EMANの物理学 過去ログ No.1806 〜

 ● ヒッグス粒子は存在するのでしょうか?

  投稿者:凡人 - 2007/07/01(Sun) 23:42  No.1806 
突然ですが、私は天邪鬼なので、ヒッグス粒子の存在には、非常に懐疑の念をいだいております。
凡人の浅知恵だと思うのですが、ヒッグス粒子は、アインシュタインによって否定された、「エーテル」の香りがするからです。
よって、LHCでヒッグス粒子は検出されないのではないかと考えているのですが、他の皆様はいかがでしょうか?
それと、ヒッグス粒子で思い出したのですが、ヒッグス粒子が重力子だった場合に、ブラックホールの重量場についても、ヒッグス場によって正しく記述出来るのでしょうか?
それとも、ヒッグス機構では、ヒッグス粒子と重力子は別粒子なのでしょうか?
ところで、書店で、リサ・ランドールの『ワープする宇宙』に、ヒッグス粒子について触れている箇所を見つけたのですが、貧乏なので、この書籍を購入するかどうか、今非常に悩んでいる所です。
ご親切な方のアドバイスをお待ちしております。

  投稿者:FAM - 2007/07/02(Mon) 01:31  No.1807 
アインシュタインはエーテルを否定していませんけど?

  投稿者:のほほ - 2007/07/02(Mon) 02:28  No.1808 
ブラックホールの話が出ていたので、反応しました。

細かい内容は知りませんが、最近結構有名なグループが「ブラックホールが存在しない」可能性を示唆する論文を出したらしいですね。
何が正しいかを頭ごなしに決めるべきではないと、つくづく考えさせられる事件でした。少なくとも私にとっては。

ヒッグス粒子はもしも見つかれば、友人達とお祝いする約束をしている私としては、ヒッグス粒子は是非とも見つかって欲しいところなのですが。どうなのでしょう?

  投稿者:nob - 2007/07/02(Mon) 10:00  No.1809 
私の習った限りでは一般相対論は
慣性質量=重力質量=その物質の持つエネルギー(E/c^2)
がどんな場合でも常に成り立つとの前提で成り立っております。
ではヒッグス場なるものが慣性質量を作り出しているとしたら、ヒッグス場は重力質量に比例した力を及ぼすと考えて宜しいのでしょうか?

さてそのヒッグス場なるものが量子性を持つということは、上の一般相対論の大前提が崩れているように思えてならないのです。ヒッグス場が量子化するということは慣性が量子化するということですので。
どなたか簡単に解説して頂けると幸いです。

「ワープする宇宙」現在読んでます。
まだ半分ぐらいですが、非常に面白いです。
多少高いですが、お勧めの本です。

  投稿者:T_NAKA - 2007/07/02(Mon) 11:27  No.1812 
アインシュタインは当初どう言っていたか?は有名な論文のまえがき
http://www.fourmilab.ch/etexts/einstein/specrel/www/
にて見ることができます。
具体的には 「The introduction of a ``luminiferous ether'' will prove to be superfluous...」ということで、「(光の媒体となる)エーテルの導入は余分であることがわかる」と言っているように思えます。これをエーテルの存在の否定ととるか?は見解によりますね。
あえて言えば、電磁波の伝達媒体としてのエーテルの否定ともとれますが、エーテル的なものを全否定したとは言ってないようにもとれます。

  投稿者:ワイル - 2007/07/02(Mon) 15:08  No.1816 
こんにちは

>>それとも、ヒッグス機構では、ヒッグス粒子と重力子は別粒子なのでしょうか?

ヒッグス粒子は、グラショウ・ワインバーグ・サラムによって作られた電弱理論(電磁場と弱い力の場の統一理論)が予言するものです。
電磁場の量子である光子(フォトン)には、質量がない、一方、弱い力の場の量子である3種類のウィークボゾン(W+、W-、Z)には質量がある(量子色力学における強い力の量子のグルーオンにも質量はない)ので、電磁場と弱い力の場の統一が、そのままでは困難。
そこで、弱い力の場のウィークボゾンも、高エネルギー領域では、もともとは質量はもっていなくて、あるエネルギー(250GeVくらい)以下では、ウィークボゾンが、ヒッグス粒子の作用で、質量をもつようになった、という説明です。

ウィークボゾンだけでなく質量を持っている粒子は、ヒッグス粒子の作用をうけて質量をもっている、ということです。

一方、重力子は、一般相対論的重力場を量子化すると現れるものです。

粒子としての性質も、ヒッグス粒子と重力子は異なります。

ヒッグス粒子は、スピンが0で有限の質量(数百GeVくらい?)をもっているとされていますが、重力子は、スピンが2で、質量がゼロとされています。

  投稿者:ワイル - 2007/07/02(Mon) 15:28  No.1817 
>>一方、重力子は、一般相対論的重力場を量子化すると現れるものです。

マクスウェルの電磁場理論からは、電磁波の存在が出てきます。
その電磁波を量子化すると、光子(フォトン)が現れます。

一方、アインシュタインの一般相対論からは、重力波の存在が出てきます。
電磁波における光子にあたるものが、重力波における重力子です。

弱い力の場の量子のウィークボゾンや、強い力の場の量子のグルーオンも、電磁場における光子や重力場における重力子のようなもので、いわゆる「ゲージ粒子」とよばれています。

ヒッグス粒子は、「ゲージ粒子」には入らないようです。

アインシュタインだけでなく、ディラックやハイゼンベルクなども、エーテルは否定していないようですが、それは古典的・物質的なエーテルではないでしょう。

19世紀末から20世紀はじめの多くの科学者たちは、光や電磁波に対するエーテルを考えていましたが、それは、音波に対する空気や、水波に対する水のような古典的・物質的な媒体としてのエーテルでしょう。

しかし、アインシュタインやディラック、ハイゼンベルクなどが考えていたエーテルは、場とかポテンシャルとか量子とか、そういったものなのではないでしょうか?(もっと、現代的には、高次元の超ひも、となるのかな?)

「アインシュタイン選集2」(共立出版)に収録されている、アインシュタインが1920年5月5日にライデン大学で行った講演の議事録「エーテルと相対論」を読んでみると、そんな感じです。

その「エーテルと相対論」の訳文は、ここにもあります。
http://home.catv.ne.jp/dd/pub/ether.html


  投稿者:ワイル - 2007/07/02(Mon) 15:40  No.1818 
>>ヒッグス粒子は、グラショウ・ワインバーグ・サラムによって作られた電弱理論(電磁場と弱い力の場の統一理論)が予言するものです。

現在主流の場の量子論というのは、「ゲージ場の量子論」ともいい、
・量子電磁気学(QED)
・グラショウ・ワインバーグ・サラムの電弱理論(GWS理論)
・量子色力学(QCD)
などが含まれますが、これらは、すべて、その基礎理論としては、
・相対論的量子力学(=特殊相対論+量子力学)
です。
もちろん、「ヒッグス粒子」を予言するGWS理論も、特殊相対論+量子力学を基礎としているものです。
つまり、時空的には「ミンコフスキー時空」を考えています。

これらの「ゲージ場の量子論」では、重力場は扱っていません。
重力場を扱うには、一般相対論が必要になり、それの量子化理論は、「重力場の量子論」とよばれるものになります。
その候補としては、超ひも理論や、ループ量子重力理論などがあるが、まだ、どれも完成したものではないことは、ご存知だと思います。

  投稿者:ワイル - 2007/07/02(Mon) 16:03  No.1819 
>>ではヒッグス場なるものが慣性質量を作り出しているとしたら、ヒッグス場は重力質量に比例した力を及ぼすと考えて宜しいのでしょうか?

ヒッグス粒子もゼロでない質量をもっているので、重力場の中では、重力質量を持っているものと思われます。
しかし、GWS理論など「ゲージ場の量子論」では、一般相対論的重力は、考察の対象外ですので、重力質量は別問題です。

「ゲージ場の量子論」は、あくまでも、特殊相対論+量子力学の範疇の理論です。

>>さてそのヒッグス場なるものが量子性を持つということは、上の一般相対論の大前提が崩れているように思えてならないのです。
>>ヒッグス場が量子化するということは慣性が量子化するということですので。

「慣性質量」は、特殊相対論の範疇で扱うことができます。
しかし、「重力質量」を扱うには、一般相対論が必要なわけです。

・非相対論的量子力学(=通常の量子力学) ・・・ ガリレオの相対性原理をベースとした量子力学
・相対論的量子力学、ゲージ場の量子論 ・・・ 特殊相対論をベースとした量子力学、量子論

です。
通常の量子力学、相対論的量子力学、ゲージ場の量子論(QED、QCD、GWS理論など)は、理論も完成し、実験的検証も進んでいます。。

しかし、

重力場の量子論 ・・・ 一般相対論をベースとした量子力学、量子論

なのですが、これはまだ、完成していないわけです。

だから、一般相対論の「等価原理」が、量子論の世界でも、そのまま成立する、という保障は、いまだありません。

  投稿者:ワイル - 2007/07/02(Mon) 19:32  No.1820 
>>しかし、GWS理論など「ゲージ場の量子論」では、一般相対論的重力は、考察の対象外ですので、重力質量は別問題です。

現在の「ゲージ場の量子論」の標準理論(GWS理論とQCD)および、LHCという加速器で扱えるスケールは、せいぜい、100 GeVから10000 GeV(=10TeV)のスケールですが(長さのスケールでは、10の-18乗・メートルから10の-20乗・メートル)、このスケールでは、重力の効果は、他の3つのゲージ力(強い力、電磁力、弱い力)に比べて、40桁近く、弱いので、ほとんど重力の影響は無視できます。
だから、現在の「ゲージ場の量子論」では、特殊相対論+量子力学の範疇で十分、というわけです。

重力場の量子論を考える必要があるのは、プランク・スケールといわれる10の19乗・GeV(10の-35乗・メートル)近いスケール、といわれます。
このくらいのスケールになると、重力の強さが、他の3種類のゲージ力のスケールと同じか、それ以上になる、といわれています。

もちろん、このスケールは、古典的な一般相対論でも、現在の「ゲージ場の量子論」の標準理論でも、まともに扱うことができないわけですが(「超ひも理論」などの完成を待つ必用があるわけです)。

  投稿者:nob - 2007/07/02(Mon) 23:41  No.1822 
ワイル様

大変に分りやすい説明ありがとうございます。

>だから、一般相対論の「等価原理」が、量子論の世界でも、そのまま成立する、という保障は、いまだありません。

なんと。等価原理が成り立たないかもしれないと…
私もヒッグス粒子について読んだときには、等価原理から凡人さんのように重力子のことかと思いました。その後、違う粒子の事について書いてあると分りましたが、どうも釈然としませんでした。
ちょっとショックです。

もう少し質問させてください。
特殊相対性理論でたとえば電子のように電磁場を伴った粒子が慣性質量を持つ原因として、電子が自分の周囲に伴う電場との相互作用で慣性が起こるような話を習った記憶があります。
この電子に慣性質量を与えている電磁場と、ヒッグス場は同じ物と考えてよろしいのでしょうか?

  投稿者:T_NAKA - 2007/07/03(Tue) 09:29  No.1824 
>この電子に慣性質量を与えている電磁場と、ヒッグス場は同じ物と考えてよろしいのでしょうか?

どうも、nobさんの言い回しは意味するところが明確じゃないように感じます。
上の文章中の「同じ物」とはどういう意味で「同じ」と仰っているのか?が分かりません。
これでは回答しようがないのではないでしょうか。

また、ワイルさんの説明を読めば、ゲージ場とゲージ場でないもの違いがあることが明確に示されています。これ以上の回答はないと思いますが。。

  投稿者:ワイル - 2007/07/03(Tue) 11:46  No.1825 
>>この電子に慣性質量を与えている電磁場と、ヒッグス場は同じ物と考えてよろしいのでしょうか?

電子などに直接、慣性質量を与えているとされえているのは、ヒッグス場です。
そのヒッグス場の量子がヒッグス粒子です。

一方、電磁場は電子に、直接、慣性質量を与えることはありません。
また、電磁場は、量子論では、光子の場となります。

電子などを、電磁場や、高速に運動させると慣性質量が増えるように感じますが、それは、現代的には粒子へのヒッグス場の抵抗が強くなっていく、というようなイメージのようです。
(ちょうど、空気中や水中で、物体を高速で運動させると、空気や水の抵抗が強くなっていくのと似たようなイメージです)

よって、電磁場とヒッグス場とは、全く違うものです。

電磁場は、古典的にはマクスウェルの電磁場理論で、現代物理では、量子電磁力学(QED)によって扱われます。

一方、ヒッグス場は、GWS理論において、電磁場と弱い力の場との統合するために導入されたものです。
GWS理論は、ヒッグス粒子のほか、弱い力を伝える3種類のウィーク・ボゾン(W+,W-,Z)の存在も予言し、ウィーク・ボゾンは3種類とも、すでに実験的に、その存在が確認されています。

また、ヒッグス粒子を考えることで、GWS理論の理論的結果が、実験的検証結果と、非常に良い精度で一致する、といったこともあって、ヒッグス粒子の存在は、有望視されているわけです。

  投稿者:T_NAKA - 2007/07/03(Tue) 13:06  No.1826 
nobさんの仰っているのは、「電磁質量」のことでしょう。
ワイルさんの仰っているのは、あくまで「電子の芯の質量」のことです。
だから、質問と回答が微妙に違ってきています。

電磁質量のことは、いろものさんの次のページで定性的に説明されています。
http://homepage3.nifty.com/iromono/PhysTips/mass.html
これで具体的に「E=mc^2」を導出するのは簡単ではないらしいです。
次のページの「学生の感想・コメントから」に「ファインマン物理学_4巻」、砂川重信「理論電磁気学」などに詳しく説明されているとの告知があります。
http://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/~maeno/rel2006/rel13.html

さてこれは古典電磁気学の話で、量子電磁気学では質量が無限大になってしまうようで、この回避のために朝永先生等の「くりこみ理論」が必要になるというのは、有名な話ですね。(あってるかな?質問されても困りますが。。)

  投稿者:ワイル - 2007/07/03(Tue) 13:24  No.1827 
>>なんと。等価原理が成り立たないかもしれないと…

等価原理は、ニュートン力学でもあります。

「慣性質量」は、ニュートンの運動方程式
F = mi・a
に登場する質量miのことです。

この「慣性質量」は粒子の「動きにくさ」のことですが、特殊相対論を経て、ゲージ場の量子論でも扱われています。
そして、現代のGWS理論では、慣性質量は、246 GeV以下の低エネルギー領域において、粒子が受けるヒッグス場の抵抗のようなイメージで捉えられています(逆に、246 GeV以上の高エネルギー領域では、ヒッグス場は消失し、そのため、ほとんどの粒子の質量はゼロとなるようです)。

一方、重力質量mgは、ニュートンの万有引力の法則
F = G・M・mg/(r~2)
で登場するmgですね?
こちらは、ニュートン力学において、万有引力=重力の原因とされています(一般相対論においては、運動量・エネルギーの存在により、4次元時空の歪みが発生し、それが重力とされます)。

さて、ニュートン力学において、慣性質量miと重力質量mgは、同一のものとされています。
すなわち、
mi = mg
です。

それにより、通常、
mi・a = G・M・mg/(r~2)
a = G・M・mg/mi /(r~2) = G・M /(r^2) = g
とすることができます。
これによって、(真空中において)重力場における運動は、質点の質量に依存しない、というわけです。

これが、ニュートン力学における等価原理といえましょう。

一般相対論における等価原理は、局所的に運動の加速度と、重力加速度とを同一に扱うことができる、とするものです。
逆にいえば、自由落下するエレベータの中のように、重力は局所的に打ち消すことができるというものです。
それは、数理的にはクリストフェル記号Γ
http://homepage2.nifty.com/eman/relativity/ext_geo.html
の全成分を、局所的にゼロにすることができ、そのときには、特殊相対論(ミンコフスキー時空)が成立するもの、というものです。

これにより、一般相対論は、
・局所的には、物理法則がポアンカレ変換(=4次元時空におけるローレンツ変換と並行移動とをあわせた変換のこと)に対して共変(形を変えない)であること、すなわち、局所ミンコフスキー時空であることを要請する
・大域的には、物理法則が(リーマン時空の)一般座標変換に対して共変であることを要請する
理論と解釈できます。

このリーマン時空(一般相対論)とミンコフスキー時空(特殊相対論)との関係は、球面などの曲面であっても、局所的には平面として扱うことができる、といった関係に似たものです。

