EMANの物理学 過去ログ No.1696 〜

 ● EPRパラドックスについて分らないことがあります

  投稿者:nob - 2007/06/21(Thu) 10:05  No.1696 
始めまして。
私はソフト屋でして、物理は全く専門外ですが、最近量子コンピュータの話題を聞き、
個人的に興味を持っていろいろと調べております。
その過程で、EMAN様のサイトを見つけました。
EPRパラドックスのベルの不等式の説明は大変にわかりやすく、感動いたしました。
ただまだ分からないことがあり書き込ませていただきました。
EPR電子対のスピンによって情報を伝えることができないとありますが。
いろいろ考えてみると、情報を伝えることができるそうな場合も考えられます。

以下勝手に考えたEPRパラドックスです。(変形版はいろいろありそうです)
(偉大な先人達もこの程度のことは考えていたでしょうから、
実はパラドックスでは無いとは思うのですが…)
よろしければパラドックスでないことの説明などして頂けると有難いです。
このことが気になって昼も起きれません。

1下の図は高校の教科書にも出てくる、電子の干渉縞を観測する装置を2個連結したものです。
FからEPR対になった電子が上下に出て行くとします。
検出器Bを置かなければ、スクリーンAには干渉縞ができ、
検出器Bを置けば、干渉縞ができません。

Aと反対方向のJに向かった電子はどうなるのでしょうか?
検出器Bの有無によって、干渉縞が出来たりできなかったりするような気がします。
そうでなくては、J側に向かった電子の位置と運動量を特定することが可能になり、
不確定性原理が破れてしまいます。
C,Iの距離が何光年離れていても、干渉縞の発生を観測することで、
検出器Bの有無を瞬時に知ることができ、超光速通信が可能になる?

------------------------------------------------- A

        □ B
------------- --------------- ----------------- C
        D          E



              □ F



        G          H
------------- --------------- ----------------- I


------------------------------------------------- J

A,J スクリーン
B 電子検出器
D,E,G,H スリット

2更に電子1個版のパラドックスも考えてみました。
下記のような長さ1光年ぐらいある長い管に、電子を1個閉じ込め、電子の存在確率が、管全体に広がるようにします。

・Aに光を当てます。
このとき、ある確率で光が電子に当たり、電子は観測され、Bの電子の存在確率が0になる。
・次にBに光を当てる。
Aで電子が検出されていれば、Bでは何度光を当てても電子が検出されない。
Aで電子が検出されていなければ、Bではある確率で電子が検出されます。
つまり、Aに光を当てたか否かで、Bで電子が観測される確率が変わるはず。
B側で十分な観測を繰り返せば、Aに光が当たったかどうかが分かり、超光速通信が可能になる?

+------------------------------------------------+
| A                       B |
+------------------------------------------------+


  投稿者:凡人 - 2007/06/21(Thu) 23:09  No.1708 
nobさまへ
>1下の図は高校の教科書にも出てくる、電子の干渉縞を観測する装置を2個連結したものです。
F->CとF->Iに向けて、同一の干渉性を有する光子を、連続的に対発生させる事は理論的に可能でしょうか?
>2更に電子1個版のパラドックスも考えてみました。
制御出来ない状態を観測する事を、「通信」と規定して良いのでしょうか?
尚、私は超光速通信は不可能であって欲しいと思います。
もし、それが可能になるならば、相対論的な因果律が破綻してしまうと思うからです。

  投稿者:EMAN - 2007/06/22(Fri) 06:44  No.1710 
> このことが気になって昼も起きれません。

 この表現、ソフト屋っぽくていいですね。
 私も気になって昼も仕事に手が付きませんよ。

 最初の例については良い説明を思いついていませんが、2番目の例については、超光速通信はできないという説明が出来そうです。

 まず、管全体に存在確立が広がるまでに気の遠くなるような時間が要りますが、これは前提として受け入れます。

 Aで電子を検出する確率は非常に低いので、Aは電子が見つかるまで何度もチャレンジすることでしょう。 BはAにそのための十分な時間を与えなくてはならない。 しかし、どれくらい待ってからBが検出を始めるかは、予め打ち合わせておけばいいわけです。
 さて、Aはその有限時間内に電子を検出しないといけません。それができるか? いや、Aが光を当てた瞬間に、系に何も影響を与えないのならば、信じられないほどの回数の観測を短期間に繰り返し行えば、そのうち見つかるのかも知れません。 しかし残念ながら、Aで一番初めに観測したときに電子がないと分かった瞬間、その周辺には電子がないということが確定するのではないかと思うのです。 つまり、確率の波は「A以外のどこかに電子がある」という状態になるのだと思います。 しばらく待てば、その状態が崩れて、Aに再び確率の波が戻ってきますが、それは電子が光速以下であることを反映したようなゆっくりした流れであるはずです。

 結局、管の中を光速以下で運動する電子を、一ヶ所のみで有限時間内に捕まえられるか、という問題に似た状況になり、超光速にはならないと考えられます。

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/22(Fri) 09:01  No.1711 
2番目の例について、私も考えてみました。

(1)「Aで電子を検出した場合」の「Bで電子を検出する確率」
(2)「Aで電子を検出しない場合」の「Bで電子を検出する確率」

を平均すると、結局「Aで電子を検出したか/しないか」には関係無くなると思います。
詳しくは http://teenaka.at.webry.info/200706/article_23.html を参照願います。

まあ、これは確率の波の収束などという理屈を使っておらず、単純に確率の問題として捉えているため、異論がおありの方はいらっしゃると思いますが。。

  投稿者:明男 - 2007/06/22(Fri) 09:23  No.1712 
1のケースですが、干渉縞は単独電子では出来ないのではないですか。エンタグル状態の2電子を作り出し、反対方向に送ったとしても、干渉縞は何度も繰り返さねば発現しないと思いますし、一度の観測で確定状態かそうでないか知ることはできないと思います。
そこで、スピンを使ったらどうか、と考えます。
スピンなら、互いに反対の確定状態としてエンタグル状態にできますし、測定も単独で可能です。
これで考えてみて、情報の伝達ができているかどうかです。確かにA側でスピン上向きと測定した瞬間にJ側では下向きが確定し、測定される訳ですが、測定する・しないではスピンの状態を”設定できる”訳ではなく、観測するのみなので、AからJに何らかの情報(例えばモールス信号)を伝えることは出来ません。おそらく、神の視線でA側とJ側に超光速で情報の交換が起きているように見えるというのは、AとJが通信できるということとは別問題で、因果律に反しない現象です。
これが私の理解です。はっきり言って自信は無いですが。

  投稿者:nob - 2007/06/22(Fri) 10:05  No.1713 
皆様レスありがとうございます。

>> このことが気になって昼も起きれません。
>
> この表現、ソフト屋っぽくていいですね。
> 私も気になって昼も仕事に手が付きませんよ。

大変に恐縮です。
今日は昼までに起床することが出来ました!!

さて
1に関してですが
1回の観測では確かに干渉縞はできませんが、何度か繰り返せば干渉縞が
出来ると思います。
または装置を並列化することで解決できるはずです。
要はBでの観測の有無がGHへ向かう電子の波動関数に影響を与えるかという疑問です。
波動関数が変わればなんらかの観測は可能だと思います。

2に関してですが
図では装置は1個なのですが
Aでの観測が少しでもBの位置の波動関数に影響を与えるなら
これも同じような装置を何兆個でも並べて徹底的に並列化すれば
理論的には何らかの情報を伝達することができるかと。
現実には1光年もの長さの管だと何兆個程度では全く足りないとは思います。
しかも1回の実験で送ることのできる情報量は1ビットにも満たないので、
実用的とは言い難いですが。。。

登校してから考えてみたのですが、どうも量子論で言う「瞬間に波動関数の収縮が起こる」
という概念がよく分らないのです。
特殊相対論だと「瞬間」=同時刻は慣性系によってどうにでも変えることが可能なので、
この量子論の「瞬間」はローレンツ変換に不変なはずですが
量子論の教科書(超入門レベルですが)でも波動関数の収縮が
時空の中でどう伝わるのか書いてはいないので。
(実は書いてあっても私が理解できてない可能性もあります)


図中のスペースを全角にして登校し直してみます。
-------------------------------------------------- A

       □ B
-------------- --------------- ----------------- C
       D        E



           □ F



       G        H
-------------- --------------- ----------------- I


-------------------------------------------------- J


+--------------------------------------------------+
| A                       B |
+--------------------------------------------------+

  投稿者:明男 - 2007/06/22(Fri) 10:46  No.1714 
>要はBでの観測の有無がGHへ向かう電子の波動関数に影響を与えるかという疑問です。

