中Stromdorfさんの持ち出した例の議論を挟みながら)延々やっていたわけです。そして最終的に温度差δに対しO(δ^2)程度の低下がみられるというという結果になった。)

以上のことを踏まえると、結局の所、「系の温度勾配と熱流が丁度バランスしていて、系全体のエントロピーが温度均一な初期状態から変化していない状態」というのは、温度勾配がゼロのごく近傍でのみあり得るという事になりそうです。あるいは、言い方を変えると、系内に或る程度の温度差が出来て、基本場のエントロピーが低下しているような状態には、ASAさんのいう「温度勾配と熱流がバランスしている定常状態」のみを経過して推移することは出来ないだろうというのが私の結論であり、主張です。(更にもう少し付け加えておくと、ASAさんの持ち出したような気体の例で、系内に或る程度の温度差がついている状態を維持するには、単に熱流とのバランス関係だけでは無理で、別の要因がいるように思われます。)

つまり、ASAさんの「断熱」の定義に出てくる、「ある部分系の内部で、定常非発散な熱流が生じて、熱収支がバランスしている状態」というのはかなり特殊な状況でしか成立しないと思われるので、それを一般的で広汎に使われるべき「断熱」の定義に使うのはいかがなものでしょう、というのが私の意見です。

----
なお、#4253の前半について言えば、勿論、儡1と儡2のそれぞれは正負になり得るけれど、儡=儡1+儡2をつくればS_0の項は打ち消し合って消える。(従って、儡の正負は初期値S_0には依存しない。)

また、#4253の後半については、各部分系について正しくは T_idS_i=d'Q_i=dU_i-μ_idN_i だと思うが。(なので場合によっては内部エネルギーが下がることがあった。)また、定常状態に達するまでの途中の過程は必ずしも定常とは限らないし、上に述べたように定常状態のみを経由してある指定された状態にいけるかどうかは怪しい。
----

一応、これが私が述べたかった事の全体像です。

ただ、結果は系を構成している物質の性質とかにも依るのだと思います。ASAさんの謂われるように、熱流があることで温度勾配を維持することが、それなりの温度差で、実際に可能な系があるとすると、ASAさんの主張は正しいようにも思いますが、一般論として云うなら、やはり特殊なケースではないでしょうか。(具体例として(?)気体を選んでしまったのが失敗だったのかもしれません。)

  投稿者:ASA - 2008/06/19(Thu) 19:29  No.4260 
murak さんNo.4257
>ようやくお気付きになったようですね。
 かなり最初の方から無意味ですと指摘していたのですが、
 それにdQ=TdS=0でないから矛盾するとも何度も指摘しておりましたよ。

 ほんとに何を主張なさりたいのかさっぱりわかりません。 dQ=0の熱流がある系では実質断熱と看做せるという主張に対して、murakさんはそうではないと主張されていたのではないのですか?


>系内の温度場や密度場がある分布を持つようになった状態での(その場自体の持つ)エントロピーを、温度場等が均一な完全な(熱)平衡状態と比べて議論していただけです。
 だからそれがどういう意味を持っているのか判りやすく説明してください。

>熱が流れること自体による平均的なエントロピー変化はゼロであると考えられることを最初の段階で述べています。
 その理由なり根拠は?
 あと、平均的なエントロピー変化とは、何について平均したものですか?時間平均ですか?

>「熱流自体によるエントロピー変化」と「基本場自体の持つエントロピー」とは切り離して考えるべきではないかという考

 再度お聞きしますが、「基本場」の定義はなんでしょうか?良く分からない概念なので説明をお願いします。
 「基本場」なる概念が説明されている、熱力学の教科書等を示していただいても結構です。

 ようするに、マクロ系を記述する状態量として、熱流自体によるエントロピーと基本場自体の持つエントロピーとの2種類が必要との主張ですか?

>結局の所、「系の温度勾配と熱流が丁度バランスしていて、系全体のエントロピーが温度均一な初期状態から変化していない状態」というのは、温度勾配がゼロのごく近傍でのみあり得るという事になりそうです。
 何故、この結論にたどり着くのか理解できません。系とその過程と最終状態とが全く異なっているのですから、比較自体が無意味と考えるのが妥当ではないでしょうか。

>ASAさんのいう「温度勾配と熱流がバランスしている定常状態」のみを経過して推移することは出来ないだろうというのが私の結論であり、主張です。
 全く論拠が無いにように思えます。既に述べたように準静的(無限に時間をかけて)でゆっくり熱流を増やしていくなら、(過程の途中熱流を変えない時間を設けても良い)、「温度勾配と熱流がバランスしている定常状態」のみを経過して推移すると考えられますけど(一般には準静的過程でなければエントロピーは増加します)。

 これをきちんと議論するにはエントロピー方程式等により、時間変化を考えなければいけません。見たところ十分に条件はクリアできる。

>単に熱流とのバランス関係だけでは無理で、別の要因がいるように思われます。
 また頓珍漢なことを。フーリエの法則を持ち出し説明してますよ。

>「ある部分系の内部で、定常非発散な熱流が生じて、熱収支がバランスしている状態」というのはかなり特殊な状況でしか成立しないと思われるので、それを一般的で広汎に使われるべき「断熱」の定義に使うのはいかがなものでしょう、というのが私の意見です。
 何故特殊なのですか?
 系内の熱的揺らぎを考えれば当然一般的に起こっているでしょ(しかも、系内の熱的揺らぎは有限時間で起こっている)。



>T_idS_i=d'Q_i=dU_i-μ_idN_i だと思うが。
今はdU_i=0のケースです。

>(なので場合によっては内部エネルギーが下がることがあった。)
 これも意味が不明です。具体的に説明してください。


>結果は系を構成している物質の性質とかにも依るのだと思います。ASAさんの謂われるように、熱流があることで温度勾配を維持することが、それなりの温度差で、実際に可能な系があるとすると
 一般的に成立しますよ。
murakさんは調べることができないようなので引用しておきます。
フーリエの法則http://www12.plala.or.jp/ksp/formula/physFormula/html/node65.html
「この法則は物質の形状,状態(固体,液体,気体)に関わらず成り立つ.」

  投稿者:ASA - 2008/06/19(Thu) 19:44  No.4261 
 これは余談ですが、
部分が2つのmurak系ですが
du=dv=0なので
TidSi+μidni=0が成立するはずです。
検算してみると
TidSi+μidni=O(ε^2)≠0となりました。
元から変な過程なのではと疑ってしまいます。


  投稿者:murak - 2008/06/20(Fri) 16:59  No.4288 
そろそろ終わりにしようかと思っていたのですが、色々誤解も多いようなので、もう一度だけ書いておきます。

