EMANの物理学 過去ログ No.2298 〜

 ● はじめまして

  投稿者:yoiko - 2007/08/29(Wed) 12:07  No.2298 
どなたかアドバイスお願いします。
物理を勉強する上で数学の知識は避けて通れないと思います。
微積・・・特に微分についてですが、高校レベルの微分は何とか理解しているつもりなのですが大学(教養)レベルの微分がイマイチよく解りません。2変数(多変数)関数の微分のところで偏微分とか全微分です。また極限の定義についても高校での定義の仕方に穴があるということでε-δ論法を習いましたがイマイチよくわかりません。

初心者にわかりやすいお薦めの書籍を教えてもらえませんか?

  投稿者:EMAN - 2007/08/29(Wed) 12:44  No.2301 
> また極限の定義についても高校での定義の仕方に穴があるということでε-δ論法を習いましたがイマイチよくわかりません。

 ε-δ論法は物理の初歩をやる上では大して役に立ちません。 こんな世界があるんだな、くらいで気にせず、余裕があるときにチャレンジしてみたらいいでしょう。

 多変数の微分は、分からない人にはすごそうに見えますが、実はそれほど大した内容ではありません。 教科書が分厚いので、全部分からないといけないような気になってしまいますが、複雑な問題や、便利な定理やらを考えなければ、実に単純なものです。 敵の大きさを見誤ると苦労しますよ。

 私が説明すると、これくらいで済みます。
http://homepage2.nifty.com/eman/thermo/state_eq.html

 この記事は熱力学とからめて書いているので、面倒臭い印象があります。 でも基本部分は、分量的にはこんなものです。

  投稿者:凡人 - 2007/08/29(Wed) 14:01  No.2307 
ところで、yoikoさん
>初心者にわかりやすいお薦めの書籍を教えてもらえませんか?
との事ですが、「大学(教養)レベルの微(積)分」は、私も勉強途上ですが、書店で自分の目で確かめて、自分が分かりやすそうな本を選べば良いのではないでしょうか?
そして、それと格闘すれば良いのではないでしょうか?
「ε-δ論法」など、分からないところがあっても、そこに拘泥せずに、自分が分からなかったという事実だけを押さえて、分かる所から勉強をどんどん進めてゆけばよいのではないでしょうか?
そうすれば、いつの間にか、分からなかった所もだんだん分かってくるのではないかと思います。
ところで、積分は、一般的に考えて微分より難しいのではないかと思っているのですが、何か勘違いをされているという事はありませんでしょうか?

  投稿者:ワイル - 2007/08/29(Wed) 14:02  No.2308 
こんにちは、凡人さん

>>ところで、積分は、一般的に考えて微分より難しいのではないかと思っているのですが、何か勘違いをされているという事はありませんでしょうか?

積分とは、結局、面積・体積を求めることではないでしょうか?
一方、微分とは、曲線に対する接線の傾きとか、速度・加速度を求めることです。

歴史的にも、積分の考えは、古代ギリシャのアルキメデスの時代からあるのに対して、微分の考えは、16、17世紀のガリレオくらいの時代から、ということで、積分より微分の方が新しいのです。

学校でも、積分の考えは、小学校高学年で円の面積の公式の説明で、はじめて出てくると思います。
一方、微分は、高校の数学になって、はじめて出てくるのでは?

まあ、そういうことです。

ただ、計算そのものは、微分より積分の方が難しいとは思います。
たとえば、1/xの微分は、-1/x^2 となりますが、1/xの積分は、log(x)という対数関数という、-1/x^2 という関数より難しい関数になるわけですし、微分計算は根気良くやれば、たいがいできますが、積分では、積分不可能なものもありますから。

足算より引算、掛算より割算の方が、それぞれ難しいことと似ていますね(引算では、マイナスの数が出てくることもあるし、割算では、整数同士の割算でも、結果が整数でない分数や小数になることもある、という意味で)。


  投稿者:ワイル - 2007/08/29(Wed) 16:48  No.2310 
yoikoさん、こんにちは

>>初心者にわかりやすいお薦めの書籍を教えてもらえませんか?

極限や微分積分などのわかり易い書籍として、たとえば、寝ながらでも読めるサイズとして、
岩波新書G5「数学入門(下)」(遠山啓・著)
あたりは、いかがでしょうか?

公約数・公倍数・素数などの話に始まり、関数、極限の初歩的な話から、微分、積分、微分方程式まで解説されています。
ちなみに、これの上巻は、算数・代数・幾何の話が中心です。

  投稿者:のほほ - 2007/08/29(Wed) 17:41  No.2311 
>>yoiko さん

ε-δ論法が例も交えて丁寧に解説してある本としては

『解析入門』(田島一郎;岩波全書) が個人的にはオススメです。

私も物理の3年ですが、個人的には微分積分は理論がわからなくても計算できればいい気がします。
概念的なものとすれば、実数の「完備性」を理解できれば大体OKじゃないでしょうか?

