EMANの物理学 過去ログ No.2424 〜

 ● 量子力学の確率解釈

  投稿者:くるみ - 2007/09/16(Sun) 01:56  No.2424 
はじめまして…ではないんですけど、
前回に書き込んだのはもう何年も前なので…はじめまして。
量子力学でよく分からないことがあるので質問させて頂きます。

ある観測量Aを表すエルミート演算子の固有値がa、b、cのとき、
その固有ベクトルを|a>、|b>、|c>と書けば(離散スペクトル&縮退ナシとします)
ある状態|ψ>はこの固有ベクトルの線形結合で
|ψ>=<a|ψ>|a>+<b|ψ>|b>+<c|ψ>|c>
って書けますよね。この状態|ψ>について観測量Aを測定すれば
|ψ>∝|a> or |b> or |c>
のどれかになって、例えば|ψ>∝|a>になる確立P(a)は?っていった場合、素直に考えれば

        <a|ψ>
P(a)=-------------------------
    <a|ψ> + <b|ψ> + <c|ψ>

だと思うんですけど(これじゃ確率が複素数になっちゃいますし)実際は

           <ψ|a><a|ψ>
P(a)=-------------------------------------------
    <ψ|a><a|ψ> + <ψ|b><b|ψ> + <ψ|c><c|ψ>

なんですよね。でもどうしてこうなるのか分かりません。実数じゃなくて複素数なのが関係してそうですけど。どなたか助言よろしくお願いします。

  投稿者:hirota - 2007/09/16(Sun) 04:25  No.2425 
波動関数が絶対値1のベクトルで、それを直交する成分に分けたら、ピタゴラス(三平方)の定理で「各成分の二乗和=1」になるから、「絶対値の二乗」を確率とするしかないでしょう。

  投稿者:とんかつ - 2007/09/16(Sun) 07:11  No.2427 
|ψ>=A|a>+B|b>+C|c>というように簡略記しますね。

<ψ|ψ>= (<a|A^*+<b|B^*+<c|C^*)( A|a>+B|b>+C|c>)
=(<a|A^*)(A|a>+B|b>+C|c>)+ (<b|B^*)(A|a>+B|b>+C|c>)+(<c|C^*)(A|a>+B|b>+C|c>)
=<a|A^*A|a>+<b|B^*B|b>+<c|C^*C|c>

|a>,|b>,|c>で完全に|ψ>が張られていて、規格直交化されているならば、
<ψ|ψ>=1(これが波動関数が絶対1のベクトルという意味に相当)

よって、|a>が実現される確率は
<a|A^*A|a>=A^*A<a|a>=A^*A=<ψ|a><a|ψ>となります。
共益同士を掛け合わせているので、確率は必ず実数になります。

間違いの元は|ψ>を展開している係数を確率と考えている事です。





  投稿者:くるみ - 2007/09/16(Sun) 08:29  No.2429 
ありがとうございます。

>「絶対値の二乗」を確率とするしかないでしょう

ごめんなさい、確かにそれでもよさそうな気がするんですけど、「するしかない」って言い切るには弱いっていうか納得しきれないんです。

>よって、|a>が実現される確率は
><a|A^*A|a>=A^*A<a|a>=A^*A=<ψ|a><a|ψ>となります。

これも同じなんですけど、足して1になるから確率と解釈しようっていうのはどうもしっくりこないんです。


例えば|ψ>=2|a>+3|b>+4|c>だった場合(規格化されてませんが)
|ψ>=|a>+|a>+|b>+|b>+|b>+|c>+|c>+|c>+|c>
なので、観測して固有ベクトル|a>に飛び移る確率は

    |a>に移る場合の数
P(a)=--------------------------------
    起こりうるすべての場合の数

    2
  =-------
    9

ってなりますよね。こんな風に確率の定義(ある事象の起こる場合の数÷起こり得る全ての場合の数)から「絶対値の2乗が確率になる」ことを示してもらえるとありがたいのですが。
それとも私、何か勘違いしてますか?