さて、現在のゲージ場の量子論の標準理論(GWS理論とQCD)が扱っている100 GeV〜10 TeVくらいまでは、この一般相対論的なイメージの古典的時空(局所ミンコフスキー時空&大域リーマン時空)が成り立っているものとされています。

しかし、「重力場の量子論」で扱う、プランク・スケールにおいては、重力そのものが、(古典的な)重力と他の3種類のゲージ力(強い力、電磁力、弱い力)とが統合された「超重力」とよばれるものになっていると予想され、一般相対論で扱っている重力とは異なるものになります。

当然、そこにおける時空のイメージも、一般相対論における時空とは異なっているものとされています。

一方、量子力学や量子論も、
・素粒子を(大きさのない)点として扱っていて、そのイメージは、現在の標準理論で扱うスケールでは、まだ大丈夫だが、プランク・スケールにおける現象を扱うには困難と予想される
・現在の「ゲージ場の量子論」では、重力を扱うことができない
といった弱みがあります。

プランク・スケールの現象では、現在の一般相対論も量子論も、そのままでは成立しないのでしょう(そこで、それらを統合し、それらに代わる理論として「超ひも理論」などが考えられているわけです)。

等価原理も、「重力場の量子論」では、一般相対論の等価原理のそれが、そのまま成立するとは思えず、新しい拡張された等価原理が必用であると思います。

--------------------------------------------------------

さて、一般相対論は、
・局所的には、物理法則がポアンカレ変換(=4次元時空におけるローレンツ変換と並行移動とをあわせた変換のこと)に対して共変(形を変えない)であること、すなわち、局所ミンコフスキー時空であることを要請する
・大域的には、物理法則が(リーマン時空の)一般座標変換に対して共変であることを要請する
といった理論というわけですが、一方、マクスウェルの電磁場理論や、それを拡張したヤンミルズ理論(弱い力や強い力の場を扱うときに必要となる理論)といった通常のゲージ理論は、
・局所的には、物理法則がゲージ変換http://homepage2.nifty.com/eman/electromag/gauge.html
に対して共変であることを要請する(内部空間)
・大域的には、物理法則がポアンカレ変換に対して共変であることを要請する(ミンコフスキー時空)
というもので、これにより、一般相対論とゲージ理論は、形式的に似た理論ということになり、一般相対論も、広い意味でのゲージ理論であることが、日本の内山龍雄によって指摘されています(特殊相対性原理もゲージ原理も、マクスウェル理論から誕生したのだが、H.ワイルによって、特殊相対性原理とゲージ原理を基礎として、マクスウェル理論を再構成したのが、ゲージ理論のはじまりで、それをC,ヤンとR.ミルズ、それに、内山龍雄によって拡張した理論として、ヤン・ミルズ理論=一般ゲージ理論、が作られている)。

実際、ニュートンの万有引力の法則と、クーロンの静電気・静磁気の法則とが、数学的に似ているのと似て、一般相対論とH.ワイルやヤン・ミルズのゲージ理論とは、数学的形式には似た理論です。

そして、1960年代後半から、一般相対論は宇宙論の世界で検証がはじまり、その後の宇宙論において一般相対論は不可欠な理論になっています。
一方、素粒子論の世界でも、1960年代後半から、QED、GWS理論、QCDなどの成功により、やはり、ゲージ理論や、それに基づく「ゲージ場の量子論」が不可欠な理論になっています。

1980年代以降、GWSの電弱統一理論とQCD(量子色力学)を統合した大統一理論(GUT)や、ゲージ場の量子論と一般相対論を統合した超ひも理論などの建設も行われています。


  投稿者:Φマン - 2007/07/03(Tue) 17:28  No.1828 
nobuさんの No.1822に返信します。
先ず、皆さんおっしゃっているいるようにヒッグスは重力とも電磁力とも関係ない、また別物です。それが全ての「素」粒子に質量を与えている者だと考えられていると思います。この点はワイルさんが丁寧に書いてますから既に解決済みかもしれませんね。

さて電磁力で質量が得られるというような文章を読んだそうですが、そういう効果もあります。ただし、電子が電磁場から質量を得ているわけではないと思います。専門家じゃないので電磁質量がどのくらいかと言うのは知りません。解析が難しいと思います。有名なのはパイ中間子の電気的に+と中性の質量が違うのは電磁質量の効果だと思われているそうです。(構成要素のクォーク質量から来る効果では説明できない。)また電磁場が作る質量と似た話で、原子核の質量はグルオンがクォークにまとわりついてできる質量だと言われています。クォーク自身の質量はその100分1程度でしょうか。と言うことでこの世界の質量の殆どは、実はグルオンが作っていると言うのは有名な話です。


まとめると、質量の種はヒッグスが作っていると思ってよいでしょう。そして、その種に、場の理論からのいろんな効果が積み重なってわれわれの質量を作っていると言うことになります。

少しは理解の助けになったでしょうか。

  投稿者:ワイル - 2007/07/03(Tue) 18:12  No.1829 
こんにちは

>>原子核の質量はグルオンがクォークにまとわりついてできる質量だと言われています。

量子電磁力学(QED)では、電子や陽子などの電荷粒子のまわりには、仮想光子がまとわりついているイメージなので、いわゆる、電磁質量というのも、そのまとわりついた仮想光子の質量なのでしょうか?
(光子やグルーオンは質量がゼロとされていますが、運動量・エネルギーは持っていますね)

ところで、電磁力の到達距離は無限大なので、電荷粒子の周りの仮想光子の質量のトータルを計算すると、「無限大」になってしまいそう!!

そこで、質量が無限大になるときは、実際の実験で得られた質量の値で置き換える、というのが、「くりこみ理論」の手法らしい。

  投稿者:明男 - 2007/07/03(Tue) 18:24  No.1830 
こちらでヒグス(ヒッグスと統一した方がいいのかしら)の話題には入ってなかったのですが、どうも元を辿れば私のようで(^^;)。

クォーク質量の起源としては数%のヒッグス機構と残りのカイラルシンメトリの破れですが、重力との関連について答えているものではないことは明らかでしょう。核内のクォークが獲得する質量は言うなれば濃いスープの中を泳ぐようなものだと思えないこともないですが、ヒッグス機構は真空の性質であり、あらゆる質量の起源である筈です。その意味で、重力とは無関係ではいられず、言い換えれば、一般相対論の枠組みに組み込まれねばなりません。そのトリビアルな例がヒッグス場と重力場の同一視ですが、勿論現在のところゲージ理論から見れば、かなり異なった存在です。
また、電磁(的)質量ですが、本来、裸の(芯の)質量は場の理論的に言えば、観測されない状態であり、すべて観測される質量は自己相互作用を含んでいるのではないでしょうか。それゆえ「繰り込み」が有効な訳ですが、もちろん、重力場については成功していないわけです。
これらを踏まえて、質量の本質、物質と場の関係、宇宙の構成を問い直さねばなりません。ヒッグスに注目し、重力場との関連を問い続ける、その興味で私は突き動かされているのです。

  投稿者:Φマン - 2007/07/03(Tue) 18:25  No.1831 
到達距離無限大だから、質量が無限大になりそうというのは、気が早いと思います。発散の問題はミクロな振る舞い(そこで場の理論が破綻していると考えれる領域)が問題であって、長距離力とは直接関係しません。

一つ、あってるかどうかわからない私の持っているイメージですが、次のように考えてみては。質量は、動き辛さの度合いだと思えば、電子が動いたときに、まとわりついた電磁場のの比較的電子に近い場だけが引きづられるわけなので長距離力と発散の問題は関係ない。 というのはどうでしょうか? あってるかどうか保障しませんが(笑)

  投稿者:ワイル - 2007/07/03(Tue) 18:47  No.1832 
>> エーテル
>>ヒッグス機構は真空の性質であり、あらゆる質量の起源である筈です。

「エーテル」についての考えは、20世紀初めまでの時代の古典物理学時代と、特に1920年代末のディラックらによる相対論的量子論以降の物理学における「真空」のイメージの違いで、変わってくる、といえます。

すなわち、

・古典物理学時代の真空のイメージ ・・・ 何もない世界

・相対論的量子論以降の真空のイメージ ・・・ 仮想的な粒子(たとえば、電子)と反粒子(たとえば、陽電子)が、対消滅、対生成を激しく繰り返すような、エネルギッシュな世界(しかも、小さな領域ほど、不確定性原理により、高エネルギー状態)

という違いがあります。

古典物理学時代の波動(音波や水波)は、必ず空気や水などの媒体を介して伝わる存在なので、当時の人々は、電磁波や光は、「なにもない」真空を伝わるというのは不思議に思ったわけです。
それで、電磁波や光についても、空気や水のような物質的な媒体としてのエーテルを考えていたのでしょう(しかし、それは、いまだに検出されていない)。

一方、相対論的量子論以降の物理では、真空といえども、エネルギーに満ち溢れた領域なので、物質的なエーテルを考える必要はないのですが、真空(時空)自体に、電磁力や弱い力、強い力、さらに重力などを伝える性質があると思ってよさそうです。それは、具体的には、場、ポテンシャル、量子といったものでしょう。

その意味での、抽象的な新しい「エーテル」は考えられますし、それが、アインシュタイン、ハイゼンベルク、ディラックなどが考えていた「エーテル」なのかも知れません。

*しかし、真空がエネルギッシュな状態とはいえ、そこから人間が使えるエネルギーを取り出すのは、非常に困難らしい。

  投稿者:ワイル - 2007/07/03(Tue) 18:55  No.1833 
>>到達距離無限大だから、質量が無限大になりそうというのは、気が早いと思います。

電磁力は到達距離無限大でも、距離の自乗に比例して弱くなり、無限大では、ゼロになりますから、到達距離無限大でも、質量が無限大になるわけではなさそうですね。

>>ヒッグス機構は真空の性質であり、あらゆる質量の起源である筈です。その意味で、重力とは無関係ではいられず、言い換えれば、一般相対論の枠組みに組み込まれねばなりません。そのトリビアルな例がヒッグス場と重力場の同一視ですが、勿論現在のところゲージ理論から見れば、かなり異なった存在です。

まあ、将来、重力場の量子論や、ゲージ場の量子論との統合理論(例えば、超ひも理論)が完成すれば、ヒッグス場と重力場とが、全く別物ではなくなる可能性は充分にありますね。

でも、現在の時点では、そうした理論が完成していなく、
・ヒッグス場 ・・・ GWS理論(ゲージ場の量子論の一種)の扱うもの
・重力場   ・・・ 一般相対論で扱うもの
というわけで、現時点では、別物、というわけです。

物理の理論や概念には、必ず適用制限がある、ということですね。

  投稿者:凡人 - 2007/07/03(Tue) 22:53  No.1834 
nobさんの
>「ワープする宇宙」現在読んでます。
>まだ半分ぐらいですが、非常に面白いです。
>多少高いですが、お勧めの本です。
を信じて、大金を投じて『ワープする宇宙』を購入し、帰りの通勤電車の中で読んだのですが、この本の「第13章 超対称性 -- 標準モデルを超えた飛躍」によると、ヒッグス粒子の検出と超対称性理論は、命脈を共にしているように読み取れました。
もし、この理解が正しいとすると、万が一、LHCで何年かかってもヒッグス粒子を検出出来ず、ヒッグス粒子が存在しないと結論付けられた場合、超ひも理論が拠り所としている超対象性理論に対して、疑義が投げかけられる事になるのでしょうか?
また、皆さんのご意見を読んで思ったのですが、この場合、電弱統一理論や量子色力学までもが、見直しを迫られる事になってしまうのでしょうか?

明男さんへ
明男さんのお考えを、ひっそりと参考にさせていただきまして、真に申し訳ございませんでした。

  投稿者:ワイル - 2007/07/03(Tue) 23:19  No.1835 
>>また、皆さんのご意見を読んで思ったのですが、この場合、電弱統一理論や量子色力学まで見直しを迫られる事になってしまうのでしょうか?

まず、電弱統一理論や量子色力学では、超対称性を考慮していないので、無関係です。

>>ヒッグス粒子の検出と超対称性理論は、命脈を共にしているように読み取れました。

ヒッグス粒子自体の存在は、電弱統一理論から予言されますが、その質量は予言されていません。
一方、超対称性理論から、ヒッグス粒子の質量の上限が、150GeV程度であることが予言されています。

もし、LHCで、ヒッグス粒子が発見され、その質量が150GeV以下であるなら、超対称性理論の信頼性が高まる、というわけです。

ヒッグス粒子が発見されて、質量が150GeV程度より大きければ、超対称性理論は正しくなくなります(しかし、電弱統一理論の正しさは確かなものになります)。

もし、ヒッグス粒子自身が発見されない場合は、電弱統一統一も見直しが必要ですが、電弱統一理論においてヒッグス粒子を考えることで、その理論的結果が実験的結果と、大変、良い精度で一致していますので、そのケースは、かなり低いと思います。

超対称性理論からの問題は、ヒッグス粒子の存在の有無でなく、その質量です。


  投稿者:凡人 - 2007/07/03(Tue) 23:29  No.1836 
ワイルさん
超対称性理論とヒッグス粒子の質量の関係について、ご教示いただき有難うございました。
ところで、念のために説明させていただきますが、また、文章が分かりづらくて申し訳ありませんでしたが、
>>>また、皆さんのご意見を読んで思ったのですが、この場合、電弱統一理論や量子色力学までもが、見直しを迫られる事になってしまうのでしょうか?
の「この場合」とは、「万が一、LHCで何年かかってもヒッグス粒子を検出出来ず、ヒッグス粒子が存在しないと結論付けられた場合」です。

  投稿者:ワイル - 2007/07/03(Tue) 23:33  No.1837 
>>「万が一、LHCで何年かかってもヒッグス粒子を検出出来ず、ヒッグス粒子が存在しないと結論付けられた場合」です。

存在しない、という結論を下すのは、色々な意味で難しいと思います。

たとえば、質量(エネルギー)が非常に高く、現在の加速器では、そこまで到底、到達しないこと、などが考えられます。

ヒッグス粒子などは、電弱統一理論が出来た1970年代から予言されていましたが、いままでの加速器(数十GeV程度)では、そうした理由で検出できなかったのです。


  投稿者:凡人 - 2007/07/03(Tue) 23:36  No.1838 
「(ヒッグス粒子が)存在しない、という結論を下すのは、色々な意味で難しいと思います。」
という件につきましては、了解しました。
有難うございました。

  投稿者:ワイル - 2007/07/03(Tue) 23:36  No.1839 
>>>また、皆さんのご意見を読んで思ったのですが、この場合、電弱統一理論や量子色力学までもが、見直しを迫られる事になってしまうのでしょうか?

もうひとつ。
量子色力学(強い力の理論)は、ヒッグス粒子とは、なんら関係の無い理論です。


  投稿者:ワイル - 2007/07/03(Tue) 23:39  No.1840 
>>「(ヒッグス粒子が)存在しない、という結論を下すのは、色々な意味で難しいと思います。」
>>という件につきましては、了解しました。

だから、幽霊やUFOの存在が、いままでの科学で検証されなかったとしても、それらが「存在しない」と結論付けること自体が、「科学的でない」のです。

科学では、肯定より否定の方が、難しいと思いますよ。

  投稿者:凡人 - 2007/07/03(Tue) 23:44  No.1841 
説明をしていませんでしたが、
http://www.asahi.com/science/update/0620/TKY200706200383.html
で中間子がクオークから生成されているということと
http://www.kek.jp/ja/news/press/2007/supercomputer2.html

>現在の素粒子理論では、すべての素粒子は本来質量をもたない。クォークが質量をもつ仕組みには2段階あり、1つはヒッグス粒子の関係するヒッグス機構、もう1つがここで考えているカイラル対称性の自発的破れである。前者が物質の質量の2%をあたえ、これを種として後者が残りの98%をもたらす。
というところを見ると、ヒッグス粒子が、量子色力学と間接的に関係があるのではないかと思った次第です。

  投稿者:ワイル - 2007/07/03(Tue) 23:47  No.1842 
>>「(ヒッグス粒子が)存在しない、という結論を下すのは、色々な意味で難しいと思います。」
>>という件につきましては、了解しました。

くどいようですが、電弱統一理論では、ヒッグス粒子を考えることで、その理論結果が実験結果と大変良い精度で一致するので、それが、いわゆるヒッグス粒子の存在の「間接的証拠」ともいえるのです。

他の例では、一般相対論が予言する「重力波」がありますね?