---
熱現象の動的な様相を捉えるには、ASAさんも謂われるように、熱力学の第一法則を流体の方程式系と組み合わせるなりした解析が必要となります。その一端として、エントロピー方程式というものを考えることがあります(これは既に書き下されていることもあるし、他の方程式を組み合わせて作ることもある)。このエントロピー方程式を更に書き換えると、エントロピー流に関する次のような方程式が得られます。(式の形は一般に複雑になるので単に言葉で書いておきます)

  或る場所でのエントロピー(密度)の時間変化 + エントロピー流の発散 = その場所におけるエントロピー生成

系が定常状態にあるときは、左辺最初の項、すなわち場所を固定してみた場合のエントロピー変化がゼロになるので、その場合は、エントロピー流の発散と、その場所におけるエントロピー生成が丁度つり合うという関係が成立します。(もし各場所におけるエントロピー生成がなければ、それは結局エントロピー流の非発散性と同等になる。)

この状況をよーく考えてみると、結局、系が一旦定常に達してしまうと、系の場所毎のエントロピーは(それだけでなく一般に他の物理量も)もう変化できなくなってしまうという事であり、更に云えば、その際には系内を流れているエントロピー流は、場所毎のエントロピーに影響を与えないという事でもある。つまり、定常状態では、場所毎のエントロピーの値と、エントロピー流は無関係になってしまう。あるいは、言い方を変えると、場所毎のエントロピーとエントロピー流を分離して考えることが出来るという事だ。これは、エントロピーに限らず一般の物理量に対して言える。そこで、(定常状態での)場所毎に決まる物理量一般の(時間変化しない)分布を基本場と呼ぶ場合がある。(更に、定常じゃ無い場合や、時間変化する場であっても、場を基本場とそこからの変動成分に分けることも良くある。)

上の、定常状態に関する議論を更によーく考えると(考えなくても?)、基本場が変化したり、あるいは形成されたりするためには、定常じゃない状態が重要であることが分かります。つまり、初期状態を仮に全ての物理量が均一である状態であったとすると、そこから、物理量の値がある分布を持った状態に移行するには、途中必ず定常じゃない状態を経由しなければならないという事です。(その過程で、系内のある場所にある物理量が蓄積されたり、取り除かれたりする。)このスレッドにおける私のこれまでの発言は、この一般論から言えることを、ASAさんの持ち出してきた例に則した形で(わかりにくく?)言い換えたものに過ぎません。(ただし、このような流体系の取扱は、局所平衡という考え方がその根底にある事に注意しておく必要はあるでしょう。)

---
なお、フーリエの法則について言っておくと、これは普通「場に温度勾配があると、それに見合うような熱流が起こる」というふうに解釈されるのであり、「熱流があると、それにバランスするような温度勾配が形成される」とは読まない(後者のような過程は自発的には起こらない)。ただし、動的に変化している流体系のある一部分に着目していると、熱流にバランスするような温度勾配が形成されてゆくように見えることもある。しかしながら、この場合でも、熱流と温度勾配のバランス関係は普通は局所的にのみ成り立っており、ある大域的な領域で、温度場が揃って同じ温度傾度を持ちながら徐々にその勾配を増してゆくというような現象は普通起こらない。もしそのような事が起こるなら、それはかなり特殊な物質からなる系であろう云うのが#4235の最後に述べたことです。

---
以上です。

(なお、このスレッドにおける私の発言は、これで最後とさせて頂きます。あとはご自由になさって下さい。)

  投稿者:ASA - 2008/06/20(Fri) 19:32  No.4290 
murak さんNo.4288

はっきり言ってmurak さんの主張がいまだに良く分からないのですよ。
 murak さんの主張は、dQ=0で実質断熱と看做せないケースについて説明していたのではないですか?
 こちらは、熱力学的に扱える系で実質断熱と看做せる条件について何らかの制約があるのかどうかという問題意識を持って議論を続けていたのですが、murak さんとの議論では齟齬が多くて深まらなかったですよね。
 
>場所毎のエントロピーとエントロピー流を分離して考えることが出来るという事だ
 熱力学的変数としてエントロピー密度と、エントロピー流の2種類が必要ということですか?

>(定常状態での)場所毎に決まる物理量一般の(時間変化しない)分布を基本場
 専門家でないので、定常な温度分布、定常な密度分布なりの判りやすい用語でお願いします。

>物理量の値がある分布を持った状態に移行するには、途中必ず定常じゃない状態を経由しなければならないという事です。
 熱力学でも同様でしょ。
 だから、過程が重要ですけど、終状態が決まれば、保存量などで十分定性的に議論できます(内部エネルギー一定の過程とか)。

>この一般論から言えることを、ASAさんの持ち出してきた例に則した形で(わかりにくく?)言い換えたものに過ぎません。
 ご発言と全然対応していませんよ。想定している定常熱流糸と全く異なるmurak系でこれを示そうとしていたのですか?辻褄が合いません。

>「熱流があると、それにバランスするような温度勾配が形成される」とは読まない(後者のような過程は自発的には起こらない)。
 何か勘違いしてませんか?そんな主張はしてませんけど。
ドライブフォースとしては、局所熱量(ないしはエネルギー密度)の差を想定しています(確かに温度ポテンシャルみたいなのは想定してませんが)。
 あと、弱熱流なら温度勾配と熱流が比例するというのがフーリエの法則ですよ。

>大域的な領域で、温度場が揃って同じ温度傾度を持ちながら徐々にその勾配を増してゆくというような現象は普通起こらない。
 大域的とか普通というのが良く分からないですよ。具体的定量的にいえませんか?

>それはかなり特殊な物質からなる系であろう云うのが#4235の最後に述べたことです。
 前提としているのは、外部の熱ソースと熱シンクにより系内流入熱のバランス取りながら総量をコントロールできる系です。どう考えても系内物質によらないと思います。

 熱力学で言うところの熱浴による準静等温過程みたいなものですよ(系内物質によらないでしょ)。

  投稿者:ASA - 2008/06/20(Fri) 20:28  No.4291 
一次元熱伝導方程式
http://www12.plala.or.jp/ksp/formula/physFormula/html/node66.html
系内発熱がないときの解として、
T(t,x)=T'(sinh(k0x)exp(λt)+k1x+1)が存在します。
k0x<<1,λ<<1として展開すると
T(t,x)=T'(k0x(1+λt)+k1x+1)
κ(t)=λkt+k0+k1

結果として
T(t,x)=T'(κ(t)x+1)

>温度場が揃って同じ温度傾度を持ちながら徐々にその勾配を増してゆくというような現象は普通起こらない。
 ちゃんと解として存在することがわかります。

>外部の熱ソースと熱シンクにより系内流入熱のバランス取りながら総量をコントロールできる系です。
なので、普通に起こります。

  投稿者:ASA - 2008/06/21(Sat) 07:52  No.4296 
エントロピー方程式により前提としてる系のエントロピー変化を調べて見ます。
http://www.sci.hokudai.ac.jp/~inaz/doc/B/gfd/node7.html
より
(d/dt)s={κ/(ρT)}∇^2T
定圧過程で状態方程式P0=ρTなので
(d/dt)s=a∇^2T…(s-1):a定数
T(t,x)=T'sinh(k0x)exp(λt):No.4291よりを(s-1)に代入すると
(d/dt)s=bT:b定数となります。
xで積分することで密度から総量にすると
(d/dt)S=b∫Tdx,Tはxの奇関数なので
結局(d/dt)S=0