  投稿者:hirota - 2007/09/16(Sun) 09:22  No.2431 
>何か勘違いしてますか?
「勘違い」というよりも、「独立だったり直交してたりするものを足すときは2乗和」という感覚を持ってる側から見ると「一次元思考に縛られてる」みたいです。
なお、「確率解釈」は「確率と考えればうまく行く」くらいの正当性しかないはずですから、それ以上の根拠を求めるのは無理でしょう。
もちろん、「足して1になる」とかいった性質は「確率解釈」できるためには必須です。

  投稿者:くるみ - 2007/09/17(Mon) 01:45  No.2434 
何度もありがとうございます。なるほど。
では、確率の定義から「絶対値の2乗が確率になる」ことを示す、
つまり、しつこいですが、


ある固有ベクトルへ移る場合の数
---------------------------------=波動関数の絶対値の2乗
任意の固有ベクトルへ移る場合の数


を示すということは現代の物理学では不可能ということなのでしょうか?
本当にそうなのでしょうか?
だとしたらちょっとショックです…。
絶対値の2乗が確率の条件(非負&足して1)を満たしていて、
かつそう考えればうまくいくからだけというのでは。
「観測されると任意の固有ベクトルへ移るが、そのメカニズムは不明で、特定の固有ベクトルへ移る確率しか計算することができない」
というのは知っていましたが、その確率を計算する方法すら経験に頼らなければいけないとは思いもしませんでした。

  投稿者:hirota - 2007/09/17(Mon) 14:32  No.2438 
実験に合うような理論を作って、「うまくいった」という事が、「物理学で示した」です。
理屈が通るだけの理論では物理学と言えないし、δ関数や経路積分のように (作った時は) 理屈が無茶苦茶であっても結果オーライです。(現在、δ関数は正当化された理屈があるけど、経路積分は未完。 教科書で、いかにも理屈で出来てるように書いてあっても、信じてはいけません)

  投稿者:くるみ - 2007/09/17(Mon) 20:37  No.2443 
なるほど。
確率解釈は「うまくいった」ということを「示した」段階で、
「どうしてそれでうまくいくのか」はまだ分かっていないんですね。
分かりました。ありがとうございました。

  投稿者:sym - 2007/09/20(Thu) 07:45  No.2448 
くるみさん、はじめまして。

2乗和で確率が与えられるということを何度も目にしているうちに、私には、それが当たり前になっていましたが、それがとても奇妙なことであることを思い出しました。量子の不思議さはこの辺りにあるのではないかと思います。そういえば、ファインマンはその量子力学の講義のはじめで、2重スリットの実験を持ち出して、この量子の量子たる性質を説明していました。あまりの簡明さに衝撃を受けた覚えがあります。

ところで、確率解釈はどの程度どのようなレベルで正しいことが示されているのでしょうか?2重スリット以外で実験を(観測量を変えたりして)行い、これを確かめる方法は何かあるでしょうか?(すみません。ただのひとり言でした。気にしないでください。)

  投稿者:くるみ - 2007/09/22(Sat) 18:01  No.2465 
symさんはじめまして。

>どのようなレベルで正しいことが示されているのでしょうか?

逆に私が教えてほしいくらいです(汗

-----------------------------------------

ところで、ノイマンの射影仮説を捨ててシュレーディンガー方程式だけで観測対象も観測者も記述できるとした場合、ボルンの確率解釈は導き出せるという記述を見つけた[1]ので、原論文[2][3]を読んでみたのですが、よく分かりません。どなたか分かる方はいませんでしょうか?特に最初の方が分かりません。[2]の式(25)に出てくるαや、[3]の式(1)に出てくるYは何を表しているのでしょうか?

[1]http://homepage2.nifty.com/qm/interpret.html

[2]H. Everett III, Rev.Mod.Phys. 29, 454 (1957)
http://www.univer.omsk.su/omsk/Sci/Everett/paper1957.html

[3]T. Sakaguchi, quant-ph/9506042 (2007)
http://xxx.lanl.gov/abs/quant-ph/9506042

  投稿者:sym - 2007/09/23(Sun) 03:10  No.2481  <Home>
では一言。それは、、、
測定方法です。

あの説明は、わかる人にはそれが(式そのままという意味で)当たり前なのでしょうが、普通のやり方に慣れた人には少し不親切ですね。

ところで、くるみさん。エヴェレット解釈のエッセンスは[1]に大体書かれてます。説明が足らないところもありますが、少し考えれば類推できると思います。
まぁでも、しっかりした論文に当たれば間違いもないし、勉強にもなりますね。

  投稿者:くるみ - 2007/09/23(Sun) 05:38  No.2483 
symさんありがとうございます。
何をしたいのかは、大雑把には分かるんですけど、細かいところが分かりません。

測定方法ですか!?ということはこれは演算子なのでしょうか?と思ったら|α|=√(a_i^* a_i)なのでどうやら複素数みたいですし。。。でもどうして|α|=√(a_i^* a_i)なのか分かりません。「the normality of φ’ requires thet |α|=√(a_i^* a_i)」のnormalityは何を表しているのでしょうか?