アインシュタインの一般相対論は、1916年に発表されて異て、この理論は「重力波」の存在を予言しています。
しかし、1世紀近くたっても、まだ、この重力波の直接な検出は、どこも成功していません。
しかし、連星パルサーなどの観測の結果で、重力波の存在の間接的な証拠があるので、「存在している」ことが確実視されています。

しかし、重力波天文学や重力場の量子論の発展のためには、重力波の直接的検出が望まれます。


  投稿者:ワイル - 2007/07/03(Tue) 23:57  No.1843 
>現在の素粒子理論では、すべての素粒子は本来質量をもたない。クォークが質量をもつ仕組みには2段階あり、1つはヒッグス粒子の関係するヒッグス機構、もう1つがここで考えているカイラル対称性の自発的破れである。前者が物質の質量の2%をあたえ、これを種として後者が残りの98%をもたらす。
というところを見ると、ヒッグス粒子が、量子色力学と間接的に関係があるのではないかと思った次第です。


量子色力学自体は、あくまでも、クォーク同士、あるいは、クォークとグルーオンとの相互作用・関係の理論であり、クォークの質量の起源にまでは、言及していないと思います。

クォーク、レプトンなど関係なく、質量の起源は、ヒッグス粒子であり、そのヒッグス粒子は、電弱統一理論において予言されているものです。


量子色力学が扱う強い力は、クォークにしか作用しないことがわかっています。

一方、電弱統一理論が扱う電磁力および弱い力は、クォークだけでなく、レプトンなどにも作用します。


  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 00:11  No.1844 
>>量子色力学が扱う強い力は、クォークにしか作用しないことがわかっています。
>>一方、電弱統一理論が扱う電磁力および弱い力は、クォークだけでなく、レプトンなどにも作用します。

電弱統一理論の理論式(ラグラジアン)では、ヒッグス粒子を意味する項がありますが、量子色力学の理論式では、ヒッグス粒子を意味する項が入っていないのです。

現在の標準理論で、レプトン(電子、ニュートリーノ)を正確に理解するには、電弱統一理論だけで良いでのですが、クォークについては、電弱統一理論と量子色力学の2つの理論が必要となるのです。

しかし、クォークを理解するための理論を一つにしたい、レプトンとクォークも統一したい、といった理由から、電弱統一理論と量子色力学をあわせた「大統一理論」が考えられています。

また、現代の素粒子論では、素粒子は、
・フェルミ粒子 ・・・ レプトンとクォークのことで、物質を構成する粒子。スピンは1/2
・ボーズ粒子 ・・・ 質量を与えるヒッグス粒子(スピン0)、力(相互作用)を伝える光子、ウィークボゾン、グルーオン(以上は、スピン1)、重力子(スピン2)
に分かれるのですが、これも統一したい、ということで、「超対称性理論」が考えられています。



  投稿者:明男 - 2007/07/04(Wed) 01:09  No.1845 
こんばんは。

>凡人さん。
私はは全く気にしてません、というより、気にして貰った事の方が嬉しいですね。誰にでも考えつくことですが、不思議と人口に膾炙しないことって、儘あることです。専門家は逆に不正確さを嫌って、飛躍したことは言わぬものです。

>ワイルさん。
強い力はクォークとグルーオンに働きますが、ご存知のようにコンファインメントにより、それらは単独で存在できない、あるいは観測できない素粒子です。ハドロン内のそれらは普通の意味での存在ではなく、常に生成消滅することが本性のようです。あたかも真空があらゆる素粒子の母胎となるように。
こう考えると、物質の本体はまた「空」であり、「空」はまた「色(物質)」であるという、般若心経が浮かぶわけですが、
而してその様態は定まらず、様々な面を見せて移り変わるというのもニュートリノ振動を始めとする世代混合や振動を思わせます。まあ、「とんでも」にならないうちに止めますが、人間が理解しうる諸相は、結局人間の想像のうちにあるものではないかと思えてしまいます。

  投稿者:nob - 2007/07/04(Wed) 01:43  No.1846 
T_NAKA様、ワイル様、Φマン様

ありがとうございます。
わかりました。
電子の電場が担うのは「電磁質量」で、ヒッグス場が担う質量は芯のなのですね。
しかしもしヒッグス場が存在しない空間があったとしたら、そこでは電子が周囲の電場を引きずりながら光速で移動するのですか。なんだか凄いことになりそうですね…

ワイル様
どんな形かは分りませんが、拡張した形での等価原理は成り立つだろうということですね。
等価原理が成り立たずに重力と慣性が区別できてしまい、絶対静止系が見つかって大騒ぎというのもそれはそれで面白いな〜、と思ったりもしたのでちょっと残念でした(笑)

凡人さん
ワープする宇宙を読み終えました。
宇宙は5次元かもっと高い次元かもしれないと。
よんでぶっとびました。
いきなりバルクとかブレーンとか、聞いたこと無いような話で。
これは本当なら確かに凄いですね。
一生かかっても理解しきれ無さそうなのが悲しい…

  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 10:49  No.1847 
こんにちは

>>しかしもしヒッグス場が存在しない空間があったとしたら、そこでは電子が周囲の電場を引きずりながら光速で移動するのですか。なんだか凄いことになりそうですね…

いままで話た通り、GWSの電弱統一理論では、粒子の質量は、246GeVくらいより低いエネルギー状態になって、ヒッグス場の抵抗を受けることで獲得されるもの、となっています(光子などは、ヒッグス場の抵抗を受けることないので、質量がゼロなのですが)。

逆に、246GeVくらいより高いエネルギー状態では、すべての粒子の質量がゼロになるので、たぶん、すべての粒子が光速で動くことになるのでしょう。
この宇宙のエネルギーが、そのような高エネルギー状態だったころは、すべての粒子が光速で動いていたのでしょう。

みかけの速さなどは別として、物質、エネルギー、情報などを運ぶ粒子の速さとして、この宇宙には、本来、光速しかなかった、という予想が出てきます。

宇宙が、246GeVくらいより低いエネルギー状態になって、一部の粒子(電子など)は、ヒッグス場の抵抗を受け質量を獲得することで、光速以下の速さでしか動けないようになったのではないか、という見方もできます。

別の見方として、ディラックの相対論的量子力学の波動方程式からは、「ツィッターベヴェーグング(Zitterbewegung)」という現象があります。

これは、「ジグザグ運動」とか「身震い運動」などの意味のようです。

電子などの有限の質量をもっている粒子も、本当は光速で動いているのだけれども、4次元時空の中を行ったりきたりしているために、我々に観測される平均の速さが光速より遅くなっている、という現象です。

これは、ディラックの相対論的波動方程式の振る舞いを、シュレディンガーが発見した現象らしいです。

さて、こうしたことにもよって、この宇宙における粒子などの速さとして、本来、光速しか存在していない、ということが考えられます。
そして、光速以下の粒子はあっても、超光速というのは、ありえないのでは、という感じです。

そもそも、光速というのは、私達が認識している古典的な速さではなく、この宇宙(4次元時空)の測地線、最短経路のようなものなのかも知れません。

光速というのが、この宇宙の測地線・最短経路であるのなら、その測地線・最短経路を素直に通らず、回り道して、それより遅く移動することはできるけど、その測地線・最短経路より速く移動することはできないことが、わかりますね?



  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 14:49  No.1849 
>>電子などの有限の質量をもっている粒子も、本当は光速で動いているのだけれども、4次元時空の中を行ったりきたりしているために、我々に観測される平均の速さが光速より遅くなっている、という現象です。

電子などは、宇宙に満たされたヒッグスの海の中を抵抗を受けながら、ジグザグに動いているために、我々には、常に光速より遅い速さで観測されているようなイメージに思える。
そして、そのヒッグスの海で受ける「抵抗」というのが、我々には「質量」として観測される、というイメージもある。

一方、光子などは、ヒッグスの海の抵抗をうけないため、スムーズに宇宙の測地線・最短距離を移動していける、というイメージにも思える。




  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 15:51  No.1850 
>>で中間子がクオークから生成されているということと

少し前まで、物質を構成する素粒子、フェルミ粒子は
@レプトン ・・・ クォークで構成されない素粒子
          電子、ニュートリーノ、μ粒子(μ中間子)など
Aハドロン ・・・ 複数のクォークで構成された素粒子で、バリオンとメソンに分かれる
・バリオン ・・・ 3個以上のクォークで構成される
          陽子(2個のアップ・クォークと、1個の反ダウン・クォークで構成)、中性子(2個のダウン・クォークと、1個の反アップ・クォークで構成)など
・メソン  ・・・ クォークと反クォークで構成される
          パイ中間子など
と分類されていました。

現在では、フェルミ粒子に分類される素粒子は、6種類のレプトンと、6種類のクォークとに分けられています。

さて、湯川秀樹が「中間子論」で予言したのは、メソンに分類されるパイ中間子で、これには、
・正電気を帯びたπ+(アップクォークと反ダウンクォークから構成される)
・負電気を帯びたπ-(ダウンクォークと反アップクォークから構成される)
・電気的に中性なπ0(クォーク構成は未確定)
の3種類あります。

最近、最速クラスのスーパー・コンピュータを使った量子色力学の計算(正確には、格子QCDの計算)により、湯川秀樹の「中間子論」の裏づけができた、という話ですね?
http://www.tsukuba.ac.jp/public/pressrelease-lists.html

GWS理論などにより、特殊相対論の「光速不変」の裏づけも、そろそろ出来るかな?

  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 17:09  No.1851 

>>人間が理解しうる諸相は、結局人間の想像のうちにあるものではないかと思えてしまいます。

まあ、ガリレオ&ニュートンの17世紀以来、数理的なモデルを、いろいろと作ってみて、それを実際の自然現象と比べながら、取捨選択してきた、という感じではありますね。

しかし、それらは、あくまでも物質でできた脳が作り出している自然に対するイメージ、という見方もあると思います。
とはいえ、その脳も、自然が作り出したものですから。。。

  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 17:52  No.1852 
>>しかしもしヒッグス粒子が発見できなかったら?

4つの力(電磁力、強い力、弱い力、重力)を担う「ゲージ粒子」として、
・電磁力  ・・・ 光子(フォトン)
・強い力  ・・・ グルーオン(8種類)
・弱い力  ・・・ ウィーク・ボゾン(3種類)
・重力   ・・・ 重力子(グラビトン)[未発見]
があるわけです。

こうしたゲージ粒子は、ゲージ変換により物理法則は不変である、というゲージ不変性による理由で、質量がゼロである必要があるのだそうです。

実際、光子、グルーオン、重力子は、質量がゼロであるとされています。

しかし、なぜか、ウィーク・ボゾンだけは、80〜90GeVという大きな質量を持っています。
そして、そのため、他の3種類の力が、基本的に無限の到達距離を持つ(しかし、強い力は、クォーク・グルーオンの閉じ込めのため、実際には10の-15 m程度であるとされる)のに対して、弱い力だけは、到達距離も非常に短い(10の-18 m程度)という性質があります。

これに対し、GWSの電弱統一理論では、ウィーク・ボゾンが質量をもっているのは、246 GeVから以下のエネルギーの場合で、ヒッグス粒子の感染・抵抗を受けているから、としています。
(そして、電子などのレプトンや、クォークなども、もともとは質量がなく、ヒッグス粒子の感染・抵抗を受けて、「質量」を獲得した、ということです。)

もし、246 GeV以下の低エネルギー領域で、ヒッグス粒子が存在しないとしたら、ゲージ粒子の中で、ウィーク・ボゾンだけが質量をもっている理由が不明になるし、「ゲージ粒子は質量をもたない」=「ゲージ不変性」という対称性も崩れてしまいます。

ガリレオ&ニュートン以来の物理の法則・理論というのは、対称性を発見し検証・確認することで、論理の単純性を獲得してきています。

相対性理論や量子力学なども、一種の対称性(たとえば、光速不変や等価原理、重合せ原理など)を発見し、検証・確認することで、その論理の単純性を獲得しています。

ヒッグス粒子が存在しないと、「ゲージ不変性」という対称性が崩れ、法則・理論は、論理の単純性を失うことになります。

  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 18:43  No.1853 

>>こうしたゲージ粒子は、ゲージ変換により物理法則は不変である、というゲージ不変性

ちょっと補足。。。

4種類の力(相互作用)というのは、たとえば、粒子の変換になります(重力場の場合だけは、時空の変換になります)。

ゲージ不変性というのは、変換前の粒子や時空と、変換後の粒子や時空とが、同じ関係式(たとえば、ラグランジアン密度)を満たしているということを要請するものです。

そして、そのためには、変換を行うゲージ粒子の質量は、ゼロでなければならない、有限の質量をもたない、といったことが要求されます。

  投稿者:はっしー帝國 - 2007/07/04(Wed) 19:19  No.1854 
おじゃまいたします。

ワイルさんこんにちは。

>>しかしもしヒッグス場が存在しない空間があったとしたら、そこでは電子が周囲の電場を引きずりながら光速で移動するのですか。なんだか凄いことになりそうですね…

このnobさんのこの疑問に対する質問なのですが、質量がゼロになった電子の電荷はどうなると思いますぅ?

電荷がある以上電子には光子の衣がまとわりついて、電磁質量なる動きにくさがまだ伴っていると思うんです。だとすると光速では動いていられません。ゲージ不変性があるときは電荷も消滅するのでしょうかね〜。

気になるところです。

  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 19:29  No.1855 
おひさしぶりです。

>>電荷がある以上電子には光子の衣がまとわりついて、電磁質量なる動きにくさがまだ伴っていると思うんです。だとすると光速では動いていられません。ゲージ不変性があるときは電荷も消滅するのでしょうかね〜。

246GeV以上の高エネルギー状態になると、ヒッグス場が消滅して、それにより粒子が受ける抵抗、すなわち、一切の質量が無くなるというイメージの話です(電磁質量も、もちろん、消滅するはず)。

しかし、電荷はヒッグス場とは無関係なので、そのまま残ると思いますし、一方で、ヒッグス場の抵抗がなくなるので、電子は電荷を帯びながらも、光速で動き回れるように思います。

  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 20:00  No.1856 
>>電荷がある以上電子には光子の衣がまとわりついて、電磁質量なる動きにくさがまだ伴っていると思うんです。だとすると光速では動いていられません。ゲージ不変性があるときは電荷も消滅するのでしょうかね〜。

水や空気の中での運動でも、軽いものより重いもの、遅く動くものより速く動くものは、水や空気の激しい抵抗を受ける。

ヒッグス場の海でも、それと同じようなことがいえそうです。

ヒッグス場の抵抗が少ないものは質量が軽く観測され、ヒッグス場の抵抗が多いものは質量が重く観測される、ということになるのでしょう。

また、高速に動くと、ヒッグス場の抵抗が激しくなって、見かけ上の質量が大きくなっていく、というように観測されると考えてもよさそう。

それからすれば、質量というより、運動量というのも、ヒッグス場の抵抗からくるものという感じがする。

  投稿者:はっしー帝國 - 2007/07/04(Wed) 20:41  No.1857 
ワイルさん有難うございます。

電弱の統一理論では高エネルギーで光子とウィークボゾンが統一されて新しいゲージ粒子(ですよね?)になりますが、この粒子には電弱の電荷はありますか?

どうも"慣性速度が光速の慣性系"が特殊相対論では議論対象からはずれるので、電荷がある粒子が光速で動くことがイメージできないんですよね。。。

ん〜悩むところです。。。

  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 21:12  No.1858 
>>電弱の統一理論では高エネルギーで光子とウィークボゾンが統一されて新しいゲージ粒子(ですよね?)になりますが、この粒子には電弱の電荷はありますか?

電弱統一理論におけるゲージ粒子は、3種類のウィークボゾンにあたるものと、光子にあたるものの4種類になります。

293 GeVから以下の低エネルギー領域では、弱い力のウィークボゾンが質量をもつため、弱い力の強さは、電磁力にくらべ、5桁ほど、弱いものになります。
しかし、逆に293 GeVから高いエネルギー領域では、弱い力のウォークボゾンも質量を失い、弱い力の強さと、電磁力の強さが一致し、区別が付かなくなる、ということです。

また、電荷にあたるものが、通常の電磁場における電荷と、弱い力の場における弱電荷(正確には、弱アイソスピン・カレント)を統合した、(弱)ハイパー電荷というものになります。

実は、光子には電荷はないけど、2種類のウィークボゾンは、それ自体が弱電荷をもっているのです(もう1種類、弱電荷をもっていないウィークボゾンもある)。

ちなみに、強い力において、電荷にあたるものは、色電荷、もしくは、色荷(カラー荷)と言い、クォークがもっている色電荷に対して作用します。
強い力のゲージ粒子が、グルーオンといって8種類あるのですが、このグルーオン自身も、色電荷をもっています。

(訂正)いままで、ヒッグス粒子が消えて電磁力と弱い力との区別つかなくエネルギーとして、246 Gevとしていたのは、293 GeVだそうです。


  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 21:58  No.1859 
>>どうも"慣性速度が光速の慣性系"が特殊相対論では議論対象からはずれるので、電荷がある粒子が光速で動くことがイメージできないんですよね。。。

もしかして、特殊相対論に若干の修正が必要になるかな?