 定圧変化なら、温度勾配が時間的に変化する場合でも系の総エントロピーは不変。

  投稿者:ASA - 2008/06/21(Sat) 08:08  No.4297 
 No.4296より前提としてる系ではdS=0なので
 等エネルギー、等積過程で
 熱力学的関係式 dU=TdS-PdV が成立してます。
 
 しかし、murak系ではdS≠0なので
 dU=TdS-PdVが成立してません。
 矛盾ではないかと指摘しましたが、回答はありませんでした。

 
 

  投稿者:ASA - 2008/06/21(Sat) 09:00  No.4298 
murak系は途中でμを持ち出したので見通しが悪くなってます。
定圧過程によりで見通しをし易くしました。
系A初期状態:As(2V0,2n0,T0)
部分系A1初期状態As1(v1,n1,T0)=As1(V0(1-ε),n0(1-ε),T0)
部分系A2初期状態As1(v2,n2,T0)=As2(V0(1+ε),n0(1+ε),T0)
等圧過程で、A1にdQ1、A1にdQ2の熱を与えそれぞれV0にする。
状態方程式よりP0V=nRT.部分系の粒子数は変化しないのでV/Tは一定。
部分系A1終状態:Af1(V0,n0(1-ε),T0/(1-ε))
部分系A2終状態:Af2(V0,n0(1+ε),T0/(1+ε))
 等圧熱容量Cpを用いて
 dQ1=n1CpdT1=Cpn0(1-ε)*T0{1/(1-ε)-1}
=Cpn0T0{ε}
同様に
 dQ2=n2CpdT2=Cpn0T0{-ε}

 系Aへの熱流入量dQ=dQ1+dQ2=0

ここで エンタルピーを導入
 H=U+PV=n(Cv+R)T=nCpTからdH=nCpdT
 またdH=TdS+Vdp=TdS(等圧)なので
dS=nCp(dT/T)
 積分してエントロピーは S=nCplnT…(s-2)
系A初期状態:As(2V0,2n0,T0)でのエントロピーS0=2n0CplnT0は、各部分系のエントロピーの和になっている。
各部分系での終状態に対するエントロピーは
Sf1=n0(1-ε)Cpln(T0/(1-ε))
Sf2=n0(1+ε)Cpln(T0/(1+ε))
系Aでの終状態エントロピーは、
S0f=Sf1+Sf2=Cpn0( -(1-ε)ln(1-ε) +(1-ε)lnT0
-(1+ε)ln(1+ε) +(1+ε)lnT0 )
=Cpn0( -{(1-ε)ln(1-ε)+(1+ε)ln(1+ε)} +2lnT0)
差分
儡=S0f-S0=-Cpn0{(1-ε)ln(1-ε)+(1+ε)ln(1+ε)}<0

以上

  投稿者:murak - 2008/06/22(Sun) 02:39  No.4299 
もう出てこないつもりでしたが、#4296で扱われている一次元熱伝導方程式の解を用いたエントロピーの時間変化の計算は、#4288で述べたエントロピー方程式の扱い方の丁度良い練習問題になるので少しだけコメントしておきます。

エントロピーに限ったわけではありませんが、一般に流体の系において、有限の体積領域の内部における物理量の時間変化を考える際に、元の流体方程式をそのまま(体積)積分してしまうと、積分領域の境界を通じて出入りする物理量の評価が抜け落ちてしまいます。これを正しく扱うには、例えばエントロピー方程式なら、それを#4288で述べたようなエントロピー流の方程式(フラックス形式)に書き換えておく必要があります。エントロピー方程式としてASAさんが参照していたもの(稲津君のページ)の一次元版

  {∂/∂t + u*∂/∂x} s = (1/T)*{ (κ/ρ)(∂/∂x)^2 T + Φ/ρ + Q/c_v }

を使うとすると、そのフラックス形式は、j(t,x) = - κ∂T/∂x を熱伝導による熱流として

  ∂(ρ*s)/∂t + ∂(u*ρ*s)/∂x + (∂/∂x)(j/T) = j*(∂/∂x)(1/T) - s*(∂ρ/∂x) - s*(∂(u*ρ)/∂x) + Φ/T + ρ*Q/(c_v*T)     (1)

と書かれる。簡単の為に密度ρ(t,x)は時間的にも空間的にも一定であるとして、更に散逸関数Φや非断熱加熱Qもゼロとしてしまうと、これは

  ∂(ρ*s)/∂t + ∂(u*ρ*s)/∂x + (∂/∂x)(j/T) = j*(∂/∂x)(1/T) - ρ*s*(∂u/∂x)

となる。すなわち、流体の運動に伴うエントロピーの輸送 u*ρ*s と熱伝導による熱流を温度で割ったもの j/T の和をエントロピー流 J と定義することにより、エントロピー流の方程式

   ∂(ρ*s)/∂t + div J = j*(∂/∂x)(1/T) - ρ*s*(∂u/∂x)      (2)

が得られる。この右辺が(この場合の)エントロピー生成項であるが、これは結局、温度勾配のある場所を熱が流れることによるエントロピー生成(右辺第一項)と物質流が滞ることによるエントロピーの溜まり(右辺第二項)が夫々の場所におけるエントロピー生成として勘定されることを示している。ここで更に特別の場合として、物質の流れ(移動)が全く起こらない場合、すなわち u=0 の場合を考えると、エントロピー流は単に J = j/T となって、

   ∂(ρ*s)/∂t + (∂/∂x)(j/T) = j*(∂/∂x)(1/T)

がフラックス形式のエントロピー方程式となる。この左辺第二項を右辺に移してある空間領域(区間[x_1,x_2])で積分すると、その空間内のエントロピーの微小時間内における変化を表す式として

   (∂/∂t) ∫(ρs)dx = - [j/T] + ∫{j*(∂/∂x)(1/T)}dx

が得られる。積分は勿論区間[x_1, x_2]における定積分であり、右辺第一項は j/T の区間両端における値の差(すなわち領域の境界を通じて熱が流れ込む事によるエントロピーの増減)を表している。これが純粋に熱伝導だけで熱が流れている場合の有限領域内におけるエントロピーの時間変化を表す式となる。
(勿論、熱伝導だけでなく物質流も存在する場合には、(1)式なり(2)式なりを空間積分しなければならない。)

(これで本当に最後)

  投稿者:ASA - 2008/06/22(Sun) 08:02  No.4300 
murakさんNo.4299

全く節穴なんですから

> ∂(ρ*s)/∂t + ∂(u*ρ*s)/∂x + (∂/∂x)(j/T) = j*(∂/∂x)(1/T) - s*(∂ρ/∂x) - s*(∂(u*ρ)/∂x) + Φ/T + ρ*Q/(c_v*T)     (1)

- s*(∂ρ/∂x)は、- s*(∂ρ/∂t)ではありませんか?