エンタグル状態であれば、勿論影響します。実験的にも確認されていることです。

>波動関数が変わればなんらかの観測は可能だと思います。

観測前と観測後が変わったことがどうして分かるでしょう。観測した瞬間(より後)しか分かりません。

>登校してから考えてみたのですが、どうも量子論で言う「瞬間に波動関数の収縮が起こる」
という概念がよく分らないのです

そうでしょうね。専門家の中でも対立がありましたし、波束の収縮自体を認められないとする立場もあります。ただ、波束の収縮は時空を何らかの信号(=情報)が伝わって起きるのではなく、語弊がありますが、遠隔作用であり、相対論的場の理論が近接作用のみを仮定する、という文脈の意味で矛盾します。しかし、前述のように因果律は乱さない現象です。波動では情報を伝える「群速度」が光速を越えられなくても。「位相速度」は光速を越える事があり、現実の物理量(情報)を運ばなければ、光速の壁(因果律)とは矛盾しません。
したがって、波束の収縮は現在矛盾なく考えうる便法であるのかも知れません。

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/22(Fri) 11:50  No.1715 
EPR実験というと、電子ではスピン、光子では偏光状態を対象としているようです。
(エンタグル状態で2粒子系波動関数はスピンの場合が良く例にあげられていますが、)これはポテンシャルに束縛されていない自由粒子でも+1/2、-1/2とデジタルに決まるものだからと思ってました。
さて、位置や運動量を扱ったEPR実験というのがあるのでしょうか?
エンタグル状態での位置や運動量というのはどういうことになるんでしょう?
ここら辺は専門の方のご意見をお聞きしたいところです。

これが分からないと第1のケースは上手く説明できないと思いました。

さて、第2のケースはエンタグル状態でも何でも無いので、そもそもEPR実験ではないと考えます。
具体的には確率の問題なので、特別「量子論」で語る必要があるのか?というのが私の疑問です。つまり「波動関数の収縮」という考えを使わなくても、「電子があるか/無いか」の確率を問題にすれば良いかと。。

  投稿者:EMAN - 2007/06/22(Fri) 12:03  No.1716 
 2番目の例で、
並列化をすれば私の指摘をかわせそうですね。
 私もnobさんと同じように思います。

 そこで別のアイデアを持ってきました。
 こんなことを考えてみたらどうなんでしょう。

 あ、T_NAKAさんがすでに書いておられました。
 その意見と同じですね。


 1光年というのは想像が難しいので、
1cmの箱を10個、一列に並べまして、
ランダムにどっかに一個だけビー球を入れます。

 で、Aさんが、
一番端の箱だけを開けてみるか、
それとも開けないでいるかを決めます。

 Aさんがビー球を見つける確率は1/10です。

 Aさんが箱を開けてみて、ビー球を見つけなかった場合、
Bさんが反対側の箱を開けて、ビー球を見つける確率は
1/9 になります。
 Aさんが最初から箱を開けなかったら、
Bさんがビー球を見つける確率は1/10です。

 確かにAさんの行動によって確率が「実際に」変化しました。

 さて、Bさんは、この1/9と1/10の確率の差が出ていることを
どうやったら見出すことが出来るでしょうか?
 多数回繰り返せば、差が出て来そうです。

 えー、だめ?

 そうです。
 重要な要素が抜けています。
 Aさんが箱を開けて、ビー球が入っていた場合です。
 もしそれを取り除けるべきだという情報を
Bさんが知っていたら、うまく行くのですが、
これはAさんに聞くより他にありません・・・。


 みなさん、掲示板見てないで、ちゃんと自分の仕事して下さいよー。(笑

  投稿者:nob - 2007/06/22(Fri) 13:40  No.1717 
> みなさん、掲示板見てないで、ちゃんと自分の仕事して下さいよー。(笑

ううう。
耳の痛いお言葉。
ただいま現実逃避モード突入中です。。。

T_NAKA様、EMAN様
なるほど単発の実験ではうまく行きそうにないですか。
ではもう少し考えてみました。
Aで観測したときに電子が観測される確立をPa
Bで観測したときに電子が観測される確立をPb
実験に使う管の数はn個
とします。

まずAで観測しますと、電子が観測される管の数はnPa個です。
観測されたら管の中から電子は無くなるので、nPa個の管の中には
電子がなくなります。
観測後十分な時間が経てばBでの観測確立はPbに戻るはずなので、
管の中の波動関数が元に戻るのを少し待ちます。
そしてBで観測を行います。

すると、
Aで観測を行った場合
 nPa個の管は空になっているので、
 Bで検出できる電子の数は(n-nPa)Pb個
Aで観測を行わなかった場合
 全部の管に電子は存在するので
 Bで検出できる電子の数はnPb個
となり、Aでの観測の有無が検出できませんでしょうか?

明男様
> 観測前と観測後が変わったことがどうして分かるでしょう。観測した瞬間(より後)しか分かりません。
これは十分な並列化か繰り返しにより波動関数の変化は観測可能と思います。

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/22(Fri) 14:55  No.1720 
>観測されたら管の中から電子は無くなるので、nPa個の管の中には電子がなくなります。

う〜む。。観測だけでは、電子は無くなりませんが、いつからそういう想定になったのでしょうか?

つまり、Aで電子をある個数抜き取ると、管中の全体の密度は確かに変わります。
この密度をBが測定するのだから、確かに「Aで電子をある個数抜き取った」という情報は伝わるでしょう。

しかし、この密度が変化したという情報がA→Bへ伝わる速度はどう考えても光より遅いですね。つまり超光速通信は出来ないことになります。

nobさんご提示の今回のモデルは確率を使っているようですが、実際は密度を測定しているだけだと思います。

  投稿者:nob - 2007/06/22(Fri) 15:46  No.1721 
T_NAKA様
>>観測されたら管の中から電子は無くなるので、nPa個の管の中には電子がなくなります。

>う〜む。。観測だけでは、電子は無くなりませんが、いつからそういう想定になったのでしょうか?
すみません。私の書き方が悪かったです。
Aで電子が観測されたら、Bの近傍に電子が無くなるということです。
AB間は1光年はなれていますので、Bでの観測確率がPbに戻るにはAから電子が飛んでいくのに最低でも1年はかかります。
(あるいはAでの観測に使う光子のエネルギーを大きくすれば、電子は管の外に飛んでいってしまいます。)
これに対してAで観測されなければ、1年も待たずに確率はPbに戻るのではと思った次第です。

また管の数はn個ですが、管1個につき電子は1個だけ封入します。
管の大きさは変わらないのでAの観測時とBの観測時で密度は変わらないと思います。
(よくよく考えてみると、封入するのは複数の電子でも良いような。。。)

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/23(Sat) 00:53  No.1725  <Home>
nobさん、こんばんは。

EMANさんの解説と私の説明をもう一度良くお読みいただけるありがたいのですが。。

>Aで観測を行った場合
>nPa個の管はAで電子が観測されているので、Bで検出できる電子の数は(n-nPa)Pb個

というのが違うと思います。
(n-nPa)個の管ではAで電子が観測されていないので、Bで電子が発見される確率がPbより高くなっています。
具体的には、Pb/(1-Pa)になります。(根拠はすでに示しています。)
とすると、

Bで検出できる電子の数=(n-nPa){Pb/(1-Pa)}=n(1-Pa){Pb/(1-Pa)}=nPb

となり、「Aで観測を行わなかった場合」と同じことになります。
つまり、Bで検出できる電子の数はAでの観測の有無は関係ありません。

  投稿者:nob - 2007/06/23(Sat) 02:11  No.1726 
T_NAKA様
深夜までお付き合い頂きありがとうございます。

ご指摘のことは理解しているつもりです。
仰るとおりAとBの観測を同時に行った場合は区別はつきません。
この場合は確かに量子論を持ち出すまでも無いとは思います。

しかしAで観測を行い検出されなかった場合、その後十分に時間を置けばBでの存在確率は再びPbに戻るのではと思ったのです。
Aで観測した瞬間にはそこに存在確率に穴が開きますが、
未来永劫そこには電子が検出されないというのは変です。
Aでの観測の結果Bでの存在確率が瞬時に増えたのですから、
観測が終われば存在確率は瞬時に下がり始めるのではないでしょうか?
Bでの存在確率が完全にPbに戻るかどうかは分りませんが、時間が経てばPb/(1-Pa)よりは小さくなるはずです。
Pa,Pbは事前に計算可能なので少しでも小さくなれば観測可能なはずです。

この件はEPRではないというご指摘も分ります。
ただ私の疑問な点は結局のところ波動関数の収縮が時空の中でどのように伝播していくのかという部分ですので、
1番のように粒子が複数存在するEPRな状況でも、結局のところ疑問点は同じではないかと。

凡人様
ありがとうございます。
私も計算はできませんです。。。

1番の場合について
例えばですが運動量の総和を0になるようにして、Fで電子と陽電子対を反応させたとします。
そうするとγ線が2個発生します。
発生元の運動量0なので、2個の光子はそれぞれ反対方向で同じ大きさ運動量を持っているはずです。
この2個の光子はEPRペアです。(そうでないと不確定性原理が崩れます)

さてDFHとEFGがそれぞれ直線状に並んでいると仮定します。
すると上に向かった光子がBで検出されれば、自動的に下に向かった光子はHを通ったことが分ります。なぜならFで上下に発生する光子は、逆向きの運動量を持っていることが分っているからです。
同様に上の光子がEで検出されなければ、下の光子はGを通るはずです。

