EMANの物理学 過去ログ No.2277 〜

 ● 宇宙の爆発現象

  投稿者:のほほ - 2007/08/23(Thu) 11:24  No.2277 
活動銀河核からのジェット、宇宙のブラックホールからのジェット、超新星爆発、パルサーなどなど宇宙は爆発現象に満ちています。
もちろん、それぞれが全く違う物理法則に沿っていると考えることも出来ますが、共通の物理法則はないか?と考えてしまうのが物理屋さんの性。

皆さんは、これらの現象に対してどのようにお考えですか?

私は、すべてMHD(電磁流体力学)に帰着されるのではないかと思っているのですが。
チャンドラセカールの功績は偉大です。

  投稿者:ワイル - 2007/08/23(Thu) 11:34  No.2278 
こんにちは

>>活動銀河核からのジェット、宇宙のブラックホールからのジェット、超新星爆発、パルサーなどなど宇宙は爆発現象に満ちています。

活動銀河核のジェットの原因 ・・・ 大きなブラックホールの存在によるもの?
ブラックホールからのジェット ・・・ 周囲のガスなどがブラックホールに引きこまれる"悲鳴"みたいなもの?
超新星爆発 ・・・ 大きな星の最期の華
パルサー ・・・ 中性子星の高速回転によるもの

ということで、それぞれ、原因が違うようです。

どれも、現代では、重力理論(一般相対論)の他、電磁気学、量子力学、場の量子論などの支援も必要でしょう。

>>もちろん、それぞれが全く違う物理法則に沿っていると考えることも出来ますが、共通の物理法則はないか?と考えてしまうのが物理屋さんの性。

その共通の物理法則を目指しているのが、超ひも理論などでは、ないでしょうか?

  投稿者:ワイル - 2007/08/23(Thu) 11:45  No.2279 
>>活動銀河核からのジェット、宇宙のブラックホールからのジェット、超新星爆発、パルサーなどなど宇宙は爆発現象に満ちています。

難しい話は別として、宇宙も”生きている”ということですね。

地球も、火山やら地震などの活動から”生きている”といえるし、太陽なども、もちろんです。

ミクロの世界の分子・原子やクォーク、レプトンなども、今日の場の量子論などにおけるイメージでは、”生きている”という感じがします。

ミクロのものから、地球・天体や宇宙まで、この世界のものは、どれも一種の”生命体”というのは、手塚治虫の”火の鳥”の中でも、出てきます。


  投稿者:のほほ - 2007/08/23(Thu) 13:47  No.2280 
>ブラックホールからのジェット ・・・ 周囲のガスなどがブラックホールに引きこまれる"悲鳴"みたいなもの?

私も詳しくは知らないのですが、これはホーキング輻射といわれるようなものなのでしょうか?
素粒子に精通している人は、還元主義というかすべて粒子に戻って説明しようとする立場の方が多いようですが、私はこの立場は半分正解で半分不正解のような気がします。

やはり、宇宙の爆発現象のような大域的な現象に対しては、統計力学の様な集団全体の織り成す現象というのもあると思います。

実のところ、太陽の爆発現象もMHDによって上手く説明できるのではないか?というのが私の意見です。
磁気リコネクションという言葉はご存知かと思いますが、そのことが太陽フレアの主原因ではないか?といわれていますね。

これと同様の物理学が私が最初にあげた現象と関わっている予感がしてならないのです。

その一番の理由が、
「ジェットの速度〜重力ポテンシャルからの脱出速度」
という事実です。
現象のスケールに関わらず、これは成り立っているのです。
ということは、すべての現象に共通した物理が働いているのではないか?と考える方が自然ではないでしょうか?