  投稿者:sym - 2007/09/23(Sun) 07:34  No.2484 
normalityは、正規性?というんでしょうか? 要するにφ’が正規化されていて、そのノルムが1であるということです。
そして(25)の両辺のノルムをとることにより、演算子αのノルムが導かれます。

とりあえず、ここまではこれで合ってると思います。

くるみさん、いろいろ早とちりして、すみませんでした。
前言撤回します。

何事も原文に当たるべし!

知ったかぶりしてないで、エヴェレットの論文、読んでおきます。

そういえば、[2]のURLで、一度はサーバーにつながったんですが、αを目にした後あせってクリックしたときには、サーバーにつながりませんでした。ほかの方は、どうなんでしょうか?

  投稿者:hirota - 2007/09/23(Sun) 13:40  No.2489 
英語読むのが面倒なんで[1]しか見ませんが、「測度解釈」と「確率解釈」が同等なだけみたいですね。

  投稿者:くるみ - 2007/09/23(Sun) 18:27  No.2495 
お二方、ありがとうございます。


なるほど!確かに(25)のノルムをとればαのノルムが分かりますね。
気がつきませんでした。
というかこんな低レベルな私に付き合って下さって感謝しております。
おかげ様で、これでようやく[3]の(3)が出ました。
[3]の(11)(↑で私が出したいと言っていた式)が出したいのでひとまず[3]の方に話を移したいのですが、ここでまたおかしな記述があって困っています。「When we observe an object system prepared in an eigenstate |α^i>, we always get the value α^i.」とあるのですが、これは確率解釈から導かれる結論で、今の段階では断言できないと思うのですがどうでしょう?

>サーバーにつながりませんでした。

ほんとですね、どうしてでしょう。
一応別のURLを載せておきます。
http://www.chronos.msu.ru/EREPORTS/everett_relative.htm

>「測度解釈」と「確率解釈」が同等なだけみたいですね。

そうかも知れないんですけど、もう少しちゃんと理解してからじゃないと私には分かりません…。

  投稿者:sym - 2007/09/23(Sun) 20:36  No.2498 
くるみさんは[3]に移ってしまったようですが、私と同じように悩んでいるかもしれない人のために。
(27)は、

m(a) = m(Σa_i*a_i)^1/2 = m(u_i^2)^1/2
= Σm(u_i) = Σm(u_i^2)^1/2
(27)

です。pdfを見て確かめました。ちなみに、3つ目のイコールは(26)式によるものです。

シュレーディンガー方程式の解集合の線形性と演算子の測度!の定義が無矛盾であることから、確率振幅の測度が自然に求められるというのは不思議ですね。当たり前の帰結だといわれればそれまでなんですが、悩んでいると何か見えるんじゃないかという幻想に駆られてしまいます。

-----------------------------------------------

>ここでまたおかしな記述があって困っています。
おかしくはないと思いますよ。くるみさん、[3]の著者による正しい解釈の仕方が他のWebページに書いてあります。それは読みました?

  投稿者:sym - 2007/09/23(Sun) 21:19  No.2499 
すみません。考えが浅かったようです。
>When we observe an object system prepared in an eigenstate |α^i>, we always get the value α^i.
これは経験則、というか、とりあえずは公理だと考えておくべきことだと思います。難しいですね。あまり理解できてはいないのですが、少しずつエヴェレット解釈の良さがわかってきました。

  投稿者:くるみ - 2007/09/23(Sun) 22:25  No.2500 
>くるみさんは[3]に移ってしまったようですが

あ、ごめんなさい^^;

>不思議ですね。

不思議ですね。

>それは読みました?

