EMANの物理学 過去ログ No.3400 〜

 ● ガリレイ変換と仕事・運動エネルギー

  投稿者:taka - 2008/02/15(Fri) 07:36  No.3400 
ちょっとした小ネタです。くだらないですが。。

ニュートン力学&ガリレイ変換で考えます。

直線上で質量mの質点を一定の力Fで左向きに距離s押して、
速さがv1からv2になりました。(どちらも左向きとする)

運動エネルギーの変化は (1/2)mv2^2 - (1/2)mv1^2
で、
仕事は Fs です。
で、両者は計算すると等しくなります。

これを右向きに一定速度uで並進している観測者(並進系)が見ると、
運動エネルギーの変化は
(1/2)m(v2+u)^2 - (1/2)m(v1+u)^2
= (1/2)mv2^2 - (1/2)mv1^2 + mu(v2-v1)

あれ、静止系での差と一致しない。
最後の項は何なんだ?
仕事=運動エネルギーの変化
は静止系でしか成り立たないのか??

並進系では押していた距離が長くなっているため
より多くの仕事をしている、ということに気付くまで
小一時間悩みました。。
(最初は力が違って見えるのかと思いました。)

何か相対論みたい、とか思ってしまいました。

その後似たようなネタで、
固定された斜面を滑り落ちる質点の運動を
静止系と並進系から見る、というのを見かけました。
斜面の垂直抗力が、静止系では仕事をしないが、
並進系では仕事をしているため、
その分運動エネルギーの変化量が異なるというものです。

仕事&運動エネルギーは
力積&運動量よりも難しいですね。

以前は前者の方がスカラーな分、簡単だと思ってました。

  投稿者:TOSHI - 2008/02/15(Fri) 09:50  No.3401 
 どもtakaさん。TOSHIです。

>仕事&運動エネルギーは
力積&運動量よりも難しいですね。

>以前は前者の方がスカラーな分、簡単だと思ってました。

 力積=運動量変化はニュートンの運動方程式の両辺を時間積分したもので両辺がtの関数の形でわかれば,単に逆にtで微分するだけで元の基本方程式に返りますが、仕事&運動エネルギーはもうちょっと複雑で運動方程式の両辺に速度を掛けて時間積分ですからエネルギーから基本方程式に返るのはむずかしいというか同値関係ではないので力学以外の要素が入る一般の場合は不可能ということでしょうか。。。
                    TOSHI

  投稿者:EMAN - 2008/02/15(Fri) 13:00  No.3402 
> 並進系では押していた距離が長くなっているため
> より多くの仕事をしている、ということに気付くまで
> 小一時間悩みました。。

 こういうのを自分で考えてみて小発見に至った時の喜びが
物理のいいところの一つですよね。

  投稿者:taka - 2008/02/16(Sat) 18:14  No.3405 
TOSHIさん

>仕事&運動エネルギーはもうちょっと複雑で運動方程式の両辺に
>速度を掛けて時間積分ですからエネルギーから基本方程式に返る
>のはむずかしいというか同値関係ではないので力学以外の要素が
>入る一般の場合は不可能ということでしょうか。。。

あれ、意図が逆に受け取られてしまいましたね。。
暗に言いたかったのは、
ニュートン力学が、その範囲で無矛盾でよくできてるなあ、
ということでした。


EMANさん

>こういうのを自分で考えてみて小発見に至った時の喜びが
>物理のいいところの一つですよね。

ですね。

それにしても、仕事って他の慣性系から見ても同じ値になるという
間違った思い込みをずっとしていました。

  投稿者:MaT - 2008/02/16(Sat) 20:39  No.3406 
おひさしぶりです。
>それにしても、仕事って他の慣性系から見ても同じ値になるという
>間違った思い込みをずっとしていました。
私もそう思っていました。。。
で、新たな疑問が出てきたのですが、
最初の問題の速度の変化を、物体が地面とこすれて、まさつで速度が落ちるものとします。
このときの運動エネルギーの減少分は、まさつ熱に変換されると思いますが、これは、観測者の慣性系によって、発生する熱量が違う、ということになるのでしょうか?

