EMANの物理学 過去ログ No.2101 〜

 ● ペンローズのツイスター理論

  投稿者:ワイル - 2007/07/27(Fri) 18:35  No.2101 
>>ペンローズのツイスターは、数学的な内容は何も分かりませんが

まず、古典力学・古典論(相対論やゲージ理論も含む)の世界と量子力学・量子論の世界との違いは、数学的には、

古典力学・古典論の世界 ・・・ 実数のスカラー、ベクトル、テンソルの世界

量子力学・量子論の世界 ・・・ スピノル(波動関数=一種の複素数のベクトル)の世界

という感じなのです。

それで、ペンローズのツイスター理論というのは、古典論の世界の一般相対論やゲージ理論を、量子論の世界のスピノル(のネットワーク=スピン・ネットワーク)による表現に置き換えよう、としているものらしいです。
それともうひとつは、「双対性」の関係による表現、というのもあるらしいです。

このペンローズのツイスター理論については、本格的には、
高橋金久・著「ツイスターの世界」(共立出版)
が日本語で読める書籍としてあります。

一般的な量子力学の教科書などでは、古典力学の世界は、量子力学のマクロ的極限のような形で記述されていますが、最近の物理理論などの立場では、古典力学・古典論の世界と、量子力学・量子論の世界とは、「双対性」という関係で捉えられてもいます。

「双対性」の関係というのは、日常でも、「表と裏」、「男と女」、「陽と陰」などの関係のことです。

数学の世界でも、正四面体の中に、また正四面体が現れたり、正六面体の中に正八面体が現れたり、逆に正八面体の中に正六面体が現れたりします。
また、正12面体の中に正20面体が現れ、逆に正20面体の中に正12面体が現れます。
これらから、正四面体同士、正六面体と正八面体、正12面体と正20面体、それぞろのペアを「双対性」の関係、といっています。

http://www.sci.yamaguchi-u.ac.jp/math/omotya/soral/explanation/037_4.html

一般的な物理学の世界でも、電磁気学における電場と磁場、統計力学における秩序と無秩序、量子力学における粒子と波などは、「双対性」の関係の例です。

そして、重力場とゲージ場(電磁場・強い力の場・弱い力の場)、古典力学・古典論と量子力学・量子論といった関係も「双対性」で捉えられています。

・重力場とゲージ場
・古典力学・古典論の世界と量子力学・古典論の世界
といった関係も、「双対性」の関係、つまり、「表の世界」と「裏の世界」というわけです。

デビッド・ボームの量子ポテンシャルなどでも、古典力学・古典論の世界と、量子力学・量子論の世界との関係を、「表の世界」と「裏の世界」との関係のように捉えていますが、ロジャーズ・ペンローズの「ツイスター理論」の考えも、その流れを引き継いでいるようにも思えます。

そして、この「ツイスター理論」におけるスピン・ネットワークや「双対性」の考えは、「ループ量子重力理論」や「超ひも理論」などにも受け継がれているようです。

重力場とゲージ場との関係については、

・重力場 ・・・ 4次元の一般相対論に超対称性粒子(グラヴィティーノ=スピン3/2の粒子)を加え、高次元に拡張した超重力理論
・ゲージ場 ・・・ 3種のゲージ場(電磁場・強い力の場・弱い力の場)を統一した大統一理論に超対称性を取り込んだ4次元の超対称性ゲージ理論

のようにして、

高次元の超重力理論 <−> 4次元の超対称性理論

という双対性の関係をつくり、この両者の統一理論を作ろう、という考えもあるらしいです。

一般的な量子力学の教科書における表現、「古典力学の世界は、量子力学の世界のマクロ的極限」というものより、「双対性」、つまり、「表の世界」と「裏の世界」との関係で捉える方が、個人的というかSF的に、面白そうですね。