>簡単の為に密度ρ(t,x)は時間的にも空間的にも一定であるとして
 これがそもそも間違い。

No.4296>定圧過程で状態方程式P0=ρTなので
ρ(t,x)、T(t,x)と時空の関数ですがその積は、定数。
状態方程式は、熱力学の基本方程式でしょうに


>  {∂/∂t + u*∂/∂x} s = (1/T)*{ (κ/ρ)(∂/∂x)^2 T + Φ/ρ + Q/c_v }
これは、結局状態方程式の縛りにより、
No.4296>(d/dt)s=a∇^2T…(s-1):a定数
と同じで
つまりκ定数なら
    (d/dt)s=-∇J…(j-1)
 となって、
”熱伝導だけでなく物質流も存在する場合で”も(定圧で外部との物質やり取りなしなら)Jが一定の場合は、エントロピー密度すら変化しない。
系内物質流は、関係しないことを示したのですが理解できないようです。

前提としている系での過程は等圧過程。
(No.4298の方が判り易いでしょ)
その系内への物質の流入は無しです。
で流入熱量バランスは取れている。
境界条件は、J(t,l/2)=J(t,-l/2)で時間発展する空間的に奇関数の解を選択すればOK。
 時間発展する場合では、局所的なエントロピー密度の増減があるが、空間積分したトータルエントロピーでは変化無し。
 つまり系のマクロ変数としてのエントロピーは定常でない熱流と無関係であることを示しました。

 "空間斉一的な時間発展が普通存在しない"などとの「トンデモ」発言は いい加減にして欲しいものです。

  投稿者:ASA - 2008/06/22(Sun) 15:17  No.4302 
これで纏ったと考えます。

定エネルギー密度の過程を考える。
du=0のケース
Tds=-(p/ρ)dρ
p=ρT
より
ds=-dρ
s(t,x) =-ρ(t,x)+a:a定数
つまり
∫ρ(t,x)dx=N:系内粒子数一定
なので
S(t,x)=∫s(t,x)dxは一定


また このときp0=ρT;定数なので
系内温度が一定勾配で時間変化する
T=T'(1+kx)F(t):F(0)=1であるとき
ρ=ρ'/(1+kx)F(t)となる
s=-ρ'/(1+kx)F(t) +a
t=0のケースを考察
s(0,x)=-ρ'/(1+kx) +a
あと,系内温度が一定系では、
ρ=N/l:一定なので
s0=-N/l+a
差分を考えると
冱=s-s0=-ρ'/(1+kx)+N/l
積分すると
儡=∫冱dx=-N+N=0(なお、この関係は、任意の時刻で成立。)


一方No.4298の2分muraku系だとに以下に相当、
s1=-ρ'/(1-ε) +a
s2=-ρ'/(1+ε) +a

ρ'(1/(1-ε)+1/(1+ε))=ρ'(2/(1-ε^2))=2n0
よりρ'=n0(1-ε^2)
ρ1= n0(1+ε)
ρ2= n0(1-ε)

s1=-n0(1+ε) +a
s2=-n0(1-ε) +a

冱1=s1-s0=-n0ε
冱2=s2-s0= n0ε


No.4298の過程では、系1の温度は、T0からT0/(1-ε)に上昇しており
そのとき、系1の内部エネルギーは、Cpn0T0{ε}だけ上昇している。
等エネルギー過程でのエントロピー差分は上述のようにn0εとεに例している、
この過程の違いにより、エントロピーの差がO(ε^2 )で出てくる。

以上


  投稿者:ASA - 2008/06/22(Sun) 15:51  No.4303 
>この過程の違いにより、
 語弊がありますね。むしろ断熱壁により熱流が遮断されているという系の違いが本質的ですな。
 このようにして、dQ=0で連続な熱流ができる場合、その系の総エントロピーが変わらないことを示せました。
 よって、実質断熱とみなして実用上問題ありません。あとは定義や解釈などの流儀や好みの問題でしょう。

  投稿者:ASA - 2008/06/22(Sun) 18:57  No.4306 
murak さん No.4299
>(∂/∂t) ∫(ρs)dx = - [j/T] + ∫{j*(∂/∂x)(1/T)}dx
 お気づきと思いますが、
熱伝方程式の変数分離解は
∂xT(x)=aT(x):a定数
を満たしますので
j/T=const
(∂/∂t) ∫(ρs)dx =0
時間変化なしですね。

  投稿者:murak - 2008/06/23(Mon) 12:44  No.4312 
とりあえず#4299の訂正から。

>> - s*(∂ρ/∂x)は、- s*(∂ρ/∂t)ではありませんか?

御指摘通り、∂/∂xは∂ρ/∂tの間違い。ついでに+-も間違い。更に言えば「簡単の為に密度ρ(t,x)は時間的にも空間的にも一定である」等と言う仮定も必要ありません。#4299における(1)式右辺の s のかかった項は先日は私の目が節穴だったため消えませんでしたが、間違いを修正すれば連続の式から無事消えますね。

----
つまり、散逸関数Φと非断熱過熱Qがゼロであれば、(κを定数とする以外)特に何も仮定を置かなくても、エントロピー流に関する方程式

    ∂(ρ*s)/∂t + ∂(u*ρ*s)/∂x + (∂/∂x)(j/T) = j*(∂/∂x)(1/T)     (1')

が成立します。これを区間[x_1, x_2]で積分することで

    (∂/∂t) ∫(ρs)dx = - [u*ρ*s] - [j/T] + ∫{j*(∂/∂x)(1/T)}dx

を得るが、積分区間の両端では物質流がない(u=0)であることを考慮すると右辺第一項は消えて、結局今の場合は、着目領域の内部で物質流があろうがなかろうが、着目領域におけるエントロピー変化としてはやはり

    (∂/∂t) ∫(ρs)dx = - [j/T] + ∫{j*(∂/∂x)(1/T)}dx       (3)

が成立することになる。(つまり#4299の最終結果は正しい)

----
ここで(3)式の右辺を再び逆の変形で戻してやると

    (∂/∂t) ∫(ρs)dx = ∫{(κ/T)*(∂^2T/∂x^2)}dx       (4)

が得られるので、少なくとも今の場合に限っては、領域全体で(4)式の右辺を(物質流のことは考えずに)体積積分したものが、領域全体のエントロピー変化を与えるというASAさんの見込みは正しい。