MHDが宇宙の爆発現象を明らかにするキーとなると思うのですが、そのあたりは皆さんどうお考えでしょうか?
やはり、流体力学は大まかに現象を見るのにとても役に立ちますね。

  投稿者:ワイル - 2007/08/23(Thu) 18:09  No.2281 
>>私はこの立場は半分正解で半分不正解のような気がします。

ブラックホールの現象に関しては、まだ「仮説10%」くらいでしょう。

一般相対論などの重力理論に基づくブラックホールのモデルは、スケルトンやモノクロのイメージでしょう。
重力理論に加え、量子力学やゲージ理論による現象も考慮に加えたブラックホールのモデルは、肉つきや色つきのイメージです(プラズマのジェットなども、そういう肉つき、色つきのモデルのイメージでしょう)。

肉つき、色つきのブラックホール・モデルによる物理は、まだこれからでしょう。

ただ、1970年前後から、素粒子論の世界と宇宙論の世界とが、密接に関わるようになっています。このあたりの時代の物理学は、相対論と量子論の誕生による20世紀の初頭の変革以来の変革の時代といえそうです(その原因は、実験・観測による検証や応用の分野において、アインシュタインの一般相対論と、ヤンミルズのゲージ理論が、それぞれ、宇宙論および素粒子論における標準理論、基礎理論として、広く物理学者たちに認識されはじめたことです)。

>>やはり、宇宙の爆発現象のような大域的な現象に対しては、統計力学の様な集団全体の織り成す現象というのもあると思います。
>>やはり、流体力学は大まかに現象を見るのにとても役に立ちますね。

統計力学や流体力学も、奥が深く、基礎とする理論が、古典的な理論であるのか、相対論や量子論に基づく理論(つまり、場の量子論)であるのか、によって、変わってくると思います。

統計力学には、マックスウェルやボルツマンなどの古典統計力学と、場の量子論に基づく、アインシュタイン&ボーズ理論やディラック&フェルミ理論などの量子統計力学とがあるわけです。
流体力学にも、古典力学に基づく流体力学の他、場の量子論や一般相対論に基づく流体力学もあります。

ミクロや宇宙の世界では、統計力学や流体力学も、場の量子論や一般相対論に基づく理論が必要になることが、多いと思います。

チャンドラー・セカールのMHDも、そういう理論だと思います。



  投稿者:明男 - 2007/08/23(Thu) 18:54  No.2282 
こんにちは。

ブラックホールのジェットというのは、ホーキング輻射のようにブラックホール内部の話ではなくて、あくまでもシュバルツシルト半径外で降着円盤の落ち込み損ねた物質・放射のトラップされたものが(回転の)極軸方向に噴出したものでしょう。
しかも恐らくは爆発とはほど遠い現象で、長大な時間をかけて徐々に形成された「万里の長城」のような自然の構築物でなないかと思います。

ところで、電磁流体力学として応用の最たるものは「プラズマ」物理でしょうが、多くの天体現象に応用され、また現象的にも観測されています。プラズマ物理でもいわゆる「素過程」と呼ばれる粒子間あるいは粒子〜場の相互作用と「集団的相互作用」の両者が大事であり、どちらが大事と言うこともないと思います。ただ、スケール(サイズ)を空間的な尺度だけではなく、時間、エネルギーにまで広げて考えるとき、特有の物理現象があたかも「相転移」のごとく現れることを忘れてはなりません。新星の爆発と超新星の爆発、太陽フレアの爆破、それらの発生機構は全く異なるものですし、それ故に起こる現象も似てはいても異なる様相を示します。化学爆発と燃焼が(ともに化学的エネルギーの解放という意味で)同じ現象であるのとは対照的です。

そう言う意味で今のところ普遍的(共通的)な物理は「相対論」と「量子力学」であり、力学・電磁気現象は前者、ホーキング輻射などは両者の帰結ですから、MHDで説明できることがまだ多くあったとしても、説明できないこともまたそれ以上にあると言うことだと思います。
例えば宇宙の爆発現象の最たる超新星爆発はその規模からして核力より下位の力が働いており、化学エネルギーが核エネルギーを説明できないごとく、電磁力では説明がつかない現象であると思われます。

  投稿者:ワイル - 2007/08/23(Thu) 19:06  No.2283 
こんにちは、明男さん

>>例えば宇宙の爆発現象の最たる超新星爆発はその規模からして核力より下位の力が働いており、化学エネルギーが核エネルギーを説明できないごとく、電磁力では説明がつかない現象であると思われます。

現代物理学で、いわゆる元素の起源ということで、既存の理論と、それに基づくシミュレーションなどで、

鉄(原子番号=26)まで ・・・ 太陽などの恒星の内部の核融合で作られる(ただし、太陽程度の質量の恒星では、炭素まで)