他のWebページとはどこでしょうか?私は[3]の著者のWebページ([1]含む)と[2][3]以外にはまだ手が回らない状態です…。

>とりあえずは公理だと考えておくべきことだと思います。

確かにそう解釈するとすっきりするんですけど、っていうか私も今のとこそういう解釈しかすることができないでいるのですが、それではエヴェレット解釈の良さが半減しちゃうというか。コペンハーゲン解釈の公理は

(P1)シュレーディンガー方程式
(P2)ボルンの確率解釈
(P3)ノイマンの射影仮説(観測による状態の収縮)

ですよね。ところが(P3)を捨てることによって(P2)が(P1)から導き出せる、ということがエヴェレット解釈の利点だと思うのですが、ここで

(P4)固有状態|α^i>を観測すればα^iを得る

を新たに導入してしまうのは惜しいと思うんです。(P4)は(P2)から導けるんですから。

と、ここまでの私の考えで間違っていたらご指摘願います。

  投稿者:sym - 2007/09/23(Sun) 23:22  No.2501 
くるみさん、私も一緒に勉強させてもらっているだけなので…^^;

>それは読みました?
著者のWebペ−ジでした。既読のようですね。

>(P4)は(P2)から導けるんですから。
よく考えてないだけなのですが、どう導くのでしょうか?ヒントがほしいです。
>(P3)を捨てることによって(P2)が(P1)から導き出せる、ということがエヴェレット解釈の利点
ここは勘違いではないでしょうか?「古典的な観測者とそれによる状態の収縮」の破棄だけだと思います。

  投稿者:くるみ - 2007/09/24(Mon) 02:34  No.2503 
>私も一緒に勉強させてもらっているだけなので

大変心強いです。感謝しています。

>どう導くのでしょうか?

よく考えてないのは私かも知れません。単純に、|α^i>においてα^iを得る確率P(α^i)を(P2)で計算すれば
P(α^i)=|<α^i|α^i>|^2=1
となるので、これは(P4)ですよね?これじゃマズイでしょうか…。

>ここは勘違いではないでしょうか?

私も、ここをハッキリさせたい、というかそもそも(P2)を何とかして導きたいがためにこのスレッドを立てたので、一番興味あるところであります。[3]の3ページ目に

「If one is interested in the measurement process, the conventional probabilistic interpretation can be derived as follows.」

とあり、5ページ目に

「前略〜the eigenvalue α^i can be obtained with probability n_i/N=|C_i|2 in his world.」

とあります。これはまさに(P2)だと思って期待してたのですがどうなんでしょうか。

  投稿者:sym - 2007/09/24(Mon) 04:56  No.2504 
くるみさんが挙げ忘れている公理がひとつふたつあります。それは、物理量や状態がどのような数学的構造物に対応するかを指定するものです。量子力学に慣れて自然に同一視するようになると、このことが公理であることを忘れてしまいがちですが、これらも立派な公理系の一部ですよね。

(P4)の主張の半分は、この忘れられた公理からの帰結となりえます。そしてもう半分の主張が、とりあえずは公理と考えておくべきだといったことです。言葉にしてもうまく伝わらないような気がして控えていたのですが、それでもあえて言葉にするとそれは「量子的な観測者の存在」となるでしょうか。

うーむ、我ながら、ちんぷんかんぷんです^^;

公理系に関してもうひとつ。
公理の主張が公理であるにはちゃんとした理由があります。公理のひとつを定理とするなら、その公理に変わって同じような役目を果たす主張を新たな公理としなければ、その定理を導くことはできないはずです。
さらに公理系を書き換える作業はとても大変なものです。ひとつ書き換えるだけでその影響が様々なところに飛んでいき多くの定理が書き換わるかもしれません。
ただ、定理の証明の中にいくつか出どころ不明な主張があると思います。それが新たな公理となる可能性は高いです。


追加ヒント

>When we observe an object system prepared in an eigenstate |α^i>, we always get the value α^i.
この文は ^i が肝です。when を if と読み替えるのも良いかもしれません。それにこの文は次の文とセットですよ。


  投稿者:くるみ - 2007/09/24(Mon) 06:26  No.2505 
>挙げ忘れている公理がひとつふたつあります

(P0)系の「状態」と「観測量」は、複素ヒルベルト空間上の「規格化された斜線」と「エルミート演算子」でそれぞれ表される.