ここで下側のJだけに干渉縞が生じるのは不自然に思えます。
なぜなら下の粒子はどちらのスリットを通ったか特定されてしまっているからです。

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/23(Sat) 10:35  No.1728  <Home>
>しかしAで観測を行い検出されなかった場合、その後十分に時間を置けばBでの存在確率は再びPbに戻るのではと思ったのです。
>Aで観測した瞬間にはそこに存在確率に穴が開きますが、未来永劫そこには電子が検出されないというのは変です。

それはそのとおりでしょう。ただしその時は、
「観測されたら管の中から電子は無くなるので、nPa個の管の中には電子がなくなります。」
というのが嘘になります。
Aの観測範囲に電子が居てもいいので、管の中にはn個の観測対象電子があり、Bで検出できる電子の数はnPb個になります。

どうもnobさんの確率の考え方は、私のものと異なるようですね。
普通Aの観測で観測系に影響を与えたとしても(波動関数の収縮が発生したとしても)とBで別な時間で観測した場合は、その観測結果は独立です。
特に、Aで「電子」が無いと観測された場合は、電子自体に影響を与えていないのですから、直後の波動関数は観測前の波動関数と変わらないと思います。(ここら辺は自信が無いですが。。)
そのように考えていますので、Aの観測はあっても無くても、Bの観測結果には影響しないということになります。

  投稿者:凡人 - 2007/06/23(Sat) 12:17  No.1729 
nobさま
>ただ私の疑問な点は結局のところ波動関数の収縮が時空の中でどのように伝播していくのかという部分ですので、
についてですが、まず、明男さまがおっしゃられた、「波束の収縮は現在矛盾なく考えうる便法であるのかも知れません。」という事を押さえられたほうが宜しいかと思います。
「波動関数」それ自体や、「波動関数の収縮」というものについては、種々の書籍を読むと、現在においても、全ての物理学者の間でも完全な見解の一致を見ていないようです。
それでも、「波動関数の収縮」があると仮定すると、「波動関数の収縮」は、明男さまのご指摘していますが、「遠隔作用」とされているようですので、それが適用される全時空領域の中で「瞬時」に起きるのだと思います。
しかし、詰まるところ私は、「波動関数の収縮」は、量子の状態を観測により確定させると、遠隔地も含めた状態が瞬時に確定するという事だけを意味しているのだと思うのです。
そういう意味では、「波動関数の収縮」は、「状態関数の収縮」と読み替えられたほうがよろしいかと思います。
ところで、デビッド・ボームは、量子力学と等価だとされる量子ポテンシャル論の立場からではありますが、サイエンス社の記者から超光速通信の可能性について質問を受けた際に、「(超光速)通信するためには、それ(量子ポテンシャル)が何であるか知るだけでは駄目で、制御しなければなりません。」と返答したそうです。(『別冊・数理化学 量子の新世紀』P50)
この事から類推すると、nobさまがお考えになった1の装置でも2の装置でも、状態を制御出来ないが故に、超光速通信は出来ないと思うのです。
(1の装置で状態を制御できない事は、私が説明を試みましたし、2の装置の場合については、皆さまがご説明されたとおりだと思います。)
ご再考の程をよろしくお願いします。

  投稿者:nob - 2007/06/25(Mon) 09:10  No.1737 
T_NAKA様

私の書き方が雑多なのが悪いのだと思います。
書いている用語が錯綜しているので、誤解を与えているような気がします。
頭を冷やして書き直してみます。

>普通Aの観測で観測系に影響を与えたとしても(波動関数の収縮が発生したとしても)とBで別な時間で観測した場合は、その観測結果は独立です。

ここがよく分らないところです。
波動関数が収縮するということは、その「形」が変わる事と理解しています。
では波動関数の「形」は統計的に観測可能なのではないのでしょうか?
(結論としては仰るとおりになるのでしょう。そうでないと超光速通信が可能になってしまうので)

凡人様
>ところで、光子や電子等で、このような実験が成功したという話はあるのでしょうか?
無いと思います。
かなり難しそうですし。

>についてですが、「運動量の総和を0になるようにして、Fで電子と陽電子対を反応させ」るというような反応は、原理的に実現出来ないのではないでしょうか?
この0というのは、計算を単純にするための仮定ですから、だいたい0になれば良いと思います。
問題は下に行った光子がどちらのスリットを通ったかということを確定できれば良いので、極端に偏った運動量を持ってないことが保障できれば十分と思います。
静止させるのは難しそうですから、ほぼ同じ速度でFで激突させれば銅でしょうか?
(実はそれがこの装置がうまく動かない理由なのでしょうか。。。)

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/25(Mon) 12:32  No.1738 
>では波動関数の「形」は統計的に観測可能なのではないのでしょうか?

「統計的に観測」とはどういう状態なのか?ということを考えてみましょう。

管を等長に10区間に分けて考えて、ある特定の1区間に電子があったか無かったかの観測を繰り返して統計をとることを考えます。
ある時点の観測で電子があったとしても、「あった」というその記録をとるだけで、電子そのものを管の外に取り出してしまっていけません。(キャッチ・アンド・リリースを徹底しましょう。)

「ある特定の1区間に電子があった場合」→波動関数が収縮してその区間に電子の在る確率は1

「ある特定の1区間に電子が無かった場合」→波動関数が収縮してその区間に電子の在る確率は0

なので、記録は例えば「1、0、0、1、・・・・」などと1と0の数列になると思います。
この記録データから、統計的に「ある特定の1区間に電子が在る確率」を計算すると、

1となった回数/観測回数

ということになります。
私の考える「統計的に観測」とはこういうことです。

多分nobさんは、「ある特定の1区間に電子があった」と観測された直後に、再度同じ観測をすると、「ある特定の1区間に電子があった」という確率が高くなると思って居られるのでしょう。
これは電子を古典粒子と考えれば、そういうことも有りうるかも知れません。
(キャッチ・アンド・リリースした魚がまだ近くにいると考えるのは不自然ではないですから。)
そしてこの場合には、10区間が等確率になるまで時間が掛かり、このため超光速は実現できないでしょう。電子自身が動いていくだけの時間が必要であり、電子の速度は光速を超えられないので。。
先の例でいえば、Pb/(1-Pa)→Pbとなるためにはこの時間が必要です。

しかし、量子論で考えた場合はどうなるでしょうか?一様分布であれば「ある特定の1区間に電子があった」と観測された直後に、再度同じ観測をすると、「ある特定の1区間に電子があった」という確率が高くなるということはないのではないかと考えます。
つまり、「統計的に観測」すると 1となった回数/観測回数≒1/10 と当初想定した確率が出てくるだけだとおもいます。

さて、1の場合ですが、その理屈を進めると、スクリーンAに干渉縞が出来ると、Iというスリットのある壁が無くてもスクリーンJに干渉縞が出来るということになりませんか?
反対にCというスリットのある壁が無くてスクリーンAに干渉縞が出来ない状態だと、Iというスリットのある壁があっても、スクリーンJには干渉縞が出来ないということになりませんか?
何か変ですね。。

  投稿者:nob - 2007/06/25(Mon) 14:19  No.1739 
T_NAKA様

2については後ほど。

>さて、1の場合ですが、その理屈を進めると、スクリーンAに干渉縞が出来ると、Iというスリットのある壁が無くてもスクリーンJに干渉縞が出来るということになりませんか?

スリットが無いとうまく干渉縞が出来ないのではないでしょうか?
なぜならFから放出される光子はどこに飛んでいくか分らないからで、
関係ない所に飛んでいった放射が全て混じってしまいます。
またスリットは存在確率の波を回折させるため必要だったと記憶しております。

>反対にCというスリットのある壁が無くてスクリーンAに干渉縞が出来ない状態だと、Iというスリットのある壁があっても、スクリーンJには干渉縞が出来ないということになりませんか?

これはよく分りませんが。
AもCも無くても、検出器Bの存在の有無だけで、スクリーンJの干渉縞の有無が決定しそうな気もしますね。

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/25(Mon) 15:34  No.1740 
>なぜならFから放出される光子はどこに飛んでいくか分らないからで

まず、対象とする粒子は「電子」なんですか?「光子」なんですか?
これを明確にしましょう。
初等量子力学では「光子」をあまり議論していないです。
光子を量子としてちゃんと扱うには第二量子化が必要になり、初学者にはハンドリングが出来ないためでしょう。ここでは話を「電子」に絞りませんか?

さて、エンタングルな電子対で片方の位置が測定されたとき、もう一方の電子の位置はどうなると、nobさんはお考えですか?

それを明確にして下さい。そうでないと、論点が食い違います。
ちなみに、私は分からないです。ですから、この結果がどうなるかは判断できません。

  投稿者:Φマン - 2007/06/25(Mon) 15:39  No.1741 
以下のTANAKAさんのコメントに対してです。誤解だったらすみません。

特定の位置Aに電子を発見したら、そのあとキャッチアンドリリースすると、当然、次に電子を発見する確立はA付近が高くなるということになりますよね。もちろんリリースする時にある特定の方向に速度を与えると、話は別ですが。つまりリリース後、平均的にはエーレンフェストの定理にしたがって運動するわけなので、そっとリリース(つまり速度v=0でという意味)するとその位置からガウス分布の幅が広がっていくような運動をするわけだと思いますが。ある位置に電子を見出した後、時刻がt経ったときの電子分布はグリーン関数
G(x,y=A)=<x|exp(-iHt)|y=A>で与えられ、その形などは、たとえばファインマン・ヒッブスとかにあったと思います。

========================================================
しかし、量子論で考えた場合はどうなるでしょうか?一様分布であれば「ある特定の1区間に電子があった」と観測された直後に、再度同じ観測をすると、「ある特定の1区間に電子があった」という確率が高くなるということはないのではないかと考えます。
=======================================================

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/25(Mon) 16:16  No.1742 
Φマン さん、こんにちは。

なるほど、これは私の勇み足でした。エーレンフェストの定理で平均的には古典的粒子のように扱えるということですね。
とすると、Paというのは時間に関数Pa(t)ということと理解すれば良いのでしょうか?