鉄より重い元素 ・・・ 多くのものが、超新星爆発で作られる

という話です。

一方、太陽のフレアの爆発現象などでは、超新星爆発のように、元素の合成がありません。

  投稿者:ワイル - 2007/08/23(Thu) 19:52  No.2284 
補足

>>例えば宇宙の爆発現象の最たる超新星爆発はその規模からして核力より下位の力が働いており、化学エネルギーが核エネルギーを説明できないごとく、電磁力では説明がつかない現象であると思われます。

太陽や宇宙空間における「プラズマ」は、正確には「電離プラズマ」といいます。

通常状態の原子というのは、電気的に中性な状態ですが、電離プラズマの状態では、負の電荷粒子(つまり、電子)と、正の電荷粒子(つまり、原子核)が分離した状態です。

ちなみに、イオンは、分子・(中性)原子のレベルにおける電気的な属性といえましょう(各原子の最も外側の電子のやりとり)。

こうしたイオン・分子・原子・プラズマのレベルまでは、電磁力(QED)で説明できます。

太陽のフレア爆破も、このようなプラズマの放出です。

しかし、原子核内部の核子(陽子・中性子)レベルの構造や核分裂、核融合やら、ベータ崩壊などの放射性崩壊の反応などでは、電磁力だけでなく、QCDやGWS理論で扱う「強い力」や「弱い力」による作用も考慮に入れなければなりません。

このような「強い力」や「弱い力」は、電磁力や重力とは異なる種類の力です。

太陽などの恒星内部の核融合反応や、超新星爆発でも、こうした強い力や弱い力の作用が、大きく関わっていると、思われます。

パルサー=中性子星 の現象でも、QCDやGWS理論に基づく統計力学や流体力学が必要のようです。

  投稿者:明男 - 2007/08/23(Thu) 22:10  No.2285 
>ワイルさん

本来、プラズマとは電離した分子・原子、イオン(集団)の総称ですから、「電離プラズマ」では屋上屋のような気もしますが(^^)。

天文学はよくは知らないのですが、恒星の最終段階では結局、重力崩壊を支える機構が輻射圧から電子の縮退圧、強い力へと圧搾されて行き、陽子に電子が押し込まれ中性子核へ、さらには(密度が)シュバルツシルト限界を超えてブラックホールになるものと理解しています。

私の専門は原子核の中間エネルギ−と呼ばれる領域でしたが、例えば核子間のいわゆる核力は通常πオンの交換力で計算できますが、素粒子論的にはクオーク(とグルーオン)間の強い力で記述されるように、概して言えばエネルギーレベルによって描象を選ぶ必要があります。天体の問題でも必ずしも素粒子レベルの解析が必要なわけではなく、重力場が強いと言っても相対論(的考察)がいつも必要とは限りません。
要はスケール(とサイズ)の問題であり、主たる素過程が何であるかを見極めることが大事です。
その上で初めて電磁流体力学なり熱統計力学なり、相対論的力学なりを適用することができます。比喩的に言えば、自動車の構造を細部まで知らなくても、自動車の運転はできますが、動かなくなったとき自動車の構造を知らずには修理できないように、研究者は常に原理から考察していくものなのでしょう。

  投稿者:凡人 - 2007/08/25(Sat) 18:07  No.2286 
明男さん
>さらには(密度が)シュバルツシルト限界を超えてブラックホールになるものと理解しています。
http://blog.case.edu/case-news/2007/06/20/blackholes

http://en.wikipedia.org/wiki/Black_hole_information_paradox
という記事もあるようです。

  投稿者:ワイル - 2007/08/25(Sat) 20:54  No.2289 
>>天体の問題でも必ずしも素粒子レベルの解析が必要なわけではなく、重力場が強いと言っても相対論(的考察)がいつも必要とは限りません。

天体の問題では、地球、太陽、銀河などは、一般的にニュートン力学+マクスウェル電磁気学で十分でしょう(水星の近日点移動など、一般相対論的補正が必要なものも、いくらか、あります)。

しかし、中性子星やブラックホールでは、一般相対論とヤンミルズ理論による解析が必要のようです。