  投稿者:TOSHI - 2008/02/16(Sat) 20:56  No.3407 
 どもTOSHIです。 
>takaさん。。
 いえ,無矛盾ということについて誤解してはいないと思いますが。。

 運動量保存とニュートンの運動方程式はほぼ同値の概念で,力学だけで閉じていますが,力学的エネルギー保存の方は運動方程式から出てくる運動の必要条件ですが運動の十分条件ではないので,エネルギー保存から逆に運動方程式を導くというのは「不可能」であろうから熱エネルギーも入ってくるし,そういうわけでエネルギーはスカラーだけどベクトルの運動量の方が扱いが簡単だという感想を持たれたのではないかという想像を述べたのですが,どうも文章が下手ですみません。
                 TOSHI

  投稿者:taka - 2008/02/16(Sat) 22:33  No.3408 
TOSHIさん

>いえ,無矛盾ということについて誤解してはいないと思いますが。。
TOSHIさんが誤解しているとは思ってませんよ。
かなり詳しい方だと察しています。

>運動量保存とニュートンの運動方程式はほぼ同値の概念で,力学だ
>けで閉じていますが,力学的エネルギー保存の方は運動方程式から
>出てくる運動の必要条件ですが運動の十分条件ではないので,エネ
>ルギー保存から逆に運動方程式を導くというのは「不可能」であ
>ろうから熱エネルギーも入ってくるし,そういうわけでエネルギー
>はスカラーだけどベクトルの運動量の方が扱いが簡単だという感
>想を持たれたのではないかという想像を述べたのですが,どうも文>章が下手ですみません。

そうゆう意味でしたか。了解です。

MaTさん

>最初の問題の速度の変化を、物体が地面とこすれて、まさつで速度が落ちるものとします。
>このときの運動エネルギーの減少分は、まさつ熱に変換されると
>思いますが、これは、観測者の慣性系によって、発生する熱量が
>違う、ということになるのでしょうか?

以前似たようなことを考えました。
滑らかな部分とざらざらな部分があるテーブルがあり、
滑らかな部分を等速度v1で転がってきたボールが
ざらざらな部分に差し掛かって、摩擦で負の仕事を受けて
しばらく転がった後停止したとします。

これを速度v1の並進観測者から見ると、
止まっていたボールがやがて摩擦力から正の仕事をされて
動き出したと見えます。(最終的に速度は -v1)

最初は何だこりゃ、と思いましたが、現象自体は
並進観測者からは、動くテーブルが摩擦でボールを
引きずってその結果ボールが動き出したと見れると思います。

が、ボールの受けた仕事は静止観測者と並進観測者で
符号が逆転します。

熱が出るとか考えると、何か奇妙なことになりそうです。
並進観測者からは、ボールが熱を吸収して運動エネルギー
を得たってこと??

テーブルの運動も含めて考えたらどうなるのか、
ってとこまで考えて面倒になってやめました。

何の役にも立たないレスになりましたが。。

  投稿者:大学生A - 2008/02/16(Sat) 23:07  No.3409 
地面(地球)の質量を無限大に取ると、矛盾しそうですが、
有限に取ると、必ず(自転速度が?)減速するので、辻褄
合いそうな・・・。w

  投稿者:MaT - 2008/02/17(Sun) 03:30  No.3410 
> 地面(地球)の質量を無限大に取ると、矛盾しそうですが・・・
ああ、なるほど、そうですね。
観測者と物体との相対速度が大きくなるということは、地球との相対速度も大きくなるので、物体の減速分、地球の増速分のエネルギーを考えると、つりあうわけですか。

と、すると、最初の問題も、運動量保存則により、物体が加速するためには、必ず逆方向に加速する質量が必要で、それの運動エネルギーまで考えると、慣性系によらず、全体の運動エネルギーの増分は一定というのが正解ですね。

今、あまり時間が無いので、詳しく計算できませんが。

  投稿者:taka - 2008/02/17(Sun) 07:26  No.3411 
大学生Aさん
MaTさん

>観測者と物体との相対速度が大きくなるということは、地球との
>相対速度も大きくなるので、物体の減速分、地球の増速分のエネ
>ルギーを考えると、つりあうわけですか。

なるほど。
速度uの並進系から見ると、静止系との、運動エネルギー変化量の見え方の違いは
-mu・Δv = -u・Δp
(u、Δv、Δpはベクトルで、・は内積です)
と書けますが、
反作用の相手方は、運動量変化が-Δpなので、
-u・(-Δp) = u・Δp
で見え方の違いは2つ合わせて見ると相殺しますね。
気付かなかった。

何か運動量保存と力学的エネルギー保存は相補的だなあ、
と思ってふと考えたのですが、
もしかして運動量保存と力学的エネルギー保存を
組み合わせると、運動方程式と等価、つまり
運動方程式を解かなくても時間発展がわかるのかな。