ただし、ASAさんの書いている (d/dt)s=-∇J という式の左辺は、以前別のところでも言ったように、移動する流体粒子にのった視点でのsの時間変化を見ている事になる。従って、ASAさんの言う「(Jが一定なら)エントロピー密度の変化すらない」とは、流れに乗ってみれば(単位質量あたりの)エントロピー密度が時間変化しないという意味である。しかしながら、それはS(t,x)が全ての場所で一定である事を意味しない。実際、或る時刻における(均一でなく分布している)エントロピー密度を各流体粒子が保ったまま運動しているならその条件は満たされる(いわゆる等エントロピー流)。

----
また、温度分布が着目領域において直線的な分布(xの一次関数)をしているならば、(4)式右辺は消えるので、確かに温度分布が空間的に均一な温度勾配を保ったまま時間発展するなら、その領域全体のエントロピー変化はゼロだ。(あるいはまた、系が定常状態を保ったまま時間発展し得るならば、全エントロピーの変化はゼロ。)その事自体は(以前から)私自身も否定はしていない。問題は、温度場が空間的に均一な温度傾度を保ったまま時間発展することが可能かどうかという事になる。

しかし、この点については、ASAさん自身が示している熱伝導方程式の厳密解が答えを与えている。ASAさん自身は厳密解をわざざ近似することで、温度傾度一定の時間発展が可能だと主張しているが、厳密解をそのまま使えばそうはならないことは明らかである。例えば、一次元熱伝導方程式の解として

    T(t,x) = T_0 + ΔT*exp(λt)*sinh(k*x)   : k=√(λ/κ)

を用いて(4)式を計算すればエントロピー変化は負となる。

---
なお、#4306の

> 熱伝方程式の変数分離解は
> ∂xT(x)=aT(x):a定数
> を満たしますので
> j/T=const

で、熱伝方程式の変数分離解の一部が ∂xT(x)=aT(x) を満たす事はあり得るが、解は一般にその線形結合になるので、解一般について j/T=const を言うことは出来ない。実際 T(x)=sinh(k*x) だとそうならない。

  投稿者:ASA - 2008/06/23(Mon) 14:34  No.4313 
ほんとに節穴なんですから

> ∂(ρ*s)/∂t + ∂(u*ρ*s)/∂x + (∂/∂x)(j/T) = j*(∂/∂x)(1/T)     (1')
 ちがいます。
右辺に ρs*∂x(u)が抜けてますよ。ρsがxの関数ですから
以下の記述は間違い。


  投稿者:ASA - 2008/06/23(Mon) 15:14  No.4314 
 失礼。よろしいようです。

  投稿者:ASA - 2008/06/23(Mon) 15:28  No.4315 
 あと勝手にエントロピーの定義を変えられても困ります。

  投稿者:ASA - 2008/06/23(Mon) 16:25  No.4316 
>しかしながら、それはS(t,x)が全ての場所で一定である事を意味しない。
はあ?今の場合、系内では一定でしょ。外部のことは問題にしてませんよ。圧力がバランスして密度変化がないのだから流れなし。 密度変化がある場合は流れができますが。

> (∂/∂t) ∫(ρs)dx = ∫{(κ/T)*(∂^2T/∂x^2)}dx       (4)

∂t{ρs}= (κ/T)∂^2T -∂{suρ} (4-a)
ではありませんか?

>厳密解をそのまま使えばそうはならないことは明らかである。
kL<<1となるようにゆっくりと変化を起こすなら、
T=sinh(k*x)は、実質一定勾配でしょ。

>j/T=const を言うことは出来ない。実際 T(x)=sinh(k*x) だとそうならない。
j=-κ∂T

T(x)=sinh(k*x)
なら
j/T=constですが、

  投稿者:ASA - 2008/06/23(Mon) 16:41  No.4318 
いままでの議論からmurakさんは、熱力学的エントロピーとは別の状態量を想定している節があったのですが、
Gs≡∫(ρs)dxを述べていたのですね。
この状態量Gsの物理的意味の解説をお願い致します。
どのような熱力学関係式が成立するのでしょうか?


  投稿者:ASA - 2008/06/23(Mon) 17:50  No.4319 
 話はずれますが、フーリエの法則を使ったのだから、
解としてはフーリエ級数のもの
T=T0(1+δ(x/l)-(ai)sin(kix)exp(-νit))を採用してもよいですね。
δ(x/l)のフーリエ展開係数がai
T(t=0)=T0
T(t=∞)=T0(1+δx)
これの方が定常状態に達する準静的過程の後半に相応しいでしょう。
立ち上がりはT=T0(1+εsinh(kx)exp(λt))の方がkL<<δを取れるのでよい。過程に依存する量ならkL<<δで実質変化なしとできます。

  投稿者:murak - 2008/06/23(Mon) 20:22  No.4320 
> #4316
j=-κ∂T

T(x)=sinh(k*x)
なら
j/T=-κcoth(k*x) だと思うが。

> ∂t{ρs}= (κ/T)∂^2T -∂{suρ} (4-a)
> ではありませんか?

微分形ではなく、領域全体を積分した形で見ている事に注意。

---
> #4315, 4318

別に、「勝手にエントロピーの定義を変え」ているわけでもないし、熱力学的エントロピー以外の量を議論した覚えもない。特に、エントロピー方程式を用いた議論を始めてからは、その方程式に基づいた議論をしているだけだ。
ちなみに、エントロピー方程式をフラックス形式

  ∂(ρ*s)/∂t + div J_s = エントロピー生成項

に書き換えたとき、右辺の生成項に s の入った項が残ってしまうと、それは変形に失敗しているのであって、右辺により左辺の量(エントロピー)を定義するという形式になっていない事になる。実は、#4299の(1)式はその意味で、変形に失敗していて、そのため色々歯切れが悪かったのであるが、#4312の(1')式の方は大丈夫。この場合、生成項は j*(∂/∂x)(1/T) であって、温度差があるところを熱が流れることによりエントロピーが生成される事を表しており、その熱力学的意味は明確だと思う。#4312の終わりの方に書いた T(t,x) = T_0 + ΔT*exp(λt)*sinh(k*x) を用いた計算も、それを(4)式の右辺に入れることにより、左辺の量が負になる事を示しているのであって、左辺の ∫(ρs)dx を直接計算しているわけではない。

ただし、この議論を始めた最初の頃は、与えられた系に対して ∫(ρs)dx に相当する量を直接計算していたのは確かである。その場合の s は#4162あるいは#4211に出てくる (**) 式で定義されるものであるが、これは#4162でも述べているように、熱力学的な関係式

   dS = (1/T)dU - (P/V)dV + (μ/T)dn    (*)

を、理想気体の状態方程式を用いて積分したものである。(上の熱力学的な関係式自体は普通の熱力学の教科書に出てくるものである。例えば久保編「大学演習熱・統計力学」第三章参照。dnの項が無い場合の積分は、普通の教科書に大抵書かれているが、dnのついた形を積分したものはあまり見かけない。この積分を行ったのは Gibbs かもしれないが、ちゃんと調べたわけではない。詳しくは以前触れた教科書等を参照していただきたい。)