特殊相対論では、ゼロでない有限の質量をもつものを光速以上には加速できない、逆に、光速で動くものは質量がゼロである必要がある(光子や重力子は質量がゼロなので光速で動ける)、というわけですが、ヒッグス場が消失して質量を失った場合は、どうなる?

  投稿者:はっしー帝國 - 2007/07/04(Wed) 22:02  No.1860 
ワイルさん有難うございます。

場の古典論のイメージで考えると、電荷から発生した力線が、自分自身の電荷に作用して"質量"のようになると思っていました。また、電荷が光速で等速度直線運動している限りでは電磁波を出さないから何も影響ないのでしょうかね。電荷は光源ではないからチェレンコフ放射のようなことが起きる心配もないのでしょうね。
(後日談:電荷は光速以上はでないからチェレンコフ放射のようなことが起きる心配もないのでしょうね。、に修正させて頂きました)

標準理論では場の量子論で扱うので"力線"とか"場との作用反作用"のような考えはしなくていいのでしょうかね。

ストレートにイメージが沸かないので悩むところです。。。

  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 22:14  No.1861 
>>標準理論では場の量子論で扱うので"力線"とか"場との作用反作用"のような考えはしなくていいのでしょうかね。

場の量子論では、竹内薫先生のいくつかの著書にもあるように、ゲージ粒子のキャッチボールというのが、”力線”や”場との作用・反作用”に変わる考えだと思います。


また、場の量子論における場は、電磁場、弱い力の場、強い力の場、重力場、それに、ヒッグス場、さらに、レプトンやクォークの場(物資場)も加わります。

場の量子論においては、場の古典論における場と粒子の区別がなくなることも特徴です。

  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 22:20  No.1862 
>>場の量子論においては、場の古典論における場と粒子の区別がなくなることも特徴です。

場の量子論では、場の古典論における場も粒子の両方が、いわゆる、波動性と粒子性をもち、消滅・生成を繰り返す「量子」の集まりの場として扱われます。


  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 22:30  No.1863 
>>>>標準理論では場の量子論で扱うので"力線"とか"場との作用反作用"のような考えはしなくていいのでしょうかね。
>>場の量子論では、竹内薫先生のいくつかの著書にもあるように、ゲージ粒子のキャッチボールというのが、”力線”や”場との作用・反作用”に変わる考えだと思います。

ゲージ粒子のキャッチボールというのは、ファイマン図からくるイメージなんでしょうけどね?

竹内薫先生の
「図解入門・よくわかる最新・量子論の基本と仕組み〜不可思議な超ミクロ世界〜」(秀和システム)
のp.160〜169の「付録1・ファイマン図の読み方」に、そのファイマン図の例が、いろいろとあります(電磁力、弱い力、強い力での、ファイマン図)。

この書籍では、デビッド・ボームの量子ポテンシャルや繰り込みなどの解説もあります。



  投稿者:ワイル - 2007/07/04(Wed) 23:28  No.1864 
>>また、場の量子論における場は、電磁場、弱い力の場、強い力の場、重力場、それに、ヒッグス場、さらに、レプトンやクォークの場(物資場)も加わります。

重力場だけは、現在主流の「ゲージ場の量子論」では扱えませんし、ファイマン図で表すことができない、となっています
(一般相対論を取り込んだ量子力学・量子論の完成が必要です)。


  投稿者:nob - 2007/07/05(Thu) 00:15  No.1866 
はっしー帝國様、ワイル様

>場の古典論のイメージで考えると、電荷から発生した力線が、自分自身の電荷に作用して"質量"のようになると思っていました。また、電荷が光速で等速度直線運動している限りでは電磁波を出さないから何も影響ないのでしょうかね。電荷は光源ではないからチェレンコフ放射のようなことが起きる心配もないのでしょうね。

私もここになんとなく釈然としないものが。
(チェレンコフ放射は電荷が光速を超えたら出るので、ぴったり光速だと出ないから問題ないのかも知れません。)
電子が光速より遅い状態から加速するなら電場は慣性として加速を邪魔するが、実は電子は元から光速で動いていたので結局邪魔はしていなかったという解釈でいいのでしょうか?

E=mc^2が成り立ってるのですから。
何か物体があったとすると、その物体の持つ電磁エネルギーに比例してヒッグス場が邪魔をする強さが変わるのだと思うのですが。
光子は電場を持たないと言いますが、振動しつつも電場も磁場も持ってるので、電磁エネルギーは当然もってるはずですが、ヒッグス場は作用しない…。
私もはっしー帝國様同様になんだかイメージが沸かないのです。

  投稿者:ワイル - 2007/07/05(Thu) 00:30  No.1868 

>>光子は電場を持たないと言いますが、振動しつつも電場も磁場も持ってるので、電磁エネルギーは当然もってるはずですが、ヒッグス場は作用しない…。

光子は、電気的に中性なので、電場も磁場も持っていません。
また、電磁エネルギーは、光子なので、ヒッグス場とは作用しない、と思いますし、293GeV以上の高エネルギー状態では、ヒッグス場自体が消失しているのです。

>>チェレンコフ放射は電荷が光速を超えたら出るので

ここでいう光速は、物質中の光速で、真空中の光速より遅い値です。
特殊相対論で上限としている光速は、あくまでも「真空中の光速」です。



  投稿者:nob - 2007/07/05(Thu) 00:54  No.1869 
>電磁エネルギーは、光子なので、ヒッグス場とは作用しない、と思いますが。。。

そこが良く分らないところです。
観測結果から電磁エネルギーを含んだ物質もE=mc^2に従って慣性質量を持っている(と、一般教養の物理で習った記憶が)はずです。従ってヒッグス場が全ての慣性質量を生み出しているとするなら、電磁エネルギーに比例した作用を示さないとおかしいように感じました。
たとえば普通の原子と励起された原子では、励起された原子の方が電子の軌道が遠い→電磁エネルギーが高い→質量も大きい→ヒッグス場の作用も大きいとなると思うのですが…

>ここでいう光速は、物質中の光速で、真空中の光速より遅い値です。

これは電荷が真空宇宙の光速で移動しても、光速を超えていないので放射が出るような事は無いですよねと。はっしー帝國様に同意のコメントをした次第です。

  投稿者:凡人 - 2007/07/05(Thu) 01:04  No.1870 
凡人の浅知恵を、またまた披瀝させていただいて申し訳ないのですが、ワイルさんの
>最近、最速クラスのスーパー・コンピュータを使った量子色力学の計算(正確には、格子QCDの計算)により、湯川秀樹の「中間子論」の裏づけができた、という話ですね?
で閃いたのですが、KEKの
http://www.kek.jp/ja/news/press/2007/supercomputer2.html
の記事によると
>4.オーバーラップ・フェルミオン
> 従来の格子QCDの計算手法では、カイラル対称性を格子上に実現できないという理論的な問題があり、量子色力学の最も重要な性質の1つであるカイラル対称性の自発的破れという現象を直接取り扱うことができなかった。
>1998年にノイバーガーが提案したオーバーラップ・フェルミオンは、この問題を理論的には完全に解決するもので、厳密なカイラル対称性をもつ。
>ただし、必要な計算量が通常の100倍以上になるために、シミュレーションへの本格的な応用はなかなか進まなかった。
とされているのですが、理論的な内容は何も確認していませんが、また出来ませんが、この方法で量子色力学の計算がうまくいった(?)という事は、量子色力学に於いて、超準解析が成功したという事を意味しませんでしょうか?
追伸
申し訳ありませんが、「超準解析が成功した」−>「理論上の話ですが、時空の格子化に成功した」に訂正させていただきます。

  投稿者:ワイル - 2007/07/05(Thu) 01:31  No.1872 
>>光子は電場を持たないと言いますが、振動しつつも電場も磁場も持ってるので、電磁エネルギーは当然もってるはずですが、ヒッグス場は作用しない…。

光子は電気的に中性なので、光子の存在自体が電磁作用を起こしているわけではありません。

電荷粒子と電荷粒子との間で、光子のキャッチボール、光子の放出・吸収が行われることで、電磁作用が起きているものと、されています。


  投稿者:ワイル - 2007/07/05(Thu) 01:44  No.1873 
>>申し訳ありませんが、「超準解析が成功した」−>「理論上の話ですが、時空の格子化に成功した」に訂正させていただきます。

詳しくはわかりませんが、格子QCDでは、本来連続している4次元領域を、細かい格子に離散化して計算しているようですね。
2次元や3次元の偏微分方程式を解くときも、良くやる方法だと思います。
ただし、4次元なので、それなりの精度で計算しようとすると、かなりの記憶量、計算量が必要になるようです。

>>そこが良く分らないところです。

293GeVより低いエネルギー領域では、ヒッグス場が存在しているので、電磁質量なども存在するのでしょうが、293GeV以上になると、ヒッグス場自体が、蒸発するように消えてしまうというイメージなのです。

そこでは、ヒッグス場の抵抗もなにも無くなると思います。




  投稿者:はっしー帝國 - 2007/07/05(Thu) 10:10  No.1875 
自分の疑問が解ってきました。
(nobさんの疑問にも関係するかもですが。。。)

電荷にまとわりつく電磁場は、光子の到達距離が無限大なので、この宇宙全体の電荷の電磁場の影響を積分したら無限大になってしまいますね。高エネルギーの宇宙でヒッグス場から解放されても、電荷が宇宙に分布してるかぎり"電磁質量"は消えないということになります。(ちなみに電磁質量は電荷の質量ではないです)

繰り込み理論がわからないので話はココまでです。(汗)

(ひとりごと)
高エネルギーの宇宙では、他の電荷からの影響がまったくないということになるのか…
たしか宇宙のはじめは光子が無限に届かないので見晴らしが悪かった、と本で読んだような。
→ きっと、これは関係ないっすねぇ?

  投稿者:ワイル - 2007/07/05(Thu) 11:20  No.1876 
>>電荷にまとわりつく電磁場は、光子の到達距離が無限大なので、この宇宙全体の電荷の電磁場の影響を積分したら無限大になってしまいますね。

しかし、電磁力には、正と負があり、引力と斥力とがあり、打ち消し合うことがありますよね?

弱い力や強い力にも、引力と斥力とがあり、打ち消し合いが起こるようです。

今日では、電磁力だけでなく、弱い力や強い力も、「繰り込み可能」とされていますが、それは、これら3つの力には、引力と斥力とがあって、打ち消しが可能であることと関係ありそうです。

一方、重力は、現在までのところ「引力」しかありません(アインシュタインの重力場方程式に付加された「宇宙項」が意味する「斥力」の存在の可能性も、現在では否定できないが)。

そうしたことで、重力では、打ち消し合いが起こらないので、これによって重力については、「繰り込み」が不可能といわれています。

また、私たちの日常レベルから、現在の場の量子論の標準理論のレベル(10の-20乗・メートルくらい)あたりまでは、重力は、電磁力などに比べ40桁近く弱いのですが、電磁力などには引力と斥力が存在し、打ち消し合いが発生するのに対し、重力は引力だけで、打ち消し合いが起こらない、という理由により、地球、天体、宇宙のレベルの運動は、ほとんど「重力」の効果だけで考えることができるわけです(地球や太陽などの天体の内部や近周辺の現象では、電磁力や強い力、弱い力の効果を考えることも必要ですが)。

  投稿者:ワイル - 2007/07/05(Thu) 11:35  No.1877 
>>電荷が宇宙に分布してるかぎり"電磁質量"は消えないということになります。

質量や運動量は、ヒッグス場の抵抗により存在するようなので、ヒッグス場が消えたら、質量や運動量は消えて、いわゆる、エネルギーの塊のようなものだけになりそうですね。

  投稿者:Φマン - 2007/07/05(Thu) 17:37  No.1878 
細かいことを言って申し訳ないのですが、まず、相互作用の到達距離無限大と質量の発散は全く関係ないです。前にも言ったんですが、伝わってないようなので、繰り返しますが到達距離が限られていても発散はでます。なぜなら繰り込みに関係した発散は、超ミクロな領域での場の理論が破綻してことに起因しているからです。と言っても、場の理論は自身が破綻していることを発散と言う形で教えてくれて、さらに繰り込みによってその悪影響を理論のパラメーターの中に隠すことができるという意味で、すばらしい理論です。

次に、宇宙に電磁場が充満しているからといって、そのことと質量は関係ありません。質量に関係した電磁場と言うのは、電子自身が作る電磁場に影響されて電子自身が動きにくくなると言う効果です。遥かかなたに電磁場が質量に影響するとなるとそれこそ因果律的に理解不可能です。遥かかなたにある電磁場は、電子がそこまで飛んでいって、その電磁場を通るときに、「あ、動きにくくなったな」と感じるものであって、それは本来の質量と区別されて、それこそ相互作用(また電磁場による力)とよぶのでしょうね。これがはっしーさんが言っている、宇宙の晴れ上がりのときの話で、この場合は光が電荷によって散乱されていたために、遠くへ飛んでいけなかったものが、電荷が中性化されて(晴れ上がり)、光にとって、衝突物がなくなったので、遠くまで飛んでゆくということだと思います。
質量と相互作用の違いに注意してください。動きにくいには二つの動きにくいがあって、一つは質量が大きくて動きにくい、もう一つは何かの力(電子にとっての電場や磁場、光にとっての電荷)がかかって動きにくい。




  投稿者:ワイル - 2007/07/05(Thu) 18:55  No.1879 
>>電荷にまとわりつく電磁場は、光子の到達距離が無限大なので、この宇宙全体の電荷の電磁場の影響を積分したら無限大になってしまいますね。

そもそも、そうなったら大変ですよ。
我々は、常に感電していそうです。

電磁力の仲介役は光子なのですが、光子は電荷をもっていません。
光子が電荷をもっていたら、私たちの体や目は、光を浴びたり見るたび、しょっちゅう感電状態になって大変です。

自然は、良くできているものです。

弱い力や強い力の到達距離が、電磁力や重力の効果と違って、素粒子や原子核のスケールの範囲内にとどまっているのは意味があります。

弱い力というのは、粒子や物質を壊してしまう作用がありますし、逆に強い力というのは、粒子や物質を凝集させてしまう作用があります。

この弱い力や強い力の作用の到達距離が、電磁力や重力の作用のように、無限大であったら、とても大変なことになります。

まともに物質や宇宙は存在できなくなるのが、明らかです。
当然、我々、人間を含む生命も存在できなくなるのです。

  投稿者:大学生A - 2007/07/05(Thu) 19:14  No.1880 
横レス失礼します。

>電磁力の仲介役は光子なのですが

これは量子電磁気学の範疇ですよね?
この事実を高校生にも理解できるくらい噛み砕かれて書かれた専門書ってあるのでしょうか?