それよりも、解析力学や量子力学などその他諸々を理解するためには、「線型代数」は必須ですね。
あと、幾何学とそれに付随するような群論の知識もあれば大分見通しが良くなるんじゃないでしょうか?

量子力学をきっちり数学的に理解したければ、ヒルベルト空間論などを知っておけばいいでしょうけど、実際そこまで完全に理解している人は少ないのではないでしょうか?

  投稿者:凡人 - 2007/08/29(Wed) 18:44  No.2312 
のほほさん、複素解析とフーリエ解析も追加させて下さい。

  投稿者:ワイル - 2007/08/29(Wed) 19:46  No.2314 
ちょっと、気になるので。

>>量子力学をきっちり数学的に理解したければ、ヒルベルト空間論などを知っておけばいいでしょうけど、実際そこまで完全に理解している人は少ないのではないでしょうか?

純数学の立場なら、ε-δ論法とかヒルベルト空間論(それを含む関数解析学)などを、ちゃんと勉強するべきでしょうけど、物理数学とか経済数学のような応用数学においては、それより、そういう数学道具を、実際の物理や経済の現象に、どう使うか、ということが大事のような気がします(純数学的知識は、知らないより知っている方が、もちろん、良いのでしょうけど)。

ニュートンやアインシュタインなども、純数学的なものは、それほど強くなかったようですし。

応用数学の立場では、たとえば、ヒルベルト空間は、実数や複素数(それに四元数)のベクトルの集合ということですし、ゲージ理論で出てくる「リー群」というのは、実数や複素数(あと四元数)による正則行列(逆行列を定義できる正方行列)の群というくらいのことでよろしいか、と思います(「群」とは、掛算が定義できる数の集合、といえるでしょう)。

パソコンのプログラムを書くにも、まずは、プログラミング言語の文法と、実践的なプログラムの作り方(アルゴリズムなど)の勉強は必要ですが、いきなり、「プログラミング言語の理論」のような話は、必要ない、というのと一緒でしょう(そういう話は、有る程度、プログラムが作れるようになってからでも良いでしょう)。

市販の書籍でも、著者が大学の教授(特に数学者)の場合、概して実践的な知識を解りやすく教えるのは苦手な人が多いようですね(高等専門学校の先生などの方が、わかり易い著書が多い感じ)。

>>それよりも、解析力学や量子力学などその他諸々を理解するためには、「線型代数」は必須ですね。

流体力学、弾性体力学、電磁気学、相対論やゲージ理論など、大概の物理学で、「線型代数」は必須ですし、経済数学でも重要のようです。

  投稿者:のほほ - 2007/08/29(Wed) 22:54  No.2316 
>ワイル さん
大体そんな感じですね。

関数解析学で勉強するヒルベルト空間論は、複素ベクトル空間をさらに抽象化したものなので、一般には非可算無限次元のヒルベルト空間に対して「基底の存在を仮定」するのはご法度! と数学の先生に教えられました。

そこまで説明するのも面倒だったのでああいう書き方をしました。

そのことを理解した上での質問ですが、「位置」や「運動量」のような連続変数でラベルづけられる状態空間(=ヒルベルト空間)に対して、固有ケットの様な正規直交「基底」の存在をさも当たり前の様に仮定している正当性、というのは数学的にはどうなのでしょうか?



  投稿者:ワイル - 2007/08/29(Wed) 23:16  No.2317 
のほほさん。

>>そのことを理解した上での質問ですが、「位置」や「運動量」のような連続変数でラベルづけられる状態空間(=ヒルベルト空間)に対して、固有ケットの様な正規直交「基底」の存在をさも当たり前の様に仮定している正当性、というのは数学的にはどうなのでしょうか?

純数学的な話を、私に振られても困ります。

  投稿者:凡人 - 2007/08/29(Wed) 23:30  No.2318 
のほほさん
>そのことを理解した上での質問ですが、「位置」や「運動量」のような連続変数でラベルづけられる状態空間(=ヒルベルト空間)に対して、固有ケットの様な正規直交「基底」の存在をさも当たり前の様に仮定している正当性、というのは数学的にはどうなのでしょうか?
私は理解出来ていませんが、『新版 量子論の基礎』(清水 明著、サイエンス社)に、詳しく述べられていると思いますので、こちらをご確認されたほうが宜しいのではないでしょうか?

  投稿者:TOSHI - 2007/08/30(Thu) 11:50  No.2320 
 こんにちは、のほほさん、TOSHIです。

>正規直交「基底」の存在をさも当たり前の様に仮定している正当性、というのは数学的にはどうなのでしょうか?