でどうでしょう?経路積分法では違った気がしましたけど、私は経路積分はよく知らない上、この公理はエヴェレット解釈でも変更を受けないので、とりあえず一例ということで。

>(P4)の主張の半分は、この忘れられた公理からの帰結となりえます。

その半分というのは固有値と固有ベクトルの関係ということでしょうか?

>公理のひとつを定理とするなら、その公理に変わって同じような役目を果たす主張を新たな公理としなければ、その定理を導くことはできないはずです。

馬鹿だと思われるのを百も承知で言います。私は、(P2)が公理だとはどうしても考えられないんです。だって状態ベクトルを固有ベクトルで展開したときの展開係数に(確率が)依存してるんですから。観測後の状態ベクトルの向きが「状態ベクトルの向きがあらかじめどっちに大きく向いていたか」に依存してるんですから。
公理系を書き換えるほど大それたことをしようとは思いませんが、私自身が納得したいんです。ただのわがままかもしれませんが。私は、コペンハーゲン解釈に含まれる「観測装置を含む系に(P1)を適用してはならない」というなんとも理不尽な制限が、(P2)を定理として導くことができない理由だと期待しているのです。あぁ恥ずかしい(笑)
まぁとにかくこの辺のことを感覚ではなく定量的に見定めたいので、わざわざ[2]や[3]を読んでいる次第であります。

>この文は ^i が肝です。

^iはαの固有値ひとつひとつを区別するラベルだと解釈していたのですが。このラベルにそれ以上の意味があるのでしょうか?もう少しヒントをもらえると嬉しいです。

>次の文とセットですよ。

「このため観測過程はU(t)|α^i>|[]>=|α^i>|[α^i]>のように表されるだろう」という部分でしょうか?(willの解釈が気になりますが…)
それとも「時間発展演算子U(t)(=exp(iHt))を与えるハミトニアンHには観測者と観測対象の間の相互作用も含まれる」という部分でしょうか?

  投稿者:sym - 2007/09/24(Mon) 15:30  No.2506 
>挙げ忘れている公理がひとつふたつあります
じつは、これ、たくさん!あります。
数学的構造物を組み立てるとき、基礎となる公理を数えたら、いったい、いくつあるでしょうか。けっこうあると思いますが、しかし、これらが公理として取り上げられることはありません。それらは議論の中で使うことがない(陽に現れない)主張だからです。

物理理論の場合、公理のことを法則と呼ぶことが多いですよね。くるみさんはこの物理的な法則のイメージが強くて数学的なにおいのする(P2)を、この中に入れられないのだろうな、と感じました。

確かな根拠はないですが、(P2)は数学的な構造物の中に組み込むことができる類の公理だと思います。ただ、普通はこれから物理をやるのに長々と数学的な議論をしたくないので、結果のみを抜き出して公理(P2)とするのではないか、と推測しています。まあ普通の大多数の物理学者は、公理論的な考え方はしてないと思いますが。


くるみさん、恥ずかしがる必要はないですよ。私は、その考えは正しいと感じています。

------------------------------------------------------

>今の段階では断言できない
なぜこう考えておられるか、よくわからないです。誤解を招くというか、誤解そのものだと私は思っていますが、『多世界』なのです。
あっ、もちろん、どの段階においても、
何かを観測している状態をその外から記述している我々は、どれかひとつの状態を特別視することなんてできないですよ。

  投稿者:くるみ - 2007/09/24(Mon) 20:01  No.2507 
毎度ありがとうございます。

>じつは、これ、たくさん!あります。

もちろん自然現象を数学的に扱っている以上、そこに使われる数学の公理は必要ですよ。簡単な例で言えば、ニュートン力学なんかはユークリッド幾何学や解析学なんかを使ってますけど、物体の運動を論じる際にデデキントカットとか平行線の公理から出発する人なんていませんよね。物理を論じる際に必要な数学の公理は暗黙の了解というか、おっしゃる通り表には出てこないですけど…そういう意味でしょうか?

>なぜこう考えておられるか、よくわからないです。

すみません。「ある固有値に属する固有ベクトルで表される状態を観測したら必ずその固有値が得られる」なんて、そんな摩訶不思議なこと、私には到底断言できないのですが。
逆に、断言できることを示してもらえると嬉しいです。

  投稿者:sym - 2007/09/24(Mon) 21:43  No.2510 
>そういう意味でしょうか?