  投稿者:T_NAKA - 2007/07/05(Thu) 20:32  No.1881  <Home>
揚げ足をとるようですが、

>>電荷にまとわりつく電磁場は、光子の到達距離が無限大なので、この宇宙全体の電荷の電磁場の影響を積分したら無限大になってしまいますね。

この文章から、なんで「光子が電荷をもっている」ということになるんですか?
誤読としか思えませんが。。

  投稿者:karaokegurui - 2007/07/05(Thu) 20:47  No.1882 
EMANさん、常連の皆さん、はじめまして〜
karaokeguruiと申します。

早速ですが、博識なワイルさんにご質問させていただきます。

>GWSの電弱統一理論では、粒子の質量は、246GeVくらいより低いエネルギー状態になって、ヒッグス場の抵抗を受けることで獲得されるもの、となっています(光子などは、ヒッグス場の抵抗を受けることないので、質量がゼロなのですが)。
>逆に、246GeVくらいより高いエネルギー状態では、すべての粒子の質量がゼロになるので、たぶん、すべての粒子が光速で動くことになるのでしょう。
この宇宙のエネルギーが、そのような高エネルギー状態だったころは、すべての粒子が光速で動いていたのでしょう。

ビッグバン当時の原初宇宙ではすべての粒子が光速で動いていたというのは分かるのですが、
たとえば加速器で電子をどんどん加速しますよね。
すると、あるところでエネルギーが246GeVを超えるはずです。
そのとたんにその電子は質量を失い、速度も光速にジャンプするのでしょうか?
どうも納得がいかないのですが。
(246GeVではなくて293GeVでも趣旨は同じです。)

  投稿者:はっしー帝國 - 2007/07/05(Thu) 22:11  No.1883 
>>No.1878
Φさん、発散のこと、繰り込みのこと、晴れ上がりのこと教えていただき有難うございます。

そもそも現在の宇宙も、ひとつの電荷に対して電磁場の影響は宇宙全体からやって来る訳で、それを宇宙全体で積分して一つの電荷にのしかけたらエネルギーが無限大……になっていないですねぇ〜。

私の誤解のようです。
ワイルさんコメントいただき有難うございました。

電磁質量は、T_NAKAさんやΦさんの言うように自分自身の電荷によるものなのですね。
って、自分でもNo.1860ではそのように書いています(ばか)
きっと頭が暑さでおかしくなったのでしょう。。。

もとい。

高エネルギーの世界では電磁力、弱い力、強い力が統一されて、宇宙の原始的な統一力が生まれたら、電荷に関しても、電気と弱(香、でしたっけ?)と強(色?)の電荷が統一された新しい電荷になりますよね?

もしそうならば自分の電荷の作る、統一ゲージ場エネルギーが自分にまとわりついて「動きにくさ」にならないかな?とおもったのです。カーブするとき絶対に動きにくさを感じると思うんです。
ヒッグス場は素粒子の慣性質量(静止質量)の素となるものなので、統一されたゲージ場の質量(エネルギー)とは作用する場が違いますよね。

余談ですが、高エネルギーではコンパクト化されてた異次元たちが沸いて出てきて、カーブといってもどこか変なところに連れて行かれちゃうのかも知れませんよ?(言いすぎですね…)

また、動きにくさで遅れた分ワープして光速をキープするのかも知れないなぁ〜(ツイッターベヴェーグンク?)

  投稿者:ワイル - 2007/07/05(Thu) 23:25  No.1884 
>>たとえば加速器で電子をどんどん加速しますよね。
すると、あるところでエネルギーが246GeVを超えるはずです。
そのとたんにその電子は質量を失い、速度も光速にジャンプするのでしょうか?
>>どうも納得がいかないのですが。

まあ、これから、LHCによる実験で明らかになると思い舞うsが、たとえば、速さが、ゼロから一気に光速になるわけでないと思います。

  投稿者:Stromdorf - 2007/07/05(Thu) 23:57  No.1885 
karaokeguruiさん、ご無沙汰しています。
>すると、あるところでエネルギーが246GeVを超えるはずです。
>そのとたんにその電子は質量を失い、速度も光速にジャンプするのでしょうか?

 質量を持たない電子がHiggs機構で質量を得るのは、真空が相転移するからではなかったでしょうか。これを逆にたどると、真空が高温になり、逆の相転移をすると、すべての電子が突如として質量を失う、ということになるのでしょうか。
 よくわかりませんが、電子一個のエネルギーを上げても真空が相転移するわけではないような気がしますが…。

  投稿者:はっしー帝國 - 2007/07/06(Fri) 02:19  No.1887 
wikiによると、
「ヒッグス粒子は約1000兆Kもの高温によって蒸発してしまう。これによって、ウィークボソンはヒッグス粒子の抵抗と無関係になり、光子と区別できなくなる。」

つまり、ウィークボゾンは質量も電荷もないスピン1の光子そのものということになるのですね。
ワイルさんから教わった電弱統一の電荷=(弱)ハイパー電荷と光子が力の伝達手段として相互作用するわけですね。

みなさんが言うように、荷電粒子の質量がゼロになると、電磁質量も消えて無くなるものなのでしょうか。。。

「また、この温度においては、クォークとレプトンも質量がゼロになる。」ともwikiに書いてあるので、全てが光速の世界になるのでしょうね。光子がまとわりついても、ただ光子により散乱させられるだけで光速は減速せずにツイッターベヴェーグンクするのでしょうね。

なんとなく分かったような気がします。。。

みなさまの記事を読んでおいて、最後にwikiを読んで納得かい!と怒られるかも知れませんがお許しください。

  投稿者:ワイル - 2007/07/06(Fri) 09:46  No.1888 
>> よくわかりませんが、電子一個のエネルギーを上げても真空が相転移するわけではないような気がしますが…。

実際の現象としては、この宇宙が次第に冷えてきて、宇宙全体のエネルギーが293GeV以下になったとき、ヒッグス場ができ、多くの粒子(レプトンやクォーク)が質量を獲得した、ということなのですよね?

逆に、人工の加速器のなかで、電子1個でなくても、特定の電子の集団のエネルギーを293GeV以上にしても、ヒッグス場は消えないのでは、と思います。

>>これは量子電磁気学の範疇ですよね?
>>この事実を高校生にも理解できるくらい噛み砕かれて書かれた専門書ってあるのでしょうか?

ブルーバックスの広瀬立成氏の、いくつかの著書など(「真空とはなにか」など)あたりかな。。。

>>この文章から、なんで「光子が電荷をもっている」ということになるんですか?

受け狙いですよ。。。



  投稿者:ワイル - 2007/07/06(Fri) 10:23  No.1889 
>>つまり、ウィークボゾンは質量も電荷もないスピン1の光子そのものということになるのですね。
>>ワイルさんから教わった電弱統一の電荷=(弱)ハイパー電荷と光子が力の伝達手段として相互作用するわけですね。

電磁場の光子、弱い力の場のウィーク・ボゾン、強い力の場のグルーオンは、すべて、スピン1のゲージ粒子です。
そして、293GeV以上のエネルギーをもった真空では、すべて、質量もゼロなのです。しかし、真空のエネルギーが293GeVより低くなった時点で、ヒッグス場が出き、ゲージ粒子のなかで、ウィーク・ボゾンだけが、ヒッグス場の抵抗というか感染を受け、80〜90 GeVという大きな質量をもった、という考えです。

ちなみに、光子、ウィーク・ボゾン、グルーオンは、数学的には4次元のベクトル・ポテンシャルとして表すことができます。
ただし、電磁場の光子は1種類だけですが、弱い力の場のウィーク・ボゾンは3種類、強い力の場のグルーオンは8種類もあります。

ちなみに、一般相対論で扱う重力のポテンシャルは、4次元の2階テンソルで現される時空の計量テンソルで、これを量子化すると、スピン2、質量ゼロの重力子(グラビィトン)になる、というわけです(光子や重力子の質量がゼロである理由は、これらが無限遠まで伝わる事実による)。

さて、GWSの電弱理論では、電磁場と弱い力の場を、完全に統合する理論というのでなく、電磁場と弱い力の場とを、並列的に「まとめて」扱う理論といえると思います。

さらに、現代の(ゲージ場の量子論の)標準理論では、GWS電弱理論で扱う電磁場、弱い力の場と、量子色力学(QCD)で扱う強い力の場とを、並列的に「まとめて」扱う理論です。

そして、GWS理論では、
・電磁場の電荷(これは1種類)
・弱い力の場の弱電荷(これは3種類)
をまとめた電荷として、「ハイパー電荷」なるものがありますが、標準理論では、これに加えて
・強い力の場の色電荷(これは8種類)
も加えてまとめて、「(強い)ハイパー電荷」としています。

GWS理論では、ゲージ粒子も弱ハイパー電荷も4種類ですが、標準理論では、それぞれ12種類になります。

さらに、電磁場、弱い力の場、強い力の場の3つの場を完全に統合するのは、「大統一理論」(GUTs)とよばれる理論ですが、これは、まだ未完成で、検証も進んでいないようです。
というのは、大統一理論が対称とするエネルギーは、GWS理論で扱う293GeVとは桁違いに大きい、10の15乗 GeV前後となる、というからです。
このようなエネルギーは、最新鋭の加速器LHCの最大10000 GeV(10 TeV)でも、とうてい、手に届きません。

さらに、この大統一理論では、新しいゲージ粒子を大きく2種類、正確には6種類(さらには、それらの反粒子が6種類)の存在を予言しております。これらの新しいゲージ粒子は、陽子を崩壊させる存在、とされています。

さらに、大統一理論の3種類の力の場に加えて、重力場を統合するには、プランク・エネルギーとよばれる、10の19乗 GeVという、さらなる高エネルギーの世界になりますが、それを扱うのが、「超ひも理論」です。

つまり、「超ひも理論」は、現代物理の3つの標準理論
・GWSの電弱理論   ・・・ 電磁場と弱い力の場の理論
・量子色力学(QCD) ・・・ 強い力の場の理論
・一般相対論    ・・・ 重力場の理論
の統合を狙っている理論、といえます。

ただし、現代物理の3つの標準理論のうち、GWS理論やQCDは、「場の量子論」に基づく理論ですが、一般相対論だけが、そうでない古典論、というわけで、それも、現代物理が抱える問題点の1つでしょう。

さて、現代物理の標準理論である、一般相対論と場の量子論(ゲージ理論)で扱う時空および関係式として、一般相対論では、
・大域・・・リーマン時空 -> 一般座標変換
・局所・・・ミンコフスキー時空 -> ポアンカレ変換(=ローレンツ変換+並行移動)
を、一方の場の量子論(ゲージ理論)では、
・大域・・・ミンコフスキー時空 -> ポアンカレ変換
・局所・・・素粒子(レプトン、クォーク)の内部空間 -> ゲージ変換
を扱っていますが、これをまとめると、

一番大きい階層として、リーマン時空、その局所の階層として、 ミンコフスキー時空があり、ミンコフスキー時空の、さらなる局所の階層として、素粒子の内部空間がある、という3つの階層の図式が見えてきます。

「超ひも理論」では、この3つの階層の時空と変換式をまとめた時空と変換式が作られるのでしょう。


  投稿者:明男 - 2007/07/06(Fri) 10:39  No.1890 
何か論理的におかしい気がします。
素粒子実験であれほどコリジョンエネルギーを上げているのは、まさにその宇宙創生期の再現をしようとしているわけです。多くの副次プロセスを避け純粋にエネルギー現象のみを観測するには成るべくシンプルな素粒子を用いる方が有利ですが、エネルギーを上げ難い難点があります。従ってe-−e+、γ−γなどが望ましいのですが、大エネルギーではp−p~などを使用するため解析が複雑になっています。しかし、本質はその運動エネルギーをどれほど集中できるかです。いずれにせよ、空間の局所にエネルギーを集中させ、その領域ではビッグバン直後と同じ状態にしようとしているのだと思います。つまり、293GEV以上でヒグス機構が消えるなら、そこで生成した素粒子は突如質量を失ったかのような軌跡を描く筈ですし、それが物理学理論の予測であるということではないでしょうか。
これは小耳にはさんだだけなので信憑性は定かではありませんが、一部高エネルギー実験では文字通り質量欠損、あたかも物質が消えたかのようなエネルギー収支が観測されたとの噂もちらほら。
そうだとすると・・・後は各自、想像を広げましょう(責任は持ちません)。

  投稿者:TOSHI - 2007/07/06(Fri) 11:01  No.1891 
 こんにちは。。。TOSHIです。

 私の学んだところでは「ヒッグス・メカニズム」は対称性が破れる前には質量が0だった「ゲージ・ボソン」にしか質量を与えないのですが、明男さんご指摘の高温で質量が小さくなったという実験は確か、「フェルミオン」の質量だったかと記憶しています。それとも「ベクトルメソン」だったかな?

 いずれにしろ「フェルミオン」に質量を与えるメカニズムはよく知りませんが、皆さん、どうなんでしょうか?

                      TOSHI

  投稿者:ワイル - 2007/07/06(Fri) 11:03  No.1892 
>>一般相対論では、
>>・大域・・・リーマン時空 -> 一般座標変換
>>・局所・・・ミンコフスキー時空 -> ポアンカレ変換(=ローレンツ変換+並行移動)
>>を、一方の場の量子論(ゲージ理論)では、
>>・大域・・・ミンコフスキー時空 -> ポアンカレ変換
>>・局所・・・素粒子(レプトン、クォーク)の内部空間 -> > ゲージ変換

一般相対論の重力場は、ミンコフスキー時空(計量テンソル)を変換する場として、ゲージ理論の電磁場・弱い力の場・強い力の場は、レプトンやクォークといった素粒子の内部空間の状態(スピノル)を変換する場として、それぞれ定義できます。

さて、一般相対論におけるリーマン時空とミンコフスキー時空、ゲージ理論におけるミンコフスキー時空と内部空間、それぞれの時空・空間は、バラバラの時空・空間ではなく、繋がり(接続)をもっています。

曲線に対して接線、曲面に対して接平面が、それぞれ存在しますが、一般相対論におけるリーマン時空に対するミンコフスキー時空、ゲージ理論におけるミンコフスキー時空に対する内部空間は、いってみれば、それぞれの大域時空に対する「接空間」というものです。

そして、一般相対論におけるリーマン時空とミンコフスキー時空とを接続するのが、クリストフェル記号Γで表される「接続」という量になり、ゲージ理論におけるミンコフスキー時空と内部空間とを接続するのが、3つのゲージ場(電磁場、弱い力の場、強い力の場)における「ベクトル・ポテンシャル」なる量です。

それで、一般相対論においては、クリストフェル記号Γの全成分がゼロに、ゲージ理論においては、全てのベクトル・ポテンシャルがゼロになる場所を選べば、平坦なミンコフスキー時空そのものになるわけです(その場合、局所的に重力場やゲージ場の効果を消すことができるわけです)。

この意味で、一般相対論のリーマン幾何学も、ゲージ理論で用いる幾何学も、まとめて、「接続の幾何学」といえるわけです。

一般相対論もゲージ理論も、古典的な理論の話は、こういう幾何学的イメージで考えれば、そのからくりは、高校生でも理解できると思います(量子論になると、「繰り込み」とか、「量子異常」などの、ややこしい話が必要ですが)。


  投稿者:明男 - 2007/07/06(Fri) 11:22  No.1893 
TOSHIさん、こんにちは。

お話の記事は忘れましたが、KEKの広報であったことは間違いないと思います。下の記事からもフェルミオン、もとのクォークの質量起源はやはりヒッグスが担うようですが、大部分はカイラリティの破れで、ヒッグスは種なんでしょうね、きっと。

http://www.kek.jp/newskek/2007/mayjun/supercomputer2.html

  投稿者:ワイル - 2007/07/06(Fri) 12:15  No.1894 
>>曲線に対して接線、曲面に対して接平面が、それぞれ存在しますが、一般相対論におけるリーマン時空に対するミンコフスキー時空、ゲージ理論におけるミンコフスキー時空に対する内部空間は、いってみれば、それぞれの大域時空に対する「接空間」というものです。

我々の階層感覚からすれば、

リーマン時空 > ミンコフスキー時空 > 内部空間

という感じなんだけれど、実際には、

リーマン時空(宇宙の世界) > ミンコフスキー時空 < 内部空間(素粒子の世界)

の図式で捉える方が良い感じです。

そして、ミンコフスキー時空は、リーマン時空と内部空間の両方の「接空間」になっている、と考える方が良いかも知れません。

ミンコフスキー時空は、リーマン時空における接続Γの全成分および、内部空間における全ベクトル・ポテンシャルがゼロである場所における「接空間」というわけです。

物理的には、特殊相対論のミンコフスキー時空という世界は、一般相対論における重力場と、ゲージ理論における3種のゲージ場(電磁場、弱い力の場、強い力の場)の両方の場の効果を消去した局所的な世界、ということができるわけです。

そして、ミンコフスキー時空の極限として、ニュートン力学が成立する「ガリレオ時空」(ガリレオの相対性原理が成立する時空)が出てくるわけです。


  投稿者:ワイル - 2007/07/06(Fri) 12:43  No.1895 
>>この意味で、一般相対論のリーマン幾何学も、ゲージ理論で用いる幾何学も、まとめて、「接続の幾何学」といえるわけです。

一般相対論のリーマン幾何学では、クリストフェル記号Γで表される「接続」を定義したあと、「リーマンの曲率テンソル」とよばれる4階テンソルと、共変微分Δを定義します。
このリーマンの曲率テンソルを縮約して、2階のリッチ・テンソルを、リッチ・テンソルRijを縮約して、曲率スカラーRを、それぞれ定義します。
そして、リッチ・テンソルと曲率スカラーを組み合わせて、「アインシュタイン・テンソル」Gijを導出します。
そして、アインシュタインの重力場方程式は、
(アインシュタイン・テンソル) = (定数)・(運動量・エネルギー・テンソル)
となるわけです。