B端で電子が観測できる対象電子数は、n-nPa(t)=n{1-Pa(t)}
B端で電子が観測できる電子数(期待値)=n{1-Pa(t)}[Pb/{1-Pa(t)}]=nPb

としか考えられないのですが。。
nobさんは上の式で「Pb/{1-Pa(t)}→Pb」であると主張されていますが、何の確信を持って言われているのか?理解できないのです。

  投稿者:Φマン - 2007/06/25(Mon) 16:32  No.1743 
すみません、書き込みの全てを読んだわけでないのででないので、議論がフォローできていません。TANAKAさんの書き込みをざーと読んで、「あれ」と思ったので書き込みしただけなのです。私自身こういった議論には詳しくないので、コメントはひかえています。興味はありますが、考え始めると時間がかかりすぎて仕事に差支えるためです。議論の細かいところに突っ込みを入れてしまったかもしれませんね・・・ 申し分けない。

  投稿者:kara - 2007/06/25(Mon) 18:48  No.1744 
こんにちは。前に書き込んだことのある者です。

上側に飛んだすべての光子(電子)がBで検出されるわけではないので、下側にはやはり干渉パターンが生ずるのではないかと思います。

Bで検出された光子(電子)のかたわれだけを集めれば干渉パターンは消えると思いますが、どれが検出された粒子のかたわれかわかるためには、上側の人に聞かないといけませんね。

  投稿者:タケオ - 2007/06/25(Mon) 19:59  No.1745 
興味のある話題なので口をはさんでみます。

>>T_NAKAさん
B端で電子が観測できる対象電子数は、n-nPa(t)=n{1-Pa(t)}
B端で電子が観測できる電子数(期待値)=n{1-Pa(t)}[Pb/{1-Pa(t)}]=nPb
との事ですが、Aで観測をした直後においては正しいと思います。
しかし、nobさんの言っておられるのは、Aで観測をしてからしばらく時間が経った後の話だと思います。

自分の理解しているnobさんの主張は、以下のようなものです。

Aで観測してからBで観測するまでの時間を、光速でもAからBまで到達できないが十分長い時間tとします。
・Aで電子が観測された場合、その電子はt秒後にBで観測される事は無い
・Aで電子が観測されなかった場合、その直後にはBで電子が観測される確率はPb/{1-Pa}であるが、t秒後には、電子の密度分布は時間発展の結果元のPbに戻っている。(t→無限大では、熱平衡の状態に戻りますよね)

以上より、、Aで観測を行ったt秒後にBで電子を見つける確率は、Pa*0 + (1-Pa)*Pb=(1-Pa)*Pbとなります。



しかし、結局nobさんの主張は間違いであると思います。
問題点は、「t秒後には、電子の密度分布は元のPbに戻っている」という部分です。

正確には相対論的量子力学で扱わなければいけないと思いますが、以下のように考えればいいかと思います。(光速度以上で情報が伝わるのではないかという主張に対して、情報が光速度以下でしか伝わらないという事を用いて反論する事になってしまいますが。)

Aで電子が観測されなかった後に、Bで電子を観測する確率がPb/{1-Pa}から変化する為には、「Aの部分で電子の分布密度が0になっている」という情報がBに伝わる必要があると思います。
そしてその情報は光速度でしか伝わらないので、結局、AからBへ光速で移動するのに必要な時間の内には、Bで電子を見つける確率はPb/{1-Pa}のまま一定で、Pbには戻らないという結果になると思います。

  投稿者:大学生A - 2007/06/25(Mon) 20:22  No.1746 
>>タケオさん

私は量子力学をかじったことがありません。
ド素人の浅い疑問なのですが、AとBとで同時に観測した場合、
確率の和は任意の時刻で1になるのですか?
もしそうなら、片方の情報が瞬時に伝わっていると、
解釈できるのではないのですか?

  投稿者:凡人 - 2007/06/25(Mon) 21:36  No.1747 
nobさま
>この0というのは、計算を単純にするための仮定ですから、だいたい0になれば良いと思います。
「だいたい」の度合いは、∠DFE(=∠GFH)によると思います。
C-Iの距離を遠ざければ、これらの角度を狭めざるを得ませんので、「だいたい」の度合いは、限りなく0に近づけざるをえないのではないでしょうか。
また、電子と陽電子の衝突確率を高めるためには、対向させる電子と陽電子のビームを細くする必要がありますが、その為には、電子と陽電子にそれぞれ高いエネルギー加えなければなりませんので、「だいたい」の度合を0に近づけるのは、技術的に困難になって来ると思います。
そして、高いエネルギーを加えれば、
http://www.kek.jp/newskek/2002/mayjun/interview2.html
でも示されている通り、いろいろな反応が生起することにもなります。

大学生Aさま
>もしそうなら、片方の情報が瞬時に伝わっていると、
>解釈できるのではないのですか?
「情報が瞬時に伝わ」るという意味は、ある地点の状態の変更が、瞬時に他の地点の状態を変更するという事を意味しないでしょうか?
たとえば、2の装置の場合は、Aの側の電子の状態(有無)を観測により確定させても、Bの側の電子の状態(有無)が確定するだけで、Aの側もBの側も状態を変更させる事にはならないのではないでしょうか?
出来れば、実際に2の装置を「通信装置」と見立てて思考実験をされて確認されるのが、尤もよろしいかと思います。

  投稿者:大学生A - 2007/06/25(Mon) 22:04  No.1748 
>>凡人さん

レスありがとうございます。「さま」はやめてください。
くすぐったいです。
すみません。よくわかりません。撤退します。w

いや、中学生レベルの疑問ですから、無視してください。

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/25(Mon) 23:41  No.1749  <Home>
考えてみると、「キャッチアンドリリース」という言葉が悪かったですね。
>観測されたら管の中から電子は無くなるので、nPa個の管の中には電子がなくなります。
なんて言われていたので、戻すということを強調してしまいました。ですからv=0とは限定できません。
ある程度の確定した運動量があると、時間経過で、存在確率は管全体に広がります。

さて、次のpdf「EPRパラドックスからベルの不等式へ」
http://as2.c.u-tokyo.ac.jp/lecture_note/kstext04_ohp.pdf
の11ページに、「粒子1の位置を測ることにより、粒子2の位置を知ることができる」となっています。
つまり、エンタングルの電子対であれば、位置に関しても相関があるということになりますね。
これが上下の干渉縞のケースにどのように関わるかというのが、良くわかりません。

  投稿者:EMAN - 2007/06/26(Tue) 00:26  No.1750 
 ここでも、似たようなQ&Aがあるのを見つけました・・・。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/qa_a93.htm#q579

 しかし、回答の中では、
> ここに描いた通りの実験は行われておらず、
>「これとほぼ同等な実験」が実施されただけです。
と書いてありますね。

 質問者は
http://journal.mycom.co.jp/news/2003/05/29/09.html
というサイトを参考に挙げていて、
そこでは、一方を観測すると干渉が消えるようなことが書いてあります。

 しかし回答では、やはりよくある光子の偏光の話で説明していて、どうもすっきりしません。
 私はまだ詳しく読んではいませんが。

  投稿者:kara - 2007/06/26(Tue) 00:30  No.1751 
T_NAKAさん

>つまり、エンタングルの電子対であれば、位置に関しても相関があるということになりますね。

ということですが、リンクされておられる清水先生の記事の、運動量についてエンタングルしている8ページの方の例では、2粒子の位置の相関はないですね。

nobさんの考えておられる系では、むしろこの運動量についてエンタングルしているのに近いでしょうから、多少の位置の相関があるにしても、干渉縞が見えるほどのスリット間隔(ドブロイ波長程度)のスケールでは、恐らく問題にならないのではないかと思います。と考えてみれば、Bで検出されたものだけ集めたとしても干渉パターンをやはり消えない、かも知れません。

  投稿者:kara - 2007/06/26(Tue) 01:59  No.1752 
EMANさんの挙げられたリンクを読んで、僕は自分の見落としに気づきました。二粒子がエンタングルしているとき、その重ね合わせられた2つの状態の中の、一方の粒子の状態同士は、干渉しないということです。

http://journal.mycom.co.jp/news/2003/05/29/09.html

の方で、記事中に、干渉「模様」という言葉がありますが、これはミスリーディングですね。一方の粒子の観測位置にいちいち視点の基準を置けば、他方の観測結果は「模様」になるかも知れませんが、それぞれの位置での観測者からみれば、干渉パターンは現れないのだと思います。

  投稿者:nob - 2007/06/26(Tue) 02:05  No.1753 
皆様いろいろの回答をありがとうございます。

EMAN様

確かに同じような質問が出てますね。
詳しく読んでみます。
ありがとうございました。

タケオ様
>しかし、nobさんの言っておられるのは、Aで観測をしてからしばらく時間が経った後の話だと思います。
その通りです!
ありがとうございます。

>Aで電子が観測されなかった後に、Bで電子を観測する確率がPb/{1-Pa}から変化する為には、「Aの部分で電子の分布密度が0になっている」という情報がBに伝わる必要があると思います。
>そしてその情報は光速度でしか伝わらないので、結局、AからBへ光速で移動するのに必要な時間の内には、Bで電子を見つける確率はPb/{1-Pa}のまま一定で、Pbには戻らないという結果になると思います。

つまりAで見つからなかった場合の波動関数の伝播(収縮?)は光速度(それとも電子の移動速度以下)であるとの理解でよろしいのでしょうか?


kara様、T_ANAKA様
「電子陽電子対を衝突させて…」というケースはたまたま思いついただけですが…
つまり運動量と位置を同時にエンタングルしたペアを作ることが出来るという認識が間違っていると言うことでしょうか?

