EMANの物理学 過去ログ No.2295 〜

 ● ネーターの定理

  投稿者:Φマン - 2007/08/28(Tue) 06:26  No.2295 
久しぶりの、新しい記事ですね。待ってました。

ちょっと前に読んだんですが、いろいろとしっくりこないところがあって、直ぐに感想を書いてなかったのです。

まず、EMANさんは「対称性があれば、必ず保存則があるのか」と自問しており、結論として、いやそうではないだろうといっています。反例として、一様重力場での運動方程式は並進しても変わらないのに、運動量は保存しないことをあげています。
これは対称性の定義が「何に対して」対称変換を定義しているかによっているので、そのことを明確にしておかなければなりません。通常、ネーターの定理はラグランジアン(またはアクション)に対してのものです。運動方程式ではありません。一様重力場は、ポテンシャルが基準点により、それゆえラグランジアンは並進対称ではないので、運動量は保存しないという結論に導かれます。私の知っている限り「対称性→保存則」です。その逆は必ずしも真ではありませんが、それは特殊な場合です。

あと、ネーターの定理は重要かどうかですが、それは保存則を導く際に運動方程式を陽に持ち出さずにすむから重要なのだと思います。例えば、場の理論までいくと、ある量が保存するように、ラグランジアンを作りたいと言うことが良く有ります。その際、運動方程式は知らずに、それでいてもラグランジアンを作る指導原理が必要になります。それが対称性です。つまり運動方程式ありきではなく、対称性ありきなのでネーターの定理が需要になるわけです。

これらのことがちょっとしっくりこないのですが、どうでしょうか。忙しいでしょうが、無理をせずに記事を更新してください。楽しみにしています。

  投稿者:EMAN - 2007/08/28(Tue) 12:07  No.2296 
感想ありがとうございます。
情報を発信して、さらなる情報が返って来る事がサイト更新の醍醐味ですね。

 で、「しっくりこない」との感想を頂きましたが、指摘の内容に対して、あまり変更の必要を感じないでいます。 Φマンさんはすでに結論をご存知ですので、最初の方を読まれた時にじれったさを感じられたのではないでしょうか?

 ひょっとすると、発表する直前にある一つの段落を削ったので、そのために全体のバランスが崩れてしまっている可能性もあります。

 一般向け読み物ではラグランジアンや作用という専門用語を避けていて、そのために「対称性 すなわち 保存則である」という考えが検証なく広く浸透してしまっている、という内容の批判(と被害者としての文句)が書いてあったのですが、消しました。

 最近、批判を書くのを抑え気味にしている自分に気付きます。
 多分、

 ・自分もいつか批判を受けるだろうことが怖い。
 ・何をえらそうに、との批判を受ける。
 ・他の本の著者の気持ちや、仕方ない事情が理解できるようになった。
 ・批判していた対象がいつの間にか姿を消してしまい、
    的外れな批判をしているように思われてしまう。
   つまり、文章の寿命が短くなる。

などの理由があると分析しています。


> 忙しいでしょうが、無理をせずに記事を更新してください。

 秋のせいでしょうか、最近、趣味がはかどり、熱中しています。
 幾つか書いているところなので、ご期待ください。