一方、ゲージ理論では、ベクトル・ポテンシャルをもとに、内部空間の曲率である電磁場テンソルあるいは、それを拡張した、ゲージ場テンソルとよばれる2階反対称テンソルと、共変微分Dを定義します。
このゲージ場テンソルと共変微分Dをつかって、
 (ゲージ場テンソルの共変微分D) = (定数)・(電荷)
というのが、ヤンミルズのゲージ場方程式となります(電磁場では、マクスウェル方程式になります)。
[ここでいう電荷は、通常の電荷だけでなく、色電荷や弱ハイパー電荷なども含みます]

いってみれば、アインシュタインの重力場方程式は、
(リーマン時空の歪み具合) ∝ (運動量・エネルギー)
ということを、一方、ヤンミルズのゲージ場方程式(もちろん、マクスウェルの電磁場方程式も)は、
(内部空間の歪み具合) ∝ (電荷)
ということを表現しています。

これで、一般相対論とゲージ理論は、似たような形式になりますし、これが、一般相対論とゲージ理論のエッセンスです。

なお、ゲージ場の量子論である、量子電磁力学(QED)あるいは、量子色力学(QCD)は、
・マクスウェル方程式(電磁場)あるいは、 ヤンミルズ方程式(強い力の場)
・電磁場あるいは、強い力の場におけるディラックの波動方程式(レプトン&クォーク=スピノル粒子場)
の組合せ(実際には、両者のラグラジアンを結合したラグラジアン)で表現できます。

GWSの電弱理論では、
・電荷を「弱ハイパー電荷」とするヤンミルズ方程式(弱い力の場)
・電荷を「弱ハイパー電荷」とするマクスウェル方程式(電磁場)
・非線形なクライン・ゴルドンの方程式?(ヒッグス場)
・電磁場・弱い力の場・ヒッグス場を統合した場におけるディラックの波動方程式(スピノル場)
の組合せ(実際には、それぞれに対応するラグラジアンの結合ラグラジアン)で表現できます。

以上からすれば、一般相対論の量子理論(量子重力理論)の方程式は、
・アインシュタインの重力場方程式
・ディラックの波動方程式
の組合せになりそうですが、実際には、そうはならないようです。

一般相対論のアインシュタインの重力場方程式を正準形式(アシュテカ形式)にして、量子化すると、
・ホイーラー・ドウィットの波動方程式
というものが出てくるようです。


  投稿者:ワイル - 2007/07/06(Fri) 13:16  No.1896 
>>そして、ミンコフスキー時空は、リーマン時空と内部空間の両方の「接空間」になっている、と考える方が良いかも知れません。

変な例えですが、ミンコフスキー時空は、地上の世界(リーマン時空)と地下の世界(内部空間)の境の、たとえば、「マンホールの蓋」のような存在で考えると良いかも知れません。


  投稿者:ワイル - 2007/07/06(Fri) 14:03  No.1897 
>>一般相対論の重力場は、ミンコフスキー時空(計量テンソル)を変換する場として、ゲージ理論の電磁場・弱い力の場・強い力の場は、レプトンやクォークといった素粒子の内部空間の状態(スピノル)を変換する場として、それぞれ定義できます。

以下、ちょっと数学的な話になりますが。

ゲージ理論で扱う3つのゲージ場については、
・電磁場 ・・・ 1個のスピノルで表される「電荷」を変換する場
・弱い力の場 ・・・ 2個のスピノルの組で表される「弱アイソスピン=弱電荷」を変換する場
・強い力の場 ・・・ 3個のスピノルの組で表される「色電荷」を変換する場
として定義されています(ここでいうスピノルは、ディラックの相対論的波動方程式を満たすディラック・スピノルです)。

そして、変換の作用を与える存在(作用素)となる「ゲージ粒子=ベクトル・ポテンシャル」は、
・電磁場 ・・・ 光子の場 = 絶対値が1の複素数 = U(1)の場
・弱い力の場 ・・・ ウィークボゾンの場 = 行列式の値が1である2行2列の複素数行列(2次元の特殊ユニタリ行列)= SU(2)の場 
・強い力の場 ・・・ グルーオンの場 = 行列式の値が1である3行3列の複素数行列(3次元の特殊ユニタリ行列 = SU(3)の場
とされます。


さて、弱い力の場の作用素の2行2列の複素数行列の単位(基底)となるのは、「パウリ行列」とよばれ、3種類あります。
強い力の場の作用素の3行3列の複素数行列の単位(基底)となるのは、「ゲルマン行列」とよばれ、8種類あります。

これにより、電磁場の作用素は、単なる複素数なので、変換に対して「可換」ですが、弱い力の場および強い力の場は、複素数行列なので、変換に対して「非可換」となります。

これから、電磁場U(1)は、「可換ゲージ場(あるいは、アーベル・ゲージ場)」、弱い力の場SU(2)および強い力の場SU(3)は、「非可換ゲージ場(非アーベル・ゲージ場)」といっています。

GWSの電弱理論で扱う場は、弱い力の場SU(2)と電磁場U(1)を、「並列的にまとめて」、SU(2)×U(1) の場(電弱場)としています(ここで、×は、直積の意味)。

標準理論では、電弱場SU(2)×U(1)に、強い力の場SU(3)を加えて、SU(3)×SU(2)×U(1) の場としています。

なお、「大統一理論」では、電磁場・弱い力の場・強い力の場の3つを完全に統合した「統一ゲージ場」として、SU(5)の場を考えていた時代があります。
これは、5個のスピノルを1組で表された「超電荷」なるものを変換する場、ということです。

SU(5)では、ゲージ粒子(ベクトル・ポテンシャル)にあたるものは、24個あります。
そのうち、12個は、電磁場の光子(1個)、弱い力の場のウィーク・ボゾン(3個)、強い力の場のグルーオン(8個)というわけ既知のゲージ粒子ですが、残りの12個のゲージ粒子は、未だ発見されていない、というわけです(それらの未発見のゲージ粒子は、たとえば、陽子の崩壊などを起こすというゲージ粒子とされる)。

ただ、単純なSU(5)の大統一理論では、その理論予測が、実験的事実と合わない(例えば、陽子の寿命が実際より、短すぎる)、ということもあって、現在では、捨て去られています。

さて、一般相対論の重力場は、ミンコフスキー時空を変換する場であり、それは、計量テンソルで表現されます。
そして、その局所的な変換が、ポアンカレ変換(=ローレンツ変換+並行移動)です。

--------------------------------------------------------

ユニタリ行列、直交行列については、
http://homepage2.nifty.com/eman/quantum/unitary.html
に解説があります。

ユニタリ行列、直交行列のうち、行列式の値が1になるものが、特殊ユニタリ行列、特殊直交行列といいます。

n次元のユニタリ行列、特殊ユニタリ行列、直交行列、特殊直交行列を、それぞれ、U(n)、SU(n)、O(n), SO(n) と表します。

ちなみに、
U(n) = U(1) × SU(n)
の関係があります。

n個1組のスピノルを変換する場が、SU(n)の場で、そこにおけるゲージ粒子(ベクトル・ポテンシャル)の個数は、
2^(n-1) [=2のn-1乗] 個
あります。

  投稿者:はっしー帝國 - 2007/07/06(Fri) 14:53  No.1898 
ワイルさん

No.1888
>>>この文章から、なんで「光子が電荷をもっている」ということになるんですか?
>受け狙いですよ。。。

おおー、この答え方はいいですね。。。

さて、レスがヒッグスの話題から底抜け脱線されていますよ。毎度のことであってもそろそろゼーブされた方がいいのでは。

充分に目立ってますよ。。。

  投稿者:karaokegurui - 2007/07/06(Fri) 22:21  No.1899 
Stromdorfさん、ワイルさん、明男さん、ありがとうございました。

Stromdorfさん>質量を持たない電子がHiggs機構で質量を得るのは、真空が相転移するからではなかったでしょうか。これを逆にたどると、真空が高温になり、逆の相転移をすると、すべての電子が突如として質量を失う、ということになるのでしょうか。

そういう気がしますね。

明男さん>空間の局所にエネルギーを集中させ、その領域ではビッグバン直後と同じ状態にしようとしているのだと思います。つまり、293GEV以上でヒグス機構が消えるなら、そこで生成した素粒子は突如質量を失ったかのような軌跡を描く筈ですし、それが物理学理論の予測であるということではないでしょうか。

これもおっしゃるとおりだと思います。

ということで、私なりにまとめますと、
1.ビッグバン直後のように宇宙全体が高温高密度だったときは、素粒子は質量をもたず光速で飛んでいた。
2.現在でも狭い空間領域で同様に高温高密度の状態を作り出せれば、素粒子が質量を失うのを観測できるはずである。
3.しかし、単一の素粒子だけではそれをいくら加速しても質量を失うはずはない。
これは次のように考えればよい。
仮に十分な加速により質量を失うとする。最後の加速を行う直前には光速に近いが光速には達していない。この素粒子とともに動く座標系を設定できるので、その座標系からみればこの素粒子の速度はゼロとなる。それが最後の加速によりいきなり光速になることはあり得ない。

なお、私もはっしー帝國さんのというご意見に賛成です。
ワイルさんのように博識な方はご自分のブログを作られるのがよろしいのではないでしょうか? 
きっと書くネタに困ることはないでしょう。

  投稿者: - 2007/07/11(Wed) 13:13  No.1930 
私は実際にLHC計画に参加し、新粒子探索の物理解析をしています。大学院生のKといいます。よろしくです。

全部のレスは追えなかったのですが、気になった点があったので横槍させて下さい。

>もし、この理解が正しいとすると、万が一、LHCで何年かかってもヒッグス粒子を検出出来ず、ヒッグス粒子が存在しないと結論付けられた場合、超ひも理論が拠り所としている超対象性理論に対して、疑義が投げかけられる事になるのでしょうか?

その通りだと思います。超対称性理論には必ずヒッグス粒子が含まれます。従って、超対称性粒子が存在すれば必ず、150GeV以下のヒッグスが存在します。その対偶もまた真なので、運命を共にします。150GeV以下のヒッグスなら、LHCで2年程度で発見できるので、それがなければ標準理論はもちろん超対称理論も間違っていることになります。ただ、超ひも理論はもっと高エネルギーの超対称性なので、疑わしくはなっても否定されるまではいかないはずです。

>>「万が一、LHCで何年かかってもヒッグス粒子を検出出来ず、ヒッグス粒子が存在しないと結論付けられた場合」です。

>存在しない、という結論を下すのは、色々な意味で難しいと思います。
>たとえば、質量(エネルギー)が非常に高く、現在の加速器では、そこまで到底、到達しないこと、などが考えられます。

LHCでヒッグスを探索する場合は、これは違います。なぜなら、ヒッグス粒子の質量には理論的に上限が存在するからです。仮にヒッグスの質量がその最大限の質量を持っている場合でも、LHCなら余裕で発見できます。従って、LHCでは確実にヒッグスの有無が確定します。あと、5年以内には、、です。

ちなみに、LHCやっている人でヒッグスの存在を疑っている人はいません。前加速器のLEPで間接証拠が得られているからです。私も信じています。

ところで、ヒッグスが存在しない方がエキサイティングだと思うのですが、そう思っている人いませんか?

  投稿者:ワイル - 2007/07/11(Wed) 13:37  No.1931 
Kさん、こんにちは。
いろいろと、実践的な話をありがとうございます。

>>ちなみに、LHCやっている人でヒッグスの存在を疑っている人はいません。前加速器のLEPで間接証拠が得られているからです。私も信じています。

以前(2000年頃?)、LEPで、ヒッグス粒子の存在の間接的証拠が得られた、という話がありましたね?

>>ところで、ヒッグスが存在しない方がエキサイティングだと思うのですが、そう思っている人いませんか?

まあ、そうなると、いろいろな理論の見直しが必要になって、物理学会は、一種のパニックになるでしょうから?

ところで、新しい理論(大統一理論、超ひも理論など)の必要性を明らかにするには、従来の理論(標準理論や相対論・量子論など)の限界を示す証拠が必要と思いますが、そのあたり、現状、どうなのでしょうか?

  投稿者: - 2007/07/11(Wed) 15:31  No.1933 
ワイルさん、レスありがとうございます。

>以前(2000年頃?)、LEPで、ヒッグス粒子の存在の間接的証拠が得られた、という話がありましたね?

そうですね。でも、結局結論は出せなかったようです。直ぐにLHCに移行しなければならないという、大人な事情で。。でも、私はのいう間接的証拠とは前にワイルさんのおっしゃっていた、
>電弱統一理論においてヒッグス粒子を考えることで、その理論的結果が実験的結果と、大変、良い精度で一致しています

のことです。

>まあ、そうなると、いろいろな理論の見直しが必要になって、物理学会は、一種のパニックになるでしょうから?

おっしゃる通りです。つまり、1900年代初頭の前期量子論に似た状況になるわけで、、仕事が沢山、驚き沢山あって、面白くなるはずです。詳しくは知りませんが、余剰次元がブラックホールが生成されるなどの話は恐らくこのケースに当たります。

>ところで、新しい理論(大統一理論、超ひも理論など)の必要性を明らかにするには、従来の理論(標準理論や相対論・量子論など)の限界を示す証拠が必要と思いますが、そのあたり、現状、どうなのでしょうか?

はい。LHCで考えられる最悪のシナリオは、「ヒッグス粒子が発見され、それが標準理論通りに振る舞い、それ以外何も発見されない」というケースです。標準理論が完成して、仕事がなくなるわけです。つまり、LHCの真の目的は、標準理論を越えることであり、もっとも有望視されているのが超対称性です。

超対称性(SUSY)が自然界で成り立っていれば、超対称性粒子が自然界に存在するはずで、その質量は数百GeV〜数TeVであろうと言われています。(ヒッグスと違い、厳密に上限があるわけでは無いですが。)このうちLHCで探索可能なのは、長時間かけてもせいぜい2〜3TeV領域までです。もし、1.5TeV以下なら非常に嬉しく、LHCで1年程度で発見できます。(LHCは来年稼動予定です。)従って、超対称性粒子の質量スケールが出来るだけ軽いことを祈るばかりという状況です。

私は、超対称性粒子は存在すると思っていますが、それがLHCで発見される確率は(適当ですが)50%だと思います。(私は50%の確率で大大発見が出来るのは、すごいことだと思って参加しています。)

  投稿者:ワイル - 2007/07/11(Wed) 17:09  No.1934 
>>おっしゃる通りです。つまり、1900年代初頭の前期量子論に似た状況になるわけで、、仕事が沢山、驚き沢山あって、面白くなるはずです。

第3の物理革命の前夜という雰囲気ですね?

第1の物理革命は、ガリレオ、デカルト、ケプラー、ニュートンらの17世紀、第2の物理革命は、相対論や量子力学が誕生した20世紀初頭ですね。

そして、第1の物理革命の導火線をつけたのが、コペルニクスの地動説であり、第2の物理革命の導火線をつけたのが、ファラデーの電磁誘導の発見だと思いますが、今回の第3の物理革命の導火線は、1970年前後の(一般相対論やヤンミルズ理論を含む)ゲージ革命かも知れませんね。

それにしても、当面、ワクワクですね。

また、現在の若い学生や研究者の中から、ニュートンやアインシュタインに匹敵する革命者・天才が登場するかな?

  投稿者:ワイル - 2007/07/11(Wed) 17:25  No.1935 
>>それにしても、当面、ワクワクですね。

私が興味あり、期待しているのは、ヒッグス粒子の発見より、これによって、従来の標準理論(GWS、QCD)の限界が示され、さらに、超対称性理論が脚光をあび、従来の相対論・量子論などの限界が示され、第3の物理革命の波が加速していくことです。

19世紀末から20世紀はじめの時代に、ニュートン力学の限界が示されたことで、相対論や量子論といった新しい理論が登場したのですが、これから、標準理論や、さらに相対論・量子論の限界が示されることで、大統一理論、超対称性理論、さらには、超ひも理論などの新しい理論の構築が加速されていくことでしょう。

  投稿者: - 2007/07/11(Wed) 18:29  No.1936 
>第3の物理革命の前夜という雰囲気ですね?