「EPRパラドックスからベルの不等式へ」を読んでみました。
天才でないと分らないと…
私には一生無理かも…orz

凡人様
なるほど。
では超光速通信にはならないですがFとGHIJを近づけてみたらどうなりますでしょうか?
またBCは取り除きスクリーンAだけを置きます。
下のように片側だけスリットを配置すればAの有無により干渉縞が出来たり消えたりしそうです。
しかしAの方が遠ければJでの干渉縞の有無を確認してから、スクリーンAの配置を決定出来てしまって因果関係がよく分らなくなります…


------------------------------------------------- A



              □ F

        G          H
------------- --------------- ----------------- I

------------------------------------------------- J

  投稿者:凡人 - 2007/06/26(Tue) 02:17  No.1754 
nobさん(大学生Aさんの指摘がありましたので、「さま」を「さん」とすることにしました。)
ビーム内の電子と陽電子は、真空偏極やビーム内の他の電子や陽電子の影響を受けて、運動量が不確定となるという事を言い忘れていました。
この理由からも、電子と陽電子を衝突させて、高い精度で正反対方向に光を放出させる事は、きわめて困難といわざるを得ません。
ちなみに、EMANさまから教えていただいた
http://journal.mycom.co.jp/news/2003/05/29/09.html
については、出来れば後で良く考えて見たいと思います。
「Aの有無により干渉縞が出来たり消えたりしそうです。」については、こうなる根拠をもう少しご説明願います。

  投稿者:nob - 2007/06/26(Tue) 09:48  No.1756 
では
凡人さん

>「Aの有無により干渉縞が出来たり消えたりしそうです。」については、こうなる根拠をもう少しご説明願います。

(ご指摘があったので、使う粒子は電子とします。)
元の装置では上側に行った電子が検出器Bの位置を通るか否かで
下の電子がG,Hのどちらを通ったかを識別しようとしていましたが、
スクリーンAで電子がどこに当たったかを見ればわざわざ検出器Bを置かなくても良いと思った次第です。
つまり上側は干渉縞などどうでもよくて、飛来する電子の位置を知りたかった訳ですので。

http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/qa_a93.htm#q579
こちらのページを読んでみましたが、なぜ出来ないかはよく分りませんでした。
この中に出てくる伝播関数なるものが肝なのでしょうか。

量子コンピューター理解への道は遠く険しそうです…

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/26(Tue) 09:51  No.1757 
>つまり運動量と位置を同時にエンタングルしたペアを作ることが出来るという認識が間違っていると言うことでしょうか?

私はそんなことは言った憶えはないです。
ただ、「運動量」を測定する装置と、「位置」を測定する装置は違うものですから、同時に測定することは不可能だと思います。「運動量」を先に測定すれば「位置」の測定に影響が出てしまうので、エンタングルしたペアの片方を測定の不確定性はもう一方にも相関します。
当初のEPR論文はここのところを誤解して「不確定性原理に反して運動量と位置を同時に確定できる」として「量子力学は不完全である」と主張していると理解しています。

それから、ご提示のモデルで「運動量の測定」は実行されていないと思うのですが、何故「運動量のエンタングル」を問題にされるのか?理解できません。
私はスクリーン上の干渉縞を見ること自体が「位置の測定」だと思っております。
よってBの測定が無くても、スクリーン上で干渉縞ある場合、もう一方の粒子は位置が相関しているので、「Iというスリットのある壁が無くてもスクリーンJに干渉縞が出来る」と考えられると言ったのです。この疑問に答えていただける方はいらっしゃらないでしょうか?

  投稿者:凡人 - 2007/06/27(Wed) 01:31  No.1762 
nobさん
仰りたいことは分かりましたが、
>スクリーンAで電子がどこに当たったかを見ればわざわざ検出器Bを置かなくても良いと思った次第です。
という内容には賛同できません。
何故ならば、この場合、「Aで電子がどこに当たったかを見」ても、電子の「経路」は、全く確率的にしか確定しないと思うのです。
私も良くわからないのですが、それが、量子力学の確率解釈というものだと思います。
因みに、電子の運動エネルギーが低い場合は、不確定性原理により、電子の「経路」の不確定性が、より高まるのではないでしょうか?
ファインマンの経路積分を勉強すれば、このへんのところが理解しやすくなるかもしれません。

>量子コンピューター理解への道は遠く険しそうです…
将来を嘱望されている方は、人類の夢の実現の為に、どうか驀進下さるようお願いいたします。

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/27(Wed) 13:34  No.1764 
どうも、次のページにあるのが正解のようですね。
http://aol.okwave.jp/qa2833148.html?ans_count_asc=1
スクリーン上にはそのままでは、干渉縞は見えないようです。
計算処理をして初めて干渉縞が現れてくるということでしょうか。
なんかスッキリはしませんが、、

  投稿者:nob - 2007/06/27(Wed) 14:40  No.1765 
T_NAKA様

なるほど。
このページを見てちょっと閃きました。
間違ってるかもしれませんが。

こういうことでしょうか?
電子(光子でも)のEPRペアの片側だけを観測しても干渉縞は生じない(というか干渉縞には見えない)
両方の情報をつき合わせて初めて干渉縞であることが分かる。

ではEPRペアではない単独の電子を使った場合に何故干渉縞が生じるか?
それはその電子と観測者である「自分」がその電子とEPRペア(?)である。つまりエンタングルメントな関係にあるから…

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/27(Wed) 16:44  No.1766 
>EPRペアではない単独の電子を使った場合に何故干渉縞が生じるか?

というのは標準的な量子力学の教科書に書いてあり、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

「EPRペアでは干渉縞には見えない」というのが何故か?ということを問題にすべきでしょう。
次から次へと、妙な思考を巡らせるのは、得策ではないと思います。

  投稿者:EMAN - 2007/06/27(Wed) 18:14  No.1767 
 EPRペアでは、測定の有無に関わらず、
干渉は起きないということなんですね。
 これは意外でした。
 いつか、数式で示せるように勉強したいです。

 これは今月の日経サイエンス(8月号)の記事になっている
量子消去実験にどことなく似ていますね。

 人間が観測するか観測しないかに関わらず、
原理的に位置が特定されてしまうような装置を組めば、
干渉は消える。
 ところが、その装置がそのまま動作中であったとしても、
その観測結果を分からないようにする装置を間に挟めば、
なぜか干渉は起きるようになる・・・。
 という不思議な話が載ってました。

 量子っていうのは何てひねくれてるんだろう。
 まるで一定以上の情報は与えたくないように見えます。

  投稿者:Φマン - 2007/06/27(Wed) 20:44  No.1768 
干渉が存在しないと見えないは少しニューアンスが違うと思います。ちょっと書かせてください。確認から

EPRペヤー:運動量がエンタングルされた量子ペアー
実現方法 :原点に静止していた粒子が崩壊して2量子へ崩壊するような場合、崩壊後も運動量保存則が成立しているので運動量のエンタングルは単純に実現できる
状態 : φ=A1(x)×B3(y) + A2(x)×B4(y)

A1(x)=電子Aがスリット1を通って最終的にスクリーンの位置xへいく振幅
A2(x)=電子Aがスリット2を通って最終的にスクリーンの位置xへいく振幅

B3(y)、B4(y)は電子Bに対する波動関数で、但し、スリットs3はs1と反対方向に設置、s4はs2と反対方向へ設置。なぜなら電子Aが運動量pで飛ぶと、電子Bは運動量−pで逆に飛んで行くから、このような設定にしたほうがノーテンションが簡単。

電子ABは運動量保存則でエンタングルされているので、例えばAが運動量pだと、Bは−p、トータルで常に運動量がゼロであると言うような例を念頭におくと、上に書いたエンタグルメントが実現していることがわかる。