おそらく、その通りです。私は(P2)を、(P1)と測度の定義から導出できる定理だと思っています。そして、エネルギー保存の法則と同じ意味で法則でもあると思っています。

>なぜこう考えておられるか、よくわからないです。

くるみさん、確認させてください。

(A)状態ベクトルをある作用素の固有ベクトルに展開すること
(B)コペンハーゲン解釈において、物理量を観測すること
(C)理想的(空想的)な議論(思考実験)
(D)固有状態を準備すること
(E)[3]の文の流れ

どれかに引っかかってますか?
それともこれら以外の理由でしょうか?

  投稿者:くるみ - 2007/09/24(Mon) 22:27  No.2511 
>おそらく、その通りです。私は(P2)を、(P1)と測度の定義から導出できる定理だと思っています。そして、エネルギー保存の法則と同じ意味で法則でもあると思っています。

よかった。この部分に関しては私も同じです。

>(B)コペンハーゲン解釈において、物理量を観測すること

これです!
「When we observe an object system prepared in an eigenstate |α^i>, we always get the value α^i.」
という文が出てくる時点ではまだ

「(P0)と観測を結びつける法則」

は何も提示されていません。コペンハーゲン解釈においてはその役目を果たす法則は(P2)が担っているのだと思うのですが、今やりたいのは「(P1)と測度の定義から(P2)を導くこと」であって、この時点で(B)を使ってしまってはマズイだろうというのが私の考えです。

  投稿者:sym - 2007/09/25(Tue) 00:11  No.2514 
>(B)
そういう意味ではなかったんですが・・・。
とりあえず分かりました^^;

「When we observe an object system prepared in an eigenstate |α^i>, we always get the value α^i.」
ある測定を行うと、ある値が得られる。同じ測定をすると、同じ値が得られる。これは物理量あるいはその物理状態の定義です。例えばスピンを測定して、それらがすべて、同じ実験結果を示すなら、観測対象の状態はアップスピン(ダウンスピン)であると結論付けることができます。
つまり、この文は物理量の定義のようなことを言っているので、これは(P0)に含まれる内容だとも考えられると思いますがどうでしょうか?

  投稿者:くるみ - 2007/09/25(Tue) 01:48  No.2516 
その文章ってそういう意味だったんですか!?私は

「固有状態|α^i>に用意された系を観測したとき、その測定値は常にα^iである」

と訳していたのですが…。そして私のこの訳はどこが間違っているのか分かりません。確かに

「測定値が常にα^iであるとき、その系は固有値α^iの固有状態|α^i>にある」

という意味に訳すならば、これは定義なので何の問題もなく先に進めるのですが^^;

  投稿者:くるみ - 2007/09/25(Tue) 01:57  No.2517 
いや、先に進めませんね。
「測定値が常にα^iであるとき、その系は固有値α^iの固有状態|α^i>にある」
と定義してもその逆
「系が固有値α^iの固有状態|α^i>にあるならば、測定値が常にα^iである」
はいえないですし。いや、もしかしてsymさんは
「系が固有値α^iの固有状態|α^i>にあるならば、測定値が常にα^iである」
と定義してる、とおっしゃってるんですか?

  投稿者:くるみ - 2007/09/25(Tue) 02:16  No.2518 
ごめんなさい混乱してます。どっちにしろNGだと思います。
(P0)と(P1)から(4)を得るには、例えば次のような定義をするしかないと思うのですが。

「固有値α^iの固有ベクトル|α^i>で表される状態にある系」と「観測者」とが何らかの相互作用をした結果、観測者が常に値α^iを得るような相互作用を「測定」とよぶ。

  投稿者:sym - 2007/09/25(Tue) 02:26  No.2519 
根本的な考え方の相違があるような気がしてきました。問題点を明確にしたいので、くるみさんが純粋な論理の問題で悩んでいるか、それとも物理の問題で悩んでいるかを、とりあえず、教えてください。

  投稿者:くるみ - 2007/09/25(Tue) 03:40  No.2520 
ごちゃごちゃになっちゃってごめんなさい。
私が例の文章のところで悩んでいるのは、
「(P0)と観測(測定)を結びつける規則」
が提示される前に
「(P0)と観測(測定)を結びつける記述」(←例の文章)
が出てきたことです。