LHCでヒッグス粒子以上の新しい物理(超対称性、その他)が発見されれば、それは革命といっていいでしょうね。その可能性は十分あると思います。

>第3の物理革命の波が加速

ただ、本当に加速していくかどうかは分からないと思います。LHCは陽子と陽子の衝突器で、エネルギーが高い一方、複雑な反応でシグナルがクリーンに見えないのです。それ故、例えば超対称性粒子が発見出来ても、それ以上の定量的情報、例えばそれがどういうタイプの超対称性理論のものなのか、判別するのは困難です。(一口に超対称性といっても、色々あるのです。)

そこで期待されているのが、リニアコライダーILC
です。ttp://www.linear-collider.org/
ILCは、電子陽電子衝突器で反応がクリーンです。ただ、エネルギーがせいぜい1TeVなので、数百GeVまでの粒子しか研究できないという問題があります。つまり、LHCで1TeV以下の新粒子が発見できない場合は、ピンチです。

LHCやILCの性能を超える加速器なんて、今後数十年は現れないでしょうから、物理の進歩はゆっくりかもしれません。

  投稿者:ワイル - 2007/07/12(Thu) 00:39  No.1937 
Kさん、どうもいろいろ、ありがとうございます。

で、ズバリ!!

第3の物理革命は、これから、50年以内には、起こるかな?

  投稿者:凡人 - 2007/07/12(Thu) 01:10  No.1938 
Kさん
ご親切な方のアドバイスをいただき、真に有難うございます。
「ヒッグス粒子は存在するのでしょうか?」というスレッドは、私が立ち上げたのですが、立ち上げ当時は、適当ですが、ヒッグス粒子が存在する確率は、30%程度だと思っていたのですが、今は、60%程度となりました。
その理由は、ヒッグス粒子が、私が尊敬する南部陽一郎氏が提案した「カイラル対称性の破れ」や「格子QCD」と結びついているようと思えるKEKの記事を読んだからです。

「LEPで間接証拠」の話しはKさんからはじめて聞きましたが、以下の考えはまだ持っています。
>ところで、ヒッグスが存在しない方がエキサイティングだと思うのですが、そう思っている人いませんか?
何故ならば、ヒッグス粒子は存在しないほうが、最終的・結果的には、美しい究極理論が建設出来るのではないかと勝手に夢想しているからです。

  投稿者:EMAN - 2007/07/12(Thu) 12:39  No.1939 
> で、ズバリ!!
> 第3の物理革命は、これから、50年以内には、起こるかな?

 「ズバリ」と前置きする割にはかなり幅が広いし、さらに自信無さげですね。

 Kさんの話からして、早ければ2年後、確実には3年後くらいに
何らかの結果が見付かり、それで新しいことが何もなければ、
将来にはほとんど期待できないけれど、
先のことは分からないから何とも言えない、ということではありませんか。


 LHCの稼動が来年に延びていたのは知らずにいました。
 アンテナを伸ばしてなかったです。 すみません。


 素粒子実験の皆様、結果に期待しています。
 よろしくお願いします。

  投稿者:ワイル - 2007/07/12(Thu) 14:20  No.1940 
こんにちは

>> 「ズバリ」と前置きする割にはかなり幅が広いし、さらに自信無さげですね。

まあ、50年としたのは、私やEMANさんをはじめ、ここの人たちが、”がんばれば”なんとか生きていられる時間、ということで。

言い換えれば、「私たちが存命している間に、第3の物理革命がみられれば面白いな」という希望ですよ。

>>何故ならば、ヒッグス粒子は存在しないほうが、最終的・結果的には、美しい究極理論が建設出来るのではないかと勝手に夢想しているからです。

夢想は自由ですけど、そう思う理由は?

私としては、ヒッグス粒子が存在すれば、293GeV以上の高エネルギーで、光子、グルーオンとともに、ウィークボゾンを含め、すべてのゲージ粒子の質量がゼロになって、いわゆる「ゲージ不変性」という対称性が検証され、その意味で「キレイ」といういえる理論ができるでしょう。

逆にヒッグス粒子が存在しないとなると、ウィークボゾンは、「ゲージ不変性」の例外となるわけで、あまり「キレイ」とはいえない理論になると思います。

さらに、「超対称粒子」がLHCで発見されると、もっとキレイな理論ができるわけです。


  投稿者: - 2007/07/12(Thu) 15:54  No.1941 
EMANさん、こんにちは。

>LHCの稼動が来年に延びていたのは知らずにいました。

検出器の製作の遅れや加速器の故障が原因です。加速器の故障は以前、日本グループのHP
ttp://atlas.kek.jp/
にて情報がありました。私も今年の9月に現地で検出器の組み立てを手伝うので、ヘマしないように頑張りたいところです(笑)

  投稿者:凡人 - 2007/07/12(Thu) 23:54  No.1943 
ワイルさん、並びに、みなさん
>何故ならば、ヒッグス粒子は存在しないほうが、最終的・結果的には、美しい究極理論が建設出来るのではないかと勝手に夢想しているからです。
この「夢想」がトンデモない「夢想」だという事が、皆さんや、書籍、KEKの解説等で、だいぶ分かってきました。
大変申し訳ありませんでした。
ところで、陽子を2つ対発生させてスピン方向を測定した場合は、非局所的相関がある事が、以下の実験で証明されたと思うのですが、電子の場合はどうなのでしょうか?
http://nucl.phys.s.u-tokyo.ac.jp/sakai_g/epr/
電子は、ヒッグス場が存在すれば、その影響を陽子よりより多く受けるはずなので、非局所的相関が弱まってしまうのでしょうか? それとも違うのでしょうか?
どなたか、アドバイスをいただけないでしょうか。

  投稿者:ワイル - 2007/07/13(Fri) 12:10  No.1944 
こんにちは

>>電子は、ヒッグス場が存在すれば、その影響を陽子よりより多く受けるはずなので、非局所的相関が弱まってしまうのでしょうか? それとも違うのでしょうか?

ヒッグス場の影響の大小というのは、「質量」の大小として観測されると思います。
陽子の質量は1000 MeVほど、電子の質量は0.5 MeVほどと2000ほどの違いがあります。
その意味で、ヒッグス場の影響は、電子より陽子の方が大きいといえます。

非局所的相関は、電子や陽子、光子などの「量子」がもっている性質のようなものと思いますので、ヒッグス場の話とは、あまり関係ないような。

  投稿者:ワイル - 2007/07/13(Fri) 13:19  No.1945 
>>電子は、ヒッグス場が存在すれば、その影響を陽子よりより多く受けるはずなので、非局所的相関が弱まってしまうのでしょうか? それとも違うのでしょうか?

まず、ヒッグス場なり、ヒッグス粒子なりが、いったい、何なのか、どうして出てきたのか、ということを、ちゃんと整理した方が良いと思います。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%B9%E5%A0%B4

次に、以前も話のですが、「エーテル」というのは、相対論&量子論以前では、空気や水のような物質のようなものですが、それは、未だに検出されていません。

しかし、相対論&量子論以降は、
・場(電磁場、重力場、ゲージ場、物資場、ヒッグス場)-> 量子(レプトン&クォーク、ゲージ粒子、ヒッグス粒子) -> 高次元の超ひも(閉じた超ひも、開いた超ひも)
といったものが、新しい「エーテル」にあたるものだと思います。

そして宇宙や真空は、このした、新しい「エーテル」で満ちている、というのが、現代物理学のイメージといえますし、こうした、新しいエーテルについては、

「エーテルと相対論」
http://home.catv.ne.jp/dd/pub/ether.html

を読んでいただければ、アインシュタインなども否定どころか、肯定しているといえるでしょう。

相対論などを解説している書籍などでも、あまり質のよくない書籍などもありますが、そういう書籍で、「エーテルは否定された」というのは、誤解を招くと思います。

そういった解説書をメインに読んでいて、「相対論はまちがっている」といった感じになる人も多いのでしょう。

  投稿者:ワイル - 2007/07/13(Fri) 13:55  No.1946 
>>そういった解説書をメインに読んでいて、「相対論はまちがっている」といった感じになる人も多いのでしょう。

古い時代(といっても、私たちが中高生の頃)にあった、相対論の解説書などでは、光速に近い速さで運動すると、自分自身の身長が縮んだり、時計がおくれたり、体重が増えたり、というような話のものがありました(実際に、ローレンツなどは、そのようなイメージで考えたらしい)。

しかし、アインシュタインの特殊相対論では、自分自身が光速に近い速さで動いていても、長さ、時間、質量、どれについても、なんら変化は起こりません。
自分自身は、静止していても、光速に近い速さで動いていても、1mは1mであり、1秒は1秒であり、1kgは1kgなのです。

光速に近い速さで動いている自分を、別の観測者が観測することで、自分の長さ・時間・質量が、別の観測者自身のものと違うものとして観測されるということです。
http://yujiwatanabe.hp.infoseek.co.jp/s-relativity.htm

また、その場合でも、実際には、縮むとか遅れるとかといったことでなく、一種の「回転」として観測される、との話もあります(ロジャーズ・ペンローズなどの話)。

理論的にも、「運動」というのは、いわゆる4次元のミンコフスキー時空における、一種の「回転」として扱うことができます(数学的には、通常の2次元や3次元のユークリッド空間における回転は、三角関数で表現されるが、4次元ミンコフスキー時空における回転は、双曲線関数で表現される)。

それは、たとえば、3次元空間内で3次元の物体を回転させると、その3次元物体の2次元への影の大きさが変化して観測されるようなイメージです。

それに似て、特殊相対論では、「運動」というものが、4次元ミンコフスキー時空内の回転になり、その影のようなものを、我々の3次元空間+時間で観測すると、長さや時間などが、変わるように観測される、ということなのです。

繰り返しますが、自分が光速に近い速さで運動しても、自分自身では、長さ・時間・質量の変化を観測したり知ることはできないのです。自分自身では、どのような状況でも、1mは1m、1秒は1秒、1kgは1kgとして、観測されるのです。

古い時代の、質のあまり良くない相対論の解説書が、たくさんの「相対論は間違っている」という人たちを作ってしまった

  投稿者:ワイル - 2007/07/13(Fri) 17:08  No.1947 
>>しかし、アインシュタインの特殊相対論では、自分自身が光速に近い速さで動いていても、長さ、時間、質量、どれについても、なんら変化は起こりません。

もっと、基本的な話をすると、ガリレオの相対性原理&ニュートン力学においても、「運動」というのは、
・これを観測する観測者が存在して定義すること

・相対的である
というものです。

この地球上で、動いている自動車や電車などに乗っていると、窓の外の景色が動いてみえるので、自分が「運動している」ということがわかりますし、外の観測者から、自分の乗っている自動車や電車などが「運動している」こともわかります。

でも、たとえば、完全に目隠しをされた状態で自動車や電車などに乗った場合、自分が動いていることを、自分で認識できるのでしょうか?(実際には、振動などでわかるかもしれないけど、その振動なども、全く無いものとする)

こうした、ガリレオの相対性原理&ニュートン力学における、基本的な「運動」の定義などは、アインシュタインの相対性理論にも受け継がれているのです。

>>質のあまり良くない相対論の解説書

講談社のブルーバックスのような専門的な科学啓蒙書のシリーズなどを除けば、ニュートン力学やクーロン、ガウス、アンペール、マクスウェルなどの古典電磁気学でさえ、ちゃんと解説している書籍は、あまり多くないでしょう。

ましてや、特殊相対論や量子力学については、誤解の多いようなものもあります。

さらに、一般相対論、場の量子論や超ひも理論などについては、専門家でも、理解や解釈が分かれるので、あまり一般的な解説書自体が多くない感じですね(ブルーバックスなどを除けば)。

正しく物理学を理解しようとするなら、(大学向けの)教科書、専門書などを読むことをお勧めします。
さらには、ニュートンやアインシュタインなどの著作、論文なども、読んでみる必要があるかも知れません。

啓蒙書では、ブルーバックスあたりが、無難かな?(でも、ブルーバックスでも、しっかりした内容のものと、そうでないものとがありそうです)。

  投稿者:karaokegurui - 2007/07/13(Fri) 21:28  No.1949 
凡人さん、こんばんは〜

>ところで、陽子を2つ対発生させてスピン方向を測定した場合は、非局所的相関がある事が、以下の実験で証明されたと思うのですが、電子の場合はどうなのでしょうか?
http://nucl.phys.s.u-tokyo.ac.jp/sakai_g/epr/
>電子は、ヒッグス場が存在すれば、その影響を陽子よりより多く受けるはずなので、非局所的相関が弱まってしまうのでしょうか? それとも違うのでしょうか?

ご紹介の実験の場合、陽子2個はクーロン斥力はありますが核力で強く引き合うので、束縛状態を作ることができるのでしょうね。
電子の場合はクーロン斥力だけなので同様の実験は難しいかもしれません。
ただ、陽子も電子もスピン1/2のフェルミ粒子なので、質量の二千倍近い差や内部構造の有無の違いはあっても、別のやり方で非局所的相関を示すことは可能だと思います。

理解できないのは、凡人さんがおっしゃっている後半です。
非局所的相関にヒッグス場が何の関係をもつのでしょうか?
ご説明願えませんか?

  投稿者:凡人 - 2007/07/14(Sat) 08:13  No.1950 
karaokeguruiさん、お世話になっております。
>電子は、ヒッグス場が存在すれば、その影響を陽子よりより多受けるはずなので、非局所的相関が弱まってしまうのでしょうか? それとも違うのでしょうか?
と質問した意図について、もう少し説明させていただきます。
『「場」とはなんだろう』(竹内薫著、ブルーバックス)のP240に、「各素粒子は、その質量の応じた強さで、ヒッグスにからみつかれて身動きがとりにくくなる。」と記されてされています(P240 図58は、Wボゾンと電子の例がファインマン図で説明されています。)が、
http://www.kek.jp/ja/news/press/2007/supercomputer2.html
によると、ヒッグス場のハドロンの質量に対する寄与割合は2%とされています。
ハドロンの場合は、ヒッグス粒子のからみつきが弱いので、
http://nucl.phys.s.u-tokyo.ac.jp/sakai_g/epr/
の実験において、非局所的相関の崩れが殆ど見られない結果となったのだと思います。
もし出来ればという話しですが、電子と陽電子を対発生させてスピンを測定する実験を行った場合は、対発生直後から、電子と陽電子は、ヒッグス粒子に強くからまれて、スピン方向を狂わされ、非局所的相関が崩れてしまうのではないかと思ったのです。
この考えが正しいならば、対発生させた電子と陽電子の非局所的相関の崩れ度合いを精密に測定することによっても、ヒッグス場の有無や、ヒッグス粒子の質量等を確認出来るのではないかと思い、質問させていただいている次第です。

追伸
素粒子のスピンは、古典的な角運動と違うので、ヒッグス粒子に強くからまれても、方向を狂わされる事は無いのでしょうか?

  投稿者:karaokegurui - 2007/07/14(Sat) 20:03  No.1951 
凡人さん、こんばんは〜

ヒッグス粒子は質量の起源に関連して想定された素粒子です。
他の粒子とヒッグス粒子との相互作用はもっぱら質量として出てくるだけです。
質量の大きい小さいがいったん決まったスピンに対してどのような影響を及ぼすのでしょうか。

質量の大きい小さいの違い以外に、ヒッグス粒子が表に表れることはないはずです。
もしヒッグス粒子が表に出てくるなら、とっくの昔に発見されていたのではないでしょうか。
(なお、ここで書いたヒッグス粒子はいわゆる仮想粒子としてのヒッグス粒子で、LHCなどで探しているのは実在粒子としてのヒッグスです。こちらはトップクォークなどとの反応が重要ですね。)


私は以上述べたことを否定するような記述を読んだことはありませんが、凡人さんがもしそういう根拠をお持ちならぜひ教えていただきたいと存じます。


ヒッグス粒子はヤクザではありません(^^;
あたりかまわず絡んだりはしませんよ。

  投稿者:はっしー帝國 - 2007/07/14(Sat) 22:34  No.1953 
凡人さん

>素粒子のスピンは、古典的な角運動と違うので、ヒッグス粒子に強くからまれても、方向を狂わされる事は無いのでしょうか?

もしかして、スピンネットワークのことが言いたいのではありませんか?

ジャイロスコープを積んだ飛行機が地球を周回して重力の歪をジャイロスコープの軸のズレで表すように、時空をジャイロスコープの代わりに量子のスピンで表そうという話だったと思います。

重力は関係しますが、質量の話は出てこなかったと思いました。

  投稿者:凡人 - 2007/07/15(Sun) 01:17  No.1956 
karaokeguruiさん
>ヒッグス粒子はヤクザではありません(^^;
>あたりかまわず絡んだりはしませんよ。
標準理論によると、電子やWボゾン等の素粒子は、ヒッグス場の中のヒッグス粒子に絡まれて、身動きが取り憎い状態になっているが故に、質量を持っているかのように振舞う、という様につい最近理解をしたのですが、この理解は正しいでしょうか?