  投稿者:ASA - 2008/06/24(Tue) 08:59  No.4324 
>エントロピー方程式を用いた議論を始めてからは、その方程式に基づいた議論をしているだけだ。

式変形をして、実際次元が変わってるじゃないですか
>∂(ρ*s)/∂t + div J_s = エントロピー生成項
∂(ρ*s)/∂tこれがエントロピー密度生成速度というなら
ρ*sがエントロピー密度に対応しており、
今までの定義であるsがエントロピー密度ということと明らかに違っている。

だから、一般的なGs=∫(ρ*s)dVがどのような熱力学意味を持っているか尋ねているのです。

>生成項は j*(∂/∂x)(1/T) であって、温度差があるところを熱が流れることによりエントロピーが生成される事を表しており、その熱力学的意味は明確だと思う。

定熱流でエントロピーが発生するとしたら、矛盾ですよ。
jの大きさに依存しているので、エネルギー密度不変で準静的に熱流の大きさを変えたときでも差分が生じる。
よってdSは0でなくなり、
何度も繰り返しますが、TdS=0と矛盾。

 まずこの矛盾について合理的に説明してください。


>  dS = (1/T)dU - (P/V)dV + (μ/T)dn    (*)
 何度も繰り返しますが、今の過程は、定エネルギー密度、等圧、粒子総数と総体積とが不変の過程です。Tds=μdn
上の式でも隣接セル間でケミカル平衡状態と看做し、μ∝Tとしたときは、No.4302と同様にds∝-dn
∫dx(dn)=0より系全体のエントロピー変化は、∫dx(dS) = 0
です。

  投稿者:murak - 2008/06/24(Tue) 13:10  No.4326 
> 式変形をして、実際次元が変わってるじゃないですか

何を馬鹿なこと言っているのだ。
ASAさんが参照した稲津君のエントロピー方程式は単位質量あたりの式だ。
一方、空間の固定された領域での物理量(エントロピー)を議論する(積分する)には単位体積当たりの量に直さねばならない。そこで提示されたエントロピー方程式全体にに密度ρを掛けてから式変形しただけだ。
また、#4211のエントロピーの式はエントロピー密度の式というより、任意の単純平衡系(理想気体)に対する系のエントロピーを与える式であり、全体を体積で割れば単位体積あたりのエントロピー密度になるし、例えば n で割れば単位モルあたり(あるいは単位粒子あたり)のエントロピー密度になる。その辺は場合に応じて使い分ければ良いだけだ。

---
> 定熱流でエントロピーが発生するとしたら、矛盾ですよ。

熱流一定の場合、一方の境界から入ってきた(熱流に伴う)エントロピーと系内で発生したエントロピーの和がもう一方の境界からそのまま流れ出るので、系内のエントロピーの増加は無い。つまり

   - [j/T] + ∫{j*(∂/∂x)(1/T)}dx = -∫{(1/T)*(∂j/∂x)}dx = 0

という事だ(既に#4312で言及している)。(これは局所的にも成立する)

  投稿者:ASA - 2008/06/24(Tue) 18:38  No.4327 
 おお、確かに単位質量あたりの式だ。
 失礼しました。

>熱流一定の場合、一方の境界から入ってきた(熱流に伴う)エントロピーと系内で発生したエントロピーの和がもう一方の境界からそのまま流れ出るので、系内のエントロピーの増加は無い。

 なら問題ないですね。
 準静過程で熱流一定になるようにすれば、総エントロピーも変わらないということですな。


  投稿者:ASA - 2008/06/24(Tue) 19:01  No.4328 
あと気になったのが
>> ∂t{ρs}= (κ/T)∂^2T -∂{suρ} (4-a)
>> ではありませんか?
>微分形ではなく、領域全体を積分した形で見ている事に注意。

 エッジでのuは、0ではないのでは?
何か前提を設けないと、[suρ]は消えないと思います。

  投稿者:murak - 2008/06/24(Tue) 19:38  No.4329 
> 準静過程で熱流一定になるようにすれば、総エントロピーも変わらないということですな。

正確には、「全ての瞬間において、熱流が空間的に一定(一様)」という条件を満たしながら場が変化しなければならない。しかし一次元熱伝導方程式

  (ρc)∂_t T = - ∂_x j

からすれば、そのとき温度場の時間変化率もゼロである。よってエントロピーも変わらない替わりに、温度場も変わらないという事になる。

> 何か前提を設けないと、[suρ]は消えないと思います。

勿論、両端には剛体壁のようなものがあって、物質は出られないという事を想定している。(普通はそうすると思うが。あるいはρu=0でも良いけれど。)

  投稿者:ASA - 2008/06/24(Tue) 20:43  No.4330 
で結局
>何度も繰り返しますが、TdS=0と矛盾。
 これには答えてくれないのですね。

murakさんの主張は、
 Gs≡∫(ρs)dV(∫範囲は系全域)
 が、過渡的過程でも通用する系全体を代表する一般化したエントロピーであり、熱力学でのエントロピーSに相当する。
 従って、d'Q=Td(Gs)が成立するということでよろしいでしょうか?

 また繰り返しますが、そうすると TdS=0と矛盾しませんか?

 これに対する回答を最優先でお願いいたします。


以下は余談

> (ρc)∂_t T = - ∂_x j
 等圧過程なのでc_p、密度変化するからセル内熱容量の増分は、∂t (ρ(t,x)*c_p*T) ですな。
 したがって
c_p*T* ∂t ρ(t,x) + (ρc_p)∂t T = - ∂_x j
>温度場の時間変化率もゼロである
とは限らないわけです。
つまり、密度分布の時間変化とバランスする温度場の時間変化で、一定熱流なら、総エントロピーは変わらない。
これでOKですか?

  投稿者:ASA - 2008/06/25(Wed) 07:03  No.4333 
既にNo.4302で纏めていますが、murak さんのように読めてない人がいるので再確認しておきます。

dU=TdS-PdV
粒子数であたり
d(U/n)=Td(S/n)-Pd(V/n)
ρ=n/V
d(U/n)=Td(S/n)-Pd(1/ρ)
:勘違いしてしまったInatsu での表示

セルあたりに直すためρをかける
d(U/V)=Td(S/V)-Pρd(1/ρ)
密度にすると
du=Tds+Pd(ρ)/ρ (e-1)

前提とする過程ではdu=0なので強力な関係式が存在します。
No.4302>Tds=-(p/ρ)dρ
No.4302>p=ρT
No.4302>より
No.4302>ds=-dρ
つまり
ds=-dρ   (s)
全粒子数(単位質量をかけて質量にしてもよい)∫ρdV=N(or M)で不変(どの時刻でも)。
したがって系の全エントロピー∫sdV=Sも不変となります。
ようするに、密度ρが満たす各種の関係が、エントロピー密度でも成立します。
例、連続の式:∂t(s) +∂(us)=0 (s-1)
局所的なエントロピー密度sは、この過程において(s-1)を満足するように様々に変化するが、
結局、最終状態(密度sは一様でない)の全エントロピーSは初期状態の全エントロピーS0と変わらない。