完璧ではないけど、先ずは運動量pを持った平面はで各経路を通る波動関数を近似して計算します。

例えばA1(x)=exp(i p.s1)exp(ip'.(x-s1))
A2(x)=exp(i q.s2)exp(iq'.(x-s2))

s1=スリット1の位置座標
p=電子Aがスリット位置S1に飛んでいくときの運動量
p'=スリット1で運動量方向を変えられた電子がxまで飛ぶ時の運動量。

対応した電子Bが運動量−pを持ってスリットs3を通ってyへ到達する振幅は

B3(y)=exp(−i p.s3)exp(ip'.(y-s3))
B4(y)=exp(−i q.s4)exp(iq'.(y-s4))

こういう単純化した振幅で二乗をとると

|φ(x,y)|^2 = Cos((p'-q').(x-y)+δ)^2

細かい注意点
(1)δ=スクリーン座標に寄らない位相
(2)p’、q’はスリットでの屈折によるが、実験器具のセットアプだけに依存するでしょう。つまりx、yには依存しない。
(3)本来pもqもp’もq・もある重みを振幅にかけて積分される変数ですが、大雑把な近似としては固定された値としても本質は見えるだろうと予想。

こういったケース、yを固定すれば干渉項はみえてますよね。
しかし、yを積分すると、干渉パタンを平均して均してしまうので、干渉パターンをデーターから引き出せない。

単純にいえば、一つの電子での通常の干渉実験だって、スリットや、電子銃の位置をずらして実験して、全てのデーターを平均すると干渉が見えないことと同じようなことでは。
となります。





  投稿者:Φマン - 2007/06/27(Wed) 21:33  No.1769 
B3、B4のスリット通過後の運動量は、回折されたあとなので、
A1,A2とのp1’,q1’とは一般には異なるところを、書き落としていました。計算結果と結論は変わらないのですが、気になる人がいるかもしれないで書き込みしておきます

  投稿者:nob - 2007/06/28(Thu) 00:13  No.1770 
皆様
ありがとうございます。
だんだん分ってきました。
これで明日から朝は起きることが出来そうな気がしてきました。

Φマン様
詳しい説明ありがとうございます。

数式を使わずに平たく書けばこういうことでしょうか。
実は干渉縞はできるがその間隔に比例して、電子Aと電子Bの波長は長くなる→運動量が小さくなる→位置の不確定性が出てくる→スクリーン上の点が散乱する→結局、波長に関わらず観測者から見れば干渉縞には見えない
しかし電子Aと電子Bは互いに相関をもっていて、痕跡を見て座標を引き算(?)すれば、お互いに干渉縞を形成していることは後から分る。
つまり電子Aが後ろを振り返ると電子Bが干渉縞を作っているのが見えるはず。(もちろん1回では見えませんが、繰り返すことで見えてきます)

では単独の電子銃で打ち出した電子では、観測者から見て干渉縞に見えるのは何故か?
それは観測者-地面-壁-電子銃-電子と最初からくっついていて相関を持っていて、
お互いに位置の不確定性を生じないから。
これは上で述べた電子Aが電子Bを振り返ってみるのと同じ理屈。

ではこの単独電子の装置全体を完全に外界から量子的に隔離して、まったく別の観測者が見てみるとやはり干渉縞には見えないはず。。。

T_NAKA様
>「EPRペアでは干渉縞には見えない」というのが何故か?ということを問題にすべきでしょう。
>次から次へと、妙な思考を巡らせるのは、得策ではないと思います。

これはすみません。
長い間分らなかった問題が突然に分ったので、嬉しくて時間も無いのに思わず書き込んでしまいました。
言葉足らずでしたm(_ _)m

EMAN様
> 量子っていうのは何てひねくれてるんだろう。
> まるで一定以上の情報は与えたくないように見えます。

ほんと不思議ですね。
個人的には多世界解釈がなんとなく好きです。
でも並行世界が存在するということは、確率のほとんどない世界も存在する訳で
いまこの瞬間地球を構成する原子が全部トンネル効果で突然に核分裂をおこして爆発するとか
逆に核分裂が起こらずにいきなり原子炉の運転が止まってしまうとか
そんな世界もあるのかなー、などと妄想したりしてしまいます。。。

凡人さん
>>量子コンピューター理解への道は遠く険しそうです…
>将来を嘱望されている方は、人類の夢の実現の為に、どうか驀進下さるようお願いいたします。
量子コンピューターってどうなんでしょうか。
私は既に30代後半ですが、私が年金生活に入る前に完成するでしょうか。
デジタルコンピューターで言えば、まだ真空管すら出来てない時代みたいなものですね。。。

  投稿者:凡人 - 2007/06/28(Thu) 00:28  No.1771 
Φマンさん(申し訳ありませんが、質問内容がかなり誤っていたので、訂正させていただきました。6/28 PM10)
>実現方法 :原点に静止していた粒子が崩壊して2量子へ崩壊するような場合、崩壊後も運動量保存則が成立しているので運動量のエンタングルは単純に実現できる
「原点に静止していた粒子が崩壊して2量子へ崩壊するような場合」を容易に起こせない事を、nobさんの1の装置を一例にして、一貫して疑義を唱えてきたのですが、いかかでしょうか?

EMANさん
>量子っていうのは何てひねくれてるんだろう。
私は宇宙の量子全てが、一つ残らず生真面目に、因果律を守るための辻褄合わせをやってくれているように思えてなりません。

nobさん
>量子コンピューターってどうなんでしょうか。
実用化するのは、核融合と同じぐらい難しいのかもしれません。
けれども、夢は持ち続けるべきだと思います。
夢を追いかけるうちに、追いかけた夢以上の夢を実現させないとも限りませんから。

  投稿者:ワイル - 2007/06/28(Thu) 12:04  No.1773 
nobさん、こんにちは

>量子コンピューターってどうなんでしょうか。

量子コンピュータは、仮に完成しても、現在主流の電子式のコンピュータとは、
・原理が違う
・プログラムの作り方、というか、アルゴリズムからして違う
(いわゆる、量子計算のアルゴリズムを開発しなければならない)
・量子計算のアルゴリズムが開発されている分野(たとえば、暗号解析)などでは、量子コンピュータは、電子式コンピュータより、はるかに光速・強力だが、そうでない分野においては、量子コンピュータは、あまり期待できそうない
・従来の電子式コンピュータのソフトウェア資産などの継承は、難しいでしょう
といった理由から、当面は、現在の電子式コンピュータに代わって普及する存在、とはいえないようですね。

しかし、量子コンピュータは、暗号解析以外に、物理学などへの応用では、量子力学や場の量子論、超ひも理論、量子化学、ゲノム解析などの計算には、上手に量子計算のアルゴリズムが開発されれば、現在の電子式コンピュータより、はるかに高速・強力である可能性は、考えられますね。

ブルーバックスなどにも、量子コンピュータを解説した書籍があったと思います。

また、現在主流の電子式コンピュータに代わる方式・原理のコンピュータとしては、量子コンピュータ以外にも、光コンピュータ、バイオ・コンピュータなども考えられていますが、どれも、電子式コンピュータに代わって主流になれそうない感じですね。

  投稿者:明男 - 2007/06/28(Thu) 12:34  No.1775 
>T_NAKAさん
こんにちは、明男です。
ERPの片割れでは干渉縞ができない、というのは本当でしょうか?EMANさんも「意外」と書かれていますが、表記の記事にある実験にはそのようなことには触れていない気がします。あくまでも量子もつれ状態にある2光子の干渉について、通常の見解と異なるものではないようです。当然単独光子の干渉とは違って、同時計測が必要なのはうなづけるとして、スリットでの観測による干渉の消失など、期待どおりの実験です。
たとえ「片割れ」でも、単独で測定を続ければ、スリットの効果で干渉縞は出来るんじゃないですかね。私もちょっと納得いかないですね。

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/28(Thu) 13:16  No.1776 
明男さん、こんにちは。

>表記の記事にある実験にはそのようなことには触れていない気がします。

確かに、そうなんですよね。しかし、あの実験のpdfを読むと、超光速通信が出来てしまうように思えます。
EPR実験の解説では、瞬時に非局所の相関が見られますが、それを確認するにはお互いのデータを比較しないといけないので、結局「超光速通信は出来ない」という結論が多いですよね。
そうすると、片側だけでは干渉縞ができないというのは理にかなっていると感じました。

また、EMANさんご紹介の
http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/qa_a93.htm#q579
中でも、「相関が現れる舞台も、『スクリーン上の干渉縞』ではなく、『同時計数器などで得られたデータを示すグラフ』です。」という回答になってますね。

さらに、Φマンさんのご説明で、「|φ(x,y)|^2 = Cos((p'-q').(x-y)+δ)^2 において、「y=定数」とすると、干渉縞が現れますが、yを変数にして積分・平均すると、干渉縞が消えてしまう」というのに納得してしまいました。

ただ私の理解力では「これらの回答が合っているんじゃないか」というレベルの認識です。
どうも量子力学は苦手なんです。。

  投稿者:sym - 2007/06/29(Fri) 02:23  No.1779 
nobさん、はじめまして。いろいろ面白そうなことを考えていらっしゃいますね。私はこういうことを思いつけないので、nobさんがうらやましいです。