  投稿者:sym - 2007/09/25(Tue) 11:46  No.2524 
>例の文章

エヴェレット解釈では不連続な観測という現象を特別には考えていません。すべての現象は量子の時間発展の結果として記述されるのです。
もちろん、理論が記述する神様的視点と我々の視点の間にはギャップがあります。それを埋めるには、ミクロ的な|[]>という状態を具体的に構成し、我々が行う普通の意味の観測との対応をより明白にしなければなりません。

以上、ただの妄想ですがご参考までに。

  投稿者:sym - 2007/09/25(Tue) 15:54  No.2527 
くるみさん、疑問点が「観測とは何か」ではなく、「(P0)と観測を結びつける規則はどれか」でしたら、、、
それは、(P0)自身であると思います。
コペンハーゲン解釈において、それは(P2)であると、くるみさんはお考えになっているようですが、(P2)は一般的な状態を測定した場合のその測定値の測定確率を述べたものです。
観測なくして物理量なし!です。

  投稿者:くるみ - 2007/09/25(Tue) 16:14  No.2528 
分かってきたようで分かりません。ただ、私、未だにどこかでコペンハーゲン解釈に縛られているような気がしてきました。

>それは、(P0)自身であると思います。

観測量⇔演算子
状態⇔ベクトル
測定値⇔実数
ですが、(P0)は上2つについてしか述べていません。
しかもこの3つの関係については何も述べていません。

  投稿者:sym - 2007/09/25(Tue) 16:47  No.2529 
>観測量⇔演算子
観測量が演算子に対応するといった場合、どう対応させるでしょうか?観測した結果得られる量は結局ただの測定値です。

>(P0)は上2つについてしか述べていません。
ふつう「あるベクトルの集合に対して作用するもの」として作用素が定義されます。(定義域、値域の定義)
そして、これらは数の集合の上に定義されています。
すなわち、それらは数学の公理から導かれる数学的関係を持っているのです。このような関係性があるからこそ(P0)が存在していると、私はそう考えています。

  投稿者:くるみ - 2007/09/25(Tue) 17:25  No.2530 
あっ!
分かりました!
演算子を状態ベクトルに作用させたときに測定値として(物理量として意味を持つ)実数を固有値にもつような演算子を観測量に対応させてるんですね?

  投稿者:sym - 2007/09/25(Tue) 17:36  No.2531 
>分かりました!
意図がうまく伝わったようで良かった!

  投稿者:くるみ - 2007/09/26(Wed) 00:07  No.2532 
symさん粘り強く助けていただいて本当にありがとうございます!
おかげさまで先に進めす。
先に進んで分かったのですが、どうも私、測度がよく分かっていないようです。
式(5)の次の文で、測度の引数がnなのはなぜでしょう?

  投稿者:sym - 2007/09/26(Wed) 00:26  No.2533 
>測度がよく分かっていないようです。
実は私も良く分かっていません。もう少し考えさせてください。
でも、なにを測っているかは説明を読めば分かりますよね?

くるみさん、参考までに、どこで引っかかっていたかを教えていただけるとうれしいのですが・・・。



  投稿者:くるみ - 2007/09/26(Wed) 01:03  No.2534 
>なにを測っているかは説明を読めば分かりますよね?

αですよね?
こんどは、αの固有ベクトル|α^i>の線形結合で表される一般の状態|ψ>のアンサンブルに対して、観測量αをN回測定するんですよね?

>どこで引っかかっていたかを教えていただけるとうれしいのですが・・・。

えぇっと、(P0)と観測を結びつける規則を(P2)だと勘違いしていたせいで、エヴェレット解釈なのに(P2)を使うのはおかしいのではないか、というところで引っかかっていました。

  投稿者:sym - 2007/09/26(Wed) 01:56  No.2535 
>なにを測っているかは説明を読めば分かりますよね?

すみません。あいまいな表現でした。ほんとうに答えてもらいたかったのは測度mの定義域です。
>αですよね?
不正確なので、もう少し正確に。そうすれば分かると思いますよ。

>どこで引っかかっていたかを教えていただけるとうれしいのですが・・・。

くるみさん、答えていただき、ありがとうございます。
どこで引っかかっているか分かれば、アドバイスしやすいのですが、なかなか難しいです。

  投稿者:くるみ - 2007/09/26(Wed) 02:33  No.2537 
mの定義域!?nの定義域なら0≦n≦Nですけど、ってこれは当たり前ですね…。mの定義域は分からないです。ひとつ確認したいんですけど、sunbet of superpositionというのは式(5)のことでよろしいでしょうか?