 これで疑問の余地はないはずですが。

  投稿者:murak - 2008/06/25(Wed) 11:45  No.4334 
> d(U/n)=Td(S/n)-Pd(1/ρ)

より

> セルあたりに直すためρをかける
> d(U/V)=Td(S/V)-Pρd(1/ρ)

となってますが、ここで何故ρがdの中に入ってしまうのでしょう?(ρはこの場合時間空間の関数ですよね)
この変形で言えるのは、あくまで単位粒子あたりのエネルギー密度 u,エントロピー密度 s に対する関係式

 ρdu=ρTds+Pd(ρ)/ρ

ではありませんか?
(そして単位粒子数あたりでみた u は一定ではない)

---
なお、#4330の余談については、

熱伝導方程式

> (ρc)∂_t T = - ∂_x j

は局所的(つまり各点各点)で成り立つ関係式であるから、右辺がゼロならば、ρc=0 でない限り ∂_t T=0 となる。

  投稿者:ASA - 2008/06/25(Wed) 16:31  No.4337 
それより、
>何度も繰り返しますが、TdS=0と矛盾。
これへの回答を最優先にしてくれ。


>> (ρc)∂_t T = - ∂_x j
>は局所的(つまり各点各点)で成り立つ関係式であるから、右辺がゼロならば、ρc=0 でない限り ∂_t T=0 となる。
 はあ? これこそ馬鹿なことを言っちゃいかん。物理的意味を考えなさい。
熱伝方程式は、流入熱と温度増分の関係式だ。(ρc_p T)こいつの時間変化を見なきゃいかん。

  投稿者:murak - 2008/06/25(Wed) 19:39  No.4340 
>>何度も繰り返しますが、TdS=0と矛盾。
>これへの回答を最優先にしてくれ。

これまでにも何度か矛盾でないと説明していますが、ASAさんが納得されないようなので、同じ事を繰り返しても仕方がないとの判断で黙っているだけです。ただ、それでは芸がないので、少しだけ。

ASAさんの持ち出された系には加熱の卓越する部分と冷却の卓越する部分がある訳ですから、これに着目して系を体積的に二等分して考えることにします。ASAさんの設定に従えば、体積的にみたエネルギー密度が均一でなければなりませんから、この二つの部分系の内部エネルギーは等しく、また初期値と変わらないのでしたよね。しかるに、加熱の卓越する部分には当然ある熱量Qが入ってきているわけですから、(部分系に関するエネルギー保存から)この入ってきた熱量に相当するエネルギーが部分系から何等かの形で取り除かれていなくてはなりません。これは一体どこへ行ったのでしょうか?この点に関するASAさんのお考えをお聞かせ頂ければ幸いです。


--
余談の話

物理的な考察は既に熱伝導方程式を導く段階で十分されている筈です。その結果、局所的な微分量の間の関係式として微分方程式

 (ρc)∂_t T = - ∂_x j = κ(∂_x)^2 T

が成り立つことが導かれたわけですから、その方程式にのっとって議論する際には当然、その方程式が示す局所的な関係式は使って良い筈でしょう。

それと、ASAさんが書かれている関係式

> c_p*T* ∂t ρ(t,x) + (ρc_p)∂t T = - ∂_x j

ですが、もし、これが局所的に成り立つ関係式(方程式)ならば、これと熱伝導方程式を組み合わせれば

c_p*T* ∂t ρ(t,x) = 0

が導かれてしまいます。
この点はどうお考えですか?

  投稿者:ASA - 2008/06/25(Wed) 20:06  No.4341 
>これまでにも何度か矛盾でないと説明していますが
矛盾でないなら問題ないですね。

>これは一体どこへ行ったのでしょうか?
意味がわかりません。



>物理的な考察は既に熱伝導方程式を導く段階で十分されている筈です。
 あんたがしてないだけでしょ。
 熱伝導方程式を導く段階を調べましたか?

>が成り立つことが導かれたわけですから、
http://www12.plala.or.jp/ksp/formula/physFormula/html/node66.html
 明らかにρ一定と看做していますね。

>c_p*T* ∂t ρ(t,x) = 0
>が導かれてしまいます。
>この点はどうお考えですか?
はあ?
 どうやって導いたのか示してください。



  投稿者:ASA - 2008/06/25(Wed) 20:20  No.4342 
こちらの方がいいですね。
http://idb.exst.jaxa.jp/microgravity/02478/200304J02478040/200304J02478040.html

(2.8)式参照

また、温度拡散率κが(1/ρ)に比例していることも示されてます。

  投稿者:ARA - 2008/06/25(Wed) 21:58  No.4343 
> http://www12.plala.or.jp/ksp/formula/physFormula/html/node66.html
> 明らかにρ一定と看做していますね。

なんだ、そんな粗い近似の話をしてたのか。しょーもなー

  投稿者:murak - 2008/06/26(Thu) 06:08  No.4348 
ASAさんのおっしゃる矛盾とは要するに次のようなことです。

----
ASAさんの考えでは、(系が定常状態にあるなら?)系全体を代表する「代表温度 T_g」と「代表エントロピー S_g」のようなものがあって、それらの間に(平衡状態の場合と同様の?)熱力学的関係式が成り立たねばならないという事のようで、今回の様に系全体の体積と粒子数が変らないならば、それは dU_g=T_g*dS_g にならねばならないが、系全体のエネルギーが不変なので T_g*dS_g = 0 すなわち dS_g=0 でなければならないという結論のようです。

しかしながら、私の方は(非平衡状態では)系全体を代表する温度なんてものを定義する必要は無いし、系全体に対して適用できる熱力学的関係式なんてものも無いと考えている。その代り、系を部分系に細分することで夫々の部分系について状態量を定義した上で、夫々の部分系については(平衡状態での)熱力学的関係式が成立すると考え、それから決定される部分系のエントロピーの総和として系の全エントロピーを定義しようとしている。
(私の発案したものではありませんが)
----

で、私の考えでASAさんの例について全エントロピーの変化を計算すれば、ΔSがゼロでないという結論が得られるので、それは矛盾だとおっしゃる。しかし、それはASAさんの考えに基づくと私の結果が受け入れ難いものになるというだけの話であって、元々土台としている考え方に相容れないものがある以上、双方の結論が食い違うのはある意味当然です。(もし矛盾を言うなら、相手の理屈の内部にある矛盾を言わねばならない。あとは実験か、既存理論との整合性。言わずもがなの事ですが。)


---
余談の方は、(一次元)熱伝導方程式 (ρc)∂_t T = κ(∂_x)^2 T を持ち出してきて、その解を使った議論を始めたのは元々ASAさんの方(それだとρ一定と見なしている事になるけれど)なので、ASAさんがそれを使わない事にされるなら、それはそれでかまいません。