で、相互作用ポテンシャルが与えられた
孤立2質点系でどうなるか少し考えました。

2質点それぞれの初期位置、初速度が与えられると、
微小時間後のそれぞれの位置がわかります。
すると相互作用ポテンシャルの変化量から
運動エネルギーの変化量の和が決定されます。

これだけだと運動エネルギーがどう分配されるか
決まらないし、速度の向きも決まりませんが、
ここに運動量変化の和が0でなくてはならない、
という制約が加わると、2質点の速度が完全に
決定されるのでは、と。
(計算していないので自信ありませんが)

もし決定されるならば、その後この繰り返しで
2質点の運動がわかることになりそうです。

もしかしてすごい当たり前のことを言ってるのかも知れませんが。
(もしくはどこか間違ってるかも)

  投稿者:TOSHI - 2008/02/17(Sun) 10:23  No.3412 
 どもTOSHIです。
>takaさん。

 運動量保存もエネルギー保存も運動方程式の第1積分という量です。これらはそれぞれ任意の積分定数C1,C2があってF1(t,x,v)=C1,F2(t,x,v)=C2,というような式です。

 元の運動方程式はtの2階常微分方程式で一般解は2つの任意積分定数を含むので,おそらく1個の質点の運動であれば2つの第1積分で必要十分でしょうね。

                     TOSHI

  投稿者:TOSHI - 2008/02/17(Sun) 10:31  No.3413 
PS:失礼,積分定数が2個だけなのは1次元の運動か,対称性か束縛条件から1変数(たとえば球対称でrだけで角度無視できる)だけとみなえる場合だけでした。普通は1質点の2階常微分といっても座標が3つあるので,初期条件は位置と速度の6個ですから,運動量の3個とエネルギーの1個全てを表現するのは不可能で,あと2つの第1積分が必要と思われます。

                   TOSHI

  投稿者:taka - 2008/02/17(Sun) 11:04  No.3414 
TOSHIさん、こんにちは。

後からやっぱり速度は決まらないっぽい、と思い直してました。
微分方程式のことは知識不足であまりわからないんですが、
代数的に
2質点の次の速度は3*2の6個の値を決めないといけないのに、
方程式が4つしかないから無理かな、と。

じゃあ角運動量の保存則も付け加えてみたら、と
考えましたが、今度は1つ方程式が多いなあ。
(あれ、作用・反作用で角運動量って保存するんだっけ?)

運動量保存と角運動量保存は何かかぶっている部分があって、
それで実質方程式が6個になって、とかごちゃごちゃ考えてました
が、難しくてわからなくなりました。。

運動方程式を、それと同値な「保存則の集合」であらわせたら
何かかっこいいなと思ったんですが。

  投稿者:taka - 2008/02/17(Sun) 11:12  No.3415 
あれ、よく考えたら質点の数を増やしたら
決めなきゃいけない値の数は3ずつ増えるのに
方程式の数は1つずつしか増えませんね。。
全然だめじゃん。。

  投稿者:TOSHI - 2008/02/17(Sun) 11:34  No.3416 
ども精力的ですねえ。。takaさん。TOSHIです。

 こういうのを繰り返していくと結局は解析力学になって最後には多体系での「ハミルトン・ヤコービの方程式」にたどりつくはずです。。。             TOSHI

  投稿者:MaT - 2008/02/17(Sun) 13:14  No.3418 
>あれ、よく考えたら質点の数を増やしたら
>決めなきゃいけない値の数は3ずつ増えるのに
>方程式の数は1つずつしか増えませんね。。
そんなことありませんよ。 方程式はスカラーのように書いていますが、運動量はベクトル方程式ですから、方程式1つで3つ分の解がえられます。
エネルギーも、それ自体はスカラー量ですが、仕事、運動エネルギー、ポテンシャルエネルギー(えーっと、それから・・・)はそれぞれ計算するときはベクトル的に考えないといけないですから、同じことになるはずです。
たとえば、仕事の定義は
移動距離×物体に作用する力の移動方向成分
です。

  投稿者:taka - 2008/02/17(Sun) 19:51  No.3419 
結局運動方程式に戻ってしまいました。
どうやら僕の今の知識では
この考えから何も導けそうもないのであきらめます。

  投稿者:hirota - 2008/02/18(Mon) 10:54  No.3420 
「運動方程式を (解析的に) 解く」ということは、自由度と同じ数の積分 (保存量) を求めることで、2体問題は充分な個数の積分 (エネルギー,角運動量,レンツ・ベクトル) があるから解けるけど、3体問題は充分な積分がないから解けない。
という話になったりします。
なお、充分な保存量がない運動はカオスになる運動です。