本題なのですが、
nobさんが仰っている様な、もつれ状態の2重スリットの実験は、現実には少し難しいように思います。少なくとも、現在よく実験されているレーザーと非線形結晶を使ったもつれ光子の発生方法では上記の実験はできないはずです。

しかし、
ここでは、実験が可能だとして、どうなるかを考えてみます。実験系は初めの、光子対のそれぞれに2重スリットが用意されているものとします。
2つのスクリーンにそれぞれ干渉縞は現れます。次に、片方に何らかの測定を行い、その干渉縞が消えたとします。このとき、もう片方の干渉縞は影響を受けません。2つの干渉縞の間に相関は無いはずです。もつれているのは運動量であり、一方を測定し運動量が確定しても、他方の光子の位置は不確定のままだからです。
この実験系では光子の運動量がもつれていても、光子の位置がもつれていないため、それが意味を成していません。そこで、運動量と位置の不確定性が問題とならないようなスケールで実験を行うことを考えます。そうなれば、運動量から光子がスクリーンのどこに到達するか決定でき、もつれ光子の2つの、スクリーンの到達位置に相関を持たせることができます。
しかし、このスケールでは、スリットが大きく光が直進するため、初めに考えていたものとは異なった実験となってしまいます。


ちなみに、もつれは、実験系がもつれ光子のもつれ情報の交換に対し完全に対称でないと解けてしまうらしいです。もつれ光子はそれが自分ではなく他人だと認識した時点で解けるというのです。この辺は不思議で面白く、そして、よくわからない点でもあります。
量子力学の基礎実験を行う条件は相当厳しいのではないかと思います。実際に実験するときの苦労はよく知らないのですが、面白い実験はどうしたらできるのか、と漠然と考えてしまいます。

思うところを書いてみましたが、結局、もつれ状態を使って超光速通信ができないかどうかはよくわからなくなりました。考えていると段々できるような気がしてきます。




  投稿者:T_NAKA - 2007/06/29(Fri) 11:14  No.1780 
symさん、こんにちは。

これは、反論している訳ではないので、気を悪くしないで下さい。

>もつれているのは運動量であり、一方を測定し運動量が確定しても、他方の光子の位置は不確定のままだからです。

このモデルでは、どう考えても、運動量測定は実施されていないように思えるのです。
スクリーン上の輝点は位置の測定でしかないでしょう。
さて、エンタングルな2粒子で全体の運動量が保存しているというのは了承済みとして、位置に関してはどうなんでしょうね?
あまり有効なモデルとは思えませんが、波束モデルで考えると、短時間であれば相対位置の相関はあるような気がします。(この場合位置の相関とは分布の平均値という意味です。)
そうすると、Φマンさんの計算からは「2つのスクリーンにそれぞれ干渉縞は現れる」ということは無いと思うのですが。。確信はありません。

  投稿者:sym - 2007/06/29(Fri) 14:27  No.1786 
T_NAKAさん、こんにちは。symです。

痛いところを突かれました。この辺りを間違えずに説明するのが難しくつい言葉が少なくなってしまいました。

>もつれているのは運動量であり、一方を測定し運動量が確定しても、他方の光子の位置は不確定のままだからです。

これは、一方を測定すればもつれが解け個々の光子の運動量が確定するという意味です。運動量をわざわざ測定する必要はないのです。

また、生成したもつれ光子対のもつれ度を2重スリットを使って測定する際、スリットの幅はmmオーダーであり、光は光線として取り扱うのだということに注意してください。これで大体わかるんじゃないかと思います。

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/29(Fri) 15:27  No.1787 
>2つのスクリーンにそれぞれ干渉縞は現れます。次に、片方に何らかの測定を行い、その干渉縞が消えたとします。このとき、もう片方の干渉縞は影響を受けません。

ということですが、EMANさんご紹介の次のページでは影響を受けることになっています。
http://journal.mycom.co.jp/news/2003/05/29/09.html
詳しいpdfは次にあります。
http://www.nii.ac.jp/hrd/HTML/OpenHouse/h15/archive/pdf/y-yamamoto....&#8203;
この4ページのグラフを見ると、「信号光子とアイドラー光子の同時計数レート」となっていて、横軸が「y-y'」と相対位置になっていることが注目ポイントです。

私は、通常考える絶対位置での干渉縞は観測されないのではないかと思っています。
http://aol.okwave.jp/qa2833148.html?ans_count_asc=1
ここでの回答はそのようになっていますね。まあ、その受け売りですが。。

  投稿者:kara - 2007/06/29(Fri) 15:56  No.1788 
絡み合ったときは干渉性が失われるについて僕が理解しているところを、ざっくり書くと、

絡み合ってないとき

φ_1(x)+φ_2(x)

という風に重ね合わさる。

Ψ(y)で書かれる粒子と絡み合っているとき

Ψ_1(y)φ_1(x)+Ψ_2(y)φ_2(x)

なので、φの粒子がxにいる確率を考えるとき、yについてもせきぶんするので、はじめの式のような重ね合わせによる干渉は見えない、となります。

Ψ_1(y)=Ψ_2(y)のときは、はじめの式と同じ干渉が見られるはずですが。

  投稿者:sym - 2007/06/29(Fri) 16:17  No.1789 
>2つのスクリーンにそれぞれ干渉縞は現れます。次に、片方に何らかの測定を行い、その干渉縞が消えたとします。このとき、もう片方の干渉縞は影響を受けません。

ここで考えているのは”古典的な”2重スリットによる干渉実験です。すなわちスリットの間隔は光子の波長程度です。

そして、紹介のpdfの4ページのグラフの横軸の単位は[mm]です。この実験では、あるもつれ光子対の間の相関を測定しています。

2つは異なる実験です。

  投稿者:nob - 2007/06/29(Fri) 16:46  No.1790 
T_NAKA様

>このモデルでは、どう考えても、運動量測定は実施されていないように思えるのです。
>スクリーン上の輝点は位置の測定でしかないでしょう。

外してたらすみません。
結果的に運動量は計測されていることになってるのではないでしょうか?
光子なら波長から運動量の大きさが分ってるはずです。
電子でもスクリーンに当たる際に放出される運動エネルギーから速さは分ってしまいます。(距離がわかってますから到達時間でもわかります)
発信元と当たった場所から、向きも分ります。

sym様
>いろいろ面白そうなことを考えていらっしゃいますね。
>私はこういうことを思いつけないので、nobさんがうらやましいです

まだまだ量子論は理解には程遠い状況です。
文字通りただの思いつきなので。。。

さて
>nobさんが仰っている様な、もつれ状態の2重スリットの実験は、現実には少し難しいように思います。少なくとも、現在よく実験されているレーザーと非線形結晶を使ったもつれ光子の発生方法では上記の実験はできないはずです。

なるほど!
以前から疑問に思っていたことがまた理解できました。
(勘違いしてただけですが)
EPRペアというと、位置、運動量、スピンが全て相関をもっているものだとばかり思っておりました。
非線形結晶の実験ではスピンだけが相関なのですね。
位置も運動量も測定しないで、光ファイバーを通したり、鏡で反射させるなんてどうやってるのかと不思議に思ってました。
光子も運動量を持ってますから、鏡で反射したら反動で鏡が動きますから…


ワイル様

私もブルーバックスの量子コンピューターを読みました。
分りやすくて入門に良いですね!

>また、現在主流の電子式コンピュータに代わる方式・原理のコンピュータとしては、量子コンピュータ以外にも、光コンピュータ、バイオ・コンピュータなども考えられていますが、どれも、電子式コンピュータに代わって主流になれそうない感じですね。

確かに主流ではないです。
バイオコンピュータは分りませんが、光素子は電子式コンピュータの一部として無くてはならないものになってますね。周辺機器や通信とかです。
量子コンピューターももし作られたら、昔の(今でも?)CPU外付けベクトル演算プロセッサみたいに、通常のコンピュータの周辺機器みたいな使われ方をするのではないかと思います。

  投稿者:T_NAKA - 2007/06/29(Fri) 17:36  No.1792 
>光子なら波長から運動量の大きさが分ってるはずです。
波長はどうやって測るのですか?

>電子でもスクリーンに当たる際に放出される運動エネルギーから速さは分ってしまいます。(距離がわかってますから到達時間でもわかります)
運動エネルギーはどうやって分かるのでしょうか?