 状態空間が「可分」なら可算基底があって任意の状態ケットは基底による級数展開でいくらでも正確に近似が可能だと思います。 また運動量の固有関数による射影演算子での積分によるスペクトル展開も完全性を仮定すれば可能なはずです。

 ちなみにある集合が可分であるというのは少なくとも1つの稠密な可算部分集合が存在することを言います。たとえば実数は有理数という可算で稠密な部分集合を持つので「可分」です。

                   TOSHI


  投稿者:sym - 2007/08/30(Thu) 13:05  No.2324 
yoikoさん、こんにちわ。

極限を考えるときに、漠然と値が、ある極限値に近づいていくとするのではなく、あるとき、極限値との誤差がどれくらいあるかをはっきりと示す、それがε-δ論法です。

ε-δ論法をよく理解したいのなら、位相やらトポロジーやらといったタイトルの本で、極限の操作が書かれているものを読むことをお勧めします。

たとえば、最近の本で、トポロジー‐基礎と方法(野口廣、ちくま学芸文庫)をあげておきます。文庫本なので安くてお勧めです。
もうひとつ、位相への30講もお勧めです。



  投稿者:sym - 2007/08/30(Thu) 15:42  No.2325 
のほほさん、こんにちわ。

>正規直交「基底」の存在をさも当たり前の様に仮定している正当性、というのは数学的にはどうなのでしょうか?

そのことは、私もずっと疑問に思っていました。ここに少しだけ解決法を書いてみます。


まず、非可算な空間を真正面から扱う方法を考えます。これは、大雑把に言って、デルタ関数などを含めた空間を考えるという意味ですが、数学的な対象がややこしくなりそうです。
よく知らないのですが、Rigged Hilbert Space という空間を考える方法などがあるそうです。この空間はもちろん、ただのヒルベルト空間ではないのです。

次に考える空間がヒルベルト空間であることにこだわってみます。ここでは、たとえば基底として、デルタ関数の代わりにデルタ関数のような働きをする普通の関数を採用することにします。そしてケットベクトルが表すのも、このデルタ関数もどきだと考えることにするのです。この空間の次元は非可算ではなく可算になります。

要するに、ヒルベルト空間より大きな空間か、あるいは、可算なヒルベルト空間を考えるという、ある意味、当たり前な方法をとるのです。

  投稿者:murak - 2007/08/31(Fri) 03:08  No.2333 
> ここに少しだけ解決法を書いてみます。

確かに清水明さんの「量子論の基礎」をみると、そのような記述がみられます。
しかしこれって一体何を解決しているのかな?(そもそも解決法しているのか?)

  投稿者:明男 - 2007/08/31(Fri) 09:23  No.2334 
のほほさん、こんにちは。

状態ベクトル空間の基底について、数学はあまり得意でない私の理解を書いてみたくなりました。
私の学んでいた頃、フォン・ノイマンの「量子力学の数学的基礎」と言う有名な本がありますが、そこでは可分な複素ベクトル(ヒルベルト)空間を仮定し(つまり基底がとれることを前提としている)、物理量はその空間における演算子の固有値であるもの、と「定義」されているのだと思っています。
勿論、これには一種言葉のまやかし(言い過ぎかな?)があり、実空間やそこで観測する物理量を”うまく”表現できる、もっとも有用な数学的構造で近似していることだと思います。
近似は全く正解かもしれないし、仮定が崩れれば所詮近似かもしれない。しかし、今のところおよそ物理学の理論はある意味近似であり、真実は唯、現象(実空間)の中にのみあるわけです。
そしてその近似がハイレベルで成立していることは疑いの無いことであることから、その数学的背景にもそれなりの理由、根拠が与えられているのだと思います。
要するに、数学的に根拠づけられているのではなく、逆に物理学的に数学的根拠が仮定されている、と言えるのではないでしょうか。その枠組みのなかではもはや基底の有無(を論じること)は問題外であり、ア・プリ・オリに、つまり当たり前のように出発点となることは必然です。

  投稿者:murak - 2007/08/31(Fri) 14:24  No.2335 
昨晩は眠い頭で的はずれ(でもないか?)なレスを書いてしまいました。後で仕切直します(?)のでとりあえず#2333は一度忘れて下さい。

  投稿者:sym - 2007/08/31(Fri) 16:21  No.2336 
補足

普通に量子力学で使われている、ルベーグ空間は可算次元だそうです。

  投稿者:凡人 - 2007/09/01(Sat) 08:47  No.2338 
symさん
数学的内容を理解していないにも係わらず、お聞きして申し訳ないのですが、「ルベーグ空間」とは、「測度空間」の事でしょうか?