  投稿者:ASA - 2008/06/26(Thu) 06:52  No.4350 
>私の方は(非平衡状態では)系全体を代表する温度なんてものを定義する必要は無いし、
実際定義できないと困るんですよ。
通常の物体は、ミクロ視点では何らかの乱流や熱的揺らぎ(これ重要)があるものです。これがあるオーダー以下なら定義して構わんという主張です。

>系全体に対して適用できる熱力学的関係式なんてものも無いと考えている。
 ようするに、熱力学は使えないという主張ですね。
 別スレでの主張、「熱力学の適用範囲は広い」というのと完全に矛盾していますよ。どう整合性を保っているのか、疑問に感じます。

>部分系のエントロピーの総和として系の全エントロピーを定義しようとしている。
 一般的エントロピーGsを定義した訳ですよね。で、このGsを使うと、今のケースで変化僭sはどうなるのですか?
 定量的に示して下さい。
 自分の立場では、僭s=0でなければ、系を代表する変数とは看做せないという立場ですが。

>双方の結論が食い違うのはある意味当然です。
 え?本当に僭s≠0なのですか?結論出してないでしょ。ただ曖昧に違うかもしれないなあとあんたが思っているだけ。
せっかくの議論なんだから、きちんと定量的に示してみてください。murakさんは検索することができないようなので必要な情報は、こちらが提供しますよ。

>熱伝導方程式 (ρc)∂_t T = κ(∂_x)^2 T を持ち出してきて、その解を使った議論を始めたのは元々ASAさんの方
 これは、"温度勾配一定と看做せる時間発展は通常存在しない"という看過できない馬鹿かな主張に対する反論に用いただけ、これで今のケースを議論できるとは思っていない。
 勝手に解釈して変な主張するのはいい加減止めてください。
(最後にするといいながら、何度も書き込むなんておかしいですよ)

 また、Gsをきちんと計算するなら、モデルに即した式を使いましょうということ、お分かりですか。

 ちなみにκは温度依存性があるので微分の前に出ません。
気体の場合、温度と共に上昇するので、第一次近似 κ(T)=κ0+aT:a比例定数として扱えばよいでしょう。
ただし左辺はc_p∂_t (ρT)で扱うこと。

  投稿者:murak - 2008/06/26(Thu) 21:05  No.4356 
> 通常の物体は、ミクロ視点では何らかの乱流や熱的揺らぎ(これ重要)があるものです。

それは勿論ですが、必ずしも系全体での代表温度やその他のマクロな状態量が定義される必要はないでしょう。系を適当な部分系に分割した場合に、部分系毎の状態量が定義できれば十分でしょう(局所平衡の考え方からすれば)。

それに、ASAさんの持ち出した例における加熱の不均一は、ミクロな「揺らぎ」ではないですよね。例えば加熱と冷却が時間空間的にランダムにあらゆる場所で起こっていればそれを適当な領域で時間空間的に平均すればゼロとみなせるでしょうが、ASAさんの例では、マクロ的に見て明らかに加熱の卓越する領域と冷却の卓越する領域が分かれていて、しかもそれらの間には有限の温度差があるわけです。


> ようするに、熱力学は使えないという主張ですね。

そうではないです。系を部分系に分割すれば、その部分系では熱力学が使えるという主張です。先の発言にも書いたように、系全体で一つの熱力学的関係式が成立していいなくても、部分系毎にそれぞれ熱力学的関係式が成立していれば、部分系毎の状態量を用いて、熱力学的な計算(例えばエントロピーの計算)が出来るという事です。
別スレで述べたことも、局所平衡系や複合系を考えることによって熱力学の適用範囲は広がるという趣旨であった筈です。


> 一般的エントロピーGsを定義した訳ですよね。で、このGsを使うと、今のケースで変化僭sはどうなるのですか? 定量的に示して下さい。

系を二分割した場合の計算は既に示している筈ですが、連続変数にした場合の積分の計算は少し待っていただく必要がありますね。

とりあえず。

  投稿者:ASA - 2008/06/27(Fri) 09:20  No.4359 
>必ずしも系全体での代表温度やその他のマクロな状態量が定義される必要はないでしょう。
ボケるのもいい加減にしろ。
何度も繰り返すが、前提はマクロな状態量が定義できる熱力学系だ。

>例えば加熱と冷却が時間空間的にランダムにあらゆる場所で起こっていればそれを適当な領域で時間空間的に平均すればゼロとみなせるでしょうが、
 murak さんの考えでは看做せないでしょ。
熱流の方向性について関係なく、異なるのですから。
つまり絶対値で加算されることになる。

>> ようするに、熱力学は使えないという主張ですね。
>そうではないです。
 そう主張してますよ。
 例えば、大気では上空で温度が低下しているので熱力学が使えない。等々。
 連続的に変化している場合、部分系に分けるとしたら無限に分割しなければならない。全くナンセンスです。

>別スレで述べたことも
 理論的な裏づけは乏しですが、熱力学の適用範囲は広いと主張されておりました。

>系を二分割した場合の計算は既に示している筈ですが
 何度も繰り返すが意味がない。

>連続変数にした場合の積分の計算は少し待っていただく必要がありますね。
 忘れずに投稿してください。期待しておりますよ。


  投稿者:ASA - 2008/06/27(Fri) 12:24  No.4360 
 今までの経緯からすると、期待しても無駄でナンセンスなことを言い出しかねないのでまとめておきます。

演算子記号ДをД(U)=∂tU+∂(uU)として
結局
エントロピー方程式:Д(ρs)=∂j (1): s:エントロピー密度(粒子あたり)
熱伝方程式:∂tE=Cp∂t(ρT)=∂j (2): E:エネルギ密度(体積あたり)
dQ=0から境界(±l/2)で熱流バランスが取れている条件
j(l/2)=j(-l/2)
これを満足し時間変化する熱流jとして下記のような関数を選ぶ
j=j0δ(t) (3),∂j=0 (3-1):δ(0)=0、t0<tでδ(t)=δ,

(3-1)を代入し、(1)(2)の方程式を系全体で積分して(より)
∫dV{Д(ρS)}=0,∫dV{∂tE}=0:
系内で各種変数のギャップなしとして(重要)
∂t∫dV{ρS}=0,∫dV{∂tE}=0:
つまり
一般的エントロピーが変化せず僭s=0
かつ系の全エネルギーも凵軼V{E}=0
熱力学での準静過程dQ=TdS=0, dU=0と矛盾しない過程が存在することがわかる。
 またこの過程は、∂t(ρT)=0からρT=P0:圧力一定の過程であることがわかる。
 さらに連続の式Д(ρ)=0と状態方程式からuを求めると、t0<tでu=0定常状態に達することが確認できる。

以上

  投稿者:murak - 2008/06/27(Fri) 15:12  No.4362 
申し訳ないが、これ以上ナンセンスを増やさないためにも抜ける事にした。あしからず。