>発信元と当たった場所から、向きも分ります。
では古典的干渉実験で、発信元とスリットを結んだ線上にしか粒子は到達しないことになりますよ。スリット自体を新たな発信元としても、どちらのスリットから飛んできたかは分からないでしょうね。

と細かいことを言っても仕方ないですが、基本的に不確定性原理を誤解されているのでしょうね。
大体どの位の大きさかはわかりますが、交換しない物理量は同時に正確には測定できないでしょう。

>EPRペアというと、位置、運動量、スピンが全て相関をもっているものだとばかり思っておりました。

それは間違いとは言えないかも知れません。
「ハイゼンベルグ形式による量子力学」という本の中でEPRパラドックスについて扱った部分があり、それを要約した内容をUPしました。

http://teenaka.at.webry.info/200706/article_25.html

  投稿者:sym - 2007/06/29(Fri) 23:25  No.1796 
>EPRペアというと、位置、運動量、スピンが全て相関をもっているものだとばかり思っておりました。
>非線形結晶の実験ではスピンだけが相関なのですね。

誤解を与えるような説明をしてしまいました。位置、運動量、スピン、位相、全てが相関をもちます。しかし、何を計り、どの物理量の相関を知ることができるかはまた別の話ということです。
基本的にレーザー光はコヒーレント(可干渉)な光であり、レーザー光という集団の中にいる光子は他の光子と区別することができません。言い換えると光子自身はすべてが自分自身であると思っています。このような光子集団であるレーザー光を非線形結晶に入射すると光子が2つに分裂することがあります。(どうして分裂するかは聞かないでください。答えられることもあるかもしれませんがわからないことのほうが多いです。詳しく知りたい場合はパラメトリックダウンコンバージョンなどで検索するといろいろ出てくると思います。)2つに分裂した光子は元の光子のちょうど半分のエネルギーをそれぞれ持ちます。そして、2つの光子がもつれている場合、2つを区別することはできません。実はこの時点では”2つ”ということさえいうことができないのです。

長くなってしまいましたが、もう少し書かせてください。
まず平面波について考えてみます。こいつは相当の曲者です。全空間において存在確立が一定であり、どこにでもいるともいえるし、どこにもいないともいえます。位置を測定した際にどこで発見されるかはまったくわかりません。ただ運動量だけが決まっています。
次に、この平面波があるスリットに入射したときを考えます。スリットを通過した量子に注目すると、この量子の位置は確定したことになります。
つづいて、量子はスリットを波源として広がっていきます。
そして最終的に検出器によって量子を発見しその位置が測定されることになります。
ここで、平面波からの類推で波数ベクトルの方向を運動量ベクトルの方向だと解釈することにします。この解釈は問題ないと思います。
こう考えると検出器で観測できた量子の運動量と位置は同時に確定したように思えます。
これは正しいと思いますが、しかし、ここでは運動量の測定はしていないのです。
ひとつ注意があります。量子が飛行しているようなイメージで書いてきましたが、波動関数は定常状態を念頭においています。最後の測定という操作だけ異質なことに注意です。

  投稿者:sym - 2007/06/30(Sat) 01:08  No.1798 
>位置も運動量も測定しないで、光ファイバーを通したり、鏡で反射させるなんてどうやってるのかと不思議に思ってました。

位置を測定しないで、光ファイバーを通したり、鏡で反射させるなんてことはできないです。
実際の実験では使用しない、が正解です。普通に偏向板を使います。


>光子も運動量を持ってますから、鏡で反射したら反動で鏡が動きますから…

光子の運動量は非常に小さいので…
ミクロに考えると、わからなくなります。

  投稿者:nob - 2007/07/02(Mon) 10:18  No.1810 
T_NAKA様

>波長はどうやって測るのですか?
これは元の光子が2個に分かれたとのことですから、波長は単純に2倍で良いのではないでしょうか?

>では古典的干渉実験で、発信元とスリットを結んだ線上にしか粒子は到達しないことになりますよ。スリット自体を新たな発信元としても、どちらのスリットから飛んできたかは分からないでしょうね。

なるほどつまりスリットによる回折でエネルギーを失っていて、到達時刻は予想できないと言うことですね。

sym様
>そして最終的に検出器によって量子を発見しその位置が測定されることになります。
>ここで、平面波からの類推で波数ベクトルの方向を運動量ベクトルの方向だと解釈することにします。この解釈は問題ないと思います。
>こう考えると検出器で観測できた量子の運動量と位置は同時に確定したように思えます。
>これは正しいと思いますが、しかし、ここでは運動量の測定はしていないのです。

ここが良く分らないところです。
確かにスクリーンが単純な蛍光版だと粒子の衝突した場所しか分りません。
しかしたとえばスクリーンに微小な側的を何段にもビッシリと敷き詰めてみるとか、工夫の仕方によっては、向きも分るのではと思いました。
スクリーンに激突した時点で粒子としては、測定器に位置を読み取られ位置が確定します。しかしその後段に更に測定器があるかどうかは粒子としては知り様も無いと思うのですが。

運動量と位置を測る行為に何らかの不確定性が出てくるのは分りますが、結局は運動量の測定も同時にやっているように思えてなりません。

  投稿者:T_NAKA - 2007/07/02(Mon) 11:13  No.1811 
>>波長はどうやって測るのですか?
>これは元の光子が2個に分かれたとのことですから、波長は単純に2倍で良いのではないでしょうか?

私は測定の方法について聞いているのです。
スクリーン上に輝点を作った後で光子の波長を測ことはできないでしょう。(光子は吸収され消滅しているので)
輝点を作る前に波長を測ると輝点自体が発生しないことになると考えています。
「位置と運動量の誤差の積はプランク定数以下に出来ない」という不確定性原理を良くお考え下さい。
どうも測定しなくても運動量の確定値が存在しているとお考えのようですね。。

>これは元の光子が2個に分かれたとのことですから
これも誤解されているようです。「光子が2個に分かれた」のではなく、2つのスリットを同時に通過したと考えないと干渉縞ができないと言っているだけだと思います。

>波長は単純に2倍で良いのではないでしょうか?
波長が2倍になるということは光子は速度が決まっていますから、振動数が半分になりますね。
可視光であると、発光色が変わってしまうということですね?
スリットの数が増えるとドンドン色が変わることになるんですが、おかしいと思いませんか?

  投稿者:nob - 2007/07/02(Mon) 13:14  No.1813 
T_NAKA様

>これは元の光子が2個に分かれたとのことですから
これも誤解されているようです。「光子が2個に分かれた」のではなく、2つのスリットを同時に通過したと考えないと干渉縞ができないと言っているだけだと思います。

いえいえ。
そういう意味ではなくて、光子のEPRペアを使う実験では光源のレーザーから出る光子を非線形結晶に当て2つに分裂させて使います。
ですからEPRペアの光子の波長は光源のレーザーの波長の2倍のと分っているのではと書いたのです。
また干渉縞の間隔からも周波数を求めることは出来ますね。

ところで光子は速さが決まってますから、光子の到達時刻からどちらのスリットを通過したか分ってしまうということは無いのでしょうか?

  投稿者:T_NAKA - 2007/07/02(Mon) 13:48  No.1814 
運動量とエネルギーが保存されたと言っても、1光子に対して

ω1+ω2=一定 、k1+k2=一定

が保証されただけではないでしょうか?
干渉縞が出来るか出来ないかはともかく、スクリーンの一箇所に輝点が集中しないということは測定にバラツキが生じるということです。
nobさんのお考えだと、量子力学そのものを否定しているように思えます。
エンタングルな2粒子の場合、一方を測定したらもう一方が確定するということでしょう。
測定するまえはどちらも確率以外に確定したものはありません。

こちらをもう一度良く読んで欲しいと思います。
http://teenaka.at.webry.info/200706/article_25.html

さて、いくらご説明申し上げても私の意見に賛同していただけないようなので、この件については離脱いたします。私へ反論されても再反論しないつもりなので、悪しからず。

  投稿者:nob - 2007/07/02(Mon) 14:56  No.1815 
T_NAKA様

大変失礼しました。
私の粗雑な文章で不快感を与えてしまいました。
お詫び致します。
以後は気をつけますのでお許し下さい。

http://teenaka.at.webry.info/200706/article_25.html
こちらのページは読ませて頂きましたし、参考にさせて頂いてます。
不確定性原理は理解の程度は怪しいながら、一応は理解しているつもりです。

「運動量の測定が行われていない」という部分に反論したわけではなく、何故そうなのかよく分らなかくなってきた為に質問させて頂きました。
量子力学を否定できるほどの知識は持ち合わせておりませんです。

  投稿者:凡人 - 2007/07/02(Mon) 22:00  No.1821 
FAMさん、のほほさん、nobさん、T_NAKAさん、ワイルさん。
いろいろと、アドバイスいただき有難うございました。
みなさんのお陰で、この件は、自分でもっと良く調べなければならないという事が、身にしみて分かりました。

  投稿者:sym - 2007/07/03(Tue) 01:50  No.1823 
>また、生成したもつれ光子対のもつれ度を2重スリットを使って測定する際、スリットの幅はmmオーダーであり、光は光線として取り扱うのだということに注意してください。

見当違いの発言をしてしまいました。No.1779、No.1789の発言は誤りです。申し訳ありません。

この場合、片方のスクリーンで干渉縞が現れないのは非線形結晶を通過した光が空間的なコヒーレンスを失っていたためだと思われます。つまり、自然光を2重スリットに通したのと同じように干渉縞がつぶれてしまうということです。

>位置を測定しないで、光ファイバーを通したり、鏡で反射させるなんてことはできないです。

これはよく考えずに発言してしまいました。量子力学的な光と物質の相互作用の取り扱いはよく知りませんでした。
”干渉計”があるのだから干渉実験にミラーを使うのは問題ないのかもしれません。


nob様

量子力学で言う観測は不連続に波動関数の形を変える操作です。たとえば位置を観測すると波動関数はパルス状に形を変えます。理論的にはそれだけなんですが、本当のところ、自然はどうなっているのでしょうね。