辛抱強く付き合って下さって、本当に感謝しています。

  投稿者:sym - 2007/09/26(Wed) 03:11  No.2539 
(5)式は branched states のうちの一つを表しています。
subset of superposition は、これらの重ね合わせで表される観測結果状態のあるひとつの項を意味しています。

くるみさん、一般の場合が難しいようでしたら、試しに M=2,N=3 といったような特殊な場合で計算してみてはいかがでしょうか?

  投稿者:くるみ - 2007/09/26(Wed) 03:17  No.2540 
添え字が多いと大変なので[1]の|ψ>=A|u>+B|d>の例について、N=3の場合を計算すると

|>=AAA|u>|u>|u>|[uuu]>
  +AAB|u>|u>|d>|[uud]>
  +ABA|u>|d>|u>|[udu]>
  +ABB|u>|d>|d>|[udd]>
  +BAA|d>|u>|u>|[duu]>
  +BAB|d>|u>|d>|[dud]>
  +BBA|d>|d>|u>|[ddu]>
  +BBB|d>|d>|d>|[ddd]>

となります。これと、式(1)〜(3)と、どう関係しているのかがサッパリ分からないんです。

  投稿者:sym - 2007/09/26(Wed) 03:36  No.2541 
くるみさん、積の順序は交換可能ですよね。それと、確率振幅AとBは指数を使って表したほうが対応が取れますよ。

  投稿者:くるみ - 2007/09/26(Wed) 04:09  No.2542 
|>=A^3|u>|u>|u>|[uuu]>    ←n_A=3、n_B=0
  +3A^2B|u>|u>|d>|[uud]>   ←n_A=2、n_B=1
  +3AB^2|u>|d>|d>|[udd]>   ←n_A=1、n_B=2
  +B^3|d>|d>|d>|[ddd]>    ←n_A=0、n_B=3

・・・?(汗

  投稿者:sym - 2007/09/26(Wed) 04:24  No.2543 
くるみさん、0乗と1を入れるとより良いですね。
これで(6)式との対応関係が見えてきませんか?
ところで、No.2539の記事を書き直してしまったんですが、読みました?


  投稿者:くるみ - 2007/09/26(Wed) 04:46  No.2544 
|>=A^3B^0|u>|u>|u>|[uuu]>
  +3A^2B^1|u>|u>|d>|[uud]>
  +3A^1B^2|u>|d>|d>|[udd]>
  +A^0B^3|d>|d>|d>|[ddd]>

この場合に(6)を計算すると

m(n_A,n_B)=(6/n_A! n_B!)|A|^{2n_A}|B|^{2n_B}

・・・?^^;

>ところで、No.2539の記事を書き直してしまったんですが、読みました?

ほんとだ!ちょうどM=2ですね。

  投稿者:くるみ - 2007/09/26(Wed) 04:55  No.2545 
具体的には

m(3,0)=|A|^{2*3}|B|^{2*0}
m(2,1)=3|A|^{2*2}|B|^{2*1}
m(1,2)=3|A|^{2*1}|B|^{2*2}
m(0,3)=|A|^{2*0}|B|^{2*3}

ですね、まだピンときませんがなんか対応が見えてきました。

  投稿者:hirota - 2007/09/26(Wed) 11:27  No.2546 
>測度
この場合の「測度」の意味は「重なってる状態それぞれの割合 (絶対値の二乗)」でしょうね。

  投稿者:くるみ - 2007/09/27(Thu) 22:28  No.2570 
すみません、まだ分からないので話を式(1)に戻したいのですが、例えば(1)の右辺をA|u>+B|d>とした場合、左辺はどうなるのでしょうか?

  投稿者:sym - 2007/09/27(Thu) 23:12  No.2571 
[3]の(1)式ですよね?
あれは「こう書けるとする」と言っているだけなので、左辺はとくに・・・。

  投稿者:sym - 2007/09/28(Fri) 00:12  No.2572 
そうだっ!
くるみさん、具体的にベクトルを表現するとわかりますよ。

ところで、
BBSの表示に時間がかかるのですが、
スレッドが長くなりすぎているせいでしょうか?

そろそろスレッドを新しくした方が良いかも。