>質量の大きい小さいの違い以外に、ヒッグス粒子が表に表れることはないはずです。
>もしヒッグス粒子が表に出てくるなら、とっくの昔に発見されていたのではないでしょうか。
>私は以上述べたことを否定するような記述を読んだことはありませんが、凡人さんがもしそういう根拠をお持ちならぜひ教えていただきたいと存じます。
私の質問の内容から汲み取っていただきたいのですが、「そういう根拠」は持ち合わせていません。
私は単に、「電子と陽電子を対発生させてスピンを測定する実験」は、まだ成功していないようなので、成功した場合にどうなるのかという事ついて、教えていただきたかっただけです。

はっしー帝國さん
>もしかして、スピンネットワークのことが言いたいのではありませんか?
今回の場合は、そこまで全く考えは及んでいません。
あくまでも、標準理論の枠の中での質問です。

訂正
「仮想ヒッグス粒子」は、「ヒッグス粒子」と訂正させていただきました。

  投稿者:karaokegurui - 2007/07/15(Sun) 20:39  No.1959 
凡人さん、こんばんは〜

>標準理論によると、電子やWボゾン等の素粒子は、ヒッグス場の中の仮想ヒッグス粒子に絡まれて、身動きが取り憎い状態になっているが故に、質量を持っているかのように振舞う、という様につい最近理解をしたのですが、この理解は正しいでしょうか?

私も同じように理解しています。
素人なのでこれが正しいかどうかは分かりませんが。
ただその点がどうして非局所的相関に結びつくのかが理解できないのです。
質量以外にヒッグス粒子との相互作用は観測できないと思います。

>私は単に、「電子と陽電子を対発生させてスピンを測定する実験」は、まだ成功していないようなので、成功した場合にどうなるのかという事ついて、教えていただきたかっただけです。

私の理解している範囲では、引用された陽子2個の実験と電子・陽電子の対発生の違いは、
1.陽子同士には強い力が働くこと
2.陽子同士はクーロン斥力が働くが、電子と陽電子にはクーロン引力が働くこと
3.陽子と電子(陽電子)では質量が2000倍近く違うこと
の3点です。
一方、共通点は
a.陽子も電子(陽電子)もスピン1/2のフェルミ粒子であること
です。
非局所的相関の実験に本質的なのはaだけであり、1,2,3は実験の組み方として考慮すべきものでしょうが、それらがどうあろうと(うまく実験が組めれば)非局所的相関に影響はないものと思います。

なお、陽子の質量の大部分は凡人さんのおっしゃるとおりヒッグス機構によるものではありませんが、陽子を構成している3つのクォークの質量はヒッグス機構によるものであり、かつそれは電子の質量の数倍あることは凡人さんもご存知かと思います。
uクォークの質量:1.5〜3.0MeV
dクォークの質量:3〜7MeV
電子(陽電子)の質量:0.5MeV

私も素粒子論に以前から興味をもっていて本もかなり買っていますが、しょせんは凡人さん同様に素人です。
もう少し詳しい方が参加されない限り、この議論はこれ以上先には進まないように思います。
凡人さんから以上の私の説明に誤りがあるとのご指摘がなされないのであれば、私の方はこれでお仕舞いにしたいと思います。

  投稿者:凡人 - 2007/07/15(Sun) 21:45  No.1960 
karaokeguruiさん
>電子は、ヒッグス場が存在すれば、その影響を陽子よりより多受けるはずなので、非局所的相関が弱まってしまうのでしょうか? それとも違うのでしょうか?
と質問した意図について、更に説明させていただきます。
「電子やWボゾン等の素粒子は、ヒッグス場の中のヒッグス粒子に絡まれて、身動きが取り憎い状態になっている」というのは、電子やWボゾンが、ヒッグス場の中のヒッグス粒子に絡まれて、時々刻々と運動方向の転換を余儀なくされているという事だと思っています。
(「仮想ヒッグス粒子」は、仮想かどうか良くわからなかったので、「仮想」という文字を削除させていただきました。)
もし、対発生した電子と陽電子が、ヒッグス場の中のヒッグス粒子の影響を受けて、全く別個に運動方向を狂わされるならば、スピン方向も別個に狂わされ、スピン方向測定に於ける非局所的相関も崩れてしまうのではないかと思ったのです。
(全くの素人考えですが、素粒子のスピン方向は、最終的には運動方向として測定されるため、スピン方向を測定する前の素粒子の運動方向の転換が、測定結果に影響するのではないかと思っています。)
ちなみに私は、『新版 量子論の基礎』(清水明著、サイエンス社)のP230、脚注*20の、
>前節で述べたように,ベルの不等式が破れるのは一種の干渉効果なのだが,電子は,電荷を持っているために周りの環境との相互作用が強く,干渉効果が見えにくくなる傾向がる.
という記述を参考にしています。
(私の質問の場合、電子、あるいは、陽電子とヒッグス場の中のヒッグス粒子との相互作用が、脚注*20の「周りの環境との相互作用」に当たります。)

  投稿者:T_NAKA - 2007/07/15(Sun) 23:16  No.1961  <Home>
まず、話を整理したほうが良いでしょう。
これは私個人の考えなので、正しくない可能性はありますが、このスレから得た情報から類推したものです。

ヒッグス場→素粒子の芯の質量を生じせしめる
電子の電荷→質量を生じるが芯の質量ではない→電荷があってもそれ自体はヒッグス場と相互作用はしない
よって、電子と他の素粒子とヒッグス場との相互作用の違いは「芯の質量」の分だけである
また、素粒子のスピンの大きさ・方向はその素粒子の質量とは直接関係ない

これらを総合すると、ヒッグス場によりスピンが変わってしまうことはないと思っています。
(これで他人を説得するまでの根拠ないですが。。)

  投稿者:はっしー帝國 - 2007/07/16(Mon) 02:08  No.1962  <Home>
わたくしもブログで『新版 量子論の基礎』(清水明著、サイエンス社)を勉強しております。
凡人さんはこの本を最初から順を追って勉強していませんでしょ?

凡人さんのコメント
>>前節で述べたように,ベルの不等式が破れるのは一種の干渉効果なのだが,電子は,電荷を持っているために周りの環境との相互作用が強く,干渉効果が見えにくくなる傾向がる.
>という記述を参考にしています。

光子は電子に比べて干渉しやすい、なぜなら電子は外場(外力としての電磁場)と相互作用しやすいからだ、という意味だと思います。つまりスピンに対して混合状態になり易いのです。

混合状態になると干渉項が消えちゃうらしいのですよ。

干渉というのは、純粋状態における自分との重ね合わせから起きるものだからではないでしょうか?

ヒッグス粒子は電荷がないので
http://belle.kek.jp/~uehara/pdic/gbhiggs.html#higgs
電子に対して外場にはならないと思います。なので参考にならないにはなっておりませんよ? たぶんですが。

重力場だって外場になりますよ? そのときはスピンネットワークが使えそうです。でも通常重力はミクロの世界では小さすぎて"へ"にもならない?ので無視するんですよね?たしか。

  投稿者:T_NAKA - 2007/07/16(Mon) 03:26  No.1963  <Home>
はっしー帝國さん、こんばんは。

>光子は電子に比べて干渉しやすい、なぜなら電子は外場(外力としての電磁場)と相互作用しやすいからだ、という意味だと思います。

というところまでは何となく分かります。しかし、

>つまりスピンに対して混合状態になり易いのです。

というのが、良くわかりません。

ここは「電子が電荷を持っているので影響を受け易い」、つまり外乱ノイズの影響を受け易いので実験に使うのは大変で、光子の方はノイズの影響が少ないので、良く実験に使われるという程度の話だと思います。

  投稿者:はっしー帝國 - 2007/07/16(Mon) 09:03  No.1964  <Home>
>つまりスピンに対して混合状態になり易いのです。

なはなは。。。(汗)
スピンは関係なかったのですね。干渉とは。
混合状態について何か書かなくちゃ。。。みたいな感じで錯覚していました。
つまり、外場の影響で電子がひっくり返ってコンガラがってグリングリン回って乱れてる感じです。

>ここは「電子が電荷を持っているので影響を受け易い」、つまり外乱ノイズの影響を受け易いので実験に使うのは大変で、光子の方はノイズの影響が少ないので、良く実験に使われるという程度の話だと思います。

その程度の話だったのですね。
なるほど理解しました。
有難うございます。

  投稿者:凡人 - 2007/07/16(Mon) 20:04  No.1967 
はっしー帝國さん
>凡人さんはこの本を最初から順を追って勉強していませんでしょ?
ずばりその通りです。「連続固有値」のところでつまずいて、殆ど「啓蒙書」の方に逃げた(?)ままになっています。
(このままでは、いけないと最近思っています。)
>スピンは関係なかったのですね。干渉とは。
の件ですが、今の論議の文脈では主要な問題では無いと思いますが、念のため『新版 量子論の基礎』のP227-8のあたりを確認したところ、少なくとも、今問題にしているEPR実験の場合は、スピン(状態)と干渉(項)は関係するように読めたのですがいかがでしょうか?
(P230 脚注*20の、「ベルの不等式が破れるのは一種の干渉効果なのだ」と記されている事に再度ご留意下さい。)
>ヒッグス粒子は電荷がないので
というご指摘については、T_NAKAさんも同様なご指摘をされていると認識しています。
もし、私の考えが間違っているとすれば、将にこの事に起因するであろうと思っています。
>ここは「電子が電荷を持っているので影響を受け易い」、つまり外乱ノイズの影響を受け易いので実験に使うのは大変で、光子の方はノイズの影響が少ないので、良く実験に使われるという程度の話だと思います。
という解釈は正しいと思いますが、私が質問している内容は、EPR実験における「外乱ノイズ」(非局所的相関の破れ具合)を精密に測定することにより、今まで見えなかった事が見えて来るという事はないのでしょうかという事です。

  投稿者:T_NAKA - 2007/07/16(Mon) 22:07  No.1968  <Home>
>私が質問している内容は、EPR実験における「外乱ノイズ」(非局所的相関の破れ具合)を精密に測定することにより、今まで見えなかった事が見えて来るという事はないのでしょうかという事です。

ということでしたら、専門家の方が出てくるまで答えは得られないので、ひたすら待つしかないでしょうね。

「非局所的相関」の検討をするなら、どなたも言及されていないヒッグス場との関係を問題視されるより、全充さんご紹介の「ブラジルのミナス・ジェライス大学でステファン・ウォルボーンらの実験」
http://grad.physics.sunysb.edu/~amarch/Walborn.pdf
を真面目に読んで理解する方が時間の無駄にならないと思います。

  投稿者:karaokegurui - 2007/07/16(Mon) 22:15  No.1970 
凡人さん、こんばんは〜

>「電子やWボゾン等の素粒子は、ヒッグス場の中のヒッグス粒子に絡まれて、身動きが取り憎い状態になっている」というのは、電子やWボゾンが、ヒッグス場の中のヒッグス粒子に絡まれて、時々刻々と運動方向の転換を余儀なくされているという事だと思っています。

ツィッターベヴェーグングの原因がヒッグス場だというのですね。
まったく初耳です。
これまた根拠があれば教えていただきたいと思います。

それからツィッターベヴェーグングは陽子には生じないのでしょうか?

どうも凡人さんは比喩を文字通りに受け取ってしまっているのではないでしょうか。
ミクロレベルの現象は量子力学的なもので、「絡む」というような日常レベルの現象を記述する言葉は比喩に過ぎないと思いますが。
我々素人はいきなり数式を示されても理解できないので、言葉による説明で理解せざるを得ませんが、それはあくまでも比喩なのだということを忘れてはいけないと思います。

>もし、対発生した電子と陽電子が、ヒッグス場の中のヒッグス粒子の影響を受けて、全く別個に運動方向を狂わされるならば、スピン方向も別個に狂わされ、スピン方向測定に於ける非局所的相関も崩れてしまうのではないかと思ったのです。

ヒッグス場というのは素粒子が質量を持っているように見えるように一貫して作用するものであって、個々の場所で個別的に作用するものではないでしょう。
後者はそれこそヤクザが絡むようなものです(^^

>>前節で述べたように,ベルの不等式が破れるのは一種の干渉効果なのだが,電子は,電荷を持っているために周りの環境との相互作用が強く,干渉効果が見えにくくなる傾向がる.
>という記述を参考にしています。

引用されているのは電荷についてであって、ヒッグス場についてではないですね。
陽子も電子と同じく電荷をもっています。
参考にはならないでしょう。

  投稿者:凡人 - 2007/07/16(Mon) 22:26  No.1971 
T_NAKAさん
>「非局所的相関」の検討をするなら、どなたも言及されていないヒッグス場との関係を問題視されるより、全充さんご紹介の「ブラジルのミナス・ジェライス大学でステファン・ウォルボーンらの実験」
>http://grad.physics.sunysb.edu/~amarch/Walborn.pdf
>を真面目に読んで理解する方が時間の無駄にならないと思います。
というアドバイスを頂き、慣れない英語を少しばかり読んでみたのですが、"delayed erasure"は、もしかして、遅延選択実験と係わっているのではないかと思いました。
遅延選択実験の実験結果については、常々、EPR実験のそれよりも不思議でならないと思っていましたので、この論文を少し真面目に検討する必要があるという事が分かりました。
良いアドバイスを頂き、大変有難うございました。

karaokeguruiさん
>ツィッターベヴェーグングの原因がヒッグス場だというのですね。
そう考えてはいません。
ツィッターベヴェーグングは、ディラック方程式から導き出されるものだと思うので、ヒッグス場とは基本的には無関係だと思っています。
なお、(ディラック方程式から導き出される)ツィッターベヴェーグングが実在するかどうかは、私には分かりません。
ところで、(ディラック方程式から導き出される)ツィッターベヴェーグングは、実験により検証されたという事実はあるのでしょうか?
>どうも凡人さんは比喩を文字通りに受け取ってしまっているのではないでしょうか。
仰るとおりです。
>ヒッグス場というのは素粒子が質量を持っているように見えるように一貫して作用するものであって、個々の場所で個別的に作用するものではないでしょう。
この内容がイメージ出来る資料等があれば、この資料を元に再検討したいと思うのですが、場の量子論の教科書等にその様に、数式等で記述されているのでしょうか?
もし、適切な教科書等をご存知であればお教えいただけないでしょうか?

  投稿者:Φマン - 2007/07/16(Mon) 23:36  No.1972 
凡人さんがいっている、ヒッグスの効果とスピンについてちょっと(但しEPRには関係ないと思いますよ)

ヒッグスが存在しない場合の電子はそのスピンは運動量方向かその逆に向いています。ちょっとテクニカルな言い方をすると、高速で運動する電子には静止系がありませんから、特徴的な運動の方向へのスピン射影だけがブーストしたときに残る自由だという言い方が良くされます。この説明だと質量がある粒子のm→0極限をとれば質量がない粒子だという直感的なイメージがあります。(私はあまり好きな説明ではありません。実際は有限質量とゼロ質量の理論の関係は複雑ですから。)

ここで運動量方向のスピンをR,Lとします。
そういったイメージを持ってみれば、質量は運動量方向のスピンR,Lを混ぜるような効果があり、その量子状態は

|s>=a |R>+b|L>

という重ね合わせで特定の方向へのスピン状態が実現されています。このかさね合わせはヒッグス、または質量と関係して生まれた重ね合わせです。

よって、ゼロ質量の電子が、ヒグス場にブツカリ、スピンをフリップさせつつ、位置もジグザグしつつ運動していることによってスピードは光速よりもおちて、スピンはRとLが混ざるというような「イメージ」は、まああり得るかなという感じです。

私はイメージはあくまでイメージとして式による理解をしてこそ本物だと思っていますが、イメージを持つことも悪いとは思いません。どちらかというよりは、式による理解とイメージを組み合わせる方が良いと思っています。

で、これは別にこれとして、EPRにはやっぱり関係ないと思います。質量を得た電子の世界は、それで閉じた理論体系なので、高エネルギー実験でもしない限り、ヒグス場が出てくる必要はないと思います。

  投稿者:凡人 - 2007/07/16(Mon) 23:48  No.1973 
Φマンさん
質量が絡むと、かなり難しいという事がイメージ的ではありますが、なんとなく分かりました。
アドバイスをいただき、大変有難うございました。